ヤクルト(★0対1☆)中日 =リーグ戦6回戦(2022.05.10)・明治神宮野球場=
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中日
0001000001711
ヤクルト
0000000000700
勝利投手:小笠原 慎之介(2勝1敗0S)
(セーブ:R.マルティネス(0勝1敗9S))
敗戦投手:小川 泰弘(1勝3敗0S)

本塁打
【中日】A.マルティネス(1号・4回表ソロ)

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◆中日は0-0で迎えた4回表、A.マルティネスのソロで先制する。投げては、先発・小笠原が6回4安打無失点の好投。その後は3投手の継投でリードを守り、小笠原は今季2勝目を挙げた。敗れたヤクルトは9回に一打同点の好機をつくるも、あと1本が出なかった。

◆中日は緊急昇格した根尾昂外野手(22)を「7番右翼」で先発に起用した。チームに合流した根尾は「ファームでやってきたとおり、頑張ります」とコメントした。正捕手の木下とチーム最多の5本塁打19打点をマークしている石川昂が9日にコロナ感染が判明して離脱。10日のPCR検査で平田も陽性判定を受け、鵜飼は再検査のためベンチ入りメンバーから外れた。根尾は遊撃再挑戦で2軍降格していたが、外野手不足の緊急事態により、右翼起用になったとみられる。三塁には3番で高橋周、捕手は石橋が先発起用された。

◆ヤクルト小川泰弘投手が、7回1失点の好投も実らず、今季3敗目を喫した。失点は4回のソロ弾のみ。力強い直球を軸に中日打線を要所で抑え「今日は1球1球丁寧に粘りながら投げることを意識して投げました。ホームランを1本打たれてしまいましたが試合はつくることができたと思います」と安定した投球内容を披露。しかし味方打線の援護はなく、完封した前回登板に続く連勝とはならなかった。チームの連勝は3でストップ。首位はキープも、2位広島に0ゲーム差となった。

◆ヤクルト打線が沈黙し、連勝が3でストップした。1点を追う6回、山田が四球、村上が中前打で2死一、三塁とし5番オスナ。しかし1ボールから3連続空振りで、三振に打ち取られた。8回には2死満塁から中村が遊飛。この試合、得点圏で6打数無安打と、あと1本が出なかった。12試合ぶりに無得点で敗れた高津監督は「あと1本というところ。ちょっとつながらなかった」と悔しがった。7日に今季初めて首位浮上した昨季王者が、ホームで勝てない。先発小川の7回1失点の粘投も実らず、ソロ弾1発に泣いた。これでチームのホーム戦は5勝10敗。さらに今季唯一負け越している相手が中日だ。大型連休中、敵地2カードを5勝1敗で終えて迎えた本拠地だっただけに、指揮官は「勝ちたかったですね。やはり点取らないとってとこですね」。2位広島とゲーム差なしとなった。

◆コロナに負けない! 中日小笠原慎之介投手(24)がヤクルト相手に6回4安打無失点で2勝目。チームに新型コロナの感染者が拡大する中、首位チームに2差に詰め寄る力投を見せた。気迫で危機を乗り切った。1点リードの6回2死一塁。村上に中前打でつながれ、一、三塁。ここで5番オスナ。145キロ直球で追い込み、カーブで空振り三振を奪うと左拳を突き上げた。「離脱者が多く、こういうときこそチーム一丸で、と思っていました。(1軍で初バッテリーを組んだ石橋も)新鮮でした」。強力救援陣の助けも借りて、完封リレーで勝利を手にすると笑みを浮かべた。チームに訪れたコロナ危機。9日の木下、石川昂に続き、平田も陽性判定で登録抹消。ルーキー鵜飼もPCR検査の必要が生じてヤクルト戦のベンチ入りメンバーを外れた後、陽性判定が出た。死球による右膝打撲で離脱中の大島に加え、相次ぐ主力の離脱で打線は非常事態に陥っていた。自身も4月はコロナ感染で完全離脱を余儀なくされた。復帰戦となった3日のDeNA戦で今季初勝利を挙げたばかり。負けられない思いは強かった。立浪監督は「よく勝ちましたよ」と苦笑いしながら「小笠原はよかったですよ」と復帰後2連勝の左腕を評価。苦しいゲームを1-0で取って安堵(あんど)の笑みが浮かんだ。「こういう状況ですけど、チームの中で競争していければいい」。コロナ禍でも前を見据えて戦う。【安藤宏樹】○...緊急で再昇格した根尾が「7番右翼」で出場。「ファームでやってきた通り、頑張ります」と臨み、最初の打席で犠打を決めたが、その後は3打席凡退に終わった。遊撃再挑戦を主目的に4月21日に2軍降格。投手デビューも経て、1軍復帰した。コロナ禍による外野手不足で右翼でのフル出場となったが、今後は二刀流も含めて注目だ。○...打のヒーローはA・マルティネスだ。0-0の4回、先発小川から右翼へ千金の1号ソロ。これが唯一の得点で、チームの窮地を一振りで救った。「ストレートで押してきていたので頭にあった。一発で仕留められてよかった」。相次ぐ主力のコロナ離脱で4月28日以来のスタメン出場。今季初の3安打で存在感を発揮した。

◆11日の中日戦で今季初先発するヤクルトの3年目右腕、吉田大喜投手(24)は、神宮外苑でダッシュなどで調整した。1軍での先発は2020年10月22日の巨人戦以来566日ぶり。今季はイースタン・リーグで7試合に登板し2勝1敗、防御率2・08と結果を残してチャンスをつかんだ。「去年よりも全ての球の精度が良くなっている。いい準備をして、できることをやるだけです」と力強かった。

◆中日のA・マルティネスが4月28日以来の先発出場で今季初本塁打を放った。四回2死無走者で小川が外角に投げきった初球の直球を鋭く振り抜くと、打球は右翼席最前列へ。甘い球ではなかったが、しっかりと捉え「準備はできていた。直球で押してきていたから、頭の中に直球はあった」と胸を張った。この読み勝ちの一発だけでなく、二回と七回にも右前打と逆方向への打撃が光った。本来の捕手から打撃を買われて外野に転向した力を示す。この日、平田が新型コロナウイルスの陽性判定を受けたと発表され、主に右翼で試合に出ていた新人の鵜飼も陽性の疑いのため欠場。チームの非常事態をカバーする働きを見せた。

◆粘りの投球を見せたが一発に泣いた。ヤクルト・小川泰弘投手(31)が7回を5安打1失点で降板。2勝目はお預けとなった。制球力は抜群だった。二回は阿部とA・マルティネスに連打を浴びるなどし1死二、三塁のピンチを背負ったが、石橋を内角にカットボールを投げ込み見逃し三振に。小笠原もチェンジアップを低めに制球して空振り三振に打ち取り、グラブを3度たたいてホッとした表情をみせた。ただ、四回にA・マルティネスに初球147キロの速球を右翼席最前列に運ばれて先制点を献上。9日には「自分の投球をすることが大事。一球一球を大切に強気の攻めで打者に対応していきたい」と意気込んでいたが、痛恨の1球となった。この1点のみに抑えたが打線の援護がなく、100球でマウンドを降りた。前回3日の阪神戦では9回6安打に抑え、チーム初完封。開幕から5戦目にして初白星を手にした。セットポジションの際に左足を1足分三塁側にずらす新たな投球フォームを両足をそろえる昨年のものに戻したり、試合当日の調整を見直して勝利につなげた。最善のものを見つけ出そうとシーズン中でも試行錯誤を繰り返している小川。この日も前回同様に「汗かいて体ほぐして、ダッシュして切れを出す意識」と走り込みを多めに行う調整法で臨んだが、勝ち星を積み重ねることはできなかった。(森祥太郎)

◆中日は四回にA・マルティネスの1号で挙げた1点を4人の継投で守り切った。小笠原が6回を4安打無失点で2勝目、R・マルティネスは9セーブ目。ヤクルトは好機にあと一本が出ず、7回を1失点と好投した小川を見殺しにした。

◆1点が遠かった。セ・リーグ首位のヤクルトは中日と同じ7安打を放ちながらも、今季3度目の零封負け。高津臣吾監督(53)は「勝ちたかったですね。当たり前ですが、ちょっと(打線が)つながらなかった」と肩を落とした。三回以降は毎回走者を出しながらも、中日投手陣を崩せなかった。1点を追う六回は、山田の四球と村上の中前打で2死一、三塁の好機を作ったが、オスナが空振り三振。八回は塩見、村上、オスナが四球を選んで2死満塁と一打逆転の場面を作ったが、中村が遊飛に倒れた。7回1失点と粘りの投球を続けていた小川を援護することができなかった。これで本拠地・神宮球場では4勝9敗(ホーム5勝10敗)。ビジターでは15勝4敗と圧倒的な成績を残す一方で、燕党の声援に応えることができていない。7日に今季初の単独首位に立ったチームは連勝が「3」でストップ。阪神に勝った2位・広島にゲーム差なしと迫られた。指揮官は「点を取らないと勝てない」と厳しい表情で攻撃陣に奮起を促した。(森祥太郎)

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<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ヤクルト
20140 0.588
(↓0.018)
-
(-)
109132
(-)
116
(+1)
32
(-)
19
(+1)
0.231
(-)
2.950
(↑0.06)
2
(-)
広島
21151 0.583
(↑0.012)
0
(↓1)
106164
(+3)
117
(-)
17
(+1)
7
(-)
0.261
(-)
2.930
(↑0.09)
3
(-)
巨人
21180 0.538
(↓0.015)
1.5
(-)
104154
(+1)
163
(+3)
41
(-)
14
(-)
0.242
(↓0.002)
3.560
(-)
4
(-)
中日
18160 0.529
(↑0.014)
2
(↑1)
109111
(+1)
116
(-)
20
(+1)
13
(-)
0.245
(-)
3.230
(↑0.1)
5
(-)
DeNA
14180 0.438
(↑0.019)
5
(↑1)
111116
(+3)
145
(+1)
26
(-)
13
(-)
0.244
(-)
4.040
(↑0.1)
6
(-)
阪神
12251 0.324
(↓0.009)
9.5
(-)
105108
(-)
128
(+3)
24
(-)
24
(-)
0.223
(↓0.002)
3.210
(-)