巨人(★3対4☆)ヤクルト =リーグ戦9回戦(2022.05.08)・東京ドーム=
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ヤクルト
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巨人
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勝利投手:木澤 尚文(1勝0敗0S)
(セーブ:マクガフ(0勝0敗9S))
敗戦投手:大勢(1勝1敗12S)

本塁打
【巨人】ウォーカー(7号・6回裏2ラン)

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◆ヤクルトは2点ビハインドの7回表、山田の犠飛で1点差に詰め寄る。そのまま迎えた9回には、1死一二塁の好機から山崎が2点適時二塁打を放ち、土壇場で逆転に成功した。投げては、4番手・木澤がプロ初勝利。敗れた巨人は、5番手・大勢がリードを守りきれなかった。

◆ヤクルト村上宗隆内野手(22)は6日巨人戦から2試合連続本塁打中。村上の2戦連発は今回で通算17度目だが、3戦連発は21年8月17、18日巨人戦、20日広島戦で記録した1度だけ。自身2度目の3連発なるか。

◆巨人ドラフト5位の岡田悠希外野手(22)が、1軍初昇格を果たした。1年目の今季は春季キャンプやオープン戦では積極的な打撃をアピールして1軍を経験したが、開幕後は2軍でプレー。イースタン・リーグでは36試合で打率2割2分2厘、1本塁打、15打点。ヤクルト戦前練習に参加していた。代わって松原聖弥外野手(27)が出場選手登録を抹消され、2軍に合流していた。

◆巨人高橋優貴投手(25)が同点の5回途中に突如降板が告げられ、マウンド上で驚きの表情を見せた。東京ドームの観客もざわめきを隠せなかった。1-1の5回2死、ヤクルト青木に右翼への大飛球を打たれた。リプレー検証の結果、あと数センチで本塁打というフェンス最上部の柵に直撃する二塁打とされた。直後、2死二塁で右打者の山田を迎えたところで原監督がベンチを出て、2番手鍬原との交代を告げた。高橋は5回途中4安打1失点3四球で降板。「先発の役割を果たすことができずに悔しいです。自分を見つめなおして、しっかりとした投球ができるように準備したい」と振り返った。鍬原は山田を中飛に打ち取り、無失点で切り抜けた。

◆King&Princeの元メンバーで歌手の岩橋玄樹(25)が、始球式で105キロのノーバウンド投球を披露した。元野球少年で巨人ファン。背番号「2」に「GENKI」と名前が入った巨人のユニホームを着用してマウンドに上がった。ワインドアップでダイナミックなフォームから、捕手大城のミットにノーバウンドで収まる105キロの直球を投げ込んだ。憧れの東京ドームでの投球を終えた岩橋は「マウンドから見る光景は非常に特別なもので、このような経験をさせていただき、大変感謝しています。両チームの選手が見ていると思うと緊張しましたが、無事に投げることができて良かったです。ありがとうございました」とコメントした。6日からのヤクルト3連戦(東京ドーム)で開催している「最強ガールズの集い」のアンバサダーを務めていた。

◆首位ヤクルトが2位の巨人と対戦し4-3で勝利。巨人は高橋、ヤクルトはサイスニードが先発。

◆巨人の新外国人アダム・ウォーカー外野手(30)が、土だらけのユニホームで"ズッキュン砲"を決めた。同点の6回無死一塁、ヤクルト先発サイスニードの149キロ内角直球をしばいた。左翼席に飛び込む7号勝ち越し2ラン。ベンチに戻るとナインと一緒に定番の"ハートポーズ"を決めて大喜びした。ウォーカーは「追い込まれていたので何とかコンタクトしようと思いました。チームとして最高の結果になってくれてすごくうれしいし、今日という日に打つことができてうれしいよ。感謝を込めて、母の日おめでとう」とコメント。「NPBマザーズデー2022」として行われたこの日、ピンクのヘアバンドを付け、貫禄の1発を母国の母親に届けた。4回には無死一、二塁の二塁走者で、定位置付近への中飛にタッチアップで激走。ヘッドスライディングでユニホームを汚しながらも三塁を陥れ、続く中島の同点犠飛につなげていた。

◆ヤクルトが接戦を制し、首位を守った。4回1死二塁から浜田の中前適時打で1点を先制。先発サイスニードはその裏、中島に同点犠飛を浴びると、6回にはウォーカーに勝ち越しの7号2ランを浴び降板。直近2試合を連勝中の右腕だけに、イニング途中での降板に「何もありません」と言葉少なだった。しかし打線は7回1死満塁の好機から山田が犠飛を放ち1点差とすると、9回には山崎の2点適時二塁打で逆転。その裏、マクガフがリードを守った。史上初の3試合連続満塁本塁打が期待された村上は3打数無安打、2四球。この日は満塁機にも恵まれず、記録達成はならなかった。

◆巨人の新守護神・ドラフト1位の大勢投手(22)がプロ15試合目で初黒星を喫した。1点リードの9回に登板。先頭の代打川端は投ゴロに抑えたが、続く代打中村に左翼線への二塁打を許すと、塩見には遊撃内野安打。1死一、二塁とし、途中出場の山崎に逆転の2点適時二塁打を浴び、9試合ぶりの失点を許した。大勢は開幕から守護神を任され、この試合前までは1勝12セーブと抜群の安定感を誇っていた。

◆巨人が踏ん張りきれず4連敗を喫した。先発高橋は4回2/3を4安打3四球1失点で降板。2番手鍬原が無失点で粘り、6回にウォーカーの2ランで2点を勝ち越すも、リリーフ陣が踏ん張れず。7回に今村が3四死球で1死満塁とし、代わったデラロサが犠飛で1点差に詰め寄られた。デラロサは7回先頭、来日4年目で初打席に立ち、回またぎで奮闘。9回の新守護神・大勢につなぐも、1死一、二塁から逆転の2点適時二塁打を浴び、プロ15試合目で初黒星を喫した。5月に入ってからは7試合で計49失点、1試合平均で7失点となった。桑田真澄投手チーフコーチ(54)の一問一答は以下の通り-先発の高橋について今日は良いボール投げてましたし、もう少し投げさせてあげたかったなと思います。ただ、投手に四球を出したり、少し苦しい内容だった。絶対落とせない試合だったので、監督が決断された。-高橋に何か言葉をかけたり先発にとって4回2/3で代えられるのは屈辱ですし、代えられるようじゃダメなんですよね。良い球を投げていたので、もう少し信頼されて、投げさせてもらえるような投球を続けていってもらいたいと思います。-鍬原、デラロサが好投鍬原はここ2週間くらい調子を落としていたのですが、少し上がってきた感じですかね。体の使い方、ボールも良くなってきたと思います。これからに期待したいです。デラロサは昨日も負けてる中で投げてもらって、心苦しかった、申し訳なかったです。今日は苦しい場面で回またぎということで、よく投げてくれました。ボール自体も良いボールも出てきましたし、制球も少しずつ良くなっている。もっともっとよくなると思うので、上を目指して投げていって欲しい-大勢が9回に逆転されたやはりプロ野球の世界は厳しい世界ですから、なかなか簡単には勝たせてくれないですよね。今日の1敗は非常に大きく痛い1敗ですけど、大勢のこれからのプロ野球生活にとっては大きな収穫のある1敗だったと思います。ジャイアンツも彼のおかげで良い形で来られましたし。彼が打たれたことに関しては何も思わないですし、この1敗をまた彼は何勝にも変えてくれると思いますので、そこに期待したいです。-中継ぎ陣に課題があるように今のジャイアンツは投手陣でいうと、エースが3人いてセットアッパー、抑えがしっかりしているというチーム状況ではない。育てながら勝っていかないといけないという状況です。シーズン長いですから、状態良い投手を起用しながらも、育てていく。経験を積ませながら育てていくと。それを継続して1年やっていきたい。また技術力のみならず、体力、メンタルでもしっかり指導しながら、彼らに吸収してもらいたいと思います。

◆巨人が首位奪還目前から3位に転落した。1点リードの9回、定石通りに新守護神・大勢を送り込んだが、15試合目でまさかのリリーフ失敗。1死一、二塁から、山崎に155キロ直球を左翼後方へはじき返された。立岡が懸命にグラブを伸ばしたがはじかれ、逆転の2点適時二塁打。勝てば首位に再浮上できたが、首位攻防戦でヤクルトに3タテを食らって3位後退。原辰徳監督は「ちょっと勢いがありましたね。ヤクルトがね。今回、こういう結果になったというところでね」と、現実を冷静に受け止めた。打つべき手は打った。先発高橋が1失点ながら不安定とみるや、同点の5回2死二塁で継投策に転じた。3投手でリードを守ったまま、ここまで14試合で1勝12セーブの大勢までつないだ。盤石と思われた継投策でも悪い流れは止められず、連敗は4に伸びた。主力の故障離脱もあり、3カード連続で負け越し。新守護神に初黒星までついたが、原監督は「いろんな意味で勉強よ。次につなげることが非常に大事」と言えば、桑田投手チーフコーチも「非常に大きく痛い1敗ですけど大勢のこれからのプロ野球生活には大きな収穫のある1敗だったと思う。この1敗を何勝にも変えてくれると思いますので、そこに期待したい」と前を向いた。まだ38試合。苦闘の日々は、勝負どころへの糧にする。【浜本卓也】▽巨人高橋(同点の5回2死二塁、ヤクルト山田を迎えて降板。4回2/3を4安打3四球1失点) 先発の役割を果たすことができずに悔しい。自分を見つめなおして、しっかりした投球ができるように準備したい。○...新外国人ウォーカーがピンクの"ズッキュン砲"を決めた。同点の6回無死一塁、149キロ内角直球をしばき、左翼席に飛び込む7号2ラン。ベンチで定番のハートポーズを決めて大喜びした。毎週日曜日にピンクのヘアバンドを着用するウォーカーは「追い込まれていたので何とかコンタクトしようと。今日という日に打つことができてうれしいよ。感謝を込めて、母の日おめでとう」と母国の母親に快音を届けた。

◆守護神撃ちで首位キープ!! ヤクルトが巨人を逆転で破ってカード3連勝を決めた。1点を追う9回1死一、二塁、途中出場の山崎晃大朗外野手(28)が、今季セーブがかかった場面で失敗のなかった巨人大勢投手(22)の初球を捉え、決勝の2点適時二塁打。1点ビハインドの8回を3者凡退に抑えた木沢尚文投手(24)がプロ初勝利を挙げた。巨人は今季2度目の同一カード3連敗で3位に転落した。20年ドラフト1位右腕の木沢が「母の日」にうれしいプロ初勝利をマークした。「まずは先頭、そして1人ずつ抑えられるようにとマウンドに上がりました。とにかく逆転していただいた野手の方々に感謝したいです」と素直に喜んだ。期待された昨季は1軍登板なしに終わったが、今季はキャンプからアピール。150キロ超の新球シュートを軸に、ここまで10試合で防御率0.00と安定した投球を続けている。ウイニングボールは母聡子さん(54)に手渡す。慶応高から寮生活で親元を離れるが「なにかとアグレッシブな母親なので。かけてくれる言葉も非常に前向きにしてくれる、背中を押してくれるような母です」と言う。プロに入ってからも客観的な助言をくれる母には「ありがたいと思います」と感謝しかない。たくましく成長した姿を、これからも見せていく決意だ。

◆守護神撃ちで首位キープ!! ヤクルトが巨人を逆転で破ってカード3連勝を決めた。1点を追う9回1死一、二塁、途中出場の山崎晃大朗外野手(28)が、今季セーブがかかった場面で失敗のなかった巨人大勢投手(22)の初球を捉え、決勝の2点適時二塁打。1点ビハインドの8回を3者凡退に抑えた木沢尚文投手(24)がプロ初勝利を挙げた。巨人は今季2度目の同一カード3連敗で3位に転落した。ヤクルトらしい粘り強さでルーキー守護神を攻略した。1点を追う9回1死から代打中村が二塁打でチャンスメークすると、1番塩見が内野安打で続いた。打席には7回に青木の代走から出場の山崎。相手の最大の武器を狙っていた。山崎 真っすぐが強いと分かっていたので。なんとかその真っすぐをやっつけないと打てないと思ったので。積極的に仕掛けることができました。初球の155キロ直球を迷わず捉え左越え決勝二塁打。盛り上がるベンチにガッツポーズで応えた。開幕直前に新型コロナ陽性判定を受けて出遅れたが、4月7日に1軍登録されてからは持ち味の守備走塁に加え、打撃でも随所で存在感を発揮。「(濃厚接触者になった)川端さんとか塩見とかの調整が遅れてしまって迷惑をかけたこともあるんで。やっぱり悔しい、申し訳ない気持ちもあった。なんとかチームに貢献できればなと思ってるので、このまま頑張りたい」と言葉に力を込めた。前日までの2試合は村上に満塁弾が飛び出し、序盤で流れを引き寄せた。この日は一時、逆転を許すなどロースコアの接戦をものにし、高津監督も「バッテリーも含め、打線もつながりということはすごく意識してやっている。今日に関しては、よく出来たかな」と評価した。10日からは1日以来となる神宮に戻り中日との3連戦。「まだまだ5月なのでこれからだと思うが、キープしていくところ、修正していくところ、上げていかなければいけないところ。しっかり明確にして取り組んでいきたい」と引き締めた。【鈴木正章】▼ヤクルトが東京ドームでの巨人戦3連戦に3連勝したのは、97年以来25年ぶり。過去は92年5月1~3日、同7月24~26日、97年6月3~5日、同9月13~15日の4度あり、いずれも野村監督で優勝した年にマークしている。

◆首位のヤクルトが四回に先制した。1死二塁と好機を作ると、6番・浜田が左腕・高橋から中前適時打を放った。先発のサイスニードはその裏、中島に中犠飛を許し、同点に追いつかれた。浜田は「打ったのはチェンジアップです。先制のチャンスだったので大振りせずランナーを還すことだけを考えてコンパクトに打ちました」とコメントした。

◆巨人の新外国人、アダム・ウォーカー外野手(30)が「3番・左翼」で出場し、1-1の六回に勝ち越しの7号2ランを放った。無死一塁でサイスニードが内角に投じた149キロの直球を捉え、左翼席に打球を運んだ。

◆首位のヤクルトは1点を追う九回1死一、二塁とすると、途中出場の山崎晃大朗外野手(28)が巨人D1位・大勢から左越え2点二塁打を放ち、逆転した。

◆首位のヤクルトが巨人に3連勝。1点を追う九回1死一、二塁と好機を作ると、途中出場の山崎晃大朗外野手(28)が巨人D1位・大勢から左越え2点二塁打を放ち、逆転した。八回に登板し、無失点の木沢がプロ2年目で初勝利。マクガフが九回を無失点で締めた。ヤクルトは四回に先制した。1死二塁と好機を作ると、6番・浜田が左腕・高橋から中前適時打を放った。先発のサイスニードはその裏、中島に中犠飛を許し、同点に追いつかれた。さらに六回にはウォーカーに2ランを浴びた。ヤクルトは七回に山田の犠飛で1点差にし、九回の逆転劇につなげた。

◆首位のヤクルトが巨人に3連勝。1点を追う九回に1死一、二塁と好機を作ると、途中出場の山崎晃大朗外野手(28)が巨人D1位・大勢から左越え2点二塁打を放ち、逆転した。八回に登板し、無失点の木沢がプロ2年目で初勝利。マクガフが九回を無失点で締めた。山崎のヒーローインタビューは以下のとおり。--どんなことを考えて打席へ?「(前の打者の)中村さんも塩見もすごく粘って塁に出たので、なんとか僕も後ろにつなぐことを意識して真っすぐ一本に絞って打ちました」--打った感触は「ちょっとフライになったかなと思ったけど抜けてくれと思いながら走りました。塩見が一生懸命走っていたので、『がんばれ』って思いながら走りました」--今シーズンは途中からゲームに出る機会が多い「まずは走塁、守備で僕の立ち位置を確立していかないと、と思っています。その中で1打席あるかないか。その中で結果を残せてよかった」--母の日。選手たちはピンクのアイテムをつけていた「ベンチにいる時、普段、身につけない色をつけていたんですけど、ちょっと自分の視界に入るのが気持ち悪いなと思ったので途中で外しました」--巨人に勝ち、同一カード3連勝「本当に大きいと思うので、神宮に帰ってまだまだ試合は続きますけど、ひとつひとつ勝っていけたら、どんどんチームは上向きになっていくんじゃないかと。頑張っていきたいと思います」

◆巨人のドラフト1位・大勢投手(22)=関西国際大=が今季15試合目で初黒星を喫した。1点リードの九回に登板。先頭の代打・川端は投ゴロに抑えたが、続く代打・中村に左翼線への二塁打、塩見に遊撃内野安打を許した。1死一、二塁とピンチを招くと、途中出場の山崎に逆転の左越え2点二塁打を浴びた。剛腕ルーキーは、9試合ぶりの失点で初のセーブ失敗となったが、桑田投手チーフコーチは「プロ野球は厳しい世界。今日の1敗は大きく痛いが、大勢の野球人生の中では収穫のある1敗。彼のおかげでここまでいい形でこられた。この1敗を彼は何勝にも代えてくれると思う」と次戦以降に期待した。

◆ヤクルトの2年目、木沢がプロ初勝利を挙げた。2―3の八回に4番手で登板し、岡本和、ポランコ、湯浅をいずれも150キロ台のシュートで内野ゴロに打ち取った。直後に打線が逆転し「野手の方に感謝したい」と笑った。右打者の内角へ食い込む球筋が特徴。ドラフト1位で入団した昨季は、きれいな回転の直球を投げることを目指したが、2軍で打ち込まれ続けて1軍デビューすらできなかった。癖を受け入れてシュートとして磨き、制球も球威も安定した。「昨年仕事ができなかった分、ここからチームに貢献したい」と飛躍を誓った。

◆巨人・ウォーカーが7号2ランを放った。1-1の六回無死一塁でサイスニードの直球を捉え、左翼席中段へ運んだ。4週連続の〝サンデー弾〟。毎週日曜日は、がんで闘病生活を送った祖母を思い、ピンクのヘアバンドをつける。右の大砲は、母の日の一発に「今日という日に打つことができてうれしい。母の日、おめでとう」と感謝の気持ちを示した。

◆母の日に最高の親孝行だ。2年目のヤクルト・木沢尚文投手(24)が、プロ初勝利を挙げた。2―3の八回に4番手で登板し、1回をわずか6球で無安打無失点。九回にチームが逆転し、白星が舞い込んだ。「ゼロに抑えれば、勝つチャンスがあるなと思っていた。逆転していただいた野手の方に感謝したいです」昨季ドラフト1位で慶大から入団したが、1軍デビューを果たせず。2軍では2勝8敗、防御率6.07と打ち込まれた。しかし、一つの転機でプロ野球人生を180度変えた。それが、シュートの習得。初の1軍で迎えた春季キャンプで伊藤投手コーチと取り組み、この日も150キロを超えた球は全てシュートだった。比率は投球全体の6割以上。打者の懐をえぐる新たな武器を携え、今季は1軍で10試合、計16イニングを投げて防御率0.00を貫く。母の日に初白星。母・聡子さん(54)は苦境に立たされても、常に前向きな言葉を掛けてくれる。「ピンチでも冷静に投げているように見えたよ」。客観的な視点で、そう助言してくれたこともある。「実家に帰れるタイミングがあったら直接、渡したいです」。木沢は、大事そうに勝利球を握った。(横山尚杜)

◆悪夢のゴールデンウイーク(GW)となった。矢継ぎ早の継投で勝利を目指した巨人は、九回に逆転を許して今季2度目の4連敗を喫した。最大で11あった貯金は4まで減り、3位に後退。原辰徳監督(63)は「勢いがありましたね。ヤクルトがね」と肩を落とした。守護神を担うドラフト1位・大勢(関西国際大)が、3―2の九回に5番手で登板。不運な内野安打もあり1死一、二塁とされ、山崎に左翼手のグラブをかすめる2点二塁打を許した。持ち味の直球を狙われ、初めてセーブに失敗。初黒星が付いた。原監督が「いろんな意味で勉強。次につなげることが非常に大事」と言えば、「大勢の野球人生にとっては収穫のある一敗。彼のおかげで、ここまでいい形で来られた」と桑田投手チーフコーチ。首脳陣は両リーグトップの12セーブでチームを支える新人を責めなかった。投打とも正念場だ。GWは1勝8敗。敗戦試合はいずれも3得点以下にとどまり、2桁失点が3度あった。1、2番コンビの吉川、坂本が負傷離脱した打線はつながりを欠く。新戦力が台頭した投手陣には疲労の色が見える。それでも元木ヘッドコーチは「今いるメンバーで何とかしないといけない」と語気を強めた。苦境で問われるチーム力。逆風に立ち向かわなければならない。(鈴木智紘)

◆セ・リーグ首位のヤクルトは8日、巨人9回戦(東京ドーム)の九回に集中打で逆転し、4-3で勝利。東京ドームでは1997年以来25年ぶりの3連戦3連勝を飾った。代走で途中出場した山崎晃大朗外野手(28)が逆転の2点二塁打を放ち、これまでセーブ失敗がなかった巨人のドラフト1位・大勢投手(22)=関西国際大=を攻略した。集中力を研ぎ澄ませた。2-3の九回1死一、二塁。山崎が巨人の守護神・大勢の初球、155キロの速球をはじき返した。白球は左翼手のグラブをかすめ、2者生還の逆転打。ベンチに向かって右拳を突き上げた。「中村さんも塩見もすごく粘ってから塁に出てくれたので、後ろにつなぐことを意識した。直球一本で勝負を仕掛けていきました」最終盤に打線がつながった。1死から代打・中村が左翼線二塁打で口火を切り、続く塩見は遊撃内野安打。七回に代走で出場していた山崎に打席が回った。「クローザーで真っすぐが強い投手。それをやっつけないと」。狙いを絞って攻略し、試合前までセーブ失敗のなかった大勢にプロ初黒星を付けた。日大から入団7年目。昨季は自己最多の114試合に出場したが、今年3月15日に新型コロナウイルスの陽性判定を受けた。川端と塩見は濃厚接触者の疑いがあり、自主隔離を余儀なくされた。山崎以外の2人は開幕に間に合ったものの「川端さんと塩見の調整を遅らせてしまい、迷惑をかけた。(1軍に)上がってからはチームに貢献できるようにと思っていた」。自身の1軍初出場は4月8日と出遅れ、ここまで守備固めや代走がメイン。それでも打撃を磨き、シーズンに臨んでいた。ヤクルト勢が毎年1月に愛媛・松山市で行う合同自主トレに同行。主力の山田、川端、中村らと比べて股関節周りに柔軟性がなく、ストレッチを重点的にこなした。さらに大松打撃コーチの助言で、昨季は肩付近の高さで構えたグリップの位置を胸付近に下げた。両膝を折り、重心を下げたフォームにも変更。投手の球をより長く見られるよう、インパクトは捕手側にした。「ポイントを(手元に)近づけて、下半身を使ってコンタクトする意識でずっとやっている。方向性が形にはなってきている」。今季は12打席(10打数)と少ないが、3安打で6打点。勝負強さを示している。7日までは2試合連続満塁本塁打の村上や山田ら中軸が目立ったが、3試合目は脇役が活躍。東京ドームでの巨人3連戦3連勝は、野村克也監督のもとで日本一になった1997年9月以来25年ぶりだ。4月27日以降の9試合で8勝1敗。敵地で15勝4敗、勝率・789を誇る。高津監督は「こういう勝ち方は年に何度もない。すごく大きな1勝になるかもしれない」と九回の攻撃を評価した。山崎が「みんながベンチから前に出てガッツポーズを向けてくれて、一丸となっていることを実感した」と言うのだから、そう簡単に勢いは止まらないだろう。昨季の日本一の底力を示した。(森祥太郎)

◆セ・リーグ首位のヤクルトは8日、巨人9回戦(東京ドーム)の九回に集中打で逆転し、4-3で勝利。首位攻防3連戦で3連勝を飾った。対巨人戦などのデータBOXは以下の通り。?ヤクルトの巨人3連戦3連勝は昨年10月5-7日(○3-2→○3-0→○1-0、神宮)以来。?東京ドームでは今季5勝1敗。昨年7勝6敗3分け(巨人戦は5勝3敗2分け)と勝ち越すまで、1999年から20年まで22年間勝ち越せなかった鬼門だった。同球場で巨人3連戦3連勝は、野村克也監督時代だった97年9月13-15日(○5-0→○12-0→○4-2)以来25年ぶり。?逆転勝利は6日の巨人戦(一回裏終了0-1→最終13-2、東京ドーム)に次いで今季7度目。7度のうちビジターゲームで6度記録。ビジターゲームは今季15勝4敗、勝率.789(ホームは5勝9敗、同.357)と際立っている。

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<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ヤクルト
20130 0.606
(↑0.012)
-
(-)
110132
(+4)
115
(+3)
32
(-)
18
(+2)
0.231
(-)
3.010
(-)
2
(1↑)
広島
20151 0.571
(↑0.012)
1
(-)
107161
(+17)
117
(+3)
16
(+5)
7
(-)
0.261
(↑0.008)
3.020
(↑0.05)
3
(1↓)
巨人
21170 0.553
(↓0.015)
1.5
(↓1)
105153
(+3)
160
(+4)
41
(+1)
14
(-)
0.244
(↓0.001)
3.560
(↓0.01)
4
(-)
中日
17160 0.515
(↓0.016)
3
(↓1)
110110
(+3)
116
(+4)
19
(+2)
13
(-)
0.245
(↓0.001)
3.330
(↑0.01)
5
(-)
DeNA
13180 0.419
(↓0.014)
6
(↓1)
112113
(+3)
144
(+17)
26
(-)
13
(-)
0.244
(↓0.002)
4.140
(↓0.45)
6
(-)
阪神
12241 0.333
(↑0.019)
9.5
(-)
106108
(+4)
125
(+3)
24
(+1)
24
(+3)
0.225
(-)
3.210
(↑0.01)