阪神(☆4対0★)巨人 =リーグ戦12回戦(2022.05.22)・阪神甲子園球場=
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巨人
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阪神
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勝利投手:伊藤 将司(1勝1敗0S)
敗戦投手:髙橋 優貴(1勝4敗0S)
  DAZN
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◆阪神は2回裏、近本の適時打で1点を先制する。なおも続く好機で大山と佐藤輝の連続適時打が飛び出し、リードを広げた。投げては、先発・伊藤将が9回無失点の快投。今季1勝目をプロ初完封で飾った。敗れた巨人は、先発・高橋が試合をつくれず、打線もつながりを欠いた。

◆交流戦前最終戦 阪神は交流戦開幕直前のリーグ戦最終戦で、通算11勝5敗の勝率6割8分8厘と相性がいい。18年5月27日巨人戦、19年6月2日広島戦、21年5月19日ヤクルト戦と3連勝を継続中。また、甲子園に限れば通算7勝2敗で7割7分8厘と、勝率はさらに上がる。◆日曜日&デーゲーム 日曜日の試合では、4月24日ヤクルト戦から4連勝中。デーゲームでも、5月8日中日戦から4連勝を継続している。

◆【注目ポイント】4月13日に新型コロナ陽性判定を受けて戦列を離れていた伊藤将司投手(26)が、いよいよ復帰マウンドに上がる。20年ドラフト同期の佐藤輝明内野手(23)は昨季、伊藤将先発の試合で19試合に出場。66打数24安打で打率3割6分4厘、3本塁打、15打点と大当たりで、左腕の10勝(7敗)に貢献した。今季の2試合は一転、9打数1安打の1割1分1厘と低調。ドラ1、ドラ2の名コンビぶりを発揮して、援護射撃なるか。

◆「球審・白井」のコールに甲子園の観衆がざわついた。ロッテ佐々木朗希投手(20)に対し、試合中に詰め寄り話題になった白井一行審判員(44)が、この日の阪神-巨人で球審を務める。同審判員は4月24日のオリックス-ロッテ(京セラドーム大阪)で球審を務めた。同10日に完全試合を達成するなど佐々木朗への注目が全国的に高まっていた中、白井氏はストライク、ボール判定に対して不服そうな態度をとった同投手のもとに詰め寄った。3連戦の初戦だった20日は二塁塁審、前日21日は一塁塁審を務めていた。

◆巨人中田翔内野手(33)と小林誠司捕手(32)の89年世代コンビがスタメンに名を連ねた。中田は15日の中日戦(東京ドーム)以来6試合ぶりに「6番一塁」で先発。代打で出場した直近4試合では、4打席で3四球1安打2打点と結果を残していた。小林は「8番捕手」で3日広島戦(マツダスタジアム)以来、16試合ぶりの出場。スタメン出場も同戦以来、今季12試合目となる。

◆前夜甲子園のお立ち台に上がった阪神ジェフリー・マルテ内野手(30)は、休養のためベンチスタートとなった。井上一樹ヘッドコーチ(50)は「ゲームはとりあえず頭では使わず、ベンチには入れる。ピンチヒッターはあるとは言っている。今日ベンチに座らせて、明日休ませて、火曜日に一気にいく方向にもっていくには、今日無理させることはないのかなと」と説明。マルテは右足のコンディション不良で4月3日に出場選手登録を抹消され、5月10日に1軍復帰。9試合連続で「3番一塁」で出場してきた。体のケアを優先する判断で、試合前は室内練習場でメニューをこなした。先発の伊藤将司投手(26)は新型コロナウイルス陽性判定からの1軍復帰登板で、4月6日DeNA戦(甲子園)以来、46日ぶり。前日21日に「状態はファームからしっかりやってきたので、万全だと思う。しっかり投げたい」と意気込みを語っていた。

◆巨人高橋優貴投手(25)が2週連続で2回途中4失点でKOされた。1回は先頭近本に中前打で無死一塁から中野の犠打の処理で、自ら一塁へ悪送球し、無死一、二塁のピンチを招く。それでも以降は大山、佐藤輝、糸井のクリーンアップを抑え無失点で切り抜けた。しかし、2回に3四球で1死満塁とし、近本に中前へ先制の適時打を浴びた。2死としてからも大山に左前へ2点適時打を許し、2番手戸田にマウンドを譲った。高橋は5月15日の中日戦(東京ドーム)で1回2/3を4失点と炎上。リリーフに配置転換され、5月17日の広島戦(宇都宮)で9回に2番手で登板も、四球と中前打で1死も取れずに降板していた。そこから中4日のマウンドだったが、またも1回2/3を4失点と炎上。直近3試合で3回1/3を投げ8失点と不安定な投球が続いている。

◆阪神打線が巨人から先制点を奪った。2回、先頭の陽川、糸原が連続で四球を選び、長坂が犠打。伊藤将も四球を選び1死満塁で、阪神近本光司外野手(27)に打席が回ってきた。その4球目。147キロの直球を中前に運び1点を先制した。「四球でつないで作ってくれたチャンスでしたし、流れの中でも先制したい場面だったので、打つことができて良かったです」さらに、2死満塁でこの日今季初の3番でスタメン入りした大山悠輔内野手(27)の左前適時打で2点を追加した。「みんながつないでくれたチャンスで、(伊藤)将司のためにも1点でも多く点を取っておきたい状況だったので、しっかりランナーを返すことができて良かったです」巨人先発高橋優貴投手(25)を2回途中、わずか48球でKOした。高橋に代わり、戸田懐生投手(21)を投入したが、阪神佐藤輝明内野手(23)が一塁強襲の内野安打を放ち、さらに1点を追加。打者9人で4点を奪い、先発伊藤将司投手(26)を援護した。

◆阪神近本光司外野手(27)が球団14人目となる100盗塁を決めた。7回に先頭で打席が回り、巨人畠から右前打を放ちチャンスを広げた後、すかさず二盗。通算100盗塁目を鮮やかに決めた。初回に中前打、2回には中前先制適時打を放っており、今季4度目の猛打賞を記録。守備では、4点リードの7回1死で巨人ポランコの痛烈な中前打をダイビングキャッチ。絶妙なタイミングでキャッチし、4万2352人の観客を魅了。攻守での活躍が光っている。

◆阪神は宿敵相手に2連勝を飾り、「大阪タイガース」のユニホームを着用した本拠地巨人3連戦を締めくくった。日曜日、デーゲームともに5連勝となった。巨人戦3カード連続勝ち越しは11年ぶり。打線は2回、巨人高橋の乱調につけ込んだ。3四球で1死満塁の好機をつくり、1番近本光司外野手(27)の中前適時打で先制した。さらに2死満塁で3番大山悠輔内野手(27)が三遊間を抜く2点打。2死一、三塁からは4番佐藤輝明内野手(23)が一塁強襲の適時打を決め、この回だけで一挙4得点を奪った。投げては先発の伊藤将司投手(26)がプロ初完封。1回2死二塁、3回2死三塁、5回2死二塁のピンチで要所を締めた。4月中旬の新型コロナウイルス感染から約1カ月半ぶりの1軍マウンドで、安定感抜群の快投劇。15年9月28日の藤浪晋太郎以来となる甲子園での巨人戦完封勝利を飾った。7回には右前打で出塁した近本が二盗を決め、通算100盗塁を達成。投打ともにメモリアルな勝利で、交流戦突入に弾みをつけた。▽阪神長坂(2試合連続先発マスクをかぶり伊藤将の完封をリード)「将司が低めに丁寧に投げてくれた。昨日はちょっとドキドキした部分もあったが、今日は少し落ち着いてできた」▼阪神が巨人戦に3カード連続で勝ち越した。これは11年5月3~5日(東京ドーム)○●○、6月24~26日(甲子園)○○●、7月12~14日(甲子園)○○●以来、11年ぶり。前回この9試合で阪神は、ブラゼルが3本塁打。抑えの藤川が1勝4セーブと、投打の主役が持ち味を発揮した。▼今季の阪神投手の完封勝ちは、4月5日DeNA戦西勇、同22日ヤクルト戦の青柳に次いで3人目。▼阪神投手の巨人戦での完封勝利は、21年9月25日の高橋以来。無四球完封は、20年9月17日の西勇以来。生え抜き投手の無四球完封となると、13年4月9日の能見以来、9年ぶり。▼阪神はデーゲームで、5月8日中日戦(バンテリンドーム)から5連勝。通算でも9勝10敗とし、5割へあと1勝とした。また日曜日の試合でも、4月24日ヤクルト戦(神宮)から5連勝となった。

◆阪神伊藤将司投手(26)が新型コロナウイルス感染からの復帰戦でプロ初完封勝利を飾った。1回2死二塁、3回2死三塁、5回2死二塁、9回2死一、三塁のピンチで無失点。9回111球を投げ、無四球8安打で要所を締めた。4月中旬に新型コロナウイルスを発症。2軍戦計3試合で11回2失点と好投を続け、4月6日DeNA戦以来約1カ月半ぶりの1軍マウンドでも快投を演じた。阪神投手の巨人戦完封勝利は21年9月25日の高橋遥人以来。甲子園での完封勝利は15年9月28日の藤浪晋太郎以来、7シーズンぶりの快挙となった。?▼今季の阪神投手の完封勝ちは、4月5日DeNA戦西勇、同22日ヤクルト戦の青柳に次いで3人目。▼阪神投手の巨人戦での完封勝利は、21年9月25日の高橋以来。無四球完封は、20年9月17日の西勇以来。生え抜き投手の無四球完封となると、13年4月9日の能見以来、9年ぶり。▼阪神が巨人戦に3カード連続で勝ち越した。これは11年5月3~5日(東京ドーム)○●○、6月24~26日(甲子園)○○●、7月12~14日(甲子園)○○●以来、11年ぶり。前回この9試合で阪神は、ブラゼルが3本塁打。抑えの藤川が1勝4セーブと、投打の主役が持ち味を発揮した。▼阪神はデーゲームで、5月8日中日戦(バンテリンドーム)から5連勝。通算でも9勝10敗とし、5割へあと1勝とした。また日曜日の試合でも、4月24日ヤクルト戦(神宮)から5連勝となった。

◆"魔の日曜日"が続く。最下位阪神に敵地で連敗し、4月24日の中日戦(バンテリンドーム)から日曜日は5連敗となった。4週連続で日曜に先発している高橋優貴投手(25)が安定しない。1回には無死一塁から犠打の処理で、自ら一塁へ悪送球し、無死一、二塁のピンチを招く。クリーンアップを抑え無失点で切り抜けたが、2回に制球が乱れた。3四球で1死満塁とし、近本に中前へ先制の適時打を浴びた。2死としてからも大山に左前へ2点適時打を許し、2週連続2回途中4失点でKO。先発4試合で0勝3敗と苦しんでいる。打線もつながらない。中田が15日の中日戦(東京ドーム)以来6試合ぶりに「6番一塁」で先発。代打で出場した直近4試合では、4打席で3四球1安打2打点と結果を残していたが、4打数無安打。「8番捕手」で3日広島戦(マツダスタジアム)以来、16試合ぶりの出場を果たした小林は、5回2死、4月27日DeNA戦以来の安打となる左翼線二塁打を放つも得点にはつながらなかった。阪神先発の2年目左腕・伊藤将に8安打完封負け。最下位阪神に今季2度目の完封負けを喫し、2連敗で4カードぶりの負け越しが決定した。

◆伊藤将司投手(26)が9回8安打無失点、111球の完封勝利で勝利に導いた。初回から打たせて取る投球で巨人打線を翻弄(ほんろう)。9回1死から吉川、岡本和に連打を浴びたが、ポランコ、中田を中飛に仕留めた。左腕は2年連続でシーズン1勝目を巨人から奪った。近本光司外野手(27)は7回に球団14人目となる100盗塁を決めた。さらに、今季4度目となる猛打賞を記録したヒーローになった伊藤将と近本の一問一答は以下の通り。-2回に先制適時打を近本「久々に将司が投げると言うことでなんとしても先制点をということで満塁だったので、なんとか1点をという気持ちでした」-猛打賞も、状態は近本「状態は自分の中で悪くなかったので、それが野手のいないところに飛んだりするので、今日もよかったです」-守備ではファインプレーも近本「ありがとうございます!」-あのプレーを振り返って近本「難しい打球だったんですけど、思い切って勝負することができた。またそれで将司を助けられることができて良かったです」-今日で通算100盗塁。どんな1本か近本「あと1本と言われていて、コーチ選手と一緒に盗塁に関して話をして、そういうの積み重なって100個という盗塁をすることができて、まだまだどんどん走っていきたいなと思います」-ファンに一言近本「ここまで結構苦しいチーム状況で負け越してますが、交流戦からまた仕切り直して、交流戦で優勝できるようにチームが勢いに乗って頑張っていきます!」?-復帰後プロ初完封伊藤将「ただいま」-今の気持ちを伊藤将「しびれました」-今日のマウンドどういう思いで伊藤将「最後もすごく危ない中だったんですけど、その中で達成できたのが良かったです」-2回に援護もあった伊藤将「やっぱり近本さんが先制点を取ってくれてそこからは野手のおかげで9回を投げられることができて、野手に感謝してます」-ファンに「厳しい試合が続いてますが、これからも応援よろしくお願いします!」

◆巨人が今季2度目の完封負けで交流戦前最終戦を落とした。最下位阪神を前に投打がかみ合わずに2連敗で負け越した。先発としては中6日、中継ぎ登板から中4日の高橋優貴投手(25)が1回2/3、3安打4失点で降板。2回に連続四球と犠打で1死二、三塁とされると、投手伊藤将への痛恨の四球で満塁。自ら背負ったピンチで4点を献上した。1勝4敗と復調の兆しが見えない左腕に原監督は「(高橋)優貴は悪くないよ。やっぱり優貴に投げてもらった私の責任よ。それで終わろう」と言った。打線は8回まで連打なく散発6安打無得点。9回は吉川、岡本和の連打も決定打を欠き「これだけファンに集まってもらってね。もう少しドキドキさせるゲームをしないといけませんね」と奮起を促した。開幕から主力の離脱もありながら、ここまで28勝21敗の貯金7で2位につける。指揮官は「通過点の中でね。少しでも貯金が出来たというのは悪い材料ではない」とも付け加えた。▽巨人高橋(中継ぎ登板から中4日で先発も1回2/3、4失点)「早くマウンドを降りてしまいチームに申し訳ないです」

◆阪神が巨人に連勝した。巨人に3カード連続勝ち越しは11年ぶり。先発の伊藤将司投手(26)がプロ初完封。打線は2回に乱調の巨人高橋を攻略し一気に4点を奪った。7回には近本光司外野手(27)が二盗を決め、通算100盗塁を達成した。試合後の矢野燿大監督(53)の一問一答は以下の通り。(テレビ)-伊藤将が完封「すばらしかった。ゴロを打たせる、そういう投球が将司らしさだと思うんですけど、そういうことをやりながら。あと、今日は岩崎も使う予定はなかったんで、最後までいってくれて助かりました」-1軍復帰戦で完封「プロでは経験が浅いけど、いろんな経験を積んで、ここまできてる。いつも将司らしく投げてくれる」-打線はつながった「もうちょっとやっぱり点取りたいですし、一番は悠輔(大山)があそこ(2回)で1点で終わったら嫌なところだったんですけど、もう1本出てっていう流れが作れたんで大きかった。やっぱり近本が出てね、動くというのと相手にプレッシャーかけるのは良い形になるのでそういうところは良かったかなと」-近本が100盗塁「近本であれば当たり前かなというところでもあるし。でも、毎日こうやって出ていくってことは体の疲れであったり、ケアであったり自分の実力とか力がないとできないんでね。100はもちろん近本の中で通過点だと思いますけどチカの走りを楽しみにしてくれるファンや子どもたちもいてるんで、もっともっと走者で出て走る姿を見せてほしいので200、300といってほしい」-2試合連続でスタメンフル出場の長坂は「落ち着いて将司(伊藤)のリードもできてますし最後安打が1本も出たので。本当に守り切る、昨日は本当にしびれるような試合で今日も無四球完封というのを演出したのは拳弥(長坂)の力もあると思うのですばらしかった」-交流戦へ向けて「まだまだチームの状態上げていかないとだめだと思いますけど、何かのきっかけにこの交流戦がでるように。そういう形がまず(巨人戦)勝ち越しっていうのができたので。また火曜日、思い切って全員で戦っていきます」(ペン囲み)-伊藤将は走者を出してからの粘りがあった「もともとバンバン三振をとるっていうような投球をずっとやってきたわけじゃないと思うんだよね。大学や社会人にいっても、自分の投球っていうのはこういうものなんだって、自分でも分かった中で投球している投手だと思うんで。自分を知っていることがこういうことにつながっているんじゃないの」-貴重な左の伊藤将が交流戦前に帰って来てくれたのは大きい「もちろん、抜けてくれないのが一番良かったんだけど、こればっかりはどうしようもない部分があるんで。帰ってきてまず良いスタートを切って。中継ぎもさっき言ったようにスグルとかもちょっと登板が増えていたんで。今日は使えないな、休ませたいなと思っていたんで。そういうところでは最高の形で新たなスタートを切ってくれた。勝てたというのもそうだし、中身もすばらしかった。申し分ない」-長坂が2戦続けて大仕事を「まあ、見た目に大仕事ってことではないけど、拳弥もなかなかスタメンで出るっていうチャンスがない中で、それがどうつながっているかは分からないけど、俺も球場早く来るけどアイツたぶん一番早く、選手で(来ていて)。必死に何か変えたいとか、何かしたいっていうのがアイツの中でも変わってきているところがある中で今回、チャンスって最初はそんなに多くないんで。少ない中でどうつかんでいくかっていうところをこの2試合でアイツ自身がいい形でつかみとった2試合だと思うんでね。これをやっぱり1軍の試合でこれだけ勝つ試合でマスクをかぶれば、これだけ緊張もするけどこれだけ充実感があるんだとか。そういうのも味わえるポジションだと思うんで。ほんとに拳弥の働きっていうのは数字に大きく表れるようなことじゃないけど、貢献度は高いんじゃないかな」-近本は走者をかえす打撃も「もちろんもっともっと打ってもらわないと困るし。チカだって今年200本っていう高い目標を掲げた中でのスタートを、より高い目標を掲げてスタートをしてるんで、もっともっとランナーがいる時もいない時もどんな時でも打とうと思っていっているので。まあ、状態も上げてもらえれば」-マルテは休養。3番に大山が入った「まあまあ、1年間戦っていく上では、今日のスグルもマルテもそうやし、まあ、何かしらこちらがうまくどうやって回していくかというのもあるんで。こういう中で結果、勝てたっていうのはね。いい緊張感というか、誰か代わりに出て行く選手もいい緊張感があるし、勝っていけば、また出ていた選手もまた、よし頑張ろうという状態になるんで。いい形をつくってくれたかなと思います」

◆巨人が今季2度目の完封負けで交流戦前最終戦を落とした。最下位阪神を前に投打がかみ合わずに2連敗で負け越した。先発としては中6日、中継ぎ登板から中4日の高橋優貴投手(25)が1回2/3、3安打4失点で降板。巨人桑田投手チーフコーチ(高橋について)「最終的にはコントロールですよね。これで2軍落ちになるんですけど、また制球力を磨いてはい上がってきてほしい。彼には左のエースになれるように、すごく期待しているので」

◆阪神大山悠輔内野手(27)のしぶとさが効いた。マルテの休養に伴い、5番から今季初の3番に打順を上げた一戦。1点リードの2回2死満塁、三遊間を破る2点タイムリーで左腕高橋を降板させた。「1点でも多く点が取りたいという状況でしたし、前の打席はチャンスで凡退していたので、なんとしても走者をかえしたいという気持ちでした」。意地の一打だった。1回無死一、二塁では空振り三振。この回はクリーンアップが3者連続凡退で得点を奪えなかった。2回も1番近本の先制打が飛び出した直後、2番中野が1死満塁で空振り三振。1点のみで終わりたくない場面で、主砲が外寄りのチェンジアップを泥臭く引っ張った。矢野監督も「1点で終わったら嫌なところだったんですけど、あそこでもう1本出て流れを作れたことが大きかった」と納得顔。価値ある適時打となった。4月下旬に左足を痛めた影響もあり、打率は2割台前半。一方で直近5試合で7打点を稼ぎ、24打点は佐藤輝と並んでチーム最多の数字だ。状態を上げて、24日からの交流戦に突入。「自分の役割をしっかり全うできるように準備していくだけ。またチームが勝てるように頑張るだけです」。勝利に導く一打にこだわり続ける。【佐井陽介】

◆阪神近本光司外野手(27)が、走攻守で交流戦前最後のリーグ戦の連勝に導いた。2回1死満塁の第2打席、巨人の左腕高橋から中前適時打を放ち先制。これが決勝点となり、この回一気4得点を呼び込んだ。「久々に(伊藤)将司が投げるということで、なんとしても1点をという気持ちでした」。直前に四球でつないでくれた後輩へ、思いを込めてバットを振った。「自分の中では悪くなかった。(打球が)野手のいないところに飛んだりするので、今日もよかったです」。初回、7回の単打を含め今季4度目の猛打賞。20打席ぶりに安打を放ち、マルチ安打とした前日21日から勢いは続いた。「チカだって今年、200本っていうより高い目標を掲げてスタートをしてる。もっと打ってもらわないと困る」。復活を印象づけた分、矢野監督のハードルも高まった。7回の中堅守備ではポランコの前方への当たりをダイビングキャッチ。その裏に二盗を決めてリーグ最多タイの9盗塁とし、プロ4年目で球団14人目の通算100盗塁に到達した。36盗塁でタイトルを取った1年目と比較し「落ち着いて走れている」と実感する一方、"恐怖"があるからこその課題もあるという。「思い切りとか勇気は年々薄くなっている。1年目は怖さがないけど、逆に(怖さを)知っているからこそ、それでもプレーしていきたい」相手バッテリーに、自分に打ち勝った先に、さらなる成長があるはず。次の目標には「101です」と即答した。【中野椋】○...ロハスが2軍降格後初本塁打を放った。ウエスタン・リーグのオリックス戦に「3番左翼」で先発。7回1死一、三塁、右下手投げの中川颯の内角変化球を捉え、右翼席への3ランとした。5回にも適時二塁打を放っており、4打数2安打4打点。降格時に「状態は悪くない」と語っていた助っ人が、再昇格の準備を整えている。

◆阪神佐藤輝明内野手(23)がドラフト同期の伊藤将司投手(26)を援護した。2回に3点を奪い、なお2死一、三塁で一塁手中田を強襲する適時打。「いい流れで回ってきたので、積極的にいこうと思っていた。しっかりと自分のスイングができた」。昨季は伊藤将の先発試合では打率3割6分4厘、3本塁打、15打点と援護。今季も登板3試合中2試合で打点を挙げている。

◆桑田真澄投手チーフコーチ(54)が試合後、1回2/3を4失点でKOされた巨人高橋優貴投手(25)の2軍調整を明言した。「ずっとブルペンでもいいボールを投げていた。今日も試合前のブルペンは非常に良かったので、期待していたんですけど、やっぱり最終的にはコントロールですよね。四球3つが痛かった」と課題の制球力を指摘した。これからについて「これで2軍落ちになるんですけど、また制球力を磨いてはい上がってきてほしいですね。彼には、僕はすごく期待しているんでね。左のエースになれるようにね」と昨季チームトップの11勝を挙げた左腕の奮起を求めた。今後の活躍へ、ヒントも示した。投げ合った阪神の2年目左腕・伊藤将はプロ発完封を記録。「今日の相手の伊藤(将)君みたいに、スピードは優貴の方が速いボールを投げているので、投げ合って今日はすごく参考になったと思う」とライバル球団の同い年左腕に負けない活躍を期待した。高橋は2回に3四球で1死満塁として2本の適時打を浴び、2週連続2回途中4失点で降板。「早くマウンドを降りてしまいチームに申し訳ないです」と反省した。

◆セ・リーグ最下位の阪神が、2位巨人と対戦。先発の伊藤将司投手がプロ初完封で今季初勝利。近本光司外野手は7回に二盗を決め、通算100盗塁を達成。巨人高橋優貴投手は2回途中4失点KOで4敗目。

◆阪神伊藤将司投手(26)が、プロ初完封を無四死球で飾った。新型コロナ陽性による離脱から1カ月半ぶりの1軍登板。巨人に8安打を浴びながら、今季初勝利を挙げた。巨人戦でプロ初完封と無四死球を同時に達成したのは球団史上初。昨季2ケタ勝利を挙げた左腕が甲子園で鮮やかに戦列復帰した。チームは連勝で、11年ぶりに巨人に3カード続けて勝ち越し。24日からの交流戦に勢いをつけた。プロ初完封を決めた瞬間、伊藤将は表情を変えずにグラブをポンとたたいた。お立ち台では真っ先に「ただいま」とあいさつ。気持ちを聞かれ、前日21日の長坂に続き「しびれました」の決めぜりふで笑った。らしさが出たのは初めて先頭を出した4回。無死一塁から4番岡本和を134キロのツーシームで泳がせ、遊撃への併殺打に仕留めた。6回1死一塁では、3番吉川を変化球で併殺打。中軸に隙を与えなかった。「ゴロアウトが非常に多く取れたので、そこかなと思います。前回失敗しているので、2度は失敗できない。その中で達成することができてよかったです」新型コロナ陽性による離脱前最後の登板だった4月6日DeNA戦。1点リードの9回2死から同点とされ、完封を逃した。同じミスはしない。この試合の奪三振は2つも、ゴロアウトは14個を数えた。伝統の一戦でプロ初完封と無四死球を同時に記録したのは球団初。「OSAKA」の復刻ユニホームをまとい、快投でチームを連勝に導いた。矢野監督も「素晴らしかったですし、ゴロを打たせる投球が将司のらしさだと思う」と最敬礼だった。離脱中も「コントロール良く、打たせて取る」ため時間を無駄にしなかった伊藤将。ボールの感覚を忘れないよう、選手寮の自室の床に寝転んで、天井に向かってボールを投げ続けた。「小学生ぶりかな、ほんと久しぶりっすね。お風呂上がりとかによくやってましたよ。天井に当てて怒られる時もありましたけど(笑い)」。シンプルなことだが、実際に取り組むと難しい。「天井ギリギリを狙う、その感覚が大事なんです。意外と指に引っかかるし、投球のイメージもできやすいんです」。繊細な指先の感覚を、黙々と研ぎ澄ました。中6日で回るとみられる29日ロッテ戦(ZOZOマリン)には、千葉・横芝光町の実家から家族が観戦に訪れる予定。父正宏さん(52)は「地元で投げられるのは楽しみだね」と心待ち。左腕も「両親も見に来やすいと思いますし、すごく楽しみ。1カ月も休んじゃったのでその分チームに貢献したい」と力を込めた。次は地元で快投をみせる。【三宅ひとみ】▼今季の阪神投手の完封勝ちは、4月5日DeNA戦西勇、同22日ヤクルト戦の青柳に次いで3人目。▼阪神投手の巨人戦での完封勝利は、21年9月25日の高橋以来。無四球完封は、20年9月17日の西勇以来。生え抜き投手の無四球完封となると、13年4月9日の能見以来、9年ぶり。▼阪神伊藤将がプロ初完封を初の無四死球でマークした。巨人戦でプロ初完封と無四死球を同時に記録したのは、18年8月16日の原樹理(ヤクルト)以来。阪神の投手では球団史上初めてだ。▼阪神は17勝29敗1分け、勝率3割7分のセ・リーグ6位で交流戦を迎える。05年に交流戦が始まって以降、リーグ戦中断時にセの最下位だったのは初。勝率3割7分もこの時点では球団最低で、初の3割台。▼阪神はデーゲームで、5月8日中日戦(バンテリンドーム)から5連勝。通算でも9勝10敗とし、5割へあと1勝とした。また日曜日の試合でも、4月24日ヤクルト戦(神宮)から5連勝となった。▼阪神が巨人戦に3カード連続で勝ち越した。これは11年5月3~5日(東京ドーム)○●○、6月24~26日(甲子園)○○●、7月12~14日(甲子園)○○●以来、11年ぶり。前回この9試合で阪神は、ブラゼルが3本塁打。抑えの藤川が1勝4セーブと、投打の主役が持ち味を発揮した。

◆阪神伊藤将司投手(26)が、プロ初完封を無四死球で飾った。新型コロナ陽性による離脱から1カ月半ぶりの1軍登板。巨人に8安打を浴びながら、今季初勝利を挙げた。 巨人戦でプロ初完封と無四死球を同時に達成したのは球団史上初。昨季2ケタ勝利を挙げた左腕が甲子園で鮮やかに戦列復帰した。チームは連勝で、11年ぶりに巨人に3カード続けて勝ち越し。24日からの交流戦に勢いをつけた。伊藤将の恩師、国際武道大の岩井美樹監督(67)が教え子の快投を喜んだ。千葉県リーグの真っただ中で大学の試合後、スマホで逐一、速報を追った。「(新型コロナの影響で)スタートが遅くなってしまったけど、完封できるなんてね、びっくりしました。本当によかった」。伊藤将の象徴ともいえる右手のグラブを高く上げるフォームをずっと推奨し続けてきた。「個性があった方がいい。右腕をもっと上げてみたらと」。伊藤将はその言葉を大事にし続け、下半身のぶれないフォームを習得した。去年のシーズン中、岩井監督は「もっと空の雲をつかんで投げろ!」と言ったという。真に受けて「雲はつかめません...」と返すあたりに左腕の実直な性格がうかがえる。約1カ月半ぶりに戻ってきた1軍の舞台。甲子園でも、雲をつかむ勢いで天高くグラブを突き上げていた。【阪神担当 三宅ひとみ】

◆【日刊スポーツ西日本写真映像チームのとっておき映像プレイバック】22日、阪神伊藤将司が巨人に完封勝利しました。天をつかみそうなフォームで躍動。試合中の気迫の表情と、試合後の解放された笑顔のギャップが素敵です。

◆21日の11回戦で3安打をマークした阪神のジェフリー・マルテ内野手(30)が一夜明けて、ベンチスタートとなった。一塁には「3番」で大山悠輔内野手(27)が就き、捕手は2日連続で長坂拳弥捕手(28)が入った。試合前の井上一樹ヘッドコーチ(50)の一問一答は以下の通り。ーーマルテが練習に出なかった「オレ流でやらせた」ーー足のケアもある「ちょっと下半身を前やってるでしょ。それがちょっと、ん?っていう部分が出てきたと言うから、今日は休ませて」ーー室内では動いてる「やってると思う」ーー試合は「ゲームはとりあえず頭では使わず、ベンチには入れるよ、もちろん。ピンチヒッターとかはあるよということは言っている。幸いなのかどうか、明日試合もないし。今日ベンチに座らせて、明日休ませて、火曜日に一気にいく方向に持っていくためには、今日無理させることはないのかなと。例えば今日無理させて、はい、また痛めましたっていうことになってしまうと困るので。こちら側で考慮というか配慮はしたつもり」ーー昇格当初は打席に出来るだけ立たせることも考えていたと思うが、その段階は抜けたか「自分の中での感覚というのも今ヒトツかなというのは俺らも思うし、大丈夫って言うけど、あいつらの大丈夫は分からんから(笑)。どこまで本当やねんというところもあるから。その辺を見極めるのも俺らの仕事なので。動きが悪いとか走りが悪いとか、トレーナーの報告も聞きながらの判断ということで、今日はそういうことにしました」

◆阪神・ジェフリー・マルテ内野手(30)が10試合ぶりにスタメンを外れた。21日の同戦は今季初の猛打賞と結果を出したが、この日の試合前練習では別メニュー調整となった。試合前に取材に応じた井上ヘッドコーチは「ちょっと下半身を前やってるでしょ。それがちょっと、ん?っていう部分が出てきたと言うから、今日は休ませて」と説明した。今季は開幕直後に右足のコンディション不良によりチーム離脱を強いられ、10日に1軍に昇格していた。井上ヘッドは「ゲームはとりあえず頭では使わず、ベンチには入れるよ、もちろん。ピンチヒッターとかはあるよということは言っている」と話した。スタメンは外れたが、勝負所でM砲のバットに期待がかかる。

◆阪神・近本光司外野手(27)が二回に先制打を放った。巨人の先発は左腕・高橋。二回先頭の陽川、続く糸原が四球で無死一、二塁とすると、長坂が三犠打で1死二、三塁。投手・伊藤将が粘って7球目に四球をもぎとり、1死満塁で近本が打席に向かった。カウント1-2から4球目、147キロをはじき返すと打球は二遊間を抜ける先制の中前適時打。近本は一回先頭でも中前打を放っており、これで2試合連続マルチ安打とした。「打ったのはストレート。四球で繋いで作ってくれたチャンスでしたし、流れの中でも先制したい場面だったので、打つことができて良かったです」とコメント。 さらに2死満塁から2点打を放った大山は「打ったのはチェンジアップ。みんなが繋いでくれたチャンスで、(伊藤)将司のためにも1点でも多く点を取っておきたい状況だったので、しっかりランナーをかえすことができて良かったです」と放った。また2死一、三塁で一塁強襲内野安打で4点目をたたき出した佐藤輝は「打ったのはカットボール。打線が繋がって、いい流れで回ってきた場面だったので、積極的にいこうと思っていました。しっかりと自分のスイングができましたし、追加点を取ることができて良かったです」と話していた。

◆巨人・高橋優貴投手(25)が、二回途中4失点でKOされた。一回は走者を背負いながらも無失点。二回は3四球で1死満塁のピンチを招き、近本に中前適時打、2死から大山に左前2点打を許し、降板した。17日の広島戦(宇都宮)に中継ぎとして登板して以来、中4日での先発。15日の中日戦(東京ドーム)でも1回?6安打4失点でKOされた。昨季、チームトップの11勝を挙げた左腕は、またしても粘りきれなかった。

◆阪神・近本光司外野手(27)がプロ通算100盗塁を達成した。七回先頭の第4打席でこの日3本目のヒットとなる右前打を放つと、1死から大山の打席、5球目にスタートを切った。強肩の捕手・小林が投げられないほど完璧なスタートで楽々と二塁に到達。2試合連続となる今季9盗塁目で、ヤクルト・塩見と並んでチームトップに躍り出た。近本は2019年4月2日の巨人戦(東京ドーム)でプロ初盗塁をマーク。そこから盗塁を積み重ね、プロ4年目の449試合目となった一戦で大台の100盗塁に到達した。

◆阪神が連勝。先発した伊藤将司投手(26)が9回8安打無失点でプロ初の完封勝利を飾った。4月6日のDeNA戦(甲子園)以来の登板。持ち味の打たせてとる投球で巨人打線を翻弄する。四回無死一塁では岡本を遊ゴロ併殺、六回1死一塁では吉川尚を二ゴロ併殺に仕留めテンポよくスコアボードにゼロを並べた。九回は先頭のウォーカーを投ゴロも吉川尚に中前打、岡本に右前打とこの日初めて連打を許す。それでもポランコを中飛で2死一、三塁。最後は中田を中飛で27個目のアウトを奪った。前回登板では完封目前の九回2死から同点打を浴びた。新型コロナウイルス陽性判定から回復し、復帰戦となった一戦で前回のリベンジを果たした。打線は二回に近本が中前に先制打。大山、佐藤輝にもタイムリーが飛び出し、固め打ちで4点を奪った。近本は七回に今季9盗塁目を決め、プロ通算100盗塁をマーク。交流戦前最後の一戦を最高の形で締めた。

◆阪神・伊藤将司投手(26)が今季初勝利をプロ初完封で飾った。二回に近本光司外野手(27)、大山悠輔内野手(27)、佐藤輝明内野手(23)の3本の適時打で挙げた4点を8安打を許しながらも、無四球で守り抜いた。また近本はプロ通算100盗塁を記録した。矢野耀大監督(53)のテレビインタビューは以下の通り(チーム成績17勝29敗1分、観衆4万2352人)。ーー鮮やかな完封です「ホント、素晴らしかったですし、ゴロを打たすという投球が将司のらしさだと思うんで、しっかりやりながら、今日は岩崎を使う予定はなかったんで、最後まで行ってくれて助かりました」ーー久々の1軍マウンド「プロでの経験は浅いですけど、いろんな経験をしているので、ここまで来ている選手なんで、将司の能力だと思うんで、いつも将司らしく投げてくれるのは、やってくれています」ーー打線がつながった「う~ん、もう少し点取りたいですが、一番は悠輔が、あこで1点で終わったら嫌な所だったんですが、あこでもう一本出てという流れが出た作れたんで、あれが一番大きかった。あとは近本が塁に出てプレッシャーかけるというのがよかったと思う」ーー近本が100盗塁「近本であれば当たり前というのもあるし、毎日、こうやって出ていくというのは体の疲れとかケアがあって...。自分の実力がないとできないんで、100はもちろん近本の中で通過点だと思います。チカが走る姿を楽しみにしているファンや子供たちがいると思うんで、もっともっと200、300と行ってもらえたらと思います」ーー長坂は「落ち着いて、将司のリードもできていますし、ヒットも1本出たんでね。今日も無四球完封というのを演出したのは、拳弥の力もあると思います。素晴らしかったと思います」ーー交流戦です「まだまだチームの状態を上げていかないとダメだと思うんで、何かのきっかけに交流戦ができるように、火曜日、また思い切って全員で戦っていきます」

◆阪神・伊藤将司投手(26)が今季初勝利をプロ初完封で飾った。二回に近本光司外野手(27)、大山悠輔内野手(27)、佐藤輝明内野手(23)の適時打で挙げた4点を8安打を許しながらも、無四球で守り抜いた。長坂拳弥捕手(28)は2試合連続のスタメンマスクで、近本はプロ通算100盗塁を記録した。矢野耀大監督(53)の一問一答は以下の通り(チーム成績17勝29敗1分、観衆4万2352人)。ーー完封勝利です「素晴らしかったですし、ゴロを打たせる、そういう投球が将司のらしさだと思うんですけど、そういうことをやりながら。今日は岩崎も使う予定はなかったんで、そういうところでは最後までいってくれて助かりました」) ーー復帰戦で完封「プロでは経験浅いですけど、いろんな経験を積んでここまできてるんで、将司の能力だと思うんで。いつも将司らしく投げてくれるのはいつもやってくれてるかなと思いますーー打線はつながった「もうちょっとやっぱり点取りたいですし、一番は悠輔があそこで1点で終わったら嫌なところだったんですけど、あそこでもう1本出てっていう流れが作れたんで大きかったなというのと。やっぱり近本が出て相手にプレッシャーかけるのは良い形になるので、そういうところは良かったかなと」ーー近本の100盗塁「近本であれば当たり前かなというところでもあるし。でも毎日こうやって出て行くってことは体の疲れであったり、ケアであったり、自分の実力がないとできないんでね。100はもちろん近本の中で通過点だと思いますけど、チカの走りを楽しみにしてくれるファンや子どもたちもいてるんで、もっと出て走る姿を見せて欲しいので、200、300といって欲しい」ーー長坂は「落ち着いて将司のリードもできてますし、最後ヒット1本も出たので。本当に守り切る、昨日は本当にしびれるような試合で今日も無四球完封を演出したのは拳弥の力もあると思うので素晴らしかった。ーー交流戦へ「まだまだチームの状態上げていけないとダメだと思いますけど、何かのきっかけに、この交流戦がでるように。そういう形がまず(巨人戦で)勝ち越しっていうのができたので。また火曜日(24日)、思い切って全員で戦っていきます」 (ペン囲み)ーー伊藤将は走者を出してからの粘りがあった「元々、バンバン三振を取るピッチングを、ずっとやってきたわけじゃないと思うんだよね。大学や社会人に行っても、自分の投球はこういうものなんだって、自分でもわかった中で投球しているピッチャーだと思うんで。自分を知っているっていうか、それがこういうことにつながっているんじゃないの」ーー貴重な左の伊藤将が交流戦前に帰って来てくれたのは大きい「もちろん、抜けてくれないのが一番良かったんだけど、こればっかりはどうしようもない部分があるんで。帰ってきてまず良いスタートを切って、中継ぎもさっき言ったようにスグルとかもちょっと登板が増えていたんで。今日は使えないな、休ませたいなと思っていたんで。そういうところでは最高の形で新たなスタートを切ってくれた。勝てたというのもそうやし、中身も素晴らしかったと思う。申し分ないです」ーー長坂が2戦続けて先発で大仕事を「まあ、見た目に大仕事ってことではないけど、拳弥もなかなかスタメンで出るチャンスがない中で、それがどうつながっているかはわからないけど、俺も球場早く来るけどアイツ多分一番早く、選手で(来ていて)。必死に何か変えたいとか、何かしたいっていうのがアイツの中でも変わってきているところがある中で今回、チャンスって最初はそんなに多くないんで。少ない中でどうつかんでいくかっていうところを、この2試合でアイツ自身がいい形でつかみとったと思う。やっぱり1軍の試合でこれだけ勝つ試合でマスクをかぶれば、緊張もするけ、充実感があるんだとか。味わえるポジションだと思うんで。ほんとに拳弥の働きは数字に大きく表れるようなことじゃないけど、貢献度は高いんじゃないかな」ーー近本は走者をかえす働きも「もちろんもっともっと打ってもらわないと困るし。チカだって今年200本っていう高い目標を掲げた中でのスタートを、より高い目標を掲げてスタートをしてるんで、もっともっとランナーがいる時もいない時もどんな時でも打とうと思っていっているので。まあ、状態も上げてもらえれば」ーーマルテは休養。3番に大山が入った「まあまあ、1年間戦っていく上では、今日のスグルもマルテもそうやし、まあ、何かしらこちらがうまくどうやって回していくかというのもあるんで。こういう中で結果、勝てたのはね。いい緊張感というか、誰か代わりに出て行く選手もいい緊張感があるし、勝っていけば、また出ていた選手もまた、よし頑張ろうという状態になるんで。いい形をつくってくれたかなと思います」

◆現役時代は南海、阪神で活躍し、引退後は阪神で投手コーチやフロントでも尽力したサンケイスポーツ専属評論家の上田二朗氏(74)は完封勝利の伊藤将司投手(26)を絶賛しながらも、4点しか奪えなかった打線とベンチスタートで出番のなかったジェフリー・マルテ内野手(30)に苦言を呈した。伊藤将を思い切りホメなければいけない試合だが、三回以降全く追加点を奪えなかった打線の不甲斐なさ、寂しさのほうが上回っている。あと1点の追加点があれば、もっともっと楽な勝ち方になったはず。打線がこの状態では、浮上するのは難しいのではないかと不安になる。二回の4点も、ほぼプレゼントされたような得点。相手先発・高橋の乱調による下位打線への3四球がなかったら、試合自体もどうなっていたか分からない。阪神の個々の打者は、決して打撃内容が悪いとは思わない。ただ、それが単発なのだ。各打者が「線」になっていない。これでは投げている投手は怖さを感じない。右打者の元気のなさも気になる。左腕が先発なのに、投手の伊藤将を含めて左打者が6人並んだ。せっかく起用してもらった陽川の内容も悪い。さらに、この非常時に試合に出ないマルテは何をしているのか。「無理をさせない」という説明らしい。故障なら仕方ないとはいえ、チームとしては、上位と離されないためにも、今が踏ん張りどころ。スッキリしない部分がある。いろいろ不満や不安材料をしてきたが、こうして明るい気分で評論できるのは、すべて伊藤将のおかげだ。巨人打線の状態の悪さに助けられた点はあるが、打者のタイミングを外す持ち味の投球は健在だった。タイミングの狂わせ方を知っている投手、と言えるのではないか。危なげない投球で、伊藤将だから援護が二回の4点だけでも勝てた。相手の早打ちのおかげで球数も少なく、1人で投げ切ることができたことも大きい。2軍戦の登板を重ねることで、かなり状態を上げて1軍に戻ってきたのだろう。そういう意味では、いい準備をして登板できたのだろう。2桁勝利した昨シーズンの絶好調時と比べてもそん色ない投球。100%のデキと言ってもいい。踏ん張っている先発投手陣に、1試合を任せられる伊藤将が加わるのは大きい。この完封で救援陣も休めている。伊藤将サマサマの試合だった。だからこそ、あと1点を追加する打線の奮起、粘りを期待したい。

◆試合後、巨人・高橋優貴投手(25)の2軍再調整が決まった。高橋は先発し、二回に3四球を与え1死満塁のピンチを招き、近本に中前適時打、2死から大山に左前2点打を許し、降板。「早くマウンドを降りてしまいチームに申し訳ない」と肩を落とした。原辰徳監督(63)は、二回途中4失点でKOされた左腕について「(高橋)優貴は悪くない。優貴に投げてもらった私の責任」と語った。2軍での再調整を明言した桑田真澄投手チーフコーチ(54)は「試合前のブルペンは非常に良かったので期待していたんですけど四球3つが痛かった。(高橋に)すごく期待しているので、左のエースになれるようにね。(2軍で)また制球力を磨いて、はい上がってきてほしい」と再起を促した。

◆大事な交流戦を前に、リードオフマンがトンネルを駆け抜けた。阪神・近本のバットに快音が戻る。そして、走り続けてきた自慢の足で一つの〝節目〟を踏みしめた。「ほんとは去年に100(盗塁)いきたいと思っていた。それでできなかったので。でも、自分の中では遅いとか早いとかは感じてはないです」七回先頭の第4打席に右前打で出塁。1死とし大山の打席の5球目に足が動いた。強肩捕手の小林が送球できないほど、完璧なスタートで楽々と二塁に到達。球団では14人目、2019年4月2日の巨人戦(東京ドーム)でプロ初盗塁をマークしてから節目の100盗塁だった。17日のヤクルト戦(神宮)から19打席連続無安打と当たりが止まっていたが、21日に2安打をマークし、この日も一回に中前打、そして二回1死満塁では先制の中前適時打を放ち、今季4度目の猛打賞と完全復活だ。シーズン中は、関学大時代からパーソナルトレーナーとして支えてくれている植松弘樹さん(27)とのミーティングを欠かさない。打席での動きを言語化し、長いときでは2時間、語り合うこともある。いまでは打撃の中で意識した筋肉、骨の角度、神経まで言葉で説明することができるほど。誰より自分の体を理解しているからこそ、不振に陥っても、原因を究明し、すぐに修正することができた。あくなき野球への探究心は打撃だけにとどまらない。2019年から2年連続盗塁王となり、球界の韋駄天として名をはせても「ケアとトレーニングとか、走り方もそうですね。今年もいろいろ勉強して取り組んでいます。(次の目標は)101ですかね」と謙虚な姿勢。一歩一歩着実に、次の節目に向かって技術を磨き続けていくだけだ。今季の盗塁数は9個となり、ヤクルト・塩見と並んでリーグトップに躍り出た。2年ぶりの盗塁王のタイトルも十分射程圏内。24日開幕の交流戦を前に勢いを増す近本は、今季2度目のお立ち台で誓った。「また仕切り直して、交流戦を優勝できるように頑張っていきます!」パ・リーグの猛者相手でも心配はいらない。走り続けるリードオフマンが虎に必ず勝利をもたらす。(原田遼太郎)★ダイビングキャッチ 近本は守備でも躍動した。七回1死、ポランコの痛烈な打球が中堅を襲った。長打を警戒して定位置よりやや後方で守っていたが、全速力で前進してダイビングキャッチ。グラブにおさめた白球を離さなかった。「難しい打球だったんですけど、思い切って勝負することができた。将司(伊藤)を助けられることができてよかったです」。やはり、走攻守で頼りになる選手会長だ。

◆セ・リーグ2位の巨人は今季2度目の零封負けで2連敗。原辰徳監督(63)は、前回の先発登板に続き2回を持たずに降板した高橋優貴投手(25)に期待を裏切られ、肩を落とした。) 「まあ、(高橋)優貴は悪くないよ。やっぱり、優貴に投げてもらった私の責任よ。それで終わろう」二回、連続四球と犠打で1死二、三塁とされ、投手の伊藤将に痛恨の四球。そこから3本の適時打を浴び、1回?を3安打4失点でKO。救援登板から中4日で与えられた先発マウンドで自滅した昨季の11勝左腕は「早くマウンドを降りてしまい、チームに申し訳ないです」と猛省。試合後、2軍降格を告げられた。2番手以降の救援陣が無失点リレーで踏ん張る中、打線は阪神を1本上回る8安打を得点につなげられず。4万2352人が詰めかけた伝統の一戦に敗れ、指揮官は「これだけファンに集まってもらって。もう少しドキドキさせるゲームをしないといけませんね」と奮起を促し、24日のオリックス戦(東京ドーム)で始まる交流戦へ気持ちを切り替えた。(谷川直之)

◆阪神が快勝。二回の先制劇の締めくくりは佐藤輝だった。3点取ってなお2死一、三塁で、内角低めのカットボールを振り抜いた打球は一塁手を強襲。内野安打となり、三走・近本が4点目のホームを駆け抜けた。「打線がつながって、いい流れで回ってきた場面だったので、積極的にいこうと思っていました。自分のスイングができました」。長打は生まれなかったが、今季最長の5試合連続安打。好調を維持して、交流戦に向かう。

◆打順が変わっても、バットから得点を生み出すための心持ちは変わらない。阪神・大山が今季初の3番起用に応え、もう一押しほしいところで快音を響かせた。宿敵巨人を突き放す一打で主導権を力強く引き寄せた。「1点でも多く点が取りたい状況でしたし、前の打席にチャンスで凡退していたので、なんとしてもランナーをかえしたいという気持ちでした」試合後のコメントにもフォア・ザ・チームへの思いがにじんだ。1点先制してなお1死満塁から中野が空振り三振に倒れ、いや~なムードが...。そこから、背番号3が巨人先発・高橋の120キロ変化球を捉え、しぶとく三遊間を破る2点打を放った。「みんながつないでくれたチャンス。(伊藤)将司のためにも」。一回無死一、二塁ではバットが空を切った。すぐさまやってきた挽回の機会にきっちりやり返した。9試合連続で3番を務めたマルテが下半身のケアで〝休養日〟となった一戦で、大山を中心に打線は集中攻撃を仕掛け、伝統の一戦にカード勝ち越しに成功。大山の対巨人戦は打率・304、3本塁打、11打点で、セ・リーグ5球団の中でいずれもトップという好相性が頼もしい。矢野監督は「もうちょっとやっぱり点を取りたいですし」とさらなる打線の奮起に期待しつつ、「一番は悠輔(大山)が1点で終わったら嫌なところだったんですけど、もう1本出て流れが作れたんで大きかった」とたたえた。24日からは交流戦に突入する。セ・リーグ最下位に沈む虎にとっては、巨人戦2連勝を浮上のきっかけにつなげたい。大山は「相手チームどうこうというよりは、自分の役割をしっかり全うできるように準備していくだけ。またチームが勝てるように頑張るだけです」と静かに集中力を高めた。〝シン・3番〟がパ・リーグの好投手に立ち向かう。(新里公章)

◆おかえり! そして、おめでとう! 阪神は4-0で巨人に快勝し、2年目の伊藤将司投手(26)が9回8安打無四球の力投で今季初勝利をプロ初完封で飾った。4月6日の登板であと1球で完封を逃した後、新型コロナウイルス陽性判定を受けたが、復帰登板で見事な投球。24日開幕のセ・パ交流戦を前に頼もしい左腕が帰ってきた。近本からウイニングボールをもらうと、伊藤将は満面の笑みを浮かべた。新型コロナウイルス陽性判定を受け、46日ぶりの1軍復帰登板。巨人打線に8安打されながらも無四球で投げ抜き、今季初勝利をプロ初の完封勝利で飾った。「1カ月間、1軍でプレーできなかった悔しさもあったので、きょう甲子園で白星を取れたのでよかった」忘れもしない4月6日のDeNA戦(甲子園)では、1-0で迎えた九回2死から牧に同点打を浴びて完封を逃した。「次回はああいう(ピンチの)場面でしっかり抑えきれるように」と雪辱を誓った左腕に、さらに不幸が襲う。藤浪や江越とともに同12日のPCR検査でコロナの陽性判定。チームからの離脱を余儀なくされた。「テレビを見ながら、自分だったらこんな配球をするとかをイメージしている。西純も頑張っている。先発投手はみんな結果を出しているし、先発(の枠)を奪うつもりで投げます」-。鳴尾浜で固く決意していた。そこには新人だった昨季10勝を挙げたプライドはない。悔しさ、危機感...。2軍戦3試合に登板して計11回で2失点と準備を整え、1カ月半ぶりの1軍マウンドにすべての思いをぶつけた。二回、近本、大山、佐藤輝の適時打で4点の援護をもらうと、テンポのいい投球でアウトを奪っていく。四回と六回のピンチはいずれも併殺で切り抜けた。九回も1死から2安打されたが、ポランコ、中田を続けて中飛に打ち取り、今度はきっちり完封勝利にたどり着いた。「前回失敗しているので、二度は失敗できない。その中で(完封を)達成することができてよかったです」この日は抑えの岩崎を休養させる予定だっただけに、矢野監督も「中継ぎも(登板過多で)休ませたいなと思っていた。最高の形で新たなスタートを切ってくれた。中身も素晴らしかった。申し分ない」と大絶賛だ。交流戦前のラスト試合を快勝。巨人にカード勝ち越しを決め、24日からはパ・リーグ首位の楽天を甲子園に迎える。伊藤将の次回登板は29日のロッテ戦(ZOZOマリン)が有力だ。「両親も観に来やすいと思いますし、すごく楽しみ」。千葉県出身だけに、まさに凱旋試合となる。「1カ月も休んじゃったのでその分、チームに貢献したい」首位ヤクルトとは10・5ゲーム差と厳しい状況に変わりはないが、浮上の鍵を握る交流戦を前に、先発ローテに貴重な左腕が戻ってきた。(三木建次)★好リード・長坂〝しびれました〟取らないで 伊藤将の初完封を好リードで演出したのは、ノッテる男・長坂だった。2軍戦でバッテリーを組んでいたこともプラスに作用した。「ファームでも1軍でも(伊藤)将司のピッチングスタイルは変わらない。きょうも普通にできたかなと思います」。前日21日のヒーローインタビューで連呼した「しびれます」をお立ち台で伊藤将が受け継いだが、「取らないでほしいですね」とニヤリ。スタメン2試合目で八回には今季初安打も飛び出し、笑顔にも余裕が出てきた。

◆阪神・マルテはベンチ入りしたものの、出場機会はなかった。試合前の練習は屋外フリー打撃などを行わずに別メニュー調整しており、井上ヘッドは「ちょっと下半身(の故障)を前やってるでしょ。それがちょっと『ん?』っていう部分が出てきたと言うから、きょうは休ませた」と説明した。4月1日の巨人戦(東京ドーム)で右足の張りを訴え、2軍調整をへて、今月10日の1軍再昇格から9試合で3番を務めていた。

◆阪神を上回る8安打で0-4の完敗。巨人打線にはなにしろ、つながりがない。岡本和は別として、打順に応じた役目が、見えてこない。総じて、いつも通り、普通に打つだけなんだ。21日に苦言を呈したように、小技はきかず、工夫も感じられない。考えているように装える役者も、いない。だからつい言いたくなる。この打順でいいのか。1番に丸を置き、3番に吉川。逆にしたら?! 相手先発が左投手だから右打者を優先して使う? 実は左腕が苦手な右打者だっているぞ。ツッコミを入れたくなることが、多いよね。阪神は対照的に、近本と中野の1、2番らしい2人が切り込み役になり、クリーンアップの顔ぶれも決まっている。打順が固定され、それぞれの役割もわかっている。その分、最下位から浮上してくる可能性もある。逆に巨人の今後は...。24日からの交流戦では、パのチームに吹き飛ばされないよう、しっかりと芯の通った打線が組めるかな。(本紙専属評論家)

◆伊藤将司投手、まさに君らしい投球でのプロ初完封オメデトウ!! そして、アリガトウ!!8安打を許しながらも、要所を締めて相手にホームを踏ませない、玄人のマウンド。無四死球もたまらなくいい~。ヤクルトの石川、いや、元中日の山本昌タイプの曲芸投手になってくれー!!そして、阪神にこの伊藤将の存在はデカイのだ。先発が青柳、西勇、西純、ウィルカーソン、ガンケル、そして本日の伊藤将。毛利元就の『三本の矢』の倍となる『六本の矢』と、もう向かうところ敵なしー!! 残るは貧打の猛虎打線をどーするか? 本日も二回に巨人・高橋の自滅から4点を奪ったものの、その後はわずか3安打のみ...。例えば、七回先頭の近本がヒットで出塁した場面、ベンチは中野に普通に打たせて左飛で二塁へも進められず(結果的に近本が盗塁を決めたけど...。近本は通算100盗塁オメデトウ!!)。勝利への執念があるなら4点より5点! 伝統の一戦ということもあり、巨人V9監督の川上哲治氏の『石橋をたたいても渡らない』、あの勝つためのいやらしさを思い出したのだった...。さ、それを踏まえて何が起こるか分からない交流戦で虎旋風を吹かしたれー!!

◆〝3番不在〟の動きにも、トラ番はみんな楽観的でした。「マルテが外れてるやないか。何があった」前日3安打したマルテがスタメンから外れている。「3番・一塁」は大山。またけがでもしたのかと思って電話をしたのですが、そうではなく、故障の再発を未然に防ぐためでした。「試合前の練習中からグラウンドに姿がなかったので、すぐに井上ヘッド(コーチ)に聞きにいきました。『下半身を前やってるでしょ。それがちょっと、ん? ていう部分が出てきたと言うから』という説明でした。試合がない23日までの2日間を休んで『火曜日から一気にいくため』の積極的休養です」打者担当の原田遼太郎の報告です。サブキャップ新里公章も「いいんじゃないですか。これが、佐藤輝が外れる、近本が外れるだったら大変ですけど。マルテは、きのうは打ったけど、まだ打率2割(・206)です。無理をさせて交流戦前にまた痛めてもいけませんから」と冷静に受け止めていました。ビヤ樽編集委員三木建次は「大山の3番は、いい方に機能するんちゃうかな」とまで言います。理由はこうでした。「大山はどの打順に入っても、そこにチャンスが巡ってくる。大山が5番や6番で1死三塁とかで凡退したら、その後、下位打線に回っていく。ファンがガクッとなる。ムードが一気にしぼむ。そういうケースが多かった。3番・大山なら、チャンスで凡退しても次は4番の佐藤輝。雰囲気もファンの応援もしぼむことがない」ヘンな理屈だと思って聞いていました。しかし、試合が始まると、ビヤ樽が話していた通り、一回にいきなり無死一、二塁の好機が3番打者に巡ってきました。ここは大山、佐藤輝、糸井が凡退してしまいます。が、二回に近本の適時打で1点を先制し、なお2死満塁から大山が2点打。佐藤輝も続いて一挙4点。3番・大山の打順は見事に機能したのです。「ほらね、言うた通りでしょ」いや、言うた通りの流れではなかったけれど。まあ、快勝したからいいか。コロナ陽性での離脱後久々の先発だった伊藤将の投球も見事でした。5回で55球、6回66球、7回で77球...。八、九回は粘られて球数が増えましたが、「マダックス」(100球未満での完投勝利)をやってのけるかも...と期待させる、テンポのいい投球でした。「15日の2軍の調整登板(ソフトバンク戦、5回1失点)を鳴尾浜で取材しました。変化球を低めに集めて、8つのアウトが内野ゴロでした。『あとはストレートの高さの修正だけ』と話していたので、期待できます」原田の試合前の話はそのまま的中しました。「先発陣は全員右腕でしたから、左の伊藤将が戻ってさらに強力になると思います」パ・リーグ6球団と計18試合を戦う24日からの交流戦に向けて、サブキャップ新里も手応えを感じています。「巨人に連勝して対戦成績を7勝5敗にした。負けるのと、連勝で交流戦に向かうのでは全然違う。きょうの勝ちは大きい」。ビヤ樽もそう付け加えてきました。もしかして阪神、ジワジワと強くなってきているのかも。トラ番も、現場でそれを肌で感じているから楽観的だったのかもしれません。

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<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ヤクルト
26171 0.605
(↑0.01)
-
(-)
99166
(+5)
144
(+3)
40
(-)
26
(+1)
0.231
(↑0.001)
2.830
(-)
2
(-)
巨人
28210 0.571
(↓0.012)
1
(↓1)
94189
(-)
194
(+4)
50
(-)
17
(-)
0.246
(-)
3.390
(-)
3
(-)
広島
25192 0.568
(↑0.01)
1.5
(-)
97202
(+1)
144
(-)
24
(+1)
8
(-)
0.261
(↓0.003)
2.930
(↑0.06)
4
(-)
中日
20240 0.455
(↓0.01)
6.5
(↓1)
99143
(-)
167
(+1)
28
(-)
15
(-)
0.246
(↓0.002)
3.690
(↑0.05)
5
(-)
DeNA
17230 0.425
(↓0.011)
7.5
(↓1)
103139
(+3)
187
(+5)
28
(-)
14
(-)
0.248
(↑0.002)
4.260
(↓0.02)
6
(-)
阪神
17291 0.370
(↑0.014)
10.5
(-)
96144
(+4)
147
(-)
35
(-)
29
(+1)
0.224
(↑0.001
2.920
(↑0.06)