日本ハム(☆1対0★)ソフトバンク =リーグ戦7回戦(2022.05.13)・札幌ドーム=
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ソフトバンク
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日本ハム
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勝利投手:伊藤 大海(4勝3敗0S)
敗戦投手:千賀 滉大(3勝1敗0S)
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◆日本ハムが投手戦を制した。日本ハムは0-0で迎えた4回裏、2死二塁から万波の適時打が飛び出し、先制に成功する。投げては、先発・伊藤が9回無失点の快投。今季初の完封で4勝目を挙げた。敗れたソフトバンクは、先発・千賀が快投するも、打線がわずか3安打と沈黙した。

◆日本ハム杉谷拳士内野手(31)が、今季初めて1軍に合流した。3月3日に千葉・鎌ケ谷で行われたプロアマ交流戦で、右太もも裏を痛めて途中交代。コンディション不良で、開幕には間に合わなかった。この日の試合前、新庄剛志監督(50)は「年齢も年齢でしょ? 慌てず余裕を持って、打席に立って欲しい」と期待し「ある程度の緊張感は持たないといけないんだけど『打ちたい、打ちたい』だったら、間違いなく結果が出ない。来るボールに対して、素直にポンと(打って欲しい)。アドバイスというか、話をしようかなと思っている」と語った。

◆出るか、球界初のチーム2戦連続ノーノー。ソフトバンクは千賀滉大投手(29)が日本ハム戦に先発する。11日の西武戦では東浜巨投手(31)が史上84人目、通算95度目のノーヒットノーランを達成したばかり。12日は移動日で敵地札幌に乗り込んだ。チームで2戦続けてノーノー達成となれば、球界初の快挙だ。千賀は19年9月6日のロッテ戦で令和1号となるノーヒットノーランを史上初となる毎回奪三振で記録している。今季は日本ハムと開幕戦で対戦。7回を4安打8奪三振1失点の好投を見せた。ノーノーについては、「運が重ならないとできないことなので。本当に、巡りが良くないとうまくいかないこと。ぼく自身、やれることは一生懸命やりたい」と話していた。他球場では、ロッテ佐々木朗、中日大野雄も先発予定。ノーノー経験者の競演に注目だ。

◆日本ハム新庄剛志監督(50)が、11日オリックス戦(札幌ドーム)で突然"キャラ変"した野村佑希内野手(21)について、自分が犯人だったことを明かした。試合中に球団広報から報道陣に向けて配信される選手のタイムリーコメントで、普段はクールな野村が「引っ張り行ったら、あっち行っちゃった、えへっ」と、ウインクの絵文字入りでコメント。あまりのギャップに、ファンや報道陣をザワつかせていた。この日の、試合前にBIGBOSSが種明かし。「『ぼけろ~』って言ったら『はい、分かりました』って。『ここは絵文字でしょう?』と。打ったんだから、ちゃらけた部分というか、かわいさがあって、コメントで楽しませるのもプロ意識だと思うから。コメントにも人間性が出てくるから、面白いじゃない」と、ちゃめっ気を見せた。

◆BIGBOSSこと日本ハム新庄剛志監督(50)が、予告通り高浜祐仁内野手(25)を今季初のスタメン起用した。「7番DH」で先発。試合前、新庄監督は「今日は高浜くんをDHで使う。今日ね、(相手先発は)千賀くんでね、そんなに簡単に打てるピッチャーではない中で、1軍に残りたい、レギュラーとりたいという気持ちを出してほしい」と期待を込めた。今季は2軍で23試合に出場、打率2割4分7厘、3本塁打6打点をマーク。11日に出場選手登録された。

◆ソフトバンク千賀滉大投手(29)が、場内表示で自己最速を更新する164キロをマークした。初回無死、日本ハム松本剛への4球目。外角への直球が一塁側へのファウルとなったところで、162キロの場内表示が出た。さらに2死から、3番清宮への5球目が164キロを表示。大幅に自己最速を更新した。これまでの千賀の最速は、19年に更新した161キロだった。球界最速は、21年巨人ビエイラが計測した166キロ。16年日本ハム大谷、21年広島コルニエルが165キロを出し、千賀はそれに次ぐ球速となり、ロッテ佐々木朗に並んだ。

◆ソフトバンク千賀滉大投手(29)が転倒した。4回無死一塁で、打者清宮への3球目。左足を上げた後にリズムが合わなくなり、慌ててボールを手から離し、倒れながら本塁方向に転がす形になった。記録はボークで、一塁走者が二塁へ進んだ。その後、2死二塁から万波の適時打で先制を許した。千賀は初回に場内表示で自己最速を3キロも更新する164キロをマーク。5回を投げ終えた時点で、NPB史上362人目の通算1000投球回を達成した。場内アナウンスで紹介され、記念ボードを掲げた。千賀は8回1失点の好投だったが、打線の援護なく今季初黒星を喫した。

◆日本ハム万波中正外野手(22)が、値千金の先制打を放った。4回無死二塁。難攻不落のソフトバンク千賀を相手に、清宮、野村が2者連続三振。2死二塁となったが、万波が先制の中前適時打。「登場曲に力をもらいました!勝ちましょう!」と気合に満ちていた。前カードから新庄剛志監督(50)の計らいで、BIGBOSSが現役時代に使用していた「ドクター・ドレー」の「The Next Episode」を登場曲で使用している。試合前、新庄監督は「どうすか? 3、4、5(番)? 面白いでしょう? 」と笑顔だった。10日オリックス戦から3試合続けて3番に清宮、4番野村、5番に万波を起用。「あと3年くらい、いこうかな(笑い)。一応ね、試してみたい、あの並び。本人たちも3人で組みたい、(2軍で)組んでいただろうし。何か絆じゃないけど、3番が打てなかったら4番、5番で、俺たちで(走者を)かえす、みたいなところもあるのかなって」と推測している。

◆ソフトバンク千賀滉大投手(29)が、NPB史上362人目の通算1000投球回を達成した。試合前時点で995回を投げていた千賀は、先発で5回を投げ終えた時点で節目に到達。場内アナウンスで紹介され、記念ボードを掲げた。この日の千賀は初回に場内表示で自己最速を3キロも更新する164キロをマークしていた。▼通算1000投球回=千賀(ソフトバンク) 13日の日本ハム7回戦(札幌ドーム)の5回、中島を捕ゴロに打ち取って達成。プロ野球362人目。初投球回は12年4月30日のロッテ6回戦(QVCマリン)。

◆鷹のエースが鬼気迫る投球を見せたが、勝利をつかめなかった。ソフトバンク千賀滉大投手(29)が、初回にいきなり164キロを計測。これまでの自己最速だった161キロを一気に3キロも更新。日本ハム大谷(現エンゼルス)がマークした日本人最速記録165キロに迫った。日本ハム松本剛への4球目。外角への直球が一塁側へのファウルとなったところで、162キロの場内表示が出た。さらに2死から、3番清宮がファウルにした、5球目の高め直球が164キロを表示。もはや大きなどよめきは起こらず、球場は異様な静寂に包まれた。11日西武戦で、東浜がノーヒットノーラン。藤本監督は「俺らはどうもないけどさ、千賀がプレッシャーあるんじゃないの。でもそれに応じた投球をしてくれるんじゃないかなと思いますけどね」と、バトンを受けた右腕の心中を思いやりつつ、期待をかけていた。自身も19年に達成している千賀は「ああいうのは運もある。詰まったのがポテンヒットになったり。運が重ならないとできないことなので」と冷静だった。チームとして2試合連続「ノーノー」なら球界初だったが、3回1死で宇佐見に左前打を許した。もちろん、表情を変えることはなく淡々と後続を断った。4回には投球動作中にバランスを崩し転倒するアクシデントも。これでピンチを広げ、万波の中前打で先制を許した。19年以来の完封はお預けとなったが、5回を投げ終えた時点で通算1000投球回を達成。打線の援護がなく、8回4安打14奪三振1失点で今季初黒星。それでも今季初の2桁奪三振にも到達するなど、北の大地で強烈なインパクトを残した。【山本大地】

◆ソフトバンクの連勝が7で止まった。エース千賀が8回1失点の力投を見せたが、打線が日本ハム伊藤に今季初完封を許した。藤本博史監督(58)の、試合後の一問一答は以下の通り。-投手戦になった藤本監督 伊藤くんが良かったね、今日はね。カウント球のね、カーブを投げさせないようにしなくちゃいけないですね。ああいうのを次回ね、投げさせないためにはどうしたらいいか。今日は相手ピッチャーが良かったということで。うちの打線が悪いんじゃなくて、相手投手が良かった-狙い球を絞れなかった藤本監督 そうですね。次回はなんとか球種を投げさせないようにやるしかない。いい投手がいい投球をしたら、そう簡単には打てないということですよ。千賀もよく投げたんですけどね。負けは付けさせたくなかったんですけど、相手もいることなんでね。しょうがないと思います-千賀は好投藤本監督 いい投球してましたよ。まあね、なんとか勝たせたかったけど、こればかりはね。相手もいることなんでね。次回頑張ります-三森や柳町に無安打が続いている藤本監督 何試合か出てないといってもね。三森はちょっと上体が流れてるところがあるんで、そこは打撃コーチと話をして、修正するようには言ってますけど。まあ、10何打席ノーヒットといっても、四球も選んでるからね。そんなに心配はないと思うし。いいときは変化球は初球から振れているんでね。それが振れないというのは、ちょっとバランス崩してるかもわからへんね-雨天中止などでリズムが難しい藤本監督 そんなんはあんまり関係ないですよ。それで崩れるようだったらレギュラーは取れないですよ-千賀が投げた試合は取りたかった藤本監督 もったいないですね。なんとかしたかったけどね。本当に、伊藤くんがよく投げてました。コースコースにいい球が来てたからね。しょうがないよね

◆日本ハム伊藤大海投手(24)が今季初完封で、4月28日のオリックス戦以来となる4勝目を挙げた。9回1死二塁のピンチを迎えるも、ジュリスベル・グラシアル内野手(36)を外角直球で見逃し三振、中村晃外野手(32)を二ゴロに抑え、昨年8月29日西武戦以来の完封。札幌ドームでは初となった。7連勝中だった好調ソフトバンク打線をわずか3安打に抑え、最後は右拳を握り、ドームの天井を見上げ喜びを表現した。「(9回の登板前に)武田(勝)コーチに『決着をつけてこい』と言われていたので、なんとかゼロで抑えることだけ考えた。前回、ここで悔しい思いをしていたので、いい投球を見せられて良かった」と振り返った。前回登板した5月5日楽天戦(札幌ドーム)では、5回1/3を投げ自己ワーストタイの6失点で敗戦。「思い通りの投球ができなかった。今日は、バカの一つ覚えじゃないですけど、全力投球で投げたのがいい結果につながったと思う」。味方の得点は、4回2死二塁から万波中正外野手(22)の中前適時打で挙げた1点のみ。しびれる展開にも「つないでつないで(万波が)1本出してくれた。感謝です」。貴重な1点をしっかりと、守り抜いた。

◆エースの熱投は報われなかった。ソフトバンク千賀滉大投手(29)が8回1失点の完投負けで今季初黒星。初回に自己最速を3キロも更新し、ロッテ佐々木朗に並ぶ164キロをマーク。自己最多タイの14三振も奪い、通算1000投球回もクリアしたが、勝てなかった。「自分の詰めの甘さだったり、先制点、そういうところをあらためて、ちゃんとしないといけないなと思わされた試合だった」。チームの連勝も7でストップし、悔しがった。11日に東浜がノーヒットノーランを達成し、バトンを受けてのマウンドで、鬼気迫る投球を見せた。初回無死、日本ハム松本剛への4球目で162キロ。さらに2死から3番清宮への5球目、高め直球が164キロを表示。日本ハム大谷(現エンゼルス)がマークした日本人最速記録165キロに迫った。しかし3回1死で宇佐見に初安打されると、4回には投球動作中にバランスを崩し転倒。これがボークとなってピンチを広げ、万波の中前打で先制を許した。この1点が重く、自身2年ぶりの完投を白星で飾れなかった。ただ、敗戦の中でも千賀の表情には充実感があった。「自分の中で、やりたいことが少しずつ付いてきた感じもありました。見ている方は、投げ方が今日はちょっと違うなというのがわかったと思うんですけど...」。フォーム変更の詳細は明かさなかったが、納得の最速更新で手応えを語った。進化を続けるエースの次回登板が楽しみだ。【山本大地】○...好調だった打線が、4月12日ロッテ戦以来1カ月ぶりに0封負けを喫した。日本ハム伊藤の前に散発3安打に抑えられ、今季初完封を献上。前回対戦した4月22日に続いて、右腕を攻略できなかった。藤本監督は「伊藤くんが良かったね、今日はね。うちの打線が悪いんじゃなくて、相手投手が良かった。しょうがないよね」とお手上げだった。

◆BIGBOSSがかけた"魔法"で、難敵から貴重な1点をもぎ取った。日本ハム万波中正外野手が4回、ソフトバンク千賀から、先制の中前適時打を放った。2死二塁で迎えた第2打席だった。球場に流れたのは、新庄監督が現役時代に使用していた「ドクター・ドレー」の「The Next Episode」。打席に立った万波本人も「びっくりした」というBIGBOSSのサプライズに「(登場曲に)背中を押してもらえた」。新庄監督は「直感直感。万波君の時だけ使ってくれと。明日は誰かに変えるかも」と笑った。8日西武戦の試合前練習中に、BIGBOSSの計らいにより、本塁打リーグトップを走る西武山川の話を聞く機会があった。手足の長い自身の体の特徴を踏まえた上で、打率重視ではなく「しっかり長打を狙っていくのがいいんじゃないか」と助言をもらい、「踏ん切りがついた。うまく打ちたいという欲は捨てた」。万波にとっては、4月22日ソフトバンク戦以来、久々の打点で、今季通算10打点目。5番にふさわしい選手へ、成長のヒントを、しっかりつかんだ。【中島宙恵】

◆日本ハム伊藤大海投手(24)が、今季初完封勝利を飾った。13日、ソフトバンク7回戦(札幌ドーム)で9回3安打無失点で4勝目。新庄剛志監督(50)が高く評価するスローカーブを効果的に使い、強打者たちを幻惑した。昨年の東京五輪でチームメートだった、相手先発の千賀に投げ勝った。2年目のジンクスに苦しんでいた右腕が、浮上のきっかけとなりそうな、しびれる投手戦をものにした。沸き上がる歓声を背に、伊藤は喜びを爆発させた。熱のこもった帽子を脱ぎ、天を仰いだ。9回2死二塁をしのぎ、虎の子の1点を守り切った。「最後の最後にヤマ場でしたけど、何とか気合で投げ切りました」。最終回に挑む前、武田投手コーチから「決着をつけてこい」と粋な声がけで送り出された。気合を入れ直し、リーグトップタイ4勝目を完封勝利で飾った。好投手に胸を借りて、勝負に徹した。相手先発は昨年の東京五輪でチームメートだったソフトバンク千賀。球界を代表する投手との初の投げ合いに「自分も、そういう選手になりたい。そう学びながら投げていました」と熱っぽく話した。「今日は相手打者とも投手とも、しっかり対決出来ていた。千賀さんに引っ張られて、いい投球になった」。直球も変化球もさえ、ストライク先行のテンポの良さを築いた。BIGBOSSも認めるスローカーブを効かせた。指揮官は「幅を広げるという意味で投げているんだったら、素晴らしい。続けられるのが一流、超一流のピッチャー」と今後に期待した。柳田、中村晃ら左の強打者ぞろいの打線に、100キロ台のカーブでカウントを有利にした。伊藤は「スライダーあり、カットあり、スプリットあり。すごい選択肢が多い中で投げられた」と手応え十分だった。直近2試合は通常モーションだったが、この日は2段モーションに戻した。理由は「カッコいいからです」。えくぼを見せて笑った。今季は2年目のジンクスに苦しむ。「昨年の自分の方が好きでした。それを今、思い出すための時間をつくっているのかな」。ガムシャラだった頃から離れ「色気づいてしまった」という自分に、快投でピリオドを打った。【田中彩友美】

◆ソフトバンクの連勝は7でストップした。日本ハム先発の伊藤が好投しただけに、勢いが止まったとは思わないが、東浜のノーヒットノーランの次戦が3安打完封負け。エース千賀が14三振を奪いながら1失点負けだから、何とも悔しさが募るではないか。試合後、藤本監督は「ウチの打線が悪いわけではない」と言った。続けて「いい投手がいい投球したら、そう簡単に打てないということ」と割り切った。打線の復元力には自信もあるのだろう。少しばかり心配なのはリードオフマンとして打線のけん引役だった1番三森が7日のロッテ戦(ZOZマリン)で先頭打者弾を放った後、17打席無安打。この日も4打席すべて内野ゴロに終わり、快音は響かなかった。先頭弾まで10戦連続試合ヒットを飛ばしていたスラッガーの再浮上はチームにとっても大きなカギを握るのではないだろうか。藤本監督は「(打撃の際に)上体が投手側に流れているところがある。バランスを崩しているかもしれないが、これで(打撃が)崩れるようじゃ、レギュラーは取れませんよ」とカツを入れていた。2日前の東浜のノーヒットノーラン試合。9回2死。最後の打者となった西武金子の打球を処理したのは三森だった。打球が東浜のグラブをはじき、二塁ベース寄りに転がってきた。三森はダッシュで捕球し一塁へ送球。快挙が完結した。痛めている右膝裏は万全ではない。「(東浜さんが)取ってくれ、と思ったけど、アウトにできてホッとしました」。俊足の金子ということもあって、あらかじめ定位置より少し前で守ったことも奏功した。メモリアルの試合では3打数ノーヒット。歓喜の一方で、悔しさも入り交じった。「そんなに(打撃は)悪くないと思うので、とにかく頑張りたい」。北の大地での復調を願っている。【ソフトバンク担当 佐竹英治】

◆機動力で鷹のエースに土をつける。日本ハム・新庄剛志監督(50)が、13日のソフトバンク戦(札幌ドーム)で対戦する相手先発・千賀の攻略へ腕をぶした。「面白いじゃない。いい投手と接戦が多い。よそも打てなかったらうちも打てないやろって。じゃ、ちょっとかき回そうかなと」千賀とは開幕戦で対戦し7回4安打1得点、8三振と抑えられた。ここまで3勝0敗、防御率1・26と負けなしの右腕に、日本ハムが束になって食らいつく。前日11日のオリックス戦では、2014年9月21日の楽天戦以来の1試合6盗塁をマーク。現在リーグトップの12盗塁を記録している松本を筆頭に、誰でも走れる準備はできている。BIGBOSSは「かき回したいやろ」とニヤリ。多彩な作戦を組み合わせ、勝利をつかみ取る。

◆日本ハム・伊藤が中7日で13日のソフトバンク戦(札幌ドーム)の先発に向かう。今季はここまで7試合に登板し3勝3敗、防御率3・38。登板を翌日に控えた12日、「がむしゃらに投げる姿を見せることができたら」と意気込んだ。昨年、東京五輪日本代表として共闘した相手エースの千賀とは初めての投げ合いとなる。「いっぱいイジってもらった。何とか先にマウンドを降りないように食らいついていきたい」と言葉に力を込めた。

◆これ以上ない最高のバトンを受け取って、札幌のマウンドに立った。自分1人だけで出したわけではない、自己最速だ。先発したソフトバンク・千賀が164キロを計測。五回を終えて1失点と、打線の援護を待った。「とにかく僕がやれることを一生懸命やりたい。(東浜のノーヒットノーランを見て)九回までゼロで投げたいと思った」12日に意気込んでいた。11日の西武戦(ペイペイドーム)で東浜がノーヒットノーランを達成。自身も2019年9月6日のロッテ戦(同)で経験があるものの「見ている方が緊張した」と苦笑いで振り返った。チームも7連勝中と、最高の形で回ってきたバトン。自分で止めるわけにはいかなかった。一回先頭、松本剛に162キロを計測し自己最速を更新。2死として清宮が打席に立つと、その5球目だ。高めに投じた直球は、なんと164キロを計測(結果はファウル)。立ち上がりからエンジン全開で森山投手コーチも「いつも以上に集中して投げている。このままの調子で投げていけばいい結果になるんじゃないかな」と期待していた。因縁もあるマウンドだ。千賀にとって札幌ドームの登板は昨年4月6日以来。そこでライナーを捕球した際に体勢を崩し、左足首を痛めて長期離脱を強いられた。離れた分だけ、チームの力になると強い思いで上がっているマウンド。四回2死二塁から万波に中前適時打を浴び先制を許したが、五回を投げ終えて10奪三振とエースらしく力投した。(竹村岳)

◆日本ハムの伊藤が3安打に抑え、今季初の完封でリーグトップタイの4勝目を挙げた。四回に万波が中前適時打を放ち唯一の得点を奪った。ソフトバンクは連勝が7で止まった。千賀は8回1失点14奪三振の好投も、援護なく初黒星。

◆ソフトバンクは、7連勝中には5試合で2桁安打と好調だった打線が伊藤の前に沈黙した。緩いカーブを有効に使われて狙い球を絞れず、散発の3安打。今季4度目の無得点に終わり、藤本監督は「きょうは打線が悪いんじゃなくて、相手投手が良かった」と褒めるしかなかった。エース千賀が登板したここ4試合で、チームは1勝3敗と黒星が先行している。監督は「いいピッチングをしていたし、何とか勝たせたかった」と悔しさをにじませた。

◆日本ハムの5番万波が四回にソフトバンクの千賀から値千金の決勝打を放った。2死二塁、カウント2ボール2ストライク。決め球のフォークボールを頭に入れながらも「まず真っすぐを打たないと話にならない」と158キロをコンパクトな振りでたたき、高いバウンドで中前へ運んだ。3試合続けて3番清宮、4番野村との若手トリオによる中軸となった。これまで2軍でよく組んできたオーダーが1軍で実現し「年も近いし、やっぱりうれしい」と気合が入っている。無死二塁から2人が連続三振に倒れた場面で〝3本目の矢〟として意地を見せた。新庄監督の現役時代と同じ曲で打席に入って好結果を残し「登場曲に力をもらいました」と感謝も忘れなかった。

◆故郷に錦を飾る完封劇だ。2年目の日本ハム・伊藤大海投手(24)が本拠地初完封。1点のリードを最後まで死守し、ソフトバンク・千賀との投手戦を制した。「札幌ドームで完封がなかった。前回はここで悔しい投球だったので、何とかいい投球をできて良かった」緊迫の最終回を乗り越え、大きく両拳を握った。武田投手コーチから「決着をつけてこい」と送り出された九回。1死から柳田にもう一伸びで本塁打という強烈な右翼フェンス直撃二塁打を浴び、一打同点のピンチを背負った。それでも冷静にグラシアルを149キロの外角直球で見逃し三振に斬ると、最後は中村晃を二ゴロに打ち取った。ルーキーイヤーの昨年8月29日西武戦(メットライフ)以来、2度目の完封に「気合で乗り切れた」とうなずいた。昨夏の東京五輪で日本代表として共に金メダルを獲得した鷹のエースと初の投げ合い。「なかなか点数を取るのは難しいと思っていた。千賀さんより先にマウンドを降りないという強い気持ちで」と闘志を燃やし、スコアボードにゼロを並べた。新庄監督も「素晴らしかった。五回から九回まで4分ぐらいの感じ。全部投げ切ってくれるという気持ちしかなかった」と賛辞を贈った。球団初の〝道産子ドラ1〟。北海道南西部の鹿部町出身で、父はたこつぼ漁師。小学校時代から何度も足を運んだ札幌ドームでうれしい初完封だ。リーグトップタイの4勝目に伊藤は「味方が点数を取るまではゼロで抑える投球を今後もできるように」とさらなる飛躍を誓った。(箭内桃子)

◆3試合連続で「5番・右翼」で先発した万波が、決勝点をたたき出した。四回2死二塁で158キロの直球を振り抜き、二遊間をしぶとく抜いた。この日は新庄監督の〝指示〟で現役時代の自身の登場曲、ドクター・ドレーの「The Next Episode」がチャンスの打席でサプライズ使用された。経緯を聞いていなかった万波は「びっくりしました。背中を押してもらえた」と感謝した。

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<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
楽天
2491 0.727
(↓0.023)
-
(-)
109140
(+2)
90
(+4)
25
(+1)
32
(-)
0.247
(↓0.001)
2.500
(↓0.02)
2
(-)
ソフトバンク
22131 0.629
(↓0.018)
3
(-)
107156
(-)
113
(+1)
22
(-)
20
(+1)
0.270
(↓0.005)
2.640
(↑0.04)
3
(-)
西武
19181 0.514
(↑0.014)
7
(↑1)
105119
(+4)
110
(+2)
27
(+1)
14
(-)
0.224
(↑0.004)
2.390
(↑0.01)
4
(1↑)
ロッテ
15211 0.417
(↑0.017)
10.5
(↑1)
106108
(+4)
131
(+1)
14
(+1)
39
(+3)
0.208
(↓0.001)
2.770
(↑0.05)
5
(1↓)
ORIX
16230 0.410
(↓0.011)
11
(-)
10492
(+1)
133
(+4)
12
(-)
24
(+1)
0.207
(↑0.001)
3.030
(↓0.02)
6
(-)
日本ハム
13250 0.342
(↑0.018)
13.5
(↑1)
105116
(+1)
154
(-)
33
(-)
27
(-)
0.227
(↓0.001)
3.950
(↑0.11)