阪神(★0対3☆)ヤクルト =リーグ戦7回戦(2022.05.03)・阪神甲子園球場=
このエントリーをはてなブックマークに追加

 123456789
ヤクルト
2100000003401
阪神
0000000000610
勝利投手:小川 泰弘(1勝2敗0S)
敗戦投手:西 勇輝(2勝2敗0S)

本塁打
【ヤクルト】村上 宗隆(7号・1回表2ラン)

  DAZN
チケットぴあ 阪神戦チケット予約 ヤクルト戦チケット予約

DAZN

◆ヤクルトが4連勝。ヤクルトは初回、村上の2ランで先制する。続く2回表には長岡の適時打が飛び出し、リードを広げた。投げては、先発・小川が9回無失点の快投。完封で今季初勝利をマークした。敗れた阪神は、好投した先発・西勇を打線が援護できず、連勝は6で止まった。

◆下半身の張りで出遅れていたヤクルト中村悠平捕手(31)が、出場選手登録され「7番捕手」でスタメンに名を連ねた。昨季の日本シリーズMVPで、今季からOBで元監督の古田敦也氏の背番号「27」を引き継いだ正捕手が、ついに戦列に復帰した。中村は3月10日の全体練習から1軍を外れて2軍で調整。4月22日のイースタン・リーグDeNA戦(戸田)で代打として実戦復帰。今月1日から1軍に初合流していた。試合が中止となった同日には高津臣吾監督(53)も「来週から頼むぞというような声はかけました。彼が帰ってきて、少しでも昨年と同じような形に近づいてきたのかなと。中村が入って加速してくれたらいいなと思っています。非常に期待をしております」と話していた。

◆阪神の7連勝がかかったゲームのスタメンが発表された。阪神は今回の3連戦では「ゴールデンウイーク こどもまつり」を実施。大型ビジョンには「さとうて(佐藤輝)」などひらがなで表示される。佐藤輝は昨年、同様イベントの開催期間中だった5月2日広島戦で満塁本塁打を放っている。昨季は無観客試合だったが、今季は多くのファンが来場。「子どもたちもたくさん来ていると思うので、良いところが見せられるように頑張ります」と意気込んでいた。

◆お笑いコンビ「マテンロウ」のアントニーが初の甲子園マウンドで始球式に臨んだ。もともと野球少年だっただけに、初の甲子園マウンドに「『アメトーーク!』とか『すべらない話』とかの200倍ぐらい緊張しました」と興奮気味。直球がやや高めに浮き、「悔しいですね。体のキレがちょっと仕上がっていなかった。大体このタイプのピッチャーは高めに球が上ずる。キューバの中継ぎみたいかもしれません」と独特の表現で反省した。阪神ファン歴25年の32歳。この日はひそかに電撃入団の可能性も探っていたという。「今日の投球次第では新外国人選手としてどうかなっていうアピールもあったんですけど...。僕の最速116キロのストレートでなんとか投げ込めたかな」と言いつつ、手応えがなかったのか苦笑いだ。チームは開幕9連敗スタートを乗り越え、試合前時点で6連勝中。1人の虎党として「2週間前はちょっと(優勝を)諦めていた」と本音もこぼした上で「でもやれるぞ、と。打線もめちゃくちゃ当たりだしてきたし、近本さんの守備もいかついので、センターに飛んだら全部アウトみたいな状況じゃないですか。この波で15連勝、20連勝して優勝してほしいですね」と目を輝かせていた。

◆阪神は今季7度目の完封負けを喫し、今季セ・リーグ単独最長となる7連勝を逃した。甲子園今季最多4万2483人の観衆が駆けつけた一戦で完敗。借金は再び11に膨らんだ。「ゴールデンウイーク こどもまつり」3連戦の初戦。「KIDSユニホーム」をプレゼントされた子供の姿も目立つ中、序盤から劣勢を強いられた。防御率1点台の先発西勇輝投手(31)が1回2死一塁、4番村上に先制の左越え2ランを献上。2回は左翼先発した高山俊外野手(29)の失策から1死三塁のピンチを招くと、8番長岡に三塁後方にタイムリーを落とされ、3点目を失った。打線はヤクルト先発の小川に苦戦。3月25日開幕戦では3回で11安打4得点と打ち込んだが、この日は緩急巧みな投球に的を絞らせてもらえなかった。6回1死二、三塁の好機でも2番中野拓夢内野手(25)が中飛、3番佐藤輝明内野手(23)が三邪飛で無得点。単打のみの6安打で小川に完封勝利を許した。西勇は中盤以降は立ち直ったが、8回3失点で今季2敗目(2勝)。5月の反抗へ、小休止のゲームとなった。

◆阪神は今季7度目の完封負けを喫し、7連勝を逃した。

◆阪神西勇輝投手(31)が8回3安打3失点(自責2)で粘投した。初回2死一塁でヤクルト4番村上宗隆内野手(22)に130キロの変化球を捉えられ、先制2ランを許した。2回には味方の失策も絡み、1死三塁の場面で8番長岡秀樹内野手(20)に左前適時打を許して1点を追加された。それでも、3回から8回まで3者凡退の投球で失点を許さなかった。しかし、虎打線がヤクルト小川に8回まで無得点と苦戦し、粘りの投球をした西勇を援護することが出来なかった。

◆ヤクルト村上宗隆内野手(22)が、先制の7号2ランを放った。1回2死一塁、阪神先発西勇に対し、カウント2-2からの7球目、真ん中に甘く入った130キロを逃さず捉え、左翼席へ運んだ。4月27日広島戦(マツダスタジアム)以来、3試合ぶりの1発に「追い込まれていたので強引にいかないようにコンパクトに打つことを心掛けて打ちました。良い角度で上がってくれました」と喜んだ。

◆阪神がヤクルトに敗戦し、連勝が6でストップした。ヤクルト先発小川に苦戦を強いられた。長打はなく、単打のみの6安打完封勝利を許した。阪神先発西勇は1回にヤクルト村上に先制2ランを許し、2回にも1点を失った。それでも中盤から3者凡退の粘りの投球を見せ、8回3失点(自責2)となった。阪神矢野燿大監督(53)の一問一答は以下の通り。-ヤクルト小川は前回と比べて出来は矢野監督 「うーんまあ真っすぐがね、結構割合的には多かったし。もちろんコーナーにも来ている感じはあったのかなと思うけど。それでもね、ゼロじゃね」-打線が散発になってしまったのは小川がよかったか矢野監督 「それはどっちもあるんじゃないの」-西勇は不運な失点もあったが立ち直った矢野監督 「状態もいいしね。あとはもうしっかり自分のペースで投げているし、ボールもいいボールがいっているんで。これからもああいう投球をしてくれれば、もちろんチームの力にもなって勝つということにつながると思う」-今日は残念な結果だったが、3連戦は満員になりそう矢野監督 「ねえ、だから悔しいけど。喜んで帰ってもらいたいなぁと思ってたけど。悔しい、残念。あしたあさってね、喜んで帰ってもらえるように頑張ります」-糸井が出られなかったのは矢野監督 「コンディションがちょっと整っていないんで」

◆開幕投手のヤクルト小川泰弘投手(31)が、今季初勝利を完封で飾った。最速147キロの直球を軸に、強気な投球で6安打5奪三振。満員の敵地での112球完封劇に「中村がいいリードしてくれて強気なピッチングができました」と女房役に感謝した。高津監督も「今日は文句つけるところはなかったかな。完璧だったと思います」と評価した。

◆阪神の先発西勇輝投手(31)が8回3失点(自責2)と粘投したが、打線の援護に恵まれず今季2敗目を喫した。試合後は球団を通じ「(坂本)誠志郎がうまく引っ張ってくれたので、長いイニングを投げることかできました。次の試合もしっかりゲームをつくっていければと思います」と前向きなコメントを残した。立ち上がりの失点が悔やまれた。初回、2死一塁から4番村上を追い込んでからファウルで粘られてからの7球目、真ん中に甘く入った130キロフォークを捉えられ、左翼ポール際への特大の2ランを被弾。2回は味方守備の失策もあり1死三塁のピンチで、長岡に左前へのポテンヒットを浴び、3点目を失った。3回以降は無双状態だった。最速146キロの直球と変化球を両サイド低めに丁寧に投げ分け、凡打の山を築いた。3~8回までは1人の走者も許さなかった。矢野監督は「状態もいいしね。しっかり自分のペースで投げているし、いいボールが行っている。これからもああいうピッチングをしてくれれば、チームの力にもなって勝つことにつながると思う」とたたえた。西勇は今回の登板を含め今季先発した6試合中5試合でクオリティースタート(QS=6回以上、自責3以内)を達成。防御率は広島九里に次ぐセ・リーグ2位の1・98と安定感は抜群だ。連勝の波に乗ることはできなかったが、先発陣の柱の1人として、開幕から最下位に沈むチームを鼓舞し続けている。【古財稜明】○...リリーフに戻った阪神斎藤が1回を0封した。プロ2度目の先発で3回3失点だった4月21日のDeNA戦以来、12日ぶりのマウンド。3点ビハインドの9回1イニングを1安打無失点にまとめた。「3点差というまだ勝負がついていない状況で、しっかり0点で帰ってくることができたことは良かったと思います。次も継続していけるように頑張ります」と引き締めていた。

◆復帰即完封リード!! 開幕前の下半身の張りで出遅れていたヤクルト中村悠平捕手(31)が、3日阪神戦(甲子園)で出場選手登録され「7番捕手」で先発出場。開幕投手ながら未勝利だった同学年のエース小川を強気なリードで完封勝利に導いた。攻守ともに頼もしい正捕手の復活で6連勝中の阪神を破り、チームは今季初の4連勝。敗れた首位巨人と1・5ゲーム差に接近した。9回2死一塁、4番大山を右飛に仕留めて自身の"開幕戦"を勝利で飾った中村が、小川に歩み寄り笑顔でグータッチを交わした。「(開幕から)1カ月ちょっとたって、思ったより長引いてしまったんですけど僕にとっては開幕戦。小川も一つ勝つことができて、お互いにとって良かった」と納得の表情を見せた。最大のヤマ場は3点リードの6回2死二、三塁、1発同点のピンチで3番佐藤輝を迎えた場面だった。直前の中野にチェンジアップを安打性のセンターライナーとされており「チェンジアップ、もうヤバいなと。だったら真っすぐで心中しようと思って。『全部いったれ』みたいな感じで、ある意味いい開き直りが出来た」。6球全て内角高めに直球を要求。最後は三邪飛に仕留めた。昨季は主に6番を担い、日本シリーズではMVPを獲得。ゴールデングラブ賞も受賞した絶対的な「攻守の要」だ。今季からOBで元監督の古田敦也氏の背番号「27」を引き継ぐなど期待も大きかったが、3月10日から下半身の張りで離脱。4月22日の2軍戦で実戦復帰し、1日から1軍に合流した。「やっぱりもどかしさはありました。(1軍の)試合を見ることもあまりなくて。やっぱり戻ったらその分を晴らしたいなという気持ちずっと持っていた」と、これまでの心境を告白。不在の間に高卒2年目の内山壮や23歳の古賀が奮闘したことは「それも刺激になってました。だから今日はほんとプレッシャーというか、不安な面もあったんですけど。ライアン(小川)と、いい1日を過ごすことが出来ました」と語った。チームを完封勝利に導いたが「まだヒットを打ってないんで。ヒット打って個人的に開幕出来るように頑張ります」とニヤリ。リードだけでなく、打撃でも存在感を示していく決意だ。【鈴木正章】▽ヤクルト高津監督(復帰の中村について)「彼の開幕戦ですから、いい形で終われて良かった。しっかり投打ともに引っ張れる存在であってほしい」

◆ああ、もどかしい...。7連勝を狙った虎がゴールデンウイークの甲子園で猫になった。ヤクルト先発小川を打てず今季7度目の完封負け。3点を追う6回2死二、三塁の好機で三邪飛に倒れた佐藤輝明内野手(23)が、悔しさをあらわにする場面もあった。3年ぶりに満員札止めとなった4万2483人の甲子園で残念すぎる完敗。輝よ、虎ナインよ、2日連続チケット完売の今日こそ、子どもたちに笑顔を届けてくれ!佐藤輝は思わずバットをたたきつけようとした。だが、大勢の子どもたちを意識してか、何とかこらえた。それでも勢いで放り投げた黒と白のツートンカラーの愛棒は地面にはずみ、むなしく転がった。悔しさは隠せなかった。0行進が続いて3点を追う6回2死二、三塁。1発出れば同点の絶好機で回ってきた。入場制限解除で3年ぶりに満員札止めとなった甲子園のボルテージは最高潮。輝、頼むぞ...。だが、小川にオール直球勝負を挑まれた6球目、146キロの内角高めに詰まって力ない三邪飛に倒れた。ファンのがっくり感と、そして背番号8のフラストレーションもマックスだった。最大の得点機を逃すと、9回まであれよあれよと0行進。矢野監督にも悔しさがにじみ出た。「うーん、まあ真っすぐがね、結構、割合的に多かった。コーナーにも来ている感じはあったのかなと思うけど、それでもね、ゼロじゃね」。小川は3月25日の開幕戦で3回で11安打4得点と打ち込んだ。だが、この日は緩急巧みな投球に的を絞らせてもらえなかった。得点圏に走者を進んだのは6回の1度だけ。今季最短タイの2時間24分。7連勝どころか、あっという間の7度目完封負けだった。「ゴールデンウイーク こどもまつり」と題された3連戦の初戦。子どもたちの姿も目立った。試合前の練習中には矢野監督が、見学していた子どもたちに歩み寄り、スローガンなどが書かれたカードを配る場面もあった。佐藤輝も「子どもたちがたくさん来ていると思う。いいところを見せられるように頑張ります」と意気込んでいたが、初回も併殺打に倒れるなど無念の4の0に終わった。破竹の6連勝で上げ潮ムードだったが、思わぬ完敗で進撃が止まった。矢野監督は「だから悔しい。喜んで帰ってもらいたいなぁと思ってたけど。悔しい、残念。まあ、明日、あさってね、喜んで帰ってもらえるように、頑張ります」と力を込めた。再び借金11で最下位の現実...。それでも4日のチケットも完売している。佐藤輝も悔しさをバネに奮起を誓っているはず。スタンドから目を輝かせる子どもたちに、きょうこそ白星を届ける。【桝井聡】▼阪神が今季7度目の完封負けを喫した。過去6度はいずれも継投によるもの。小川に今季初めて完投シャットアウトを許した。これは昨年8月20日の中日戦(バンテリンドーム)で柳に喫して以来。甲子園に限ると、20年9月23日DeNA上茶谷に許して以来となった。▼阪神は小川と通算30試合で対戦し、10勝を許しながらも11敗をつけ、負けを先行させている。防御率も4・01と平凡な数字だ。ところが許した完封は計3度。これは小川にとって、広島戦と並び自身最多となっている。▼現在のペースで完封負けが増え続けると、年間143試合換算で31度に達する。球団最多の63年24度を上回る勢いだ。?○...糸井がコンディション不良で欠場した。試合前練習に参加したがシートノックは受けず、ベンチスタート。最後まで出番が回ることはなかった。矢野監督は「コンディションがちょっと整っていないんで」と軽症を強調し、登録抹消には至らないもよう。井上ヘッドコーチも40歳の大ベテランに「連敗中でも、連勝中でも引っ張ってくれた。疲労の部分もある。良くなったら、すぐスタメンに名を連ねる形になってほしい」とコメントした。○...一塁大山は好守で観客を沸かせた。3点ビハインドの5回表2死、青木の頭上へのライナーをジャンピングキャッチ。ミットの先っぽギリギリでボールを拾い、安打を防いだ。ただ、4番打者としてはヤクルト小川の前に4打数無安打。9回2死一塁では右飛で最後の打者となり、悔しい1日になった。○...前試合の5番から2番に戻った中野がチーム唯一の2安打で気を吐いた。1回の第1打席で小川の内角高めの球を捉えて中前へ。0-3で迎えた9回1死は小川の内角低めを右前にはじき返した。ここまで32試合で猛打賞3度、マルチ安打6度、打率2割8分7厘、7盗塁と安定した成績を残している。

◆阪神・秋山拓巳投手(31)が先発する4日のヤクルト戦(甲子園)に向けてショートダッシュなどで調整した。「しっかりイニングを消化できるように、かわすようなピッチングにならないように。どんどんそういう気持ちを持って、投げていくことができるように調整してきた」。2軍での再調整から復帰した4月28日の中日戦(甲子園)では5回2失点で今季初勝利。「(勝利できて)うれしかったし、この気持ちをもっと味わいたいと思うので、しっかり自分の役割を果たせれたら」と意気込んだ。ヤクルトとは今季初対戦。2019年5月7日(神宮)から自身6連勝中(10試合で6勝0敗、防御率3・67)と好相性だが、「中軸はいいバッティングをしてるので、そんなに抑えられてる感覚は特にない。一人一人の積み重ねでしっかりイニングを重ねていきたい」と闘志を燃やした。

◆阪神・島田海吏外野手(26)が4月12日の中日戦(バンテリンドーム)以来、今季2度目のスタメン出場する。1日の巨人戦(東京ドーム)では途中出場ながら1安打1打点と結果を残していた。6連勝中と好調な阪神を、韋駄天が自慢のスピードで攻守にけん引する。

◆ヤクルト・村上が一回、7号2ランを放った。阪神の先発・西勇のフォークを捉え、「追い込まれていたので強引にいかないようにコンパクトに打つことを心がけて打った。良い角度で上がってくれた」と振り返った。

◆中5日で先発した阪神・西勇輝投手(31)は8回を投げて3安打3失点(自責2)。打線の援護に恵まれず、0-3の八回に代打を送られて降板した。一回1死一塁から村上にフォークを左翼ポール際に運ばれた。今季34イニング目で初の被本塁打だった。0-2の二回、先頭の太田の飛球を左翼の高山が落球(記録は失策)。1死三塁とされ、長岡に左前適時打を浴びた。三回以降は八回まで走者を一人も許さない完ぺきな投球だった。チームは7連勝をかけて臨んだ一戦。この日の甲子園は3年ぶりに前売り完売で、今季最多の4万2483人が詰めかけた。

◆ヤクルトが4連勝を飾った。村上が一回2死一塁から左翼席中段へ先制の7号2ラン。阪神先発の西勇が投じた130キロのフォークボールを捉え、「追い込まれていたので、強引にいかないようにコンパクトに打つことを心掛けた。良い角度で上がってくれた」と球場を沸かせた。二回1死三塁から左前適時打を放った長岡は、「追い込まれていたので必死に食らいついて打った。良いところに落ちてくれた」と貴重な追加点を振り返った。先発の小川は6安打5奪三振の完封で今季初勝利を挙げた。

◆阪神は今季7度目の完封負けで連勝は「6」でストップ。今季最多の4万2483人の観客が訪れた甲子園で白星を虎党に届けることができなかった。ホームが遠かった。ヤクルトの先発・小川の前に打線は五回まで散発2安打に抑えられた。0―3の六回に2本の安打などで1死二、三塁の好機を作ったが、中野が浅めの中飛、佐藤輝は三邪飛に倒れて1点も奪うことができなかった。この試合では1日の巨人戦(東京ドーム)で4安打を放った糸原を5番に据えたが、3番・佐藤輝、4番・大山、5番・糸原のクリーンアップに快音が一本も出ず、4月23日のヤクルト戦(神宮)以来の無得点となった。先発の西勇は一回に村上に先制2ランを被弾し、二回には味方の失策から失点したが、三回以降は無安打投球。8回3安打3失点(自責2)の好投も報われなかった。

◆ヤクルト・小川泰弘投手(31)が完封で今季初勝利(2敗)を挙げた。打線は一回、村上が先制の7号2ランを放つと、二回には長岡が適時打を放ち右腕を援護した。小川のヒーローインタビューは以下のとおり。--9回を投げきりました「しっかり自分の仕事をしたいと思っていましたし、キャッチャーの中村がいいリードをしてくれて、強気なピッチングが出来ました。序盤に味方に点をとっていただき、大胆に攻めることができました」--今日の投球の狙いは「調整の段階でしっかりストレートを見直してきました。バッターが差し込まれていたので、自分を信じてしっかり腕を振りました」--フォームを元に戻した「過去4試合投げて、しっくりきてない事が大きくて、もう一度自分の体を使い切ってしっかり投げたいなという思いからフォームを戻しました」--六回2死二、三塁のピンチで佐藤輝明に6球ストレートを続けた場面(三邪飛)は「中村が強気にインコースを要求してくれましたし、ストレートを信じて投げきれたと思います」

◆阪神は今季7度目の完封負けで、連勝が「6」で止まった。先発・西勇輝投手(31)は8回3失点(自責2)に抑えたが、六回2死二、三塁の好機で佐藤輝明内野手(23)が三邪飛に倒れるなど、打線が決め手を欠いた。観衆は今季最多の4万2483人。試合後の矢野耀大監督(53)の一問一答は以下の通り(チーム成績10勝21敗1分)。ーーヤクルト・小川は前回と比べて「うーん、まあ真っすぐがね、結構割合的には多かったし。まあまあ、もちろんコーナーにも来ている感じはあったのかなと思うけど。それでもね、ゼロじゃね」ーー打線が散発になってしまったのは小川がよかったか「それはどっちもあるんじゃないの」ーー西勇は不運な失点もあったが立ち直った「うん、まあ状態もいいしね。ホームランだけじゃない。あとはもうしっかり自分のペースで投げているし。ボールもいいボールが行っているんで。これからもああいうピッチングをしてくれれば、もちろんチームの力にもなって勝つということにつながると思うんで」ーー残念な結果だったが、この3連戦は満員になりそう「ねえ、だから悔しいけど。ねえ、喜んで帰ってもらいたいなぁと思ってたけど。悔しい、残念な、まあ明日、明後日ね、喜んで帰ってもらえるように、頑張ります」

◆近鉄、西武で主砲として465本塁打&2452安打をマークし、西武コーチ時代には清原和博らを育てたサンケイスポーツ専属評論家・土井正博氏(78)は完ぺきに封じられた佐藤輝明選手(23)に対し、投手だけでなく、捕手との駆け引きの習得を勧めた。ヤクルト・小川は抜群の投球だったし、捕手・中村のリードにも唸った。こういう日もあると切り替えれるしかない。野球とはそういうもの。特に佐藤輝への配球は見事だった。ことしの佐藤輝が高めに手を出さなくなったことを熟知した上で、手を出していたコースからほんの少し低く、それでも今の佐藤輝にすれば〝高め〟に球を集めた。佐藤輝からすれば「ストライクや! 来た!」と思って振るのだが、ローボールヒッターだから、力のある高めを完ぺきに打ち返す技術はまだ伴っていない。繰り返すが、リードした中村、間違わずそのコースへ投げ込んだ小川の勝利であり、まだプロ2年目の佐藤輝が簡単に、毎度毎度打てるものでもない。では今後、どうすればいいか? もちろん、高めに対応する技術を身に付けていくことも大事だが、「相手捕手」と勝負することも忘れてはならない。中村のような好捕手に対しては、この先、特に重要になってくる。私も現役時代、南海ホークスに野村克也という球史に残る名捕手がいた。それはそれは苦労させられた。トップクラスの捕手は打席の小さな動き、仕草でどの球種を狙っているか、コースを絞っているかを読み取ろうとする。ならば相手のウラをかけばいい。いかにも真っすぐを狙っているように見せて、実は変化球を狙う。その反対もある。もちろん、演技力も磨く必要があるだろう。内角攻めが執拗なら、ベースが少し離れて立つのも1つの手。打席の立ち位置を変えることで「オヤッ」と思わせるだけでも効果がある。この時、届かないだろうと外角一辺倒になるか、それとも内角も攻めてくるか。読みを外す動きをする中で、相手捕手の傾向も見えてきたりする。優秀な捕手との駆け引きを続けていると、自然と正確な読みができるようになる。私と野村さんの戦いも、キツネとタヌキのバカしあいがずっと続いた。相手はささやき戦術も交えてかく乱してきた。うるさかった。私は打席で穴を掘ったりもした(笑)。やられた記憶のほうが多いが、随分と勉強させてもらった。現在のヤクルトは、その野村さんが作り上げたチーム。高津監督は愛弟子だし、おそらく中村も「野村野球」を勉強しながら育っている。強敵だ。超一流打者への道は、好捕手との駆け引きを乗り越えることでもある。無限の可能性を感じさせる佐藤輝ならバカし合いにも勝てるはずだ。

◆阪神の糸井が欠場した。1日の巨人戦では代打で2点打を放っていたが、矢野監督は「コンディションがちょっと整っていないので」と説明した。(甲子園)

◆阪神の西勇は序盤の3失点が響いた。三~八回は一人の走者も出さない完璧な投球。味方の反撃がなく、2敗目となっても「長いイニングを投げることができた。次の試合もしっかりゲームをつくっていければ」と気持ちを切り替えた。一回2死一塁で村上を追い込みながらも落ちる球が浮き、左翼席に2ランを放り込まれた。二回は太田の飛球を左翼の高山が落球。1死後の三塁から長岡を詰まらせたが、左前に落ちる適時打となった。

◆観客は今季最多4万2483人だった。球団広報によると、新型コロナウイルス感染拡大による入場制限が3年ぶりにない今季の甲子園球場で初の完売。この日は当日券の販売はなかった。2019年の最多入場者数は4万6788人だったが、アルプス席の座席数減少もあり、完売であっても同程度の数字にはならないという。

◆スタンドから驚きの声が上がる一発だった。ヤクルト・村上宗隆内野手(22)が、一回2死一塁から左翼席中段へ7号2ラン。貴重な先制点をもたらし、チームを今季初の4連勝に導いた。「追い込まれていたので、しっかりコンパクトに振りにいった。手応えはあったし、風もレフト方向に吹いていたので、乗ってくれたと思う」カウント2―2から、西勇のフォークボールを捉えた。九回には左前打を放ち、連勝中は計4試合で13打数6安打7打点と4番のバットが白星に直結する。個人成績でも7本の本塁打は3本差、22打点は3点差でトップの巨人・岡本和を追う。ゴールデンウイーク中のデーゲームとあって、4万2483人の観衆が詰めかけた中での一発に「すごく熱気があるというか、お客さんが入っているという実感もある。一人でも多くを魅了できたら」と村上。若き4番が勢いを加速させる。

◆西勇は8回3安打3失点(自責2)も援護に恵まれず2敗目。「(坂本)誠志郎がうまく引っ張ってくれたので、長いイニングを投げることができた」。一回に村上に先制2ランを浴び、二回には味方の失策が絡んでさらに1失点したが、三回以降は無安打に抑えた。今季は6試合中5試合でクオリティースタート(6回以上を投げて自責3以内)の右腕に矢野監督は「ホームランだけじゃない? あとはしっかり自分のペースで投げている」と評価した。

◆今季初の4連勝で1.5差! ヤクルト・小川泰弘投手(31)が3日、阪神7回戦(甲子園)で9回6安打に抑え、今季初勝利をチーム初完封で飾った。投球フォームを昨季のものに戻したことで、直球の威力が復活。下半身のコンディション不良から復帰した中村悠平捕手(31)との同学年バッテリーでチームを今季初の4連勝に導き、首位・巨人に1.5ゲーム差と迫った。今季最多の観衆4万2483人が集まった甲子園。夕日に照らされ、小川の表情が少し緩んだ。112球を投げ6安打、無四球で手にした今季初白星はチーム一番乗りの完封劇。久々の感覚を味わい、本音が漏れた。「すごく長いトンネルだったので、まず1個勝ちがついて少しホッとしている。いいものを出せたと思うので、次につなげていきたい」糸を引くような直球の力が戻った。この日の最速は147キロだったが、球速表示以上に打者の手元で伸びた。圧巻は六回2死二、三塁。一発出れば同点の場面で打席には佐藤輝。下半身の張りから復帰した中村の「きょうは真っすぐと心中だ」というリードに応え、内角高めの直球を6球続けて最後は三邪飛に抑えた。『原点回帰』が力強い直球を蘇らせた。今オフからセットポジションの際に左足を1足分三塁側にずらす新たな投球フォームに挑戦。より良い体重移動を求めてのものだったが「こぢんまりしてきた」と感じ、「体を大きく使って力強く投げていくという原点に」と両足をそろえる昨年までのフォームに戻した。2年連続6度目の開幕投手を務めた今季はここまで4戦で0勝2敗、防御率5・68。「感覚も違った。躍動感が出てきた」。右翼から左翼方向に吹く強風も味方に直球主体に攻め、3月25日の開幕戦で3回4失点と苦しんだ相手に雪辱した。この日は「ゴールデンウイーク こどもまつり」として行われ、選手名が大型ビジョンに平仮名で掲出された。スタンドにも家族連れの姿が目立つ中、プロ野球選手を夢見る子供に夢を与えた。変わらないものがある。小学3年で始めた野球への思いだ。小学生時代は平日も午後5時から午後9時まで練習した。「今となっては感謝ですけど、一番きつかった時期」と笑顔で振り返る。保育園の卒業文集には「将来は野球選手になる」と書き込んだ。「子供の頃から野球選手になれると思っていたし、不思議と疑わなかった」。幼少期、大工の父・吉弘さんは自宅でも遠投ができるように鉄柱に防球ネットを張ってくれた。野球の面白さ、奥深さが、プロ10年目の節目を迎えた右腕を支えている。チームは3-0で快勝し、今季初の4連勝で首位・巨人とのゲーム差を1・5に縮めた。高津監督は「文句をつけるところがなかった。完璧だった」と目を細めた。6連勝中だった阪神打線を封じ、小川が新たな一歩を踏み出した。(赤尾裕希)★好リード背番号「27」 背番号27が帰ってきた。開幕前の3月上旬に下半身のコンディション不良で離脱していた中村が今季初めて出場選手登録され、「7番・捕手」で先発出場。3打数無安打だったが、同学年の小川を好リードして完封勝利に導き「僕にとっては開幕戦だった。それとともに小川も1つ勝つことができて、お互いにとって良かった一日だったと思う」と笑みを浮かべた。

◆阪神・糸井嘉男外野手(40)が3日、ヤクルト戦(甲子園)を欠場した。直近5試合で打率・571(14打数8安打)、5打点と絶好調だった超人について、矢野燿大監督(53)は「コンディションがちょっと整っていないんで」と説明。ベンチ入りはしたため故障ではなさそうだが、ゴールデンウイーク快進撃を狙う虎に、暗雲が立ちこめた。試合前の打撃練習では快音を響かせていた。前日は試合がなく、休養十分だった。甲子園を埋め尽くした虎党も、練習をともにしたナインも「5番・糸井」を疑わなかった。だが、スコアボードに「いとい」の名前はなかった。代打で出場することもなかった。「コンディションがちょっと整っていないんで...」試合後、矢野監督は険しい表情で欠場した理由を明かした。 ベンチ入りはしていた。敗戦後、グラウンドでファンに一礼する中にもいたため、大きな故障ではないと思われる。井上ヘッドコーチは「大ベテランにも関わらず、連敗中でも連勝中でも引っ張ってきてくれて、疲労もあるだろうし、無理してでも(出場させる)という時期でもない」と説明。具体的な部位などは明かさなかったが、体調に問題があって、直近5試合で打率・571、5打点と絶好調だった超人を外さなければならなかったことは、確かだ。4月30日の巨人戦(東京ドーム)まで糸井が務めていた5番には糸原が昇格し、高山が「6番・左翼」、島田が「7番・右翼」でスタメン出場した。それぞれ1安打を記録したが、打線はつながらず。佐藤輝と並び17打点を稼ぐ背番号「7」を欠いた打線は迫力を欠き、3月25日の開幕戦で3回4得点と攻略した小川の前に散発6安打完封負け。連勝は「6」で止まり、借金は「11」に逆戻りした。糸井は過去に膝や足首などに故障歴がある。まだ5月に入ったばかりで、40歳という年齢も考えれば、首脳陣も慎重に起用せざるを得ない。井上ヘッドは「嘉男の体とケア部門のトレーナーと相談しながらね。よくなったら、すぐにスタメンに名を連ねる形にはなってほしいし、そうなるように本人もスタッフもしていかないと」と話した。打線にいれば、佐藤輝や大山へのマークが軽くなるという意味で欠かせない存在。一日も早い復帰を祈るばかりだ。(三木建次)

◆今季最多4万2483人の観衆に、はい上がっていく勢いは見せられなかった。今季喫してきた「21」の敗戦の中でも最もあっさりと敗れ、矢野監督も悔しさをかみ殺すしかなかった。「ねえ、だから悔しいけど。(ファンに)喜んで帰ってもらいたいなぁと思っていたけど」6連勝して戻ってきた本拠地は、快晴で超満員だった。虎党はゴールデンウイーク(GW)を反転攻勢のときと信じ、数ある行楽地の中から甲子園を選んで足を運んだ。5日の「こどもの日」へとつながる3連戦で、球団も「こどもまつり」と題したイベントを用意していた。指揮官は、試合前の練習見学イベントに参加していたファンクラブとタイガースアカデミーの子供たちを見つけると、自らスタンドへ上がっていって、スローガン「イチにカケル」などが記されたカードを約200枚配った。〝おもてなし〟は完璧だった。だが、肝心の試合内容がどうしようもなかった。今季最多のファンの前でさらしてしまったのは、今季最短タイ2時間24分での7度目シャットアウト負けだ。虎党のちびっ子たちも、もう帰らないといけないの? まだ誰も打っていないのに? と、途方に暮れたに違いなかった。敗戦でもグラウンドに整列して行う恒例のあいさつの際には、拍手も起きた。矢野監督は「悔しい、残念な(試合をしてしまった)。あしたあさってね、喜んで帰ってもらえるように、頑張ります」と自らに言い聞かせるように語った。6連勝で持ち直してきただけに、もう一度崩れていくのか、ファンへ意地を示して踏ん張れるのか。GWが運命を分ける。(長友孝輔)

◆何でやねん? 何でやねん? 何でやね~ん?3点リードされての八回先頭の島田が持ち味の俊足を生かす、絶妙のセーフティーバントの内野安打、よっしゃァ! 8番・坂本に代打・糸井やー! いやいや、糸井さんは9番・西勇のところの代打で...。よし、ここはロハスを打席に送り、ヒットでチャンスを拡大や、と青写真を広げていたら...。ウソやろー? 坂本をそのまま打たせて6-4-3のゲッツーで、あっさりチャンスを潰してもうた~(涙)。別に坂本を責めてるんじゃないかんね!(いや、身長と同じくらいの打率の坂本も責められても仕方ないか)それよりも、結果が例え同じ併殺だろうが、全国の虎党に希望を与えるワクワクをくれる采配を、どーして矢野監督は放棄するんじゃー!!う~ん...。先発の西勇が三回以降、八回までパーフェクトピッチングしてくれただけに、この黒星は悔いが残る...。だけど、カーッと頭にのぼった血がひいて、冷静に考えたら、坂本の前に3-5番がノーヒットじゃ勝てないよなぁ...。猛虎打線、第2戦は采配いらずの大爆発やー!!

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
20130 0.606
(↓0.019)
-
(-)
110140
(+3)
131
(+12)
38
(+2)
12
(-)
0.250
(↑0.001)
3.270
(↓0.01)
2
(-)
ヤクルト
16120 0.571
(↑0.015)
1.5
(↑1)
115104
(+3)
105
(-)
27
(+1)
13
(-)
0.225
(↓0.004)
3.190
(↑0.12)
3
(-)
広島
17131 0.567
(↑0.015)
1.5
(↑1)
112133
(+12)
103
(+3)
10
(-)
7
(-)
0.255
(↑0.004)
3.150
(-)
4
(-)
中日
15130 0.536
(↑0.017)
2.5
(↑1)
115101
(+7)
94
(+3)
17
(-)
13
(+2)
0.255
(↑0.002)
3.190
(↑0.01)
5
(-)
DeNA
10160 0.385
(↓0.015)
6.5
(-)
11788
(+3)
119
(+7)
18
(-)
10
(-)
0.240
(↓0.002)
4.000
(↑0.12)
6
(-)
阪神
10211 0.323
(↓0.01)
9
(-)
111100
(-)
114
(+3)
23
(-)
20
(+1)
0.232
(↓0.001)
3.430
(↑0.05)