阪神(☆5対4★)西武 =交流戦2回戦(2022.06.01)・阪神甲子園球場=
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西武
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阪神
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勝利投手:西 純矢(3勝1敗0S)
(セーブ:岩崎 優(1勝2敗9S))
敗戦投手:與座 海人(3勝2敗0S)

本塁打
【阪神】大山 悠輔(9号・3回裏3ラン)

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◆阪神は初回、近本の内野ゴロの間に1点を先制する。そのまま迎えた3回裏には、佐藤輝の適時打と大山の3ランで一挙4点を奪い、リードを広げた。投げては、先発・西純が6回途中3失点で今季3勝目。敗れた西武は、6回に1点差まで迫るも、その後の好機にあと1本が出なかった。

◆阪神が自力V復活へ、打線改造に踏み切った。近本光司外野手(27)が4月20日以来、42日ぶりに3番で起用された。1番には島田海吏外野手(26)が入った。西武先発で右下手投げの与座に対し、スタメン9人中6人を左打者とした。1番から4番まで左を並べ、5試合連続で3番起用が続いていた大山悠輔内野手(27)を5番に据えた。先発西純矢投手(20)は3試合連続で「8番投手」。ここまで10打数3安打、打率3割、1本塁打。投球だけでなく、打席でも目が離せない。前日5月31日は今季13度目の完封負けで自力優勝の可能性が消滅した。打順を組み替え、貧打解消となるか。

◆阪神が初回に「スーパーカートリオ」の好連係で先手を奪った。今季2度目の1番に座った島田海吏外野手(26)が右前打。2番中野拓夢内野手(25)がヒットエンドランのサインから右前打を放ち、無死一、三塁。中野は続く近本光司外野手(27)の初球に二盗を決めた。近本は確実に遊ゴロを打って、三塁走者の島田を迎え入れた。甲子園での得点は5月25日楽天戦の2回以来、26イニングぶりだった。俊足トリオは3回にもかき回した。先頭の島田が右前打。中野はバント失敗で一塁に残ったが、近本が中前打を放つと、好判断で一気に三塁に進んだ。続く4番佐藤輝明内野手(23)の初球に近本が二盗を決めて1死二、三塁。佐藤輝はしぶとく左前に落として、2点目を奪った。

◆現役最多本塁打、通算2000安打。その西武が誇る「骨と牙」。中村剛也内野手(38)と栗山巧外野手(38)が満塁で代打として登場。連続タイムリーで存在感を発揮した。4点を追う6回1死満塁。まず中村が滝沢に代わって打席へ。22本の満塁本塁打という日本記録を持つ満塁男。同点の1発とはならずも、阪神加治屋の138キロフォークを引っ張り、三遊間をゴロで破る左前適時打とした。なおも続く1死満塁。今度は左打席に代打の栗山が入った。141キロフォークを捉えた。右中間へ会心ライナー。打球はフェンスに到達し、2点適時二塁打となった。同点とはならずも、レジェンド2人の活躍で1点差に迫った。中村は「先頭の愛斗が出て、みんながつないで回ってきた打席だったので、しっかりランナーをかえすことができてよかったです」。栗山は「いつでもいける準備はしていましたし、雰囲気的にも押せ押せだったので、ランナーをかえすことだけを考えて打席に入りました。いいスイングが出来たと思います」とコメントした。

◆阪神が西武の猛追を振り切って、一夜で自力優勝の可能性を復活させた。この日はセ・リーグ5球団が全敗。交流戦が全6試合行われた日にセ球団で阪神だけ勝ったのは過去3度あり、17年6月10日以来5年ぶりの「1人勝ち」になった。この日は打線が奮起。序盤から幸先よく主導権を握った。1回に連打から近本の遊ゴロの間に先制点を挙げた。3回は佐藤輝が左前適時打を放ち、大山悠輔が左翼に9号3ランをかけて、一挙4点を追加。甲子園では今季最多の5点を挙げ、優位に試合を進めた。6回は西武に突き上げられた。先発の西純は球が浮き始め、オグレディに右前適時打を浴びて降板。渡辺、加治屋が止めきれず、1点差まで詰め寄られた。だが、終盤は必勝パターンの継投で逃げ切りを図る。7回はアルカンタラが登板し、無難に抑えた。8回は湯浅が登板してつないだ。この日はオールスターのファン投票第1回中間発表で佐藤輝、青柳、湯浅がリーグ1位発進。チーム別最多の3部門でトップ票を集めた「御礼」の一戦になった。前日5月31日に自力優勝の可能性が消滅していた。低迷の課題は明白だ。チーム防御率は試合前までリーグ1位の2・76だが、チーム打率2割2分2厘は同ワースト。深刻な貧打が影を落としていた。厳しい戦いが続く中、意地が光った。▼阪神の自力優勝の可能性が復活した。2日以降、阪神が残り88試合に全勝し、ヤクルトが阪神戦13試合に全敗し他球団との78試合に全勝すると、両球団は109勝33敗1分けの勝率7割6分8厘で並ぶ。このとき阪神はヤクルト戦に17勝8敗と勝ち越しを決めており、規定に基づいて阪神が上位となるため。阪神がセ・リーグ球団中唯一の勝利を挙げた。交流戦が同一日に6試合行われ、セで阪神だけが白星だったのは、05年6月11日、13年5月19日、17年6月10日に続いて5年ぶり4度目。

◆西武はレジェンド2人が満塁から代打で仕事を果たすも、1点及ばなかった。3回までに5点を追う展開。反撃は6回。1点を返し、なおも1死満塁で中村が左前適時打。さらに栗山が右中間への2点適時二塁打で続き、1点差に迫った。ただ同点には届かず。辻監督は「粘ってくれたんだけど、全部あと1本だったね」と切り替えた。

◆頼りになる先輩だ。阪神大山悠輔内野手(27)は緩いカーブ2球には見向きもせず、獲物を待った。3球目。129キロの直球が低めから少し浮いてきた。完璧なタイミングでボールをぶったたいた。誰もが確信する大アーチ。3回。佐藤輝の安打で2点目を奪った直後、1死一、三塁で飛び出した9号3ランだった。「甘い球に対してしっかりと自分のスイングをすることができた。感触も完璧でした」。一気に5点差に広げ、絶好調だったサブマリンを沈めた。どんぴしゃの助言が効いた。試合前、北川打撃コーチが野手陣にアンダースロー対策を伝授した。現役時代、ロッテ渡辺俊介から2打席連続弾を放つなど「好きでしたね」と振り返った元サブマリンキラーだ。(1)目付けは低く(2)浮き上がってくる球をシンプルにぶったたく(3)右打者は引っ張るイメージで-。すべての条件を大山は実行した。打球が左翼へ上がった瞬間、両手を突き上げたのは西純だった。20歳右腕は興奮しながら4本指を何度も見せてきた。先発した最近の4試合すべてで、大山は本塁打している。偶然とも思えない相性の良さだ。「必死にやっている結果だと思います。それがたまたま純矢のところで重なっていると思う。どの投手も一生懸命投げてくれている。チャンスだったので純矢のためにもチームのためにも1点でも多くと、思い切っていきました。純矢を援護できてよかった」今季30打点目。1打点の佐藤輝と並んで、チームトップに立った。この日は6試合ぶりに5番に入ったが、3番、4番などクリーンアップとして仕事を果たしてきた。阪神が甲子園で5点以上取るのは今季初めて。苦しいペナントレースを物語る数字だ。自力V復活にも一喜一憂はしない。「まだまだ先はある。目の前の1試合を全力でやっていけば、まだチャンスはあると思う」。この程度で満足するわけにいかない。【柏原誠】▼阪神大山が今季9号を放ち、5年連続2桁本塁打へ王手をかけた。阪神では、福留孝介の5年(15~19年)以来となる。生え抜きでは鳥谷敬の5年(06~10年)以来で、右打者に限ると岡田彰布の12年(80~91年)以来となる。○...湯浅が15試合連続無失点でリーグ2位の15ホールド目を手にした。8回に登板。1死一、二塁を背負ったが、代打岸を右飛、愛斗をフォークで空振り三振に仕留め、1点リードを守った。球宴のファン投票の中間発表では中継ぎ部門で堂々の1位を獲得。「うれしいです。自信にもなると思いますし、もっともっとチームに貢献していけるように、目の前の試合を頑張っていきたい」。"御礼投球"で勝利に貢献した。

◆阪神が一夜で自力優勝の可能性を復活させた。3回までに大山悠輔内野手(27)の9号3ランなどで、今季甲子園では最多の5点を奪った。6回に西武に一挙4点を奪われ猛追されたが、7回からは勝利の方程式で逃げ切った。この日はセ・リーグ5球団が敗れた。交流戦が全6試合行われた日にセ球団で阪神だけ勝ったのは5年ぶり4度目。試合後の矢野燿大監督(53)の一問一答は以下の通り。?(テレビ)-最後は際どい試合になった「いやもうね、押されっぱなしで。よくピッチャーが、最後粘ってくれました」-打線を組み替えて1番に入った島田が当たり、いい点の取り方ができた「そうですね、本当にチームに勢いというかね、そういうものをつけてくれましたし。まあ島田が出るとどうしてもね、足というのも向こうも警戒すると思いますし。そういうところで本当に島田がいいアクセントになってくれました」-この投手にこの打線で行くと、早い段階から決めていたか「いやそれは、そうですね、昨日終わった時に決めました」-足も絡めて点が取れた「そうですね、うちの特長でもありますし。なかなかちょっとこう、点が取れないというのが課題にあるんでね。そういうところでちょっと動いて行って、というところが、選手がうまくやってくれましたね」-3回の大山の9号3ランが大きかった「そうですね、もちろんタイムリーということは思っていましたけど。最高の形でね、あそこで打ってくれたのでね、あのホームランもいいホームランでした」-先発の西純はどう見たか「登板するにあたって、相手にも研究されますし、疲れも出てきているかなという感じですけど。純矢にはやっぱり6回を乗り切れるピッチャーに、やっぱりなってもらいたい。あそこで代わって3勝目ですか。もちろんこれも、ナイスピッチングなんですけど、でももっともっとスケールの大きいピッチャーになって行ってもらいたいんでね。まずは6回はしっかり投げ切るピッチャーになってもらいたいですね」-7回からはいつものリレーで「いや、相手打線もね、やっぱり1発もありますし。嫌な打線なんで。そういうところではバッテリーで慎重になりながらね、大胆に行くところも行きながら、そういうピッチングをしてくれたと思います」-明日はカード勝ち越しがかかる「点を取りたいですし、早い回に今日は点を取れて、中盤以降点を取れなかったんで。取れるときは1点でも多く取れる野球をしながら、しっかりバッテリーでも守り切るという試合をします」(ペン囲み)-島田が1番起用の期待に応えてくれた「この打順でって、結果が出たからみんなそう言ってくれるけど、出えへんかったらまた違うわけで」-キャンプから島田の出塁が増えれば3番近本もという話をしていた「まあまあ、それは、その点、力を付けてきている、成長というのは、あるなと思っていたんで。開幕してから、あいつも離脱があったんで、なかなか波に乗るっていうのがなかったけど、こういう形で出てきてくれれば、いろんなバリエーションというのもできるし、足も使えるんでね。あいつも控えでいいとは思ってないんで。そういうところはもっと貪欲に、自分がどうすれば出られるかというのをもっともっとアピールしてくれればいいと思います」-大山は足の状態も良くなって打撃も上向きか「ほどほどだと思うよ。その中でもよくやってくれてるし。なんか見た感じコンパクトに振って打ったようなホームランに見えたんで。今シーズン打った中でもすごくいいホームランだったなと思うし。最近打撃練習でもしっかりセンター方向に打っていくっていうのを意識しながら打てているんで。いいタイミングでいいホームランというのも出てるんでね。こっからウチが上がっていくというところで言うと、やっぱり悠輔(大山)が打ってくれるっていうのが絶対条件になると思うんで。何かしらの手応えがあるような1本になってるんじゃないかなとは思っています」-西純はピンチもありながら粘った「もちろんまだまだ課題のある投手で、経験ももちろんあるわけじゃないから。いい部分っていうのは向かって行ったり、粘れたっていうところだけど。やっぱり6回のあの場面も四球ってちょっともったいないと思うし。出そうと思って出す投手なんていないんだけど。どう3回り目をどう抑えるかが、先発投手としてこれから大きな課題にもなるし。チーム全体としてもあそこを乗り切ってもらうというのが大きなイニングなんで。粘ってくれた部分もあるし、でも期待値が上がっている分、もっと粘っていけるような投手になってもらいたいっていうものもあるし。アイツ自身も勝って、あれでいいとは思ってないと思ってないと思う」-湯浅は無失点が続く「なかなか1点差って、みんな、アルカンタラからみんななかなか一番厳しいような状況で、ホームランもあかんしフォアボールも出したくないし、非常に難しい場面やけど、登板するごとに落ち着いてきているというか、自信もあると思うし、こうやっていくっていうものがすごくあいつは、そういう気持ちの部分もけっこうしっかりしてるので。そういう経験を積んだ中での成長がこういうピッチングというか、大胆さと自分が何をやるべきか分かった上でピッチングできてるから、そういうところがゼロっていうのにもつながってるから。自分のボール投げるだけっていうピッチャーではない。そこは大きな成長かなと思います」-ファン投票でも湯浅が中継ぎ部門の1位に「まぁね、それはファンの皆さんの後押しもあるけど、そこに湯浅のパフォーマンスも伴ってこないと、そうはなってこないので。認めてもらってるってことを励みにすればいいし。本来持ってる力はこれくらいのものがあると思ってるんでね。いいものをもっともっとプラスしてもらって、ピッチャー湯浅ってなった時にもっと大きな声援をもらえるピッチャーになって。もっと上を目指してもらいたいと思います」

◆阪神西純矢投手(20)が、6回途中3失点の粘投で今季3勝目をもぎ取った。最速151キロの直球と縦スライダー、フォークを駆使し、5回まで無失点。今季5試合目で初めて被本塁打なしで、「1発病」を克服。交流戦は昨季から三度目の正直で初勝利をつかみ「ちょっと意識してしまっていた。今日は勝たせてもらったと思います」と喜んだ。今や定番となった大きな援護射撃があった。2点リードの3回1死一、三塁で大山悠輔が左越えの3ラン。西純が今季先発した5試合で4発目と抜群の相性をみせている。「すごいですね。ビックリしてます。毎試合助けてもらって、すごく感謝しかないです」。西純が「4戦連発ですね」と大山に伝え、「『毎日投げてくれ』って言われました」と笑顔で明かした。3試合連続で出場した「8番打者」として2打数無安打。5月18日ヤクルト戦でプロ1号を放ってから6打席で快音響かず「ホームランを打ってからちょっと振りが大きくなってしまっている。(2回の第1打席は)短く持った分、バットの先に当たってしまったので、惜しかったです」と苦笑いだった。次戦は投打で暴れ回る。【古財稜明】▽阪神矢野監督(西純について)「粘ってくれた部分もあるし、でも期待値が上がっている分、もっと粘っていけるようなピッチャーになってもらいたい。あいつ自身も勝って、あれでいいとは思ってないと思う」

◆阪神が「日本生命セ・パ交流戦」の西武戦で逃げ切り勝ちし、一夜にして自力優勝の可能性を復活させた。3回に4番佐藤輝明内野手(23)が左前適時打で5年ぶりのセ1人勝ちに貢献。「マイナビオールスターゲーム2022」のファン投票第1回中間発表でセ最多得票を獲得し、御礼の一打となった。中継ぎ部門で1位の湯浅京己投手(22)も1回無失点。最下位でもひたむきに応援する虎党の期待に応えた。らしくない当たりでもヒットはヒットだ。佐藤輝が貴重な追加点を挙げた。1点リードの3回1死二、三塁。西武与座の内角高め128キロを強振した。打球はふらふら上がり左翼前へぽとり。終わってみれば1点差ゲーム。しぶい適時打で勝利に貢献した。「捉えた当たりではなかったですが、いいところに落ちてくれました。(先発の西)純矢が頑張ってくれていたので、早いイニングで追加点を取ることができてよかった」。前日には山川の特大アーチに目を丸くした。4番の仕事をまざまざと見せつけられた翌日、泥臭いヒットで面目を保った。5試合連続安打。30打点は大山に並びチームトップ。3ランを放った先輩とともに今季甲子園最多5得点を演出した。ファンにささげる「御礼打」でもあった。この日の球宴ファン投票第1回中間発表でセ・リーグ最多4万1171票を獲得。「たくさん投票いただいてとても光栄ですし、驚いています」。昨季は最終的に同最多の43万5605票。無数の"声援"が力にならないわけがない。球宴は祭りであり、学びの場だ。プロ1年目の昨年は広島鈴木誠(現カブス)とノックを受け、オリックス吉田正、ソフトバンク柳田と打撃談議。その吉田正とは自主トレをともにするなど、球宴をきっかけに人脈を拡大させた。第2戦では宮城から本塁打。2年連続出場へ鼻息は荒い。「メジャーに行かれた鈴木誠也さんとか、いろいろな方とお話をさせてもらってすごく勉強になりました。そういう機会はなかなかないので選ばれたいですし、選んでいただけるようにもっと頑張ります」最下位と低迷するにもかかわらず、3万人超のファンが甲子園に駆けつけた一戦で、一夜で自力優勝の可能性を復活させた。セ5球団が敗れ、17年以来5年ぶりの「1人勝ち」。6月反攻に背番号8は欠かせない。7月26日から始まる球宴まで、1日でも多く「祭り」を増やす。【中野椋】▼阪神がセ・リーグ球団中唯一の勝利を挙げた。交流戦が同一日に6試合行われ、セで阪神だけが白星だったのは、05年6月11日、13年5月19日、17年6月10日に続いて5年ぶり4度目。○...「7回の男」アルカンタラが1回無失点で10ホールド目をマークした。1点差の7回。先頭の山川には右安を許したが、落ち着いて150キロ超の直球中心に山賊打線と真っ向勝負。後続を3人で片付けた。2年目右腕は初めて甲子園のお立ち台に上がり「形はどうあれ3つのアウトを取りたかった。コンディションは非常にいい。これからもいい投球を続けたい。アリガトウゴザイマス」と笑顔で声援に応えた。○...湯浅が15試合連続無失点でリーグ2位の15ホールド目を手にした。8回に登板。1死一、二塁を背負ったが、代打岸を右飛、愛斗をフォークで空振り三振に仕留め、1点リードを守った。球宴のファン投票の中間発表では中継ぎ部門で堂々の1位を獲得。「うれしいです。自信にもなると思いますし、もっともっとチームに貢献していけるように、目の前の試合を頑張っていきたい」。"御礼投球"で勝利に貢献した。○...守護神岩崎が1点リードを守り切り、9セーブ目を挙げた。先頭の4番山川は強烈な当たりも三直。続く呉念庭、オグレディを連続三振として3者凡退で締めた。矢野監督は「押されっぱなしで。よく投手が最後粘ってくれた」と鉄壁のリリーフ陣をほめた。5月26日楽天戦で2敗目を喫したが、その後は2戦連続3人斬りと再び安定感抜群の投球を見せている。

◆「1番島田」が勝利の流れをつくった。1回、先頭で西武与座の2球目をたたいて中前に運んだ。塁上で、すぐにけん制が入った。相手は足を警戒していた。中野も直球をとらえて右前へ。エンドランで三塁に達した。近本の遊ゴロで先制の生還だ。快足があれば、相手はゆるい変化球を投げづらい。今季2度目の1番起用で持ち味を発揮。3回は右前打で4回は右中間二塁打。矢野監督も「島田が出ると、足を向こうも警戒する。本当に島田がいいアクセントになってくれた。いろんなバリエーションができる」と評価。昨年10月19日ヤクルト戦以来プロ2度目の猛打賞だ。島田も「1番は出塁が大事。積極的に振っていけた」と話した。近本が4月20日DeNA戦(横浜)以来の3番へ。3回1死一塁で中前打を放ち、一、三塁に好機拡大。着実につなぎ、得点を呼んだ。快足トリオで上位を組む新オーダーが光った。

◆これは本当にあった西武の話...。満塁で豪華すぎる代打陣で相手を恐怖に陥れた。時は初夏の風が涼しい6月1日の夜。場所は甲子園。阪神との戦いで西武は、全てのベースが埋まったチャンスで代打を3度使った。それぞれベンチから出てきたのは...。「19年首位打者」、「現役最多本塁打」、「通算2000本安打」。森友哉捕手(26)、中村剛也内野手(38)、栗山巧外野手(38)という3人だ。4回2死満塁。この日は、先発与座と相性のいい古賀がマスクをかぶっていた。5点を追う展開で古賀に代わって森が代打に送られた。3年前の首位打者でもあり、球界屈指のバットコントロールの持ち主。結果は空振り三振だったが、反撃のムードを作った。6回はレジェンド2人が仕事を果たし、1点差に迫った。まず通算22本の満塁弾の記録を持つ「満塁男」中村が登場。1点を返し、なおも1死満塁という場面で打席に入った。1発はならずも三遊間を破る左前適時打で追加点。さらに続く満塁の場面では、佐々木に代わって栗山がコールされた。5月29日DeNA戦ではサヨナラ弾を放ったベテランは初球を中越えの適時二塁打とした。3回までに5点を追う展開。結果的には後続が倒れ、1点及ばなかった。ただ、圧倒的に豪華な代打陣は存在感が光った。辻監督は「あそこまで本当に粘ってくれたんだけど。ちょっと5点は大きかったですね」と振り返った。

◆「7回の男」阪神アルカンタラが1回無失点で10ホールド目をマークした。1点差の7回。先頭の山川には右安を許したが、落ち着いて150キロ超の直球中心に山賊打線と真っ向勝負。後続を3人で片付けた。2年目右腕は初めて甲子園のお立ち台に上がり「形はどうあれ3つのアウトを取りたかった。コンディションは非常にいい。これからもいい投球を続けたい。アリガトウゴザイマス」と笑顔で声援に応えた。

◆阪神・佐藤輝明内野手(23)は打順が大幅に変更されたなかでも、20試合連続で4番に座った。この日は「マイナビオールスターゲーム2022」(7月26日、ペイペイドーム、同27日、松山)のファン投票の中間発表があり、セ・リーグ最多得票となる4万1171票を集めて外野手部門で1位を獲得。「選んでいただけるようにこれからもっと頑張ります」と気合を入れ直していた虎の主砲が、〝御礼弾〟でチームを勝利に導く。また、近本は4月20日のDeNA戦(横浜)以来の3番、大山は5月25日の楽天戦(甲子園)以来の5番、糸井は4月1日の巨人戦(東京ドーム)以来の7番など、打順を組み替えた。

◆阪神が一回にわずか8球で先制。4月20日のDeNA戦(横浜)以来、42日ぶりに「3番」を任された近本光司外野手(27)の内野ゴロの間に1点を奪った。一回、今季7度目のスタメン出場となった島田が中前打で出塁。島田は4月12日の中日戦(バンテリンドーム)以来の「1番」起用だった。続く中野が右前打。スタートを切っていた島田は一気に三塁へと到達した。近本の打席の初球で中野が今季14盗塁目を決め、無死二、三塁。近本がしぶとく遊ゴロを放ち、島田が先制のホームを踏んだ。西武の先発は與座。セ・リーグではあまり対戦することのないアンダースロー右腕に対して、矢野監督の思い切った起用がハマった。

◆阪神・大山悠輔内野手(27)が9号3ランを放ち、リードを大きく広げた。「甘い球に対してしっかりと自分のスイングをすることができました。(西)純矢を援護できてよかったですし、次の打席も打てるように切り替えて、この後も頑張ります」1-0の三回1死二、三塁で4番・佐藤輝が左前にポトリと落ちるタイムリーヒット。追加点に甲子園がわく中、なおも1死一、三塁で大山が打席に向かった。カウント1-1から3球目、與座の129㌔を振り抜くと、白球は左翼スタンドへ一直線。25日の楽天戦(甲子園)以来、6試合ぶりの一発で5-0と大量リードを奪い、先発の西純を援護した。

◆阪神・島田海吏外野手(26)が今季初の猛打賞をマークした。一回先頭の第1打席は與座の125㌔を中前打。三回先頭も右前打でチャンスメークすると、四回2死の第3打席は128㌔を右前に運び、快足を飛ばして二塁に到達した。島田は28日のロッテ戦(ZOZOマリン)以来、今季7度目のスタメン。「1番」を任した矢野監督の起用にバットで応えた。

◆先発した阪神・西純矢投手(20)は5回?を投げ6安打3失点だった。一回2死一塁では、5月31日にホームランを放っていた山川を131㌔スライダーで空振り三振。四回は1死満塁のピンチもオグレディを一飛、代打・森を144㌔で空振り三振に抑えた。六回のマウンドに上がった西純だが、先頭の愛斗に二塁打、山川を中飛に仕留めたが、呉に四球。オグレディに右前適時打を許したところで交代が告げられた。西純は104球で7奪三振。大量援護にも恵まれ、今季3勝目の権利を持ってマウンドを譲った右腕に観客から大きな拍手が送られた。若虎の力投に続きたい中継ぎ陣だったが、2番手・渡辺は森に四球を与えて1死満塁とし降板。続いてマウンドに上がった加治屋が、代打・中村に左前打、代打・栗山にも中越えの2点二塁打を浴びた。加治屋は若林を空振り三振、外崎に四球で再び満塁としたが愛斗を右飛でしのいだが、5-4と1点差に迫られた。

◆阪神が逃げ切った。打線は一回、近本の内野ゴロで先制すると、三回は佐藤輝が左前適時打、なおも1死一、三塁で大山が左翼席へ9号3ランを放ち、リードを広げた。先発した西純は5回?を投げ、6安打3失点と力投。後を受けた渡辺と加治屋が打たれ、1点差に詰め寄られたが、七回はアルカンタラ、八回は湯浅、そして九回は岩崎が締めた。阪神は連敗を2でストップ。首位のヤクルトが敗れたため、5月31日に消滅した自力優勝の可能性が復活した。

◆首位ヤクルトが敗れ、5ー4で勝利した阪神に自力優勝の可能性が一夜で復活した。一回に甲子園で26イニングぶりの得点を挙げ、三回に佐藤輝明内野手(23)の適時打と大山悠輔内野手(27)の9号3ランで加点。六回に4点を奪われたが、そのまま逃げ切った。5得点以上は今季甲子園23試合目にして最多で、チームはセ唯一の勝利となった。西純矢投手(20)は5回?を投げ3失点で3勝目(1敗)をマークした。試合後の矢野耀大監督(53)のテレビインタビューは以下の通り(チーム成績21勝33敗1分、観衆3万746人)。ーー最後は際どい試合に「押されっ放しで、最後はよくピッチャーが粘ってくれました」ーー打順を組み替えて、1番・島田が当たった(4打数3安打)「チームに勢いというかね。そういうものをつけてくれましたし、島田が出るとどうしてもね、足というのを向こうも警戒すると思いますし、島田がいいアクセントになってくれました」ーー早い段階から、この打線と決めていた「いやあ、それは...そうですね、昨日終わった時に決めました」ーー足を絡めながら得点できた「ウチの特長でもありますし、なかなか、ちょっと、こう点が取れないというところで、そういうところで、ちょっと動いて行って、選手がうまくやってくれました」ーー大山選手の一発が大きかった「タイムリーというのも思っていましたけど、最高の形で打ってくれたんで、あのホームランはいいホームランでした」ーー西純投手は「登板するにあたって、相手に研究されますし、疲れも出てきている中、純矢には六回を乗り切るピッチャーになってもらいたいですし、3勝目ですか、もちろんナイスピッチングですが、もっともっとスケールの大きいピッチャーになって行ってもらいたい。まずは六回をしっかり投げ切るピッチャーになってもらいたいです」ーー七回以降はいつもの継投「相手打線も一発もありますし、嫌な打線なんで、そういうところで、バッテリーで慎重になりながら、大胆に行くところは行きながら、そういうピッチングをしてくれたと思います」ーー2日のゲームに向けて「やっぱり点を取りたいですし、早い回にね、今日は点を取れて、中盤以降に取れなかったんで、取れる時に1点でも多く取れる野球をしながら、しっかりバッテリーで守っていくという野球をやり切ります」

◆首位ヤクルトが敗れ、5ー4で勝利した阪神に自力優勝の可能性が一夜で復活した。一回に甲子園で26イニングぶりの得点を挙げ、三回に佐藤輝明内野手(23)の適時打と大山悠輔内野手(27)の9号3ランで加点。六回に4点を奪われたが、そのまま逃げ切った。5得点以上は今季甲子園23試合目にして最多で、チームはセ唯一の勝利となった。西純矢投手(20)は5回?を投げ3失点で3勝目(1敗)をマークした。試合後の矢野耀大監督(53)の一問一答は以下の通り(チーム成績21勝33敗1分、観衆3万746人)。(テレビインタビュー)ーー最後は際どい試合に「押されっ放しで、最後はよくピッチャーが粘ってくれました」ーー打順を組み替えて、1番・島田が当たった(4打数3安打)「チームに勢いというかね。そういうものをつけてくれましたし、島田が出るとどうしてもね、足というのを向こうも警戒すると思いますし、島田がいいアクセントになってくれました」ーー早い段階から、この打線と決めていた「いやあ、それは...そうですね、昨日終わった時に決めました」ーー足を絡めながら得点できた「ウチの特長でもありますし、なかなか、ちょっと、こう点が取れないというところで、そういうところで、ちょっと動いて行って、選手がうまくやってくれました」ーー大山選手の一発が大きかった「タイムリーというのも思っていましたけど、最高の形で打ってくれたんで、あのホームランはいいホームランでした」ーー西純投手は「登板するにあたって、相手に研究されますし、疲れも出てきている中、純矢には六回を乗り切るピッチャーになってもらいたいですし、3勝目ですか、もちろんナイスピッチングですが、もっともっとスケールの大きいピッチャーになって行ってもらいたい。まずは六回をしっかり投げ切るピッチャーになってもらいたいです」ーー七回以降はいつもの継投「相手打線も一発もありますし、嫌な打線なんで、そういうところで、バッテリーで慎重になりながら、大胆に行くところは行きながら、そういうピッチングをしてくれたと思います」ーー2日のゲームに向けて「やっぱり点を取りたいですし、早い回にね、今日は点を取れて、中盤以降に取れなかったんで、取れる時に1点でも多く取れる野球をしながら、しっかりバッテリーで守っていくという野球をやり切ります」 (囲み)ーー島田が1番起用の期待に応えてくれた「この打順で結果が出たから、みんなそう言ってくれるけど、出えへんかったらまた違うわけで」ーーキャンプから島田の出塁が増えれば3番・近本も...と話していた「まあまあ、それは、その点、力を付けてきている、成長というのは、あるなと思っていたんで。開幕してから、アイツも離脱があったんで、なかなか波に乗るのがなかったけど、こういう形で出てきてくれれば、いろんなバリエーションもできるし、足も使えるんでね。アイツも控えでいいとは思ってないんで。そういうところはもっとどん欲に、自分がどうすれば出られるかをアピールしてくれればいいと思います」ーー大山は足の状態も良くなって打撃も上向きか「ほどほどだと思うよ。その中でもよくやってくれてる。なんか見た感じ、コンパクトに振って打ったようなホームランに見えた。今シーズン打った中でも、すごくいいホームランだったなと思う。最近バッティング練習でもセンター方向を意識しながら打てている。いいタイミングで、いいホームランも出てるんでね。こっからウチが上がって行くところで言うと、やっぱり悠輔が打ってくれるのが絶対条件になると思う。何かしらの手応えがあるような一本になってるんじゃないかなとは思っています」ーー西純は粘った「もちろん、まだまだ課題のあるピッチャーで、経験もあるわけじゃないから。いい部分っていうのは向かって行ったり、粘れたっていうところだけど。やっぱり六回のあの場面もフォアボールってちょっともったいないと思うし。出そうと思って出すピッチャーなんていないんだけど。どう3回り目を抑えるかが、先発ピッチャーとして大きな課題。チーム全体としても、あそこを乗り切ってもらうというのが大きなイニングなん。粘ってくれた部分もあるし、でも期待値が上がっている分、もっと粘っていけるようなピッチャーになってもらいたい。アイツ自身も勝って、あれでいいとは思ってないと思う」ーー湯浅は無失点が続く「なかなか1点差って、アルカンタラから一番厳しい状況で、ホームランもあかんし、フォアボールも出したくないし、非常に難しい場面やけど、登板するごとに落ち着いてきているというか、自信もあると思うし、気持ちの部分も結構しっかりしてるので。そういう経験を積んだ中での成長がこういうピッチングというか、大胆さと自分が何をやるべきか分かった上でピッチングできてるから、そういうところがゼロにも繋がってるから。自分のボール投げるだけっていうピッチャーではない。そこは大きな成長かなと思いますーーファン投票でも「まぁね、それはファンの皆さんの後押しもあるけど、そこに湯浅のパフォーマンスも伴ってこないと、そうはなってこないので。認めてもらってることを励みにすればいい。本来持ってる力はこれくらいのものがあると思ってる。いいものをプラスして、ピッチャー湯浅ってなった時に、もっと大きな声援をもらえるピッチャーになって。もっと上を目指してもらいたいと思います」

◆西武は六回に1点差に追い上げたが、七~九回は相手の勝ち継投を崩せなかった。連勝は3でストップして勝率5割に逆戻りしたが「よくあそこまで粘ってくれた」と辻監督。「(序盤に失った)5点は大きかった」と残念がった。0―5の六回にオグレディの適時打、代打中村の適時打、代打栗山の2点二塁打で計4点。しかし、なお1死二、三塁を生かせず、八回は1死一、二塁から代打岸が右飛、愛斗が空振り三振に倒れた。監督は「(2日の試合に)つなげるよ。こういう試合もある」と切り替えた。

◆近鉄、西武で主砲として465本塁打&2452安打をマークし、西武コーチ時代には清原和博らを育てたサンケイスポーツ専属評論家・土井正博氏(78)は1番・島田、2番・中野、3番・近本の〝新打線〟に合格点を与えず、四回以降の内容に「ダメ出し」。打線全体につなぎの意識を求めた。1番に島田を据えた新打線が機能して、三回までに5点。合格点を与えようと思っていたが四回以降はまさかの無得点で五回以降は無安打。その間、猛反撃を食らい、開幕戦(3月25日、ヤクルトに大逆転負け)の悪夢を思い出してしまった。得点できるかどうかの分岐点は打線がつながるか、つながらないか。三回の攻撃は足を絡めた攻撃が理想的につながりを生み、最後の大山の3ランも各打者のつながりの延長戦上で打ったもの。ところが一回の4、5番打者(連続三振)や、四回以降の攻撃で目に付いたのは「自分が決めてやる」という力み。次の打者に「どうぞ決めてください」「お任せしました」のゆとりがあれば、もっと打線は機能するはず。何とかしなければ、の思いが悪い方へ慎重さを増幅させている。一回無死二、三塁からの近本も本当ならもっと引っ張り込んでゴロを右方向に打てるのが理想。そうすれば、1点を先制してなお1死三塁の状況が生まれ、佐藤輝は犠牲フライでも追加点で来た。これは近本が3番打者の仕事にまだ慣れていないから。本職である1番の打撃が染みついているのだ。だからと言って、打線をどうこうせよ、とは言わない。次の試合以降も、この打順なら、この打順でいい。ただし全員が次の打者へのつなぎの気持ちを持ち続けること。そうすれば、自ずと得点力はアップしてくる。そろそろアクセルを踏み込まないと、勝負の舞台から遅れを取ってしまう。

◆とびっきりの力と、夢舞台への切符をくれる虎党がその目に映った。執念を乗せた打球は外野芝生で弾む。貴重な追加点、そして何よりうれしい勝利を手繰り寄せ、佐藤輝はグッと右手を握りしめた。「とらえた当たりではなかったですが、いいところに落ちてくれた。純矢(西)が頑張ってくれていたので、早いイニングで追加点を取ることができてよかったです」1-0の三回1死二、三塁。アンダースロー・与座の128キロ直球に食らいつく。ふらっと舞い上がった白球は左前にポトリと落ちた。一回1死二塁の第1打席は痛恨の見逃し三振。2度も好機をフイにできない。4番の意地を込めてたたき出した一打は、〝清き1票〟をくれたファンへ、感謝のしるしだ。「たくさん投票いただいて、とても光栄ですし驚いています」この日、「マイナビオールスターゲーム2022」(7月26日、ペイペイドーム、同27日、松山)のファン投票の中間発表があり、佐藤輝はセ・リーグ最多得票となる4万1171票を集めて外野手部門で1位を獲得した。「(昨年は)メジャーに行かれた鈴木誠也さんとか、いろいろな方とお話しさせてもらってすごく勉強になりました」ルーキーイヤーの昨年も出場した夢舞台。鈴木には、成績を気にするのか、日ごろの準備はどうしているのか、と質問をぶつけた。ソフトバンク・柳田とは逆方向への意識を中心にトップレベルの野球談議に花を咲かせた。行くだけで、自らを成長させてくれる球宴という場所。その道のりは今年も虎党が切り開いてくれる。「選んでいただけるようにこれからもっと頑張ります」5試合連続安打と調子は上向き。期待と夢を込め、票を投じてくれるくれる大勢のファンに快音で応えていく。(原田遼太郎)

◆マウンドの上より、少し高いお立ち台の上で虎党から祝福の拍手を浴びた。西純が5回?を投げて6安打3失点、7奪三振の力投をみせ、〝3度目の正直〟で交流戦での初白星をつかんだ。「きょうの投球は初回から全力で思い切って打者に向かっていくというイメージで投げて、それができました。(交流戦初勝利は)自分ではあんまり意識したくないというか、そういうつもりでしたけど、ちょっと意識していた。今日は勝たせてもらった」20歳の若虎は甲子園で初ヒーローになったが、謙虚に振り返った。0-0の一回2死一塁で5月31日の第1戦で本塁打を放った山川は空振り三振に仕留め、打線にも大量援護で背中を押してもらった。5-0の四回1死満塁からオグレディを148キロで一飛、代打の強打者・森は144キロのフォークでバットに空を切らせ、ほえた。「すごく悔しいので、そこはすごく反省」と唇をかんだのは六回だ。オグレディに右前適時打を浴び、なおも1死一、三塁で降板した。それでも、昨年6月6日のソフトバンク戦(甲子園、3回3失点で黒星)、今年5月25日の楽天戦(甲子園、5回4失点で黒星)で負け続けてきたパ・リーグ相手から、ようやく白星をもぎとった。表舞台で輝くために努力は欠かさない。ルーティンは「そんなに作りたくないほう」というが、大阪府内にある治療院へは毎週通っている。「オイルマッサージしてもらったりとか、そんな感じです。まだ疲労はたまってないです」と頼もしい。プロ3年目で初めて先発ローテの一角を任せられ、充実の〝メンテナンス〟で期待に応えていく。矢野監督は「ナイスピッチング」と評価しつつ、「でももっともっとスケールの大きい投手になっていってもらいたい。まずは6回はしっかり投げ切る投手になってもらいたい」と成長を願った。西純は「自分のアピールポイントは強気な投球をすること。勝ち星を積み重ねていけたら」とマイク越しにファンへ誓った。2試合ぶりの今季3勝目をきっかけに、さらなる飛躍をとげる。(新里公章)

◆セ・リーグで独り勝ち!! 阪神は西武に5-4で辛くも逃げ切り、6月を白星発進。大山悠輔内野手(27)が9号3ランを放って西純矢投手(20)を援護。甲子園でチーム今季最多の5得点につなげた。首位ヤクルトが敗れ、自力Vの可能性も復活。反攻はこれから。まだ虎の目は死んでない!!甲子園に響き渡った打球音とともに白球は左翼席に突き刺さった。前夜に今季13度目の完封負けで自力Vの可能性が消滅した悪夢を、大山のバットが振り払った。「打った瞬間入ると思いましたし、感触も完璧でした。先発した(西)純矢のためにも、チームのためにも、1点でも多くというところで、思い切っていきました」1-0の三回だ。4番・佐藤輝の左前へのポテンヒットで1点を加えて、なお1死一、三塁。カウント1-1から、西武のアンダースロー右腕、与座の129キロの直球を振り抜くと、打球は左翼席に吸い込まれた。リードを5-0と大きく広げる9号3ラン。西純が先発した5月25日の楽天戦(甲子園)以来6試合ぶりとなった。西純の登板試合ではとにかく援護が手厚い。本塁打は4戦連続で、5月8日の中日戦(バンテリンドーム)は同点2ラン。同18日のヤクルト戦(神宮)はダメ押しの3ランで西純に今季2勝目をプレゼントした。

◆月が変われば流れも変わる-。昭和の時代から、いや、もっと昔から使い古された表現だが、令和4年のタイガースは、何にでもすがりたい。一回。島田がヒット。中野とのエンドランが決まってチャンスを広げ、内野ゴロで1点。圧倒的に得点力不足の虎だから、贅沢は言っていられない。点が入れば。三回。4番・サトテルがしぶとくタイムリーを放ち、大山がドカンと3ラン。計5点入って、今季甲子園最多得点。寂しいデータだが、この際だから素直に喜ぼう!六回に猛反撃を受けて、超ヒヤヒヤの展開になったが、投手陣が踏ん張って、辛うじて逃げ切り。ヤクルトが敗れて、自力Vの可能性もめでたく復活だ。昼間、甲子園へ向かう道すがら。球団OBの方に久しぶりに出会った。「新聞の1面に出てましたねぇ。自力Vが消滅ですかぁ。早すぎでしょう」(鋭いご指摘です)--阪神のダメダメなデータはほぼ頭の中に入っているんですが、実は5月に〝消滅〟は、記憶にないんです。「いよいよ暗黒時代の再来ですか?」(そのワードは危険です) --時期尚早です。ことしのような展開が10年続けば、暗黒時代ですから。まだ大丈夫ですよ。「で、来年、誰が監督するんですか?」(出た~、ことしは平気でこの話題に突入してしまう)--エッ、エッ、誰でしょうね?危ない質問を懸命にかわしながらも、さすがにちょっとマズイと思い始める自分がいた。去年までこの時期、どんな話題で盛り上がっていたのだろう。甲子園記者席に到着すると、キャップ長友孝輔がトラ番の後輩・原田遼太郎らと、思い出せなかった〝季節の話題〟をしていた。2面の記事でお分かりでしょう。オールスターのファン投票の中間発表が、毎日、紙面を飾る時期がやってきた。昨日はその第1回。こういう明るい話題はいい。「僕もしっかり投票しましたよ。阪神の選手は、青柳さんと、湯浅クンと、サトテルと、中野。4人ですね」担当記者だって、普段から応援している選手に清き1票を投じたりする。原田はちょっぴり自慢げに投票内容を教えてくれた。4人のうち、3人は堂々の1位。ファンの目線とほぼ一緒。これはプロ野球担当記者としては大事だ。球場に設置されているマークシート式の投票用紙をジックリ眺めてみた。毎年、論議を呼ぶのだが、用紙でノミネートされている選手と、現在、頑張っている選手が違っていたり、ポジションが変わっていたり。サード起用が多くなっている佐藤輝は用紙では外野登録だし、大山にいたっては約2カ月、守っていないサード登録。ファンの好みでポジションを変えて投票できるけれど、そうすると、今後、票が割れないか心配してしまう。そんなことより、また自力Vの可能性が消滅しないか、心配だって?そういう読者のみなさまへ。すごく弱かった時代によく使ったフレーズを紹介したい。『他力Vの可能性』は当分消えません!つまり、上位が負ければいい。まだまだ優勝の可能性はあるんです。数字のお遊びは気にせず、前向きに行きましょう!

◆ジワ~ッ、ヤベー涙がこぼれ落ちそうになっちまったやんか~。虎の中継ぎ陣...。若虎の島田が1番起用に応えての3安打や大山の9号3ランがあり、三回まで5-0と久しぶりの左うちわムード...。しかし、敵もさる者引っかく者、いや、猿ならまだしも獅子に引っかかれたら、致命傷になるやんか~!!その獅子が西純矢に鋭い爪を立ててきたー!! 六回。1点を奪われなお1死一、三塁で、打席に迎えるは森友哉...。その時、虎の中継ぎアニキ陣が「よっしゃ、ここまで良く放ったでェ!! 後は任せたれー!!」と立ち上がったのだ!!左殺しの渡辺は森を歩かせてしまったが、ベンチ最前列で投手陣を激励し、3番手・加治屋は1点差に迫られるが、魂の投球で後続を断つ!! そしてアルカンタラ、湯浅、岩崎も西純矢に勝ちをつけようと、獅子の爪をパチパチパチと切ってくれたのだ。西純矢君、遠い将来、君が200勝投手となったとき、この1勝があったから...を忘れんなよー!!

DAZN

<交流戦順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ソフトバンク
620 0.750
(↑0.036)
-
(-)
1047
(+6)
16
(+3)
8
(-)
9
(-)
0.295
(↓0.01)
1.930
(↓0.16)
2
(1↓)
ヤクルト
530 0.625
(↓0.089)
1
(↓1)
1040
(+3)
28
(+4)
14
(+3)
5
(+2)
0.274
(↓0.001)
2.800
(↓0.17)
2
(1↓)
西武
530 0.625
(↓0.089)
1
(↓1)
1032
(+4)
25
(+5)
7
(-)
3
(+1)
0.253
(↑0.003
2.700
(↓0.38)
4
(2↑)
阪神
440 0.500
(↑0.071)
2
(-)
1016
(+5)
18
(+4)
4
(+1)
11
(+2)
0.217
(↑0.005
2.030
(↓0.29)
4
(-)
DeNA
440 0.500
(↓0.071)
2
(↓1)
1024
(+1)
31
(+5)
7
(-)
3
(-)
0.227
(↓0.016)
2.960
(↓0.3)
4
(-)
中日
440 0.500
(↓0.071)
2
(↓1)
1022
(-)
25
(+2)
4
(-)
4
(-)
0.231
(↓0.008)
3.040
(↑0.15)
4
(2↑)
楽天
440 0.500
(↑0.071)
2
(-)
1017
(+2)
24
(-)
3
(-)
3
(-)
0.221
(↓0.003)
3.090
(↑0.45)
4
(2↑)
ロッテ
440 0.500
(↑0.071)
2
(-)
1024
(+4)
21
(+3)
7
(+3)
5
(+1)
0.206
(↓0.008)
2.570
(↓0.06)
4
(2↑)
日本ハム
440 0.500
(↑0.071)
2
(-)
1035
(+5)
30
(+1)
9
(+1)
7
(+2)
0.270
(↑0.003)
3.220
(↑0.46)
10
(1↑)
ORIX
350 0.375
(↑0.089)
3
(-)
1024
(+5)
24
(+1)
3
(+1)
2
(+1)
0.273
(↑0.001)
3.130
(↑0.32)
10
(4↓)
巨人
350 0.375
(↓0.054)
3
(↓1)
1027
(+3)
31
(+6)
9
(+3)
7
(-)
0.212
(↓0.001)
3.600
(↓0.35)
12
(1↓)
広島
260 0.250
(↓0.036)
4
(↓1)
1011
(+1)
46
(+5)
0
(-)
1
(-)
0.212
(↓0.002)
5.480
(↑0.22)

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ヤクルト
31201 0.608
(↓0.012)
-
(-)
91206
(+3)
172
(+4)
54
(+3)
31
(+2)
0.238
(↑0.001)
2.830
(↓0.02)
2
(-)
巨人
31260 0.544
(↓0.01)
3
(-)
86216
(+3)
225
(+6)
59
(+3)
24
(-)
0.241
(↓0.001)
3.420
(↓0.04)
3
(-)
広島
27252 0.519
(↓0.01)
4.5
(-)
89213
(+1)
190
(+5)
24
(-)
9
(-)
0.254
(↓0.001)
3.290
(↓0.01)
4
(-)
中日
24280 0.462
(↓0.009)
7.5
(-)
91165
(-)
192
(+2)
32
(-)
19
(-)
0.244
(↓0.001)
3.590
(↑0.03)
5
(-)
DeNA
21270 0.438
(↓0.009)
8.5
(-)
95163
(+1)
218
(+5)
35
(-)
17
(-)
0.244
(↓0.003)
4.040
(↓0.02)
6
(-)
阪神
21331 0.389
(↑0.012)
11.5
(↑1)
88160
(+5)
165
(+4)
39
(+1)
40
(+2)
0.223
(↑0.001
2.790
(↓0.03)

<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ソフトバンク
31191 0.620
(↑0.008)
-
(-)
92219
(+6)
158
(+3)
32
(-)
31
(-)
0.269
(↓0.001)
2.730
(-)
2
(-)
楽天
30191 0.612
(↑0.008)
0.5
(-)
93175
(+2)
142
(-)
31
(-)
40
(-)
0.236
(↓0.001)
2.720
(↑0.06)
3
(-)
西武
26261 0.500
(↓0.01)
6
(↓1)
90166
(+4)
159
(+5)
35
(-)
20
(+1)
0.228
(↑0.001
2.510
(↓0.05)
4
(-)
ORIX
25290 0.463
(↑0.01)
8
(-)
89145
(+5)
174
(+1)
20
(+1)
29
(+1)
0.225
(↑0.001)
2.970
(↑0.04)
5
(-)
ロッテ
23291 0.442
(↑0.011)
9
(-)
90160
(+4)
177
(+3)
28
(+3)
51
(+1)
0.214
(↓0.001)
2.750
(↓0.01)
6
(-)
日本ハム
22310 0.415
(↑0.011)
10.5
(-)
90183
(+5)
199
(+1)
47
(+1)
41
(+2)
0.239
(↑0.001)
3.540
(↑0.07)