阪神(★2対3☆)広島 =リーグ戦8回戦(2022.05.11)・阪神甲子園球場=
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広島
10000200031110
阪神
2000000002810
勝利投手:九里 亜蓮(2勝1敗0S)
(セーブ:栗林 良吏(0勝1敗7S))
敗戦投手:渡邉 雄大(1勝1敗0S)
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◆広島は初回、西川の適時打で先制する。直後に逆転を許すも、6回表には小園の適時打と末包の犠飛で2点を挙げ、再びリードを奪った。投げては、先発・九里が7回途中2失点。その後は小刻みな継投で逃げ切り、九里は今季2勝目を挙げた。敗れた阪神は、打線が終盤の好機を生かせなかった。

◆広島は今季、阪神相手に6勝1分けと開幕から負けなし。このカードでは3番西川龍馬外野手が打率4割1分4厘、4番マクブルーム内野手が同4割3分5厘の好相性。虎に強い中軸の2人が今日も打ち、連勝を伸ばすか。

◆コンディション不良で欠場が続いていた阪神糸井嘉男外野手(40)が、「6番右翼」でスタメン復帰した。出場は5日ヤクルト戦以来で、先発は4月30日巨人戦以来9試合ぶり。打点はチームトップの佐藤輝の「18」に次ぐ「17」を記録している超人が、得点力不足が露呈しているチームの起爆剤となれるか。

◆阪神が広島戦24イニングぶりの得点で逆転に成功した。1点を先制された直後の初回1死、2番中野拓夢内野手(25)が四球で出塁。3番ジェフリー・マルテ内野手(30)が、1軍再昇格後2試合目で初安打となる左前打を放ち、1死一、二塁とチャンスを広げた。ここで4番佐藤輝明内野手(23)が、同点の右前適時打。その後、2死一、二塁でコンディション不良から9試合ぶりにスタメン復帰した糸井嘉男外野手(40)が右前適時打を放ち、勝ち越した。糸井は「みんながつないでくれたので自分も積極的に打ちに行きました。勝ちたい!」と力強くコメント。虎の近大コンビが、初回から広島先発九里に襲いかかった。阪神が広島戦で得点するのは、4月9日の4回に佐藤輝がソロ本塁打を放って以来。2試合連続で零敗を喫し、3試合連続の零敗なら同カード初の屈辱になるところだった。阪神は試合前で広島に引き分けを挟み6連敗中。この勢いで今季初勝利なるか。

◆阪神渡辺雄大投手(30)が、ソフトバンクから移籍後12試合目にして初失点を喫した。1点リードの6回に3番手で登板。先頭のマクブルームに中前打を許すと、1死一塁から小園に甘く入ったスライダーを捉えられ、右中間への同点適時三塁打を許した。続く末包には勝ち越しの中犠飛を浴び、2点目を献上。「なべじい」が若鯉につかまった。

◆阪神の「赤ヘルアレルギー」が止まらない。守備のほころびから、痛恨の逆転負けを喫した。開幕から7敗1分け。8試合目での勝ち星なしは、88年に10連敗して以来、34年ぶり2度目の惨状となった。暗転したのは1点リードの6回無死一塁だ。坂倉の打球は二塁正面へ。格好の4-6-3の併殺コースだった。だが、二塁糸原が送球直前、球を握り損ねて、ワンテンポ遅れた。併殺を奪えず、一塁走者を残してしまった。その直後、小園の右中間適時三塁打で同点に追いつかれてしまった。さらに末包の中犠飛で勝ち越された。2死走者なしのはずが1死一塁になり、逆転される2失点の引き金になった。今季のチーム失策数はリーグ最少で、現時点ではこれまでの課題を解消しつつある。だが、この場面では糸原が失策にならない守備のミスを犯してしまった。糸原は5回に捕球ミスの失策もあり、手堅さを欠いた。先発の秋山が1回に先制点を許したが、その裏、打線が佐藤輝と糸井の適時打で2点を奪って逆転。広島戦で3試合連続完封負けなら史上初の屈辱だったが、幸先よく負の連鎖を断ち切った。秋山は4回1失点で降板。継投に入り、1点ビハインドの終盤に勝ちパターンのアルカンタラ、湯浅を投入する執念を見せたが実らなかった。打線も7回1死満塁でマルテ、佐藤輝が連続空振り三振。深刻な貧打で浮上の兆しが見えない。

◆阪神の「赤ヘルアレルギー」が止まらない。守備のほころびから、痛恨の逆転負けを喫した。開幕から7敗1分け。8試合目での勝ち星なしは、88年に10連敗して以来、34年ぶり2度目の惨状となった。

◆全盲の浅井純子さんが盲導犬のヴィヴィッドとともに甲子園の始球式を務めた。マウンドに立った浅井さんは、捕手の声を頼りに投球。球場から拍手を送られ、全方向に深々とお辞儀をし、笑顔で球場を後にした。

◆阪神が開幕から広島戦で引き分け1試合を挟んで7連敗を喫した。1点を追う展開で必勝パターンのアルカンタラ、湯浅、守護神の岩崎まで投入する執念を見せたが実らず。試合後の矢野燿大監督(53)の談話は以下の通り。-秋山は先頭を出したり苦しい投球で、4回までという判断か?「上位にいい感じに打たれていたんで。まあ、あそこまでかなと」-今季、なかなか秋山らしいところが出てこない「真っすぐがね、やっぱりアキらしさっていうのがまだ出てないんで。まあスピードガンがね、めちゃくちゃ速くてとかそういうピッチャーじゃないけど真っすぐが、もうちょっと切れてくるというか、そういうところが必要なんじゃないかなと思うけど」-終わったばかりだが次は「考えるよ」-糸井が戻ってすぐ仕事「やっぱり、初回の適時打だってそうやし、もう1本もそうやし、四球もそうやし。何かを起こしてくれるんじゃないかなというものを持っているんで。嘉男が入ると、そういうところで何か期待が上がる感じは今日も見えたんで。あとはコンディションをしっかり、どうなっていくかというところだと思います」-マルテ、ロハスの場面はチャンスまではつくっている「まあね。三振じゃやっぱり事が起こらんから。何とかしようという気持ちで行ってくれているとは思うんやけど。三振じゃね」-渡辺はここまで無失点だったが「あそこ(小園)も追い込んで、あの1球というのはすごくもったいないよね。もちろん、あそこに投げようとは思っていないやろうし。簡単に行ったということじゃないんやろうけど。あの1球がもったいないと言うか、悔やまれるなと」

◆阪神が広島に逆転負け、連敗となった。先発秋山を4回1失点で下げ、継投で勝負。勝ちパターンのアルカンタラ、湯浅、抑えの岩崎まで投入したが、打線は終盤の好機を逃した。1点差負け13試合は12球団ワーストで、3試合に1度のペースだ。このカードは開幕から1分けを挟んで7連敗。苦しい戦いが続く。あぁコイ患い。虎党のため息が止まらない。阪神が開幕から広島に引き分けを挟んで7連敗を喫した。チャンスをつくってもことごとくつぶしてしまう。当然、矢野監督のため息も深かった。「三振じゃやっぱり事が起こらんから。何とかしようという気持ちで行ってくれているとは思うんやけど。三振じゃね...」。これで1点差の試合は5勝13敗。また虎が勝負弱さをさらけだした。目を覆いたくなる拙攻の連続だ。1点を追う7回だ。1死から代打梅野が四球、近本、中野の連打で満塁の好機をつくったが、マルテが九里のチェンジアップに空振り三振。続く佐藤輝も代わった左腕ターリーに空振り三振に倒れた。8回には1死二、三塁から代打ロハスが空振り三振。続く梅野も初球の変化球を引っかけて遊ゴロ。どんなに走者をためても点が入らない。10残塁が攻撃のまずさを物語る。ベンチも勝負手を打った。立ち上がりから球が走らない先発秋山を1点リードした4回1失点でスイッチ。矢野監督は「上位にいい感じに打たれていたんで。(今後の起用は)考える」と、断を下した。その後は12日の雨予報も想定してだろうが、ブルペン陣を惜しみなく投入。6回に渡辺が勝ち越しを許してもなお、7回からはアルカンタラ、湯浅、岩崎の勝ちパターンもつぎ込んだ。だが、指揮官の無言のメッセージが攻撃陣を目覚めさせることはなかった。守りのほころびもあった。2-1の6回無死一塁で坂倉の二塁正面へのゴロは、4-6-3の併殺コースだった。だが、二塁糸原が球を握り損ね、一塁に走者を残してしまい、小園の三塁打、末包の犠飛で逆転された。流れを手放してしまった。広島はヤクルトを抜いて首位に立った。チーム打率、得点ともリーグトップで勢いに乗る。一方、阪神はチーム打率2割2分4厘、110得点ともにリーグ最下位。これほどまで広島に勝てないなんて。コントラストが際立った。【桝井聡】○...佐藤輝の適時打で広島から24イニングぶりの得点を奪った。初回1死一、二塁、九里の143キロの直球を右前に運び一時同点。「前の2人がつないで作ってくれたチャンスだったので、絶対にランナーをかえしたいと思っていました」。ただ、1点を追う7回2死満塁では、2番手ターリーの外角低めスライダーに空振り三振に倒れた。○...コンディション不良から復活した糸井が、2安打1打点と気を吐いた。5日ヤクルト戦以来5試合ぶり、先発では4月30日巨人戦以来9試合ぶりの出場だった。初回に佐藤輝の適時打で追い付き、2死後の一、二塁で一時勝ち越しの右前適時打。6回は2死から左前打、8回は四球で出塁した。試合後は「とにかく勝ちたかった、それだけです。勝てるように、みんなでなんとかやっていきたい」とコメント。矢野監督は「何かを起こしてくれるんじゃないかというものを持っている」とたたえた。○...1軍復帰2戦目のマルテがブレーキになった。7回1死満塁。九里のチェンジアップに空振り三振すると怒りのあまり、片膝でバットをへし折った。5回も2死三塁でチェンジアップに空を切った。好機で2打席連続三振。右足コンディション不良から前日10日に1軍昇格し、前夜に矢野監督は「徐々に上がってくるんじゃないかなと思う」と話していた。1回は左前打で逆転につなげたが、肝心な場面で気合が空回りした。○...2番手加治屋が今季初ホールドを挙げた。1点リードの5回に登板。2死から味方の失策で出塁を許したが、マクブルームへの投球がワンバウンドする間に二塁を狙った一塁走者西川を、捕手坂本が好送球でアウトにした。「(先発の)秋山が作ってくれた良い流れを切らさないように心掛けた。緊張感のある場面で自分のピッチングができて良かった」。7試合連続無失点と存在感が増している。○...12日広島戦に先発するガンケルが、本拠地初勝利へ意欲を示した。今季甲子園では3度先発し0勝2敗。助っ人右腕は「ホームでもビジターでもいつでもとにかく勝ちたいというのはありますけど、多くのみなさんが足を球場に運んでくださる。ファンのみなさんの前で勝てるように。ホームで1勝したい」と力を込めた。

◆広島九里亜蓮投手(30)が阪神8回戦(甲子園)で6回2/3を投げ2失点で2勝目を手にした。不安定な立ち上がりで先制直後の1回に逆転を許すも、2回以降は立ち直った。打線が逆転し、降板した7回途中からは中継ぎ陣が最少得点差を守り抜いた。味方のサポートもあり、投手主将は4月5日巨人戦以来の白星ゲット。チームは4連勝で、首位に再浮上した。勝利のため、最後までベンチ最前列で声を上げた。最少得点差の試合終盤、先発九里は悔しさを抱えながらチームのためにできることをまっとうした。投球は立ち上がりから本調子とはほど遠く、何とか立ち直るも、慎重さからピンチを招いた。7回途中でマウンドを中継ぎ陣に譲り、最少得点差を守り抜いて自身に白星が付いた。チームの勝利に胸をなで下ろしながらも、試合後の表情は厳しいままだった。「抑えてくれた中継ぎピッチャーに感謝です。(7回は)投げ切らないといけないし、四球からヒットで満塁になったので。防げるところではあるので、そういう投球をしっかりできるようにしていきたい」立ち上がりからリーグ最多与四球の悪癖を露呈した。先制点をもらった直後の1回。1死から四球を許すと、連打で同点。2死一、二塁からは糸井に勝ち越し打を右前に運ばれた。前回4日巨人戦に続く援護点直後の失点となった。2回以降は坂倉から腕の振りの弱さを指摘され、修正。気持ちも球に乗せた。5回2死三塁はマルテを空振り三振に切り、何度もグラブをたたいた。四球から1死満塁を招いた7回は、マルテを三振に切った直後に降板となった。それでも投手主将の粘投が中継ぎ陣にも伝わった。7回2死満塁はターリーが佐藤輝を3球三振。8回1死二、三塁塁から登板した森浦は無失点で切り抜けた。今季1点差試合は9勝5敗。総合力で接戦をものにする投手陣を束ねるのが、投手主将だ。佐々岡監督は「立ち直ったんですけど、やっぱり最後のあの四球。あと1イニング投げてもらいたかった」とさらなる高みを求める。九里自身が納得できていない。「信頼される投手にならないといけない。もう1イニング任せても大丈夫を思ってもらえるようにしたい」。本調子ではない中、手にした白星を次戦の糧とする、【前原淳】○...1点リードの2死満塁から救援したターリーが空振り三振で火を消した。3-2の7回に先発九里がピンチを招き登板。佐藤輝を真っすぐ、真っすぐ、カーブで3球で空振り三振に仕留めた。「目の前の打者をアウトにすることだけを考えた。(甲子園で)歓声や罵声のようなものが上がることは自分自身も気合が入る」。熱狂的な応援を、逆手にとって三振につなげた。○...1点リードの8回1死二、三塁からマウンドに上がった森浦も火消しに成功し、今季初のヒーローに選出された。3番手ケムナが2四球と犠打で1死二、三塁を招いたところで登板。ロハスをチェンジアップで空振り三振。梅野も同球種で遊ゴロに打ち取り、ピンチを脱した。「いいところに決まってくれた。チームの勝利に結びつくようなプレーをしたい」。昨季チーム最多登板の左腕が、リリーフで光った。

◆阪神3番手が渡辺雄大投手(30)が、ソフトバンクから移籍後12試合目で初失点し、プロ初の敗戦投手となった。6回に先頭マクブルームに中前打、1死一塁から小園に右中間へ同点適時三塁打。続く末包には犠飛を浴びて勝ち越された。矢野監督は「ずっと頑張ってくれていたので、点を取られることもあるけど、切り替えて引き続き頑張ってほしい。次回しっかり抑えてもらったらいい」と変わらぬ信頼を口にした。

◆阪神が広島に逆転負けし、連敗となった。先発秋山を4回1失点で下げ、継投で勝負。勝ちパターンのアルカンタラ、湯浅、抑えの岩崎まで投入したが、打線は終盤の好機を逃した。1点差負け13試合は12球団ワーストで、3試合に1度のペースだ。このカードは開幕から1分けを挟んで7連敗。苦しい戦いが続く。▼阪神は今季の広島戦で、初戦から1分けを挟み7連敗。このカードでは、88年の開幕10連敗に続きワースト2位となった。全7敗のうち、1点差試合は過半数の4度。中日戦と並び対戦別最多で、競り合いに弱い今季の戦いぶりを象徴している。

◆5月6日の中日戦(バンテリンD)から4試合連続で欠場が続いていた阪神・糸井嘉男外野手(40)が「6番・右翼」でスタメンに復帰した。コンディション不良により、ここ数試合はベンチでの待機が続いていた。代打での出場を経て、スタメン復帰は4月30日の巨人戦(東京D)以来、9試合ぶり。前夜は完封負けを喫した中で、打線を活気づける働きに期待がかかる。

◆阪神は先制された直後の一回の攻撃に「4番・三塁」で出場した佐藤輝明内野手(23)などの適時打で、すぐさま逆転した。「打ったのはストレート。前の2人がつないで作ってくれたチャンスだったので、絶対にランナーをかえしたいと思っていました。点を取られたあと、すぐに追いつくことができて良かったです」秋山が一回に1点の先制を許した。それでも、直後の攻撃では中野の四球、10日に1軍復帰したマルテの復帰後初安打で一、二塁のチャンスを作り、4番が打席へ。真ん中に甘く入ってきた143キロ直球をとらえて鋭い打球で一、二塁間を破り、同点に追いついた。さらに、その後の2死一、二塁では9試合ぶりにスタメン復帰した糸井嘉男外野手(40)が右前にはじき返し、マルテが二塁から本塁へ突入。マルテは右翼からの返球を受けた捕手・坂倉にタッチされるよりもわずかに早くホームに触れ、広島・佐々岡監督のリクエスト要求によるリプレー検証の結果も判定は変わらず、逆転に成功した。

◆阪神・秋山拓巳投手(31)が先発し、4回6安打1失点で降板した。一回に、先頭・堂林に右中間二塁打を許すと、菊池涼のバントで1死三塁とされ、続く西川の遊撃内野安打であっさりと先制された。その後のピンチを断ち、直後の攻撃で味方が2得点して形勢は逆転したが、右腕はその後も立ち直りきることができず、二、三回も安打をきっかけにして得点圏に走者を背負った。本塁こそ踏ませなかったが四回を終わって今季最少の64球を投げたところで矢野監督は交代を決断。勝利投手の権利すら得ることができず、右腕にとっては悔しい登板になってしまった。

◆阪神・渡辺雄大投手(30)が六回に3番手として登板し、逆転を許した。1点リードの展開でバトンは巡ってきた。しかし、先頭のマクブルームに中前打を浴びると、1死後に小園に外角へと逃げていくスライダーをとらえられ、右中間への同点三塁打とされた。さらには続くD6位・末包(大阪ガス)には中犠飛を打たれ、試合をひっくり返された。今オフに戦力外となったソフトバンクから阪神に移籍し、今年3月に育成から支配下登録を勝ち取った。開幕後も中継ぎ左腕として結果を残してきたが、今季12試合目で初失点。勝ち越し点を献上すると、膝に手をついて悔しがった。

◆阪神は逆転負けで3カード連続負け越し。広島には開幕から屈辱の7連敗(1分け挟む)を喫した。阪神は1点を先制された直後の一回の攻撃で佐藤輝、糸井がともに右前適時打を放って逆転。先制点を与えた先発の秋山は二回以降も走者を出しながら、四回までゼロを並べて交代した。五回以降は継投策に出たが、六回に左腕・渡辺が小園に右中間への同点三塁打を浴び、今季12試合目にして初失点。さらにD6位・末包(大阪ガス)には中犠飛を許して試合をひっくり返された。打線はチャンスを作った終盤もあと一本が出ず。七回は1死満塁でマルテと佐藤輝が連続で空振り三振に倒れ、八回は1死二、三塁で代打・ロハスが空振り三振、梅野が遊ゴロに打ち取られた。九回は守護神・栗林相手に三者凡退と反撃できなかった。

◆広島が4連勝で首位に浮上した。1―2の六回に小園が同点三塁打を放ち、末包の犠飛で勝ち越した。九里は七回途中を2失点と粘り、森浦らの好救援もあって2勝目。阪神は終盤の好機を逃し、今季このカード1分けを挟み7連敗。

◆1点を追う阪神は七回1死満塁、八回1死二、三塁の好機を逃し、引き分けを挟む広島戦の開幕からの連敗は7となった。1点差負けはチーム負け数の半数にあたる13度目。6連勝後は3カード連続負け越しとなった矢野耀大監督(53)の一問一答は以下の通り(チーム成績12勝26敗1分、観衆3万917人)。ーー秋山は苦しい投球で四回までの判断に(4回6安打1失点)「上位にいい感じに打たれていたんで。まああそこまでかなと」ーー今季は秋山らしいところが出てこない「真っすぐがね、やっぱりアキらしさっていうのがまだ出てないんで。まあスピードガンがね、めちゃくちゃ速くてとか、そういうピッチャーじゃないけど、真っすぐがもうちょっと切れてくるというか、そういうところが必要なんじゃないかなと思うけど」ーー終わったばかりだが次は「...考えるよ」ーー糸井がすぐ仕事をした「やっぱり、初回の適時打だってそうやし、もう1本もそうやし、四球もそうやし。何かを起こしてくれるんじゃないかなというものを持っているんで。嘉男が入ると、そういうところで、何か期待が上がる感じは今日も見えたんで。あとはコンディションをしっかり、どうなっていくかというところだと思います」) ーーマルテ(七回1死満塁で空振り三振)、ロハス(八回1死二、三塁で空振り三振)の場面はチャンスまでは作っているだけに「まあね。三振じゃ、やっぱり事が起こらんから。何とかしようという気持ちで行ってくれているとは思うんやけど。三振じゃね」ーー渡辺はここまで無失点だっただけに(六回に2点を奪われ、登板12試合目にして初失点)「あそこ(六回1死一塁で小園に右中間を破る同点三塁打を浴びる)も追い込んでの、あの1球というのは、すごくもったいないよね。もちろん、あそこに投げようとは思っていないやろうし。簡単に行ったということじゃないんやろうけど。あの1球がもったいないと言うか、悔やまれるなと」

◆近鉄、西武で主砲として465本塁打&2452安打をマークし、西武コーチ時代には清原和博らを育てたサンケイスポーツ専属評論家・土井正博氏(78)は迷える阪神打線を叱責。「各打者がなぜか変化球待ちして、真っすぐに全くタイミングが合っていない」と指摘した。阪神打線は極めて重症だ。一回に2点を奪って逆転し、普通は勢いに乗っていくものだが、どちらがリードしているのか間違いそうになるぐらい阪神の攻撃は重苦しい。原因は、ほとんどの打者がタイミングが合っていないから。自分のタイミングでスイングできていたのは糸井ぐらい。他の打者は軒並み、真っすぐに差し込まれていた。大山に象徴されるが、タイミングが合わない打者はみんな、なぜか初球から変化球を待っていた。どういう指示なのか、理由は定かではないが、変化球を待って、真っすぐが来ると慌ててボール気味でも振ってしまう、の繰り返し。選球眼も悪いし、自分のスイングができるはずもない。相手バッテリーも変化球待ちの傾向を察知してか、少々ボール気味でも真っすぐを投げておけば大丈夫という配球。完全に舐められていた。打席でテークバックの位置でしっかりタイミングを取るためには、基本は真っすぐを待たなければダメ。そこから、変化球が来ても対応していく形の打撃をしていかなければ、いつまでたっても打てない。ベンチ全体で考える必要はある。選手起用、作戦でも疑問点は多い。八回無死一、二塁で打席に糸原。送りバントのサインだったようだが、カウント2-0から正直にバントする必要は全くない。相手投手のケムナはほとんどストライクが入っていない。1球ストライクを見送っても、相手が追い詰められた状況に変化はない。バントして、アウトを1つ与えて、広島に余裕を持たれてしまった。直後の代打・ロハスも人選ミス。最近、ようやく見え始めた阪神の点を取る形は、ゴロを打って走者をかえす。俊足の代走を出していたのだ。ならば確率の低い一発長打の打者ではなく、少しでもバットに当たる確率の高い打者を送ってほしかった。案の定、ロハスは最もタイミングが取れていない打者だからボール球を振って、チャンスを逃す結果に。繰り返すが、チーム全体のタイミングの取り方の拙さは異常。早く手を打たなければ復調に相当な時間を要し、手遅れになってしまう。

◆広島の小園が六回に同点三塁打を放った。1死一塁で2ストライクと追い込まれながらも「何とか次につなげるという気持ちで(打席に)入っていた」と変則サウスポー渡辺の変化球を打ち返し、右中間を深々と破った。次打者の末包の犠飛で勝ち越しのホームインとした。開幕から不振が長引いたが、5月に入って復調を感じさせ、この日は3安打の固め打ち。5試合連続安打で、さらに複数安打と、打点を3試合続けてマークしており「必死にやっているだけ。打率はまだ2割に乗ったぐらい。ここから上げていけるように」と巻き返しを期した。

◆先は長かったが、最後までつなげると踏んだ。早めの継投に打って出た矢野監督だったが、凶と出た。先発の秋山を、1点はリードしていたものの四回まででスパッと交代。苦しさゆえの決断だったが、結果的に次なる苦しみを生んだ。「上位にいい感じに打たれていたんで。まあ、あそこまでかなと」浴びた6安打も、それ以外も痛烈な当たりが多かった。2-1で迎えた五回が1番から始まる局面だったことで、指揮官はベンチを立った。2番手で加治屋を送り出し、頼れるリリーフ陣で〝あと5イニング〟をつなぐと決断した。加治屋は無安打で五回を封じたが、落とし穴に飲み込まれたのは、この日まで11戦で無失点投球を続けていた3番手・渡辺だった。六回先頭でマクブルームに中前打を浴び、坂倉の二ゴロで1死は奪ったが、続く小園に右中間へ同点三塁打を浴びた。カウント0-2から浴びた痛恨の一打に矢野監督は「追い込んでの、あの1球というのはすごくもったいないよね」と悔やんだ。続く右打者の末包にも渡辺が続投。しかし中犠飛を打ち返され、結局これが決勝点に。継投のきめ細やかさを欠いたのが裏目に出てしまった。今季の虎は、打線の反発力のなさもたたって、先発が5回を投げられなかったゲームは「0勝9敗1分け」だ。4月21日のDeNA戦(横浜)でも先発の斎藤に代え、2点リードの四回から馬場を送り出したが、逆転を許した。勝ちパターンが確立されてきた一方、序盤や中盤からの乱戦を、一向にモノにできずにいる。秋山がしゃきっとしていれば、誰かが打っていれば、というすべての影響を受けて、継投にほころびが生まれた。誰かが踏ん張らなくては、このまま負の連鎖を断ち切れない。(長友孝輔)

◆この男が帰ってきたこと、そして快音を残したことが唯一の救いだ。9試合ぶりにスタメン復帰した糸井が2安打1打点と気を吐いた。「とにかく勝ちたかった。それだけ。自分のことについては特に何も」1-1の同点に追いつき迎えた一回2死一、二塁の好機。九里の128キロフォークを拾い上げ、一時勝ち越しの右前適時打を放った。六回は左前打で今季7度目のマルチ安打をマークだ。コンディション不良のため6日の中日戦(バンテリンドーム)から4試合連続で欠場していた。超人を欠いた打線は深刻な得点力不足に苦しみ、糸井が欠場した4試合はわずか5得点。2度の零封負けを喫している。そんな低調な打線に糸井がすぐさまバットで活を入れた。矢野監督も「何かを起こしてくれるんじゃないかなというものを持っている。嘉男(糸井)が入ると期待が上がる感じはきょうも見えた」と願っている。糸井は「勝てるように、みんなで何とかやっていきたいと思います」と力を込めた。点を線につなげる。超人が貧打の虎を変えていく。(原田遼太郎)

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<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(1↑)
広島
22151 0.595
(↑0.012)
-
(-)
105167
(+3)
119
(+2)
17
(-)
7
(-)
0.262
(↑0.001
2.910
(↑0.02)
2
(1↓)
ヤクルト
20150 0.571
(↓0.017)
1
(↓1)
108132
(-)
118
(+2)
32
(-)
19
(-)
0.226
(↓0.005)
2.920
(↑0.03)
3
(1↑)
中日
19160 0.543
(↑0.014)
2
(-)
108113
(+2)
116
(-)
21
(+1)
13
(-)
0.246
(↑0.001)
3.130
(↑0.1)
4
(1↓)
巨人
21180 0.538
(-)
2
(↓0.5)
104154
(-)
163
(-)
41
(-)
14
(-)
0.242
(-)
3.560
(-)
5
(-)
DeNA
14180 0.438
(-)
5.5
(↓0.5)
111116
(-)
145
(-)
26
(-)
13
(-)
0.244
(-)
4.040
(-)
6
(-)
阪神
12261 0.316
(↓0.008)
10.5
(↓1)
104110
(+2)
131
(+3)
24
(-)
24
(-)
0.224
(↑0.001
3.200
(↑0.01)