1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | 安 | 失 | 本 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
阪神 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 2 | 1 | 0 | 4 | 7 | 1 | 1 |
中日 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 1 | 0 | 0 | 0 | 3 | 7 | 1 | 2 |
勝利投手:アルカンタラ(1勝0敗0S) (セーブ:岩崎 優(1勝0敗5S)) 敗戦投手:ロドリゲス(1勝1敗0S) 本塁打 |
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◆阪神は2点ビハインドの7回表、大山が2ランを放ち、試合を振り出しに戻す。続く8回にはロハス・ジュニアの内野ゴロの間に1点を挙げ、勝ち越しに成功した。投げては、2番手・アルカンタラが今季初勝利。敗れた中日は投手陣が終盤につかまり、痛い逆転負けを喫した。
◆阪神大山悠輔内野手(27)が2試合連続で4番を外れ、「7番一塁」で先発する。前日7日は「6番一塁」で3打数1安打1打点。一時同点のタイムリーを放った一方、4回1死二、三塁の逆転機では、初球を打ち返し三ゴロに倒れていた。前日7日に山本泰寛内野手(28)が起用された5番には、メル・ロハス・ジュニア外野手(31)が入った。チームは直近5試合で4得点と貧打に苦しむ。3番中野拓夢内野手(25)、4番佐藤輝明内野手(23)とのクリーンアップで得点力アップなるか。阪神先発は西純矢投手(20)。前回1日巨人戦(東京ドーム)では7回1失点で今季初登板初勝利を挙げた。U18日本代表でともに戦った中日石川昂弥内野手(20)との1軍プロ初対決にも注目だ。また、母の日となるこの日は「NPBマザーズデー2022」として、特別にピンクのバットやスパイクの使用が認められている。
◆阪神先発の西純矢投手(20)が楽しみにしていた19年ドラフト1位対決で痛恨の1発を浴びた。中日の高卒3年目、3番打者石川昂弥内野手(20)に5号ソロを浴びた。前日7日に「昂弥(石川)は中学校の時から仲良くしているが、打たれないようにしたい(6日のサヨナラ打は)ああいう場面で打つのが昂弥」と、勝負強さを警戒していた。初回の第1打席は151キロの初球で右邪飛。4回の第2打席はフォークで空振り三振に仕留めていたが、6回の第3打席に高め148キロ直球を左翼スタンドへ運ばれた。どの打席も真っ向勝負を挑んだ。西純は6回74球、3失点で降板。7回に大山悠輔内野手(27)が5号同点2ランを放ち、黒星をまぬがれた。
◆阪神大山悠輔内野手(27)が、意地の一振りで試合を振り出しに戻した。2点ビハインドの7回無死一塁。中日柳の124キロを引きつけ、左翼スタンドへ同点の5号2ランをたたき込んだ。大山は球団広報を通じ「打ったのはスライダー。(先発の西)純矢が頑張って投げてくれていましたし、なかなか点を取ることができていなかったので、まずは追いつくことができてよかったです。勝ち越せるように頑張ります」とコメントした。この日は2試合連続で4番を外れ、「7番一塁」で先発。前日7日は「6番一塁」で3打数1安打1打点。一時同点のタイムリーを放った一方、4回1死二、三塁の逆転機では、初球を打ち返し三ゴロに倒れていた。4月29日巨人戦(東京ドーム)以来、9日ぶりの1発。主砲の快音に小野寺暖外野手(24)や佐藤輝明内野手(23)など、ベンチの後輩たちも大盛り上がりだった。
◆阪神湯浅京己投手(22)が9ホールド目を記録した。1点を勝ち越した8回に登板。先頭石川昂から粘られながらも空振り三振を奪うと、続くビシエドも見逃し三振。最後は阿部を中飛に打ち取った。この日は母の日。試合のヒーローになった湯浅はドームまで応援に駆けつけた母衣子さんに感謝のメッセージを送った。-勝ち越し直後の大事な場面で出番だった「前の回に勝ち越してもらっていたんで絶対にゼロで、3人で抑えるという強い気持ちを持ってマウンドに上がりました」-先頭は前打席で本塁打の石川選手だった「本当に粘られはしましたけど、三振で抑えることが出来て、そこから流れに乗って3人で抑えることが出来たと思います」-チームは大山選手の本塁打で流れが変わった。気合いが入ったか「本当にブルペンで見ていて、ブルペンでも盛り上がりましたし、絶対にゼロで抑えてザキさん(岩崎)につなぐという気持ちで見ていました」-勝ちパターンでの登板で心がけること「どんな場面で投げても自分のやることは変わらないと思うので、勝っていようが、同点でいようが自分の出来ることを精いっぱいやろうと思ってマウンドに上がっている」-三重・尾鷲市の出身。今日は母の日。ドームにはお母さんが応援に訪れている「去年までリハビリ組でほとんど投げている姿を見せることが出来なかったので、今日少しでも投げている姿を見せられてうれしく思いますし、本当にもっともっと恩返しできるように頑張っていきたいと思います」-ファンにメッセージ「火曜日からもしっかり勝てるように1人1人が頑張っていきます。応援よろしくお願いします!」
◆ありがとう、お母さん! 阪神の若きセットアッパー湯浅京己(あつき)投手(22)が、「母の日」に最高の親孝行だ。1点を勝ち越した直後の8回に登板。石川昂、4番ビシエドをフォークで空振り三振に斬ると、5番阿部は150キロで押し込む中飛で3者凡退に仕留めた。高ぶる気持ちを抑え、任務を遂行した。「去年までリハビリ組でほとんど投げている姿を見せることができなかった。今日、少しでも投げている姿を見せられて、うれしく思います」ヒーローインタビューに呼ばれると、思いがあふれ出た。そっと見つめたのは三塁側ベンチ上のスタンド。バンテリンドームから車で2時間以上。三重・尾鷲市で精肉店を営む父・栄一さん(50)と母・衣子さん(49)の姿があった。19年4月の2軍戦以来、1軍では初めての観戦。母の目は感激でうるんでいた。「いつもありがとう。絶対投げるから、見ててね」。母の日に毎年連絡を送る孝行息子は今年、感謝の言葉とともに「絶対投げる」と強い意志をメッセージに加えていた。19年6月に腰椎疲労骨折。その後も度重なる再発、新たな故障...。両親の支えがあったから、今の自分がある。リリーフの出番は試合展開次第だが、そんな思いを知ってか、野球の神様は最高の舞台を用意してくれた。特別なマウンドを、意気に感じないはずがなかった。4月12日、バンテリンドームでの中日戦は1点リードの8回に登板。3安打2失点でプロ初黒星を喫した。全く同じシチュエーションで、大きく成長した姿を披露した。8試合連続無失点でリーグ2位、チームトップの9ホールドをゲット。「8回の男」の地位を確固たるものにしている。「やられたらやり返す。それは頭の中にあった。これからもっともっと恩返しできるように頑張っていきたいです」ようやく見せられた晴れ姿。背番号65の親孝行はまだまだ続く。【中野椋】〇...母の日のこの日、公式戦開催6球場で昨年に続く2回目の「NPBマザーズデー」が実施された。従来は使えないピンク色のバットや打撃手袋、スパイクなどの使用が許可され、全選手がピンクのリストバンドを着用。阪神ナインでは近本、佐藤輝、大山らがピンクバットを使った。捕手の梅野は守備時にもピンクのプロテクター、レガースを着用した。また、審判もピンクのキャップをかぶり、ベースもピンク色に変更。大型ビジョンの映像もピンク基調になるなど、母への感謝で球場が染められた。○...3番中野が四球&盗塁で勝ち越し点を呼び込んだ。同点の8回1死。今季158打席目で初の四球を選ぶと、すぐさまリーグトップタイとなる8個目の盗塁に成功。佐藤輝の中前打で三進し、ロハスの内野ゴロで決勝のホームを踏んだ。中野は「エラーでも四球でも、なんでも塁に出れば、自分の持ち味である足を生かすことができると考えていました」と会心だった。阪神矢野監督(中軸を3人で抑えた湯浅について)「プレッシャーも一番かかる場面。苦しい中で追い越して、一番ある意味難しいけど、3人で抑えたのも成長やしね。本当にボールも開幕してからどんどん良くなっている。経験を積みながら成長もできている」
◆サンデードラゴンズが止まった。12球団唯一、5戦5勝だった日曜日で黒星。昨季投手2冠の柳が7回無死一塁から阪神大山に痛恨の同点2ランを浴びた。8回には2番手ロドリゲスが四球、盗塁から勝ち越しを許した。柳は6回までに106球。立浪監督は続投について「自分の判断ミス。しっかり判断しないといけなかった。結果論だが7回までいってくれというところ。これが野球」と肩を落とした。3回は2死三塁から中野のゴロをさばいた遊撃・三ツ俣が一塁へ悪送球。適時失策となって1点先制を許した。8回も1死からロドリゲスが盗塁、四球を許し、佐藤輝の中前打でピンチを拡大し、ロハスの遊ゴロで勝ち越しを許した。指揮官は「痛いミスが失点に絡んだのが今日の反省かな」と続けた。10日からは神宮、東京ドームと苦手とする敵地6連戦。首位ヤクルトとの3ゲーム差を維持できるか注目される。○...大砲候補2人が初めてアーチそろい踏みだ。5回1死一塁でルーキー鵜飼が西純から逆転3号2ラン。「打ったのはフォーク。浮いてきたボールは全部いこうと思っていました」。6回には石川昂が続いた。中学時代の野茂ジャパン、U18代表で一緒だった同学年の西純から左中間へ5号ソロを運んだ。「中途半端な打撃はしたくなかった。(西純を)正直意識していて本塁打を打ててうれしいですが、チームが負けて悔しいです」と唇をかんだ。
◆ピンクの虎が「母の日」に逆転勝利を届け、鬼門バンテリンドームでの開幕連敗を5で止めた。6球場で「NPBマザーズデー」として開催された一戦。2点を追う7回、不振で7番に降格した大山悠輔内野手(27)がピンクバットで同点の5号2ラン。8回は同じく"ピンク備え"の佐藤輝明内野手(23)の安打などから決勝点を奪った。7回以降に勝ち越し、逆転したのは今季37試合目で初めて。母への感謝を胸にさあ5月反攻だ。大山らしい豪快な弾道で白球が左翼席へ消えていった。一振りで2点差を追いつく5号2ラン。フルカウントから低めスライダーをとらえた。マウンド上の柳ががっくりとする中、ダイヤモンドを一周。矢野監督から虎メダルをかけられ、ロハスとエルボータッチで喜びを爆発させた。「純矢(西)が頑張っていてくれた。(スライダーは)頭にないことはなかった。同点に追いつけてよかった」。6回3失点で踏ん張っていた若虎の黒星を消し、8回逆転の流れを呼んだ。「母の日」にちなみ、全6球場で開催された「NPBマザーズデー」。大山も1日限りの使用が許されたピンクバットで打席に立った。「今、野球ができていることを当たり前だと思わずに、常に感謝の気持ちを持っている。母親もそうだけど、いろんな方の支えがあってこそ」。リストバンドと手袋もピンクで統一。丈夫な体に生んでくれた母や、支えてくれる人たちへの感謝をバットに乗せた。6連勝後の5試合は合計4得点。1試合平均で0.8点と打線が湿りまくって1勝4敗。大山も18打数1安打1打点だった。6番に降格した前日7日に20打席ぶりの安打となる適時打を放ったが、その後のチャンスで凡退。この日は開幕4戦目の3月29日の広島戦以来、31試合ぶりに7番まで下がった。「ここまでチームのためにできていなかった。切り替えないとやっていけないので、反省はするけど次の試合でとやっている」。秘めた悔しさをここ一番で爆発させた。今季、6回終了時にリードされた試合は16戦全敗だった。8回にロハスの遊ゴロで勝ち越し、37試合目で初めて7回以降に勝ち越し、逆転勝ちした。連敗は2で止まり、鬼門バンテリンドームでの開幕からの連敗も5でストップ。10日から甲子園に戻って、打線復活といきたい。【石橋隆雄】▼阪神はバンテリンドームでの開幕からの連敗を5で止めた。前日7日まで、シーズン初戦から5戦5敗。開幕からに限ると06年の6戦6敗がワーストで、並ぶことを免れた。▼阪神が7回以降に3点を挙げ、逆転勝ち。今季6回までにリードを許していた16試合では全敗だった。同点に追いついたり一時的に勝ち越したケースもなかった。粘りに欠けていたチームが、ようやく終盤に競り勝った。▼大山の「母の日」は不調や故障もあり、これまで出場わずか1試合でノーヒット。佐藤輝も昨季無安打で、ともにこの日が初安打だった。○...岩崎が5セーブ目を挙げた。4-3の9回に登板。2死から鵜飼のゴロをファンブルして出塁を許したが郡司を遊ゴロに片付け、「勝つことができてよかったです」とお決まりのコメント。ここまで12試合に登板して1勝0敗、5セーブ4ホールド。開幕戦で1失点した後は全て無失点で、防御率0.79の安定感を誇っている。○...アルカンタラが1回を無失点で今季初勝利を挙げた。同点の7回に登板し、安打と四球で2死一、二塁を背負ったが、三ツ俣を変化球で空振り三振。直後に打線が勝ち越した。「すごく幸せでうれしい。苦しい中でも勝ったのはいい勝ち方。母の日ですし、奥さんもお母さんとして頑張ってくれているので、いいプレゼントになった」とかみしめた。
◆阪神湯浅京己投手(22)の母・衣子さん(49)が、日刊スポーツに観戦記を寄せた。けがを乗り越えた息子の勇姿に涙し、忘れられない「母の日」のエピソードも明かした。【聞き手=中野椋】まさかヒーローにまで選ばれるなんて。感無量です。コロナ禍の中、なかなか観戦することができませんでしたが今日、来てよかったです。去年、けがから復帰して1年。いろんなことがあったなって、思い出していました。リハビリ期間、私たちは何もできないもどかしさもあって、正直つらかったこともあります。だからこそ、投げている姿を目に焼き付けようと思っていたんですけど、涙で...。本当に、最高の親孝行をしてくれたと思います。母の日に思い出に残っていることがあるんです。京己が聖光学院(福島)を卒業して、独立リーグに入った1年目。初めてのお給料でピンクの長財布を買ってくれました。今でも大切に使っています。感謝の気持ちを素直に伝えてくれる子で、何げない「ありがとう」だけでもすごく幸せな気持ちになるのに、今日の活躍は今までで一番のプレゼントになりました。これからもけがなく、チームのために貢献してほしいです。
◆阪神先発の西純矢投手(20)が「母の日」に奮闘した。最速150キロ超えの真っすぐとフォークを軸に4回まで危なげない投球を展開。1点リードの5回、8番鵜飼に左翼超え2ラン、6回には同じ19年ドラフト1位の石川昂に左翼超えソロと2被弾を浴びたが、6回6安打3失点と試合をまとめた。「点をもらったところで守り切れなかったので、自分の中では悔しいピッチングになった」。反省が口をついたが、今季初勝利を挙げた1日巨人戦に続き、2試合連続のクオリティースタート(6回以上、自責3以下)。逆転勝ちの隠れヒーローだ。「母の日」に、母美江さんもバンテリンドームまで観戦に訪れた。今年はアップルウオッチをプレゼントしたという孝行息子は「ほしいと言っていたので。絶対に使いこなせないだろうなと思いながら、プレゼントしました」と照れ笑い。白星はプレゼントできなかったが、打っても5回に柳から2試合連続安打となる右前打。投打で成長した姿をしっかりと届け、「チームが勝てて本当によかったです」と笑顔で話した。矢野監督も「1個1個をいい経験にしてくれたらいいと思う。そりゃ、代える必要ないでしょ」と、今後も先発ローテを託す方針だ。ロッテ佐々木朗と同学年で、U18高校日本代表としてともに戦った石川昂とのライバル物語は今後も続く。期待の成長株は「ホームランを打たれてしまったので、また次に対戦をするときはしっかりとやり返す気持ちで対戦できたら」と、リベンジを誓った。【桝井聡】
◆阪神佐藤輝明外野手(23)が「母の日」にピンクバットで決勝点を演出した。3-3で迎えた8回1死一塁。初球に中野が二盗を決めるとロドリゲスの高めに浮いた変化球を中前へはじき返して1死一、三塁にチャンス拡大。「絶対つなごうと。点を取りたかった」。自分で決めようとせず、続くロハスの遊ゴロ決勝点を呼び込んだ。安打を放つと一塁ベース上で両手でハートマークをつくり、母晶子さんへの感謝を示した。「いつも送り迎えとか、LINE(ライン)とかしてくれますし、感謝しています」。西宮市内の自宅で観戦していた晶子さんは「テレビ画面越しですが、ちゃんと届きました。得点にからむヒットを打ってくれたのでうれしかったです」と感激していた。
◆阪神・西純矢投手(20)が今季2度目の先発を務める。今季初登板だった1日の巨人戦(東京D)では7回3安打1失点で今季初勝利。チャンスを得て臨む初めての中日戦では、連敗ストップの期待がかかる。打線では7日に6番で出場して適時打を放った大山悠輔内野手(27)は3月29日の広島戦(マツダ)以来となる7番で出場する。
◆阪神が二回の先制機を逸した。先頭の佐藤輝が投前内野安打で出塁、ロハスが右前打で無死一、三塁のチャンスを作ったが生かせなかった。2試合ぶりにスタメン復帰した糸原がボテボテの三ゴロ。三走・佐藤輝が挟まれ、1死一、二塁と変わった。続く大山は相手の暴投で二、三塁とチャンスをもらいながら、痛恨の見逃し三振。梅野も空振り三振に倒れ、まさかの無得点だった。ここまでチームは今季、バンテリンドームで5戦5敗で合計3得点と今まで以上に〝鬼門〟になっている。
◆阪神が相手のミスで先制した。三回2死から「2番・右翼」で3試合ぶりにスタメン出場した島田が右翼線へ三塁打。一気にチャンスを作ると、中野の遊ゴロを中日の遊撃手・三ツ俣が悪送球。ラッキーな形で先制点をあげた。
◆阪神・大山悠輔内野手(27)が起死回生の同点2ランを放った。「(西)純矢が頑張って投げてくれていましたし、なかなか点を取ることができていなかったのでまずは追いつくことができてよかったです。勝ち越せるように頑張ります」。1-3の七回無死一塁で打席へ。フルカウントから7球目、低め124㌔変化球をすくい上げた。打球は左中間スタンドに飛び込む同点の5号2ラン。飛距離は125メートルだった。大山は4月29日の巨人戦(東京ドーム)以来の一発。チームとしても4月30日の巨人戦(東京ドーム)の山本以来で7試合、63イニングぶり、チーム5月初本塁打となった。直近5試合でわずか1安打と苦しみ、7日には4番から6番に降格。この日は7番に打順を落とした大山が復調のきっかけをつかむ一発を放った。
◆先発した阪神・西純矢投手(20)は、6回6安打3失点で試合をまとめた。「何とか粘りながら投げることができましたが、点を取ってくれたあとを粘りきることができず悔しいです。ただ、大山さんの一発で追いついてくれたのでチームが勝ってくれることを信じてしっかり応援します」。一回先頭の岡林に初球を中前に運ばれたが、2死三塁からビシエドを遊ゴロに仕留めた。五回に中日のD2位・鵜飼(駒沢大)に逆転2ラン、六回には同期の石川昂にソロと一発に泣いた。それでも今季2試合目の先発マウンドで堂々とした投球を披露した。西純は五回の第2打席で右前打を放ち、2試合連続ヒットをマークするなどバットでもチームを鼓舞。七回、大山の一発で同点に追いつくと代打を送られ交代となった。
◆阪神がついに勝ち越した。八回1死、中日の2番手・ロドリゲスから中野が今季初の四球を選んで出塁。直後の佐藤輝の初球にスタートを切り、今季8盗塁目を決めた。1死二塁とし、佐藤輝が粘って8球目を中前へ。一、三塁の好機でロハスが意地の遊ゴロを放ち、1点をもぎ取った。
◆阪神が接戦を制した。1-3の七回に大山が同点の5号2ラン。4月29日の巨人戦(東京ドーム)以来の一発でチームとしても4月30日の巨人戦(東京ドーム)の山本以来、7試合63イニングぶり、チーム5月初本塁打だった。同点のまま迎えた八回は1死一、三塁からロハスがしぶとく遊ゴロを放って1点を勝ち越した。今季2試合目の登板となった先発・西純は2本の本塁打で失点と一発に泣きながら、6回6安打3失点と試合をまとめた。その後はアルカンタラ、湯浅、岩崎と勝利の方程式で逃げ切った。ここまで5戦全敗だった鬼門のバンテリンドームで今季初勝利。連敗は2でストップした。
◆阪神は3月29日の広島戦(マツダ)以来となる7番に入った大山悠輔内野手(27)が七回、同点の5号2ランを放ち、八回1死一、三塁からメル・ロハス・ジュニア外野手(31)の遊ゴロで勝ち越した。チームは今季バンテリンドームで6戦目にして初勝利を挙げた。八回の1イニングを無失点に抑えた湯浅京己投手(22)のヒーローインタビューは以下の通り。ーー勝ち越した後の大事な場面での登板「そうですね。前の回に勝ち越してもらっていたので、絶対にゼロで、3人で抑えると思って、強い気持ちを持って、マウンドに上がりました」ーー前打席で本塁打の石川昂選手を三振で斬ったのが大きかった「先頭で粘られはしましたけど、三振を取れて、そこから流れに乗って、3人で抑えられたと思います」ーー大山選手の同点2ランの時はブルペンに?「そうですね」ーーブルペンで気合が入った「ブルペンで見てて、ブルペンも盛り上がりましたし、絶対にゼロで抑えて、ザキさん(岩崎)につなぐという気持ちで投げていました」ーー勝ちパターンでの登板で心掛けていることは「どんな場面で投げても、自分のやることは変わらないと思うので、勝っていようが、同点であろうが、自分のできることを精一杯やろうと思って、マウンドにあがっています」ーー湯浅選手は三重・尾鷲市出身。今日は母の日です。お母さんが応援に来られていると聞いています「去年までリハビリ組で、投げている姿を見せられなかったので、少しでも、投げている姿を見せられて、うれしく思いますし、これからもっと恩返しできるように頑張っていきたいと思います」ーーファンへメッセージを「火曜日(10日)からも勝てるように、一人一人頑張っていきますので、応援よろしくお願いします」
◆阪神は3月29日の広島戦(マツダ)以来となる7番に入った大山悠輔内野手(27)が七回、同点の5号2ランを放ち、八回1死一、三塁からメル・ロハス・ジュニア外野手(31)の遊ゴロで勝ち越した。チームは今季バンテリンドームで6戦目にして初勝利を挙げた。矢野耀大監督(53)の一問一答は以下の通り(チーム成績12勝24敗1分、観衆2万9772人)。ーー大山の一発が大きかった「うん、そうやね」) ーーきっかけにしてほしい「もちろん、どこでもそう思っているし。うーん、重く受け止める必要はないけど、スタメンで出ている責任とかもある。悠輔はもちろん中心になっていかないといけない選手なんで。そういうこところでは、周りの期待、俺らの期待ももちろん大きくなる。シーズンの中ではこういう時ももちろんあるけど、何かをきっかけにやっていくべき選手なので。いいところで1本出て良かったと思う」ーー八回は中野の四球から、初球の盗塁で流れを作った「まあ別にいつも通りのプレーやったと思うし、そんなに特別なことじゃないけど」ーーしぶとくつないで勝ち越し点「そりゃあ、ヒットできれいに点を取りたいし、もっともっと点を取らないとあかんと思うけど、現状やっぱりなかなかヒット、ヒットとは。向こうもピッチャーがいいんで。ぜいたくは言えないけど、どんな形でも何とかしよう、足を絡めながら何とかしようというのは今やれることなんで。そういうところはやってくれたのかなと思うけど。まあ、ちょっと状態が上がっていない選手が多いんで。なかなか線でつながるのが難しい。甲子園に帰ってなんとかいい流れを作りたいなと思うけど」 ーー西純2発被弾は今後の経験にしてほしい(6回3失点。五回に鵜飼、六回に石川昂に本塁打を浴びる)「経験はまだないし、純矢は学んでいく立場の選手。打たれること自体はね、フォアボールで崩れたわけではないし、それは全然いいというか、今の段階ではね。ただ、最初のホームランにしても、たぶんフォークだと思うんだけど、ああいうことが起こり得るんでね。フォークは空振りを取りにいくボールだけど、初球のフォークって、意識の中で難しい部分もあって。完全なボールも投げたくないし、ストライクも欲しいところは、すごくピッチャー心理の中では難しい。やっぱりあそこは投げきれて、空振りで初球ストライクを取れる意識をもっていかないと。やっぱりああいうことはこれからも出てくると思う。意識してても出てくるんで。いい勉強になったと思う。この前よりも、ちょっと真っすぐが少なかったんかなとか。まあチームによっても状態によっても違うけど。一個一個いい経験してくれたらいいと思うけどね」ーーこの内容なら次も「そりゃ、代える必要ないでしょ」ーー湯浅も大きな仕事「そやね。プレッシャーも一番かかる場面やし、苦しい中で追い越した中だったんで、一番ある意味難しいけど。湯浅もある意味、経験積んできて自信もって投げているし、先頭バッター(石川昂)、3ボールまでいったけど、ファウルで粘られながらも、あそこにフォークが投げられるということも成長やし、3人で抑えているということも成長やし、本当にボールも開幕してからどんどん良くなっているし、経験を積みながら成長も出来ているんじゃないかなと」ーー中継ぎが奮闘「まあ、そうやって取っていかなあかんチームやし、だからこそ、そこをプラスに捉えながら打線が点を取っていくかというところで流れは変えられると思うんで、なんとかね、打線をいい方向に持って行けるようにやっていかなあかんなと思う。中継ぎはもちろん、このままっていうわけにはいかないけど、高い位置でキープしてくれたらうれしいし、いい競争ができているので」
◆中日、阪神、西武で通算1560安打を放ち、初代の楽天監督を務めたサンケイスポーツ専属評論家の田尾安志氏(68)は終盤の足を絡めた攻撃を評価したものの、今季の阪神打線の根底にある精神的脆さについても言及した。評価したいのは勝ち越し点を奪った八回、さらには点には結びつかなかった九回の攻めだ。3盗塁。これこそが阪神らしい攻撃といっていい。昨年の快進撃の中で何度も披露してきた足を絡ませての攻撃が今年は影を潜めていた。得意な攻撃の形が出始めたのは、今後に明るい材料だ。ただ打線はまだまださびしい。この3連戦は〝完全試合未遂〟に始まり、2戦目も1点のみ。この日も六回までは敵失での1点だけで正直、六回に2点差に広げられた時は負けを覚悟した。打線は「チャンスをピンチに感じている」印象が強い。象徴的だったのが二回無死一、三塁から糸原が三ゴロに倒れたシーン。本当にその球を待っていたのか、というスイングでの三ゴロだった。二ゴロ、遊ゴロで1点が簡単に入るケースだったが、今の阪神には打てないのでは、と予想したら、悪い方向で的中してしまった。阪神打線の中で、チャンスが巡ってきた時に「ヨシッ!」とプラスに考えて打席に入っている打者が何人いるだろうか? 自問自答したが、名前が浮かばない。負けが続いて、プレッシャーを感じているのは理解するが、見ている側に追い詰められた空気すら伝わってきた。もっともっと、思い切りを前面に出して、打席に入って欲しい。そんな中で大山に一発が飛び出したのは朗報。結果が出ることが、不振の打者には何よりの特効薬だ。きっかけにしてもらいたい。とはいえ、あの場面で真っすぐを投げ込まれていたら、果たして打てていたかどうか。現状の大山のスイングでは、甘い変化球だけはちょうど合う。その球が来た。しかも、走者が得点圏ではない無死一塁。長距離砲が最も気楽に打席に入れる状況だった。4打席トータルでみても、まだまだ万全にはほど遠い。私はずっと「大山6番案」を繰り返し主張してきた。しばらくは6番以下での起用で復調を期待するのが正解だろう。最後に先発した西純。もったいなかったのは五回に鵜飼に浴びた逆転2ランだ。西純は、ストライクを取りに行くフォークと、空振りを取るフォークの2種類を使い分けるのが投球の基盤になっている。初球からブンブン振ってくる鵜飼に、なぜストライクを取りに行くフォークを投げたのか。気落ちしたのか、この一発の直後から、一気に球の力もなくなった。隙を見せたらやられるといういい勉強になったはず。次に生かしてもらいたい。
◆西純は6回6安打3失点と粘投したが、白星はつかず。2被弾に「防げたホームランだったと思うので、もったいなかった」と振り返った。特に六回は中学時代から交流のある同学年の石川昂に左中間ソロを浴び「また次に対戦をするときはしっかりとやり返す気持ちで対戦できたら」とリベンジを誓った。母親も応援に駆けつけてくれた中で踏ん張り「チームが勝てて本当によかった」と打線に感謝した。
◆中野は八回1死から今季158打席目にして初の四球で出塁。「塁に出れば自分の持ち味である足を生かすことができると考えていた」と、続く佐藤輝の打席の初球で二盗に成功。リーグトップタイの8盗塁目でチャンスメークすると、4番の中前打で三塁へ進み、ロハスの遊ゴロの間に決勝のホームを踏んだ。虎に欠かせない快足に生んでくれた両親へは「感謝の気持ちをこれからしっかりと伝えたい」と話した。
◆アルカンタラが今季初勝利を手にした。「母の日の特別な日ですし、自分の奥さんもお母さんとして頑張ってくれている。いいお土産というかいいプレゼントになったと思う」。同点とした直後の七回を任され、2死一、二塁を招くも三ツ俣を空振り三振に斬ってピンチを脱出し、直後の八回に打線が勝ち越しに成功。これで10試合連続無失点と絶好調の右腕は「日に日にどんどん調子を上げていくくらいの気持ちで、これからも頑張っていきます」と誓った。
◆執念の内野ゴロが勝利につながった。阪神・ロハスは八回1死一、三塁でロドリゲスの154キロを逆方向へ。三遊間深くを襲った遊ゴロの間に三走・中野が勝ち越しのホームを踏んだ。「何とか逆方向で打点をあげることを意識した」。母の日に決勝打点。助っ人は「自分の母親、夫人だけでなく、タイガースファンのお母さんたちにいい試合を見せられるように取り組んだ」と胸を張った。
◆九回にマウンドに上がった岩崎は1回無失点で5セーブ目。2死から自らの前に転がった当たりの弱いゴロを取り損ねて同点の走者を背負ったが、代打・郡司を遊ゴロに打ち取って勝利の瞬間を迎えた。これで11試合連続無失点となり、守護神としての信頼感は増すばかり。母の日もいつもと変わらず「勝つことができてよかったです」のフレーズで好投を振り返った。
◆限りなく濃くなっていた敗色を、ピンクのバットで一変させた。チームへの思い、支えてくれる人たちへの感謝の気持ちを白球に乗せて、スタンドへ届けた。4番から、前日は6番、この日はさらに7番まで降格した大山が、もう黒星しか待っていないと思われた七回に同点の5号2ランだ。「もちろん、母の日は特別な日ですけど。ここまで自分自身、チームのためにできていなかったところがあるので、そこで打ったのはよかった」浮き沈みが、そのままチームの浮沈に直結する男だ。打順も何もかも、もう沈み切った。この日も0-0の二回1死二、三塁の絶好機で見逃し三振に倒れ、チームともども追い詰められていた。1-3のまま七回に突入し「六回終了時にビハインドなら0勝16敗」という負のデータも忍び寄ってきた。先頭の糸原が中前打で出て無死一塁。フルカウントから低めへ鋭く曲がってきた柳の115球目、スライダーを母の日のピンクバットで捉えた。4月29日の巨人戦(東京ドーム)以来の一発で、チームとしても同30日の巨人戦(東京ドーム)の山本以来7試合&63イニングぶり、5月初の待ちに待った本塁打だった。 久々に選手に虎メダルをかける場面がやってきた矢野監督も「中心になっていかないといけない選手なので。周りの期待、俺らの期待も大きくなる。何かをきっかけにやっていくべき選手なので。いいところで一本出てよかった」とうなずいた。大山だけははい上がらせなくてはいけない、はい上がれると思うから、打順を下げても、決してゲームからは下げなかった。昨季も、開幕4番から6、7番も経験し激しいアップダウンがあった。それでも打順を下げられるたびに打ち、背中の痛みなども抱えながら歯を食いしばって戦った。今季も開幕は7番で迎えたが、17試合目の4月14日には4番に座った。ここでまた下がったが、苦境でこそ大山らしく全力でやり切る。「一日が終わったらまた次の日が来ますし、いつまでも引きずることはできないので。そこはもう、自分で反省して、次の試合でというところでやっています」元々、4番にもこだわりは見せない。誰がどう見たって苦しいし悔しい日々だが、今はここから、一本ずつやり返す。(長友孝輔)
◆今季は僅差でリードする展開が自らの持ち場。湯浅は一球一球に力を込めて竜の中軸を封じ込め、母の日に球場へ駆けつけた母・衣子さんに感謝の思いを届けた。「去年までリハビリ組でほとんど投げている姿を見せられなかったので、きょう少しでも投げている姿を見せられてうれしく思いますし、これからもっともっと恩返しできるように頑張っていきます」バンテリンドームで1点リードの八回。4月12日に2失点で逆転負けを味わった状況と同じだった。だが、あのときにV打を許した先頭の石川昂を、粘られながら141キロフォークを振らせて三振に斬ると、続くビシエドも3球で見逃し三振に料理。阿部も中飛に仕留めてスコアボードにゼロを刻み、アルカンタラから受けたバトンを岩崎に渡した。日曜は5戦無敗だった竜に反撃を許さず、勝利の方程式は盤石だ。湯浅はこれで8試合連続無失点と安定感抜群。着実に積み上げているホールドポイントは「9」でリーグ2位タイとなった。役目を託す矢野監督は「ボールも開幕してからどんどん良くなっているし、経験を積みながら成長もできているんじゃないかなと」と毎回の奮投をたたえる。「目の前のことに集中してやるだけだと思うので、自分のやるべきこと、できることを一試合一試合、積み重ねていけたらと思っています」と前を向いた〝孝行息子〟は三重・尾鷲市出身。少し離れた関西で技を磨き、故郷の母にたくましい姿を見せ続ける。(須藤佳裕)
◆お母さんに感謝の白星届けた!! 阪神は中日に4-3で逆転勝ちし、バンテリンドームでの開幕からの連敗を5で止めた。「4番・三塁」で出場した佐藤輝明内野手(23)が八回に勝ち越しにつながる中前打を放つなど、マルチ安打で勝利に貢献。いつも支えてくれている母・晶子さん(49)へ感謝を伝えた。お母さん、ありがとう! 佐藤輝はピンク色のバットを振り抜いた。バンテリンドームの虎党がほっこり笑顔に包まれる。一塁に到達すると、ピンク色の打撃グローブで母の日ポーズ。打って、勝って、そしてハートで母への感謝を届けた。「絶対つなごうと。点を取りたかったので、そういう意識でした。強いスイングをしていい打球を飛ばそうと思っていた」負ければ3連敗で、また暗いトンネルに入ってしまうところだった。3-3の八回。1死から中野が出塁し、初球で二盗を決めた。もうズルズルと黒星を重ねたくない-。佐藤輝のハートが燃える。ロドリゲスの150キロ超の直球、縦に大きく曲がるスライダーにファウルで食らいついた。8球目、高めに浮いた143キロを中前へ勝ち越し劇を演出する一打。両手でハートマークを作ると、ベンチに向かって〝ラブずっきゅん〟だ。この日は母の日。佐藤輝が名古屋から放った感謝の〝ハート〟は、三塁ベンチを飛び越え、約200キロ離れた西宮市の実家に届いた。テレビ観戦した母・晶子さんは「(ハートポーズは)しっかり見ていました。チームの勝ちに貢献してくれてよかったです」と笑顔。試合後、息子は言葉でも思いを伝えた。 「送り迎えとか、LINEとかくれますし、いつも感謝しています」大学時代から母は時間をつくっては試合観戦に訪れ、毎打席を動画で撮影してくれた。プロになってからも献身的なサポートは変わらない。いつも背中を押してくれる存在だ。「周りの人への感謝、心遣いがより一層できるようになった。もともと伝えてくれる子でしたが、ことあるごとに『ありがとう』と言ってくれるようになりました」と晶子さん。年始に家族旅行に出かけた際は、弟・悠くんに「ちゃんとありがとうって言わなあかんで」と話す姿が印象的だった。頼もしく成長した息子。母への感謝を伝える日に、プレーで、言葉で、ポーズで-。全身で思いを表現してくれたことがうれしかった。この3連戦、低調な打線の中で6日に大野雄の完全試合を阻止するなど佐藤輝は孤軍奮闘を続けた。母の日もしっかりと結果を残し、チームは連敗を2でストップ。バンテリンドーム今季6試合目で初勝利を挙げた。4月29日からのゴールデンウイークを白星締めで5勝4敗と勝ち越し、矢野監督は「甲子園に帰ってなんとかいい流れを作りたい」と気合を入れ直した。佐藤輝が生み出すこの勢いに乗るしかない。「勝って、打ったんで、(母に)喜んでもらえたと思います」虎の中心で躍動する息子へ-。晶子さんは「2年目もけがをせず、一年間やり通してほしい」とエールを送った。力をくれる一番の〝ファン〟のため、佐藤輝はこれからもグラウンドで感謝のハートを届けていく。(原田遼太郎)
◆母よ、あなたは強かったァ! 『母の日』にウル虎の母が勝たせてくれた白星やー!!と雄たけびを上げたけど...は~あ(ため息)。弱い弱い阪神でもプロ野球だから、たまには勝つよなあ~。イカン、虎命の俺が冷めてどーすんだ。よっしゃあ! 7番に降格させられた大山、意地の同点2ランおおきにー! ピンクバット、サイコーや!! は~あ(ため息)。そりゃ元4番打者だもん。たまには一発ほうり込むよなぁ...。またまた、イカ~ン! 鬼門バンテリンドームで今季初勝利バンザーイ!! は~あ(ため息)。6試合目で初勝利って今まで何をしとったんや...。う~ん、勝ってもはしゃげないのは決勝点が、助っ人ロハスのどん詰まりの内野ゴロの間だったからだろうか?いやいや、そのチャンスを生んだのは中野の盗塁だったのだ!! 熊谷も山本も盗塁を決めているし...。それに七回から本日もアルカンタラ、湯浅、岩崎が無失点投球を見せてくれた。そーよ! 足を絡め、内野ゴロでも得点を奪い、投手陣が踏んばる!! これが本来の猛虎野球と考えれば、逆襲の虎が楽しみやんけー!!
◆やっぱり「天才」は言うことが違う。「そんなん全然、難しいことなんかありゃあせんですよ。わざと詰まりゃええんです。そしたら内野の頭は越えます。ヒットにはなりますから」1994年春、広島の日南キャンプに担当記者の休みカバーで出張し、当時プロ5年目だった前田智徳を取材しました。前年の93年に2年連続の打率3割(・317)と27本塁打を記録し、「天才」と評され始めていた彼に「内角の厳しいコースを打つのは難しい?」と質問したときの答えが「わざと詰まりゃええんです」だったのです。そして前田の答えにはまだ続きがありました。「ただこれは、ヒットでええんやったら、ですよ」絶句しました。さすが、ヒットを打っても一塁上で「くそっ」とばかりに首をひねり、あんな当たりしか打てなかったと悔しがっていた男です。練習ぶりにも、その言葉の〝続き〟がありました。トス打撃のとき、前田は、ボールを正対する側からではなく自身の背中側から膝元ぎりぎりのところにあげてもらって、それをまっすぐ前に打ち返していたのです。「あれは?」「あれは...まあ、いろいろです」今度は答えてくれない。トスをあげていた山本一義1軍チーフ兼打撃コーチに確認すると、ここでも驚きの答えが返ってきました。 「内角低めの難しいコースを、ヒットにするんじゃなくてバックスクリーンに放り込む。そういうバッティングがしたいと言うてるよ」だから「ヒットでええんやったら」なのか。一義さんは笑いながらこう続けてくれました。「あの子はね、ワシらがプロ10年目くらいになってから考えとったようなことを、もう意識しながらやっとるわ」2013年までプレーし、2119安打を放った前田は、今は「わざと詰まりゃええ」という言い方はしていません。「外角は強く振るけど、内角は軽く振る。下から振らない。(左)耳と肩の間からバットを出して、肘と脇を締めて振る」そうすれば、詰まらずにクリーンに打てる-。背中側からトスをあげてもらうなどの練習を積み重ねていく中で、「わざと詰まる打ち方」以上のレベルの、本人が納得のいく形を体得していったのだと思います。何が言いたいのか? 今、自分ができることをやっていきましょう。4-3で勝ちました。「天才」と評された男でさえ、走者が得点圏にいたり、厳しいコースを突かれたときには「わざと詰まる」打ち方をしていた時期があったのです。阪神は、投手陣は試合をつくっている。1点、1点積み重ねていけば、この日のように勝てます。前日7日、不振が続いていた大山が二回に一時同点となるタイムリーを放ちました。内角のカットボールを詰まりながら中前に落としたあの一打が、この日の七回の同点2ランにつながったと書くのは乱暴ですが、20打席ぶりのあのどん詰まりのヒットが、きっかけにはなったのだろうと思います。八回の勝ち越しは、盗塁をからめた攻撃で1死一、三塁とした場面から、ロハスの遊ゴロで奪いました。そろそろマルテも復帰してきます。ヒットでいい、ゴロでもいい場面でしっかり食らいついていけば、阪神打線もまだまだ点が取れるはずです。
<セ・リーグ順位表推移>
順位 | チーム名 | 勝数 | 負数 | 引分 | 勝率 | 首位差 | 残試合 | 得点 | 失点 | 本塁打 | 盗塁 | 打率 | 防御率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 (-) |
ヤクルト |
20 | 13 | 0 | 0.606 (↑0.012) | - (-) |
110 | 132 (+4) | 115 (+3) | 32 (-) | 18 (+2) |
0.231 (-) | 3.010 (-) |
2 (1↑) |
広島 |
20 | 15 | 1 | 0.571 (↑0.012) | 1 (-) |
107 | 161 (+17) | 117 (+3) | 16 (+5) | 7 (-) |
0.261 (↑0.008) | 3.020 (↑0.05) |
3 (1↓) |
巨人 |
21 | 17 | 0 | 0.553 (↓0.015) | 1.5 (↓1) |
105 | 153 (+3) | 160 (+4) | 41 (+1) | 14 (-) |
0.244 (↓0.001) | 3.560 (↓0.01) |
4 (-) |
中日 |
17 | 16 | 0 | 0.515 (↓0.016) | 3 (↓1) |
110 | 110 (+3) | 116 (+4) | 19 (+2) | 13 (-) |
0.245 (↓0.001) | 3.330 (↑0.01) |
5 (-) |
DeNA |
13 | 18 | 0 | 0.419 (↓0.014) | 6 (↓1) |
112 | 113 (+3) | 144 (+17) | 26 (-) | 13 (-) |
0.244 (↓0.002) | 4.140 (↓0.45) |
6 (-) |
阪神 |
12 | 24 | 1 | 0.333 (↑0.019) | 9.5 (-) |
106 | 108 (+4) | 125 (+3) | 24 (+1) | 24 (+3) |
0.225 (-) | 3.210 (↑0.01) |
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