ヤクルト(☆2対1★)阪神 =リーグ戦10回戦(2022.05.17)・明治神宮野球場=
このエントリーをはてなブックマークに追加

 123456789
阪神
0000100001401
ヤクルト
000000002X2800
勝利投手:大西 広樹(2勝1敗0S)
敗戦投手:岩崎 優(1勝1敗5S)

本塁打
【阪神】糸原 健斗(1号・5回表ソロ)

  DAZN
チケットぴあ ヤクルト戦チケット予約 阪神戦チケット予約

DAZN

◆ヤクルトがサヨナラ勝利。ヤクルトは1点ビハインドの9回裏、青木の適時二塁打が飛び出し、同点とする。なおも続く1死二三塁の好機でオスナが犠飛を放ち、試合を決めた。投げては、先発・サイスニードが7回1失点。3番手・大西が今季2勝目を挙げた。敗れた阪神は、5番手・岩崎が誤算だった。

◆今季のヤクルト村上宗隆内野手(22)はビジターで82打数28安打、9本塁打、打率3割4分1厘を残すも、神宮球場では46打数8安打、3本塁打、打率1割7分4厘と低調。現在同球場では9打席連続で無安打だが、今日は安打出るか。

◆ヤクルト中継ぎエースの清水昇投手(25)が、1カ月ぶりに1軍に合流し、出場選手登録された。2年連続最優秀中継ぎに輝き、今年もセットアッパーとして8回を任されていた右腕。4月17日DeNA戦(横浜)で右足に打球を受けて負傷降板。同19日から登録抹消となっていた。この日は久々に1軍に合流し、試合前練習のメニューを消化。練習後に取材に応じ「(2軍調整期間は)順調にきましたし、自分の体を見直すきっかけにもなったので、すごくいい時間になったかなっていうふうにプラスには考えています」と話した。

◆阪神が好守備連発で2回裏のピンチをしのいだ。先頭村上が右前打で出塁。無死一塁から5番中村に左前打を許すと、スタートを切っていた一塁走者村上が、一気に三塁を狙った。ここで左翼大山悠輔内野手(27)が、三塁へワンバウンドのストライク送球。タッチアウトでピンチを広げなかった。大山の本職は三塁だが、現在はコンディションを考慮され左翼起用が続く。昨秋から本格的に取り組んできた左翼守備練習の成果を存分に発揮した。その後、1死一、三塁となり迎えるは7番オスナ。一塁ベース後方への飛球を打ち上げると、これを二塁の糸原健斗内野手(29)が滑り込みながらキャッチ。すぐさま本塁へ送球し、タッチアップを許さなかった。2死一、三塁とすると、8番長岡の三邪飛を佐藤輝明内野手(23)がキャッチ。風が吹き落下地点の予測が難しい中、体勢を崩されながらもしっかりとつかんだ。阪神は昨季まで、4年連続で12球団ワーストの失策を喫しているが、今季は今試合前までセ・リーグで2番目に少ない18失策にとどめている。先発西勇輝投手(31)をもり立てる好プレーの連続だった。

◆ヤクルトは1カ月ぶりに1軍復帰した清水昇投手(25)が、1回を無安打無失点に抑えた。1点ビハインドの8回から登板。最速147キロの直球を軸に力強い投球を披露した。4月17日DeNA戦で右足に打球を受けて降板し、同19日に登録抹消。「(調整期間は)順調にきましたし、自分の体を見直すきっかけにもなったので、すごくいい時間になった」と話した通り、中継ぎエースが復帰戦で安定感を見せた。

◆阪神が逃げ切りに失敗して、今季5度目のサヨナラ負けを喫した。連勝は2で止まった。5回に糸原健斗内野手(29)の右越え1号ソロで先制した。先発の西勇輝投手(31)は6回無失点。7回から継投に入り、1-0での逃げ切りを図った。だが、抑えの岩崎優投手(30)が乱れた。9回1死一、三塁から青木宣親外野手(40)に右中間への同点二塁打を打たれた。さらに1死二、三塁からホセ・オスナ内野手(29)に決勝の右犠飛を許した。岩崎の連続無失点は12試合で止まり、今季初黒星となった。

◆阪神糸原健斗内野手(29)が、値千金の先制1号ソロを放った。0-0の5回1死。ヤクルト先発サイスニードの高め130キロを右翼席へたたき込んだ。ベンチ前では緑色でライトが光る仕様の新作「虎メダル」を矢野監督から首にかけられ笑顔。「なかなか得点が入らない中で、何がなんでも出塁する気持ちで打席に立ちました。最高の結果になって良かったです」と喜んだ。プロ6年目で節目の通算10号アーチ。パワーヒッターではないが、ツボにはまれば飛距離は出る。昨年9月25日巨人戦(東京ドーム)以来、234日ぶりの1発で試合を動かした。2回裏1死一、三塁の守備では、オスナの一塁ベース後方への飛球に滑り込みながらキャッチ。すぐさま本塁へ送球し、タッチアップを許さなかった。守りからリズムを生んだ。4月は打率1割4分7厘と苦しみ、熊谷や小幡ら若手にスタメンを譲る試合も多かった。この日の2打席目を終えた時点で5月は32打数12安打、打率3割7分5厘。頼れる男が調子を取り戻してきた。

◆阪神西勇輝投手(31)が6回4安打無失点、84球で降板した。初回は3者凡退、2回はヤクルト先頭村上に右前を許し、続いた中村、青木にも連打を浴び、1死一、三塁とピンチを背負ったが、オスナを二飛、長岡を三邪飛に仕留めてピンチをしのいだ。3回以降は打たせて取り、危なげなかった。「(坂本)誠志郎のリードで引っ張ってもらって、うまく乗っていくことができました。野手陣の守りにも助けられましたし、チームの雰囲気にも後押しされて、粘りのピッチングをすることができたと思います」しかし、6回途中に左足首を気にするそぶりをみせた。投球は続行し6回を投げきったが、84球で2番手渡辺へとバトンタッチした。

◆ヤクルト中継ぎエースの清水昇投手が1カ月ぶりに1軍復帰し、1回を無安打無失点に抑えた。1点ビハインドの8回から登板。阪神の代打高山に四球は許したが、最速147キロの直球を軸に力強い投球を披露した。4月17日DeNA戦(横浜)で右足に打球を受けて降板。同19日から登録抹消となっていた。「(調整期間は)順調にきましたし、自分の体を見直すきっかけにもなったので、すごくいい時間になった」と話した通り、復帰登板で安定感を見せた。

◆阪神が逃げ切りに失敗して、今季5度目のサヨナラ負けを喫した。連勝は2で止まった。19日にも自力優勝の可能性が消滅する。5回に糸原健斗内野手(29)の右越え1号ソロで先制した。先発の西勇輝投手(31)は6回無失点。7回から継投に入り、1-0での逃げ切りを図った。だが、抑えの岩崎優投手(30)が乱れた。9回1死一、三塁から青木宣親外野手(40)に右中間への同点二塁打を打たれた。さらに1死二、三塁からホセ・オスナ内野手(29)に決勝の右犠飛を許した。岩崎の連続無失点は12試合で止まり、昨年9月30日広島戦以来の黒星がついた。失点は3月25日の開幕ヤクルト戦(京セラドーム大阪)以来だった。その開幕戦は最大7点差から逆転負け。この日も昨季のセ王者の反撃に耐えられず、悪夢の再来となった。岩崎の連続無失点は12試合で止まり、今季初黒星となった。▼阪神は最短で今月19日に自力優勝が消滅する。18、19日のヤクルトとの直接対決で連敗することが条件。この場合、阪神は残りの99試合に全勝した場合、最終成績が113勝29敗1分けで勝率が7割9分6厘となる。一方のヤクルトは、阪神戦残り13試合に全敗しても他球団との89試合に全勝すれば114勝28敗1分けで勝率8割3厘となり、阪神を上回るため。仮に最短の19日で消滅すると44試合目での消滅となり、近年では20年の73試合目を上回る早さとなる。

◆阪神が逃げ切りに失敗して、今季5度目のサヨナラ負けを喫した。連勝は2で止まった。12試合連続無失点中だった抑えの岩崎優投手(30)が乱れ、1-0の9回に逆転サヨナラを許した。矢野燿大監督(53)の一問一答は以下の通り。?-岩崎でやられた。先頭を四球で出したところから「あとから見れば原因はあるけど、1点差ではこの球場は本塁打もあるしさ。3番(山田)からなので(本塁打を)ケアすれば、丁寧にいく中でそうなってしまうことも、もちろん優(岩崎)でもあるし。それは受け止めています」-渡辺、湯浅はしっかりと仕事「湯浅もこうやって1軍でこれだけ続けて投げるのは、もちろん初めてなわけで。その中で、最後も山崎にあれだけ粘られながら、しっかり切るというところも見事。やれることはやろうとしているのは結果にしっかりつながっている。自信を持ってどんどんやっていってくれたらいいし、そういうボールを見せてくれている。まあ、楽しみに」-6回無失点の西勇は「らしく、コーナー、高さを丁寧にいって無失点に抑えてくれている。嫌な流れもあったけど、野手もアウトにしてくれたりとか、悠輔(大山)の送球とかもあったので、まあよかったと思います」-最後ちょっと足を気にする場面も「はまりがよくない時もある。今後にどうこうということはないと思います」-打線が1点「もちろん、今年ずっと課題になっているので。1点で逃げ切りたい試合になってしまったけど、やっぱりもうちょっとね。今日は(佐藤)輝のところで(チャンスが)回ってきたけど、そこで1本出ればという場面があった。1点より2点、2点より3点というのが今のチームの課題」-1号ソロの糸原がいい形「状態が上がってきている。マルテとリュウ(梅野)もまだちょっと上がってないし、そうやって1人ずつ上がってくると線になっていく部分ができる。全体の調子というのを上げてもらうのが今は大事かなと思います」

◆阪神糸原健斗内野手(29)の今季1号ソロは、無念の空砲になった。9回裏、オスナがサヨナラ右犠飛。右翼糸井の返球を一塁後方で受け取った時には、すでに遅かった。懸命のバックホームも間に合わなかった。勝利の立役者になるはずだった。0-0の5回1死。サイスニードの高めチェンジアップを右翼席へたたき込んだ。値千金の一打で先制。昨年9月25日巨人戦(東京ドーム)以来、234日ぶりの1発だった。「塁に出ることだけを意識していたら、結果ホームランになった」。ベンチ前では緑色でライトが光る新作「虎メダル」を矢野監督から首にかけられた。ただ、この1点で勝てるほど昨季セ界王者は甘くなかった。4月は打率1割4分7厘と苦しみ、熊谷や小幡ら若手にスタメンを譲る試合も多かった。ベンチ裏では「崖っぷちや」と漏らした日もある。5試合連続安打、2試合連続の複数安打で5月は打率3割6分4厘。底は脱した。背番号33の復調は敗戦の中での朗報だ。プロ6年目で本塁打は節目の10本目。18年には当時の金本監督から、長打自慢の助っ人ロサリオになぞらえ、"コサリオ"と命名もされた。ツボにはまれば飛距離は出る。明大時代の主戦場、神宮ではプロ初アーチで「大学生でもあんまり打っていなかった。そういう意味ではホームランを打てて良かった」とうなずいた。2回裏1死一、三塁では、オスナの一塁ベース後方への飛球を滑り込みながらキャッチ。すぐさま本塁へ送球し、タッチアップを許さなかった。「なかなか状態が上がらなくてチームに迷惑をかけていた。取り返せるように1試合、1試合チームに貢献できるように頑張ります」。攻守に奮闘した夜。悔しさをグッと押し殺し、帰りのバスに乗り込んだ。【中野椋】

◆阪神アルカンタラ投手は12試合連続無失点の安定感だ。1点リードの7回1死から登板。5番中村に中前打を許すも、後続2人を難なく退けた。「リードしている状況でもらったバトンを、自分も0点でつなぐことができて良かった。今後もブルペン陣みんなで協力しながら抑えていけたらと思っているよ」。コメントからもブルペン陣の柱としての自覚が漂い始めている。

◆阪神湯浅京己投手(22)が1回0封で今季10ホールド目を挙げた。1点リードの8回に登板。2死二塁のピンチで気迫の投球を見せた。山崎との対決。2球で追い込みながら、粘りにあったが、屈しなかった。「とにかく気持ちで絶対に負けないという思いで投げました。粘られましたが、それ以上に粘ってやろうと」。負けじと7球目には自己最速タイの154キロをマーク。球場も沸くなかで、13球目。147キロの直球で見逃し三振。10試合連続で無失点で、自らの役割を果たした。敗れたが、投手陣は19試合連続3点差以下と安定した投球を継続している。セットアッパー湯浅がその屋台骨だ。矢野監督は「1軍でこれだけ投げるのは、もちろん初めてで。粘られた中、山崎でしっかり切るというところも見事やし、湯浅のやれることはやろうとしているのは結果にもつながっている。自信を持ってどんどんやっていってくれたらいいなと思う」と目を細めた。ここまで防御率1・10と成長著しい右腕は「これからもできることを継続していきたいと思いますし、少しでもチームの力になれるように1戦1戦、成長していきたい」と頼もしかった。【三宅ひとみ】

◆ヤクルトが今季2度目のサヨナラ勝ちで3連勝を飾り、首位をキープした。1点を追う9回1死一、三塁、青木宣親外野手(40)が阪神岩崎から右中間へ同点適時二塁打。なお1死二、三塁でホセ・オスナ内野手(29)が右翼へサヨナラ犠飛を放ち終止符を打った。ここまで打率2割台前半と不調だった2人が勝負どころで大仕事。青木は「なかなか打てなくて、ちょっとストレスたまってたので。よかったんじゃないですかね。オスナも」と笑顔を見せた。野手最年長が、助っ人の決勝打を自分のことのように喜んだ。「(手術のため帰国した)サンタナがいなくなって、オスナも話し相手がいない中でのプレーになる。ストレスを感じるところもあると思う。自分が米国でプレーしていたときもそうだった」と自身の経験を重ねた。遠征先などで食事に出かけ「2人で、まだまだシーズン長いから、毎日1本、打ちにいこうとか。そういうことは伝えてました」と言う。15日広島戦の引き分けに続き、本拠地でも粘り強さを発揮。青木は「こういう競った試合をとれているのはすごく大きい。少しずつ力がついていってるんじゃないかな」と、チームの確かな成長に手応えをつかんでいた。【鈴木正章】▽ヤクルト・オスナ(9回1死二、三塁からサヨナラ犠飛)「最高な気持ちです。粘って最後にいい形で勝てたと思います」▽ヤクルト・サイスニード(7回4安打1失点と好投)「中村の素晴らしいリードと野手の守備に引っ張られながら投げることが出来ました。信頼しているリリーフ陣につなぐことが出来たと思う」

◆阪神が痛恨のサヨナラ負けを喫した。1点リードの9回に守護神の岩崎優投手(30)がリードを守れず、サヨナラ犠飛を許し、今季初黒星となった。3月25日の開幕戦で最大7点差をひっくり返された相手に、またも勝ちきれなかった。ヤクルト、巨人との正念場の6連戦で初戦を落とし、早ければ19日にも自力優勝の可能性が消滅する。歓喜に沸く神宮で、岩崎はうつむきながらマウンドを降りた。今季5度目のサヨナラ負けだが、守護神で落とすのは初めて。「もちろん結果はね...」。矢野監督は痛恨の敗戦を受け入れるしかなかった。首位ヤクルト、巨人との上位6連戦は崖っぷちの虎にとって、まさに正念場の戦い。その初戦を落とし、19日にも自力優勝の可能性が消滅する事態となった。1点リードの9回。岩崎は先頭の3番山田にストレートの四球を与え、嫌な予感が漂った。4番村上に左翼フェンスギリギリまで運ばれる左飛。中村の中前打で1死一、三塁。青木に右中間へ同点適時二塁打、オスナにサヨナラ右犠飛と傾いた流れを止めることができなかった。指揮官は「あとから見れば原因はあるけど。3番からなんで、丁寧にいくって気持ちの中で、そういうふうになってしまうことも、もちろん優(岩崎)でもあるし」と振り返った。岩崎にとっては、13試合ぶりの失点。最大7点差をひっくり返された悪夢の開幕戦、3月25日ヤクルト戦以来だ。今季初黒星に、試合後は捕手坂本がマスクをかぶったまま、藤井彰バッテリーコーチと話し込んでいた。3連勝へあと1歩のところでの逆転負け。投手陣は19試合連続3失点以下と踏ん張っているが、2試合連続2桁安打だった打線がわずか4安打、糸原のソロだけ。6回以降は無安打と援護できなかった。矢野監督は「やっぱりもうちょっとね。輝のところで(チャンスが)まわってきたけど、そこで1本でれば」と嘆いた。4回無死一、二塁で佐藤輝が初球スライダーをひっかけ二ゴロ併殺に倒れた場面を悔やんだ。早くも自力優勝の可能性がなくなるのか。「全体の調子を上げてもらうのが今は大事」と指揮官は言うが、待ったなしで厳しい現実が迫ろうとしている。【石橋隆雄】?○...大山は本職ではない左翼で好送球を決めた。2回無死一塁、5番中村の左中間寄りの安打にチャージ。スタートを切っていた一塁走者村上が一気に三塁を狙う中、ワンバウンドのストライク返球で刺した。矢野監督も「流れの中で嫌なところもあったけど、野手もアウトにしてくれたり、悠輔の送球とか、そういうものもあった」と評価。地道な守備練習の成果を出した。○...渡辺は「村上キラー」を襲名する勢いだ。1点リードの7回無死、4番村上へのワンポイントで登板。フルカウントから外角低めの132キロ直球で空振り三振に仕留め、激しくガッツポーズした。村上とは今季4度の対戦で空振り三振3つと1四球。「しっかり自分の投球をすることができた。これからも自分が求められている役割をしっかりまっとうできるように準備していきたい」と気合十分だ。

◆阪神・糸原健斗内野手(29)が「7番・二塁」で出場。五回に右翼へ先制ソロを放った。「打ったのはチェンジアップ。なかなか得点が入らない中で、何が何でも出塁する気持ちで打席に立ちました。最高の結果になって良かったです」三、四回ともに出塁した先頭打者を得点圏に進めながら得点できなかったなか、五回1死で打席に入ると、サイスニードの投じたチェンジアップが高めに浮いたのを見逃さず振り抜いた。打球は一直線で右翼席に着弾。均衡を破る今季第1号だった。前の試合の15日のDeNA戦(横浜)では3安打の固め打ち。一発の前の第1打席でも左前打を放っており、これで5試合連続安打と好調だ。さらに勢いを加速させて放った貴重なアーチで、粘投を続ける西勇を援護した。

◆阪神・西勇輝投手(31)が先発し、6回4安打無失点で交代した。「(坂本)誠志郎にリードで引っ張ってもらって、うまく乗っていくことができました。野手陣の守りにも助けられましたし、チームの良い雰囲気にも後押しされて、粘りのピッチングをすることができたと思います」二回に1死一、三塁のピンチを招いたが、オスナを二飛、長岡を三邪飛に打ち取って脱出。その後は低めの内外を突く、ていねいな投球で強力打線を封じ込め、スコアボードにゼロを並べた。六回は1死から山崎に左前打で出塁を許し、続く山田との対戦の途中では足元を気にするようなしぐさを見せ、福原投手コーチとトレーナーがマウンドに駆け寄るシーンもあったが続投。一発のある山田を三ゴロ併殺に打ち取ると、グラブを何度もたたいて感情を表に出した。自身2連敗中のなかで迎えたサイスニードとの投手戦。84球の粘投で役目を終え、勝利投手の権利を持って七回以降を救援陣に託した。

◆右足の打撲から1軍復帰を果たしたヤクルト・清水昇投手が、0-1の八回から登板した。先頭打者の坂本を中飛、代打・高山を四球で歩かせたが、次打者・近本の初球で二盗を試みた代走・熊谷を、女房役の中村が好送球で阻止すると、清水は近本を3球三振に仕留め、1回を無安打無失点で切り抜けた。

◆阪神・西勇輝投手(31)が先発する。右腕は現在2連敗中で、ヤクルトには3日の対戦(甲子園)で黒星を喫した。それでも二回までに3失点(自責2)したなかで8回で3安打と粘り切り、完封勝利を挙げた小川と渡り合った。今季2度目の対戦で、リベンジを果たす好投に期待がかかる。

◆阪神・大山悠輔内野手(27)が「5番・左翼」で出場。二回の守備で見せ場が訪れた。この回先頭の村上が右前打で出塁。続く中村の打席でヤクルトベンチはエンドランを仕掛けた。中村はチェンジアップを拾って左前に運び、一走・村上は一気に三塁へ向かった。ここで打球を処理した大山は三塁へ素早くワンバウンド送球。見事に補殺を記録した。4月24日のヤクルト戦(神宮)での走塁で左足を痛めた影響もあり、10日の広島戦(甲子園)から守備面で三塁よりも負担の少ない左翼での出場が続いている。慣れないポジションではありながら肩で魅せ、先発の西勇を救った。

◆18日の阪神戦に先発するヤクルト・高橋奎二投手(25)は神宮外苑でダッシュなどで調整した。14日の広島戦で先発予定だったが13日の同戦が雨天中止の影響で流れ、中10日空けての登板となり「ずれた分、しっかり調整できる時間はあるので、いい意味に捉えて練習しています」とプラスに考える。14日には25歳の誕生日を迎えた左腕。開幕から無傷の4連勝を目指す。

◆阪神は九回に守護神・岩崎がつかまり、サヨナラ負けを喫した。西勇がヤクルトのサイスニードとの投手戦を繰り広げるなか、五回に糸原が右翼へ今季第1号となるソロ本塁打を放って先制した。西勇は二回に1死一、三塁のピンチでオスナと長岡を打ち取り、その後も無失点投球を続ける。六回には1死一塁で足元を気にするしぐさを見せたものの続投し、一発が出れば逆転となる場面で迎えた山田との対戦も三ゴロ併殺で切り抜けて、この回で交代した。七回以降は渡辺、アルカンタラ、湯浅とバトンをつなぎ、九回は岩崎が登板。しかし、先頭の山田に今季初めてとなる四球を与えると、1死一、三塁にピンチが広がり、青木に中堅への適時二塁打を浴びて試合は振り出しに。3月25日のヤクルトとの開幕戦(京セラ)以来、13試合ぶりの失点を喫すると、なおも二、三塁でオスナにはサヨナラ右犠飛を許し、試合を決められた。阪神は今季5度目のサヨナラ負け。岩崎は今季初黒星となった。阪神は18、19日もヤクルトに敗れると、今季44試合目にして、自力優勝の可能性が消滅する。

◆ヤクルトが逆転勝利。1点を追う九回1死一、三塁の好機を作ると、青木が同点となる適時二塁打。続くオスナは犠飛をきっちり打ち上げ、土壇場で試合をひっくり返した。先発・サイスニードは7回1失点の好投。八回は清水、九回は大西がスコアボードに「0」を並べた。決勝点を挙げたオスナのヒーローインタビューは以下の通り。--今の気持ちは?「最高な気持ちですね。ゲーム中ずっと粘って粘って投手陣も頑張ってましたし、最後にいい形で勝てたと思います」--九回、どんな気持ちで打席に入った「ノリさん(青木)素晴らしいヒットでしたね。今まですごい努力を重ねてましたし、やっと報われて良かったです。そして自分は甘い球を、強く振る球を待って、いいコンタクトができたと思います」--先発・サイスニード投手の投球はどう見てた?「サイもずっといいピッチングしてくれましたし、リリーフ陣も素晴らしいピッチングで最後までつないで。その結果、最後に逆転して勝てました」--明日からの意気込みを「とにかく1試合1試合全力で、粘って。シーズンの最後の方までずっと勝てるように頑張ります」

◆ヤクルトがサヨナラ勝ちで3連勝(1分け含む)を飾った。九回1死一塁から中村の中前打で、一走・山田が好走塁で三塁へ。すると1死一、三塁から、ベテランの青木が右中間へ適時二塁打を放ち、土壇場で同点に。さらに二、三塁からオスナが右犠飛を放ち、代走の三走・荒木がサヨナラの生還を果たした。

◆阪神は1点リードの九回、岩崎優投手(30)が1死一、三塁から青木宣親外野手(40)に同点二塁打を浴び、さらに1死二、三塁からホセ・オスナ内野手(29)に右犠飛を許して、逆転サヨナラ負けを喫した。岩崎は3月25日のヤクルトとの開幕戦(京セラD)以来、登板13試合ぶりの失点で今季初黒星(1勝5セーブ)。今季5度目のサヨナラ負けを喫した矢野耀大監督(53)の一問一答は以下の通り(チーム成績14勝27敗1分、観衆1万4212人)。ーー岩崎でやられたのは受け入れるしかない「いや、もちろん結果はね」ーー先頭打者に四球「まあまあ、後から見ればね、原因というか、あるけど。まあまあ、それは1点差っていうのは、この球場はホームランもあるしさ。3番からなんで、そういうところをケアしながらっていうふうになれば、丁寧にいく気持ちの中で、そういうふうになってしまうことも、もちろん優でもあるし。それは受け止めています」ーー渡辺、湯浅はしっかり仕事「湯浅もこうやって1軍でこんだけ続けて投げるのは、もちろん初めてなわけで。その中で最後もあんだけ粘られた中でね、山崎でしっかり切るというところも見事やし、今日の最初のヒットもバッターがしっかりうまく打ったなというような感じで。湯浅のやれることはやろうとしているのは結果にもつながっているので、自信を持ってどんどんやっていってくれたらいいなと思うし、そういうボールを見せてくれているので、まあ、楽しみに」ーー西勇は(6回無失点)「らしくコーナー、高さを丁寧にいくというところで、無失点に抑えてくれているし、流れの中で嫌なところもあったけど、野手もアウトにしてくれたりとか、悠輔(大山)の送球(二回無死一塁での左前打で、一走・村上を三塁で刺す)とか、そういうものもあったんで、まあよかったと思います」ーー最後ちょっと足を気にする場面も「まあ、まあ、よくと言うか、はまりがよくない時もあるので、今後にどうこうということはないと思います」ーー打線が「もちろんね、今年ずっと課題になっているんで。1点で逃げ切りたい試合になってしまったけど、やっぱりもうちょっとね。きょうは輝のところで(チャンスが)回ってきたけど、そこで一本出ればという場面があったので。1点より2点、2点より3点というのが今のチームの課題ではあるんで、そこかな」ーー糸原がいい形(五回に1号ソロ)「状態が上がってきているんで。マルテとリュウもまだちょっと上がってないし、そうやって一人ずつ上がってくると線としてなっていく部分ができると思うんで。全体の調子を上げてもらうのが今は大事かなと思います」

◆ヤクルトが逆転勝利。1点を追う九回1死一、三塁の好機を作ると、青木が同点となる適時二塁打。さらに続くオスナが犠飛をきっちり打ち上げ、土壇場で試合をひっくり返した。先発・サイスニードは7回1失点の好投。八回は清水、九回は大西がスコアボードに「0」を並べた。同点タイムリーを放った青木のヒーローインタビューは以下の通り。--今日の1勝はチームにとってどんな1勝になった「なかなか点数入らなかったので、なんとか1点という気持ちでした」--九回はどんな思いで打席に入った?「(山田、中村が)つないで自分にまわってきた。(山田)哲人がいい走塁してくれたので、気持ち楽に打席に入れました。オスナが決めてくれたので、遠征先でも『焼き肉連れて行ってくれ』って(言われる)。4本打った日もあったんですけど、先日も行ったんですけど、なかなか打てなくて。ちょっとストレス溜まってたので良かったんじゃないですかね、オスナも」--チームにとっても大きな1勝になったのでは「こういう競った試合をとれてるのはすごい大きいと思いますし、チームが粘れてますよね。ベンチで試合を見てても、守っててもそういうふうに感じますし。少しずつ力がついていってるんじゃないかなと思います」--(横に立ってる)つば九郎がカンペ持ってますけど、イケメン総選挙9位「いやぁ~若いころはもうちょっと人気あったんですけどね。ちょっと髪型が悪いんですかね、もうちょっと伸ばしたいと思います」--今日は試合前には1500試合出場のセレモニーもあった。どんな一日になりますか「記念行事があったときに活躍できることは嬉しく思いますし、神宮でのお立ち台が多い気がするのでファンがすごく好きみたいです。ありがとうございます、いつも」--ファンへメッセージを「いつも応援ありがとうございます。あしたあさって、その次も頑張っていきたいのでみんなで力を合わせて、一つ一つやっていきたいと思います。きょうはありがとうございました」

◆ヤクルトは0-1の九回1死一、三塁から青木が同点となる適時二塁打を放ち、続くオスナがサヨナラ右犠飛で逆転サヨナラ勝ちした。チームは1分けを挟んで3連勝。高津監督の試合後のインタビューは以下の通り。――最後は劇的でした「まあピッチャーがよく頑張ったのと、最後はよく打線がつないだのと、0-1であそこまでいけたところが、最後につながったのかなと思います。最後は決してみんな当たりはよくなかったですけど、気持ちのこもった打席で、つないでいったのかなという感じはします」――九回は一走・山田が中村の中前打で三塁へ好走塁「テツトはあれくらいの走塁はできるし、次へ次へというのは塁もそうだし、打線もそうだし、ピッチャーもそうだし。次に次にと積極的な気持ちをもってグラウンドに立っているのかと思いますね」――青木が決めた。打順も2番から6番になり苦しんでいるかと「2番もすごく大事な打順ですけど、僕的には6番もすごく大事な打順で、そこを任せられるのは誰でもというわけではない。打順は変わりましたけど、持ち場、持ち場で理解して仕事をしてくれるのが彼だと思っています」――決勝打のオスナも苦しんでいた「彼はね、大変だと思いますよ。(外国人は)野手一人で言葉も通じないので。そこは理解しているつもりです。でも苦しいながらもチームが勝つと楽しいでしょうし、楽しみを見つけてエンジョイして。これも野球の一部だというのは話をさせてもらっています」――オスナは試合前の円陣にも入っている「そこは若手、ベテラン、外国人関係なく入るのがウチですから」

◆オリックス、阪神で176勝を挙げ、引退後も両チームでコーチを務めたサンケイスポーツ専属評論家の星野伸之氏(56)が阪神打線に言及。「相手先発を楽に投げさせすぎ」と指摘し、苦言を呈したのは、ボール球に手を出し過ぎる攻撃陣だった。ベンチのさい配におかしな点は特に感じなかった。投手陣は渡辺のワンポイント起用を含めて、継投も的確で守護神・岩崎につなげた。攻撃では4番に強攻させたら併殺、熊谷を走らせたら失敗など、歯車がかみ合っていなかったが、決して責められる、さい配ではない。ただ肝心の岩崎が先頭打者・山田の初球から球が高く浮いて、制球を最後まで修正することができなかった。オスナに犠飛を許した場面も懸命に低めを狙ったのだろうが、すべて高めに入った。中5日がマイナスに作用したのかもしれない。とにかく調子が悪かった。どんな投手もシーズン中万全とはいかない。こんな日もある、と思うしかない。もちろん岩崎の乱調が敗因なのだが、それ以前に1点しか援護できなかった打線に苦言を呈したい。あれだけボール球を振ったら、相手は大助かりだ。各打者が初球から振ることを否定しないが、高めのボール球をファウルしたり、凡フライを打ち上げたり。これでは相手を楽にするだけ。ヤクルトバッテリーは佐藤輝には前回同様に徹底して高めのボール球で攻めた。それを見極められなかったのは悔やまれるが、二回などは大山、糸井もボール球に手を出しすぎ。先日(0ー3で敗れた10日の広島戦=甲子園)も床田に対して5回63球という試合があったが、この日のサイスニードも5回60球。阪神の攻撃がいかにあっさりしていたかの証拠だ。見極めていれば四球も選べただろうし、球数が増えれば、もっと早い回に降板していたかもしれない。サイスニードの投げていた球で、七回まで1失点という内容は考えられない。守護神に託して、負けたのだから仕方がないのだが、現状の阪神の成績を考えると、こういう試合はきっちり勝っていかないと浮上は厳しいし、何よりも勢いがつかない。「仕方ない」が許されるのは上位のチーム。巻き返すチームには痛恨の敗戦だった。

◆驚きの声が神宮にこだまする。白球はバックする右翼手・山崎の頭上を越え、スタンド最前列に吸い込まれた。幻の第1号から2日後。糸原が正真正銘、文句なしの今季1号ホームランだ。「塁に出ることだけを意識していたら結果、ホームランになりました」0-0の五回1死。サイスニードの高めに浮いた130キロチェンジアップを振り切った。先制の1号ソロ。跳ねるように三塁ベンチへ戻ると、矢野監督から虎メダルをかけられ、満面の笑みを浮かべた。柵を越えればええんや! 15日のDeNA戦(横浜)。九回1死に放った打球は、スライディングキャッチを試みた右翼手のグラブの横を抜けた。ボールが外野を転々とする間に一気に本塁へと生還。ランニング本塁打...と思われたが、記録は安打と失策だった。糸井がツイッターで「健斗(糸原)のはランニングHRでは...」と投稿するほど微妙な判定。そんな幻弾を取り返した。神宮は、明大時代に〝庭〟としてきた球場だ。ただ、東京六大学リーグ4年間で、ホームランは3年春に1本だけ。プロ入り後も、これが神宮初アーチだった。「大学生でもあんまり(ホームランを)打っていなかったので、大学からここでやっているんですけど、そういう意味ではホームランを打ててよかったです」開幕直後から不振に苦しみ、一時は打率・167まで落ち込んだ。しかし、ここに来て復調著しい。この日は三回にチーム初安打の左前打を放ち、2試合連続複数安打&5試合連続安打。そして、プロ通算10本目のアーチが飛び出した。二回の守備では右翼線に落ちそうな打球をダッシュ一閃で好捕。矢野監督も「状態が上がってきている」とうなずいた。「これまでなかなか状態が上がらなくてチームに迷惑をかけていたので、それを取り返せるように1試合、1試合、チームに貢献できるように頑張ります」こぼしてきた勝ち星をひとつずつ取り返す。次は幻の決勝弾ではなく、正真正銘の決勝弾を放ってみせる。(原田遼太郎)

◆ホンマかいな...。阪神は12試合連続無失点だった守護神・岩崎優投手(30)が九回につかまり、首位ヤクルトに1―2で逆転サヨナラ負け。相変わらず貧打に苦しむ打線は1点しか奪えず、1試合3失点以下が19試合に伸びた投手陣をまたも援護できなかった。18、19日もヤクルトに連敗すれば、5月なのに早くも自力優勝の可能性が消滅。そ、そんなん嫌や! なんとかして~!!視線を上げることも、ベンチへ戻ることもできない。ファウルグラウンドを引き揚げる守護神の背中が、この1敗がもたらすショックの大きさを物語った。1-0からの痛恨逆転サヨナラ負けで頼みの岩崎まで散り、最短で19日にも自力V消滅の危機。矢野監督が打てる手は、もうなかった。「丁寧にいくっていう気持ちの中でそういうふう(先頭への四球)になってしまうことも、もちろん優(岩崎)でもあるし。それは受け止めています」狭い神宮。打線の援護は1点だけ。3番・山田から始まる九回。嫌な予感は誰もが抱いた。それでも、いつも顔色ひとつ変えずに抑える岩崎なら勝利をもたらしてくれると、誰もが信じていた。いきなり山田にストレートの四球を与える。今季14度目の登板で初の四球だった。続く村上には左翼フェンス際への大飛球を浴びて肝を冷やしたが、ここで救われたわけではなかった。中村に中前打、青木に右中間への同点二塁打を浴び、一気に崖っぷちに。続くオスナに犠飛を許して万事休す。必死で本塁のバックアップに回ったが、そのまま相手の歓喜を見届けるしかなかった。絶望的な黒星をもたらす開幕戦以来13試合ぶりの失点。チームのサヨナラ負けは今季5度目となった。 虎が誇ってきた勝ち方も崩れ去った。先発の西勇が6回無失点と踏ん張り、七回から満を持して1点差を守る継投に入った。渡辺がワンポイントで村上を封じ、アルカンタラが2死を奪った。八回は湯浅が「0」のままバトンをつないだ。4月15日の巨人戦(甲子園)から六回終了時点でリードしていれば、10連勝中だった。強力投手陣で貧打をカバーしてきた。チームの1試合3失点以下も19試合連続試合に伸びたが、最後の最後に、最も見たくない結末を見ることになってしまった。18、19日もヤクルトに連敗すれば、近年で最速だった2001年の67試合を大幅に更新し、44試合目で自力優勝の可能性が消滅する。開幕直後に巨人に引き離されて同様の危機を迎えていたが、その危機から遠ざかったと思った矢先、昨季も優勝をさらわれた燕に引き離される。現実にそうなってしまえば、まだ交流戦前という屈辱付きだ。打線が序盤に相手先発を仕留め切れず、投手陣が泣きをみる。同じことばかり繰り返している。矢野監督も「今年ずっと課題になっているんで。1点で逃げ切りたい試合になってしまったけど、やっぱりもうちょっとね。1点より2点、2点より3点というのが今のチームの課題ではあるんで、そこかな」と繰り返すしかなかった。耐え切れず、ついに敗れて去るしかなかった岩崎の背中は、絶望的な状況の訪れをはっきりと告げている。(長友孝輔)

◆右足の打撲で離脱していたヤクルト・清水昇投手(25)が1軍復帰。0-1の八回に2番手で登板し、1回無安打無失点と好投し、九回サヨナラ勝ちへの流れを作った。最速148キロの直球とフォークボールを低めに集め、先頭の坂本を中飛。代打・高山には四球を与えたが、続く近本の打席で女房役の中村が代走・熊谷の二盗を阻止。勢いづいた右腕は近本を3球三振に仕留めた。「自分の体を見直すきっかけになったので、すごく、いい時間になった」。4月17日のDeNA戦(横浜)で右足に打球を受けて途中降板。19日に出場選手登録から外れた。離脱期間中は投球フォームを再考察するなど、有意義に過ごした。「勝ったまま、終われるリリーフ陣は絶対に作りたい。その中の一人であることは間違いない」。高津監督は2年連続で最優秀中継ぎのタイトルを獲得したリリーフエースの戦列復帰を歓迎した。盤石の中継ぎ陣とともに、燕は首位固めを狙う。(湯浅大)

◆3勝目はつかめなかったが無敗を継続した。先発のサイスニードが今季最長の7回を投げて4安打1失点と好投し「中村の素晴らしいリードと野手の守備に引っ張られながら投げられた。信頼しているリリーフ陣につなぐことができた」と納得の表情。高津監督は「よくゲームをつくってくれた」と助っ人右腕を評価した。

◆ヤクルトは17日、阪神10回戦(神宮)に2―1で今季2度目のサヨナラ勝ち。1点を追いかける九回1死一、三塁で青木宣親外野手(40)が同点二塁打を放つと、最後はホセ・オスナ内野手(29)が右犠飛で劇的勝利を飾った。本拠地では試合前時点で5勝10敗と苦戦していたが、最後に打線がつながり、セ・リーグ首位の座を死守。3連勝(1分け挟む)で今季最多の貯金8となった。) 勝利の女神が最後にほほ笑んだ。0-1で迎えた九回。青木の同点打が出て、なお1死二、三塁。オスナが捉えた打球が右翼に伸びていく。犠飛で三走の荒木がホームインすると、代走を送られ、ベンチに下がっていた青木も、ダッシュで歓喜の輪に加わった。「みんながつないで自分に回ってきた。(山田)哲人が本当にいい走塁をしてくれて、楽な気持ちで打席に入りました。オスナが最後決めてくれたので良かった!!」今季2度目のサヨナラ勝ち。同点打の青木がお立ち台で破顔一笑だ。高津監督も「よく打線がつないだ。0-1で九回までいけたところが、最後につながったのかなと。決してみんな当たりは良くなかったけど、気持ちがこもった打席でつないでいった」と興奮気味に振り返った。試合前時点で今季の主催ゲームは6勝11敗。神宮球場では5勝10敗と大きく負け越していた。この日も最下位阪神に八回まで、無得点と苦戦を強いられていたが、スタンドの燕党もナインも、諦めていなかった。 九回は先頭の山田が四球で出塁すると、中村が中前打。好スタートを切った山田は一気に三進した。ここで今季2度目の6番に入った青木が阪神5番手、岩崎のスライダーを狙いすましたかのように一閃。右中間へ値千金の同点打を放った。青木とオスナ。2人のヒーローは深い絆で結ばれている。ともに中心選手として開幕から出場を続けていたが、打率は2割台前半と低迷。2012-17年に米大リーグでプレーした青木は自身の経験を生かしながら、異国の地で戦うオスナを支えた。もう一人の助っ人、サンタナが4月に故障で離脱した後は「2人で頑張ろう」と孤立しないように常に声をかけた。遠征先では2人で焼き肉に出かけ、〝決起集会〟を開いたこともあった。「なかなか、話し相手がいない中でのプレーになって、言葉の違いでストレスを感じることもある。それは自分がアメリカでプレーしていたときもそうだったので、当然。毎日1本は打ちにいこうと伝えていた」自身も開幕から状態が上がらず、4月15日のDeNA戦(横浜)では気合を入れるために頭を丸めて登場した。不調でも明るく振る舞い、チームメートを笑顔にした。全てはチームの勝利のためだった。巨人が逆転サヨナラ勝ちで迫る中、ヤクルトも逆転サヨナラ勝ちで首位の座を死守した。1分けを挟んで3連勝。貯金は今季最多の「8」となった。「ホームでもね。勝てるようになってくるとよりチームも勢いづいてくる。チームは今、粘れているような気がする。いい勝ち方ができた」と青木はうなずいた。燕をこよなく愛するベテランが連覇へと導く。(森祥太郎)★助っ人大興奮 苦労が報われる瞬間だった。試合前時点で打率・217と低迷していたオスナがサヨナラ犠飛を放った。お立ち台には、公私でサポートしてくれている英語通訳の水島聖也氏と一緒に上がり、「最高な気持ちです。今まですごい努力を重ねてましたし、やっと報われて良かった。強く振ることのできる球を待って、いいコンタクトができた」と興奮気味に語った。来日2年目の助っ人にも笑顔が戻った。

◆湯浅は1点リードの八回に登板し、気迫の投球を披露した。1死二塁のピンチを招くも、まずは塩見をフォークで遊ゴロに。山崎にはファウルで粘られたが、直球を続けて13球目に見逃し三振に仕留めた。「粘られましたが、それ以上に粘ってやろうと思って投げました」と胸を張った。これで節目の10ホールド目。「任された場面で、自分の仕事を全うしてきた結果」とうなずいた。

◆左足を痛め、負担軽減のためにこの日も左翼でスタメン出場した大山が守備で魅せた。二回無死一塁でヤクルト・中村は左前打。スタートを切っていた一走・村上は一気に三塁を狙ったが、ワンバンのストライク送球で刺し、プロ初となる外野での補殺でピンチを救った。矢野監督は「悠輔(大山)の送球とかそういうものもあったんで、まあよかったと思います」と評価していた。

◆西勇は6回4安打無失点で勝利投手の権利を持って降板したが、3試合連続で白星はならなかった。3連打された二回のピンチは大山や糸原の好プレーに救われ「野手陣の守りにも助けられましたし、チームのいい雰囲気にも後押しされて、粘りの投球ができた」と広報を通じたコメントに充実感をにじませた。六回には足下を気にして福原投手コーチらが駆け寄る場面も。矢野監督は「よくというか、はまりがよくない時もある。今後にどうこうということはない」と問題なしを強調した。

◆自分の銀行口座に、知らない間に4630万円振り込まれていたら...。自分ならどうするだろうか? 今、世間を騒がせている大事件。あれこれ想像してしまう。〝持ち逃げ〟する選択肢は持ち合わせていないが-。一昨日に発表されたプロ野球選手の平均年俸が4312万円だった。阪神の平均は、それより下の3456万円。この金額が、夢の職業にふさわしい数字かどうかは、読者にお任せするとして、やっぱりスゴいプロ野球選手。彼らが1年に稼ぐ額よりも、さらに上の金額が、山口県のあの人の通帳には、記帳されたわけだ。ビックリしただろうなぁ。でも、プロ野球選手は、打者ならヒットを1本1本積み重ね、投手なら1球1球投げ続けて、結果を残して、ようやくウン千万円、ウン億円稼ぐスターになっていく。地道な努力の積み重ねがあってこその、ウン千万円だ。ある日突然、という話ではない。その地道な1本の安打の記録を巡って、トラ番キャップ・長友孝輔が日曜日からずっと気になっていることがあった。15日のDeNA戦。糸原が放ったライト方向への打球が、ランニングホームランではなく「右前打と失策」の記録になってしまっていたことだった。「きょう、セ・リーグの杵渕統括が球場に来て、矢野監督と話していたんですよ。ひょっとしたら記録の訂正があるんでは、と期待していたんですが、笑顔で話は終わりました。現時点ではまだホームランへの訂正はないみたいです。糸原にしたら、大きいですよ。ホームランかどうかは」 長友の主張はよく分かる。シーズンが終わって、球団が年俸を決めるときに、ホームランが「1」か「0」では、やっぱり違うはず。糸原のためにも...と話し込んだのが試合前だった。こちらの同情話を知ってか知らずか、五回、糸原が今度こそ文句なしのスタンドインの1号を放った。ストーリーとしては、実によくできた展開だ。勝負師・糸原だ。とはいえ、本当なら「2号」だったかもしれないわけで、やっぱり、訂正にならないのかなぁと思ってしまう。何度も書く。プロ野球選手の年俸は積み重ねだから。当番デスク席に電話したら、野下俊晴が出てきた。「きょうは、先日受診した健康診断の結果が各自に通知されまして。恐る恐る開けてみたら、コレステロールの数値がレッドラインを超えてしまってました。赤字で〝異常〟を突き付けられると、気分的にはめいりますね。阪神がもっと勝ってくれていたら、精神的にも安定して、数値も正常だったんじゃないか、と思ったりしてます」健康診断の数値も、表現は悪いが〝地道な不摂生〟の積み重ねと言えなくもない。年々、数値が悪くなり、再検査の頻度が増えているヤツも、社内には多い。〝タイガース命〟のスポーツ新聞で働いていると「健康診断の結果が悪いのはタイガースのせい」と責任を転嫁する野下のようなタイプも現れたりする。私もそうだ。そして、阪神の勝敗で健康診断の数値が乱高下するタイプの人には最悪の試合になってしまった。悪夢の逆転サヨナラ負け。あぁ、血圧が...。コレステロールが...。γ-GTPが...。

◆現在の時刻は、わが阪神がヤクルトにサヨナラ負けを喫した5月17日午後8時51分である。原稿を入れる時間が迫っており、もし事情があったのなら申し訳ないが(トラ番記者も試合中のことで分からないのが現状です)、西勇輝が6回、まだ84球で4安打無失点に抑えているのに、交代させたのはなんでやー!?!?!?!?ホントに申し訳ないけど...もし、これが故障など西勇投手自身のアクシデントでなかったとしたら(変な話だけどアクシデントと思いたい...。でも、決して大きくない)、もうムリです!!いや、やはり何かあったと思う...ことにします! じゃねーとファンやっとられんわー!!さらに、得点力の低い阪神を分かっているのなら、1点リードの八回1死一塁で近本に送りバントで、最絶好調の中野の打席にかける采配をしてほしかったのだ!!まだ、ペナントレースは約100試合あるのだから矢野さん、そこは細かく頼みます!! うむ...まだ100試合...思い切って...いやいや...とにかく頑張れー!

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ヤクルト
23151 0.605
(↑0.01)
-
(-)
104147
(+2)
128
(+1)
36
(-)
24
(-)
0.232
(↑0.001
2.860
(↑0.04)
2
(1↑)
巨人
25190 0.568
(↑0.01)
1
(-)
99176
(+3)
183
(+2)
48
(-)
15
(-)
0.245
(↓0.001)
3.560
(↑0.04)
3
(1↓)
広島
22172 0.564
(↓0.015)
1.5
(↓1)
102177
(+2)
132
(+3)
19
(-)
8
(-)
0.260
(↓0.001)
2.970
(↓0.01)
4
(-)
中日
20200 0.500
(↓0.013)
4
(↓1)
103131
(-)
138
(+4)
25
(-)
14
(-)
0.249
(↓0.002)
3.320
(↓0.02)
5
(-)
DeNA
15210 0.417
(↑0.017)
7
(-)
107124
(+4)
166
(-)
27
(+1)
14
(-)
0.243
(-)
4.120
(↑0.12)
6
(-)
阪神
14271 0.341
(↓0.009)
10.5
(↓1)
101128
(+1)
136
(+2)
29
(+1)
25
(-)
0.227
(↓0.002)
3.090
(↑0.03)