阪神(★0対1☆)楽天 =交流戦3回戦(2022.05.26)・阪神甲子園球場=
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楽天
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阪神
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勝利投手:宋 家豪(2勝0敗0S)
(セーブ:松井 裕樹(1勝1敗12S))
敗戦投手:岩崎 優(1勝2敗7S)
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◆楽天が投手戦を制した。楽天は0-0で迎えた9回表、代打・銀次の適時打で1点を挙げ、試合の均衡を破る。投げては、先発・岸が7回無失点の力投。その後は2人の継投で得点を許さず、2番手・宋家豪が今季2勝目を挙げた。敗れた阪神は、打線が終盤の好機を生かせなかった。

◆阪神大山悠輔内野手(27)が、4試合ぶりに「3番一塁」でスタメンに入った。前日25日楽天戦で再び右足を負傷したジェフリー・マルテ内野手(30)がこの日出場選手登録を抹消され、打順の組み替えを余儀なくされた。「7番右翼」には3日ヤクルト戦以来の先発出場となる高山俊外野手(29)が入り、「8番捕手」には21、22日巨人戦で先発マスクをかぶり、好リードで2連勝に導いた長坂拳弥捕手(28)が名を連ねた。

◆阪神は今季50試合目にして、自力優勝消滅の危機に立たされた。過去には08年に巨人が球宴前の7月8日に、自力優勝の可能性が消滅したが、首位阪神と最大13ゲーム差をはねかえして逆転優勝を飾った。しかし5月時点で自力V消滅となれば、ペナントレースを制すのは至難の業だ。過去10年の阪神の自力優勝消滅の試合は下記の通り。?【12年7月8日巨人戦●2-3(最終5位)】先発安藤が5回途中3失点。9回に4番新井貴、5番新井良の連打で1点を返したが、敵地で宿敵に競り負けた。6連敗で首位巨人に13ゲーム差。左翼席からは数十個のメガホンが投げ込まれた。就任1年目の和田監督は「ここのところ、吹っ切れていない。引きずったような戦いになっている。とにかく、もう甲子園に帰ってやるしかない」と自ら会見を打ち切った。【13年8月9日中日戦●2-4(最終2位)】苦手のナゴヤドーム(現バンテリンドーム)で4回以降、打線が沈黙。先発大野雄、守護神岩瀬といった左腕を攻略できず。和田監督は「ずっと左にやられているんだよな」。新助っ人コンラッドが4月末に不振で2軍降格。福留、西岡と主力が故障離脱と攻撃力不足に苦しんだ。【14年8月28日巨人戦●0-4(最終2位)】先発藤浪が4試合連続で初回に失点するなど立ち上がりに苦しみ、5回4失点で7敗目(8勝)。「序盤にあまりにも失点しすぎた。そこが反省。単なる技術不足です」と自身3連敗に反省の弁が並んだ。【15年9月21日ヤクルト戦●2-5(最終3位)】同点の6回1死満塁で8番大和がスクイズ失敗。その直後に3失点で敗れた。和田監督は「ストライクゾーンだったからな。一発で決めてほしい」と嘆いた。勝てば首位ヤクルトと同率で並ぶ天王山を落とした。【16年7月8日広島戦●2-8(最終4位)】就任1年目の金本監督は制球に苦しむ藤浪に怒りを隠さず、3点ビハインドの7回にも代打を送らず。「懲罰続投」で、藤浪は8回8失点でプロ最多となる161球を投げた。金本監督は「ストライクが入らず、取りにいって打たれて。何も変わってない。今日は何球投げようが何点取られようが、最後まで投げさせるつもりだった」と話した。【17年8月3日広島戦△5-5(最終2位)】3点リードの9回に守護神ドリスが3失点で追いつかれた。打線は5回以降、無得点で延長12回ドロー。金本監督は自力V消滅を問われ、「そんなん、別に」と話すにとどめた。【18年8月1日中日戦●5-8(最終6位)】中日松坂を打ち崩せずに、単独最下位に転落。走塁のミスもあり、勝機を逃した。首位広島と13ゲーム差をつけられ、金本監督は「負の流れに、のまれている気がしますけどね。(自力V消滅は)関係ないよ、別に。あと何試合残っているの?」と語気を強めた。【19年7月16日中日戦●2-3(最終3位)】同点の9回に小野のサヨナラ押し出し四球で5連敗。首位巨人と11・5差に開き、就任1年目の矢野監督は「俺らじゃなくてマスコミの皆さんが言うこと。そこを考えて毎日プレーするより俺らがどうすれば成長できるか考えてプレーする方がチームのためになる」と自力V消滅にも前を向いた。【20年9月16日巨人戦●3-6(最終2位)】左腕高橋が5回途中5失点とKOされ、東京ドームで開幕7連敗。巨人に優勝マジック38が点灯。矢野監督は「俺らのやるべきことは、優勝マジックが出たからといって、何も変わることはない。可能性はゼロじゃない」と気にしなかった。【21年10月8日ヤクルト戦●1-4(最終2位)】27イニング連続無失点と好調の左腕高橋を中5日で投入したが、5回4失点で降板。首位ヤクルトが直接対決を制し、マジック11が点灯。前半戦の快進撃から失速し、矢野監督は「終わったことは変えられない」と受け止めた。

◆甲子園の観衆が2万6255人と発表された。今季の甲子園21試合目で最少となった。これまでの最少は5月11日広島戦の3万0917人。3万人を割るのも初めて。最多は5月3日のヤクルト戦の4万2483人。平日開催に加え、この日の兵庫県西宮市は雨予報だった。

◆阪神が50試合目で早くも12度目の完封負けを喫した。交流戦は負け越し発進で、借金は13となった。試合はジョー・ガンケル投手(30)が7回3安打無失点。3回2死一、三塁のピンチでは3番浅村に外角146キロ直球を投げ込み見逃し三振。強気でパ首位の楽天打線をねじ伏せた。「全体的にはまあまあの出来だったと思うよ。特に右打者の外角、左打者の内角直球を効果的に使うことができたね」と狙い通りの投球だった。バッテリーを組んだ長坂拳弥捕手(28)が5回の西川、7回の渡辺佳が試みた二盗を2度とも刺したのも大きかった。しかし打線が相変わらずの貧打ぶりだった。右足の状態が悪くジェフリー・マルテ内野手(30)が出場選手登録を抹消されたこともあり、迫力不足。岸に7回3安打無失点に抑えられた。7回には先頭の大山が二塁打で無死二塁のチャンスを作ったが4番佐藤輝から3人続けて凡退した。8回2死二塁、近本光司外野手(27)が楽天2番手宋から左前安打を放ったが、本塁を狙った二塁走者長坂は左翼手西川の好返球で本塁憤死。均衡を破ることはできなかった。9回裏も2番中野から3者連続空振り三振で試合終了となった。

◆虎の守護神岩崎優投手(30)が今季2敗目を喫した。0-0の9回に4番手として登板。先頭の渡辺佳に中前打を許すと、2死一、三塁から代打銀次に左前適時打を浴び失点した。打線は今季12度目の0封負けで援護できず。17日ヤクルト戦(神宮)でのサヨナラ負け以来、4試合ぶりの負け投手となった。ここまで7セーブを挙げているが、5月は8試合、7回2/3で4失点。5与四球で、防御率4・70と不安定な内容が続いている。

◆楽天が最終盤に抜け出し、阪神を破った。0-0で迎えた9回2死一、三塁で代打銀次が左翼へ適時打。今季代打では11打数8安打、打率7割2分7厘。"代打の神様"が、試合を決めた。石井GM兼監督は「一番いいところで出したいと思っているので。そういう意味では一番大事なところで、一番大きい仕事をしてくれた」と賛辞を送った。チームは5カードぶりに勝ち越し。首位を走りながら、ペースを緩めてしまっていたが、再び加速への態勢を整えた。雰囲気良く本拠地仙台へ帰り、27日からヤクルトとのセパ首位対決に臨む。

◆阪神が50試合目で早くも12度目の完封負けを喫した。交流戦はカード負け越し発進で、借金は13となった。0-0の9回に守護神岩崎優投手(30)が2死一、三塁から代打銀次に決勝打となる左前適時打を許し今季2敗目を喫した。打線は相変わらずの貧打ぶり。右足の状態が悪くジェフリー・マルテ内野手(30)が出場選手登録を抹消されたこともあり迫力不足だった。27日は敵地ZOZOマリンでロッテ佐々木朗希投手(20)と対戦する。試合後の矢野燿大監督(53)の一問一答は以下の通り。?--先発ガンケルは今年一番くらいの投球「まあそうやね。ちょっともったいない四球があったけど。うん。ピンチ作っても、まあ、らしさというかしっかり投げてくれたし。(長坂)拳弥ともね、しっかりコミュニケーション取ってやってくれたんで」--楽天先発の岸も好投「コントロールももちろん良いし、緩急もあったり球種もね、それなりにたくさんあるんで。簡単ではないけど、うーん...何とかしたかったよね」--8回2死二塁の本塁突入は勝負に出た「それはしゃあないし。紙一重のところだったんでね。藤本(三塁ベース)コーチも勝負と思って回してくれたんで」--長坂が盗塁を2つ阻止。リードでも「リードも落ち着いてるかなと思うし、あの足の速い2人をしっかり刺して。ジャイアンツ戦でも増田(大)っていうスペシャリストを刺してるっていうあたりは、捕ってからの速さも、球の質もいいからタッチもしやすいし。トータルでレベルが高い」--マルテ、ロハスが2軍。こういうときだからこそ長坂、高山らに期待したいところ「それはみんなそうやけど、まあ、まずはスタートで出ている人たちが、スタメンの責任というのがあると思うんで。拳弥(長坂)とかは、そんな責任を負うところじゃなく、自分のことだけで精いっぱい。結果的にはそれがチームのためにはなるけど、自分がどう出て行くかっていうことを精いっぱいやってくれたらいいと思うし、やっぱり、そういうスタメンが頑張らないとね」--8回は長坂に代走も選択肢にあった「いや、まあ、難しいところやったけどね。結果的にもちろん俺が行ききらんかったっていうのは、まあ、受け止めているけど。延長12回という難しさと、その後に代走を出したいところもあったし、拳弥も遅いわけじゃないんで、そういうところでは、そういうふうに考えながら、準備は、準備というか頭の中の考えにはもちろんあったんだけど」--9回に失点した岩崎は最近ちょっと状態が「なかなか、やっぱり、何て言うのかな。中継ぎの難しさというか。ポンポンと1回でも気持ちよくいければ、また変わってくると思うけど。どうしても、当たり前やけど一番厳しいところで優(岩崎)はいっているので。その中でどうしても慎重になるし、大胆になりきれない部分もあると思うので。でも経験はしっかりある投手やし、肝っ玉が座った選手なので。任せていこうかなと思っています」--今後も抑えは岩崎に「代えるつもりはないよ」--明日のロッテ戦の先発は佐々木朗「いや、もういい投手であることはみんな分かっているし。接戦になると思うので。まだ佐々木朗希に負けが付いてないので、最初に負けを付けられるように、全員で向かっていきます」

◆阪神ジョー・ガンケル投手が2勝目を逃したが、投打で奮闘した。3回1死で楽天岸の3球目を捉え、左中間フェンス直撃の二塁打。投げても初回1死一塁で浅村を132キロのスライダーで空振りに仕留めると、続く島内を144キロの直球で中飛に打ち取り、先制点を許さなかった。前日2本塁打の楽天打線に長打を許さず、7回を3安打無失点。「長坂と話しながらストレートを投げる割合を多めにして、うまくまとめることができたと思う。全体的にはまあまあのデキだったと思う」と納得の表情を見せた。○...阪神渡辺が好救援で5ホールド目を挙げた。0-0の8回に2番手湯浅が2死一、二塁のピンチを招き降板。後を受けた渡辺が4番島内を126キロのスライダーで二飛に仕留めてガッツポーズ。2球で料理し、自分の役割を果たした。「いつでもいけるように準備はできていました。ピンチを0点に抑えることができ、任された役割を果たすことができた」とホッとした様子だった。

◆楽天が1-0で阪神を破った。0-0で迎えた9回2死一、三塁で代打銀次が左翼へ適時打。今季代打では11打数8安打、打率7割2分7厘。"代打の神様"が、試合を決めた。▼楽天は代打銀次が9回に適時安打を放って1-0勝ち。楽天の1-0勝利は3月31日オリックス戦に次いで今季2度目だが、前回も9回に代打銀次が決勝打。シーズン2度の代打1-0決勝打は12年堂上剛(中日)以来で、パ・リーグでは初めてになる。これで銀次の今季代打成績は11打数8安打で打率7割2分7厘。5月10日ロッテ戦では先制打を放っており、代打のV打は早くも3度目だ。

◆犬鷲を支える"神"がいる。楽天銀次内野手(34)が、0-0で迎えた9回に代打決勝打を放った。今季代打では11打数8安打、打率7割2分7厘と超人的な成績を残す。研ぎ澄まされた集中力で、チームを5カードぶりに勝ち越しに導いた。敵地連勝で勢いに乗り。本拠地仙台へ。27日からヤクルトとの両リーグ首位対決に臨む。雨が降りしきる甲子園。9回2死一、三塁。初球の内角直球を見送ると、銀次はフーッと息を吐いた。歩幅を広く、低く構え、投手をにらみ付けた。1ボールからの2球目。高めの直球を振り抜き、左前に落とした。遠かった1点。それをもぎ取り、一塁上で右手を突き上げた。「久しぶりにすごくいい詰まりができた。いい打撃をしたなという感じ」と、神がかった一打に満足げだった。今季は先発出場の機会は少なく、代打で控える日々が続いている。出番が来るのは1球で試合が決まる場面。普段から最初を意識している。ティー打撃の1球目、ケージでの打撃の1球目、宿舎でバットを振る1振り目。そこを追い求め続けているから、この日も最初のスイングで仕留められた。「打てるボールはしっかり打ちにいく。芯に当たってのいい打球は全くこだわっていない。バットのどこで打ってもヒットになればいい」13年の球団史上初のリーグ優勝と日本一を、主力として経験した。それから9年。歓喜を知らない世代も増えてきた。「一生懸命やっている姿はもちろん見てほしいし、勝負強いなというところも、もっと見せていかないと」と、日々闘志を燃やす。岩手出身。地元の選手だからこそ、東北に優勝を届けたい思いが大きい。楽天の選手として最も強く願っているのは、東北や被災地の子どもたちの中から1人でも多くのプロ野球選手が出ることだ。「その中で自分ができることをやっていければいいなと思っています」。自分たちのプレーを見て、野球を頑張ろうと思ってもらえれば、こんなにうれしいことはない-。野球少年なら誰もが憧れる甲子園で勝負を決めたスイング。たくさんのファンの心を打った。【湯本勝大】▽楽天松井裕(交流戦通算30セーブ)「たまたま甲子園で投げられたのですが、球場入りした際や中に入ったときに素晴らしい球場だなと思いますし、何歳になっても気分が上がってしまう場所です」▽楽天岸(7回3安打無失点と好投)「(手応えは)やっぱり真っすぐかなと思います。感覚としては今年一番良かったです」

◆守護神岩崎優が2敗目を喫した。0-0の9回、先頭渡辺佳の中前打と犠打で1死二塁。マルモレホスを空振り三振に斬ったが、炭谷に中前打され、2死一、三塁から代打銀次に決勝の適時打を左前に運ばれた。矢野監督は「一番厳しいところで優は行っているので。その中でどうしても慎重になるし、大胆になり切れない部分もある」と直近5戦2敗の左腕を擁護。「経験はしっかりある投手やし、肝っ玉が据わった選手なので、任せていこうかなと。(抑えは)代えるつもりはないよ」と言い切った。

◆楽天西川遥輝外野手(30)が、チームを救った。「1番左翼」で先発。5回1死走者なしの場面で、左翼ファウルグラウンドフェンス際に打球が飛ぶと、フェンスによじ登りながら捕球。0-0で迎えた8回2死二塁では、近本の左前打に素早く本塁へ送球。「(雨で)下がぬれていてボールが滑ってくるので、差し込まれないようにはイメージしてました」。補殺でピンチを脱し、ガッツポーズで喜びを表現した。シーズン序盤は打撃で貢献。不動の切り込み隊長となりつつある男が、守備でもみせた。

◆阪神が早くも昨季を上回る12度目の完封負けを喫し、交流戦は負け越し発進になった。「日本生命セ・パ交流戦」の楽天戦で先発ガンケルが7回を3安打0封したが、打線が岸らの前に沈黙。首位ヤクルトが敗れて開幕50試合での自力V消滅は免れたが、0-1負けが6度と投手陣の見殺し状態が続いている。27日はいよいよ完全試合男のロッテ佐々木朗と対戦するが、虎は意地を見せられるのか。雨の甲子園が、泣いているようだった。9回表に1点を勝ち越されたその裏。中野、大山が守護神松井裕に連続三振に倒れ、最後は4番佐藤輝も空振り三振。勢い余って手放したバットが、濡れたグラウンドにむなしく飛んだ。チームは今季50試合目で、早くも昨季を上回る12度目の0封負け。ヤクルトが敗れて自力V消滅はいったん免れたが、ずぶ濡れになった観客からも深いため息が漏れた。矢野監督も悔しさをにじませた。「コントロールももちろんいいし、緩急もあったり球種もね、それなりにたくさんある。簡単ではないけど、うーん何とかしたかったよね」。先発岸に苦しみ7回3安打無得点。7回には先頭大山の二塁打で無死二塁の好機をつくったが、佐藤輝から3人続けて凡退した。右足のコンディション不良でマルテが出場選手登録を抹消され、3番に大山を組み込んだが、打線は沈黙を続けた。潮目は8回だった。2死二塁から近本が2番手宋家豪から左前安打を放ったが、本塁を狙った二塁走者の長坂は左翼西川の好返球で本塁憤死。矢野監督がリクエストを要求したが、判定は覆らなかった。ベンチには俊足の熊谷や植田らが控え、捕手も3人制で坂本と片山が残っていたが、矢野監督は代走は送らなかった。「結果的にもちろん俺が行き切らんかったっていうのは、受け止めている。延長12回という難しさと、その後に代走を出したいところもあった」。ほしかった1点を取り切れず、直後の9回に守護神岩崎が勝ち越しを許した。先発ガンケルが7回を無失点に抑える快投を見せたが、打線が援護できない。今季12度の完封負けのうち、0-1敗戦が半分の6回。投手陣を見殺しにする試合が続いている。27日は千葉に移動し、ロッテ佐々木朗と対戦する。矢野監督は厳しい表情で必勝を期した。「いいピッチャーであることはみんな分かっている。接戦になると思うので、負けをつけられるように全員で向かっていきます」。27日にも自力Vが消える状況に変わりはない。完全男打ちを浮上のきっかけにしたい。【桝井聡】○...今季3度目の先発マスクの長坂が二盗阻止を連発した。5回2死一塁からストライク送球で西川を刺し、7回は1死一塁から辰己を仕留めた。ともに球界屈指の俊足で、西川は今季10盗塁、辰己は6盗塁。今季は巨人増田大も2日連続で刺している。矢野監督は「リードも落ち着いてるし、捕ってからの速さも球の質もいい。トータルでレベルが高い」とたたえた。▼首位ヤクルトも敗れたため、阪神の最短での自力優勝消滅は27日に伸びた。条件は、(1)ヤクルト○の場合は阪神●または△。(2)ヤクルト△のとき阪神●。シーズン51試合目の消滅となると、00年以降では01年の67試合を大幅に超え最速となる。▼15年に交流戦が同一カード3試合となって以降、阪神の交流戦の同一カード負け越し発進は、18年ソフトバンク戦●●●、21年ロッテ戦●○●に続き2年連続3度目。楽天戦の同一カード負け越しは、17年○●●、19年●●●以来3度目。▼今季阪神の完封負けは12度目。昨季は年間を通して11度で、開幕50試合で上回った。0-1敗戦は今季6度目で、全体の半分にあたる。0-1の球団シーズン最多は藤村富美男兼任監督時代の1956年(昭31)1956年(昭31)の11度。このままだと17度ペースで、大幅に更新する可能性がある。▼チーム防御率2.88はリーグ1位だが、チーム打率同ワーストの2割2分2厘。投高打低が顕著で、投手陣の奮闘を、野手陣が帳消しにしている。

◆楽天を5カードぶりの勝ち越しに導いた投の立役者は、ベテラン岸孝之投手(37)だった。「日本生命セ・パ交流戦」の阪神戦(甲子園)に先発。表情を変えず、粛々と打者へ向かっていった。丁寧にコーナーを突く投球。打線の援護には恵まれなかったが、7回まで3安打無失点。阪神に流れを渡さず、終盤での勝利に貢献した。岸は最後にギアを上げた。6回まで89球で2安打無失点。ノビのある直球と緩急を織り交ぜ、阪神打線に的を絞らせなかった。だが7回、先頭の大山に中堅へ二塁打を放たれ、無死二塁のピンチを招いた。スコアはまだ0-0。2万6000人を超える観客が見守る甲子園。先制点を許せば、厳しい展開になる。これまで以上に丁寧に打者へ向かった。続く佐藤輝には、6球すべて外角に投げ、最後は126キロチェンジアップで左飛。糸井には逆に2球すべて内角で、144キロ直球で捕邪飛。糸原には4球すべて徹底的に低めを突いて遊ゴロに封じた。岸は「甘いところにほぼいってなかったと思います。入りも良かったし、勝負球も良かった。全体的にあの場面は集中して投げ切れたと思います」。3つめのアウトを取った瞬間、グローブをポンとたたいた。石井GM兼監督も「7回裏に1点取られるということは、(残り)8、9回しかないので勝機を狭める場面。ああいうところでしっかりとギアチェンジできるのは、さすがだなと思った」と評価した。直後に代打を送られ、降板。打線は1点が遠かったが、5勝目はお預けとなった。チームは深刻な得点力不足に悩まされ、勝利を重ねられていない中での先発マウンド。「何もないですね。波はあると思うので、そういうところは気にせず。というか、僕は何もできないので、ピッチャーの仕事をしっかりすることだと思う」と平常心を貫いた。やれることをやる有言実行の投球。自らの仕事を果たした。【湯本勝大】

◆阪神・大山悠輔内野手(27)が3試合ぶりに「3番・一塁」でスタメン出場する。主に3番を務めてきたマルテが右足のコンディショニング不良で出場選手登録を抹消され、大山の打順が変更される形となった。大山は今回の楽天戦、24日に田中将から中前適時打を放ち、25日は左越えの今季8号ソロを放つを放つなど存在感を見せつけている。自慢の長打力で阪神をカード勝ち越しに導きたい。

◆3試合ぶりにスタメンマスクをかぶった阪神・長坂拳弥捕手(28)が強肩で甲子園をわかせた。五回2死一塁では、スタートを切った西川を素早い送球でアウトに。パ・リーグ3位の盗塁数(10盗塁)を誇るスピードスターを仕留めると、七回1死一塁では辰己をストライク送球でアウトに仕留めた。

◆阪神の先発、ジョー・ガンケル投手(30)が7回3安打無失点と力投した。抜群の制球力に加えて、この日は直球の威力も十分だった。三回は2死一、三塁のピンチを背負うも、浅村を外角にズバッと決まる146㌔直球で見逃し三振に仕留めた。その後もテンポよくイニングを重ねた。4月24日のヤクルト戦(神宮)以来の勝ち星を狙ったガンケルだが、味方の援護なく、今季2勝目はおあずけ。八回から湯浅にマウンドを託した。

◆チームトップタイの4勝を挙げている楽天・岸孝之投手(37)が2017年6月18日以来、1803日ぶりの甲子園のマウンドで7回3安打無失点と好投。熟練の投球術で阪神打線を翻弄し、チームの勝利を呼び込んだ。前日25日に「普段、投げることのない球場。先発としての仕事をしっかりとすること(が大事)」と意気込んでいたプロ16年目右腕。その言葉通り先発の役割をきっちりと果たした。直球は最速146キロを計測するなど序盤から威力十分。代名詞の110キロ台のスローカーブ、打者の手元で沈むチェンジアップを織り交ぜて相手打線に的を絞らせなかった。三回には投手のガンケルに二塁打を浴び、その後2死三塁のピンチを背負ったが、最後は中野を128キロのチェンジアップで二ゴロに打ち取った。七回も先頭の大山に中越え二塁打を打たれ、無死2塁とされたが、佐藤輝を左飛、糸井を捕邪飛、糸原を遊ゴロに仕留めて相手の得点を許さなかった。自身は阪神戦に過去3戦で1完封を含む2勝1敗、防御率1・17。この試合でも相性の良さを発揮し、小山投手コーチも「ストレートの走りはいいと思います」も評価した。岸は投げるだけではなく「何か攻撃の面で役に立ちたいなと思っている」とも語っていた。普段は打席に立たないながらも、三回無死一塁ではしっかり投前に犠打を決めた。得点にはつながらなかったが、献身的なベテランの存在はチームの財産だ。チームは九回に1点を奪い、1-0で勝利をものにした。(加藤次郎)

◆阪神が接戦を落として連敗。投手陣が踏ん張ったが打線が沈黙した。先発したガンケルは7回3安打無失点の力投。八回は湯浅がマウンドに上がり、2死一、二塁とすると渡辺がワンポイントで登板し、4番・島内を二飛に仕留めた。投手陣を援護したい打線だったが、楽天の先発・岸の前に7回で散発の3安打。八回に2番手の宋家豪から2死二塁の好機を作り、近本が左前打を放ったが、二走・長坂が本塁でタッチアウト。リクエストを要求も判定は覆らなかった。) 九回は岩崎がマウンドに上がるも、2死一、三塁から代打・銀次に左前打を許して、痛恨の先制点を献上。逆に打線は楽天の守護神・松井の前に3者連続三振。今季12度目の零封負けを喫した。阪神は連敗で借金は再び13に。まだ試合を行っている首位のヤクルトが日本ハム戦に勝つか引き分けると自力優勝の可能性が消滅する。

◆楽天は0―0で迎えた九回に、代打銀次の適時打で均衡を破った。先発の岸は7回3安打無失点。松井は12セーブ目。西川の左翼からの好返球も光った。阪神はガンケルが好投したが、打線が5安打に抑え込まれて零敗。

◆阪神は0ー0の九回に登板した岩崎優投手(30)が2死一、三塁から銀次内野手(34)に浴びた左前打が決勝点となり、今季12度目の完封負けを喫した。七回の無死二塁、八回2死二塁では近本光司外野手(27)が左前打を放ったものの、二走・長坂拳弥捕手(28)が本塁憤死するなど、好機を生かせなかった。試合後の矢野耀大監督(53)の一問一答は以下の通り(チーム成績18勝31敗1分、観衆2万6255人)。ーーガンケルは今年一番くらいの投球(7回無失点)「うーん、まあそうやね。ちょっと、もったいないフォアボールがあったけど。うん。ピンチ作っても、まあ、らしさというかしっかり投げてくれた。拳弥ともコミュニケーション取ってやってくれたんで、うん」ーー岸にも好投された「まあそうやね、交流戦、オープン戦もあったけど、そんなに戦うピッチャーじゃないんでね。コントロールももちろん良いし、緩急もあったり球種もね、それなりにたくさんあるんで。簡単ではないけど、うーん...何とかしたかったよね」ーー八回の本塁突入は勝負に出た「いや、まあまあまあ、それはしゃあないし。紙一重のところだったんでね。藤本コーチも勝負と思って回してくれたんで」ーー長坂が盗塁を2つ阻止(五回に西川、七回に辰己)。リードでも「リードも落ち着いてるかなと思うし、あの足の速い2人をしっかり刺して。ジャイアンツ戦でも増田(大)っていうスペシャリストを刺してるっていうあたりは、捕ってからの速さも球の質もいいからタッチもしやすいし。トータルでレベルが高い」 ーーマルテ、ロハスが2軍。こういう時だからこそ長坂、高山らに期待したいところ「それはみんなそうやけど、まあ、まずはスタートで出ている人たちが、スタメンの責任というのがあると思うんで。拳弥とかは、そんな責任を負うところじゃなく、自分のことだけで精いっぱい。結果的には、それがチームのためにはなるけど、自分がどう出て行くかっていうことを精いっぱいやってくれたらいいと思うし、やっぱり、そういうスタメンが頑張らないとね」ーー八回は二走の長坂に代走も選択肢にあった「いや、まあ、難しいところやったけどね。結果的にもちろん俺が行ききらんかったっていうのは、まあ、受け止めているけど。延長十二回という難しさと、その後に代走を出したいところもあったし、拳弥も遅いわけじゃないんで、そういうところでは、そういうふうに考えながら、準備は、準備というか頭の中の考えにはもちろんあったんだけど」ーー岩崎はちょっと「なかなか、やっぱり、何て言うのかな。中継ぎの難しさというか。ポンポンと一回でも気持ちよくいければ、また変わってくると思うけど。どうしても、当たり前やけど一番厳しいところで優は行っているので。その中でどうしても慎重になるし、大胆になりきれない部分もあると思うので。でも経験はしっかりある投手やし、肝っ玉が座った選手なので。任せていこうかなと思っています」ーー今後も抑えは岩崎に「代えるつもりはないよ」ーー27日はロッテ・佐々木朗「いや、もういいピッチャーであることはみんな分かっている。接戦になると思うので。まだ佐々木朗希に負けが付いてないので、最初に負けを付けられるように、全員で向かっていきます」

◆阪神での現役時代、〝代打の神様〟として、虎党から絶大な支持を得たサンケイスポーツ専属評論家・八木裕氏(56)は楽天3連戦は大山悠輔内野手(27)の適時打と本塁打による2得点だけという阪神打線について言及。「納得できるアウト」が少ないことが問題だと指摘した。楽天3連戦の得点は1点、1点、0点。速球派投手が打てないし、技巧派も打てない。「点が取れないシーズン」になってしまった打線は深刻だ。打線を組み替えて、劇的な効果が生まれないことも、ここまでの戦いが示している。各打者は首脳陣といろんな話をして、試して、試合に臨んでいるだろう。当然だ。だが結果に出ないのが現状。工夫しているのだろうが、外部からはそう見えない。徹底できていない部分がある証拠でもある。この日も顕著だったのは各打者に納得できるアウトが少ないこと。大山、佐藤輝の中軸もスタメン起用された高山も。具体的にいえばノーストライクからの打撃。本当に、その球を打とうとしていたとは思えない、反応して当てただけの凡打が目立つ。狙った球をスイングしたが、結果に結びつかなかった。これが納得できるアウト。現実は正反対で、もったいないアウトが多すぎる。もう一度、各打者が準備の段階から、つまり試合の入り方から見つめ直して欲しい。当たり前のことだが、どの方向へ打てば、結果が出る確率が上がるのか? 速い球は逆方向。変化球は引っ張った方向。誰もが知っていることでも、もう一度、頭を整理して臨むことで、「納得できないアウト」は一気に減る。根本から考え直すにはいい時期だ。

◆楽天の西川が左翼の守備でチームを救った。0―0の八回2死二塁。近本の左前打を捕球して本塁へ返球し、二塁走者の長坂をタッチアウトとした。試合途中から降っていた雨により外野の芝生がぬれていた悪条件で、好返球。「捕って投げたら、あそこにいった」とほっとしたように言った。五回には高山のファウルゾーンへの飛球をフェンスによじ登って好捕した。1―0での勝利に貢献したが「ピッチャーのおかげ」と謙虚に言った。

◆阪神は楽天に0-1で敗れ、今季12度目の零封負け。4番の佐藤輝明内野手(23)は4打数無安打の大ブレーキで、九回は空振り三振で最後の打者となり、バットをほうり投げて悔しさをあらわにした。27日は敵地で〝完全試合男〟ロッテ・佐々木朗希投手(20)との対戦。虎の大砲よ、打ってくれ。最後の打者となった佐藤輝は空振りした勢いのままにバットをぽーんっとほうり投げた。無造作に地面に転がった相棒を力なく拾い上げると、零封負けの悔しさに顔を伏せながら、ベンチへ。矢野監督は若き4番に〝主力の自覚〟を求めた。「まずはスタートで出ている人たちが、スタメンの責任というのがあると思うんで」猛アピール中の長坂や、3日のヤクルト戦(甲子園)以来にスタメン起用した高山らとは立場が違う。全試合出場中の背番号8だからこそ、窮地の場面で輝いてほしかった。1点を追う九回。楽天の守護神・松井裕の前に先頭から2者連続三振と押しに押され、背番号8も追い込まれてから外角のボール球を2球見逃したが、最後は6球目の152キロにバットが空を切った。七回無死二塁では先発・岸の前に左飛に倒れるなど4タコに終わり、パ・リーグ首位・楽天との3連戦では12打数1安打の打率・083と苦しんだ。「拳弥(長坂)とかは、自分のことだけで精いっぱい。結果的にはそれがチームのためにはなるけど、やっぱり、スタメンが頑張らないと」と指揮官も尻をたたいた。試合終了時の小雨は虎党の涙雨に変わったが、次戦はすぐにやってくる。27日のロッテ戦(ZOZOマリン)の相手先発は佐々木朗。ただでさえ打ち崩せれば大きな弾みがつく相手を、佐藤輝が打ってくれればさらに打線もノッていける。矢野監督も「いい投手であることはみんな分かっている。接戦になると思う。まだ佐々木朗希に負けがついてないので、最初に負けをつけられるように、全員で向かっていきます」と力を込めた。〝令和の怪物〟撃ちは虎のサトテルの役目だ。もう好投する投手を見殺しにはしない。重苦しいムードをバットで振り払う。(新里公章)◆佐藤輝のvs佐々木朗希VTR★2021年5月27日・ロッテ戦(甲子園) 0-1で迎えた二回無死一、三塁の場面で初対戦。佐々木朗の152キロ直球をとらえて、左前へ一時同点となる一打を放った。その後は中飛と申告敬遠で2打数1安打1打点だった。★同年7月27日・ロッテ戦(甲子園) 東京五輪期間中のエキシビションマッチで2度目の対戦。一回1死一塁で155キロ直球を左翼ポール際に運び、先制の2ランを放った。三回の第2打席は三振に倒れた。

◆また打てんかった...。阪神はパ・リーグ首位の楽天に0-1で敗れ、交流戦最初のカードを負け越した。今季12度目の零封負けで「0-1」はすでに6度目。八回2死二塁から本塁突入を図った長坂は憤死し、代走を起用しなかった矢野燿大監督(53)は「俺が行ききらんかった」と悔やんだ。27日はロッテ戦。〝令和の怪物〟佐々木朗が先発してくるよ~。見据えようとしていた延長戦は、またも訪れなかった。0-0の八回2死二塁。二塁走者の捕手・長坂に代走を送らないという矢野監督の判断が、結果的に本塁憤死を招き、0-1負けを再現した。1点を取りに行きつつも行ききれず、零封負けは早くも昨季を上回って12度目だ。「難しいところやったけどね。結果的にもちろん、俺が行ききらんかったっていうのは、受け止めているけど。延長12回という難しさと、その後に代走を出したいところもあったし。(長坂)拳弥も(足が)遅いわけじゃないんで...」0-0だった。先発マスクで好リードを見せていた長坂を、まずは八回1死でそのまま打席へ送った。2番手の宋家豪から左前打で出塁する。こうなれば植田も熊谷も、代走要員はベンチに控えていた。代わる捕手は坂本も片山もいた。だが、将としては九回も延長もにらんでいた。代打・北條の投前犠打で2死二塁にし、1点を奪いに行けるようにしつつ、ここで二走を代えることはしなかった。動かなかったときに限って、ゲームは動く。近本が左前打を放ち、長坂が三塁を蹴って本塁へ突入する。左翼・西川からワンバウンドの好返球が戻り、タッチアウト-。たしかに長坂は遅くはなかった。それでも、リクエストを要求するほど微妙なタイミングだっただけに、あと一歩、ほんの数センチでも本塁へ迫れていたら、先制点になっていた可能性があった。直後の九回、楽天に1点を先に奪われた。先の、先の、先まで思案し〝決断しないという決断〟に至ったが、先は訪れなかった。 パ・リーグの一線級の投手に、スモールベースボールで挑もうと臨んだ交流戦だった。それが幕開けから田中将、辛島、岸の先発を並べてきた楽天投手陣に「1点、1点、0点」に封じられた。1点ずつ奪うはずが、この日もガンケルが二塁打を放った三回1死二塁で1、2番が凡退。何も起こせなかった。ここぞで思い切った手を打てないまま、12度の零封負け、うち半分の6度は0-1負けにつなげてしまっている。代走について矢野監督は「準備というか、頭の中に考えはもちろんあったんだけど」と振り返った。ヤクルトも敗れ、自力優勝の可能性が消滅しなかったことだけが救いだが、動けないまま、また一つ黒星を重ねてしまった。(長友孝輔)★長坂、強肩魅せた 3試合ぶりに先発マスクをかぶった長坂は強肩で甲子園をわかせた。五回は西川、七回は辰己の二盗を阻止。今季は4度の盗塁企図をすべて防ぎ、盗塁阻止率100%だ。タッグを組んだ先発投手は計23イニング連続無失点と巧みなリードも光る。矢野監督は「リードも落ち着いている。足の速い2人をしっかり刺して。トータルでレベルが高い」と絶賛した。?...阪神は今季50試合目で12度目の零封負け。昨季の11度を早くも超えた。シーズン143試合で換算すれば34度ペース。球団のシーズン最多零封負けは1963年の24度。プロ野球記録は56年の東映(154試合)と大洋(130試合)の31度。?...楽天・岸とは西武時代も含めて4度の対戦で2勝を献上。2007年5月30日の西武戦の四回に3点取ったのを最後に、26イニング連続無得点。

◆パ・リーグ首位の楽天は26日、阪神3回戦(甲子園)に1-0で勝った。九回2死一、三塁から代打で登場した17年目の銀次内野手(34)が決勝の左前適時打を放った。代打での打率・727(11打数8安打)、7打点と卓越したバットコントロールを誇るベテランの一打で、チームは5カードぶりの3連戦勝ち越しを決めた。均衡を一振りで破った。0-0で迎えた九回2死一、三塁の好機で銀次が決めた。「自分が打てると思ったボールがきたので振りにいった。1点とれば勝てると思ったので必死で1点を取りにいきました」1ボールから抑えの岩崎が投じた142キロの直球を詰まりながらも左前へ運んだ。左翼手の前に打球が弾むのを確認すると拳を握った。今季は代打で11打数8安打(打率・727)、7打点の数字を残す。「1球目を大事にしています。ティー(打撃)の1球目であったり、打撃ケージに入った1球目であったり、夜に宿舎でバットを振るときの一振り目とか」。勝負強さが求められる代打として、この日も最初のスイングで決めた。岩手・盛岡中央高時代は甲子園に出場していない。それでもプロ入り後の2012年5月20日の阪神戦で4打数4安打4打点をマーク。本塁打が出ればサイクルヒット達成となる大活躍した経験があるだけに「相性がいいというか、好き」と語り「(この日も)甲子園での一つの思い出になる」と声を弾ませた。球団新記録の11連勝後、3勝10敗と苦しんだが、この日の勝利で5カードぶりの3連戦勝ち越しを決めた。「芯に当たってのいい打球には全くこだわっていない。バットのどこで打ってもヒットになれば自分はいいと思っている。最高でした」。プロ17年目、34歳の〝いぶし銀〟の一打が再びチームを上昇気流に乗せる。(加藤次郎)

◆先発した阪神・ガンケルは7回3安打無失点と力投も、今季2勝目はならなかった。「直球がしっかりコントロールできていた。特に右打者の外角、左打者の内角にストレートを効果的に使うことができたね」。三回2死一、三塁のピンチでは浅村を外角146キロ直球で見逃し三振。矢野監督も「ピンチをつくっても、しっかり投げてくれた」とたたえた。

◆八回2死一、二塁で救援した阪神・渡辺は、島内を外角スライダーで二飛に打ち取り、ガッツポーズした。「いつでもいける準備はしていた。打者1人でしたがピンチを0点に抑えることができて、任された役目を果たすことはできたと思う」。これで今季5ホールド。中継ぎ左腕として、これからもブルペンを支える。

◆九回に登板した岩崎が誤算だった。2本の安打と犠打で2死一、三塁とされ、代打・銀次に左前へ決勝タイムリーを浴びて今季2敗目。17日のヤクルト戦(神宮)でも1点リードを守り切れないなど最近は失点が目立つクローザーだが、矢野監督は「経験があって、肝っ玉が座った投手。(抑えを)代えるつもりはない」と変わらない信頼を口にした。

◆「ボーっと生きてんじゃねーよ!」。チコちゃんに叱られるわ!!100万回言っているけど、阪神打線は本日、今季12度目の零封負けを食らった。全く! 完全に! パーフェクトに!! 打てないのだ。そんな打線をつくってしまった矢野監督も大いに問題あり!! だけど、その一方で俺は(実際は腹を立てているんだけど)得点を与えない投手陣をつくった力は認めていたりして...。でも、結局勝敗が全て...。だったら、せめて勝つために全戦闘能力を集中してくれ~!!0-0で進んだ試合の八回2死二塁で、何で代走に俊足の熊谷を使わんのだ!!近本がヒットを打ち、二塁走者の長坂が本塁で憤死。結果論ではなく、全国の虎党はその甘さに「あ~あ...」とため息をついているのだ。矢野監督は阪神の監督ではあるけれど、阪神を愛して全てを見ることができる阪神ファンではないのだなぁ...と覚めてしまったのだ!!それでも諦めない虎党は俺のYouTube『ダンカン虎輪書』を見てくれー!!

◆111勝しても届かない? 馬鹿なこと言いなさんな。111勝もしたら、ぶっちぎりで優勝するわ!!〝机上の計算〟にツッコミを入れてしまいました。26日は『阪神の自力優勝の可能性が消滅する』可能性のある日でした。阪神が0-1で敗れたため、ヤクルトが引き分けでも消滅-するところだったのです。この場合、阪神がヤクルトとの直接対決13試合を含む今季の残り93試合を全勝しても111勝。ヤクルトが阪神との13試合以外の83試合に全勝したら、阪神は勝率でヤクルトを上回ることができない-という計算でした。ヤクルトも負けたのでそうはなりませんでしたが、『きょうにも』の危機は27日も続きます。だけど考えてみてください。セ・リーグのシーズン最多勝利記録は1950年の松竹の98勝。パは55年の南海の99勝。日本のプロ野球で過去に100勝以上したチームはありません。111勝しても...なんて、まさに机の上での話です。「新庄さんのアシストのせいですよ」私が机上の計算にかみついていたら、トラ番キャップ長友孝輔は、日本ハム・新庄監督に〝八つ当たり〟していました。交流戦に入ったら直接対決がしばらくない。すぐにはそんな状況にはならないだろうと考えていたのです。「2試合続けてサヨナラ負けなんて普通はないでしょ。25日も、日本ハムが(九回表を終わって6-4の)あのまま勝っていたら」。ただ、過剰に心配することはありません。パの最下位の日本ハムは5月6日に自力Vの可能性が一度消えていますが、13日には〝復活〟しました。なにしろ、残り試合全勝vs直接対決以外の試合を全勝-が前提の計算です。勝ち負けが少し上回ればすぐに復活するのです。なんて話をしていたら、阪神の試合前練習が終わるころになってベテラン編集委員三木建次が甲子園球場に入ってきました。重役出勤か? と思ったらその逆。鳴尾浜でのウエスタン・広島戦を取材した後、ナイターの楽天戦取材の応援に駆けつけています。「いいピッチングやった。九回になっても150キロ出ていた。フォークもキレッキレやった。他球団ならすぐに先発ローテーションに入るで」4安打無四球完封の才木を絶賛。平田2軍監督も安藤2軍投手コーチも「(1軍で)通用する」と評価していたそうです。ただ、いま阪神がほしいのはバッター。起爆剤になる野手。それでもビヤ樽は、間接的な影響に期待していました。「才木がこれだけ良かったら、ガンケルも気合が入るんちゃうか。秋山も藤浪もおるし」投手は、本当にいっぱいいる。「チームの得失点差がすごいことになっています。マイナス8点(154失点で146得点)です。大きく負け越しているチームで、こんなこと普通ないでしょ」キャップ長友のこの日2つ目の「普通はないでしょ」でした。ちなみに、セ5位のDeNAは199失点と150得点でマイナス49点です。この日もガンケルは頑張ったけれど...。援護がないから僅差で負ける。だから、得失点差はわずかなのに大きく負け越している。こっちの数字の方が、机上の計算以上に摩訶不思議や。

DAZN

<交流戦順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(3↑)
DeNA
210 0.667
(↑0.167)
-
(↓1)
1511
(+5)
12
(+1)
4
(+2)
0
(-)
0.292
(-)
2.670
(↑0.83)
1
(-)
ヤクルト
210 0.667
(↓0.333)
0
(-)
1516
(+6)
16
(+9)
3
(-)
1
(+1)
0.303
(↓0.001)
4.200
(↓1.5)
1
(3↑)
楽天
210 0.667
(↑0.167)
0
(↓1)
157
(+1)
2
(-)
2
(-)
1
(-)
0.253
(↓0.015)
0.690
(↑0.37)
1
(-)
西武
210 0.667
(↓0.333)
0
(-)
1513
(+3)
12
(+6)
2
(-)
2
(+1)
0.269
(↑0.004)
3.810
(↓0.81)
1
(3↑)
ロッテ
210 0.667
(↑0.167)
0
(↓1)
1515
(+6)
8
(+3)
4
(+1)
3
(-)
0.191
(↑0.024)
2.420
(↓0.3)
1
(-)
巨人
210 0.667
(↓0.333)
0
(-)
1511
(+2)
8
(+3)
3
(+1)
4
(+2)
0.215
(↓0.005)
2.330
(↓0.33)
7
(3↑)
ORIX
120 0.333
(↑0.333)
1
(↑1)
158
(+3)
11
(+2)
0
(-)
1
(+1)
0.292
(↑0.05)
3.960
(↑1.1)
7
(3↓)
阪神
120 0.333
(↓0.167)
1
(-)
152
(-)
7
(+1)
1
(-)
2
(-)
0.187
(↓0.01)
2.330
(↑0.67)
7
(3↑)
中日
120 0.333
(↑0.333)
1
(↑1)
1512
(+6)
13
(+3)
1
(-)
2
(+1)
0.245
(↑0.055)
4.000
(↑0.5)
7
(3↑)
日本ハム
120 0.333
(↑0.333)
1
(↑1)
1516
(+9)
16
(+6)
5
(+4)
4
(+1)
0.292
(↑0.006)
5.020
(↓0.2)
7
(3↓)
ソフトバンク
120 0.333
(↓0.167)
1
(-)
1512
(+1)
11
(+5)
1
(+1)
2
(+1)
0.240
(↓0.022)
3.600
(↓0.95)
7
(3↓)
広島
120 0.333
(↓0.167)
1
(-)
158
(+3)
15
(+6)
0
(-)
0
(-)
0.287
(↑0.029)
4.330
(↓0.33)

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ヤクルト
28181 0.609
(↓0.013)
-
(-)
96182
(+6)
160
(+9)
43
(-)
27
(+1)
0.236
(↑0.002)
2.930
(↓0.1)
2
(-)
巨人
30220 0.577
(↓0.011)
1
(-)
91200
(+2)
202
(+3)
53
(+1)
21
(+2)
0.244
(↓0.001)
3.330
(↑0.01)
3
(-)
広島
26212 0.553
(↓0.012)
2.5
(-)
94210
(+3)
159
(+6)
24
(-)
8
(-)
0.263
(↑0.002)
3.010
(↓0.04)
4
(-)
中日
21260 0.447
(↑0.012)
7.5
(↑1)
96155
(+6)
180
(+3)
29
(-)
17
(+1)
0.246
(↑0.002)
3.710
(↑0.01)
5
(-)
DeNA
19240 0.442
(↑0.013)
7.5
(↑1)
100150
(+5)
199
(+1)
32
(+2)
14
(-)
0.251
(↑0.001)
4.140
(↑0.08)
6
(-)
阪神
18311 0.367
(↓0.008)
11.5
(-)
93146
(-)
154
(+1)
36
(-)
31
(-)
0.222
(↓0.001)
2.880
(↑0.04)

<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
楽天
28161 0.636
(↑0.008)
-
(-)
98165
(+1)
120
(-)
30
(-)
38
(-)
0.240
(-)
2.530
(↑0.06)
2
(-)
ソフトバンク
26191 0.578
(↓0.013)
2.5
(↓1)
97184
(+1)
153
(+5)
25
(+1)
24
(+1)
0.262
(↓0.002)
2.920
(↓0.05)
3
(-)
西武
23241 0.489
(↓0.011)
6.5
(↓1)
95147
(+3)
146
(+6)
30
(-)
19
(+1)
0.226
(↑0.001)
2.560
(↓0.06)
4
(-)
ORIX
23260 0.469
(↑0.011)
7.5
(-)
94129
(+3)
161
(+2)
17
(-)
28
(+1)
0.221
(↑0.004)
3.000
(↑0.02)
5
(-)
ロッテ
21261 0.447
(↑0.012)
8.5
(-)
95151
(+6)
164
(+3)
25
(+1)
49
(-)
0.214
(-)
2.760
(↓0.01)
6
(-)
日本ハム
19290 0.396
(↑0.013)
11
(-)
95164
(+9)
185
(+6)
43
(+4)
38
(+1)
0.237
(↑0.002)
3.700
(↓0.04)