阪神(★0対3☆)ヤクルト =リーグ戦8回戦(2022.05.04)・阪神甲子園球場=
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ヤクルト
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阪神
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勝利投手:石川 雅規(2勝2敗0S)
(セーブ:マクガフ(0勝0敗8S))
敗戦投手:秋山 拓巳(1勝3敗0S)
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◆ヤクルトが5連勝。ヤクルトは3回表、塩見の適時打で先制に成功する。そのまま迎えた6回には、村上とオスナの連続適時打が飛び出し、貴重な追加点を挙げた。投げては、先発・石川が5回無失点で今季2勝目。敗れた阪神は、打線が序盤の好機を生かせなかった。

◆両チームのスタメンが発表された。連敗阻止を狙う阪神は、秋山拓巳投手(31)が先発を務める。右腕はヤクルトに対して、19年から10試合で無傷の6連勝をあげている。「しっかりイニング消化できるように、かわすようなピッチングにならないように投げていく」と意気込んだ。今回の3連戦では「ゴールデンウイーク こどもまつり」を実施しており、チケットも2戦連続の完売。満員の甲子園の中、3日の同戦は完封負けとなってしまい、矢野燿大監督(53)は「喜んで帰ってもらいたいなぁと思ってたけど。悔しい、残念。あしたあさってね、喜んで帰ってもらえるように頑張ります」と意気込んでいた。スタメンは以下の通り。

◆阪神山本泰寛内野手(28)が、痛いアクシデントに襲われた。1点を追う3回無死一塁の第2打席で、1ボールからの2球目、内角変化球をスイングした自打球が顔面に直撃。グラウンドでうずくまり、トレーナーに連れられベンチに戻って治療を受け、打席に戻った。結果は遊ゴロに倒れ、直後の4回の守備で交代が告げられ、熊谷が二塁についた。

◆思わぬ「水入り」があった。5回終了時のグラウンド整備で、グラウンドキーパーの阪神園芸がたっぷりと黒土に水をまいた。一塁ベース付近にはいつも通り多めにまかれたが、6回にヤクルトの先頭塩見が左前打で出て、一塁けん制を受けた際に「ぬかるんでいる」と審判にアピールした。審判はタイムをかけて阪神園芸に乾いた土の追加を要請した。すぐにプレーは再開されたが、晴天の甲子園で珍しいインターバルとなった。

◆阪神は2試合連続、8度目の完封負けを喫した。6連勝のあと2連敗で4カードぶりの負け越し。借金は12。ゴールデンウイークの満員の甲子園にまた、ため息が充満した。前日に続く大入りの4万2435人に勝利を届けられなかった。先発の秋山拓巳投手(31)は3回に塩見泰隆外野手(28)の中前打で1点を先制された。この回は最少失点にとどめたが、0-1の6回、先頭塩見のゴロを三塁の糸原健斗内野手(29)が失策。村上宗隆内野手(22)の左越え二塁打で痛恨の追加点を与えた。ここでベンチは秋山をあきらめた。代わった浜地真澄投手(23)もホセ・オスナ内野手(29)に適時右前打を浴び、ビハインドは3点に広がった。秋山は5回1/3、3失点(自責2)で3敗目(1勝)。今季の6回のチーム失点は「17」に増え、イニング別で最多になった。打線も援護できなかった。石川雅規投手(42)には4月23日の対戦でも6回を0点に抑えられていた。5回までは石川、その後は継投に封じられた。初回に先頭近本光司外野手(27)が二塁打で出塁したが、続く山本泰寛内野手(28)の投前へのゴロで飛び出し、挟殺された。2回は中野拓夢内野手(25)、3回は近本が先頭で安打を放ったが、得点に結びつかなかった。

◆阪神が今季8度目の0封負けで連敗した。2試合連続0封負けは今季2度目。2試合続けてチケット完売となり4万2435人のファンが駆け付けたが、勝利を届けるどころか、得点シーンすら見せられなかった。試合後の矢野燿大監督(53)の一問一答は以下の通り。-ヤクルト先発石川相手に前回同様、立ち上がりを攻めきれなかった「そんなにね、コースいっぱいいっぱい決まっているボールばかりではない。しっかりそれを仕留めるところができていない。前回もそうなんだけど。そこはチーム全体としても、1人1人もね、両方でやっていかないといけない」-クリーンアップもチャンスを生かせない矢野監督「もちろん、かえすところにそういう場面が回ってくる。かえすところでかえせていない、点が入っていないところもある。全体でつなげなあかんところもある」-先発秋山は粘り強く矢野監督「球も前回より良かったと思うし、アキらしさは出始めているかなという感じなんで。今の状態を、さらに上げるようにやっていってもらいたい。ここからまだまだ試合もある。そういうところで、今日以上の状態になると思うんで、それを楽しみにしています」-糸井は代打で待機矢野監督「まあまあ、そうかなと思っている」-体の方が矢野監督「うん」-自打球を顔に当て途中交代の山本は矢野監督「大丈夫だとは思っているけど」-球場には前日に続き4万を超えるファンが矢野監督「今日も満員で、子どもたちとちょっと親子で東京からとか、いろんな遠くから来てくれたり、ゴールデンウイークでこれを楽しみにしてくれている人たちが、これだけ集まってくれているんで、何とかしないとね。喜んで帰ってもらうとは、もちろんそう思って臨んでいるんだけど、こういう試合でね、俺自身も悔しいし。頑張るしかないよね」

◆ヤクルト1番塩見泰隆外野手が決勝点となる先制適時打を放った。3回2死三塁、秋山の外角高め直球を中前にはじき返し「(先発)石川さんに先に先制点をという気持ちでした。有利なカウントだったのでゾーンを狭くしてコンパクトに打ちました」と喜んだ。6回には先頭で相手失策を誘い、その後の村上の適時打で2点目のホームイン。高津監督も「リードオフマンとして出塁して、得点してということまではよく出来ていると思います」と評価した。

◆ヤクルト4番村上宗隆内野手が貴重な追加点となる適時二塁打を放った。1点リードの6回1死一、二塁、秋山の外角低め直球を逆らわず左翼フェンス直撃のタイムリーとし「なかなかチャンスがつくれていなかったので、少ないチャンスをものにすることが出来て良かったです」と振り返った。

◆リーグ投手最年長42歳のヤクルト石川雅規投手が、19歳内山壮真捕手との「年の差バッテリー」で5回4安打無失点で2勝目を挙げ、チームを今季最長の5連勝に導いた。毎回のように走者を出しながらも、23歳下の女房役とあうんの呼吸でピンチをしのぎ「投げている方はドキドキですけど(内山)壮真といろいろ話しながら、うまいことできました」と振り返った。親子ほど年の離れた2人が「こどもの日」を前に、再び猛虎打線を封じた。4月23日の阪神戦(神宮)でもコンビを組んで6回3安打無失点。自身の今季初勝利を挙げるとともに、デビューからの21年連続勝利を達成した。この日は状態こそよくなかったが「前回みたくいい投球が毎回できるわけではないので、『こういう時にどういうピッチングをするかが大事だよね』って、壮真と話しながらやっていた」。初回から3回まで得点圏に走者を背負いながらも、右翼から左翼方向に強く吹く甲子園特有の浜風を計算に入れた粘り強い投球で、本塁を踏ませなかった。チームは4月30日DeNA戦から3試合連続の無失点勝利。自身2試合連続の0封劇に「若い捕手は好きにリードして、自分が嫌なときは外したり、いろいろなボールを投げてってやっていくので。壮真のリードですね」と最後まで後輩をたたえた。【鈴木正章】▼ヤクルトが4月30日DeNA戦から3試合連続完封勝ち。ヤクルトでは昨季の9月24~28日に4試合連続無失点を記録しているが、この時は0-0の引き分けが1試合あった。3試合続けて完封勝利したのは、11年4月20~22日以来11年ぶりで、球団6度目のタイ記録。▽ヤクルト高津監督(石川と内山壮について)「僕は『親子キャッチボール』と呼んでる。壮真の勉強にもなるし、石川が引っ張りながら、壮真もという、バッテリーの関係性が素晴らしいのかなと思ってます」▽ヤクルト・オスナ(6回1死二、三塁から右前適時打)「ムネ(村上)が追加点を取ってくれたので少し楽な気持ちで打席に入れました。1球で仕留めることが出来て良かったです」

◆阪神山本泰寛内野手(28)が、アクシデントで途中交代した。ヤクルト8回戦(甲子園)に「2番二塁」で出場。1点を追う3回無死一塁の打席で、内角変化球を打ちに行った際に自打球が顔面に直撃し、グラウンドにうずくまった。ベンチで治療を受け打席に戻り、結果は遊ゴロ。直後の4回の守備から退いた。矢野監督は「大丈夫だとは思っているけど」と話すにとどめた。今季山本は主に代打や守備固めとして20試合に出場し、打率3割、1本塁打、5打点だった。

◆阪神の先発秋山拓巳投手が6回途中3失点(自責2)で3敗目を喫した。両軍無得点の3回、2死三塁から塩見に中前適時打を許し先制点を献上。5回まで3安打1失点と踏ん張ったが、6回1死一、二塁で村上に左越えの適時二塁打を浴びて降板した。「何とか粘ってチームに流れを持ってきたいと思っていましたが、粘り切れずにマウンドを降り、悔しい登板になりました」。好相性だったヤクルト戦の連勝は6で止まった。開幕から2試合勝てず2軍再調整となったが、前回4月28日の中日戦で5回2失点と粘投し、今季初勝利をつかんだ。この日は直球の最速が139キロで、本来のキレは取り戻しつつある。矢野監督は「球も前回よりもよかったと思うし、アキらしさは出始めているかなという感じ。まだまだ試合もある。今日以上の状態になると思うので、それを楽しみにしています」と巻き返しを期待した。

◆阪神近本光司外野手がチーム唯一のマルチ安打で気を吐いた。「1番中堅」で出場。初回に先発石川の変化球を捉えて左中間へ二塁打を運んだ。3回先頭の打席では追い込まれてから7球ファウルで粘り、12球目を右前にはじき返した。4月後半は苦しんだが、3試合連続ヒットで打率も2割5分4厘まで回復。5月に入り、状態を上げている。

◆猛虎の快勝を、子どもたちも信じていたのに...。阪神が2日連続満員札止めの甲子園で、ヤクルト相手に見せ場なく2試合連続の完封負けを食らった。矢野燿大監督(53)は「悔しい」ともどかしさを募らせるが、ゴールデンウイークに全国各地から大勢訪れた子どもたちも、残念過ぎる連日の0行進だ。少年少女たちの声に発奮して、今日5日の「こどもの日」こそ夢いっぱいの白星を届けたい。2試合続けて甲子園のスコアボードに9個の「0」が並んだ。初回、先頭近本が左中間に二塁打を放ち、いきなりチャンスをつくるなど、得点機は7度もあったがホームが遠い。2日連続で満員札止め、4万2435人のスタンドからは、何度もため息がもれた。42歳でリーグ最年長投手の石川を攻め切れず、4回以降は二塁すら踏めなかった。矢野監督は「そんなにコースいっぱい決まっているボールばかりではない。それを仕留められない。かえすところでかえせていない」と厳しい表情。頼りの3番佐藤輝、4番大山がそろって無安打でつながりを欠く打線を嘆いた。6連勝の立役者で40歳のチーム最年長、糸井が体調不良で2試合連続スタメンを外れた影響も少なくはなかった。石川には2試合連続で白星を献上。今季ヤクルト戦は8試合で2勝6敗。ホームでは4戦連続完封負けで41イニング0行進が続く。5日は今季対戦は1勝1敗ながら、12イニングで2点しか取れていない高梨が先発してくる。今の阪神打線にとっては難敵だ。この日もスタンドには子どもの姿が多かった。矢野監督ももどかしさが募る。「親子で東京とか遠くから、これだけ集まってくれているんで。何とかしたい。喜んで帰ってもらおうと思って臨んでいるけど。こういう試合で俺自身も悔しい」。4カードぶりの負け越しで、借金は再び12にふくらんだ。5日は「こどもの日」でチケットは3日連続で完売。夢を与えるはずの試合で、3連敗するわけにはいかない。【石橋隆雄】?▼阪神が2試合連続の完封負け。完封負けは今季8度目だが、2戦連続は3月26、27日に京セラドーム大阪でヤクルトに喫して以来今季2度目。前記2試合と今回2試合で、ホームのヤクルト戦は4戦連続完封負けとなった。3月25日の開幕戦の5回以降、ホームのヤクルト戦では41イニング無得点が続いている。▼ヤクルト石川には4月23日に6回0封された試合に続き、5回無得点に抑えられた。阪神は石川に対して通算27勝を許すが、カード別で最も多い40の黒星をつけているが、今季は早くも2勝を献上してしまった。○...5日のヤクルト戦に先発する阪神ガンケルが3連敗阻止を託された。4月末に訴えた右肩付近の張りは問題なく、中10日でのマウンド。甲子園でのヤクルト戦は通算6試合で2勝0敗1ホールド、防御率0・93の好相性で、今季初勝利も敵地でのヤクルト戦でつかんだ。「スワローズの打線はつながってくる。しっかり低めに丁寧に投げて抑えていきたい」。気合十分の"ツバメキラー"に連敗ストッパーの期待が掛かる。○...阪神岩貞が1回を無失点に抑えた。0-3の追いかける展開で3番手で登板した。「ビハインドの場面だったので、チームを勢いづける投球を心がけました」。先頭はこの日長打を打っていたヤクルト6番長岡だったが、三ゴロで難なく仕留めると、8番内山壮を右飛、最後は山崎を三ゴロで料理した。岩貞はここまで8試合に登板し、失点はわずか1点。役割を果たし続けている。○...阪神加治屋が4試合連続で無失点に抑えた。8回に登板し、ヤクルト1番塩見を遊ゴロ、2番青木を三直でアウトをとる。最後は山田を143キロのフォークでバットの空を切り、わずか7球でヤクルト打線を仕留めた。「自分のできることをやろうという気持ちでマウンドに上がりました。少ない球数で自分の投球ができて良かった」と胸をなで下ろした。○...阪神斎藤が1回を0封した。9回に5番手でマウンドへ。ヤクルトの中軸との対決だったが、動じなかった。この日適時打を打っているヤクルト村上を二ゴロで仕留めた。その後もテンポのいい投球でオスナを初球で三飛、浜田を左飛と追加点を許さなかった。「0で抑えることができて良かったです。今後も今日のような投球を継続できるように、しっかり準備していきたい」と気を引き締めた。

◆猛虎の快勝を、子どもたちも信じていたのに...。阪神が2日連続満員札止めの甲子園で、ヤクルト相手に見せ場なく2試合連続の完封負けを食らった。矢野燿大監督(53)は「悔しい」ともどかしさを募らせるが、ゴールデンウイークに全国各地から大勢訪れた子どもたちも、残念過ぎる連日の0行進だ。少年少女たちの声に発奮して、5日の「こどもの日」こそ夢いっぱいの白星を届けたい。甲子園で観戦した阪神ファンのこどもたちの声★平山柊(しゅう)くん(9=大阪、父に連れられ初の甲子園)「甲子園はサッカー(Jリーグのスタジアム)より大きかった。1点くらい取ってほしかった。ホームランが見たかったけど、阪神はめちゃ空振りしていた」★やまとくん(7=兵庫)「みんな最後いい当たりだったのに、なかなか得点にならなかった。いっぱい点を取ってほしいです」★長谷川燈也(とうや)くん(7=鳥取、車で3時間かけ来場)「糸井選手に出てほしかった。大山選手に打ってほしかった」★阪野叶真(ばんの・とうま)くん(11=京都)「もうちょっとヒットが連続で出てほしかった。つながりが悪かった。中野選手のファンです。明日も行きます!」★匿名さん(13=愛知)「糸原選手のファンです。今日みたいな完封負けにならないように、点をいっぱい入れて勝つ阪神が見たいです」★馬郡大樹(まごおり・れいと)くん(10=兵庫)「ファインプレーがよかった。打線がつながって、守備がいい阪神が見たいです」★北村昊輝(こうき)くん(8=奈良)「悔しかったけど、来られてよかった。梅ちゃんのホームランが見たいです」★安本綺(あやね)さん(3=大阪)「大山選手、ホームラン王になって!」★村田彩羽さん(10=兵庫)「てるくん、明日ホームラン打ってください!」★河村綾介くん(7=大阪)「近本選手、ホームラン何本も打ってほしい!大好きです!」★石田律貴(りつき)くん(18=大阪)「糸原選手の飛び込んだファインプレーや、山本選手がケガした後に、進塁打を打ったところはよかった。一生懸命頑張っている全力プレーを見せてほしいです」

◆ヤクルトが今季2度目のサヨナラ負けを喫し、連勝が5でストップした。3回までに2点を先取も、その後は追加点を奪えず、最後は同点の9回2死満塁、5番手大西が阪神山本に痛恨の押し出し四球を与えた。敵地での惜敗となったが高津臣吾監督(53)は「もう1点どこかで取れていたら、どこかで防げていたら、とは思いましたけど。よく粘って頑張っているなとは感じます」とチーム全体の粘りを評価した。先発高梨が序盤から走者を背負う苦しい投球が続いた。1点リードの5回、1死一、二塁とされた場面で2番手石山を投入。その後2死満塁からロハスへの押し出し四球で同点とされたが、勝ち越しまでは許さなかった。同点の9回も守護神マクガフがベンチに残っていたが、大西を起用。指揮官は「あそこ(5回途中)で石山をいったのも、9回、大西でいったのも理由があって、その継投をしたと思ってください」と話した。6日からは、1・5ゲーム差で追う首位巨人と東京ドームで3連戦。「いろいろ考えることもありますし、作戦もありますし。しっかり準備したいと思います」と切り替えた。

◆阪神・秋山拓巳投手(31)が先発する。前回登板した4月28日の中日戦(甲子園)では5回5安打2失点で今季初勝利。登板2連勝に向けて、ヤクルト打線に立ち向かう。

◆二回裏の阪神の攻撃中、審判員2人の判定が食い違うシーンがあった。無死一塁の場面で6番・糸原が一塁線へゴロを放ち、ヤクルトの一塁・オスナはベース付近で打球を捕球。この際に丹波球審はファウル、真鍋一塁塁審はフェアのジェスチャーを行った。2人はただちに協議し、確認。丹波球審は場内に向けて「球審と一塁(塁審)で判定に食い違いがありましたが、相談の結果、ファウルとして試合を再開します」とアナウンスした。試合は無死一塁のまま再開された。なお、糸原は空振り三振に倒れた。

◆阪神・山本泰寛内野手(28)が「2番・二塁」でスタメン出場したが、四回以降に退いた。三回無死一塁での第2打席で、放ったファウルが垂直方向に飛び、顔面付近に直撃。被っていたヘルメットは飛び、山本はその場に座り込んだ。一度、ベンチで手当てを受けたのちに打席へ戻った(結果は遊ゴロ)が、四回から熊谷と交代した。

◆阪神・秋山拓巳投手(31)が先発し、六回途中5安打3失点(自責2)で降板した。「何とか粘りながら投げることで、チームに流れを持ってきたいと思っていましたが、粘り切れずにマウンドを降りることになってしまい、悔しい登板になりました」二回までパーフェクトで滑り出し、三回こそ2死三塁で塩見に中前への先制打を打たれたが、直球にカットボール、フォークを織り交ぜてコーナーを突く投球で四、五回は無失点と立ち直った。ただ、最大の難所は六回だった。相手は1番からの好打順。先頭・塩見に三ゴロ失策での出塁を許すと、青木が左前打で続いて一、二塁。山田は外角いっぱいに139キロ直球を制球して見逃し三振に抑えたが、4番・村上には外角への137キロ直球をとらえられ、左翼フェンス直撃の適時二塁打にされた。ここで交代が告げられた。今季初勝利を挙げた前回登板の4月28日の中日戦(甲子園)も5回を投げて降板。「前回登板から3巡目までを投げ切ることができない投球が続いているので、次回、また同じことをしないように対策と準備をしていきます」と前を向いた。

◆阪神は序盤の好機を生かせず、今季2度目の2試合連続零封負け。4カードぶりの負け越しとなった。先発・秋山は三回に先制点を与え、四、五回は立ち直ったものの、1番からの好打順との対戦となった六回に、村上に左翼フェンス直撃の適時二塁打を浴びるなどして降板。六回途中5安打3失点(自責2)で今季3敗目を喫した。援護したかった打線も一回から3イニング連続で、出塁した先頭打者を得点圏に進めてチャンスを作ったが、いずれも生かせず。ベテラン左腕・石川には老かいな投球を披露され、四、五回は無安打だった。六回以降はリリーフ陣も打ち崩せず、八回は1死一塁で佐藤輝の鋭い当たりが一直併殺となるなど、ツキにも見放された。ゴールデンウイークでこの日もスタンドは観衆4万2435人の超満員。それでも得点シーンはなく、アウトになるたびに虎党からはため息が漏れた。

◆ヤクルト・石川雅規投手(42)が5回無失点の好投で2勝目(2敗)を挙げ、チームの5連勝に貢献した。石川は四回まで毎回ランナーを許すも、打たせて取る投球で得点を与えず。五回を3人で終わらせ、救援陣にマウンドを託した。その後は梅野、今野、田口、マクガフの投手リレーで阪神打線を封じた。打線は三回、2死三塁のチャンスで塩見が先制打を放つ。六回には1死一、二塁から村上が左フェンス直撃の適時二塁打つと、なおも二、三塁でオスナが右前適時打を放ち3-0とリードを広げた。

◆ヤクルト・石川雅規投手(42)が5回無失点の好投で2勝目(2敗)を挙げ、チームの5連勝に貢献した。以下、石川のヒーローインタビュー。--今日のピッチングを振り返って「なんとか粘りのピッチングで、(内山)壮真(捕手)と一緒になってアウトを取るピッチングができました」--どんな意識でマウンドに上がった「ひとりひとりアウトを取る意識で、甲子園球場は広いので思い切って投げました」--リリーフ陣がしっかりつなげた「頼りがいのあるバックがいるので、信じて待っていました」--プロ通算179勝目「なんとか目の前の勝利をひとつひとつ積み重ねていけるようにこれからも頑張っていきたい」

◆阪神は一回から3イニング連続で先頭打者が出塁しながらも、決め手に欠き、2試合連続、今季8度目の完封負けを喫した。先発の秋山拓巳投手(31)は5回?を投げ、3失点(自責2)で3敗目(1勝)。6連勝からの2連敗で4カードぶりの負け越しとなった矢野耀大監督(53)の一問一答は以下の通り(チーム成績10勝22敗1分、観衆4万2435人)。ーーヤクルト・石川の立ち上がりを攻めきれなかった「そんなにね、コースいっぱい、いっぱい決まっているボールばかりではない。そういうところでは、しっかり、それを仕留めるところができていない。前回もそうなんだけど。そこはチーム全体としても、一人一人もね、両方でやっていかないといけない」ーークリーンアップもチャンスを生かせない「もちろん、返すところにそういう場面が回ってくる。返すところで返せていない、点が入っていないところもあるし。全体でつなげなアカンところもあるし」ーー秋山は粘り強く「球も前回より良かったと思うし、アキらしさは出始めているかなという感じなんで。今の状態を、さらに上げるようにやっていってもらいたい。ここからまだまだ試合もあるんで。そういうところで、今日以上の状態になると思うんで、それを楽しみにしています」ーー糸井は代打で待機「まあまあ、そうかなと思っている」ーー体の方が「うん」) ーー山本は(三回の打席で自打球が顔面をかすめて、その後の守備から交代)「大丈夫だとは思うんだけど。大丈夫だとは思っているけど。くわしくは」ーー連日、4万人を超える観客「今日も満員で、子どもたちと、ちょっと親子で東京からとか、いろんな遠くから来てくれたり、ゴールデンウィークで、これを楽しみにしてくれている人たちが、これだけ集まってくれているんで、まあ、何とかしないとね。喜んで帰ってもらうとは、もちろんそう思って臨んでいるんだけど、こういう試合でね、俺自身も悔しいし、頑張るしかないよね」

◆天敵を打って、勝った!! ヤクルト打線は少ない好機を生かして6安打で3得点。粘りの攻撃で今季初の5連勝を呼び込み、高津臣吾監督(53)は「勢いとか流れは非常に良く感じる。ベンチでもよく声が出ている」と振り返った。阪神先発の秋山には、2018年8月17日の対戦(神宮)を最後に勝利から遠ざかり、6連敗中だった。三回に長岡がチーム初安打となる右中間二塁打を放つと、2死三塁から塩見の中前適時打で先制。六回には主砲の村上がリードを広げる一打を放った。1死一、二塁から外角低めの直球を左中間フェンス直撃の適時二塁打とし「少ないチャンスをものにすることができて良かった」。5番・オスナも右前適時打で続いた。苦手意識を拭い去り、秋山から4年ぶりの勝利。それでも、高津監督は「攻略したかは分からない。また対戦することがあるので次に生かしたい」と気を引き締めた。

◆現役時代は南海、西武に所属し、引退後は西武、阪神、ダイエー3球団でヘッドコーチを務めたサンケイスポーツ専属評論家・黒田正宏氏(74)は2試合連続完封負けを喫した阪神について「一回無死二塁からは絶対に送りバントで走者を三塁に進めなければいけない」と語り、矢野監督の強攻策に苦言を呈した。西武、ダイエー、阪神でヘッドコーチを経験してきたが、全く点が取れない苦境も何度も経験してきた。そんな時、広岡監督、森監督、野村監督ら歴代の名監督は「早い回に確実に1点を取る作戦」にこだわったように思う。ゼロ行進は不思議なもので、何もしなければいくらでも続いてしまう。矢野監督は点が入らず、重たいムードが続いている今の負の流れを正確に読まなければいけない。とにかく1点。先制できれば言うことはないが、とにかく1点を取ること。1点入れば面白いもので、どんどん点は積み重なっていく。そのためには確実に走者を進める作戦こそが重要になる。「バント」は大きな選択肢だ。一回、近本が二塁打で出塁し、格好の先制機が生まれた。阪神ベンチの選択は強攻策だった。バットに当てるのが上手い山本の右打ちに期待しての作戦だろうが、ここは送りバントが正解だった。結果は投ゴロで二走・近本が飛び出して、二、三塁間で挟殺され、走者は進めない最悪の結果になってしまった。勢いも大きくそがれてしまった。点が取れていない現状で、打線をどうするかも懸案事項だが、私はこの日の並びは悪くないと思う。佐藤輝がヤクルトにうまく攻められている、大山の左足の状態は万全ではなさそう、などなど不安要素は大きいが、大山の後ろに中野を置いて、何とか走者を返そうとした打線は決して否定しない。だからこそ、その時点で「2番」に置いた打者には迷わず送りバントさせなければいけない。相手の石川がクイックの名手で、盗塁という選択肢を封じられた状況なので、なおさら走者をバントで進めるのが上策になってくる。1点を追う三回、近本が右前打で出たシーンも送りバントすべきだった。6連勝でチーム状態が上向き始めた矢先の連続完封負け。合言葉は「まず1点」。そのためにはバントを有効に組み入れて、苦境を打開してもらいたい。

◆まさに〝セ界一〟の救援陣だ! ヤクルトは六回から梅野、今野、田口、マクガフが1回ずつを投げ、無失点リレーを完成させた。2年連続最優秀中継ぎ投手の清水を右脚の打撲で欠く中、救援投手の防御率2・45はリーグトップ。高津監督は「無四球で2試合(連続)完封はすごいこと。攻める投球が共通してできている」と評価した。チーム3試合連続無失点勝利は球団タイ記録。2011年4月20日の中日戦-同22日の広島戦以来11年ぶり6度目だ。

◆ヤクルト・石川雅規投手が5回無失点で今季2勝目を飾った。

◆「0」を並べた!! セ・リーグ2位のヤクルトは4日、阪神8回戦(甲子園)に3―0で快勝。今季初の5連勝で貯金を今季最多の5とした。石川雅規投手(42)が内山壮真捕手(19)と23歳差バッテリーを組み、5回無失点で2勝目(2敗)をマーク。球団タイ記録で、2011年以来11年ぶり6度目の3試合連続無失点勝利に導いた。燕党の拍手は、確かに届いていた。石川が5回4安打無失点で2勝目。左翼席の一部に陣取ったファンに手を挙げて勝利の報告をした。「なんとか一人一人、アウトを取るという意識で、甲子園球場は広いので、思い切って投げようと意識しました」ゴールデンウイーク真っただ中のデーゲーム。連日の超満員となる4万2435人が詰めかけ、プロ野球選手を夢見る子供たちが目を輝かせる中、42歳左腕が熟練の投球術を見せた。緩急を駆使して奥行きを生かし、自慢の制球力で横幅を目いっぱいに使った。一回は2死三塁で大山を二飛に打ち取ると、二回は2死二、三塁から投手の秋山を捕ゴロに。ピンチでも冷静にアウトを重ねた。女房役を務めたのは前日3日に小川を完封勝利に導いた中村ではなく、高卒2年目の19歳、内山壮。石川が1勝目を挙げた前回4月23日の阪神戦に続き、2試合連続の23歳差バッテリーだった。長男が高校2年生の石川にとっては親子ほど年齢の離れた後輩。高津監督は2人のことを「親子キャッチボール」と呼んでおり、〝父〟は〝子〟の懸命なリードにうなずき、ミットをめがけて投げた。「風を考えながら2人で投球ができた。いい投球が毎回できるわけではない。『こういうときにどういう投球をするかが大事だよね』と壮真と話しながらやっていた」チームは球団タイ記録の3試合連続無失点勝利で今季初の5連勝を飾り、貯金は最多の5。2試合連続無四球と投手陣の安定感が光る中、石川の制球力の高さは際立っている。原点は本当の「親子キャッチボール」だ。幼少期、父・昭芳さんが練習相手になってくれたが、キャッチボールの際には胸の位置からグラブを動かしてくれない。少しでもずれれば球が父の後方にいき、何度も拾いに走った。 「すごく厳しかった父のおかげ。あの練習があるから、しっかりコントロールを身につけたいと思ったし、原点ですね」両親には感謝しかない。好物だったのは母・泰子(たいこ)さんが作る秋田県の郷土料理で、炊いた米を直径3センチほどに丸めた「だまこ」(方言でお手玉を意味する)や比内地鶏が入った「だまこ鍋」。コロナ禍でなかなか帰省することはできないが、節目でメールをすれば2人とも「頑張れよ」と返信をくれる。「少しでも長く現役を続けることが親孝行なのかな」。プロ21年目。積み重ねた勝利数は179に達した。5日の「こどもの日」を前に大人の投球を見せた石川。167センチと上背はなくても、球は速くなくても勝てる。多くの子供たちに希望を与える79球だった。(赤尾裕希)■甲子園球児の憧れ 通算179勝左腕・石川は、高校球児の憧れでもある。今春の選抜大会で、九州国際大付高(福岡)のエース・香西一希投手(3年)が120キロ台の直球で2試合連続完投勝利と躍動した。石川よりも4センチ高い身長171センチで、目標としている石川の動画を見て勉強している左腕の存在を知っていた石川は「僕を見てそう感じてくれる選手がいるというのが本当に勇気をもらいますし、まだまだ頑張らないといけない。すごくいい刺激をもらっている」と感謝した。

◆阪神・岩貞は3番手で登板し、七回をパーフェクトに抑えた。「ビハインドの場面だったので、チームを勢いづける投球を心がけました」。先頭・長岡に三塁線へ打たれたゴロは、糸原がダイビングキャッチで処理し、1死。バックにもり立てられると内山壮、山崎も凡打に斬った。1日の巨人戦(東京D)までの連投と合わせ、これで3試合連続無失点だ。

◆ゴールデンウイーク期間中、楽しみに球場にやってきた子供たちの期待を裏切った。阪神はヤクルトに0-3で敗れた。打線は42歳の石川の前にまたも沈黙。2試合連続、今季早くも8度目の零封負けを喫した。矢野燿大監督(53)は毎度のごとく反省の言葉は述べても、具体的な打開策をみせられない。もう、ホンマ情けない、つまらない、なんとかしたってや...。見せられたものは、何もなかった。得点も、その気配も、工夫の跡も、何もだ。この連休を指折り数えていた子供たち、遠方から駆けつけた虎党たちを、またも〝手ぶら〟で帰らせてしまった。喜ぶ場面が見られないと、子供たちにとってはつまらない。矢野監督としても申し訳が立たない、2戦連続の零敗だ。「喜んで帰ってもらうとは、もちろんそう思って臨んでいるんだけど。こういう試合でね、俺自身も悔しいし。頑張るしかないよね」5月の訪れと同時に6連勝をしても、大観衆の声援を一身に浴びても、ひとたび止まれば、このチームと打線は一気に硬直する。課題は課題のまま、何も変わっていなかった。この2日間で3、4番の佐藤輝&大山は計16タコ。打線全体でも得点圏は2日で9打席連続凡退。ズラッと18イニング「0」を並べ、見せ場を一切作れずに今季8度目の零封負けだ。世は3年ぶりの制限なしのゴールデンウイークに沸き、この日の甲子園にも3日の今季最多4万2483に次ぐ、4万2435人もが訪れた。場内が「こどもまつり」のイベント一色に染まり、指揮官も前日に続いてのサプライズで試合前の練習見学に訪れていた子供たちにカードを配るなどして交流した。だが、肝心のゲームで見せられたのは、強く戦う姿ではなく、前日同様に苦しい中で歯を食いしばる姿ばかり。子供たちが気の毒でしかない。 「きょうも満員。子供たちと親子で東京とか、遠くから来てくれたり。ゴールデンウイークで、これを楽しみにしてくれている人たちが、これだけ集まってくれているんで、まあ、何とかしないとね」何ともできないまま、またも42歳の石川に手玉に取られた。0-0の一回先頭で近本が二塁打を放っても先制にはつなげられない。1死二塁から佐藤輝が二ゴロ、2死三塁で大山が二飛に倒れ、ここでもう暗雲は漂っていた。わずか11日前の4月23日(神宮)の対戦でも石川を一回1死満塁と追い詰めながら捕まえられず、6回無失点で白星を献上。同じ沼に何度もハマり続けている。二回にも1死一、二塁としたが下位打線があっさり料理された。0-1の三回は1死二塁で再びクリーンアップへ打順が巡ったが、ここも佐藤輝が中飛、大山が左飛に終わった。得点圏打率は佐藤輝が「・194」で大山が「・222」まで下降。打つべき男たちが打てなくては、誰にも打てる手はない。矢野監督は「もちろん、かえすところ(クリーンアップ)にそういう場面が回ってくる。かえすところでかえせていない、点が入っていないところもあるし。全体でつなげなあかんところもある」と悩ましい。首位の巨人とは再び2桁の10ゲーム差だが、もう上位を追う以前の状況だ。目の前にいる超満員のファン、子供たちのために、目の前の一つ一つの局面をモノにしていかなくては、ここから先も何も見せられない。(長友孝輔)

◆阪神は6連勝のあとに2試合連続で零封負け。ゴールデンウイークの思い出作りで甲子園にやってきた子供たちには悔しく、悲しい試合が続く結果となった。大好きな阪神が勝つ瞬間を見たい―。敗戦を見届けたあと、〝子供監督〟たちからは虎ナインへの厳しい声も噴出した。塁上をにぎわしても、ホームを踏めなければ心の中で六甲おろしが歌えない。GWの楽しい思い出が残るはずの甲子園は2試合連続零封負け。勝利を期待して球場に詰めかけた〝子供監督〟たちも嘆き節だ。夏山和(なごみ)さん(12)=大阪市=は粘投した秋山を援護できなかった打線に視線を向けた。一回の攻撃を振り返り、「近本選手が(左中間)ツーベースで出たあと、山本選手に送りバントをさせたらよかったと思う。食らいついてほしかった」と先制機にヒッティングをさせた采配を振り返り、肩を落とした。阪神球団が主催する野球スクール「タイガースアカデミー」に所属している長野惺(せい)さん(10)=神戸市=は大好きな近本のマルチ安打に喜びながらも「シフトにかかって、最後(八回)の近本選手のフライが塩見選手に捕られてしまって。(打線は)もうちょっとゴロが多くないと。ゴロでのヒットを多くしてほしいです」。特に、相手が継投策に転じた六回以降は12アウトのうち11個がライナーやフライでのアウト(八回の佐藤輝の一直併殺を含む)。反撃しようにも打たされてアウトが重なったシーンに、ガッカリしていた。上田翔希さん(9)=宝塚市=は、公式ファンクラブのKIDS会員として練習見学会に当選。一塁ベンチ上の席から試合前練習を行う選手に熱視線を送ったが「打撃練習であまり打てていなかった。もうちょっとちゃんと練習したほうがいいと思う」とチクリ。この3連戦は全試合見に来ているが、ここ2試合は無得点。「あした(5日)はボロ勝ちしてほしい!!」と願った。虎戦士たちと同じぐらい、子供たちも悔しい思いをしている。全てをぶつけ、最高の「こどもの日」にするしかない。

◆このヤクルト戦、甲子園球場は『ゴールデンウイークこどもまつり』でイベント盛りだくさん。スコアボードの選手名はひらがな表記。さらには小学生以下のお子さまは先着でKIDSユニホームがプレゼントされるという楽しみメガ盛りなのだ!!しかし、肝心の試合の方は...。よっしゃ! ならば、阪神の勝利を幼いこども限定で、この俺が届けましょう!!「良い子のみんな、阪神ファンですかー!!」「ハーイ!!」「元気がいいですね! じゃ、この中で阪神は好きだけど、野球のルールはまだ分からない子はいますか~?」「ハーイ!」「おー! いっぱいいますね。じゃ、分からない子だけ聞いてください! ピッチャーは相手のバットに当て、ヒットを打たれるように頑張ります! そして、バッターは相手ピッチャーの球が当たらないように、バットを振りま~す! 九回まで戦って点が少ない方が勝ちです! つまり、2日連続0点の阪神が連勝しましたー! オメデトウ!!」ってコラー!! 阪神さんよ、六十過ぎの俺に、こんなひどいウソつかせんじゃねーよ!! こどもの日はウソでなく勝てー!!

◆スコアボードのゼロ行進を眺めながら、トラ番キャップ・長友孝輔がつぶやいていた。「これはマズイ。きょうだけは、阪神に勝ってもらわないと...」普段はタテジマの勝敗に、ポーカーフェースに対応する男にしては珍しく、力が入っていた。「だって、きょうは上阪デスクのデビュー戦です。阪神が勝って、楽しく明るい紙面を作りたいじゃないですか」そうだった。5月1日付で、上阪正人がサンケイスポーツ次長に。デスクとしてフル回転いたしますので、よろしく。その上阪が初めて当番デスクを経験したのが、昨日だった。兵庫県宝塚市出身。大学はかの有名な関西学院大学。2000年に産経新聞入社後は、夕刊フジで活躍し、産経新聞でも運動部、姫路支局、阪神支局で辣腕を振るった。新緑の風とともに、サンスポにやってきた。ちなみに、トラ番キャップを経験し、サッカーW杯ではロシアまで取材に行った大石豊佳記者が、産経新聞運動部へ。社内的には超大型トレードといったところか。だが、しかし。とんでもない日にデビューしてしまった。2試合連続完封負け。晴れ渡ったゴールデンウイークの甲子園が、ため息に充満したように、大阪・難波のサンスポ編集局も、どんより沈みかえっていた。誰も言葉も発さない。その真ん中で、まさに〝針のむしろ〟状態の上阪デスク。悪いのは阪神なのだ。上阪ではないのに、「運を持っていないヤツがきたんじゃないか」という空気が漂っていた。2日連続4万2000人超の大観衆が詰めかけた。その98%ぐらいは阪神ファンだ。関係者には「大入り袋」が配られ、チビっ子たちがうれしそうにハシャいでいる。なのに、タイガースは...。試合後。矢野監督以下が整列して、ファンに声援への感謝の意味で頭を下げていた。拍手が送られる。悪いことじゃない。でも、やっぱり見たいのは点が入るシーンであり、そして、お立ち台での選手の明るい声だ。ゴールデンウイークのお立ち台といえば、すぐに思い出すのは3年前。5月5日のDeNA戦。5-5の同点から、5番打者・福留がDeNAの5番手・三嶋からサヨナラホームラン。この一発がセ・リーグ通算5万号だった...。あっ、驚異の「5」づくしを言いたいわけではない。その直後のお立ち台のインタビュアーが、こどもの日にちなみ少年少女だったのだ。「最高にうれしいです」一生懸命に質問するチビっ子に、丁寧に受け答えするスーパースター。子供たちには一生の思い出になっただろう。でも、ことしのゴールデンウイーク、まだ甲子園では一度もお立ち台が登場していない。「僕、子供の時から見た試合はすべて記録していて、阪神戦はきょうが400試合目でした」呆れるばかりの阪神愛を訴えてきたのは、甲子園に援軍で来ていた須藤佳裕。その最初の試合が2005年8月17日だったらしい。J(ジェフ・ウィリアムス)F(藤川球児)K(久保田智之)が初めてお立ち台で勢ぞろいした日だった。「あのシーンは忘れられません」そうなんだよな。きょうは勝って、「こどもの日の思い出のお立ち台」をプレゼントしてくださいませ。お願いだ。

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
21130 0.618
(↑0.012)
-
(-)
109146
(+6)
134
(+3)
39
(+1)
13
(+1)
0.251
(↑0.001)
3.260
(↑0.01)
2
(-)
ヤクルト
17120 0.586
(↑0.015)
1.5
(-)
114107
(+3)
105
(-)
27
(-)
14
(+1)
0.224
(↓0.001)
3.080
(↑0.11)
3
(-)
広島
17141 0.548
(↓0.019)
2.5
(↓1)
111136
(+3)
109
(+6)
10
(-)
7
(-)
0.254
(↓0.001)
3.240
(↓0.09)
4
(-)
中日
15140 0.517
(↓0.019)
3.5
(↓1)
114102
(+1)
101
(+7)
17
(-)
13
(-)
0.252
(↓0.003)
3.340
(↓0.15)
5
(-)
DeNA
11160 0.407
(↑0.022)
6.5
(-)
11695
(+7)
120
(+1)
20
(+2)
10
(-)
0.244
(↑0.004)
3.880
(↑0.12)
6
(-)
阪神
10221 0.313
(↓0.01)
10
(↓1)
110100
(-)
117
(+3)
23
(-)
20
(-)
0.231
(↓0.001)
3.390
(↑0.04)