西武(★2対3☆)ソフトバンク =リーグ戦9回戦(2022.05.18)・沖縄セルラースタジアム那覇=
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ソフトバンク
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西武
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勝利投手:藤井 皓哉(4勝0敗0S)
(セーブ:モイネロ(0勝1敗6S))
敗戦投手:水上 由伸(1勝1敗0S)
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◆ソフトバンクは初回、グラシアルの適時打で先制する。2-2となって迎えた7回表には、柳田の適時打が飛び出し、勝ち越しに成功した。投げては、7回以降を4人の継投で無失点リレー。1点のリードを守りきった。敗れた西武は、先発・隅田が好投するも、打線が2得点と振るわなかった。

◆西武はルーキー隅田知一郎投手(22)が先発。隅田は登板時の平均援護点が1・67点しかなく、現在4連敗中。新人が5連敗すると20年吉田大喜(ヤクルト)以来で、西武では79年に6連敗した森繁和以来。

◆ソフトバンク上林誠知外野手(26)が試合前のシートノックで右足首を負傷し、担架で運ばれるアクシデントが起こった。上林は中堅でノックを受けており、捕球後の送球動作で右足を踏ん張った際、足に力が入らずに転倒した。負傷の瞬間にトレーナー数人が一斉に駆け寄り、上林は右足のスパイクを脱いで運ばれていた。ベンチでは「アキレス腱(けん)」という言葉が飛び交っていたため、右足のアキレス腱(けん)を痛めた恐れがある。この日は「7番中堅」で先発予定だったが、急きょ柳町に変更した。上林はこれから沖縄県内の病院で受診予定。上林はここまで33試合に出場し、打率3割1厘、1本塁打、12打点と好調を維持していた。

◆熱男が南国沖縄を沸かせた。ソフトバンク松田宣浩内野手(39)が10試合ぶりのスタメン出場で、2年目の07年から16年連続盗塁を決めた。「8番三塁」で先発出場し、2回1死の第1打席で四球。次打者、甲斐の打席で二盗に成功した。17日に39歳を迎えたベテランの激走に、球場からは大きな拍手が送られた。西武の先発左腕、隅田には4月9日の対戦で2安打を放った。相性の良さを買われ、藤本監督は松田のスタメンを決断。「久しぶりの出場やけど、マッチ(松田)はいい緊張感を持ってやってくれる。世代交代と言われているけど、ベテランも中堅も若手も交えてやらないと。マッチは1年間必要です」。指揮官は厚い信頼を寄せている。打席に立つのは、4日のオリックス戦以来。その間もベンチでは変わらずムードメーカーだった。主将の柳田が「尊敬してます」と話すのも、うなずける。

◆南国沖縄で、コロナ禍では珍しい大ブーイングが起こった。6回だ。西武が山野辺の適時打と愛斗のスクイズで同点に追いついた。なおも2死二塁で、ソフトバンクは那覇市出身の地元凱旋(がいせん)試合だった4番山川を申告敬遠した。山川が打席に立つたびに大歓声を上げていた観客は、一斉にざわついた。中にはグラウンドに向かって親指を下に向けている人も見られた。その後は2死一、二塁となり、次打者の外崎は左飛。2-2で7回に入った。なお、球場では「声をあげての応援はお控えください」と呼びかけられている。

◆西武山川穂高内野手が「島人(しまんちゅ)対決」を制した。1点を追う8回2死走者なし、相手は浦添市出身のソフトバンク又吉。7球目を中前へ強烈にはじき返した。6回2死二塁の第3打席での申告敬遠時にはスタンドからブーイング。那覇市出身の山川の打棒を楽しみにしていたファンの前で一打を決めたがチームは敗れ、4日以来の借金1となった。辻監督は「まだまだこれから。選手が整った時によーいドンといけるように」。故障者が出る中で粘りをみせ悲観しなかった。

◆ソフトバンク柳田悠岐外野手のバットが勝負を決めた。2-2の同点で迎えた7回1死二塁。西武2番手の水上の直球を思い切り振り切った。打球は中前へ落ちる勝ち越しタイムリーとなった。「詰まったけど、気持ちで運びました。ヒットになってくれて良かったです」。5回までの3打席は2三振と四球。試合を引き戻された直後に決勝打を放った。前日(17日)の試合も土壇場9回に同点打。頼れるキャプテンが連勝に導いた。▽ソフトバンク・グラシアル(初回、先制の中前適時打に)「打ったのはストレート。初回からチャンスをつくってくれたので、何とか先制点をという気持ちだった。1球目からしっかり自分のスイングをすることができた」▽ソフトバンク中村晃(5回の中前タイムリーに)「(先発の)杉山が頑張っていたので、必死に打ちました」

◆プロ初の3番で先発となった愛斗外野手(25)は、つなぎの役目を果たした。一時同点となるスクイズを含む3打数1安打1打点だった。1点を追う6回1死一、三塁では一塁側に絶妙なセーフティースクイズを決めた。「ランナーをかえすことができて良かったです」。同点に追いつき、先発隅田の黒星を消した。4回1死一塁では右翼線にコンパクトにはじき返し、一、三塁にチャンスを拡大。バットを短く持つようになって以降、しぶといバッティングも増えている。辻監督も「粘り強くというところで、試合に使っている。そういう内容も出してくれている。素晴らしい仕事でした」と目を細めた。

◆ソフトバンク又吉克樹投手(31)が、沖縄凱旋(がいせん)登板で好投し、チームの2連勝に貢献した。浦添市出身の右腕は、1点リードの8回に登板。2死から那覇市出身の山川に中前打を許したが、代走熊代が飛び出して盗塁死。打者3人で仕事を終えた。ヒーローインタビューで「中学、高校と補欠だった人間が、ここでヒーローインタビューを受けるとは、10年前の自分に言っても信じられないと思う。一生の思い出に残る登板でした」と感慨深げ。18試合連続無失点で錦を飾った。地元での登板は中日時代の15年以来、7年ぶり3度目。西原高では主に打撃投手だった右腕が、竜から鷹のユニホームを袖を通し、地元のファンに成長した姿を見せた。「みなさんの思い出の1日、2日間になればいいなと思います。いい仕事ができました。いつもと変わらないことがマウンドでできたと思います」。防御率は0・00をキープした。これでチームは沖縄では21年から4連勝。その中心には絶対的なセットアッパーがいた。藤本監督も「コントロールがいいからね。又吉は球も速くなってきた。本当に信頼できます」と、感心しきり。首位楽天が敗れたため、2ゲーム差に接近した。「本当に2日間、ありがとうございました。これからも頑張ります。まだまだ応援よろしくお願いします!」。又吉は、ひときわ明るい声で地元のファンに深々と頭を下げた。【只松憲】?▽ソフトバンク・グラシアル(初回、先制の中前適時打に)「打ったのはストレート。初回からチャンスをつくってくれたので、何とか先制点をという気持ちだった。1球目からしっかり自分のスイングをすることができた」▽ソフトバンク中村晃(5回の中前タイムリーに)「(先発の)杉山が頑張っていたので、必死に打ちました」▽ソフトバンク藤井(2番手で登板し、今季4勝目)「自分に勝ちがついただけで、反省の多い投球でした。反省を生かして、次も頑張ります」▽ソフトバンク杉山(先発で6回途中2安打2失点の好投)「1人1人、アウトを取ることだけを考えて投げました。集中して投げることができたと思います。でも試合の中盤で追いつかれてしまったら、点を取ってくれた野手の方にも、あとから出てくる中継ぎの方にも迷惑をかけてしまう。前回の登板と同じ失敗だと思います。しっかり反省します」

◆ソフトバンクが2連勝。沖縄では21年から4連勝とした。試合後の藤本博史監督(58)の一問一答は以下の通り。-先発の杉山は6回途中2失点「今日は5回47球で、なかなか代えられないよね。ヒット1本しか打たれてなかったし。やっぱりフォアボールよね。9番に対して慎重になりすぎてる。だけど今日は腕も振れててテンポもよかった。これで次回も当然考える。もうちょっと頑張れば、十分ローテーションには入ってこれる」-又吉は地元の沖縄で無失点「コントロールいいからね。杉山にあのコントロールがあったら無敵やけどね(笑い)。又吉は球もだいぶ速くなってきて、本当に信頼できますよね」-沖縄では2連勝「沖縄出身の選手が出ればすごく歓声があったね。嘉弥真は打たれたけど、又吉も気持ち良かったんじゃないすか」-不安だった守護神のモイネロが無失点「先頭のフォアボールだけは何とかしてもらいたいよね。そのあとはしっかり投げてくれました。まずは追い込んでから。追い込んだらモイネロは有利なんだから。あれだけの球を投げるわけやからね。まぁこれからも、9回でいきます」-試合前に負傷した上林は、右足のアキレス腱(けん)損傷と「はい。アキレス腱の損傷です。もう、ちょっと無理やね。誰か上げる人を考えないと。そこは小久保(2軍)監督と話します。外野手になってくると思う。交流戦に入ったら柳田も守るから、守備がうまい人が呼ばれるようになるんじゃないかなと。真砂か、正木か、というところ」

◆沖縄の暖かな夜空の下、スタジアムのボルテージが最高潮に高まった。8回裏2死。西武山川穂高内野手(30)とソフトバンク又吉克樹投手(31)。「島人(しまんちゅ)対決」が実現した。制したのは、那覇市出身の山川だった。7球目。山川はカットボールを捉えた。打球は思い描いたように角度こそ付かなかったが、強烈にセンター前へ転がっていった。浦添市出身の又吉から意地の一打を放った。「独特の空気がありました。前回の福岡での対戦では三振に打ち取られてしまいましたが、今日は結果としてヒットを打つことができました。又吉さんはコースも球もビタビタで狂いがなく、最高の球が来ていました。それを打ち返すことができて良かったです」代走が送られ、交代を告げられた。万雷の拍手が注がれた。前の打席は「申告敬遠」だった。同点の6回2死二塁。強打者の宿命。一塁が空いており、勝負を避けられた。ブーイングが起こった。それほど、沖縄のファンは山川のバッティングを楽しみにしていた。その次の打席、真っ向勝負。まさに4番らしい、力強い打球で、沖縄のファンを喜ばせた。3年ぶりの沖縄凱旋(がいせん)の2試合だった。山川は「ホームランを披露することはできませんでしたが、2日間、楽しくプレーすることができました。沖縄のファンの皆さんには、明後日からもテレビなどで応援していただけたらうれしいです。これからも沖縄勢でプロ野球を盛り上げていきたいと思います」と誓った。

◆スタンドに響き渡る指笛の音色も心地良く聞くことができたのではないだろうか。ソフトバンク三森が長いトンネルを脱出し、バットでチームの勝利に貢献した。プレーボール直後の先頭打席。1ボールからの2球目。西武先発隅田の146キロの直球を鋭く右前に運んだ。実に7試合28打席ぶりの「快音」だった。7日のロッテ戦(ZOZOマリン)の1打席目に本塁打して以来のヒット。千葉~宮崎~福岡~札幌、そしてようやく沖縄の地で息を吹き返した。1番打者として責任を痛感していただけに、三森にとっては再浮上の一打となった。2番今宮がエンドランを決めて一、三塁。柳田は三振に倒れたが、4番グラシアルが中前に運び先制した。同点とされた直後の7回表。先頭打者で三森は2番手水上から中前にはじき返し10試合ぶりのマルチ安打を記録。今宮の犠打で二進すると柳田の中前適時打で快足を飛ばしてホームイン。決勝点を呼び込む一打となった。ゲームセットの瞬間、三森はマウンドに駆け寄ってモイネロとハイタッチした。トレードマークともなりつつある口ひげも蓄えたままだ。「本当は開幕前にそろうと思っていたんですけど、(打撃の)調子もいいこともあったし、(夫人が)『似合っている』と言ってくれたんで」。快音が止まるまで3割1分1厘あった打率は2割7分2厘まで下がってしまったが、再浮上へ大きな手応えとなる2安打。「今日は1打席目にヒットが出てすごく気持ちが楽になりました。また次の試合からも1打席1打席集中して頑張ります」。三森にとって自信回復の沖縄の夜となったはずだ。【ソフトバンク担当 佐竹英治】

◆先発した西武のドラフト1位・隅田知一郎投手(22)=西日本工大=は6回6安打2失点で降板。2勝目はならなかった。「(失点した場面は)もっと厳しく攻めるべきところだった。ピンチを多く作りながらも6回まで何とか粘れたことはよかった」気温23度、湿度80%と蒸し暑い中で、立ち上がりの一回に相手打線に捕まった。先頭の三森、今宮に連打を浴びると1死一、二塁からグラシアルに中前に運ばれ先制を許した。その後は失点を許さなかったが、五回に中村晃に適時打を浴び2点目を失った。この日は9つの三振を奪い、3試合連続で6回2失点と先発の役割を果たしたが、またも白星には恵まれなかった。

◆ソフトバンクは2―2の七回に柳田の中前適時打で勝ち越した。2番手の藤井が4勝目、モイネロが6セーブ目。西武は0―2の六回に山野辺の適時二塁打などで追い付いたが直後の七回に水上が崩れ、3連敗で勝率5割を切った。

◆ソフトバンクが連勝。八回に登板して1回無失点に抑えた又吉克樹投手(31)がヒーローインタビューに選ばれた。主な一問一答は以下の通り。--地元・沖縄での登板で1回無失点「まさか中、高と補欠だった人間がマウンドに上がってここでヒーローインタビューを受けるなんて、10年前の自分に言っても信じないと思うので。みなさんの声援もそうですけど、一生の思い出に残る登板になりました」--同じ沖縄出身の山川との対戦では中前打「本当に山川も力で向かってきてくれた。僕は技しかないので、技で。自分の持っているものを沖縄のみなさんに見せられるようにやったんですけど。打たれてしまったので、また考えて練習したいと思います」--ホークスのユニホームでの登板はまた違ったのでは「すごく不思議な感じで。山川に投げている感じがありましたし。投げているときもものすごくみなさんが静かに見守ってくれたので、より一層集中して自分の力以上のものを出すことができたと思います」--沖縄でホークスが連勝「きのうは東浜と与座(西武)の投げ合いで、きょうは嘉弥真さんも投げましたし、僕も投げて。みなさんの思い出の1日、2日になればうれしいと思います」--家族などは観戦にきているのか「友達はきていますけど、おばあちゃんはテレビの向こうで見ているので。おばあちゃんにすごくいい姿を見せられたと思います」--ファンにメッセージ「本当に2日間、ありがとうございました。ものすごい2日になりましたし、これからも頑張りますので、まだまだ応援をよろしくお願いします」

◆西武は打線に迫力がなく、2得点止まりで3連敗となった。オグレディ、源田、森、呉念庭を欠き、頼みの山川も0―1の四回1死一、三塁で遊ゴロ併殺打に倒れた。辻監督は「粘り強く戦ってくれているが、まだまだ未熟な選手を使わないといけない状況でもある」と渋い表情だった。勝率5割を切り、沖縄から札幌に移動して20日からは調子を上げてきた日本ハムと戦う。「まだまだこれから。選手が戻って、整った時によーいどんでいけるような状況にしておきたい」と話した。

◆西武の山川が同じ沖縄県出身の又吉から安打を放った。2―3の八回2死無走者で外角の変化球を中前へ運び「独特の雰囲気があった。最高の球が来ていた。それを打ち返すことができて良かった」と喜んだ。那覇での2連戦を6打数2安打で終えた。「ホームランを披露することはできなかったが、楽しくプレーすることができた。これからも沖縄勢で盛り上げていきたい」と話した。

◆ソフトバンクの上林誠知外野手が18日、沖縄セルラースタジアム那覇で行われた西武戦の試合前の守備練習で負傷し、那覇市内の病院で「右アキレス腱損傷」と診断された。19日に福岡で精密検査を行う。「7番・中堅」で先発予定だったが欠場した。球団によると、飛球を捕って送球しようと踏ん張った際に、右足に力が入らず転倒したという。9年目の今季は33試合に出場し、打率3割1厘と好調だった。藤本監督は「ちょっと無理だね。誰か代わりに上げるやつを考えないと」と、離脱は避けられないとの見通しを示した。

◆西武は同点の七回に2番手・水上が柳田に勝ち越し打を浴び、3連敗で借金1となった。先発したD1位・隅田(西日本工大)は6回6安打2失点。「ピンチを多く作りながらも六回まで粘れたことは良かった」と収穫を口にした。辻監督は「まだまだこれから」と気持ちを切り替えた。

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<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
楽天
25121 0.676
(↓0.018)
-
(-)
105150
(-)
103
(+1)
26
(-)
36
(-)
0.245
(↓0.003)
2.540
(↑0.04)
2
(-)
ソフトバンク
24151 0.615
(↑0.01)
2
(↑1)
103166
(+3)
128
(+2)
23
(-)
21
(+1)
0.265
(-)
2.740
(↑0.02)
3
(-)
西武
20211 0.488
(↓0.012)
7
(-)
101128
(+2)
125
(+3)
28
(-)
14
(-)
0.225
(-)
2.430
(↓0.02)
4
(-)
ORIX
19240 0.442
(↓0.01)
9
(-)
100108
(+4)
149
(+11)
13
(+1)
27
(-)
0.210
(↑0.001)
3.130
(↓0.19)
5
(-)
ロッテ
17231 0.425
(↑0.015)
9.5
(↑1)
102120
(+1)
143
(-)
16
(+1)
44
(-)
0.211
(↓0.003)
2.730
(↑0.07)
6
(-)
日本ハム
16260 0.381
(↑0.015)
11.5
(↑1)
101139
(+11)
163
(+4)
37
(+3)
32
(-)
0.232
(↑0.004)
3.740
(↑0.02)