中日(☆2対1★)阪神 =リーグ戦7回戦(2022.05.07)・バンテリンドーム=
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阪神
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中日
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勝利投手:松葉 貴大(1勝1敗0S)
(セーブ:R.マルティネス(0勝1敗8S))
敗戦投手:ウィルカーソン(1勝2敗0S)
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◆中日は初回、2死一二塁の好機から阿部が適時打を放ち、幸先良く先制する。直後に同点とされるも、3回裏にビシエドの適時二塁打が飛び出し、再びリードを奪った。投げては、先発・松葉が5回1失点と試合をつくり今季初勝利。敗れた阪神は、打線が1得点と振るわなかった。

◆阪神近本光司外野手(27)はここまで打率2割5分9厘だが、ナイター22試合で打率2割に対してデーゲーム13試合で打率3割6分7厘。デーゲームで18安打は吉川(巨人)の19安打に次ぎ、西川(広島)と並んでリーグ2位タイ。

◆前日7日に、中日先発大野雄に、延長10回2死まで完全投球を許した阪神は、打線を大幅に改造した。19打席連続無安打中の大山悠輔内野手(27)が4月13日の中日戦以来、24日ぶりに4番を外れ「6番一塁」で先発。3番起用が続いていた佐藤輝明内野手(23)が「4番右翼」で起用され、3番には中野拓夢内野手(25)が入った。山本泰寛内野手(28)がプロ初の5番でスタメン。チームは直近4試合のうち3試合で完封負け。クリーンアップを中心にテコ入れし、得点力アップなるか。

◆前日6日に、中日先発大野雄に、延長10回2死まで完全投球を許し完封負けした阪神打線が、12イニングぶりの得点を挙げた。1点ビハインドの2回無死。この日4番に入った佐藤輝明内野手(23)が左中間への飛球を放つと、ヘッドスライディングで三塁を陥れた。気迫のプロ初三塁打でチャンスメークすると、1死から大山悠輔内野手(27)が、詰まりながらも中前へ落とすタイムリー。19打席連続無安打で、この日6番に降格したが、20打席ぶりの安打で意地を見せた。大山は球団広報を通じ、「打ったのはカットボール。先制点を取られた直後に(佐藤)テルがいい形でチャンスをつくってくれたので、どんな形でもランナーをかえすという気持ちで打ちました」とコメントした。チームは今試合前まで直近4試合で3得点。3番に中野拓夢内野手(25)、5番に山本泰寛内野手(28)が入るなど、打線を大幅に改造し得点力アップを図っている。

◆今年の北京冬季五輪スノーボード・女子ビッグエア銅メダリストの村瀬心椛(ここも、17=ムラサキスポーツ)が始球式を行った。村瀬は岐阜県出身で岐阜第一に通う高校生。誕生日に合わせた背番号117のユニホームで登場するとワンバウンドながら51キロの球を木下のミットに投じた。登板後、村瀬は「貴重な舞台に立てて、とてもうれしかったです。始球式は一瞬でしたが、初めて来たバンテリンドームで始球式ができて、いい思い出になりました」と話した。

◆阪神は打線改造も実らず、貧打で2連敗を喫した。この日は5安打1得点に終わり、直近5試合で計4得点。昨季まで4年連続負け越しているバンテリンドームで開幕5連敗となり、借金は13に膨らんだ。前日6日の中日戦は延長10回サヨナラ負け。大野雄に10回2死まで完全投球を許し、最終的に1安打完封負けを食らった。屈辱の敗戦から一夜明け、首脳陣はスタメンを大きく組み替えた。試合前時点で19打席連続無安打だった大山悠輔内野手(27)を24日ぶりに4番から外し、「6番一塁」で起用。3番起用が続いていた佐藤輝明内野手(23)を「4番右翼」にすえた。さらに好調の山本泰寛内野手(28)をプロ初の5番で起用。貧打解消を狙ったが、中日先発松葉を打ち崩せなかった。1点を追う2回は4番佐藤輝の左中間三塁打で好機をつくると、1死三塁から6番大山の20打席ぶり安打となる中前適時打で試合を振り出しに戻した。ただ、1点を勝ち越された直後の4回1死二、三塁からは6番大山が三ゴロ、7番小野寺暖外野手(24)が空振り三振で無得点。5回1失点の松葉に今季初勝利を許した。先発のアーロン・ウィルカーソンは1回、3連打で先制点を献上。同点の3回は4番ビシエドの適時二塁打で勝ち越された。5回2失点と試合はつくったが、来日2勝目は手にできず2敗目を喫した。

◆阪神が今季チーム最短2時間23分で敗戦した。投手陣が2失点で踏ん張ったが、湿り続ける打線は2回の大山悠輔内野手(27)の適時打による1点しか奪えなかった。前日6日は中日大野雄大投手(33)に1安打完封負けを喫するなど、6連勝後は1勝4敗で、この5試合で合計4点と1試合平均0.8得点しか奪えていない。今季バンテリンドームでは5戦5敗となった。試合後の矢野燿大監督(53)の一問一答は以下の通り。-先発のウィルカーソンは5回2失点で粘り強く投げた部分もあった「もうちょっとね、行ってくれたらというのはあるけど。よくない中でも、っていうところではしっかりやってくれたと思います」-打線は大山を6番にして、どうしてもチャンスで回ってくるが「それはしゃーないけど。状態のいい選手が少ないんでね。何かきっかけがほしいんやけど、なかなかそれが見えてこない」-山本を5番にしたのはつなぎに期待したのか「つなぎというか...(10秒考える)。ちょっと説明が難しい、それは」-結果が出ていない大山の状態そのものも良くない「いい状態とは言えないよね」-中継ぎ陣が連日奮闘しているだけに「だからねえ、打線が点を取れれば連勝とかできるような状態ぐらいピッチャー陣が頑張ってくれているんで。どう点を取るかっていうところだけど。やっぱりチャンスで、点を取れそうなところで取らないと、今の全体の調子からするとやっぱりこんな展開になってしまうし。う~ん...1人1人が状態を上げていくっていうことが、まずは先決だと思うんだけど。その中でも打順を変えたり、選手を代えたり...きっかけが欲しいところなんやけど、なかなかそういうのがね、見つかってこないんで。かといって試合は待ってくれないんでね。まずは出た選手が頑張っていくというところじゃないかなと思うけど」-佐藤輝は昨日も今日も気持ちを出してのプレー「そうやね、あれがツーベースで止まるか三塁打では全然違うんで。まあ、らしさというか、あそこでムードも一気に上がったんでね。だからこそ、うーん、一気に、一気にとまではいかないけどね。やっぱり(相手の)先発のところでどう点を取るかっていうのが、やっぱりできなかったということがね」-佐藤輝も2年目でチームを背負う気持ちも「背負っていくまでは別に、それは持ってくれなくてもいいけど、もちろん持ってくれるんやったら、もちろんそうやし。まあ、でも、輝は輝の仕事っていうか、自分のやれることにベストを尽くしてやってるし。もちろん2年目になって、いろんな部分での成長というのは見えてきている部分はけっこう多いんで、そういうところではチームの中心になりつつある成長はしているのかなと」-岩貞は好投が続いているが、いいときの状態に見えるか「いい部分とね、やっぱりもうちょっと、こうして欲しいという部分ももちろんあるんだけど。まずは腕を振って、直球も変化球もしっかり強い球を投げるっていうのが貞のピッチングだと思うので。微妙なところの修正というところはまだやっていかないと安定感は出てこないと思うし。でも、加治屋もそうだし、そういうところの投手が踏ん張ってくれているというのは、流れの中で逆転につながったりとか、(他の投手に)連投が続く中で頑張ってもらうというのは大きな投手だし。それがどんどん勝ちパターンに入ってきてくれれば、よりいいけど。そういう意味で、加治屋も貞も頑張ってくれているというのは(ありがたい)。だからこそ打線でなんとか勝ちたいんだけど」

◆阪神佐藤輝明内野手が、気迫のヘッドスライディングでプロ初三塁打をもぎ取った。1点ビハインドの2回。中日松葉の136キロを左中間へはじき返した。二塁ベースを過ぎた付近で1度はスピードを緩めたが、返球の遅れを見て再度ギアチェンジ。好判断で三塁ベースに頭から飛び込み、チャンスメークに成功した。ナインを鼓舞するかのような、気持ちがにじみ出たプレー。その後、大山の適時打で一時同点のホームを踏んだ。「あれがツーベースで止まるか、三塁打では全然違う。ムードも一気に上がった」。矢野監督は泥だらけの背番号8をたたえた。前日6日には、延長10回2死に完全投球を続けていた大野雄から二塁打。この日は「チームの顔。やりがいはある」と語る4番に8試合ぶりに復帰し、3試合連続安打を決めた。「テルはテルの仕事、自分のベストを尽くしてやってる。2年目になって、いろんな部分で成長は見えてきている。そういうところではチームの中心になりつつある成長はしている」。指揮官も認める心技体のレベルアップ。苦しい時こそ頼れる、絶対的な主軸への道を進む。【中野椋】

◆阪神大山悠輔内野手は20打席ぶりの安打を復調のきっかけにしたいところだ。試合前時点で19打席連続無安打。4番から外れ、「6番一塁」で先発した。1点を追う2回には4番佐藤輝が三塁打で好機をつくった後、1死三塁から松葉のスライダーに詰まりながらも中前に同点打。「テルがいい形でチャンスを作ってくれたので、どんな形でも走者をかえすという気持ちで打ちました」と振り返った。ただ、1点を勝ち越された直後の4回1死二、三塁では、初球のチェンジアップを打ちあぐねて三ゴロに倒れた。矢野監督は「いい状態とは言えないよね」と心配顔。井上ヘッドコーチは「打順を組み替えてもチャンスで回ってくる。やっぱり悠輔がしっかりやってもらわないと困る。それは4番だろうが6番だろうが変わらない」と主砲の奮起を促した。

◆阪神が鬼門のバンテリンドームで5連敗を喫した。4年連続負け越し中の同ドームで開幕から5戦5敗は10年以来、12年ぶりの屈辱。5番に山本泰寛内野手(28)を起用するなど大幅な打線改造も実らず。今季12度目の1点差負けだ。ナイター翌日のデーゲームが多い土曜日のチーム打率は曜日別最低の1割8分9厘。このまま眠ったままなのか。猛虎よ、目覚めてくれ!やっぱり虎は名古屋で勝てないのか...。今季最短の試合時間2時間23分。前夜は中日大野雄の前に完全試合寸前となる10回1安打完封負けを喫していたが、意地を見せることなく、あっさりと敗れた。矢野監督のため息は深かった。「状態のいい選手が少ないんでね。やっぱりチャンスで、点を取れそうなところで取らないと、今の全体の調子からするとやっぱりこんな展開になってしまう」。今季24敗目で1点差負けは、半数の12試合目。土曜日のチーム打率は曜日別最低の1割8分9厘とデータも追い打ちをかけた。淡々とイニングを重ねる現状にもどかしさが募る。打線改造も実らなかった。19打席ノーヒットの大山を6番に下げ、佐藤輝を8試合ぶりに4番に据えた。3番には中野、山本をプロ初の5番に置いた。2回には佐藤輝の激走三塁打から大山の適時打で1点を刻んだが、その後が続かない。4回には無死一、二塁から山本の送りバントで二、三塁の好機をつくったが、大山が三ゴロ、さらに小野寺が空振り三振。チャンスのはずが、波に乗れない。指揮官も頭が痛い。矢野監督は5番山本について打線のつなぎを意識した? と問われて「つなぎというか...」と考え込んだ。そして「ちょっと説明が難しい」と答えた。糸井がコンディション不良でベンチスタートが続く。大山が本来の調子を落とし、クリーンアップを組むことが困難になっている。脇を固める糸原、梅野、ロハスもそろって打率1割台。毎日のオーダー表に苦悩がにじむ。指揮官は自身に言い聞かすように言った。「1人1人が状態を上げていくっていうことが、まずは先決だと思う。その中でも打順を変えたり、選手を代えたり、きっかけが欲しいところなんやけど、なかなかそういうのが見つかってこない。かと言って試合は待ってくれない」。8日の中日先発は柳。無抵抗にやられることだけは御免だ。【桝井聡】○...阪神先発ウィルカーソンは5回2失点と粘ったが2敗目となった。1回は2死から3連打で先制点を許し、同点の3回には2死一塁から、ビシエドに左翼線へ決勝点となる適時二塁打を浴びた。「全体的に球が高くなってしまったし、相手打線にも球数を多く投げさせられてしまった」と、5回で94球を費やしたことを反省。4月16日巨人戦で初登板初勝利したが、その後3戦勝ち星から遠ざかっている。矢野監督は「良くない中でも、しっかりやってくれたと思う」と粘りを評価した。○...阪神アルカンタラは9試合連続無失点でブルペンを支えている。1点を追う6回に登板。3番石川昂からのクリーンアップを3者凡退に仕留めた。「クリーンアップが相手だったし、なんとしても0点で後ろにつなげたかった。いつも以上に集中して投げることができたね。いい仕事ができて良かったよ」。中継ぎ陣の柱の1人になりつつある。○...阪神岩貞が気合の投球を見せた。7回に3番手で登板し、1イニングを無失点。先頭木下に左安を許したが、「とにかく勝ちたい! その思いだけで投げました」と、続く高橋周、鵜飼から連続奪三振。最後は代打のA・マルティネスを1球で遊ゴロに仕留めた。4試合連続無失点と結果を残している。矢野監督も「踏ん張ってくれると、流れの中で逆転につながったり、(他の投手に)連投が続く中で大きい」と評価した。○...阪神加治屋は5戦連続無失点と立場を築きつつある。1点ビハインドの8回に登板。1番岡林からの好打順を難なく3人で仕留めた。矢野監督は「加治屋も岩貞も頑張ってくれている」と納得顔。阪神加入2年目の30歳が存在感をアップさせている。▽阪神井上ヘッドコーチ(打線改造も1得点)「4番に輝明を置いたという話ですよ。前後をどうするかっていうのは考えた結果、そういうふうに置いた」▼阪神の今季土曜日の試合でのチーム打率1割8分9厘は、曜日別最低。1位の日曜日2割7分1厘から大きく見劣りする。また、防御率4・05も最悪で、最良の火曜日2・55から1点以上も悪化する。チームの勝敗も振るわず、2勝5敗の勝率2割8分6厘は、水曜日の1割6分7厘(1勝5敗)に次いでワースト2位だ。▼阪神はバンテリンドームで開幕5連敗。同球場での同一年の5連敗は、20年9月19日から最終戦の10月15日まで5連敗して以来。シーズン初戦からでは、12年5月1日から9月7日まで、1分けを挟んで8連敗して以来10年ぶり。引き分けを挟まない開幕5連敗となると、10年4月2日から5月4日に5戦5敗して以来、12年ぶりとなった。▼阪神は今季の1点差で4勝12敗と、12球団最多の借金8を作っている。全24敗のちょうど半数が1点差だ。昨年は25勝14敗で貯金11と、勝ち数と貯金ともに両リーグ最多だった。競り合いを落とし続けるチーム状況が、シーズン低迷の一因といえそうだ。

◆中日ダヤン・ビシエド内野手(33)が復調の兆しをみせた。阪神戦(バンテリンドーム)の初回に4試合、16打席ぶりの安打で先制点につなげ、同点の3回は決勝の適時二塁打を放った。立浪和義監督の指導、家族の応援を力に変え、5月初のマルチ安打。1点差で逃げ切ったチームはカード勝ち越しを決めた。立浪監督の一問一答は以下の通り。-1点差で逃げ切った「いい形で2点を取った。ダメ押し点がなかったのは反省点」-松葉は4回1死二、三塁をしのぎ5回1失点「あそこは同点を覚悟した。松葉らしい粘りの投球ができた」-ブルペンも1安打無失点リレー「勝っていればあのパターンでいける。そういう計算はあった」-松葉は5回限定「これまで5回までほとんど試合をつくってくれている。ありがたい存在。中継ぎは大変だけど。(先発に)困ったときに中3日で5回までいってくれと。そのうちあるかもしれない(笑い)」-ビシエドが決勝打「試合で結果が出ることが気分的にも違ってくる。ビシエドにはやってもらわないと困る。さらなる活躍を期待している」-ビシエドに連日指導した内容は「(体が)前に行くので、ボールとの距離が取れない。少し呼び込む間を作ろうと、練習からやっている。何よりも試合で結果が出ること。打席の中でも余裕が出れば変わってくる。いつもなら中前打の打球も詰まっていた。ある程度、捉えることができている。あれぐらいの形で待てれば長打も出てくる。本人の中ではずいぶん意識を変えてやっていると思う」

◆中日ダヤン・ビシエド内野手(33)が復調の兆しをみせた。阪神戦(バンテリンドーム)の初回に4試合、16打席ぶりの安打で先制点につなげ、同点の3回は決勝の適時二塁打を放った。立浪監督の指導、家族の応援を力に変え、5月初のマルチ安打。1点差で逃げ切ったチームはカード勝ち越しを決めた。首位ヤクルトから4位中日まで2ゲーム差。混戦に乗じて首位争いに食い込む。1-1の3回2死一塁。ビシエドはウィルカーソンの121キロの緩いカーブに体を残して引っ張った。打球は左翼線に落ち、一走・三ツ俣の激走で勝ち越した。「あんなボールはうまく仕留められなかった。今日は自分がやりたいスイングが2打席目に出た」。二塁ベース上でガッツポーズし、天を仰いだ。これが決勝打となった。前夜まで15打席凡退と不振を極めた。練習前に連日、立浪監督と腹を割って話し合った。「自分がいいときにやってきたことを思い出させてくれた。体を後ろに残して、力を入れずにリラックスしながら打つことを」。初回2死一塁で16打席ぶりの安打を中前に運んで先制点をお膳立て。「長いトンネルがあったが、ようやく抜けつつあるよ」。球団最多2480安打を放った指揮官へ感謝した。5日のこどもの日には、長男ビシエドジュニア君(12)から、似顔絵をプレゼントされた。この日は、スタンドから家族が声援を送ってくれた。「絵も上手に描けていたね。今日は球場に見に来てくれたから打てた。明日も来てもらわないと」。来日7年目。支えてくれた家族の前で笑顔を取り戻した。立浪監督も「いつもなら中前打も詰まっていた。ある程度、捉えることができている。あれぐらいの形で球を待てれば、長打も出てくる」と主砲の復調を感じ取った。本拠地でカード勝ち越しを決め、貯金は2。4位ながら首位ヤクルトと2ゲーム差に縮めた。「チームはいい感じで乗ってきている。今年の投手陣は素晴らしい。打者がもっと打って、投打がまとまって火をつけたい」。上向きのビシエドが上位争いに食い込むキーマンになる。【伊東大介】○...6回から4投手が1回ずつ無失点リレーで1点差を守った。終盤4イニングで許した走者は8回の近本だけ。最後はR・マルティネスが最速159キロをマークして締めた。リーグ2位タイの8セーブ目を挙げた守護神は「たくさんのファンに、またいい試合が見たいと思ってもらえるように投げた」。今季チームは本拠地での阪神戦を無傷の5連勝とした。○...松葉が5回4安打1失点で今季初勝利を挙げた。1点リードした直後の4回1死二、三塁は自慢の制球力で大山を三ゴロ、小野寺を空振り三振に仕留めた。前夜に大野雄が完全試合を逃したものの、10回完封勝利。お立ち台では「大野さんの素晴らしい投球を見て、もしかしてできるかなと思ったが全然無理でした」と今季最多3万6177人の観衆を笑わせた。屋外がやや苦手で6回に打たれる傾向から立浪監督が「5回、バンテリン」と限定起用し、左腕は防御率0.89の安定感で応えている。

◆6番に打順を落とした阪神・大山悠輔内野手(27)が同点打を放ち、意地を見せた。「打ったのはカットボール。先制点を取られた直後に(佐藤)テルがいい形でチャンスを作ってくれたので、どんな形でもランナーを返すという気持ちで打ちました」二回に先頭で打席に立った4番・佐藤輝明内野手(23)がプロ初となる左中間への三塁打でチャンスメーク。続く山本が遊ゴロに倒れたが、大山が先発・松葉のカットボールに詰まりながらも中前へはじき返し、同点打とした。これが自身20打席ぶりの安打で、打点がつくのも4月30日の巨人戦(東京ドーム)以来、6試合ぶり。適時打は同16日の巨人戦(甲子園)以来だった。不振でこの試合から4番を外された主砲が序盤にいきなりバットで結果を残した。

◆阪神の新外国人、アーロン・ウィルカーソン投手(32)=ドジャース3A=が5回5安打2失点で降板した。序盤は変化球が甘く入り、ピンチを招いた。一回は2死から連打で一、二塁とされ、阿部に先制打を許した。1―1の三回には、2死一塁でビシエドに左翼線へはじき返されて勝ち越された。それでも四、五回は修正して無安打に抑えたが、リードされた展開で交代が告げられた。助っ人は試合前時点で3試合で1勝1敗、防御率2・08。安定した投球を続けてはいるものの打線の援護が少なく、デビュー戦で初勝利を挙げた4月16日の巨人戦(甲子園)以降、白星から遠ざかっている。

◆阪神は、不振の大山を6番、佐藤輝を4番、中野を3番に起用し、打線を組み替えて臨んだが、かみ合わず。2018年から4年連続で負け越している敵地・バンテリンドームで連敗を喫した。先制された直後の二回に先頭の佐藤輝がプロ初の三塁打で好機を作り、大山が一時同点となるタイムリーを放った。大山にとっては20打席ぶりの安打、6試合ぶりの打点を記録。しかし、三回以降は打線が沈黙した。1―2の四回は安打と四球などで1死二、三塁のチャンスが訪れたが、大山は三ゴロ、小野寺は空振り三振。九回もあっけなく三者凡退に終わり、試合終了となった。前日6日には延長戦の末、今季9度目の零封負けを喫していたが、この日も勝負どころで一本が出なかった。先発のウィルカーソンは5回5安打2失点の粘投も今季2敗目を喫した。

◆中日が1点差を継投で守り切った。六回から4投手が無失点でつなぎ、5回1失点だった松葉が今季初勝利。打線は1―1の三回にビシエドの適時打で勝ち越した。阪神は四回1死二、三塁から無得点に終わり、以降は打線が沈黙した。

◆阪神は6番に降格した大山悠輔内野手(27)が二回1死一、三塁で20打席ぶりの安打を中前に放ち、同点に追いついたが、アーロン・ウィルカーソン投手(32)が三回に許した2点目が決勝点となり、連日の1点差負けを喫した。バンテリンドームで今季5戦5敗となった矢野耀大監督(53)の一問一答は以下の通り(チーム成績11勝24敗1分、観衆3万6177人)。ーーウィルカーソンは粘り強く投げた部分も「もうちょっとね、行ってくれたらというのはあるけど。よくない中でも、っていうところではしっかりやってくれたと思います」ーー打線は大山を6番にしたが、どうしてもチャンスで回ってくる「それはしゃーないけど。状態のいい選手が少ないんでね。何かきっかけがほしいんやけど、なかなかそれが見えてこない」ーー山本を5番にしたのはつなぎ「つなぎというか...(10秒考える)ちょっと説明が難しい、それは」ーー結果が出ていない大山の状態そのものも良くない「いい状態とは言えないよね」ーー中継ぎ陣が連日奮闘「だからねえ、打線が点を取れれば連勝とかできるような状態ぐらいピッチャー陣が頑張ってくれているんで。どう点を取るかっていうところだけど。やっぱりチャンスで、点を取れそうなところで取らないと、今の全体の調子からするとやっぱりこんな展開になってしまうし。う~ん...一人一人が状態を上げていくっていうことが、まずは先決だと思うんだけど。その中でも打順を変えたり、選手を代えたり...きっかけが欲しいところなんやけど、なかなかそういうのがね、見つかってこないんで。かといって試合は待ってくれないんでね。まずは出た選手が頑張っていくというところじゃないかなと思うけど」 ーー佐藤輝は「そうやね、あれが(二回の安打が)ツーベースで止まるか三塁打では全然違うんで。まあ、らしさというか、あそこでムードも一気に上がったんでね。だからこそ、うーん、一気に、一気にとまではいかないけどね。やっぱり(相手の)先発のところで、どう点を取るかっていうのが、やっぱりできなかったということがね」ーー佐藤輝も2年目でチームを背負う気持ちも「背負っていくまでは別に、それは持ってくれなくてもいいけど、もちろん持ってくれるんやったら、もちろんそうやし。まあ、でも輝は輝の仕事っていうか、自分のやれることにベストを尽くしてやってる。もちろん2年目になって、いろんな部分での成長は見えてきている部分は結構多いんで、そういうところではチームの中心になりつつある成長はしているのかなと」ーー岩貞は好投が続いている「いい部分とね、やっぱりもうちょっと、こうして欲しいという部分ももちろんあるんだけど。まずは腕振って、直球も変化球もしっかり強い球を投げるのが、貞のピッチング。微妙なところの修正は、まだやっていかないと安定感は出てこないと思う。でも加治屋もそうだし、そういうところの投手が踏ん張ってくれているのは、流れの中で逆転につながったりとか、(他の投手に)連投が続く中で頑張ってもらうというのは大きな投手だし。それがどんどん勝ちパターンに入ってきてくれれば、よりいいけど。そういう意味で、加治屋も貞も頑張ってくれているというのは(ありがたい)。だからこそ打線でなんとか勝ちたいんだけど」

◆阪神は投手陣の奮闘がまたも報われなかった。ウィルカーソンは「全体的に球が高くなってしまった」と反省したものの5回2失点にまとめ、その後の3投手は無失点。援護を待ったが、味方のスコアボードも「0」行進で終わった。前夜は青柳が延長十回にサヨナラ打を浴びるまで無失点で踏ん張ったが、打線が沈黙。投手陣は13試合連続で3失点以内と安定しているだけに、矢野監督は「点を取れれば連勝できるような状態。(投手陣は)頑張ってくれている」と話した。

◆中日のビシエドが奮起した。一回は2死一塁から16打席ぶりの安打となる中前打を飛ばし、先制点につながるお膳立て。三回は左翼線に勝ち越し二塁打をはじき返し「思うようなスイングができていなかった。ようやく(低迷を)抜けつつある」とほっとした表情を浮かべた。打つ際に投手側に突っ込む悪癖がこの日はある程度、改善された。立浪監督は「思い切って変えないと変わらないよと。彼は素直で性格もいいので」と復調を期待した。

◆持って生まれた星の下から、逃れることはできない。何番に座ってもチャンスが巡ってくる男。阪神・大山悠輔内野手(27)が、6番に降格して初めての打席は二回1死三塁。会心とは程遠かった。でも、力で運んだ。中前へ同点タイムリー。「打ったのはカットボール。先制点を取られた直後に(佐藤)テルがいい形でチャンスを作ってくれたので、どんな形でもランナーを返すという気持ちで打ちました」20打席ぶりのヒットだった。6試合ぶりの打点だった。どちらも、ずっと4番を任されていた背番号3には、不満すぎるデータだ。さらにびっくりするのは、適時打が4月16日の巨人戦(甲子園)以来だったこと。遠い昔のような気がした。これでは打順降格もやむを得ない。タテジマの4番は、大絶賛と猛烈な批判のはざまを生き抜いていかなければいけない。打てば神様、凡退すれば叩きのめされる。それが宿命。この日、同点打で名古屋の虎党の拍手を一身に浴びた。が、〝チャンスが向こうから寄ってくる男〟の2打席目、四回1死二、三塁では三ゴロ。相手の守備は二遊間が下がっており、三塁以外なら、外野フライでも、点が入っていた。再び、ファンの怒りの矛先は「前日までの4番」に集中した。今は耐えるとき。4番だから打てなかったとは思っていないはず。6番だから打てたとも思っていないはず。打順は何番でも-。大山の声が聞こえてくる。ファンもまだまだ期待し続ける。前回、大山がタイムリーを放った試合のサンスポは、その大山が1面だった。見出しは「ビッグウエーブ」。大山の〝波〟をみんなが待っている。(上田雅昭)

◆阪神の先発、アーロン・ウィルカーソン投手(32)は5回5安打2失点と粘投も、2敗目(1勝)を喫した。「全体的にボールが高くなってしまったし、相手に球数を多く投げさせられてしまった」と反省。一回に3連打で先制点を献上すると、1―1の三回にはビシエドに勝ち越しの適時二塁打を許した。矢野監督は「もうちょっと(イニングを)行ってくれたらというのはあるけど、(調子が)よくない中でもしっかりやってくれた」と責めなかった。

◆阪神は1-2で中日に敗れ、敵地バンテリンドームでは今季5戦全敗となった。不振の大山を6番に降格し、5番に山本を据えて臨んだが、前夜、大野雄に抑えこまれた打線はこの日も1点を挙げるのが精いっぱい。六回終了時に負けていると16連敗という低反発ぶりは、解消の兆しが見えてこない。苦しさゆえの並びは、苦しい試合を新たに一つ生んだだけだった。前夜〝9回完全試合〟を食らおうが、どんなに悔しい負けを重ねようが、この反発力のない打撃陣は目覚めない。「大山6番降格」や「山本5番起用」と大幅に打線を組み替えても、矢野監督の策は実らなかった。「状態のいい選手が少ないんでね。何かきっかけがほしいんやけど、なかなかそれが見えてこない」二回に大山が久々の適時打を放って同点としても、三回に一度勝ち越しを許してしまうと、もう今季のこれまで通り眠ったままだった。先発の松葉を捕まえ損ねると、六回以降は中日の勝利の方程式からわずか1安打。そのまま逃げ切りを許し、全敗戦の半数となる12度目の1点差負けを喫した。六回終了時にビハインドだと、これで開幕から16連敗。どうしようもない低反発っぷりを、またもさらした。 さまざまな要因が絡み合う。チーム打率・225、チーム得点圏打率・219も苦しいが、相手の勝ちパターン継投をとにかく打てない。1点を追う状況で相手リリーフと向き合うと、チーム打率・102(59打数6安打)という衝撃の数字もある。チームの本塁打なしは6試合&56イニング連続となり、今季ワーストを更新中だ。4月14日の中日戦(バンテリンドーム)から20試合連続で組み替えてきたオーダーは、まだ36試合目だが「32通り」を数えた。思い切ってなのか秘策なのか、山本をプロ7年目で初のクリーンアップとなる5番に組み込んだが、1点を追う二回無死三塁でも遊ゴロで走者をかえせず。四回無死一、二塁で犠打は決めたが、機能したとは言えなかった。つなぎを期待した起用かと問われた将は「つなぎというか...」と話した後、約10秒考えこみ、「ちょっと説明が難しい、それは」と真意を胸にしまい込んだ。バンテリンドームでは4月12-14日の3連敗に続いて今季5戦全敗。その内訳は「1、0、1、0、1」と計3得点だ。8日も難敵の柳が先発するが、もう打てる手がない。矢野監督も「まずは出た選手が頑張っていくというところじゃないかなと思う」と、ただただ野手陣の奮起を待つしかない。打てない。やり返せない。競り合えない。これでは「負け」しか待っていない。(長友孝輔)

◆相手ベンチの采配はズバッと的中するなあ。1-2で競り負け。「立浪方程式」に、きっちりとはめられました。中日・松葉が5回1失点で降板。球数もまだ63球でしたが、驚きはありませんでした。試合前、昨季までの中日担当で今年は高校野球と中日、阪神担当を兼務する遊軍記者の須藤佳裕とこんな会話をしていたからです。「防御率0点台なのに、松葉はどうしていつも早い回で降りるん?」「データを見てもらえばわかります。五回までは抑えるのに六回にいつも失点するんです」左腕は昨季6勝5敗で、総失点が30。そのうち13点が六回に許した得点でした。「五回終了後のグラウンド整備で仕切り直しになってリズムが変わってしまうのか理由はわかりませんが、今年も同じ傾向が続いていたんです。そして典型的な〝内弁慶〟で、昨年の6勝のうち5勝がバンテリンドームです。立浪監督が『松葉はバンテリンドームで5回限定』と公言しているくらいです。きょうも五回で交代になりますよ」須藤は、こうも続けました。「中日は清水、祖父江、ロドリゲス、抑えのR・マルティネスと勝利の方程式ができています。きのう大野雄が10回を完封して、リリーフ陣はきょう普段より遅めにグラウンド入りしていました。休養十分です。表情も『きょうは俺たちが』と気合が入っているように見えました」 試合展開が分かっていたかのような発言(実際にその通りになっちゃったのですが)。思わず、「須藤がこんなこと言うてる」とトラ番キャップ長友孝輔に〝告げ口〟しました。すると「データと傾向で言うなら、きょうは阪神、点取りますよ」頼もしい言葉が返ってきていたんです。ただ、口調はシニカルでした。「バンテリンドームでは今季ここまで4戦4敗で、得点は1点、0点、1点、0点です。だからきょうは点が入る」はい...。4月12日が●1-2、13日が●0-1、14日が●1-4。そして前夜5月6日が延長十回●0-1のサヨナラ負けでした。「きょうは試合前のシートノックをしていません。ナイターの次の日のデーゲームで、疲労を考慮したのだろうと思います。打つことに専念させようという狙いもあったのかも。そうなってくれるといいんですが」キャップの期待の方は当たらず、不吉なデータの方が現実になってしまいました。中日が救援陣を遅めにグラウンド入りさせたのと同様、矢野監督も打順を入り替えたり工夫しているのですが、流れが変わりません。甲子園球場で行われた2軍の中日戦に、マルテが「3番・一塁」で出場しました。実戦復帰後初めて守備にも就き、先制の左前タイムリーも打っています。「三回無死三塁から1、2番が凡退して。『おいおい、こっち(2軍)もかよ』と思ったんですが、さすがです」詳細は2軍戦を取材したトラ番原田遼太郎の最終面の記事をごらんになってください。ただ、マルテは一回の打席で頭部死球を受けていて、8日に1軍昇格ということはさすがになさそうです。「中日は8日は柳が先発します。だから松葉をきょう挟んだんだと思います。柳も長いイニングを投げられます。方程式の4人も、全員が連投という流れにはならないでしょうから」須藤、もう予言しないでくれ。

◆わが阪神、本日も黒星なり(涙)だけど、長いプロ野球の歴史に残るオーダーだったのだ! 3番・中野、そしてプロ初の5番・山本。2人とも好選手だけど、かつて、これほどまでに相手投手に迫力や恐さを与えない3、5番がいたであろうか?少なくとも、俺が記憶する55年の阪神にはないのだ!! 負けは悔しいけど、俺の心の中の〝阪神宝箱〟に大切に入れさせていただきます。は~あ、しかし、今さらながら打てまへ~ん...。前日の延長十回まで投げて1失点に泣いた青柳や、本日4投手で2失点は投手陣の責任ではありませ~ん!!そーです!! 首位・ヤクルトから4位・中日まで2ゲームの混セをもっと面白くするために〝猛虎救済特別ルール〟を!!阪神は完封されなかったら、要するに1点を取ったら勝ちにしません? えーっ、ダメ? お願いしますよ~。すでにもう9完封、食らっているんですからね。この通り(土下座)どーしてもダメ...? ビッグボスとの裏日本シリーズ(真の最下位を決める試合)が現実味を帯びてきた~。シュン。

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(1↑)
ヤクルト
19130 0.594
(↑0.013)
-
(↓0.5)
111128
(+6)
112
(+2)
32
(+2)
16
(+1)
0.231
(↓0.001)
3.010
(↑0.03)
2
(1↓)
巨人
21160 0.568
(↓0.015)
0.5
(↑0.5)
106150
(+2)
156
(+6)
40
(-)
14
(-)
0.245
(↓0.001)
3.550
(↓0.07)
3
(-)
広島
19151 0.559
(↑0.014)
1
(↑0.5)
108144
(+2)
114
(+1)
11
(+1)
7
(-)
0.253
(↓0.001)
3.070
(↑0.07)
4
(-)
中日
17150 0.531
(↑0.015)
2
(↑0.5)
111107
(+2)
112
(+1)
17
(-)
13
(-)
0.246
(↓0.002)
3.340
(↑0.07)
5
(-)
DeNA
13170 0.433
(↓0.015)
5
(↓0.5)
113110
(+1)
127
(+2)
26
(-)
13
(+2)
0.246
(↓0.003)
3.690
(↑0.07)
6
(-)
阪神
11241 0.314
(↓0.01)
9.5
(↓0.5)
107104
(+1)
122
(+2)
23
(-)
21
(-)
0.225
(↓0.002)
3.220
(↑0.02)