阪神(☆2対1★)巨人 =リーグ戦11回戦(2022.05.21)・阪神甲子園球場=
このエントリーをはてなブックマークに追加

 123456789
巨人
0000000011610
阪神
11000000X2700
勝利投手:ウィルカーソン(3勝2敗0S)
(セーブ:岩崎 優(1勝1敗6S))
敗戦投手:シューメーカー(1勝3敗0S)
  DAZN
チケットぴあ 阪神戦チケット予約 巨人戦チケット予約

DAZN

◆阪神が接戦を制した。阪神は初回、マルテの適時打で1点を先制する。続く2回裏には長坂のスクイズで1点を挙げ、リードを広げた。投げては、先発・ウィルカーソンが7回3安打無失点の好投で今季3勝目。敗れた巨人は、9回にウォーカーの適時打で1点差とするも及ばなかった。

◆阪神アーロン・ウィルカーソン投手(32)が来日初の中5日の登板間隔で、21日巨人戦に先発する。米国では中4日が主流で「似たような形。自分のいつも通りのルーティンでできますし、体も投球の状態もとてもいい」。相手先発のシューメーカーとは今季3度目の投げ合いとなり「野球の中でよくあること。お互いにいい投球をして、早い試合展開になるかなと思います」。また新型コロナに感染していた伊藤将はこの日1軍に合流、22日の同戦に先発する見込みだ。

◆巨人マット・シューメーカー投手が先発する21日阪神戦(甲子園)でリベンジを果たす。4月16日の同戦では6回2失点(自責1)で来日初黒星を喫した。それ以来の聖地のマウンドで4試合ぶりの自身2勝目へ「長いイニングを投げて、チームの勝利につながるピッチングができるように頑張ります」と意気込んだ。

◆巨人原辰徳監督(63)は監督通算1180勝902敗86分け、勝率5割6分7厘。監督の通算勝利数上位を見ると、最多は鶴岡監督の1773勝で、10位は星野監督の1181勝。今日原監督が白星を挙げれば、星野監督に並んで10傑入りを果たす。

◆阪神片山雄哉捕手(27)が21日、甲子園で行われている1軍試合前練習に合流した。そのまま出場選手登録される見込み。片山はBCリーグの福井から18年育成ドラフト1位で阪神に入団。チームでは唯一の左打ち捕手で、打力を買われ19年7月に支配下登録された。今季、ウエスタン・リーグ28試合に出場し、打率2割9厘。20日のオリックス戦では2打数1安打だった。チーム事情により本職の捕手だけでなく一塁、三塁でのスタメンも経験している。ベンチでは声で盛り上げ、ムードメーカーとしての役割も担ってきた。1軍昇格となれば、プロ4年目で初となる。板山祐太郎外野手(28)がグラウンドに姿を見せておらず、代わって出場選手登録を抹消される見込み。

◆阪神が4試合ぶりに投手を「9番」に戻した。18日ヤクルト戦(神宮)から「8番投手」を続け、同日に西純が本塁打。19日の同戦ではガンケルが左前打、20日の巨人戦(甲子園)で青柳が左前打を放っていた。3試合連続で「8番投手」が安打を決めていたが、この日の先発アーロン・ウィルカーソン投手(32)は9番で起用された。「8番」には長坂拳弥捕手(28)が起用された。長坂の1軍スタメンは18年6月17日楽天戦(楽天生命)以来、1434日ぶり。前日20日には7回表の守備から途中出場し、8投手をリードした。また、片山雄哉捕手(27)が、プロ4年目で初の1軍昇格を果たし、ベンチ入りした。阪神は開幕こそ梅野、坂本、長坂の捕手3人制でスタートしたが、4月9日に長坂が2軍降格して以降は捕手登録2人制を続けていた。4月26日に1軍昇格した原口は今季から捕手登録を外れており、久々の捕手3人制が敷かれた。

◆阪神の得点の鍵を握る1、3番が久しぶりに機能した。初回先頭で近本光司外野手(27)が、自身20打席ぶりの安打となる中前打で出塁。前日20日の巨人戦は4打数無安打、2度のチャンスで凡退に終わっていたが、この日は第1打席で19打席連続無安打のトンネルを抜けた。近本はその後、今季7個目の盗塁を決め、二塁に進塁。1死二塁とし、ジェフリー・マルテ内野手(30)の中前適時打先制のホームを踏んだ。マルテは今季初となるタイムリー。14日DeNA戦で犠飛、18日ヤクルト戦ではソロ本塁打で打点を挙げていたが、単打による打点は今季初めてだった。

◆阪神長坂拳弥捕手(28)が、前夜の悔しさを晴らすセーフティースクイズで2点目を呼び込んだ。18年6月17日楽天戦(楽天生命)以来、約4年ぶりに「8番捕手」でスタメン出場。1点リードの2回無死一、三塁で迎えた第1打席の初球、巨人シューメーカーの141キロをきっちりと一塁前にバントし、これが野選となり三塁走者糸井が生還した。球団広報を通じ「昨日の試合では悔しい打席が続いてしまったので、今日はチャンスの場面で何とかしたいという思いでした。しっかり一発で決めることができてよかったです。まだゲームは序盤なので引き続き気を引き締めて頑張ります」とコメントした。長坂は試合前までプロ通算3打点。これは2本の本塁打で挙げたもので、本塁打以外での打点はプロ6年目で初となった。前日20日の巨人戦では7回表の守備から出場。サヨナラ機を含む2度の得点圏で空振り三振を喫していたが、小技でリベンジに成功した。

◆巨人マット・シューメーカー投手(35)が5回5安打2失点、101球の投球も打線の援護なく、来日2勝目はお預けとなった。1回、先頭近本に中前打を浴びると、二盗を許し1死二塁。マルテに中前適時打を浴びて先制を許した。2回にも先頭の糸井に右中間へ二塁打を打たれると、一塁手中島の失策で無死一、三塁。続く長坂にセーフティースクイズを決められて2点を献上した。尻上がりに状態を上げ、4、5回は3者凡退に抑えるも、5回で球数が100球を超え、6回の攻撃で代打岡田が送られてベンチに退いた。完封で来日初白星を挙げた4月23日の中日戦(バンテリンドーム)から4試合白星から遠ざかる助っ人右腕は「最近の登板の中では調子は悪くなかった。長いイニングを投げたかったけれど、ボールが先行して球数が多くなってしまったよ。もっとストライク先行で投げていければ良かった」と振り返った。

◆阪神は疲労困憊(こんぱい)の敗戦から一夜明けたデーゲームで、3連敗を阻止した。先発アーロン・ウィルカーソン投手(32)が快投を披露し、借金を13に減らした。前日20日巨人戦はナイターで5時間3分の激闘を演じた末、延長12回表に4失点して痛恨の敗戦を喫していた。どこか重苦しいムードを吹き飛ばしたのが、初回の先制劇だった。1番近本光司外野手(27)が中前打で出塁し、二盗に成功。1死二塁から3番ジェフリー・マルテ内野手(30)が中前適時打を決め、試合の主導権を握った。2回は先頭の6番糸井嘉男外野手(40)が右越え二塁打。相手失策が絡んで無死一、三塁とすると、約4年ぶりのスタメンマスクをかぶった8番長坂拳弥捕手(28)が一塁にセフティースクイズを成功させた(記録は犠打野選)。先発マウンドに上がったウィルカーソンは7回3安打1四球無失点で今季3勝目。二塁を踏ませない安定感で自身2連勝を飾った。2点リードの9回は守護神の岩崎優投手(30)が先頭打者から3連打で1失点。それでも最後は2死満塁で代打北村を遊ゴロに仕留め、今季6セーブ目を記録した。

◆阪神が逃げ切った。ウィルカーソンが7回を3安打無得点に抑えて3勝目。1回にマルテが先制打を放ち、2回は長坂がスクイズで加点した。巨人は連勝が4で止まり、2位に後退。9回に1点返してなお無死一、二塁を生かせなかった。

◆"超ユーティリティープレーヤー"の巨人増田大輝内野手(28)が、外野手用グラブで一塁守備についた。8回、四球で出塁した先頭中島に代わって代走で出場。ヘッドスライディングで二盗を試みるも、リクエストの末、失敗に終わっていた。その裏の守備でそのまま「6番一塁」として、赤と黒の外野手用グラブで一塁守備につき、無死一塁から佐藤輝のゴロを軽快に処理した。20年には甲子園で投手としての出場も経験している増田大。昨年3月に一塁で初出場もしており、捕手以外の全8ポジションで1軍出場を果たしている。

◆阪神が5時間超えの死闘から一夜明けたデーゲームで、接戦の末、巨人を下し、連敗を「2」でストップさせた。先発アーロン・ウィルカーソン投手(32)が7回無失点と好投し、3勝目を手にした。「3番一塁」で出場したジェフリー・マルテ内野手(30)は、初回1死二塁で先制の中前適時打を記録するなど、今季初の猛打賞と奮闘。4年ぶりに先発マスクをかぶった長坂拳弥捕手(28)は、3投手をフル出場で好リード。打撃では2回無死一、三塁から一塁への絶妙なセーフティースクイズを決め、貴重な追加点奪取に貢献した。巨人との共同プロジェクト「伝統の一戦~THE CLASSIC SERIES」で両チームが1リーグ初年度の1936年(昭11)当時の復刻ユニホームを着用した試合。「大阪タイガース」のユニホーム5試合目にして、待望の1勝目をもぎ取った。3選手のヒーローインタビューは以下の通り。【ウィルカーソン】-7回無失点で今季3勝目「アリガトウ」-どんな気持ちで見守っていたか「緩急を使いながらよく制球して、いいピッチングをすることができました。最後は野球のおもしろいところというか、最後の1球が終わった時に、みんなが興奮する試合でした」-3勝のうち2勝が巨人戦。巨人キラーと呼ばせていただいてもいいか?「ハハハッ、シュア-。OK(笑い)」-甲子園で巨人に勝つのは特別の意味がある。感じたことは「本拠地2度目の登板になりました。どちらとも巨人戦で、いい投球をすることができてよかったです。ただ自分だけではなくて、後ろで守っている守備の人たち、点を取ってくれた攻撃陣、そして中継ぎ陣、チームスポーツ、チームで勝つことができた1勝だと思うので、本当に勝つことが出来てうれしいです」-前回は「アイシテル」と。最近覚えてた日本語があれば披露してください「タイガースファンズ、スキヤネン」【マルテ】-初回、センターへの先制打を振り返って「いい仕事ができるように準備はしてましたし、その結果いい打席となって、チームが勝ててよかったです」-今季本拠地では初打点。大勢のファンを目の前にしてどんな気持ちか「準備ができたのもみなさんが応援してくれたおかげだと思っているので、1点を取りたいと思っていた場面だったので、取れてよかったです」-今季初の3安打「いつも準備はできていますけど、引き続きしっかり準備していきたい。今日はバッテリーがすごくいい仕事をしてくれたので、それが勝ちにつながったのかなと思います」【長坂】-ヒーローインタビューの経験は「初めてです」-この舞台からの景色は「すっごい気持ちいいです」-4年ぶりの先発マスクだった。どんな思いだったか「僕にできることを必死にやって、何とか爪痕を残そうと、その気持ちだけでやりました」-2回は初球でセーフティースクイズを決めた「本当はヒットを打ってランナーをかえしたかったんですけど、たぶんあんまり打てると思われてないので、スクイズも1点は1点なので、僕の仕事ができたかなと思います」-試合の後半しびれる展開だった。どんな気持ちだったか「めちゃめちゃしびれました」-しびれる中で昨日に続いて今日も盗塁を刺した「めちゃめちゃしびれました」-明日も甲子園のチケットは前売り完売。これを聞いて「めちゃめちゃしびれてます」-明日の巨人戦に向けて気合のひと言を「めちゃめちゃしびれていきます!」

◆巨人が土壇場の反撃も及ばずに惜敗した。阪神に序盤2点を先制され、8回まで散発3安打無得点と打線が沈黙。9回に代打増田陸、丸、ウォーカーの3連打で1点を返した。なお、無死一、二塁で吉川が3バント失敗。1死一、二塁で岡本和が二ゴロの後、代打中田が四球で2死満塁も、最後は代打北村が、遊ゴロで万事休す。連勝が4で止まり、首位を明け渡した。先発投手が不安定な立ち上がりを露呈し、打線の仕掛けがやや遅い。原監督は「そうですね、その辺でしょうね」としつつも「(投手陣は)よく2点で抑えたなというところでね。(打線が)もう少しやっぱり仕掛けが早くないとでしょうね」と指摘。監督通算1180勝で足踏みし、星野仙一氏に並ぶ、歴代10位の勝利は次戦以降に持ち越された。巨人桑田投手チーフコーチ(5回2失点で3敗目を喫したシューメーカーに)「よく5回まで粘って投げてくれました。今は(状態が)底の部分なので、今日の粘りで上がってくるかなと思います」

◆巨人が土壇場の反撃も及ばずに惜敗した。投手陣は先発シューメーカーが5回5安打2失点、101球の投球も打線の援護なく、3敗目を喫した。2番手鍬原は、右足の膝付近に投直が直撃した18日広島戦(東京ドーム)以来、3試合ぶりに登板。2回1安打無失点と好リリーフで試合を引き締めた。前夜の9回2死一塁、2ストライクから同点2ランを浴びた3番手デラロサも1回1安打無失点。安定感のある好投で9回の攻撃陣に後を託した。?桑田真澄投手チーフコーチ(54)の一問一答は以下の通り。-シューメーカーの投球についてよく5回まで粘って投げてくれましたよね。やっぱりシーズン通して波があるので、今ちょっと底の部分なので、今日の粘りで少し上がってくるかなと思っています。-1回は自らマウンドへ一息入れようと言うことと、低めにボールを集めて。内野手がみんな守ってくれているから、ゲッツー取ろうねと言って別れて、うまくゲッツー取れたので良かったと思います。初回に失点してしまうと流れがずっと向こうに行ってしまうのでね。何とかそこで大量得点にならずに踏みとどまってほしいなという思いから、行くべきだなと。-初回の入り方は今後の課題の1つかやっぱり良いピッチングをしながら勝てないという試合が続いているのでね。大事に大事に行こうという気持ちが毎試合強くなってきているのでね。やっぱり先発って立ち上がりが非常に難しいんですよね。丁寧に行き過ぎてもダメだし、大胆に行き過ぎてもダメなので、そこのバランスですよね。そこを何か(改善を)。まあ、調子自体もちょっと落ちてきたので、これからちょっとずつ上がってくると思います。いつも大胆さと丁寧さが大事だという話をしているので、そのバランスをうまく取ってね、良い立ち上がりで試合に入っていきながらゲームを作っていってもらいたいなと思います。-来週も先発するかそうですね、予定通りに行くつもりでいます。-明日は高橋が先発、ブルペンデーというわけではない?通常の先発ですよ。まあ当然、交流戦前最後の試合になるので。今日は粘って粘って、投手陣が継投して、みんな良いリレーをしてくれたんですけど1点足らずというね。明日はみんなで野手と投手が一体になって勝利を目指していきたいと思います。

◆阪神は疲労困憊(こんぱい)の敗戦から一夜明けたデーゲームで、3連敗を阻止した。先発アーロン・ウィルカーソン投手(32)が7回3安打無失点の快投で今季3勝目をあげた。打線は1回に3番ジェフリー・マルテ内野手(30)の中前適時打で先制。2回は約4年ぶりにスタメンマスクをかぶった8番長坂拳弥捕手(28)がセフティースクイズを成功させた。前日20日巨人戦はナイターで5時間3分の激闘を演じた末、延長12回表に4失点して痛恨の敗戦を喫していた。どこか漂っていた重苦しいムードを、競り勝ちで吹き飛ばした。◆矢野燿大監督一問一答-9回はなんとか1点差の2死満塁をよくしのいで逃げ切った矢野監督 「いや、もうしびれましたけどね。もう優(岩崎)を信じて。頑張ってくれっていう応援だけでしたけど。よく投げてくれました」-ウィルカーソンは7回3安打無失点矢野監督 「初登板の時もすごく良くて、その後は普通なのかなという感じでしたけど。今日は本当に初登板ぐらいの球のキレ、勢い、コントロールがあった。本当にリズムを作ってくれました」-どこが1番良かったか矢野監督 「変化球、チェンジアップが1番武器になる球種なんですけど。やっぱり真っすぐがいつもよりキレがあって多く使えたことで、変化球が生きたと思います」-中5日での起用に応えた矢野監督 「元々、中6日をあまりやっていない投手なんで。中5日の方がもしかしたらいいのかも知れないですけど。中5日でもよく投げてくれたというのはこれからにも生きるかなと思います」-打撃陣ではマルテがチャンスで1本矢野監督 「まだまだ本来の状態ではないと思いますけど。そういう1本から本当にマルテらしさ...つなぐであったり決めるであったり、そういう打撃をこれからもしていってもらいたいです」-マルテは3安打矢野監督 「打率もやっと2割ぐらいですかね(2割0分6厘)。まだまだ物足りないですけどね。走者をかえすという、1番本人も目指しているところをこれからもやってくれると思います」-スタメンマスクの長坂はセーフティースクイズを決めた矢野監督 「簡単なプレーではないんですけど、本当にしっかり初球で決めてくれました。盗塁もよく刺しましたし、こういう緊張感の中で9回守り切ったというのは、拳弥(長坂)もすごく自信になると思います」-近本が20打席ぶりの安打など2安打2盗塁矢野監督 「やっぱりうちの野球は近本にかかる比重というか、ポイントになる選手なんでね。チカが出るというのはこれからも大きくなっていると思う。どんどん出て走ってもらいたいです」-明日は伊藤将が先発矢野監督 「今日も全員で何とか取れたので、まず将司がしっかり投球してくれるというのが1番チームの大事な部分になりますけど、その中でも1点ずつしっかり取っていけるようにやっていきます」-明日も前売りチケットは完売。ファンに向けて矢野監督 「本当にこのようなチーム状況の中でも12球団で1番、タイガースファンの皆さんが球場に来てくれているというのは、僕たちも本当に感謝しています。そういう気持ちに応えたい、何とかいい試合を見せたい、そういう気持ちで明日もいきたいと思います。どうか明日からもよろしくお願いします」-長坂をスタメン起用した意図は矢野監督 「どこかでスタメンで使うチャンスというのはね。もともとファームに落ちた時も、何かが悪いというより、現状なかなか使うタイミングがなかったということなので。最初は途中(出場)からになるけど、どこかでスタメンで使いたいなというのはちょっとあった。昨日試合に出て落ち着いていた。緊張はしているんだけど、周りに変に感じさせないというか。俺も見た感じ、長坂は落ち着いてやっているなと感じたんで。そういうところで、今日は拳弥でいいんじゃないかってね」-長坂は昨日の悔しさを感じながらのプレー矢野監督 「それはメディアの方はそう思っているだけで、そんな余裕は多分ないと思う。今はもう目の前の試合に出られて、初めてスタメンで出るとなると、そんな余裕はないんじゃないかな。今はそれでいい。目の前のことを全力でやりながら、その中でいいタイミングでマウンドの投手のところに行けたり、盗塁をアウトにしたり、ワンバウンドを必死に止めたり。そういうのが広がっていった中で、責任がちゃんと出てきた時には、そういうことを考えていくことになるけど。今は自分のやれることを1つ1つどうやっていくかでいいと思う」-9回のピンチを切り抜けたことも長坂にとって大きい矢野監督 「やっぱり9回を守り切るというのは捕手の成長には必要なところなんで。最後の1個のアウトがどれだけ大事か。その中でワンバウンドを止めないと、とかいろんな不安というか、怖いこともよぎるけど。そういうところを最後まで乗り切ったというのは大きいと思う。あいつにとっても大きな1勝になるんじゃないかな」-監督は以前、ウィルカーソンについて「捕手がリードしたくなる投手」と話していた。今日は捕手が代わったが矢野監督 「そうやね。左打者の外のスライダーとか、そういうのをいつもより使っていたのかなという感じに見えた。組んでる捕手でちょっとリズムが崩れたり、落ち着きがなかったり、合ってないなとなるケースはあるんだけど。今日も首を振るところはあったけど、ウィルカーソンが気持ちよさそうに投げられているというのは、見て分かった。良かったと思います」-いろんな球種でストライクを取れる、幅の広い投球だった矢野監督 「そうやね。すべてのボールが決め球になるというね。そういう意味ではウィルカーソンをリードする上では、捕手は面白みがあると思う。真っすぐというのは、基本は押しておかないといけない。押すところがないと引けない。そういうところでは今日はしっかり押すボールに強さがしっかりあったことが1番大きいかなと思います」-糸井がセーフティースクイズで三塁から好走塁矢野監督 「右翼線のプレー(守備)もそうやし、嘉男(糸井)も全力で走るということをやってくれている。ああいうケースも簡単そうに見えるけど、それほど簡単なものではないんで。しっかり走ってくれたというのは大きいかなと思います」-大阪タイガースのユニホームで初勝利矢野監督 「伝統というのは、いろんな先輩方がいて、球団が長い間チームを持って、タイガースファンの皆さんといろいろ関わってできてくる。このユニホームを見て何か感じられる方もいられるでしょうし、その中で、このユニホームで勝てないより勝った方が気分もいい。いろんな方に僕らの気づかないところでも楽しみというか喜びというか、そういうものをこういう伝統のユニホームを着て戦う上ではあるんじゃないかなと思います」

◆阪神長坂拳弥捕手(28)が、ヒーローインタビューで叫んだ「シビれました」のグッズ化を熱望した。セーフティースクイズ&好リードで勝利の立役者となり、プロ6年目で初のお立ち台。インタビュアーの質問に3回連続で「シビれました!」と回答した。突如誕生した"名言"に、報道陣から「タオルになったりしてほしいか」と問われると「作ってほしいですね。お願いしておきます(笑い)」とちゃめっ気たっぷりに回答した。阪神では昨年、岩崎の明言「0点で抑えることができてよかったです」タオルが発売されており、長坂タオルもひょっとして?

◆新Gキラー襲名だ! 阪神新外国人のアーロン・ウィルカーソン投手(32)が、来日最長の7回を3安打0封し、3勝目を挙げた。うち2勝が巨人戦。「巨人キラーと呼んでもよろしいですか?」。お立ち台でインタビュアーから聞かれると、米国俳優のキアヌ・リーブス似と評判の男前は「ハハハッ、OK!」と笑顔で返した。抜群の制球力を存分に発揮し、二塁すら踏ませなかった。最速147キロの直球にチェンジアップ、カーブを織り交ぜ緩急自在。7回に初めて先頭打者の出塁を許したが、4番の岡本和を低めのスライダーで二ゴロ併殺打に料理した。リードは2点で十分と言わんばかりの安定感。満員のファンを沸かせ続けた。新コンビもハマった。4年ぶりに1軍戦の先発マスクをかぶった長坂とは、2軍戦も含め初のバッテリーだった。「今日は長坂さんの配球がすべてだった」。試合中も密にコミュニケーションを取りながらゲームを進め、「彼の仕事が本当に僕のためにもなりましたし、彼の力は大きかった」と感謝は尽きなかった。異国の地で真価を発揮している。メジャー通算1勝の右腕が、同46勝を誇るシューメーカーと3度目の投げ合いで、無傷の2勝だ。休日には家族と神社を訪れ、リュックに数種類のお守りをつけるなど、「日本の文化が本当に素晴らしい」と異文化にも積極的に触れ合う。最近覚えた日本語は「オツカレ」。お立ち台の最後は「タイガースファンズ、スキヤネン!」で締めくくった。【古財稜明】▽阪神矢野監督(ウィルカーソンについて)「今日は真っすぐで押すボール、強さがしっかりあった。すべてのボールが決め球になる。(捕手は)リードする上で面白みがあると思う」○...4月中旬の新型コロナ感染から復活した阪神伊藤将が、22日の巨人戦で約1カ月半ぶりに1軍戦で先発する。甲子園でダッシュなどで登板に備えた左腕は、「長かったですね。早く1軍で投げたいとずっと思っていた」と気合十分。復帰後2軍戦は3試合11イニングで2失点の安定感を誇り、満を持しての昇格だ。「低めに投げることを心がけてきた。明日も変化球が低めに決まれば」。交流戦前のラストゲームで、チームの2連勝締めを目指す。○...阪神湯浅が1回無失点でリーグ単独2位の12ホールドを挙げた。2点リードの8回に2番手で登板。先頭中島に四球を与えたが、大城を中飛に斬り、中山の打席で長坂が代走増田大の盗塁を阻止。最後は中山を外角低めのフォークで空振り三振に仕留め、結果的に3人で片付けた。12試合連続無失点で防御率は0・98とついに1点台を切った。「しっかりこのパフォーマンスを継続して、チームの力になれるように頑張っていきたい」と力を込めた。○...阪神守護神岩崎がヒヤヒヤの6セーブ目を挙げた。2点リードの9回に登板し、いきなり3連打を浴びて1点差に。2死二、三塁から代打中田を歩かせ満塁の大ピンチを背負ったが、代打北村を遊ゴロに斬った。開幕から13試合無四球が一転、今季初黒星を喫した17日のヤクルト戦から3試合連続で四球を与えるなど状態は下降気味。矢野監督は「もう優(岩崎)を信じて。頑張ってくれっていう、応援だけでした。よく投げてくれた」とたたえた。

◆「大阪タイガース」が、巨人に62年ぶりの勝利を収めた。前回の甲子園での勝利は60年8月24日。初回、吉田義男の安打を足掛かりに、三宅秀史の三塁打で先制。6回には並木輝男のソロ本塁打が出るなど効果的に得点を重ねた。投げては小山正明が完投し、5-1と快勝していた。なお、このチーム名での最終戦は同年10月6日国鉄(現ヤクルト)戦。6-1と有終の美を飾っていた。◆大阪タイガースと名乗った期間 球団初年度の36年~40年9月24日、47年~60年。球団初戦は36年4月29日、甲子園での金鯱(消滅)戦。藤村富美男が完封し、3-0の快勝発進だった。1リーグ時代の37年秋、38年春には球団唯一の「連覇」も達成した。47年にも優勝と、プロ野球創生期の強豪として君臨した。◆六甲おろしも変更 現在もファンに歌い継がれる球団歌も、当初は「オウオウオウオウ~大阪タイガーズ」と歌っていた。60年限りの球団改称に際し、歌詞も変更。作詞者の故・佐藤惣之助氏の遺族、作曲者の古関裕而氏本人の了承を得て「大阪」を「阪神」に改めた。

◆長坂にシビれました! 阪神長坂拳弥捕手(28)が、前夜の悔しさを晴らすセーフティースクイズ&好リード&鬼肩でヒーローになった。プロ6年目で初のお立ち台。4万2445人の観衆を思い切り沸かせた。-後半はしびれる展開だった長坂 めちゃめちゃしびれました!-盗塁も刺した長坂 めちゃめちゃしびれました!-明日も前売りチケットが完売長坂 めちゃめちゃしびれてます!"シビれました"3連発のインタビュー。リベンジ完結に心も高鳴っていた。「本当に悔しかった。やり返してやろうと」。前日20日巨人戦でサヨナラ機を含む2度の好機で空振り三振に倒れた。だが一夜明け、18年6月17日の敵地楽天戦以来、約4年ぶりの先発チャンスをもらった。1点リードの2回無死一、三塁。シューメーカーの初球を一塁前に転がすセーフティースクイズを決め、三塁走者糸井をホームに迎え入れた。「本当はヒットを打ってランナーをかえしたかったんですけど、多分、あんまり打てると思われてないので、スクイズも1点は1点。僕の仕事ができたかな」受けては初コンビを組んだウィルカーソンを好リード。8回には二盗を狙った俊足の増田大を刺すなど、2試合連続の鬼肩連発で阻止率10割だ。9回は岩崎が1点差に迫られ2死満塁までいったが、プロ初のフル出場で本塁を守り抜いた。「僕のプロ野球人生を変えるチャンスでもあると思うので、頑張りたいです」正妻梅野の故障離脱で出番が巡ってきた。チームのピンチで、自身のチャンスをつかみ取る。「めちゃめちゃシビれていきます!」。お立ち台の最後で意気込みを問われると、甲子園の真ん中で絶叫した。鳴尾浜で汗を流し続けてきた分、本当にシビれるシーンはこれからだ。【中野椋】○...阪神4番佐藤輝は好調をキープしている。1回1死一塁では四球を選び、好機を拡大。3回無死一塁では強いゴロで三遊間を抜き、4戦連続安打をマークした。直近の4試合は16打数6安打で打率3割7分5厘、1本塁打。得点力不足に苦しむ打線の中で奮闘を続けている。○...阪神40歳の糸井が走攻守でハッスルした。1点リードの2回、先頭で右越え二塁打。無死一、三塁から8番長坂の一塁へのセーフティースクイズで好スタートを切り、犠打野選を誘った。右翼守備でもライン際の飛球をランニングキャッチするなど奮闘。矢野監督も「ああいう(セフティースクイズの)ケースもそれほど簡単なものではない。しっかり走ってくれたことは大きい」と納得顔だった。

◆「大阪タイガース」が62年ぶりに勝った! 球団草創期の復刻ユニホームで今季4戦全敗だった阪神が、5度目の正直で伝統の一戦を制した。初回速攻の起点は1番近本光司外野手(27)と3番ジェフリー・マルテ内野手(30)。近本が2安打2盗塁、マルテが初の猛打賞と、不振コンビが猛虎復活を体現した。「OSAKA」の戦闘服で勝つのは1960年(昭35)以来。22日も痛快G倒を決め、24日の楽天戦で始まる交流戦に弾みをつけたい。クラシックな「OSAKA」のロゴを胸に、鮮やかな先制攻撃を決めた。打線を引っ張ったのは1番近本だ。シューメーカーをとらえ、20打席ぶり安打を中前運ぶと、2番中野の5球目に二盗に成功。1死二塁のチャンスをつくり、3番マルテの中前適時打で先制のホームを踏んだ。「先制につながるプレーができてよかった」と会心だった。前日まで今季ワーストの19打席無安打で、チームはこの間1勝3敗。近本に元気がなければ打線も勢いづかない。だが焦りは見せず、試合前は打撃投手にスローボールを投げてもらい、引きつけて打つ練習を繰り返すなど、昨季最多安打を獲得したルーティンを変えなかった。自分を信じて時を待ち、快音を響かせた。7回にも5試合ぶりのマルチ安打を右前に運び、中野の3球目に二盗。今季初の2盗塁で、中野に並ぶリーグ2位の8個目を決めた。「思い切ってスタートを切れたことはよかった」。これでプロ通算99盗塁。球団14人目の大台に王手だ。矢野監督も打って走って復調した背番号5に目尻を下げた。「やっぱりウチの野球は近本にかかる比重というか、ポイントになる選手。どんどん出て走ってもらいたい」。近本も「どんどん走れたら走っていかないとチームの勢いもつかない。そういう場面がきたら積極的に走っていきたい」とさらなる加速を誓った。猛虎の先人に捧げる白星でもあった。86年ぶりに復刻された「大阪タイガース」時代のユニホームで巨人に4戦全敗。藤村富美男、景浦将、若林忠らの大先輩たちが、闘志むき出して戦った永遠のライバル相手に、ふがいない戦いが続いていた。もうこれ以上、悲しませるわけにはいかない。近本は「OSAKA」の戦闘服をまとった5試合で4度目のマルチ安打。1点差に迫られた9回2死満塁も岩崎がしのぎ、総力を結集して「大阪タイガース」62年ぶりの勝利をつかんだ。矢野監督は「いろんな先輩方がいて、球団が長い間、ファンのみなさんといろいろ関わって伝統ができて、その中でタイガースのユニホームを着させてもらっている」とあらためて感謝した。22日は交流戦前ラストゲーム。大阪タイガース魂で巨人を連倒して、勢いをつけたい。【石橋隆雄】?○...阪神3番マルテも復調だ。1回の先制適時打をはじめ3回、8回と3本ともすべて中前へ。今季初の猛打賞で打率を2割台に上げた。「(センター返しは)間違いなく意識してやっていかないといけない。その方向に打っていることが結果につながった」と近本同様にルーティンを変えず、自分を信じて結果につなげた。矢野監督は「まだまだ物足りないけど走者をかえす、一番本人も目指しているところをもっとやってくれると思う」と期待した。

◆阪神長坂拳弥捕手(28)が、前夜の悔しさを晴らすセーフティースクイズ&好リード&鬼肩でヒーローになった。プロ6年目で初のお立ち台。4万2445人の観衆を思い切り沸かせた。グラウンドではクール。表情は変わらない。少々こわもて? な印象も受ける。寡黙な人なのかな...。決めつけかけていた長坂のイメージは、2月の沖縄・宜野座キャンプで変わった。恒例だった「1日キャプテン」を務めた日、練習前のあいさつでお笑い芸人「ゴー☆ジャス」のものまねを披露。ナインの前で「マダガスカル!」と叫び、笑いを誘った。実は過去のファン感謝デーでも披露している十八番だった。「チーム内ではお笑いキャラになってしまっているのかも...。ほんとは、あんまりやりたくないんだけど(笑い)。でも、みんなが笑ってくれることがうれしいんです」少し照れながら本音を明かしてくれたことがある。チームのために体を張り、周囲を喜ばせるために芸も仕込む男。この日のお立ち台での「しびれました」連発も、狙っていたに違いない。【阪神担当 中野椋】

◆阪神・片山雄哉捕手(27)が1軍の試合前練習に合流した。2017年に独立リーグのBCL福井から育成ドラフト1位で入団。1年目の18年に支配下登録を勝ち取ったが、これまで1軍出場はなかった。今季はウエスタン・リーグで28試合に出場し、打率・209(67打数14安打)、5打点、0本塁打。捕手に加えて一塁も守れ、強打が魅力の左打ち捕手が、チャンスをつかむ。代わって板山祐太郎外野手(28)が出場選手登録を抹消される見込み。

◆阪神・片山雄哉捕手(27)が出場選手登録された。「元気のよさだったり、明るさというのは、これまでも変わらずにやってきたので、まずはそこで流れをよくできたらなと思います」2017年に独立リーグのBCL福井から育成ドラフト1位で入団。1年目の18年に支配下登録を勝ち取ったが、これまで1軍出場はなし。今季はウエスタン・リーグで28試合に出場し、打率・209(67打数14安打)、5打点、0本塁打だった。代わって板山祐太郎外野手(28)が出場選手登録を抹消された。

◆阪神のアーロン・ウィルカーソン投手(32)が先発する。巨人・シューメーカーとのマッチアップは4月16日(甲子園)、同30日(東京D)に続いて早くも3度目。来日初登板だった16日には投げ勝っている。2018年6月17日の楽天戦(楽天生命)以来4年ぶりのスタメンマスクとなる長坂とのバッテリーで3勝目を狙う。

◆阪神のジェフリー・マルテ内野手(30)が「3番・一塁」で出場。一回に中前先制打を放った。「打ったのはツーシーム。投手有利のカウントになってしまったけど、我慢して自分の打つべきボールを待っていたよ。近本が良いチャンスメークをしてくれたし、先制することができて良かったね」快音を響かせたのは1死二塁で巡った第1打席だった。シューメーカーがフルカウントの7球目に投じた高めへの速球をとらえると、鋭いゴロで二遊間を破り、二塁走者の近本をホームに迎え入れた。生還した近本は5月17日からのヤクルト3連戦(神宮)と20日の巨人戦(甲子園)の4試合で無安打。苦しむなかで20打席ぶりにHランプを灯すと、今季7個目の盗塁を決めてチャンスメークし、1番打者としての働きをみせた。

◆阪神が序盤から攻勢を仕掛けた。阪神はマルテが中前先制打を放った一回に続き、二回も先頭・糸井の右越え二塁打と一ゴロ失策で無死一、三塁のチャンスが到来。4年ぶりにスタメンマスクに抜てきされた長坂がバットを寝かせて一塁線に転がし、犠打野選を誘って2点目をもたらした。長坂は20日の同戦に途中出場したが、2点を追う八回1死二、三塁と同点の延長十回1死二塁でともに空振り三振に倒れており「きのうの試合では悔しい打席が続いてしまったので、きょうはチャンスの場面で何とかしたいという思いでした。しっかりと一発で(セーフティースクイズ)決めることができてよかったです」。ウィルカーソンの女房役としても「まだゲームは序盤なので引き続き、気を引き締めて頑張ります」とグラウンドに向かった。三回は無得点だったが、先頭のマルテ&佐藤輝が連打で出塁し、3イニング連続で出塁した先頭打者が得点圏に進むなど、巨人先発・シューメーカーを攻めている。

◆阪神のアーロン・ウィルカーソン投手(32)が先発し、7回3安打無失点と好投した。「良い登板になったね。味方の守備にも助けてもらったし、気持ち良く投げることができたよ。あとはこのままチームが勝つことを信じて応援するよ」力強い直球に多彩な変化球を織り交ぜ、捕手の長坂のミットをめがけて腕を振った。走者を出しながらも崩れることなく巨人打線に立ち向かい、ゼロ行進。クリーンアップと激突する七回は3番・吉川に中前打を許し、初めて先頭打者の出塁を許したが、一発同点の場面で岡本和には外角低めにスライダーを投げ込んで二ゴロ併殺に斬り、ポランコも中飛に打ち取って98球で役目を終えた。7回は来日6度目の登板で最長。延長12回に及んだ前夜に8人の救援陣が登板したうえでも大きな働きとなり、ロースコアの中で力を示した。

◆巨人・鍬原拓也投手(26)が0―2の六回から2番手として登板し、2回無失点の好リリーフを見せた。六回は三者凡退。七回は2死から近本に右前打を許したが、続く中野を空振り三振に仕留めた。 前回18日の広島戦(東京ドーム)では、打球が右膝を直撃し、負傷降板。19日の同戦ではベンチ入りメンバーを外れていた。負傷降板して以来、3日ぶりの登板だったが、最速153キロの直球で押し込み、阪神打線を封じた。

◆阪神は序盤に得点し、3投手のリレーで逃げ切って接戦を制した。一回に1番・近本が20打席ぶりの安打で出塁し、二盗を決めてチャンスを演出。1死二塁でマルテが中前打を放って先制した。二回も糸井の右越え二塁打と相手の失策で無死一、三塁とし、4年ぶりのスタメンマスクを任された長坂が一塁線にセーフティースクイズ(記録は一塁の犠打野選)を決めて追加点を挙げた。援護を受けた先発・ウィルカーソンは緩急を低めに集めて巨人打線を封じ、来日最長の7回を無失点。4イニングで走者を背負ったが一度も二塁を踏ませなかった。八回を湯浅が抑え、九回は守護神の岩崎が3連打で1点差に迫られたが、その後の2死満塁のピンチを何とかしのぎ、勝利した。ウィルカーソンは来日3勝目。20日は九回に2点差を追いつきながら延長十二回に4失点し、5時間3分に及ぶ死闘に敗れていたが、悪い流れを断ち切った。また、巨人との共同プロジェクト「伝統の一戦~THE CLASSIC SERIES~」において1936年の復刻ユニホームを着用して戦った試合は4月1―3日(東京D)と前夜で4戦全敗だったが、ようやく白星を手にした。

◆阪神は九回、岩崎優投手(30)が1点を失った後も2死満塁の窮地を招いたが、しのぎ切り、勝利を飾った。7回無失点のアーロン・ウィルカーソン投手(32)が3勝目(2敗)。2018年6月17日の楽天戦(楽天生命)以来のスタメンとなった長坂拳弥捕手(28)がセーフティースクイズで打点を挙げ、二盗を阻止するなど、攻守で存在感を示した。矢野耀大監督(53)の一問一答は以下の通り(チーム成績16勝29敗1分、観衆4万2445人)。(テレビインタビュー)ーー1点差の2死満塁を逃げ切った「いや、もうしびれましたけどね、もう優を信じて。頑張ってくれっていう応援だけでしたけど。はい、よく投げてくれました」ーーウィルカーソンは素晴らしい投球「そうですね、初登板の時も、すごく良くて。その後は普通なのかなという感じでしたけど。今日は初登板ぐらいの球の切れ、勢い、コントロールがあったなという投球。本当リズムを作ってくれましたね」ーー何が一番よかった「やっぱり変化球、チェンジアップが一番武器にはなる球種なんですけ、真っすぐがいつもより切れがあって、多く使えたことが変化球が生きたという投球になったと思います」ーー中5日でベンチの起用にも応えた「元々ね、中6日というのをあまりやっていないピッチャーなんで。中5日がもしかしたらいいのかも知れないですけど。よく投げてくれたのは、これからにも生きるかなと思います」ーーマルテがチャンスで一本「うーん、そうですね、本来の状態ではないと思いますけど。そういう一本からね、本当にマルテらしさ、つなぐであったり決めるであったり、そういうバッティングをしていってもらいたいです」ーー3本出たが「そうですね、打率もやっと2割ぐらいですかね(・206)。まだまだ物足りないですけど。ランナーをかえすというね、一番本人も目指しているところをこれからもやってくれると思います」) ーー長坂はセーフティースクイズで追加点(二回無死一、三塁)「簡単なプレーではないんですけど、本当にしっかり初球で決めてくれました。盗塁もよく刺しましたし(八回1死一塁で代走増田大の二盗阻止)。こういう緊張感の中で九回守り切ったのは、拳弥もすごく自信になると思います」ーー近本が20打席ぶり安打で2安打2盗塁「やっぱりウチの野球は近本にかかる比重というか、ポイントになる選手なんでね、チカが出るというのはこれからも大きくなっていると思うで。どんどん出て走ってもらいたいです」ーー22日は伊藤将司「今日も全員で何とか取れたんで、まず将司がしっかり投球をしてくれるというのが一番のチームの大事な部分になりますけど、その中でも1点ずつしっかり取っていけるようにやっていきます」ーー前売り完売。ファンに向けて「本当にこのようなチーム状況の中でも12球団で一番、タイガースファンのみなさんが球場に来てくれているというのは、僕たちも本当に感謝していますし、そういう気持ちに応えたい、何とかいい試合を見せたい、という気持ちで明日もいきたいと思います。どうか明日からもよろしくお願いします」 (囲み)ーー長坂のスタメン起用は「うーん、まあ、どっかでスタメンで使うチャンスというのは。元々ファームに落ちた時も、何かが悪いというより、現状なかなか使うタイミングがなかったんで。どっかでスタメンで使いたいなっていうのはあったんでね。昨日試合に出て落ち着いてね、緊張はしているんだけど、それはこうなんて言うのかな...周りにこう変な感じにさせないというか。俺も見た感じ、長坂は落ち着いてやってるなと感じたんでね。そういうところでは、きょうは拳弥でいいんじゃないかってね」ーー20日の悔しさを感じながらのプレー「それはねえ、そちらのメディアの方がそう思っているだけど、そんな余裕はたぶんないと思うんでね。今はもう目の前の試合に出られて、初めてスタメンで出るとなるとそんな余裕はないんじゃない? でも今はそれでいい。目の前のことを全力でやりながら、その中でいいタイミングでマウンドのピッチャーがいるところに行けたりとか、盗塁アウトにしたりとか、ワンバウンドを必死に止めたりとか。そういうのが広がっていった中で、責任がちゃんと出てきた時にはそういうことを考えていくことになるけど、今は自分のやれることを一つ一つ、どうやっていくかでいいと思うんでね。それをしっかりやってくれていったら」ーー最後の場面で切り抜けたことも大きい「やっぱり九回を守り切るのは、キャッチャーの成長には必要なところなんで。やっぱり最後の1個のアウトの重みというのが、どれだけ大事か。その中で自分が、いろんなワンバンを止めなとかね、いろんな不安というか、怖いこともよぎるけど、そういうところを最後まで乗り切ったというのは大きいと思うし、あいつにとっても大きな1勝になるんじゃないかな」ーーウィルカーソンは以前に「捕手がリードしたくなる投手」と話していたが「まあ、そうやね。左バッターの外のスライダーとかね、そういうのをいつもよりは使っていたのかなという感じに見えたし、組んでるキャッチャーでちょっとリズムが崩れたりとか、落ち着きがなかったりとか、合ってないなとか出るケースはあるんだけど。まあ、今日も首を振るところはあったけど、別にそんなに怖がってないっていう感じじゃなかったし、普通にウィルカーソンが気持ちがよさそうに投げられているというのは、そういうのを見て分かったので、よかったと思います」ーーセーフティスクイズでの三走糸井の走塁「まだまだね、右翼線のプレーもそうやしね、嘉男も全力で走るということをやってくれている。ああいうケースも簡単そうに見えるけど、それほど簡単なものではないんで。しっかり走ってくれたっていうのは大きいかなと思います」ーー大阪タイガースのユニホームで初勝利「伝統というのはね、いろんな先輩方がいて、球団が長い間ね、球団を持って、タイガースファンのみなさんといろいろ関わって伝統ができてきて。その中でユニホームを着させてもらっているところでは、このユニホームを見て何か感じられる方もいられるでしょうし、その中で、このユニホームで勝てないより勝った方が気分もいいんでね。いろんな方に僕らの気づかないところでも楽しみというか喜びというか、そういうものを伝統のユニホームを着て戦う上ではあるんじゃないかなと思います」

◆巨人・原辰徳監督(63)が、試合前練習で左翼の守備練習を行った中田翔選手(33)について「幅広く、彼は外野も経験あるし、そういう部分でいろんな意味合いの中でね」と意図を説明した。一塁手として、日本ハム時代に4度のゴールデングラブ賞に輝いたが、古巣では左翼を守っていた時期もある。巨人移籍後は一塁に専念していたが、外野も守ることができれば、24日から始まるセ・パ交流戦では、ウォーカーをDH、中田を左翼で先発させるなど、起用の幅が広がる。得点圏打率・368を誇るチーム最年長39歳の中島が、17日の広島戦から5試合連続で一塁で先発。中田はここ5試合は代打での出場が主だった。

◆巨人・中田翔内野手(33)が、試合前に左翼で守備練習を行った。原監督は「幅広く、彼は外野も経験あるし、いろんな意味合いの中でね」と説明した。日本ハム時代に一塁手として4度のゴールデングラブ賞に輝き、移籍後も一塁に専念しているが、古巣では左翼を守った時期もある。24日に始まる交流戦で、左翼手のウォーカーをDH、中田を左翼で先発させるなどの新たな起用法も浮かび上がってきた。中田は5試合連続でベンチスタート。1―2の九回2死二、三塁で代打で登場すると、9球粘った末に四球を選びチャンスを広げた。しかし、後が続かずチームは敗れた。

◆グラウンドを縦横無尽に駆け回るリードオフマンの存在なくして、やはり〝矢野野球〟は機能しない。当たりの止まっていた男に復調の気配-。阪神・近本が打って、走って、持ち味を存分に発揮した。「チームの先制につながるプレーができたのでよかったと思います」一回先頭、フルカウントからシューメーカーの143キロをはじき返した。鋭い打球は二遊間を抜ける。5試合ぶり&20打席ぶりの安打を放つと、中野の空振り三振の間に6試合ぶりの今季7盗塁目を決め、マルテの中前打で先制のホームを踏んだ。七回2死の第4打席は一、二塁間を破る右前打でこちらも5試合ぶり、今季12度目のマルチ安打をマークだ。すかさずスタートを切り、今季初の1試合2盗塁、中野と並んでチームトップの8盗塁目も決めた。矢野監督は「ウチの野球は近本にかかる比重というか、ポイントになる選手。チカが出るというのはこれからも大きくなっていると思うので。どんどん出て走ってもらいたいです」と改めて、キーパーソンであることを強調した。近本が塁に出て、足でかき回す。それが猛虎打線を循環させる最適解であることは間違いない。「思い切ってスタートを切れたことはよかった。どんどん走っていかないとチームの勢いもつかない。そういう場面がきたら積極的に走っていきたい」与えられた役割の重要性は分かっている。近本は先頭に立ち、虎を引っ張っていく。(原田遼太郎)

◆2022年も〝不敗神話〟を築く。阪神・マルテが先制打を含む、今季初の3安打猛打賞と暴れまわった。「初回ということもあって、しかも1点が大事な場面だった。いい仕事ができたと思うよ」一回1死二塁の先制機で、シューメーカーの145キロをしぶとく中前へ。今季初タイムリーを放つと、三回と八回にも中前に運んだ。ここまで打点をあげた3試合は、チームはすべて勝利。昨季も開幕から打点をあげた試合で6連勝を記録するなど、序盤の快進撃をバットで支えた。今季は開幕直後に右足のコンディション不良によりチーム離脱を強いられたが、ここにきて本調子を取り戻しつつある。「しっかり準備して100%全力でやっていくことが大事。それをしっかりやっていれば結果は出てくる思うよ」これからがマルテの本番。チームを勝利に導く一打で、虎を連勝街道に導く。

◆Gキラー襲名や! 阪神・ウィルカーソンが来日最多の7回を投げて3安打無失点に抑えて、今季3勝目(2敗)。これで巨人戦は通算3戦2勝負けなし、防御率1・50となった。「本拠地2度目の登板でしたが、どちらともジャイアンツ戦で、いい投球ができてよかった」間髪入れずにインタビュアーから巨人キラーと呼んでいいか、と問われて「はっはっはっ、sure OK!」と笑い飛ばすと、4万2445人が集まったスタンドからは大きな拍手だ。強力打線を手玉に取った。最速147キロの直球とスライダー、チェンジアップ、そして120キロ台のカーブを巧みに操って二塁も踏ませなかった。圧巻は2-0の七回だ。先頭の吉川に中前打を許したが、岡本和を外角低めのスライダーで二ゴロ併殺に。グラブをポンとたたいて、してやったりの表情を浮かべた。「あそこに投げたことで、ああいう(併殺)結果になった」4月16日の来日初登板初勝利も同じ甲子園で相手は巨人。同30日は東京ドームで勝ち負けはつかなかったが、5回2失点の粘投。チームを勝利に導いた。この日も含めて、3試合とも相手先発はメジャー通算46勝右腕、シューメーカーだった。ウィルカーソンはメジャー通算1勝。大学時代に右肘の手術を受け、メジャーのドラフト指名漏れ後は冷凍食品会社で勤務していた苦労人。この日、バッテリーを組んだ6年目の長坂も2軍暮らしが長く、1軍は今季初出場だっただけに自分と相通じるモノがあった。「下(マイナー)で活躍できても、一個上のステージに上がったときに結果が出ない選手たちは多くいる。彼は、きょうヒーローになった。僕にとっても大きかった」青柳(4勝)に続いて3勝はチーム2位。矢野監督は「すべてのボールが決め球になっているね。きょうは(攻撃の)リズムを作ってくれましたね」と大絶賛だ。「タイガースファンズ、好きやねん!」。勝利のお立ち台で叫び、虎党のハートをわしづかみしたイケメン助っ人。先発ローテの軸として、Gキラーとして、ますます期待は膨らむ。(三木建次)

◆阪神・湯浅が八回のマウンドに上がった。先頭の中島に四球も大城を中飛。続く中山の4球目で、長坂がスタートを切った代走・増田大の二盗を阻止すると、中山を140キロフォークで空振り三振に斬った。「拳弥さん(長坂)に助けてもらって、次の球でイニングを終われたことも流れの中ではよかった」。1回無失点で防御率は0・98と0点台に突入。「このパフォーマンスを継続して、チームの力になれるように頑張ります」と頼もしさを増している。

◆新たな〝天敵〟の出現により、巨人の連勝が4で止まった。九回にようやく打線がつながったが、1点差に迫った2死満塁で最後は代打・北村が遊ゴロ。原辰徳監督(63)は、ウィルカーソンを打ち崩せなかった打線を敗因に挙げた。「もう少し仕掛けが早くないと。(八回まで)散発3安打くらいだったよね。対策を考えないといけないでしょうね」3度目の対戦となった来日1年目右腕の前に、八回まで二塁すら踏めず。多彩な球種を四隅に決める191センチの長身投手とは0勝2敗、計18イニングで11安打3得点となった。元木ヘッド兼オフェンスチーフコーチは「簡単に打てる投手じゃない。何とかしなきゃ」と危機感を表した。前日に延長十二回、今季最長の5時間3分にわたる激闘を制して今月6日以来の首位奪還を果たしたチームだが、わずか17時間後にヤクルトに再び首位の座を明け渡した。とはいえゲーム差は、なし。仕切り直して、カード勝ち越しを狙う。(谷川直之)

◆ホンマにしびれた、しびれたぁ~!! 阪神は九回に1点差に詰め寄られたがリードを死守し、巨人に2-1で勝利して連敗を2で止めた。光ったのが今季初めて先発出場した長坂拳弥捕手(28)。二回にスクイズを成功させると女房役として投手を盛り立てるなど攻守に大活躍。「大阪タイガース」の復刻ユニホーム姿での今季初勝利に貢献した。無我夢中でスクイズを決め、絶体絶命の最終局面も懸命に守り切った。はい上がろうとする男の必死さがチームにもビリビリと伝わって、復刻ユニホームを着用しての「伝統の一戦シリーズ」で今季初勝利。初のお立ち台に立つと、一気に〝放電〟した。「めちゃめちゃしびれました」終盤、どんな思いで守っていたか問われ、顔をキメて目をギラギラさせて答えた。2日連続の盗塁刺についても「めちゃめちゃしびれました」。リードでウィルカーソンを好投に導き、最後は1点差、2死満塁まで追い詰められたが、岩崎を支え耐え切った。誰もがしびれた試合の扇の要で、プロ初フル出場の長坂がしびれる働きを見せた。) 長坂が生み出した1点がなければ、違う結果になっていた。1-0の二回無死一、三塁で初球を巧みに一塁線へ転がし、セーフティースクイズで2点目を奪った。途中出場だった前夜は2度のチャンスで連続三振。悔しさにまみれたが、元来、底抜けに明るい男だ。ヒーローインタビューでも「本当はヒットを打ってランナーをかえしたかった。多分、あんまり打てると思われていないので。ただ、スクイズも1点は1点。僕の仕事ができたなと思います」と胸を張った。 2点リードの八回1死一塁で、増田大の二盗を2日連続阻止。2018年以来4年ぶりのスタメンに大胆起用した矢野監督も「こういう緊張感の中で9回守り切ったというのは拳弥もすごく自信になると思う」と、誰よりしびれた一人だった。17年のD7位でプロ6年目。大山と同期で同学年の〝藤浪世代〟だ。通算でも出場は21試合目だった。だが、どんな陽の当たらない日も、黙々と備えてきた。幼い頃からそう。自営業の父・隆さん(66)の仕事が多忙だった。午前0時すぎに仕事を終えた隆さんがふと庭を見ると、素振りをしている中学生の息子の姿があった。庭には穴が掘られ、健大高崎高へ巣立っていくまで埋まらなかった。「力強い子になってほしいというイメージで」と、両親が名前に付けた拳の字。梅野が離脱した今こそが、この世界に拳を突き立てるときだ。「チャンスですし。いつチャンスが来るか分からずに今まで準備してきたので。本当に僕のプロ野球人生を変えるチャンスでもあると思うので。頑張りたい」チケットはすでに完売と高い注目を集める今カード最後の一戦に向け、「めちゃめちゃしびれていきます?」とさけんだ。ビリビリとしびれて、このチームをピリッとさせていく。(長友孝輔)

◆巨人打線の弱みがモロに出た。チャンスらしいチャンスも作れず、ウィルカーソンにひねられた。この手の外国人投手をさっぱり打てない。驚くような速球があるわけではない。いわゆる〝動くボール〟が身上。打者の手元で小さく変化する。あるいは、わしづかみで握って沈めるチェンジアップ。いずれにしても、素直なボールはないわけだ。それなのに、巨人の打者は、素直なボールに対するのと、同じスイングしかできない。何度凡退しても、1、2、3のスイングを繰り返すばかり。自分の打撃フォームを貫くことしか頭にないように、映ってしかたがない。こういう投手を崩すような打撃は、できないものかね。ボールを引き付けて打つのか、曲がりばなを捉えて打つのか。何が妙手かはわからないけど、それはコーチと選手が、おのおの知恵を絞ってもらうとして...。せめて、ポコポコと早打ちしないで、じっくりボールを選ぶなり、セーフティーバントで揺さぶりをかけるなり、できる工夫はあるはず。投手陣をやり玉に挙げることが多いエモトも、小技のきかない打線にずっと、不満を持っているよ。(本紙専属評論家)

◆九回表、1点差に詰め寄られ、なお満塁の大ピンチに必死のマウンドの岩崎。「神様頼みます! どうかトラに勝利を!! 阪神を勝たせてくれたら、明日から真面目に生きます。誤給付された4630万円も即返還しますから(振り込まれてねーだろ!)。お願いします!!」ボコッ! 代打・北村の遊ゴロでゲームセット!! ヒ~、脂汗タラタラで虎が逃げ切った...。は~あ、本日も阪神打線はわずか2得点だったけど、前日の送りバントをさせない戦い方より、100倍も勝利への執念が感じられる試合であったのだ。一回は先頭の近本が中前打で出塁すると、バントではなく、盗塁させてマルテの先制打を呼び込み、二回には8番・長坂の初球にセーフティースクイズを指示して、見事に2点目を奪う!!矢野さん、虎党が望んでいたのは、こーいうことなのだ!! 打てない打者を淡々と打席に送って、淡々と打たせ、淡々とアウトを重ねる。それじゃあ、いつまで待っても点は入らなーい!!『鳴かぬなら鳴かせてみせよう、駄目な虎』と矢野秀吉になれば、何かが変わってくる。動かせー! 動かせー! 動かせー!

◆〝花金〟が戻ってきました。「まいったな」「そうか、金曜日でしたね」「だけど、甲子園球場から帰るときに流しのタクシーを拾うなんて初めてやで。夜の人出が戻ってきたんやな」ビヤ樽編集委員三木建次とトラ番キャップ長友孝輔の21日未明の会話です。前日20日の巨人戦ナイターは延長十二回、試合時間5時間3分。トラ番たちが仕事を終えて甲子園球場を出ようとしたときには日付が変わっていました。電車はもう運行していない。タクシーに相乗りして帰宅しようとしたのですが、配車センターに電話すると「車が出払っていてお時間がかかります」という返答。ビヤ樽たちは球場前の国道に出て、流している「空車」のタクシーを待っていたのでした。「しばらくして拾えたけど、家に着いたら午前1時やった。寝たのは午前2時半」一夜明けて21日はデーゲーム。阪神の練習開始予定の午前10時前に球場入りしたビヤ樽はまだ目をこすっています。「選手も大変だと思います。横浜、神宮と続いた遠征から移動日なしで戻ってきてのナイター明けデーゲームですから」打者担当のトラ番原田遼太郎です。「練習開始を30分遅らせています。疲労を考えてのことだと思います。でも、みんな元気ですよ。一部の選手は室内で打っていますけど、佐藤輝は外で打って、最後は高々と舞い上がった大きな柵越えで締めました。糸井さんも外でいい当たりを連発しています」「虎ソナ」は反省しなければいけません。原田に試合前、こんな問いかけをしていました。「打順が9番・投手に戻ったけど8番・捕手が長坂なのはなんで? 坂本を残していれば代打が出しやすいからか?」原田は、プルプルと首を振りました。「おととし、自分が名古屋に出張したとき(9月21日、中日戦)、長坂選手は途中出場して2020年シーズンの初打席で2ランを打ちました。実はその前年も、広島戦(6月1日)でシーズン初打席本塁打を打っているんです。それが19年の唯一の1軍の打席でした。つまり1年越しの2打席連発です。意外性があるし、広いバンテリンドームでも放り込める破壊力のある選手です」意外性と破壊力を持つ男が、この日は小技と堅実さで魅せてくれました。1-0の二回に一塁線に鮮やかにセーフティースクイズを決め、守ってはウィルカーソン、湯浅、岩崎を好リード。2-1の逃げ切り勝ちに攻守で貢献しています。4万2445人。超満員のファンが詰めかけていました。ねえ。勝たなきゃ。阪神の今季の観客動員は12球団ダントツです。1試合平均3万6486人は、2位の巨人のそれ(1試合平均3万0394人)を6000人以上も上回っています。甲子園球場のスタンドはナイターもデーゲームも、平日も土日も関係ない。毎試合〝花金〟状態です。一番お客さんが入っているチームに、一番儲かっているチームに、「借金」なんて似合わない。22日も前売りは完売です。試合後、矢野監督も改めて感謝し、誓っていました。きょうも満員のファンを喜ばせましょう。

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(1↑)
ヤクルト
25171 0.595
(↑0.01)
-
(↓1)
100161
(+9)
141
(+2)
40
(+3)
25
(-)
0.230
(-)
2.830
(↑0.02)
2
(1↓)
巨人
28200 0.583
(↓0.013)
0
(-)
95189
(+1)
190
(+2)
50
(-)
17
(-)
0.246
(↓0.001)
3.390
(↑0.03)
3
(-)
広島
24192 0.558
(↑0.01)
1.5
(↑1)
98201
(+10)
144
(+1)
23
(+2)
8
(-)
0.264
(↑0.004)
2.990
(↑0.05)
4
(-)
中日
20230 0.465
(↓0.011)
5.5
(-)
100143
(+1)
166
(+10)
28
(-)
15
(-)
0.248
(-)
3.740
(↓0.14)
5
(-)
DeNA
17220 0.436
(↓0.011)
6.5
(-)
104136
(+2)
182
(+9)
28
(-)
14
(-)
0.246
(-)
4.240
(↓0.13)
6
(-)
阪神
16291 0.356
(↑0.015)
10.5
(↑1)
97140
(+2)
147
(+1)
35
(-)
28
(+2)
0.223
(-)
2.980
(↑0.05)