巨人(☆5対2★)中日 =リーグ戦7回戦(2022.05.13)・東京ドーム=
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中日
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巨人
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勝利投手:戸郷 翔征(5勝2敗0S)
(セーブ:大勢(1勝1敗14S))
敗戦投手:清水 達也(3勝1敗0S)

本塁打
【中日】ビシエド(3号・6回表ソロ)
【巨人】丸 佳浩(8号・1回裏ソロ),中田 翔(3号・8回裏2ラン)

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◆投打のかみ合った巨人が勝利。巨人は2-2で迎えた7回裏、ポランコが適時打を放ち、勝ち越しに成功する。続く8回には、中田が2ランを放ち、貴重な追加点を挙げた。投げては、先発・戸郷が7回5安打2失点の粘投で今季5勝目。敗れた中日は、投打ともに精彩を欠いた。

◆巨人戸郷翔征投手(22)が中日戦今季初登板。中日戦は通算2勝2敗だが、バンテリンドームで0勝2敗に対し東京ドームで2勝0敗。本拠地中日戦は17イニングを投げて、失点が2点しかない。

◆正捕手の代役がバットでも存在感を見せつけた。1点を追う2回2死一、二塁。中日石橋康太捕手(21)が巨人先発戸郷から中前に同点タイムリーを放った。プロ入り初めて1軍公式戦でバッテリーを組んだエース大野雄大投手を援護射撃した。「まだまだ試合は始まったばかりなので試合に勝てるようにもっと頑張ります」クレバーな一振りだった。戸郷の初球、2球目のスライダーを見送って2ストライクを先行された。ファウルなどで粘りカウント2ボール2ストライク。7球目に決めにきた外角スライダーをはじき返した。プロ入り1年目で初スタメン出場した19年7月9日広島戦(ナゴヤドーム)での2点三塁打以来、1039日ぶりの打点にも喜びは封印した。正捕手・木下が5月8日の阪神戦(バンテリンドーム)試合後に新型コロナウイルス陽性判定を受け、翌9日に出場選手登録を抹消された。10日のヤクルト戦(神宮)からスタメンマスクをかぶり、先発の小笠原、岡野だけでなく、リリーフ陣を好リード。「本当に投手に助けてもらっている。投手が強い気持ちで投げてくれたので、冷静にリードすることができた」。チームを敵地神宮で2試合連続完封勝利に導き、納得の表情を見せていた。4回1死一塁で大野雄が岡本和に四球を与えるとマウンドに駆け寄った。5回2死一塁ではプロ入り初めて盗塁を刺し左腕を援護。4年目の21歳が正捕手に負けない輝きを放ち出した。

◆巨人中田翔内野手(33)がプロ通算1521試合目で初犠打を決めた。同点の4回無死一、二塁。中田がバントの構えを見せると、場内からどよめきが起き、中日バッテリーも思わず間を置いた。1球目はファウルも、2球目を投手前に転がし、16年目にしてプロ初の犠打を成功させた。次打者大城の二ゴロの間に三塁走者が生還。中田の犠打が勝ち越しにつながった。▼中田翔が4回、通算6245打席目でプロ初の犠打。初犠打までに6000打席以上要したのは、73年張本勲(日拓)以来2人目。張本は8月30日近鉄戦で通算7669打席目で初犠打を記録しており、中田は史上2番目の遅い犠打だった。なお、6000打席以上で1度も犠打がなかった選手にはローズ(オリックス=7320打席)ラミレス(DeNA=7152打席)田淵(西武=6875打席)がいる。

◆巨人丸佳浩外野手(33)が、14イニング連続無失点中で、前回登板の阪神戦では10回2死まで完全投球を続けた中日大野雄大投手から先頭打者アーチを決めた。1回先頭、ファウルの後の2球目を右翼席へ8号先制ソロ。昨年8月31日ヤクルト戦以来、自身7本目の先頭打者本塁打を決めると、ベンチに戻ると両手で頭上に「○」をつくる、お得意の丸ポーズを披露した。この日から、巨人はコロナ禍で2年間実施していなかった、得点シーンでオレンジタオルを回すことを呼びかける場内演出「FULL SWING TIME」(フルスイングタイム)を再開。丸の一発に、右翼席を中心に巨人ファンが陣取るスタンドが、オレンジカラーで揺れた。

◆中日大野雄大投手(33)の連続無失点イニングが「14」で止まった。初回先頭の丸にカウント1ボールから2球目141キロストレートを右翼スタンドへ。先制8号ソロを許した。前回6日阪神戦(バンテリンドーム)では10回2死まで完全投球を続け10回1安打完封勝利。4月28日阪神戦(甲子園)から続けてきた連続無失点が止まった。

◆巨人中田翔内野手(33)がプロ通算1521試合目で初犠打を決めた。同点の4回無死一、二塁。中田がバントの構えを見せると、場内からどよめきが起き、中日バッテリーも思わず間を置いた。▼中田翔が4回、通算6245打席目でプロ初の犠打。初犠打までに6000打席以上要したのは、73年張本勲(日拓)以来2人目。張本は8月30日近鉄戦で通算7669打席目で初犠打を記録しており、中田は史上2番目の遅い犠打だった。なお、6000打席以上で1度も犠打がなかった選手にはローズ(オリックス=7320打席)ラミレス(DeNA=7152打席)田淵(西武=6875打席)がいる。

◆巨人中田翔内野手(33)が「小技」と「大技」のコンビネーションを鮮やかに決めた。同点の4回無死一、二塁。中田がバントの構えを見せると、場内からどよめきが起き、中日バッテリーも思わず間を置いた。1球目はファウルも、2球目を投手前に転がし、15年目にしてプロ初の犠打を成功させた。プロ通算1521試合目で初犠打をマークした。「初めてのバントで緊張しました。成功できて良かったです。チームの勝利のために全力でプレーするだけです」。次打者大城の二ゴロの間に三塁走者が生還。中田の犠打が勝ち越しにつながった。1点リードの8回には真骨頂を発揮した。無死一塁、中日山本の初球148キロ直球を強振。打った瞬間の一打は左中間席中段に3号2ランを放り込んだ。「自分のスイングで一発で捉えることが出来て良かったです。投手陣が粘っていたので何とか追加点を取ってあげたいと思っていました。最高の結果になって良かったです」不振による2軍再調整を経て、1軍にはい上がってきた長距離砲が4月3日阪神戦以来の1発をかちこんだ。?▼中田翔が4回、通算6245打席目でプロ初の犠打。初犠打までに6000打席以上要したのは、73年張本勲(日拓)以来2人目。張本は8月30日近鉄戦で通算7669打席目で初犠打を記録しており、中田は史上2番目の遅い犠打だった。なお、6000打席以上で1度も犠打がなかった選手にはローズ(オリックス=7320打席)ラミレス(DeNA=7152打席)田淵(西武=6875打席)がいる。

◆「忍」を貫く巨人原辰徳監督が、勝負どころで動いた。同点の7回2死一、三塁、打者ポランコ。カウント1-1から一塁走者ウォーカーとエンドランを敢行。打球は二塁のベースカバーに入ろうとした遊撃手の逆を突き、左前へ。決勝点を力ずくで、もぎ取った。「どういう経緯というのはともかくとしてもね、2死からつないでああいった形で点を取れたというのはよかった」と大きくうなずいた。1、2番を務める吉川と坂本の二遊間コンビが故障離脱し、一時は4位まで転落。今は1点を着実に積み上げて、打開を図る。4回には「1死をあげてでも二塁、三塁にしたかった」と5番中田にプロ初犠打を指示。得点の確率を上げる攻めの作戦に、選手がきっちり応えて白星をつかんだ。今月初の連勝。連敗を5で止めた12日に「続くよ、どこまでも」と話した「我慢」の出口は見えてきたか-。「我慢は続くよ、どこまでも。どこまでも」と笑顔で声のトーンを上げた。?○...2試合連続で1番に入った丸が快音を鳴らした。1回先頭で中日大野雄の141キロ直球を右翼席中段に放り込んだ。8号先制アーチに「浮いてきた甘い球をしっかりと仕留めることができてました。先制できて良かったです」とコメント。7回には決勝のホームを踏み、リードオフマンの役割を堂々と担った。○...ポランコが20年沢村賞左腕を完全攻略した。中日大野雄に3打数3安打の猛打賞でたたみかけた。7回2死一、三塁ではエンドランで三遊間を抜く決勝打もマーク。通算でも6打数6安打の打率10割の好相性を誇り「非常に素晴らしい選手で、ストライクゾーンに積極的に投げてくるので積極的に振りにいきました」。前日DeNA戦の第2打席から7打数連続安打となった。○...リーグ単独トップの5勝目を挙げた戸郷翔征投手が反省点を口にした。「良いボールが逆になかったぐらい」と言う調子ながら、7回2失点にまとめたが「(登板)7試合、全部点を取られている。野手の方も中継ぎの方も、もっと楽に次の日を迎えてもらえるような投手になりたい」と笑顔は少なめ。原監督も将来のエースにと期待するからこそ「詰め、勝負という点で、自分に厳しくやってもらいたい」と、あえて苦言を呈した。

◆中日大野雄大投手の6回2失点の粘投も報われなかった。同点の7回から2番手清水にスイッチ。2死一、三塁のピンチで、スタートを切った一塁走者の動きに遊撃溝脇がつられて、大きく空いた三遊間をポランコに破られた。立浪監督は、「致命的なミスだった」とがっくり。これが勝ち越しの左前打となり、2連敗となった。▽中日大野雄(今季最多3与四球で、6回6安打3失点)「石橋は荒れている投手をリードしてくれた。攻めのリードに次は応えたい」

◆がむしゃらに、豪快に、巨人中田翔内野手(33)が2連勝に貢献した。4回無死一、二塁では、プロ15年目で初めての犠打を決めて得点をお膳立て。1点リードの8回には、勝利を決定付ける3号2ランを放った。開幕前の絶好調から一転して不振に苦しみ、2軍落ちも経験。自身の復活とチームの再進撃へ、なりふり構わずがむしゃらな姿で、チームに上昇気流を吹き込んでいく。]表情が物語る。「よっしゃー!」と叫ぶ中田たる迫力が打った瞬間、東京ドームに広がった。8回無死一塁から勝利を確実にする3号2ラン。中日山本の高めに来た148キロの初球を振り抜き、左中間席へ120メートルの大きな弧を描いた。「勝利につながる1発が打てて良かった」。ダイヤモンドを回り終え迎えるチームメートに、怒りにも似た迫力ある形相でエルボータッチし、喜びを爆発させた。犠打を決め、ベンチに戻ったそれとは対照的だった。同点の4回無死一、二塁、打点王3度の男に出されたサインはバント。3万4852人の観衆がどよめき、中日大野雄が思わずプレートを外した。決めればプロ通算1521試合目で初の犠打に驚くのは当然だった。1球目はファウルも131キロの2球目を投手前に転がし、成功。次打者大城の二ゴロの間に三塁走者が生還し、一時は勝ち越しとなる得点につなげた。初犠打を決め戻ったベンチ。仲間のハイタッチに応じつつも表情は緩まない。球界を代表するスラッガーだけに戸惑いや葛藤がなかったとは言えない状況。それでも「初めてのバントで緊張したが、成功できて良かった」とプロの仕事をした。打率1割8分8厘、2本塁打と打撃不振に陥り4月22日に再調整で出場選手登録を抹消された。それでも2軍で確実に結果を残す。雨天ノーゲームとなった試合も含め"10戦6発"。10日の1軍復帰を勝ち取った。原監督は「チームが勝つことが大前提と日ごろより彼と話をしていた。非常に献身性のある選手。いいバントだった」と褒めちぎった。試合後の中田の表情は淡々としていた。「チームの勝利のために全力でプレーするだけ」。泥臭さも派手さも、勝利のためにはいとわない。【三須一紀】▼中田翔が4回、通算6245打席目でプロ初の犠打。初犠打までに6000打席以上要したのは、73年張本勲(日拓)以来2人目。張本は8月30日近鉄戦で通算7669打席目で初犠打を記録しており、中田は史上2番目の遅い犠打だった。なお、6000打席以上で1度も犠打がなかった選手にはローズ(オリックス=7320打席)ラミレス(DeNA=7152打席)田淵(西武=6875打席)がいる。

◆中日大野雄大投手が粘りの投球で6回を6安打2失点にまとめたが、チームを勝利に導けなかった。前回6日の阪神戦(バンテリンドーム)で10回2死まで完全投球を続け、1安打完封勝利を挙げていた。「あれだけの投球をした後で、次に求められるものを感じながらやってきた」。エースの自覚でマウンドに上がったが、初回、巨人先頭丸に2球目を右翼スタンドに運ばれた。4回には岡本和への四球でピンチを広げ、1死二、三塁から大城のニゴロの間に勝ち越し点を許した。今季最多3与四球と制球に苦しんだ。それでも2失点に抑えられたのは、コロナ感染の木下に代わる捕手の存在が大きかった。4年目石橋とプロ入り初めてバッテリーを組んだ。「石橋はどっちが年上かと思うほどの落ち着きだった。荒れていた投手を強気にリードしてくれた」とたたえた。チームはリリーフ陣が崩れて、大野雄の降板後に3失点で2連敗となった。「次は石橋のリードに応えたい」。若手の発奮を刺激に、エースが次戦の快投を誓った。【伊東大介】▽中日清水(同点の7回にポランコに決勝打を許し今季初黒星) 同点のまま次の投手につなぎたかった。自分の役割を果たせず申し訳ない。○...終盤に突き放され、巨人戦はこれで7試合で5敗目となった。立浪監督が肩を落としたのは、同点で迎えた7回の守備だ。2番手清水にスイッチ。2死一、三塁でスタートを切った一塁走者の動きに遊撃溝脇がつられ、空いた三遊間をポランコに破られ勝ち越された。立浪監督は、「あそこは走ってくるのは想定しているが、動かなくてもいいところ。致命的なミスだった」とため息をついた。○...3戦連続で4番を外れたダヤン・ビシエド内野手が3号ソロを放った。6回に巨人戸郷から左翼席に19試合ぶりの1発。「完璧にとらえることができた。今日は割といいスイングができて球を捉えられた。9番でもどの打順でもとにかく自分の仕事をする」。打率2割3分6厘と低迷中でこの日は6番で先発。立浪監督、リナレス巡回コーチらと打撃修正に取り組んでおり、復調への兆しを見せた。

◆リーグ単独トップの5勝目を挙げた巨人戸郷が反省点を口にした。「良いボールが逆になかったぐらい」と言う調子ながら、7回2失点にまとめたが「(登板)7試合、全部点を取られている。野手の方も中継ぎの方も、もっと楽に次の日を迎えてもらえるような投手になりたい」と笑顔は少なめ。原監督も将来のエースにと期待するからこそ「詰め、勝負という点で、自分に厳しくやってもらいたい」と、あえて苦言を呈した。

◆巨人ポランコが20年沢村賞左腕を完全攻略した。中日大野雄に3打数3安打の猛打賞でたたみかけた。7回2死一、三塁ではエンドランで三遊間を抜く決勝打もマーク。通算でも6打数6安打の打率10割の好相性を誇り「非常に素晴らしい選手で、ストライクゾーンに積極的に投げてくるので積極的に振りにいきました」。前日DeNA戦の第2打席から7打数連続安打となった。

◆巨人・中田翔内野手(33)が、プロ初犠打をマークした。1―1の四回無死一、二塁で、巨人ベンチは「5番・一塁」で先発した中田に送りバントのサイン。通算266発の大砲がバントの構えに入ると、場内が大きくどよめいた。 中日・大野雄が中田に投じた1球目はファウルとなったが、2球目を投前に転がし、成功。プロ15年目、通算1521試合目、同6245打席目で初犠打を記録した。その後1死二、三塁で大城の二ゴロの間に1点が入り、中田の犠打が勝ち越し点を呼び込んだ。

◆巨人の丸が昨年8月以来、7本目となる初回先頭打者本塁打を放った。前回登板で惜しくも完全試合を逃した大野雄の高めの141キロ速球を強振。打球はオレンジ色に染まった右翼席に吸い込まれた。12試合ぶりの一発となる8号となり「浮いてきた球をしっかりと仕留めることができた」とコメントした。相手のエースからは3月25日の開幕戦でもソロ本塁打を放っていた。試合前まで、左投手は打率3割1分8厘、4本塁打に対し、右投手は打率2割2分、3本塁打。左投げを苦にしない左打者が、負傷の吉川に代わって入った1番で仕事をした。

◆巨人は2―2の七回にポランコの適時打で勝ち越し、八回に中田の2ランでリードを広げた。先発の戸郷は7回を2失点と粘ってリーグトップの5勝目を挙げた。中日は大野雄が6回を2失点と踏ん張ったが、打線が援護できなかった。

◆巨人・中田翔内野手(33)が、プロ初犠打と3号3ランで勝利に貢献した。四回無死一、二塁での第2打席、ベンチからバントのサインが送られ、プロ15年目、通算1521試合目、同6245打席目で初めてとなる犠打を成功させた。) 1点リードの八回無死一塁では駄目押しの3号2ランで大砲の意地を見せた。中日・山本の高めに来た初球、148キロの直球を左中間席へはじき返すと、バットを放り投げ、吠えた。試合後は球団を通じ「初めてのバントで緊張しました。成功できてよかったです。その後の本塁打も勝利につながる一発が打ててよかったです。チームの勝利のために全力でプレーするだけです」とコメントした。

◆目の覚めるような鋭い打球が、オレンジ色に染まった右翼席に突き刺さった。2試合連続で1番に座った巨人・丸佳浩外野手(33)が一回に先制の8号ソロを放った。「浮いてきた甘い球をしっかりと仕留めることができた。先制できて良かった」カウント0-1から中日・大野雄の真ん中高めの直球を完璧に捉えた。4月28日のDeNA戦(横浜)以来の一発。前回6日の阪神戦で10回2死まで完全投球を続けた左腕から、わずか2球で得点を奪った本拠地・東京ドームに〝本来〟の光景が帰ってきた。この日から、コロナ禍で2年間実施していなかった、得点シーンでオレンジタオルを回すことを呼びかける場内演出「FULL SWING TIME」(フルスイングタイム)を再開。試合開始序盤から、巨人ファンで埋まった右翼席を中心にオレンジカラーのタオルが回った。連敗を止めた12日のDeNA戦(横浜)では、打順を大幅に変更。10日の同戦では2番に入った丸を1番、3番のウォーカーを2番で起用。4番・岡本和を除き、1-6番まで打順を組み替えて臨んだ。吉川、坂本の1、2番コンビを欠く厳しい状況の中で原監督は「(1番は)一番、出塁率が高い人がいってみようというところ」と意図を説明した。この日も2試合連続で1番に丸を起用。今季は試合前までの大野雄との対戦成績が打率・667(3打数2安打)、1本塁打と当たっている左打者が、切り込み隊長していきなり機能した。2ー2の七回にポランコの勝ち越し適時打、八回に中田のダメ押し2ランが飛び出した。巨人が5連敗のあと2連勝だ。(樋口航)

◆巨人の戸郷が7回を2失点でリーグ単独トップの5勝目を挙げた。六回に同点ソロを浴びた後の七回を三者凡退とし、直後の攻撃に弾みをつけた。「追い付かれても逆転してくれる野手に感謝の気持ちでいっぱい」と控えめに喜んだ。「良い球がなかった」と不調を感じたマウンド。フォークボールの代わりに、直球で押したりスライダーでかわしたりと配球面で工夫した。「いいリードをしてくれた」と捕手の大城を持ち上げた。

◆中日の大野雄は何とか6回2失点にまとめ、勝ち負けはつかなかった。完全試合まであと一歩に迫った前回登板からは一転、制球に苦しみ我慢の展開に。「あまりにも逆球が多い。(石橋が)こんな荒れている投手をよくリードしてくれた」と声を落とした。一回は先頭の丸に外角を狙った直球が逆の内角高めに抜け、打った瞬間にそれと分かる一発。以降も修正に苦しみ、今季最多の3四球を与えた。六回のピンチでは苦手にする広岡への3球目が高めへ。太ももをたたいて悔しがり「あんな大事なところであり得ない球」と珍しくマウンドで怒りの感情を見せた。

◆巨人・原辰徳監督(63)が、4打数4安打で決勝点をもたらしたグレゴリー・ポランコ外野手(30)をたたえた。2―2の七回2死一、三塁。カウント1―1から、ポランコは空いていた三遊間を狙い打ちしてヒットエンドランを成功させ、勝ち越しの3点目をもたらした。5月に入って低調気味だったポランコは、12日のDeNA戦(横浜)の第2打席から7打席連続安打で復調。起用を続ける指揮官は「このところちょっとストレスもずっと溜まっていたんですけど、そういう意味では少し疲れも抜けてきた。彼も献身性のあるプレーヤー」と説明した。左翼手のウォーカーとともにポランコは右翼守備に課題を抱えているが、「ウォーカーとともに、少々ミスも目立つケースがなきにしもあらずですけど、それを上回る練習量、結果も残してくれている」と2人の助っ人の働きぶりを評価した。

◆久々に原監督の采配がハマった。会心の試合運びだったと思うよ。最大のポイントは四回、中田の送りバント。相手先発は大野雄で、スコアは1-1。作戦的には当然だし、展開的にも必要な場面だったけど、やったことのない選手にやらせるのは簡単な決断ではない。躊躇(ちゅうちょ)なくサインを出すあたり、これぞ原イズム。中田もまた、あっさりと決めて、内野ゴロによる勝ち越し点につなげた。考えてみれば、打撃のいい選手はバントも上手なものだ。大野雄を六回限りでマウンドから引きずり下ろす流れを、しっかりつくったね。流れをさらに強烈なものにしたのが、いうまでもなく八回、試合を決定づける2ラン。中田のプライドを感じさせる最高の結果だ。男の心意気を見せてくれたよ。だから、だろう。ベンチで出迎えた原監督に対して、中田が繰り出したのは、グータッチではなく、完全なグーパンチ。思い切り、拳をぶつけていたのをエモトは見逃さなかった。原監督も驚いた顔をしていたけど、うれしい痛みだったのでは。迷うことなく采配を振り、選手も真っすぐに応えてくれる。極上の白星だね。(本紙専属評論家)

◆巨人は13日、中日7回戦(東京ドーム)に5-2で快勝し、2連勝を飾った。中田翔内野手(33)が1点リードの八回に3号2ランを放つなど、2安打2打点。四回無死一、二塁では、プロ15年目で初となる犠打を決め、チームの勝利に貢献した。首のコンディション不良で2軍再調整を経て、戻ってきた大砲が、〝魂のスイング〟でG党の視線を独り占めにした。胸の内に秘めていた感情を爆発させた。1点リードの八回無死一塁。左中間席中段に3号2ランを突き刺した中田はバットをほうり投げ、鬼の形相でほえた。「自分のスイングで、一発で捉えることができて良かった」山本が投じた初球、148キロの直球を完璧に捉えた。4月3日の阪神戦以来40日ぶりの一発。2軍調整から戦列復帰してから3試合目で初めてのアーチで、大きく勝利をたぐり寄せた。意地の一打だった。同点の四回無死一、二塁。第2打席で、ベンチから送られたサインはなんと、送りバントだった。場内もどよめく中、「緊張した」と2球目を投手前へ転がし、成功。プロ15年目で通算1521試合、6245打席目での初犠打で2点目を呼び込んだ。これが巨人だ。過去には松井秀喜、小笠原道大、阿部慎之助ら強打者にも出された犠打のサインこそ、聖域なき原野球の真骨頂。過去に3度の打点王、日本代表の4番も経験した大砲も「チームの勝利のために全力でプレーするだけ」とフォア・ザ・チームに徹した。ただ、それでプライドに火が付いたのも確か。最後は豪快なアーチで本来の「中田翔」を示した。原監督は「非常に献身性のある選手。もう少し、ずうずうしくやってもいいんじゃないかという話もありましたけど、あそこは1死を(相手に)あげてでも二、三塁にしたかった」と犠打の理由を説明し、駄目押し2ランには「非常に価値がある、大きなものだった」と目を細めた。ゴールデンウイークで1勝8敗と低迷したチームは2連勝。2位ヤクルトに0・5ゲーム差と迫った。背番号10の豪快弾、そして技ありの犠打。見ごたえ十分の〝ショータイム〟だった。(樋口航)◆史上2番目に遅い記録 巨人・中田が四回に通算6245打席目にしてプロ入り初の犠打を記録。初犠打までの打席数では張本勲(日拓)の7669打席(1973年8月30日の近鉄戦)に次ぐ、小笠原道大(巨人)の5671打席(2008年6月8日の西武戦)を抜いて2番目に遅い記録となった。「犠打0」で引退した選手ではT・ローズ(オリックス)の7320打席、ラミレス(DeNA)の7152打席、田淵幸一(西武)の6875打席がある。◆「橙魂シリーズ」 東京ドームに〝本来〟の光景が帰ってきた。オレンジのユニホームを着用して戦う「橙魂シリーズ」の今季初戦となったこの日、得点シーンでオレンジタオルを回す場内演出「フルスイングタイム」も〝解禁〟された。コロナ禍で2年間、我慢を強いられていた3万4852人のファンはタオルを激しく振り回し歓喜を表した。

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<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
広島
22151 0.595
(-)
-
(-)
105167
(-)
119
(-)
17
(-)
7
(-)
0.262
(-)
2.910
(-)
2
(-)
ヤクルト
21150 0.583
(-)
0.5
(-)
107135
(-)
119
(-)
32
(-)
22
(-)
0.227
(-)
2.870
(-)
3
(-)
巨人
23180 0.561
(↑0.011)
1
(↑0.5)
102163
(+5)
166
(+2)
45
(+2)
14
(-)
0.244
(↑0.002
3.460
(↑0.03)
4
(-)
中日
19180 0.514
(↓0.014)
3
(↓0.5)
106116
(+2)
124
(+5)
22
(+1)
13
(-)
0.244
(↓0.002)
3.200
(↓0.06)
5
(-)
DeNA
14190 0.424
(-)
6
(-)
110117
(-)
149
(-)
26
(-)
13
(-)
0.243
(-)
4.040
(-)
6
(-)
阪神
12261 0.316
(-)
10.5
(-)
104110
(-)
131
(-)
24
(-)
24
(-)
0.224
(-)
3.200
(-)