ソフトバンク(★1対8☆)ロッテ =リーグ戦9回戦(2022.05.20)・福岡PayPayドーム=
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ロッテ
20200003181301
ソフトバンク
0000010001600
勝利投手:佐々木 朗希(5勝0敗0S)
敗戦投手:千賀 滉大(3勝2敗0S)

本塁打
【ロッテ】佐藤 都志也(1号・9回表ソロ)

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◆ロッテは初回、岡の犠飛などで2点を先制する。その後は、3回表にエチェバリアの適時打で加点すると、8回には高部、中村奨、マーティンの3者連続適時打が飛び出し、リードを広げた。投げては、先発・佐々木朗が6回1失点9奪三振の好投で今季5勝目。敗れたソフトバンクは、投打ともに振るわなかった。

◆ソフトバンクが20日ロッテ戦(ペイペイドーム)で佐々木朗希投手と対戦する。藤本博史監は、佐々木朗の攻略のカギに「今宮打法」を挙げた。前回6日の対戦では6回1得点。「フルスイングするんじゃなくて、速い球を利用するという形も打者によってはいい。今宮がやってるような打撃。やってみたら案外コンタクトできるんじゃない。一番、手本になっている」と説明。柳田ら主軸以外の若手には、逆方向への安打を増やしている今宮を参考にすることを勧めた。

◆剛腕対決、再び-。ソフトバンク千賀滉大投手(29)が、20日ロッテ戦(ペイペイドーム)で佐々木朗希投手(20)との今季2度目の投げ合いに臨む。この日は本拠地でダッシュやキャッチボールなどで最終調整。「自分のやれることをしっかりやる。それだけです」。短い言葉で意気込みを示し、集中力を高めた。初対決は6日のZOZOマリンで、千賀は5回3失点。ベンチに飛んできたファウルボールを避けた際に両足がつり、今季最少の69球で降板していた。一方の佐々木朗は6回1失点も、両投手に勝敗はつかず。わずか2週間後に再対決が実現し「自分のやるべきことをやれるように、しっかり頑張るだけです」。特別な意識は明かさなかったが、今度こそ白黒をつける。前回登板の13日日本ハム戦では、自己最速を更新する164キロをマークした。鬼気迫る投球で、佐々木朗に並ぶNPB4位の快速球。「千賀VS佐々木朗」。力と力のぶつかり合いは、両軍ファンのみならず全国でも注目の的となりそうだ。藤本監督も「千賀はホークスのエース。エース対決という形なら、絶対に先に点をやらないという気持ちで投げてもらいたい」と背中を押した。チームは現在2連勝中。千賀自身は約1カ月白星から遠ざかるが、エースで勝てば首位楽天を追うタカの勢いは加速する。「とにかくチームが勝てるように投げたいと思います」と、真剣なまなざしに必勝への思いを込めた。【只松憲】○...柳町が佐々木朗打ちでエース千賀を援護する。前回6日の対戦では3打数1安打。左翼越えの二塁打も放っている。再戦に向けて「前回は(チームとして)やられてしまったので。早い段階から攻略してなんとか点を取って、早い段階で下ろすことが理想だと思う。それができれば」と意気込んだ。また、同じ外野の上林が長期離脱となり「チーム状況を救っていけたら」と苦境を打破する。

◆ソフトバンクは午後4時45分過ぎに、今季初の「ルーフオープンデー」としてペイペイドームの屋根を開けた。20~30分かけて外野席を覆っていた2枚の屋根が左右に開いた。昨季の5月11日ロッテ戦でも実施したが、その日は雨に見舞われて中止になった。同イベントの開催基準については「降水確率30%未満、かつ、風速8メートル以下の場合のみ屋根を開放」としている。なお、きょう5月20日は、王貞治球団会長兼特別チームアドバイザーの82歳の誕生日。球団名がソフトバンクに代わった05年からは、7勝6敗。(試合がなかったシーズンを除く)。現在は17、18、21年と3連敗中だが、15年以来のバースデー星を届けられるか。藤本博史監督(58)は「(相手は)佐々木朗希やからね。そういうピッチャーに勝ってお祝いしましょう」と意気込んだ。

◆ロッテ打線がソフトバンク先発の千賀滉大投手から初回に2点を先制した。先頭高部が初球を左前打。2番中村は2球目を左越え二塁打とし、開始わずか3球で無死二、三塁をつくった。3番マーティンが四球で塁を埋める。4番佐藤都は遊飛に倒れたが、5番レアードが押し出し四球で、まず1点。フルカウントまでいったが、最後はフォークにバットを止めた。さらに、6番岡が中堅へ犠飛を放った。ロッテの先発は佐々木朗希投手(20)。5勝目を目指す右腕に、いきなり2点をプレゼントした。

◆両軍の先発が、初回から160キロ超を計測した。1回表、ソフトバンク千賀滉大投手(29)が3番マーティンへの6球目に160キロ。(結果は四球)。その後も2度計測した。1回裏にはロッテ佐々木朗希投手(20)が、3番柳田への4球目に164キロをマークした(結果は空振り三振)。両投手の最速は、ともに今季計測したNPB4位の164キロ。剛腕2人が、開始早々に快速球で競演した。千賀と佐々木朗の初対決は、6日のZOZOマリン。千賀は5回3失点、佐々木朗は6回1失点も、両投手に勝敗はつかなかった。試合は1回表にロッテが先制。1死満塁でレアードが押し出し四球と、岡の中犠飛で2点を奪った。

◆ロッテ佐々木朗希投手(20)は自己最速タイの164キロをマークし、初回を3者凡退に抑えた。1番三森を右飛、2番牧原大を空振り三振、3番柳田を空振り三振。計13球で終えたが、うち直球は6球。球速は、160キロ、160キロ、163キロ、163キロ、163キロ、164キロと全て160キロ台だった。初回の最速164キロは、カウント1-2から柳田を空振り三振に仕留めたもの。外角に決まる1球に、さすがの柳田も振り遅れ気味の空振りを喫した。

◆ロッテ松川虎生捕手(18)が佐々木朗希投手(20)の160キロ直撃を受けた。4-0で迎えた3回裏。ソフトバンク先頭の真砂への初球だった。160キロが構えたミットをすり抜け、松川の首元に当たった。サイン違いとみられる。判定は見逃しストライクだった。松川のマスクがずれるほどの衝撃。マウンドの佐々木朗は驚いた表情を見せた。松川は大事に至らずプレー続行。苦笑いを浮かべていた。

◆鷹のエースが沈黙した。ソフトバンク千賀滉大投手(29)が6安打4失点で、今季最短となる4回でマウンドを降りた。ロッテ佐々木朗との今季2度目の投げ合いだったが、76球で2番手のレイにマウンドを譲った。「164キロ対決」は、試合開始から約1時間半で終了した。本来の姿とは程遠かった。初回に1番高部、2番中村奨に連打を許し、3番マーティンには四球。1死満塁で5番レアードを迎えた。フルカウントからフォークが低めに外れ、押し出し四球で先制点を許す。苦笑いを浮かべるレアードと、表情を崩さない千賀。球場にかすかな悲鳴が渦巻くなか、次打者の岡には中犠飛で2点目を献上した。3回には2死二、三塁でエチェバリアに左前2点適時打を浴びた。相手は完全試合男の佐々木朗だっただけに、重すぎる4失点。右腕は「野手の皆さん、キャッチャーの拓也(甲斐)に本当に申し訳ない。次の登板に向けて、しっかりとコンディションを整えます」と反省した。千賀が先発で5回持たずに降板するのは、21年7月6日ロッテ戦(ZOZOマリン)で、3回途中10失点を喫して以来。本拠地に限ると19年8月17日の西武戦で3回9失点して以来、自身2度目だ。この日は今季初の「ルーフオープンデー」として、ペイペイドームの屋根を開けた。球場には心地よい夜風が吹き込んでいたが、剛腕対決は早々に閉幕。千賀にとって4月14日以来、約1カ月ぶりの白星は、またもお預けとなった。【只松憲】

◆ロッテ佐々木朗希投手(20)は6回4安打1失点で、勝利投手の権利を持って降板した。9奪三振、2四球1死球、球数は97だった。「今日は早い段階で点を取ってもらったので思い切って投げることができました。ちょっとコントロールに苦しんでしまってイニングを稼げなかったので、次回はしっかり修正できるように頑張ります」と話した。初回から160キロ台の直球を連発。柳田を自己最速タイ164キロで空振り三振に仕留め、3者凡退の立ち上がりだった。打線は3回までに4点をプレゼント。佐々木朗は2回は無死一、二塁、4回は2死満塁を招いたが、後続を抑え、得点を与えなかった。6回に先頭の牧原大に三塁打を打たれ、続く柳田の一ゴロの間に1点を失った。だが、この1点のみに抑えた。序盤の投球に、木村龍治投手コーチ(51)は「非常に良いですね。前回、前々回の時より力が抜けていてリリースの瞬間にうまく力を入れることが出来ていると思うし、バランス良く投げられているので制球も安定していると思う。このまま粘り強く投げていってほしい」とコメントした。

◆ロッテ佐々木朗希投手(20)がリーグトップタイ5勝目を挙げた。6回4安打1失点、9奪三振、2四球1死球。球数は97だった。チームに勝利を呼ぶ投球をしても、まずは野手への感謝、そして反省の言葉を続けた。「今日は早い段階で点を取ってもらったので思い切って投げることができました。ちょっとコントロールに苦しんでしまってイニングを稼げなかったので、次回はしっかり修正できるように頑張ります」味方打線が4回までに4点をプレゼントしてくれた。早めの援護もあり、2回無死一、二塁、4回2死満塁と得点圏に走者を背負っても、慌てることなく後続を断った。ただ、中盤以降、高めに抜ける場面があり、ファウルで粘られた。最少失点に抑えたとはいえ、6回で交代したことをよしとしなかった。それでも、敵地で強烈なインパクトを残した。直球が走った。初回から160キロ台を連発。2死走者なしからは、柳田を自己最速タイ164キロで空振り三振。さすがの強打者も振り遅れ気味のスイングだった。この日の97球のうち、直球は45球。91・1%にあたる41球が160キロ台だった。平均球速161・1キロをたたき出した。そこに最速150キロのフォーク、さらにカーブ、スライダーを織り交ぜ、的を絞らせなかった。登板前日「チームが勝つためにマウンドで一生懸命、頑張りたいと思います。思いは、ただそれだけです」と話していた。その思いをマウンドで体現。千賀との豪腕対決を制し、交流戦前最後のカードの初戦をものにした。

◆ロッテは1回にレアードの押し出し四球と岡の犠飛で先行し、3回にエチェバリアの2点打で加点した。佐々木朗は6回4安打1失点で9三振を奪い、負けなしでリーグトップタイの5勝目。ソフトバンクは千賀が4回4失点と崩れた。

◆ソフトバンクは、千賀滉大投手(29)が4回6安打4失点で2敗目。ロッテ佐々木朗希投手(20)との2度目の投げ合いで完敗した。試合後の藤本博史監督(58)の一問一答は以下の通り。-初回から千賀は本来の姿ではなかった藤本監督 真っすぐを全然投げなかった。本人は前回より思った真っすぐが投げれていないから。でも、真っすぐを打たれているわけではないんでね。やっぱり真っすぐを投げないとあの変化球も生きてこない。その辺はバッテリーでもう1回ミーティングしてくれとお願いしました。-フォークも見極められた。藤本監督 フォークというよりカットボールが多くなっていた。困ったらカット。カットボールとフォークのスピードが同じぐらいだから、バッターは目が慣れてくるよね。本来のスイングじゃなくても、当てに来られたら当たってしまうよね。やっぱり真っすぐを投げないとカットもフォークも生きてこないということじゃないかなと。まぁそこは次回ね。うちのエースですから、真っすぐがきてないといってもそう簡単には打たれないと思う。そこは自信を持っていってほしい。-それもあって捕手も交代した藤本監督 そうですね。-コンディションに異常はないか藤本監督 いやいや全然、どこかに違和感があるとかそういう問題じゃないですよ。今日のブルペンでも思った真っすぐが投げれていないということだったから。やっぱりエースだったら真っすぐをどういう生かしていくか。甲斐も真っすぐを要求したら首を振られたということだった。もう1度、甲斐とミーティングをしっかり。-打線は佐々木朗に苦戦藤本監督 いいピッチャーですから。そう簡単に打てるピッチャーではない。でもしっかり牧原大も浮いたフォークを打ちにいっていた。それを打ちにいかないと、どんどんカウント球のフォークでストライクを取られる。浮いたフォークは打ちにいかなといけないと思いますよ。-途中出場の松本や笠谷、海野はアピールの場だったが藤本監督 なかなか今の状態では勝ってたら投げれてないわけですから、こういうビハインドでしっかりね。今日のレイみたいな感じでアピールしてくれたら、次は先発がありますよね。やっぱり3点差ならチャンスはあるんだから、そこから点をやらないという気持ちで投げてもらいたい。松本も強い球を投げているけど球が高い。その辺はこれからの課題じゃないかなと思います。

◆「剛腕対決」に負けた。ソフトバンク千賀滉大投手(29)が今季最短の4回でマウンドを降り、6安打4失点で2敗目を喫した。ロッテ佐々木朗と2週間ぶりの再対決だったが、5回もたずに降板。「野手の皆さん、キャッチャーの拓也(甲斐)に本当に申し訳ない。次の登板に向けて、しっかりとコンディションを整えます」と、タカのエースは肩を落とした。初回から160キロを計測。それでも本来の姿とは程遠かった。1死満塁でレアードに押し出し四球などで2失点。3回にも2点を失った。相手は完全試合男の佐々木朗。あまりに重すぎる4失点だった。5勝目の佐々木朗は、試合後にヒーローインタビューを受けた。千賀の完敗だった。藤本監督は、5回から捕手の甲斐を含めてバッテリーの交代を決断。「(千賀は)真っすぐを全然投げなかった。でも打たれているわけではないのでね。やっぱり真っすぐを投げないと変化球は生きてこない。バッテリーでもう1回ミーティングしてくれとお願いしました」と、理由を明かした。中盤以降、千賀と甲斐はベンチで話し込みながら試合を見ていた。76球での降板については「どこかに違和感があるとかそういう問題じゃないですよ」と、アクシデントではないことを明かした。この日は今季初の「ルーフオープンデー」として、ペイペイドームの屋根を開けた。今季最多3万6956人の観衆が集まったが、連勝は「2」でストップ。福岡市内の空には、タカ党のため息ばかりが漏れていた。【只松憲】?○...打線は佐々木朗の前に6回1得点、9三振と沈黙した。最速164キロの直球と、鋭いフォークに歯が立たず。6回に牧原大の三塁打と柳田の内野ゴロの間に1点を返すのがやっとだった。藤本監督は「高く浮いたフォークは打ちにいかないと。どんどんカウント球でストライクを取られてしまう。なかなか難しいですけどね...」と嘆いていた。

◆ロッテ打線がソフトバンク千賀を攻略し、先発の佐々木朗を援護した。3回、追加点となるエチェバリアの2点適時打が効いた。「うまくバットに当たってくれたよ」と喜ぶ助っ人は、勢いに乗って今季初の3安打。井口監督も「最初から割り切って入っていけたと思う」と評価した。8回2死からエチェバリアら下位打線が粘っての3点追加も大きかった。

◆ロッテ松川虎生捕手(18)が、佐々木朗希投手(20)の今季8戦目もしっかりリードした。5月6日のソフトバンク戦では、序盤に佐々木朗の直球を早いカウントで狙われた。「前回に初球を大体まっすぐで打たれてましたので、何とか目線をずらしてというか、そういう部分は意識して入りました」。初回、1番三森には直球、フォーク、直球、フォークの組み立て。3番柳田の初球には早々カーブを入れた。2回裏は直球4球に対し、フォークが11球。これまでにはあまりない配球で、佐々木朗の総合力を引き出していった。第1打席で初球160キロをあっさりと安打にされた4番グラシアルには、第2打席ではスライダー、スライダー、カーブと徹底した配球。「逃げていく球で、フォークも生きてくると思うので」と要所を押さえながら、試合をプランニングしていった。2回の打席ではソフトバンク千賀に対しフルカウントとし、最後は154キロ直球を右前安打にした。「2度目の対戦でしたので、何とかこう、フォークも頭に入れながら自分の形で。追い込まれてから右方向に打てたのかなと思います」。日々懸命に先発投手陣をリードする中で、17打席ぶりの安打にホッとしていた。【金子真仁】

◆ロッテ佐々木朗希投手(20)がソフトバンク千賀滉大投手(30)との"最速164キロ右腕対決"を力強く制した。直球の平均球速161・1キロは自己最高値。初の平均100マイル(約160・93キロ)超えとなった。フォークと45球ずつを投げ分け、強力打線を6回9奪三振1失点に封じた。リーグ最多タイの5勝、同最多の87奪三振、さらに防御率1・47は21日夜にもリーグトップに立つ。投手優勢のパを象徴する3冠右腕として、交流戦に君臨する。▼高卒3年目のロッテ佐々木朗が開幕から無傷の5連勝。高卒3年目以内の開幕5連勝は昨季の宮城(オリックス=2年目で5連勝)以来だが、ロッテでは桂高から入団3年目の54年和田功が7連勝して以来、球団68年ぶりとなった。▼佐々木朗は防御率でリーグ2位に浮上。昨季の山本(オリックス)まで史上8人しかいない「投手5冠王」(勝利、防御率、奪三振、勝率、完封)を狙える位置をキープしている。

◆直球自慢のロッテ佐々木朗希投手(20)は、フォークもすごみを増している。20日のソフトバンク戦は45球を投げ、その平均球速は145・6キロをマーク。実戦デビューした1年前の5月16日西武戦では、139・4キロだった。1年間で6キロの増速。写真で確認すると、握りを変えている。昨年はボールの縫い目が最も狭くなる場所に、平行するように挟んでいた(写真左)。今年は一転、縫い目が狭くなる場所に直交するように挟む(同右)。大きな落差から、鋭い落差へ。指先感覚も生かしながら時にはスライダーのような、時にはシュートのような横への動きを付ける。バリエーション豊かな魔球は、昨季の空振り率は平均2割程度だったものの、今季は約4割に一気に上昇。平均160キロ前後の直球とほぼ2球種で、1軍の打者たちに力勝負を挑めるようになった。フォークの好調ぶりについて本人は「感覚的なところなのでなかなか言い表せられなかったりするんですけど、いい感覚をこうオフからつかんで、それをしっかりものにできている部分があるので」と説明する。以前には「その時その時に感じるものを、しっかり表現できたらいいなと思います」と話したこともある感性の世界。この日は自己最速タイの、150キロフォークで柳田を空振りさせた。球数が90球を超えてもフォークが148キロを計測するなど、握力のスタミナを感じさせる。【金子真仁】

◆ロッテ佐々木朗希投手(20)がソフトバンク千賀滉大投手(29)との"最速164キロ右腕対決"を力強く制した。直球の平均球速161・1キロは自己最高値。初の平均100マイル(約160・93キロ)超えとなった。フォークと45球ずつを投げ分け、強力打線を6回9奪三振1失点に封じた。リーグ最多タイの5勝、同最多の87奪三振、さらに防御率1・47は21日夜にもリーグトップに立つ。投手優勢のパを象徴する3冠右腕として、交流戦に君臨する。最速164キロ右腕の164キロに、屋根が開くドームがどよめいた。2点の援護をもらった初回2死、3番柳田への勝負球だった。文句なしの1球にバットが空を切る。「点を取ってもらって思い切って投げることができたので」。公式戦では福岡初登板。あいさつ代わりにしては、あまりにも強烈すぎる1球だった。この164キロが、今季早くも200球目となる160キロ台だった。フォークの比率がやや高く、直球が引き立つ。試合で投じた45球の平均球速は、ついに100マイルを超えた。直球のうち160キロ台が約91%。「しっかり投げれば、そんなに球速も落ちずに投げられているので。あとはこれを1年間を通して維持できるように」。また1つグレードを上げた感さえある。2回には159キロが、バントの構えをする今宮を空振りさせた。現役最多犠打を誇る職人でも対応できない。3回にはサインミス。カーブを要求したつもりの松川に160キロを投げた。ミットを微妙にかすめ、首元付近の防具に直撃。松川が「気付いたらここにボールがありました」と30センチ前を指すヒヤリの1球。佐々木朗もマウンド下で15秒ほど固まる。その後はミスなし。強い信頼関係で試合を進めた。勝ち星と奪三振はリーグトップに立った。防御率もついに1・50を割り、オリックス山岡が規定投球回未達になる21日夜にもリーグ1位に浮上する見込み。一時的に3冠右腕となる。「勝ち星とか勝率は打線の援護が関わってくるので。僕の力よりも後ろの投手や野手陣の力が大きい。そこが今、かみ合ってくれているので」と5勝0敗の今に感謝。華々しく続く金曜朗希ショーは交流戦に入り、このまま順調に調整できれば相手は阪神に巨人。好投手ぞろいのパの顔として、セ界に佐々木朗希を示す。【金子真仁】◆佐々木朗の160キロ台比率 完全試合を達成した4月10日オリックス戦の、全直球に占める160キロ台比率は56・3%、完全投球を継続した同17日の日本ハム戦は57・9%、5月6日のソフトバンク戦は89・6%で、9割超は20日ソフトバンク戦が初めて。?▼高卒3年目のロッテ佐々木朗が開幕から無傷の5連勝。高卒3年目以内の開幕5連勝は昨季の宮城(オリックス=2年目で5連勝)以来だが、ロッテでは桂高から入団3年目の54年和田功が7連勝して以来、球団68年ぶりとなった。▼佐々木朗は防御率でリーグ2位に浮上。昨季の山本(オリックス)まで史上8人しかいない「投手5冠王」(勝利、防御率、奪三振、勝率、完封)を狙える位置をキープしている。

◆ソフトバンク打線は佐々木朗の前に6回1得点、9三振と沈黙。最速164キロの直球と、鋭いフォークに歯が立たず。6回に牧原大の三塁打と柳田の内野ゴロの間に1点を返すのがやっとだった。藤本監督は「高く浮いたフォークは打ちにいかないと。どんどんカウント球でストライクを取られてしまう。なかなか難しいですけどね...」と嘆いていた。

◆幕張の借りを博多で返された、ということか。ソフトバンク千賀とロッテ佐々木朗の「ノーノー対決第2ラウンド」はホークスの完敗に終わった。シーズンでも数少ない本拠地ペイペイドームの開閉式屋根が開く「ルーフオープンデー」。この日のスタンドには今季最多となる3万6956人の観衆が集まった。BIGBOSS新庄ハムとの開幕3連戦を上回る鷹ファンの前で、ホークスは千賀が4回4失点KO。前回初対決となった6日の試合(ZOZOマリン)では佐々木朗の降板後の土壇場9回に中谷の2ランで追いつき、延長戦に持ち込んでの逆転勝ち。この日は投打に精彩なく敗れ去った。王貞治球団会長の82歳のバースデーでもあった。球団事務所には恒例のバースデーケーキが用意され、王会長を祝福したが、チームは白星をプレゼントできなかった。)76球で降板した千賀にコンディションの不調はなかったようだが、もっとマウンドに立ち続けてもらいたかった。パ・リーグ、いや球界注目の対決は、そうそう巡ってくるものではない。勝ち負けもさることながら、チーム戦略が双方にあるとは言え、せめてお互い「100球」までの「投手戦」はスタンドのファンも見たかったのではないだろうか。等分に力投を味わいたかった。)2番サードで先発出場した牧原大が6回先頭で、佐々木朗のフォークを右翼線三塁打。前2打席はともに空振り三振に倒れていただけに意地の一打だった。先発右腕時のスタメン出場が続いているが「2番固定」も一考なのではないだろうか。今季、チームに薄れつつある「機動性」が生かせるような気がするのだが...。この日は首位を走る楽天も敗れゲーム差は2・5のまま。まだまだ数字を気にする時期ではないが、あまりにもあっさり負けてしまった感は拭えない。【ソフトバンク担当 佐竹英治】

◆投げ合いを喜ぶように、ドームの屋根が開いた。ソフトバンク・千賀とロッテ・佐々木朗。今季2度目のマッチアップは、一方的な展開となった。先発した千賀だったが、今季ワーストの4失点。五回からリリーフにバトンを託すことになった。一回、先頭の高部に左前打を許すと、続く中村奨に左翼線二塁打。マーティンに四球を与え、いきなり無死満塁を背負ってしまった。佐藤を遊飛としたがレアードに押し出し四球。続く岡に中犠飛と、一回から2点を失った。6日(ZOZOマリン)の初の投げ合いでは千賀が5回3失点、佐々木朗が6回1失点。ともに勝敗はつかず、試合は延長戦の末にホークスが勝利した。ここまで千賀が8試合登板で3勝1敗、防御率1・24に対し、佐々木朗は7試合登板で4勝0敗、防御率1・47。ほぼ互角の成績で、第2ラウンドを迎えたが‥。結果は明白だった。三回も2安打で2死二、三塁とされるとエチェバリアに2点左前打。千賀が4失点を喫したのは昨年7月6日のロッテ戦(ZOZOマリン)で10失点して以来だった。安定した内容を続けてきたエースが、この日は歯車がかみ合わなかった。五回からは2番手のレイがマウンドにあがり、捕手も甲斐から海野に交代となった。

◆ロッテ・佐々木朗希投手(20)が6回4安打1失点9奪三振の好投で、負けなしの今季5勝目を挙げた。佐々木朗は降板後に「今日は早い段階で点を取ってもらったので思い切って投げることができました。ちょっとコントロールに苦しんでしまってイニングを稼げなかったので、次回はしっかり修正できるように頑張ります」とコメントした。対するソフトバンクは千賀滉大投手(29)が先発し、4回6安打4失点で負け投手となった。【1回】 先攻のロッテ打線は1死満塁からレアードの押し出し四球、岡の中犠飛で2点を先取。援護をもらった佐々木朗は先頭の三森を右飛、牧原大を空振り三振、最後は柳田を164キロの直球で空振り三振に仕留めた。球数は13球。【2回】 佐々木朗はヒットと四球で無死一、二塁のピンチを迎える。しかし、次打者今宮のとき、バント見送りの際に二走・グラシアルが飛び出してしまいタッチアウト。今宮を二ゴロ、柳町からは空振り三振を奪い、この回を無失点で乗り切った。球数は28球。【3回】 ロッテは2死一、二塁からエチェバリアの2点適時打で追加点を奪う。リードを広げてもらった佐々木朗は先頭の真砂を空振り三振。続く甲斐と三森からは164キロの直球で三振を奪った。球数は39球。【4回】 佐々木朗は先頭の牧原大、続く柳田から空振り三振を奪う。その後、グラシアルと中村晃に連打を浴び、今宮に死球をぶつけて2死満塁のピンチを招いたが、最後は柳町を二ゴロに打ち取った。球数は67球。【5回】 ソフトバンクは先発の千賀が降板し、2番手・レイへ継投。佐々木朗は真砂を二ゴロ、この回から途中出場した海野は三ゴロ、三森は左飛に打ち取り、勝ち投手の権利を得た。球数は76球。【6回】 この回の佐々木朗は先頭の牧原大に右翼線三塁打を許し、続く柳田の一ゴロの間に1点を失う。その後、グラシアルに四球を与えて1死一塁とされたが、中村晃は161キロの直球で空振り三振。今宮を中飛に打ち取った。球数は97球となり、3点のリードを守って、5勝目の権利を持ってマウンドを降りた。登板前のロッテ・佐々木朗の今季成績は7試合に登板し、4勝(0敗)。防御率は1・47。勝ち星、勝率10割、78奪三振といずれもリーグ1位を記録している。

◆ロッテのエチェバリアが今季初の3安打を放ち、佐々木朗を援護した。2―0の三回2死二、三塁では2点適時打。千賀の低めの変化球を左前へ運び「とにかくチャンスだったし、走者をかえすことができて良かった。うまくバットに当たってくれた」と喜んだ。4―1の八回2死無走者では松本の高めの速球を左前へ運んだ。この回3点の猛攻の口火を切り、打線を活気づけた。

◆2戦連続カード勝ち越しを狙うロッテが快勝。先発の佐々木朗希投手(20)が6回4安打1失点9奪三振の好投で、負けなしの今季5勝目を挙げた。佐々木朗のヒーローインタビューは以下の通り。--初回から援護点をもらっての登板となった「早い段階でたくさん点を取ってもらったので、思い切って投げることができました」--今日の内容を振り返って「あんまコントロールが良くなくて、球数もかさんであまりイニングも投げれなかった。次回は長いイニングを投げれるよう頑張ります」--手応えを感じた部分はあったか「今日は前回よりも真っ直ぐを打たれることなかったので、(捕手の)松川にうまくリードしてもらいながら投げることができました」--四回は満塁のピンチを0に抑えた「点差もあったので自分から自滅することないようにストライクゾーンに投げました」--ここまで負けなしの5連勝。勝てている要因は「打線の援護です」--ファンへメッセージを「次回はもっといいピッチングできるように頑張ります」

◆ソフトバンクはロッテに大敗し、連勝は「2」でストップした。相手先発の佐々木朗希投手(20)は6回1失点で5勝目となった。試合後、藤本博史監督(58)が代表取材に応じた。主な一問一答は以下の通り。--一回から千賀らしくない内容だった「真っすぐも全然投げなかった。本人の中で前回(13日、日本ハム戦、札幌ドーム)よりは真っすぐが投げられていないというので、変化球が多めになったんですけど。でも真っすぐを打たれているわけじゃない。真っすぐを投げないと、あの変化球も生きてこない。もう一回バッテリーでミーティングしてくれとお願いしておきました」--フォークも見極められていた「フォークというよりカットボールが多くなって。フォークとカットボールが同じくらいのスピードやから、打者も目が慣れてくるよね。当てにこられたらやっぱり当たってしまう。そのへんは次回、うちのエースですから。真っすぐがきていないといっても、そうは簡単に打たれないと思うので。自信を持っていってもらいたいです」--それもあって、バッテリーごと五回から入れ替えた「そうですね」--千賀は「コンディションを整えたい」とコメントしていたが、体に異変は「全然、どこかに違和感があるとか、そういう問題じゃないです。きょうブルペンで投げたときに思った真っすぐが、投げられていないということだったから。エースだったらそのへんは試合の中で真っすぐをどう生かすとか。しっかりやってもらわないといけないと思うし。甲斐も真っすぐを要求したけど、首を振られたと。もう一回ミーティングをしっかりやってもらわないと」--相手先発の佐々木朗からは6回で1得点「いい投手ですから。そう簡単に打てる投手じゃない。牧原大とかも打てているし。打ちにいかないと、カウント球でフォークでストライクを取られるので。浮いたフォークは打ちにいかないと。全部打つのは難しいですけど。2点、3点くらいならチャンスがあると思っていたので。7、8、9回で3点差ならチャンスがあると思っていたんですけど。投手陣が追加点をやる形でね」--二回無死一、二塁で今宮がバントの構え。投球を見逃して、二走・グラシアルが飛び出した「飛び出したというのはね。ミスはミスで終わったことなので、仕方ないと思いますけど」--八回の松本や九回の笠谷らが失点。負けていてもアピールしてほしい立場「実際ね、勝っていたら今の状態では投げられていないわけですから。ビハインドのときに、きょうのレイ(五回から3回無失点)みたいにアピールしてくれたら、次も先発がありますよね。3点差というのはまだまだチャンスあるわけやから。絶対に点をやらない気持ちで投げてもらいたい。これからの課題だと思います」

◆164キロ連発で開幕5連勝! ロッテ・佐々木朗希投手(20)が20日、ソフトバンク9回戦(ペイペイドーム)に先発し、6回4安打1失点で開幕から負けなしでリーグトップタイとなる5勝目を挙げた。自己最速タイの164キロを5度計測するなど、直球の平均球速は驚異の161・1キロをマーク。千賀滉大投手(29)との投げ合いを制し、チームを8-1の勝利に導いた。 一回2死から柳田を自己最速タイの164キロで空振り三振に仕留めた。捕手は松川 うなりを上げる快速球で観衆3万6956人をくぎ付けにした。佐々木朗は9三振を奪い、6回4安打1失点で無傷の5勝目。ハーラートップタイに躍り出た。「(直球の)球速は速くなり、質もよくなっている中でいい結果がでている。変化球もよくなっているので、それもいいのかなと思います」気温24・6度。この日は開閉式の屋根を開ける「ルーフオープンデー」だった。心地いい海風が吹き込む敵地で、立ち上がりから攻めた。一回2死。3番・柳田を自己最速タイの164キロで空振り三振に斬った。二回2死の柳町からは6者連続三振。自己最速タイの164キロを計5度も計測し、97球中45球投げた直球の平均球速は161・1キロを計測した。史上最年少で完全試合を達成した4月10日のオリックス戦(ZOZOマリン)の159・8キロを大きく上回った。勝利数に加えて勝率、奪三振数もリーグトップだ。 力投とは対照的に「早い段階で点を取ってもらったので、思い切って投げることができました」と打線に感謝した佐々木朗。3年目で異次元の投球を続ける剛腕には、恵まれた肉体が備わっていた。ロッテとコンディショニングなどでアドバイザリー契約を結ぶ、「4スタンス理論」の先駆者、廣戸(ひろと)聡一氏(60)が肉体の秘密を明かした。佐々木朗は体幹や背骨に柔軟性があり、背筋はトップアスリートと比べても特にしなやかで、骨盤の可動域も広い。投球のメカニズムに適しており、柔らかい肋骨と肩甲骨も一定方向に動かすことが可能で、リリースポイントがより打者側になるという。投球動作に入る前に首の付け根、骨盤、足元が〝軸(直線)〟となる姿勢を取ることもできる。廣戸氏は「これこそ、子供たちに見習ってもらいたい。正しい姿勢から投げることで、最大のパフォーマンスを引き出せる」と力説した。2度目の対決で4回4失点で降板した千賀にも投げ勝った。井口監督は「しっかりと自分のカウントを整えた。千賀に投げ勝ったのは大きい」と目を細めた。次回登板は順調に調整が進めば27日の阪神戦(ZOZOマリン)の予定。〝金曜ローキ(朗希)ショー〟は続く。(広岡浩二)★松川びっくり サイン違いに騒然となった。佐々木朗が三回先頭の真砂の初球に160キロの直球でストライクを奪った。しかし、マスクを被ったD1位・松川(市和歌山高)はカーブを要求していたため、反応できずに剛球がミットをかすめて左首元付近を直撃。ルーキーは「ちょっとびっくりしました。もうボールがここ(目の前)にあった」と目が点。右腕はその後も痛みをこらえてリードした松川を「すごいっす」とたたえた。

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<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
楽天
26131 0.667
(↓0.017)
-
(-)
103157
(-)
106
(+1)
28
(-)
37
(-)
0.243
(-)
2.490
(↑0.04)
2
(-)
ソフトバンク
24161 0.600
(↓0.015)
2.5
(-)
102167
(+1)
136
(+8)
23
(-)
21
(-)
0.263
(↓0.002)
2.870
(↓0.13)
3
(-)
西武
20221 0.476
(↓0.012)
7.5
(-)
100131
(+3)
130
(+5)
28
(-)
16
(+2)
0.225
(-)
2.490
(↓0.06)
4
(-)
ORIX
20240 0.455
(↑0.013)
8.5
(↑1)
99109
(+1)
149
(-)
14
(+1)
27
(-)
0.210
(-)
3.050
(↑0.08)
5
(-)
ロッテ
18241 0.429
(↑0.014)
9.5
(↑1)
100130
(+8)
151
(+1)
19
(+1)
46
(+2)
0.215
(↑0.004
2.790
(↑0.04)
6
(-)
日本ハム
17260 0.395
(↑0.014)
11
(↑1)
100144
(+5)
166
(+3)
37
(-)
33
(+1)
0.233
(↑0.001)
3.720
(↑0.02)