阪神(☆6対1★)西武 =交流戦3回戦(2022.06.02)・阪神甲子園球場=
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西武
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阪神
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勝利投手:ガンケル(2勝4敗0S)
敗戦投手:隅田 知一郎(1勝6敗0S)
  DAZN
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DAZN

◆阪神は0-0で迎えた4回裏、ガンケルと中野の適時二塁打などで3点を先制する。その後、1点を返されて迎えた7回には、糸原の適時打で再びリードを広げた。投げては、先発・ガンケルが7回途中5安打1失点の好投で今季2勝目。敗れた西武は、投打に振るわなかった。

◆阪神先発のジョー・ガンケル投手(30)が、バットで嫌なムードを吹き飛ばした。0-0と同点の4回2死二塁、西武先発隅田から右中間への先制適時二塁打を放った。直前の無死一、三塁では長坂の中飛で三塁走者糸原がタッチアップ。西武愛斗の好返球でホームタッチアウトとなっていた。先発投手が自らのバットで流れを引き戻した。ガンケルは来日3年目で初打点。今季ここまで13打数4安打、打率3割8厘と野手顔負けの打棒を発揮している。阪神打線はガンケルの打席まで9安打を放っていたが、あと1本が出ず無得点に終わっていた。この試合10安打目でようやく1点を先取。その後、1番島田の一塁へのゴロが失策を誘い、1点を追加。2番中野が適時二塁打を放ち、この回一挙3点を奪った。

◆阪神先発のジョー・ガンケル投手(30)が、3安打1打点の大暴れだ。6回1死、西武2番手ボーから中前打を放った。阪神投手の猛打賞は、16年8月25日DeNA戦でメッセンジャーが3安打3打点して以来。交流戦に限れば球団初となった。続く1番島田の左前への当たりにスタートが遅れ、二塁フォースアウト。肩を落としてベンチに戻ったが、スタンドからは温かい拍手が降り注いだ。まさに「ガンケル劇場」だ。助っ人右腕は2回に右前打、4回には来日3年目で初打点となる先制の適時二塁打を放っていた。投手ながら今季はここまで14打数5安打、打率3割5分7厘。野手顔負けの打棒を発揮している。本業のピッチングでも西武打線に対し、6回1/3を投げ1失点。「全体的にまとめることができて、先発としての仕事はできたかなと思うよ。最後のイニングは何とか投げ切りたかったけど、リリーフ陣がしのいでくれたので感謝したいね。今日は打席でもうまく芯に当てることができて、良い結果を出すことができてよかったよ」と振り返った。

◆甲子園で珍しい「レフトゴロ」が記録された。阪神攻撃の6回1死一塁で、島田が左翼方向への低い弾道の痛烈な打球を放った。一塁走者のガンケルが一、二塁間の中間付近で一瞬帰塁しかけたが、結果的に左前に落ち、すかさず二塁へ走りだすも手遅れ。二塁封殺となった。判断ミスによる「レフトゴロ」となったものの、ベンチへと戻ったガンケルには、猛打賞を記録したことからか、虎党から温かい拍手が送られた。

◆西武ルーキー隅田知一郎投手(22)は苦しいマウンドになった。5回まで許したヒットは毎回の12本。「相手がカウントごとに狙い球を絞っていて、ストライク先行でいったのが裏目に出てしまいました」。3回までは7安打を許しながら、何とか粘りの投球で「0」を並べた。しかし、4回に3失点(自責1)。無死二、三塁から中飛で愛斗が好返球で、タッチアップのランナーを本塁で刺した。2死二塁とピンチが縮小した後に落とし穴があった。打者は阪神投手のガンケル。この回も無失点でしのげるかと思われたが、145キロ直球はベースの真ん中に吸い込まれた。右中間へ適時二塁打と痛打された。4回2死の10安打目で、ついに1点を失った。さらに味方のタイムリーエラーがあり、中野にも適時二塁打を許した。結局、5回まで76球。無四球ながら、12安打3失点(自責1)だった。「ガンケル投手に打たれてしまった後、2点目、3点目と与えてしまったのがすべてです。四球を出さないことは、投手は誰しも目指しているところなので、良かった点だとは思いますが、打たれてしまったら意味がないので、もう少しピッチングを見直さなければいけないと感じました」6回の打席で代打を送られ、3月26日以来となる、2勝目はならなかった。次回登板に向けては「与えられたところでしっかり頑張りたいので、練習しながら次の相手をイメージして調整していきたいと思います」と語った。

◆阪神大山悠輔内野手(27)が、2年ぶりプロ5度目の犠打を決めた。2点差に迫られた直後の7回無死一、二塁。初球からバントの構えを見せると、甲子園にどよめきが起こった。初球はボール。2球目をきっちりと三塁寄りの投手前へ転がし、送りバント成功。1死二、三塁と好機を拡大させ、続く糸原の2点適時打を呼び込んだ。大山の犠打は20年9月13日広島戦以来。主砲の献身的な仕事が貴重な追加点につながった。

◆阪神は序盤の大拙攻を乗り越え、2連勝で借金を11に減らした。先発のジョー・ガンケル投手(30)が打っても決勝打を含む来日初猛打賞と奮闘し、7回途中5安打1失点で今季2勝目。打線も今季最多を更新する1試合17安打を放った。立ち上がりから好機を逃し続けた。1回1死一、三塁から4番佐藤輝明内野手(23)、5番大山悠輔内野手(27)が凡退。2回2死一、三塁では1番島田海吏外野手(26)が空振り三振。3回は2安打を放ちながら、3番近本光司外野手(27)の二盗失敗もあって無得点。3イニング終了時点で7安打無得点と本塁が遠かった。4回も無死二、三塁から8番長坂拳弥捕手(28)の浅い中飛で、三塁走者の糸原健斗内野手(29)が本塁憤死。一気に好機がしぼみかけたところで、雰囲気を一変させたのが9番打者のガンケルだった。2死二塁から右中間に先制の適時二塁打。来日3年目の初打点で流れを変えた。さらに1番島田の一ゴロが適時失策を誘い、2番中野拓夢内野手(25)が左中間に適時二塁打。この回ようやく3得点で試合を優位に進めた。ガンケルは投げても5回終了時点で1安打無失点。6回2死満塁では5番森を三ゴロに仕留めた。最後は3点リードの7回1死一、二塁で降板。救援陣が適時打を浴びて1失点となったが、上々の投球内容で自身4戦ぶりの白星をゲットした。阪神投手の猛打賞は16年8月25日DeNA戦のメッセンジャー以来、約6年ぶりとなった。打線は5回途中で先発9人全員安打を達成。2点差に迫られた7回無死一、二塁には5番大山が2シーズンぶりの犠打を成功させる執念を見せた直後、6番糸原が右翼線に2点打を決めた。8回には1番島田の右越え適時二塁打でダメ押しした。救援陣は4点リードの8回に藤浪晋太郎投手(28)が登場し、最速159キロを計測して1イニングを1安打無失点。投打ともに勢いを取り戻し、3日からは新庄BIGBOSS率いる日本ハムと甲子園3連戦を戦う。

◆藤浪VS森。12年に春夏連覇を達成した「大阪桐蔭」の先輩後輩バッテリー。その対決は、西武森友哉捕手(26)が勝利した。8回2死。マウンドには阪神藤浪がいた。「5番キャッチャー森」。そのコールされると、甲子園のファンから拍手が起こった。9年前の甲子園では同じ「TOIN」のユニホームをまとい、この地を熱くした。その2人がプロの世界で対決となった。真っ向勝負。その初球。低め159キロ直球を森はフルスイングした。打球は右翼線への二塁打となった。1学年下の森に軍配が上がった。

◆阪神ジョー・ガンケル投手(30)が先制適時打を含む猛打賞と6回2/3 5安打1失点の投打の活躍で2連勝に貢献した。4月24日のヤクルト戦(神宮)以来の2勝をあげた。阪神投手の猛打賞は16年メッセンジャー以来の快挙。お立ち台に立ったガンケルは「本当に最高です。ここまでチームの勝利のために投げていて、勝つことがなかなか勝てていなかった。なんとかチームの勝利に貢献できて良かったです」と喜んだ。打撃には「あまりバッティングには期待しないでください」と笑いを誘った。打線では、糸原健斗内野手(29)が7回1死二、三塁で適時右前打で貴重な2点を追加し、西武を突き放した。この日、今季3度目の猛打賞で先発ガンケルを援護。糸原は「3月、4月苦しくても頑張れ頑張れと応援しているファンのために、それだけを思っていたので、それが秘訣(ひけつ)かなと思います」とファンに感謝の言葉を送った。チームは先発全員安打、甲子園で最多となる、17安打6得点の猛攻で西武にカード勝ち越し。明日から始まるBIGBOSS率いる日本ハムとの3連戦(甲子園)に大きく弾みをつけた。糸原は「あしたからビッグボスが来るので、圧倒されないように頑張ります!」と意気込んだ。

◆阪神は序盤の大拙攻を乗り越え、2連勝で借金を11に減らした。先発のジョー・ガンケル投手(30)が打っても決勝打を含む来日初猛打賞と奮闘し、7回途中5安打1失点で今季2勝目。打線も今季最多を更新する1試合17安打を放った。▼阪神は今季の総得点、総失点がともに166となり、得失点差が今季初めてプラスマイナス0になった。借金は11だが、得失点の収支はひとまず"完済"した。負け越しているチームは得失点差がマイナスになることが多いが、最下位のチームで0は異例だ。1950年(昭25)の2リーグ分立後、シーズンの得失点差がプラスのチームが最下位になったのは、94年の横浜(現DeNA)と98年のロッテだけ。阪神は50年以降4位は6度ある(うち50年は8チーム)が、最下位はない。得失点差データからみれば、阪神は巻き返せる要素があるといえる。

◆阪神ジョー・ガンケル投手(30)が投げては6回1/3で5安打1失点の好投、打っては先制打を含む猛打賞と、投打の活躍で勝利に大きく貢献した。同投手は4月24日ヤクルト戦以来の2勝目。阪神投手の猛打賞は16年メッセンジャー以来の快挙だった。チームは先発全員安打、甲子園で今季最多となる、17安打6得点の猛攻でカード勝ち越し。BIGBOSS率いる日本ハムとの3日からの3連戦(甲子園)に向けてはずみをつけた。試合後の矢野燿大監督(53)の一問一答は以下の通り。-ガンケルが投打で活躍「いやあ、ピッチングにね、バッティングにね、なかなかランナーが出ても点がとれないという中で、バッティングもみせてくれましたね」-投球の評価する部分は「投球のテンポもよかったですしね、ストレートの走りも、走ってました。初対戦で向こうにタイミングをとらせない、しっかりしたスイングをさせないというような投球をしていたので、大丈夫だなというふうには思っていました」-先制適時打の直前に愛斗の好守備もあったが、打ってよし投げてよしだった「流れ的にね、ヒットは出て、ランナーは出て、点をとれないというのはずっと続いたんでね。あの1点というのは大きかったですし、あの後も続いたんでね。本当にガンケルが流れを変えてくれましたね」-ガンケルの後、アルカンタラが上位打線で踏ん張った「あの2つのアウトというのはね、本当に流れを食い止める、アルカンタラの気持ち。そして丁寧に投げるいうところはしっかり出してくれた。本当に大きな2つのアウトでしたね」-7回は大山の今季初犠打の後、糸原に適時打が出た「あのバントもね、1点取られた後でしたし、この1点が相手に与えるダメージは大きいですし。健斗(糸原)があのあと打ってくれたっていうことでバントも生きましたし、なかなか点取れない中、こういう野球をやっていく必要があるかなと思います」-2日連続の1番島田がいい活躍をした「本来ね、去年も後半も1番でずっと出るような力をだんだん付けているのは、こっちも評価をしていた。ここにきて、ようやく出てきてくれたんで、いろんな形で何かを育てたいと思っているし、島田が出ることでうちの強みの足が使える攻撃になっていくので、いい働きをしてくれたと思います」-今季最多の17安打、先発全員安打、打線が上向きになるいいきっかけになれば「そうですね。全体的に当たりが出てきていますし、僕自身を含めてどうやって点につなげていくかをやっていけるような状態に上がってくれたと思います。これからまだ残り試合はたくさんあるんで、各自の状態を上げるっていうのは絶対必要なんで、きっかけにしていきます」-3日からは日本ハムBIGBOSS監督との対決になる「新庄監督に注目が集まると思いますし、いろんなことを今シーズンの中でもいろんな野球を挑戦しているのでね。僕たちは僕たちの野球に集中することしかできないんで。一番は僕たちが超積極的にいくというのは、きょうもやっていますし。まずは僕たちの野球をしっかりやりきりたいと思います」

◆大谷翔平もビックリの大車輪だ! 阪神先発のジョー・ガンケル投手(30)が投打の大活躍で2カード連続勝ち越しに大貢献した。「日本生命セ・パ交流戦」の西武戦で、投げては7回途中1失点で2勝目、打っては決勝タイムリーを含む猛打賞。今季初の先発全員&最多17安打の快勝を導き、元阪神の新庄BIGBOSSが甲子園に凱旋(がいせん)する3日からの日本ハム3連戦に弾みをつけた。勝利への執念がにじみ出た。阪神の5番、大山悠輔内野手(27)がバントの構えに入ると、甲子園にどよめきが起こった。2点差に迫られた直後の7回無死一、二塁。矢野監督の采配に応え、宮川の高め直球を三塁寄り投手前に転がした。20年9月13日広島戦以来、2年ぶりプロ通算5度目の犠打成功。主砲の献身的な働きで絶好のチャンスを演出した。矢野監督 1点取られた後、この1点が与えるダメージは大きい。一発で決めるのも簡単じゃない。しっかり決めてくれていい形に持っていけた。本来かえすべき男の自己犠牲に、糸原健斗内野手(29)が燃えた。1死二、三塁。西武に傾きかけていた流れを呼び戻す2点適時打でリードを4点に広げた。糸原自身は10試合連続安打で今季3度目の猛打賞。4月打率1割台と苦しんできた男は「僕らしい"汚いヒット"」と胸を張った。勢いづいた打線は今季初の先発全員安打。17安打も今季最多で、6得点は今季甲子園最多だ。初夏の祭りに大山がスパイスを効かせ、糸原の快打を引き立たせた。矢野監督 健斗(糸原)が打ってくれてバントも生きた。なかなか点が取れない中で、こういう野球をやっていく必要がある。2月の沖縄・宜野座キャンプ。大山はケース打撃でスリーバントを決める場面もあった。「あることはやっておこうと。その意識をゼロにするのか、100のうち10でも20でも持っておくのか」。今季チームトップタイ30打点の主砲にも、指揮官は"聖域"を設けていなかった。それがここぞの場面で生きた。3日からは新庄監督率いる日本ハムとの3連戦。ビッグボスが就任後初めて甲子園に襲来する。すでにチケット完売の大注目の一戦。糸原は「ビッグボスが来るので、圧倒されないように」とお立ち台で宣言。指揮官も「超積極的にいくというのは今日もやっている。新庄監督で注目が集まると思うけど、僕たちの野球をしっかりやりきりたい」と言った。低調だった打線が最高潮で、ビッグボスを迎え撃つ。【中野椋】?▼阪神の自力優勝消滅は最短で3日。条件はヤクルト○のときは阪神△●、ヤクルト△なら阪神●。○...「7回の男」アルカンタラが火消しに成功した。7回に2番手渡辺が代打栗山に適時打を浴び、2点差に迫られた場面で登板。だが落ち着いて1死一、二塁から若林を見逃し三振、続く呉念庭を二ゴロに仕留めた。2/3回を無失点に抑えて11ホールド目。「この投球を継続できるようにまたしっかり準備したい」と笑顔だ。矢野監督も「本当に大きな2つのアウトでした」とたたえた。○...今季6度目のスタメンマスクをかぶった長坂が攻守に奮闘した。打ってはプロ6年目で初のマルチ安打。守備では先発ガンケルを好リードし、フル出場で投手陣を引っ張った。矢野監督は「1試合(マスクを)かぶるのは成長できているところだし、プラスアルファ今日は2本打てた。スタメンで出ようと思ったら、そういうところも必要。いいところを出してくれているので使いたくなる」と目を細めた。○...阪神中野が中押しの適時二塁打を放った。ガンケルの先制打などで2点をリードした4回、なお2死二塁。先発隅田の直球をとらえて左中間を破った。「ガンケルがいい場面で打ってくれていましたし、自分もランナーをかえして1点でも多く援護したいと思っていました。追加点を取ることができてよかった」。打率はチームトップの2割7分8厘。出てかえして2番役割を果たし続けている。○...阪神島田が2試合連続の1番起用に応えた。1点を先制した直後の4回2死二塁、一塁へのゴロが失策を誘い追加点を奪った。8回にはダメ押しの適時二塁打。6回の左前への当たりは一塁走者ガンケルが二塁封殺となり「レフトゴロ」。猛打賞こそ逃したが5打数2安打1打点、1盗塁で存在感を示した。「今は自分のことで精いっぱいですけど、いい結果を残せるように必死にやっていきます」と汗をぬぐった。?▽阪神矢野監督(ガンケルについて)「なかなかランナーが出ても点が取れないという中で、バッティングでもみせてくれた。(先制打で)本当にガンケルが流れを変えてくれた。投球のテンポもよかった。確実に状態は上がってきてる」▽阪神岩貞(9回に登板し2三振を含む無安打無失点)「チームのいい流れの中で、最後そのままゲームを締めることができて良かったです」

◆阪神藤浪晋太郎投手(28)には、1学年下の元女房役との対決を楽しむ余裕があった。4点リードの8回2死無走者。5番森に初球の内寄り低め159キロ直球を痛打されると、マウンド上で笑みがこぼれた。「森の方が上だった。さすがだな、と。超一流の打者だとあらためて思いました」。試合後のコメントからは、すがすがしさすら漂った。2人は大阪桐蔭で甲子園春夏連覇を達成したバッテリー。5番森がコールされると、3万2831人の観衆が沸きに沸いた。1軍公式戦では18年6月3日に四球を与えて以来、4年ぶり2度目の対決。「状況も状況でしたし、個人的に楽しみたい場面でもありました。多分、球場にいた全員がストレート勝負を期待していた。それをやってこそのプロ野球なので」。全身全霊を込めた1球だった。直球待ちの打者に直球を選択。この日最速の159キロは物の見事にフルスイングされ、痛烈なライナーで右翼線に運ばれた。二塁打。それでも先輩はどこか満足げだ。「打たれる、打たれないではないかなと。真っすぐを張っているのは分かっていました。その上でお客さんがみたいモノを見せてこそのプロ野球。楽しんでくださった方がたくさんいたなら、それで良かったなと思います」。1軍再昇格2戦目は1イニングを1安打無失点で勝利に貢献した。3番愛斗は149キロフォークでバットを折り遊ゴロ。4番山川は147キロフォークで三ゴロ。最後は2死二塁で、大阪桐蔭の11学年先輩の5番中村を内角158キロで押し込み、右飛に仕留めた。大阪桐蔭対決は1勝1敗。「前回より良かったと思います」。1軍復帰後、2回を0封。藤浪が心身ともに勢いづいてきた。【佐井陽介】

◆阪神近本光司外野手が9試合ぶりの猛打賞で大勝に一役買った。2試合連続の3番。初回に先発隅田の直球を中前に運ぶと、3回にも左腕の直球を左前に運んだ。7回には先頭打者として3番手宮川の151キロの直球を捉えて出塁し、糸原の適時打で生還した。交流戦では初めて見る投手との対決が連なるが「どんな投手でも、それぞれの球種をどう打つかというイメージを持って打席に入っています」と昨季の最多安打者は不動心だ。3安打は今季5度目。3番は今季9度目だが、「打順どうこうより、まず自分のスイングをすることが大事」と冷静に対応している。この日の球宴の中間発表では、セ・リーグ外野手部門で4位から、選出圏内の3位に浮上。いよいよ近本の季節がやってきた。

◆西武栗山巧外野手(38)は、また頼もしい1本を放った。7回1死一、二塁のチャンスで代打として登場。阪神渡辺雄の128キロスライダーを捉えた。左のサイドスローという左打者の難敵も苦にせず、しっかり芯で打ち返した。打球は一、二塁間を抜け、ライト前への適時打となった。二塁ランナー中村が激走し、本塁に生還した。栗山は「3点差だったので、何とか1点と思って打席に入りました。(中村が)一生懸命走っていましたね。ナイランです」。適時打の直前には右翼へ特大ファウルも放っていた。「ファウルも、良いスイングができていたので、納得した打球です」と振り返った。5月28日DeNA戦はスタメンで猛打賞。同29日DeNA戦では代打サヨナラ弾を放ち、1日の阪神戦では代打で中越えの2点適時二塁打と活躍が続く。春の不調がうそのように一気に調子が上向いてきた。

◆大谷翔平もビックリの大車輪だ! 阪神先発のジョー・ガンケル投手(30)が投打の大活躍で2カード連続勝ち越しに大貢献した。「日本生命セ・パ交流戦」の西武戦で、投げては7回途中1失点で2勝目、打っては決勝タイムリーを含む猛打賞。今季初の先発全員&最多17安打の快勝を導き、元阪神の新庄BIGBOSSが甲子園に凱旋(がいせん)する3日からの日本ハム3連戦に弾みをつけた。5月のこと。阪神糸原の母校・開星(島根)の野球部員60人超が、ミーティング場に掲げられた「糸原」の大見出しを見つめていた。4月28日付のスポーツ新聞だった。27日の中日戦で、糸原は二ゴロと遊ゴロでそれぞれ打点を挙げてヒーローになった。恩師の野々村直通監督(70)はこの2打点を喜び、ミーティングの題材にすることを迷わず決めた。「どうして内野ゴロを2本打っただけで、糸原が新聞の1面になるか分かるか? あいつはただ打つ、というだけじゃなくて、チームのために何とかしようと必死に気持ちを出している。高校の時からあいつが持っている魂なんだ」。天才的な打撃で当時は全国的にも有名だった糸原だが、同時にフォア・ザ・チームの精神が強かったという。お立ち台で「僕らしい汚いヒット」と言った糸原。派手なプレーではなくても、後輩たちのお手本になるのが糸原のプレースタイルだ。【遊軍 柏原誠】

◆【日刊スポーツ西日本写真映像チームのとっておき映像プレイバック】西武山川穂高が試合前練習でヒヤリ、阪神打撃練習での打球が西武ベンチ前にいた山川のもとへ飛んできた! 果たして

◆大谷翔平もビックリの大車輪だ! 阪神先発のジョー・ガンケル投手(30)が、投打の大活躍で5位DeNAとの差を2に縮めた。「日本生命セ・パ交流戦」の西武戦で、打っては決勝打を含む猛打賞、投げては7回途中1失点で2勝目を挙げた。今季初の先発全員安打&最多17安打の快勝を導き、元阪神の新庄BIGBOSSが甲子園に凱旋(がいせん)する3日からの日本ハム3連戦で一気にテール脱出だ。ガンケルが自らのバットで打線に火を付けた。0-0で進み、この回もまた無得点かと思われた4回2死二塁。西武隅田の145キロを完璧に捉えた打球が、中堅愛斗の頭上を越えた。「何とかチームメートをかえそうと、思いっきり振りにいきました」。来日3年目で初打点となる先制の適時二塁打で点火してもらった打線は、この回さらに2点を追加。それまで9安打を放ちながら拙攻の連続で決定力不足だった打線に"喝"を入れる一撃で、試合の流れをガラリと変えた。恐怖の9番は止まらない。3点リードの6回にはボーの変化球を中前へ。2回の第1打席でも右前打を放ち、来日初の3安打だ。阪神投手の猛打賞は、16年8月25日DeNA戦でメッセンジャーが3安打して以来6年ぶりで、交流戦では球団史上初。個人では高校以来の3安打だという。自身3試合連続安打で、打率を3割5分7厘まで上げた。「ピッチャーがヒットを打って出塁するときは、チームに流れをもたらすことができる。攻撃面でも貢献できて良かった」投手へ本格的に取り組んだのは高校からで、もともとは野手志望だった。「最初は外野手がやりたかったので断っていたけど、(高校の)コーチに投げさせられて」と苦笑い。だが、次第に投手としての能力を開花させ、「年を重ねるにつれて、バッティングよりピッチングの方が楽しくなったんだ。コーチには感謝してるよ」。投手としてプロの道に進んだが、持ち前の打撃技術は健在だった。本業の投手では7回途中5安打1失点の快投。4月24日の敵地ヤクルト戦以来、約1カ月ぶりの2勝目を挙げ、パ・リーグ相手に3度目の登板で交流戦初勝利をつかんだ。お立ち台では打撃については「あまり期待しないでください」と笑いを誘った。それでも「次の登板もしっかり投げて、バッティングでもいい結果が出れば」と、次戦でも海の向こうの大谷もビックリな二刀流の活躍を誓った。今季初の先発全員安打で今季最多の17安打をけん引。チームは2カード連続の勝ち越しで、5位DeNAに2ゲーム差まで最接近した。3日からは甲子園で新庄BIGBOSS軍団を迎え撃つ。最高の弾みがついた。【古財稜明】▼投手のガンケルが3安打。投手の猛打賞は今年3月26日森下(広島)以来だが、阪神では16年8月25日メッセンジャー以来6年ぶり。ガンケルの2本目は先制打で、投手がV打を含む猛打賞は08年8月17日吉見(横浜)以来となり、阪神では90年6月16日キーオが巨人戦で記録して以来32年ぶり。また交流戦で投手の猛打賞は10年5月15日涌井(西武)以来2人目でセ・リーグの投手は初めて。

◆2日に西武戦(甲子園)に先発する阪神・ガンケルはキャッチボール、ダッシュなどで調整した。「山川はホームランをいっぱい打っている。長打を打たせず、弱いゴロを打たせることを心がけて投げたい」。前回5月26日の楽天戦(甲子園)は7回無失点も打線の援護に恵まれず、チームは0-1で敗れた。7試合で、防御率2・77と結果を残しているものの1勝4敗と負けが先行している右腕は「自分の数字よりもチームが勝てる投球をしたい」と謙虚だった。

◆交流戦ならではの光景が試合前のグラウンドで繰り広げられた。阪神の打撃練習中、三塁ベンチ前に今季17発でパ・リーグの本塁打王へ独走中の西武・山川がゆらりと登場。5月31日の第1戦で一発を放ち、12球団本拠地アーチを達成した「どすこ~い」に大山らがあいさつへ向かう中、佐藤輝は自らのバットを持って現れた。佐藤輝はそれを山川へプレゼント。手にした山川はうれしそうな表情で、佐藤輝のフォームをまねながら、バットの感触を確かめていた。

◆両軍のスターティングメンバーが発表。阪神は島田海吏外野手(26)が2試合連続で「1番・右翼」に入った。1日の同戦は今季初の猛打賞の活躍で打線を牽引した。西武の先発はD1位・隅田(西日本工業大)。俊足功打のリードオフマンが、チーム全体で苦手とする左腕から突破口を切り開く。

◆甲子園6連戦の2カード目となる3日の日本ハム戦で先発するアーロン・ウィルカーソン投手(33)がブルペンで最終調整。日本ハム打線については「まだビデオは見ていないです。今日しっかり確認しようかなって思っています」とコメント。「自分が注意するところを見つつ、自分の状態と合わせながら投げていきたいです」と語った。来日1年目の今季はここまで7試合に登板し、4勝2敗、防御率は1・45。現在、15イニング連続無失点だ。「自分というよりは守備のおかげだと思っています」と感謝の思いを忘れず、ビッグボス率いる日本ハムに向かう。

◆阪神が一回の絶好機を逃した。先頭の島田が初球を中前に運び出塁すると、中野が犠打、近本が中前打でつなぎ1死一、三塁の好機。しかし、佐藤輝は135㌔変化球に手が出ず見逃し三振。続く大山もカウント2-2からスイングを取られ、空振り三振に倒れた。

◆阪神打線の歯車が全くかみ合わない。一回は1死一、三塁から佐藤輝、大山が連続三振。二回は先頭の糸原が三塁内野安打で出塁したが、小野寺が三ゴロ併殺。2死から長坂、ガンケルの連打で好機を作ったが島田が空振り三振に倒れた。三回は1死から近本が左前打を放つも、続く佐藤輝の打席でディレードスチールに失敗。直後に佐藤輝が中前打を放ったが大山は一ゴロに倒れた。三回までにヒット7本と塁上をにぎわせながら無得点。ちぐはぐな攻撃が続いている。

◆届きそうで届かなった先制点をもぎ取ったのは、投打で躍動する助っ人だった。阪神の先発、ジョー・ガンケル投手(30)が四回に先制の適時二塁打を放った。2死二塁で打席に向かうと、西武のD1位・隅田(西日本工業大)の145㌔を振り抜いた。打球は中堅手の頭を越える値千金の先制打。ガンケルは二回の第1打席も右前打を放っており、この日、2打数2安打。出場3試合連続ヒットと二刀流の活躍だ。阪神打線は三回までに7安打を放ちながらも無得点。四回も無死二、三塁から長坂の中飛で三走・糸原がスタート。しかし、中堅手・愛斗の好返球で痛恨のタッチアウトと、ホームが遠かった。直後に打席に立ったガンケルが、この日のチーム10安打目となる一打で流れを変えると、なおも2死二塁から島田の打球を一塁手・山川が失策。ガンケルが2点目のホームを踏むと、中野が適時二塁打を放って3-0とリードを広げた。

◆西武のドラフト1位・隅田知一郎投手(22)=西日本工大=が自己ワーストの12安打を浴び、5回3失点(自責1点)で降板した。長崎・波佐見高3年だった2017年夏以来となる〝聖地〟での登板で、敵地での阪神打線との対戦へ向け「ファンも含めてタイガースというイメージ。(阪神ムードの)雰囲気をつくらせたくない」と警戒していたが、雰囲気に飲み込まれた。三回まで無失点ながら7安打を浴びる苦しい内容。四回に2死二塁から相手の先発投手のガンケルに先制の右中間二塁打を浴びると、その後は失点につながる山川の失策や中野の適時打で3点を奪われた。隅田は3月26日のオリックス戦でのプロ初登板で、12球団の新人一番乗りで初勝利を挙げたが、その後は5連敗と苦しんでいた。この日は味方打線が得点できず、0-3のまま六回の打席で代打を送られた。またしても白星を手にすることができなかった。

◆阪神のジョー・ガンケル投手(30)が七回途中5安打1失点で、勝ち投手の権利を手にした状態で降板した。ガンケルは緩急を巧みに使い、球を低めに集めて西武打線に五回まで1安打投球。3-0の六回に連打で無死二、三塁とされたが、後続を打ち取った。七回に2本の安打で1死一、二塁とされたところで降板したが、ベンチに帰るときにスタンドから大きな拍手が送られた。2番手の渡辺が適時打を浴び、この回、1点を失った。打線は三回まで7安打しながら無得点。四回2死二塁。ガンケルが右中間を破る先制二塁打で火をつけると、敵失と中野の適時二塁打で、さらに2点を加えた。この日、ガンケルは二回に右前打。六回にも中前打。続く島田の左前に落ちる飛球にスタートが遅れて、二塁でアウト(結果は島田のレフトゴロ)。3打数3安打1打点で今季は14打数5安打の打率・357! この日は走攻守で活躍? した。

◆阪神・大山悠輔内野手(28)が3-1の七回無死一、二塁で、投前にバントを決めて二、三塁。大山の犠打は2020年9月13日の広島戦(甲子園)以来。この後、糸原が一塁線を破る2点タイムリーを放ってリードを4点に広げた。大山は1日の同戦では3ランを放ってチームの勝利に貢献。一夜明けて、小技でもアピールした。

◆甲子園で大阪桐蔭高の先輩後輩対決が実現した。阪神・藤浪晋太郎投手(28)が4点リードの八回から4番手として登板。2死後、高校時代にバッテリーを組んで全国制覇も成し遂げた森友哉捕手(26)と対戦。3万2831人を詰め込んだマンモスは大きな拍手に包まれた。藤浪の初球159キロを森がフルスイングし、右翼線二塁打。軍配は森に上がったが、力対力の勝負に球場がわいた。続く先輩の中村剛也内野手(38)との対決は右飛で仕留めて1勝1敗? だった。

◆2試合連続で3番を任された近本が5月22日の巨人戦(甲子園)以来、今季5度目の猛打賞。「打順どうこうよりはまず自分のスイングをすることが大事なので」。一回は中前打、三回には左前へ運び、3-1の七回は中前へ。対戦経験が少ない相手にも対応し「どんな投手でも、それぞれの球種をどう打つかというイメージで打席に入っています」と明かした。

◆甲子園のどよめきが、〝非日常〟ぶりを物語っていた。大山が寝かせたバットを白球にコツンと当てて三塁方向へ転がした。4番も打った男の自己犠牲でチャンスを拡大し、糸原のダメ押し打につながった。勝負手が実り、矢野監督も大きくうなずいた。「作戦ってね。誰か一人だけでは機能しにくい。得点に絡むことでよりバントした選手も生きてくる。チーム全体で勝つ、みんなが生きる状態に持っていける。そういうところでは悠輔(大山)もバント練習はしているので」どうしても1点が欲しい場面だったからこそ、長距離砲に小技を要求し、見事に応えてくれた。直前の七回の守備で1点をとられ、2点差で迎えた3-1の七回無死一、二塁。相手失策にもつけ込み、ここでガツンといければ試合の流れをものにできる。前日に9号3ランを放っていた大山とあって、たたみかけてくれる期待も大きい。だが、背番号3は1ボールから高め直球で投犠打をきっちり決め、〝脇役〟に徹した。レギュラーシーズンでは2020年9月13日の広島戦(甲子園)以来、627日ぶりの犠打を記録。プロ通算5つ目の成功だ。指揮官は「これからもあるし。どうしてもというか、一番点が取れるというふうになれば、そういうこともやっていく。なかなか一発で決めるのも簡単じゃないけど、しっかり決めてくれたというのは、いい形に持っていけた」と声を弾ませた。1点をとるためにどんな役割もこなす。虎への献身を、大山が体現した。(新里公章)

◆5点リードの九回を抑えたのは岩貞。「チームの良い流れの中で、最後そのままゲームを締めることができてよかったです」。先頭・オグレディを三飛に仕留めると、代打・外崎、山田を連続して三振に仕留めた。5月31日の西武との第1戦では?回を1失点だったが、首脳陣の信頼を積み重ねて、勝ちパターンに戻りたい。

◆アルカンタラが七回1死一、二塁で登板。2番手・渡辺が代打・栗山に適時打を許し、2点差に迫られた後だったが、後続を断ち、追加点を許さなかった。「厳しい状況での登板だったけど、あれ以上、ランナーをかえさないという強い気持ちで投げたよ」。1日も1回無失点で2試合連続ホールド。頼もしさが出てきた。

◆四回、中野が左中間への適時二塁打で貴重な3点目を叩き出した。三回まで7安打を放ちながら無得点だったが、ガンケルの先制打と敵失で2点を奪い、なお2死二塁から隅田の145キロをとらえた。「ガンケルがいい場面で打ってくれていましたし、自分もランナーをかえして1点でも多く援護したいと思っていました」。これで6試合連続安打。交流戦は打率・343(35打数12安打)と好調だ。

◆打線に喝!! 阪神は西武に6-1で勝利した。序盤から再三チャンスを作りながら味方打線が得点を奪えない中、先発のジョー・ガンケル投手(30)が四回に先制の適時二塁打を放ち、自ら援護。球団の投手では6年ぶりの猛打賞もマークし、投げては七回途中1失点で今季2勝目を挙げた。チームは6月連勝。ここから反攻や!!) 頂点に達していた虎党のストレスが一気に吹き飛んだ。10本目の安打が、西武の中堅手・愛斗の頭上を越えて右中間のフェンス際に転がる。ガンケルが0-0の四回2死二塁から先制の適時二塁打。打線に喝を入れる来日3年目での初打点だ。「なんとか(走者を)かえそうと思いっきり振った。ボールをよく見て振ることを意識した。ヒットになってよかった」D1位左腕・隅田(西日本工大)の前に三回まで7安打しながらチャンスであと一本が出ない。四回も糸原の中前打に続き、小野寺が左中間を破る二塁打で無死二、三塁。長坂の中飛でタッチアップした三走・糸原が本塁で憤死。またもチャンスをつぶしたか...と思われた。2死二塁、2ボールからの3球目。ガンケルが145キロの直球を振りぬいた。「投手がヒットを打って出塁することでチームに流れをもたらすことができる。攻撃面でも貢献できてよかった」このあと島田の一ゴロを山川がファンブル(記録は失策)して2点目が入ると、さらに中野の左中間への適時二塁打。序盤のモヤモヤを晴らした。 5月19日のヤクルト戦(神宮)は6回1失点、前回5月26日の楽天戦(甲子園)では7回無失点と2試合連続で好投も、ともに味方打線が無得点。この日も三回まで無得点で16イニングも援護がなかった。ならば俺が点を奪う-。自らのバットでゼロ行進を止めた。二回2死一塁で右前打を放ち、六回1死からは中前打。初打点に続く来日初の猛打賞に「(3安打は)高校以来。打撃で試合に出る場面が少なかったので」と驚きの表情だ。お立ち台では虎党に向けて「あまりバッティングには期待しないでください(笑)」と話したが、3試合連続安打で打率・357に上昇。投げては七回途中1失点で2勝目を挙げ、矢野監督は「投球のテンポもよかったし、なかなかランナーが出ても点がとれないという中で、バッティングもみせてくれた」とねぎらった。打撃陣の得点力不足をカバーしているのは先発陣だ。防御率2・58のガンケルは打線の援護に恵まれない中で好投を続けている。青柳の5勝&リーグトップの防御率1・13。西勇の同1・64は青柳に続いてリーグ2位だ。来日1年目のウィルカーソンが4勝を挙げれば、高卒3年目の西純も3勝。先発6人は盤石だ。「自分の勝ち負けを気にするのではなくて、チームの勝利に貢献できるように」とガンケル。チームは今季初の先発全員安打&今季最多の17安打で快勝し、2カード連続の勝ち越しを決めた。新庄監督率いる日本ハムとの3連戦が3日から始まるが、その前に6月連勝スタートで反攻開始。12球団最強の先発投手陣が矢野虎を引っ張っていく。(三木建次)

◆大阪桐蔭高、2012年の甲子園春夏連覇バッテリーの対決に甲子園がわいた。「状況も状況(4点差)でしたし、個人的に楽しみたい場面でもありました」5-1の八回、藤浪が今季2度目の中継ぎのマウンドへ。簡単に2死を奪うと「5番キャッチャー森」。そのコールに、大きな拍手が起こった。「球場にいた全員がストレート勝負を期待していたんじゃないかと思います」ファンが期待した真っすぐで勝負。1学年後輩に159キロを完璧にとらえられ、右翼へ二塁打を浴びた。「流石だなと、超一流のバッターだと改めて思いました」。それでも「ああいう、お客さんが見たいものを見せてこそプロ野球だと思うので、楽しんでくださった方がたくさんいたなら、それでよかったかなと思います」と胸を張った。その後は同じく大阪桐蔭高OBで11学年先輩の中村を右飛に仕留め、無失点で仕事を果たした。

◆どよめきを、矢野監督の執念のタクトを、意気に感じた。一塁線を抜ける白球が追いすがる獅子を突き放す。ナイン全員で響かせた快音のハーモニー。野手のヒーローとして、今季初のお立ち台に上がった糸原は〝泥臭く〟もぎ取ったダメ押し打に胸を張った。「悠輔(大山)がきっちり一発で送ってくれたので、絶対にかえしてやろうという気持ちで打ちました。僕らしい、〝汚い〟ヒットでよかったかなと思います」3-1と2点差に詰めよられた七回。無死一、二塁で大山が犠打。1死二、三塁の好機を演出してくれた5番に糸原が応えた。宮川の135キロフォークに食らいつき、右前への2点打で勝利を決定づけた。二回は三塁内野安打、四回は中前打を放ち、今季3度目の猛打賞。これで10試合連続安打と絶好調の糸原を中心にこの日の虎打線は止まらない。今季初の先発全員安打で今季最多17安打を浴びせ、今季甲子園最多の6得点。息つく間もなく、ヒットを量産した。ただ、手放しで喜べないのは三回までに7安打を放ちながらも無得点だったこと。先制打も先発のガンケルだった。糸原は「先制タイムリーもガンケルが打ってくれたし、このあとちょっと室内でバッティングを教えてもらおうと思います」とジョークを飛ばしながら、「17安打で6点...。少しさみしいと思うので、しっかり効率のいい点の取り方をやっていけたらと思います」と気を引き締め直した。4月は月間打率・147。本拠地・甲子園では「当たり前のことを当たり前にやるだけです」と若手に交じっての早出特打が恒例となった。スランプを脱しようと必死にバットを振り続けた日々。「苦しくても『頑張れ、頑張れ』と応援してくれたファンのために。それだけを思っていつも臨んでいます」。虎党の力で底を脱した糸原が引っ張り、目覚め始めた猛虎打線。次の相手は、新庄監督率いる日本ハムだ。「あす(3日)からBIGBOSSが来るので圧倒されないように頑張ります」主役の座は譲らない。鳴りやまない猛虎打線の快音が、BIGBOSSを圧倒する。(原田遼太郎)

◆「1番・右翼」で出場した島田は、5-1の八回1死三塁から右翼へトドメの適時二塁打を放った。「気合です。まだまだ自分の成績に納得いってないので、もう1本だしたいと思い切っていきました」。一回は先頭で中前へ運び、六回には左ゴロもあったが、2安打1打点。2試合連続で1番に座って打率・556(9打数5安打)だ。矢野監督も「ようやく出てきてくれた。島田が出ることでうちの強みの足が使える攻撃になっていくので、いい働きをしてくれた」とうなずいた。

◆スカパー!さん、ず~っと阪神戦の中継を楽しませていただいてますが、本日は放送事故だったんじゃないですかー?今季の阪神は貧打の極みですでに13度も零封負けをくらっているのに、わが家のテレビ画面には先発全員&毎回の17安打だけでなく、投手のガンケルがタイムリーを含む3安打なんて、信じられない画像が映ってるんですよー!!こりゃ大変だ!! 誤った放送を流すのを、俺も一応メディアの人間だし許すわけには...。でも、甲子園だし、縦じまのユニホームだし、どこからみてもホンモノの阪神だよなあ?いや! やっぱり阪神タイガースと違う!! 2点リードの七回無死一、二塁で、大山に手堅く送りバントをさせる巨人・原監督のような矢野采配なんて、かつて中継で目にしたことはないのだ!!はっ...。原因はスカパーではなく俺か? 昔から人間の怨念がモノに宿るというじゃないですか...。あまりにも得点を奪わないわが家のテレビに、俺の妄想が乗り移りこんな虎祭りを...。くわばらくわばらと、最後までこの快勝が信じられない俺だったのだ!!

◆交流戦ならでは、佐藤輝と西武・山川ならではのシーンでした。「きょうも山川さん、早いなあ」阪神の打撃練習が始まった午後2時過ぎ、記者席からグラウンドに目をこらしていたトラ番原田遼太郎の視線が、三塁側ベンチに動きました。山川が、自軍の練習が始まるより2時間も早く姿を現したからです。「昨日も一昨日もこの時間でした。ベンチ前にシートを広げて、阪神の選手の打撃練習を見ながら、ストレッチを始めるんです」そこへ、大山らがあいさつするために近づいていきました。佐藤輝はバットを手にしています。「佐藤輝からバットを受け取って、グリップや重さを確認しながら話し込んでいます。何を話しているのか聞きにいけないのが残念です」コロナ禍で取材の制限がまだあり、グラウンドには降りられない。山川は佐藤輝を高く評価しているので、バットを欲しがったのだろうということは想像できますが、近づけない。原田はそれがもどかしそうでした。ちなみに、佐藤輝のバットは約85センチで約900グラム。山川は約87センチで約920キロ。同じ長距離砲でも、バットの長さと重さはかなり違うそうです。「去年のオープン戦(3月13日、甲子園)でも、佐藤輝が四球で出塁したときに一塁を守っていた山川さんは『お前は、何の悪魔の実を食べたんだ?』と話しかけています。漫画のワンピースに出てくる、食べると特別な能力が身につく『悪魔の実』のことです。それくらい特別な能力を持った選手だと評価しているんです」昨年5月28日にメットライフドーム(現ベルーナドーム)での交流戦で佐藤輝が1試合3本塁打したときも、「輝明はエグい。かなりエグい。僕なんて全然勝てない」と絶賛しています。「山川の言葉も納得できますよ。佐藤輝の打撃練習を久々に見ましたが、すごいです。むちゃくちゃ飛ばしています」トラ番の応援取材で甲子園に来ていたデスク阿部祐亮も、山川のように佐藤輝の打球に見とれていました。ただ、一緒に見ていた原田は淡々としています。「え? 普通ですよ。佐藤輝はいつもこれくらい打っています」隣にいたビヤ樽編集委員三木建次も〝参戦〟しました。「うん、今は大山がすごい。第1戦の山川の一発はすごかったけど、きのうの大山のホームランも負けず劣らずのいい当たりやった。きょうも気持ちのいい浜風が吹いている。一発出るんちゃうかな」大山にも山川にも、佐藤輝にも一発は出ませんでした。ただ阪神は、序盤は拙攻を繰り返したものの、その後は打線がつながって快勝。七回にはその大山が送りバントまで決めています。「今年は、パ・リーグも〝投高打低〟や。3割打者が3人しかいない。日本ハム以外は全部チーム防御率が2点台や。去年までの豪快さがない。どこも苦労しとる」予想が当たらなかったビヤ樽が、話をはぐらかしてきました。ただ、そうした中で、パ・リーグの本塁打数トップを独走している山川は、やっぱりすごい。この3連戦が始まる前にも書きましたが、次のヤクルト戦、そして巨人戦で、打ちまくってもらいましょう。佐藤輝のバットの感触も刺激にしてもらって。

DAZN

<交流戦順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(1↑)
ヤクルト
630 0.667
(↑0.042)
-
(↓1)
947
(+7)
31
(+3)
16
(+2)
6
(+1)
0.279
(↑0.005)
2.710
(↑0.09)
1
(-)
ソフトバンク
630 0.667
(↓0.083)
0
(-)
947
(-)
19
(+3)
8
(-)
9
(-)
0.281
(↓0.014)
2.080
(↓0.15)
3
(1↑)
阪神
540 0.556
(↑0.056)
1
(↑1)
922
(+6)
19
(+1)
4
(-)
12
(+1)
0.248
(↑0.031
1.910
(↑0.12)
3
(1↑)
中日
540 0.556
(↑0.056)
1
(↑1)
925
(+3)
27
(+2)
4
(-)
5
(+1)
0.232
(↑0.001)
2.930
(↑0.11)
3
(1↓)
西武
540 0.556
(↓0.069)
1
(-)
933
(+1)
31
(+6)
7
(-)
3
(-)
0.247
(↓0.006)
2.770
(↓0.07)
6
(4↑)
ORIX
450 0.444
(↑0.069)
2
(↑1)
927
(+3)
25
(+1)
3
(-)
3
(+1)
0.268
(↓0.005)
2.880
(↑0.25)
6
(2↓)
DeNA
450 0.444
(↓0.056)
2
(-)
925
(+1)
34
(+3)
8
(+1)
3
(-)
0.216
(↓0.011)
2.960
(-)
6
(2↓)
楽天
450 0.444
(↓0.056)
2
(-)
919
(+2)
27
(+3)
3
(-)
4
(+1)
0.216
(↓0.005)
3.120
(↓0.03)
6
(2↓)
ロッテ
450 0.444
(↓0.056)
2
(-)
927
(+3)
28
(+7)
8
(+1)
6
(+1)
0.204
(↓0.002)
3.000
(↓0.43)
6
(4↑)
巨人
450 0.444
(↑0.069)
2
(↑1)
930
(+3)
31
(-)
12
(+3)
9
(+2)
0.216
(↑0.004)
3.190
(↑0.41)
6
(2↓)
日本ハム
450 0.444
(↓0.056)
2
(-)
938
(+3)
36
(+6)
9
(-)
7
(-)
0.274
(↑0.004)
3.570
(↓0.35)
12
(-)
広島
360 0.333
(↑0.083)
3
(↑1)
917
(+6)
49
(+3)
0
(-)
1
(-)
0.214
(↑0.002)
5.190
(↑0.29)

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ヤクルト
32201 0.615
(↑0.007)
-
(-)
90213
(+7)
175
(+3)
56
(+2)
32
(+1)
0.239
(↑0.001)
2.810
(↑0.02)
2
(-)
巨人
32260 0.552
(↑0.008)
3
(-)
85219
(+3)
225
(-)
62
(+3)
26
(+2)
0.241
(-)
3.360
(↑0.06)
3
(-)
広島
28252 0.528
(↑0.009)
4.5
(-)
88219
(+6)
193
(+3)
24
(-)
9
(-)
0.254
(-)
3.280
(↑0.01)
4
(-)
中日
25280 0.472
(↑0.01)
7.5
(-)
90168
(+3)
194
(+2)
32
(-)
20
(+1)
0.244
(-)
3.560
(↑0.03)
5
(-)
DeNA
21280 0.429
(↓0.009)
9.5
(↓1)
94164
(+1)
221
(+3)
36
(+1)
17
(-)
0.242
(↓0.002)
4.020
(↑0.02)
6
(-)
阪神
22331 0.400
(↑0.011)
11.5
(-)
87166
(+6)
166
(+1)
39
(-)
41
(+1)
0.228
(↑0.005
2.750
(↑0.04)

<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ソフトバンク
31201 0.608
(↓0.012)
-
(-)
91219
(-)
161
(+3)
32
(-)
31
(-)
0.267
(↓0.002)
2.740
(↓0.01)
2
(-)
楽天
30201 0.600
(↓0.012)
0.5
(-)
92177
(+2)
145
(+3)
31
(-)
41
(+1)
0.235
(↓0.001)
2.740
(↓0.02)
3
(-)
西武
26271 0.491
(↓0.009)
6
(-)
89167
(+1)
165
(+6)
35
(-)
20
(-)
0.227
(↓0.001)
2.530
(↓0.02)
4
(-)
ORIX
26290 0.473
(↑0.01)
7
(↑1)
88148
(+3)
175
(+1)
20
(-)
30
(+1)
0.225
(-)
2.930
(↑0.04)
5
(-)
ロッテ
23301 0.434
(↓0.008)
9
(-)
89163
(+3)
184
(+7)
29
(+1)
52
(+1)
0.214
(-)
2.810
(↓0.06)
6
(-)
日本ハム
22320 0.407
(↓0.008)
10.5
(-)
89186
(+3)
205
(+6)
47
(-)
41
(-)
0.240
(↑0.001)
3.590
(↓0.05)