巨人(★1対8☆)阪神 =リーグ戦9回戦(2022.05.01)・東京ドーム=
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阪神
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巨人
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勝利投手:西 純矢(1勝0敗0S)
敗戦投手:髙橋 優貴(1勝2敗0S)

本塁打
【巨人】ウォーカー(4号・2回裏ソロ)

  DAZN
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DAZN

◆阪神は1点を追う6回表、糸原と梅野の適時打で2点を奪い、逆転に成功する。そのまま迎えた8回には、代打・糸井の適時打などで4点を追加し、相手を突き放した。投げては、先発・西純が7回1失点の好投で今季初勝利。敗れた巨人は、打線が4安打1得点と沈黙した。

◆巨人高橋優貴投手(25)が阪神戦先発登板。このカードは通算11試合を投げて6勝1敗、防御率1.67。唯一の黒星は19年9月24日に甲子園で喫した1敗だけで、東京ドームの阪神戦は3勝0敗とプロ入りから負けなし。

◆巨人の試合前練習中、ヒヤリとする場面があった。打撃練習中のボールが投手陣がウオーミングアップをする外野エリアに飛球。まだ練習が始まったばかりで投手陣が1カ所に集合していたタイミングだったため、彼らを守ろうと勢いよく捕球しに行った選手と、堀田賢慎投手(20)が交錯した。堀田は数分間、その場から立ち上がれなかった。その後、チームスタッフとともに歩いてベンチ裏に引き揚げたが数分後、ジョギングでグラウンドに戻ってきた。堀田はこの日、1軍の試合前練習に合流したばかりだった。

◆"ズッキュン砲"がさく裂した。巨人新外国人のアダム・ウォーカー外野手(30)が飛距離129メートルの先制4号ソロを放った。「いつも岡本選手のようなパワーにあこがれていて、岡本選手のようにたくさんご飯を食べてきました。先制ホームランを打ててすごくうれしいです」と主砲・岡本和真ばりの豪快な一打を決めた。2回先頭、2ストライクと追い込まれてからの3球目、阪神西純の151キロ直球を振り切った。バックスクリーンに飛び込む6試合ぶりの1発。打球角度は23度、打球速度は167キロだった。ドレッドヘアーをなびかせながらダイヤモンドを1周し、ベンチに戻ると、ナインと一緒に定番となっている頭上でハートを作る"ズッキュンポーズ"を披露。キュートな笑顔を浮かべて大喜びだった。

◆阪神西純矢投手(20)が、プロ初ヒットを記録した。1点を追う5回1死の第2打席。1ストライクからの2球目、巨人高橋の甘い変化球を捉え、打球は三遊間へ。一塁へ全力疾走で駆け抜け、遊撃への内野安打で出塁した。プロ通算3打席目で、メモリアルヒットをマークした。今季初先発の本職の投手では、2回先頭のウォーカーにソロを許したものの、6回までで3安打1失点、8奪三振と力投。「朗希世代」の右腕が、投打で奮闘している。

◆昨季、チームトップの11勝を挙げた巨人高橋優貴投手(25)が今季初先発も、白星とはならなかった。昨季5戦4勝と好相性の猛虎打線を相手に、5回1/3を7安打2失点7奪三振。「粘り切れなかったことが反省点です。6回は投げ切らなければなりませんでした」と振り返った。5回までは与四球1、ストライク先行でテンポ良くアウトを重ねた。しかし6回、佐藤輝と大山に連続安打を浴び、無死一、三塁のピンチを招く。中野を空振り三振で1死一、三塁とするも、糸原に左前へこの日3安打目となる同点適時打を浴びて降板した。後を受けた2番手デラロサが、2死一、三塁から梅野に右前打を許し、試合をひっくり返された。

◆阪神先発西純矢投手(20)の好投に打線が応えた。6回、糸原のタイムリーで同点に追いつき、なおも2死一、三塁の好機。梅野が右翼への適時打を放ち、勝ち越しに成功した。「いい流れで回ってきた打席でしたし、(西)純矢も頑張って投げてくれていたので、一気に逆転することができてよかった。しっかりリードでも引っ張っていけるように頑張ります」 梅野は、後輩の好投に報いる一打に胸をなで下ろした。打線はこの回4安打を集め、逆転に成功。チーム今季初の6連勝に向け、リードして終盤を迎えた。

◆猛虎だ! 阪神が今季初の6連勝を飾った。今季10勝20敗1分けで勝率は3割3分3厘となった。今季初の同一カード3連戦3連勝。巨人戦の3連戦3連勝は18年5月25日~27日(甲子園)以来。敵地の東京ドームでは13年5月6日~8日以来9年ぶり。首位巨人に9ゲーム差とした。今季初先発の高卒3年目、西純矢投手(20)が7回1失点と好投し今季初勝利。プロでの自己最速タイ153キロの直球と140キロ台中盤のフォークボールで巨人打線に真っ向勝負。2回に許したウォーカーの4号ソロの1点だけに抑えた。打線も西純の力投に応え、1点を追う6回、1死一、三塁から糸原健斗内野手(29)が左前へ適時打を放ち同点に。さらに2死一、三塁から梅野隆太郎捕手(30)が右前へ勝ち越し適時打を放った。梅野は「純矢も頑張って投げてくれていたので、一気に逆転することができてよかった」とコメント。8回には西純の代打糸井嘉男外野手(40)が1死満塁から中前2点適時打を放つなど、打者10人で一気に4点を奪い、巨人を突き放した。この日のように6連勝のうち4試合が逆転勝ち。開幕から歴史的低迷をしていた虎が本来の力を発揮してきた。

◆高卒3年目の阪神西純矢投手(20)が7回3安打1失点と快投し、今季初勝利となるプロ2勝目を手にした。巨人戦で今季初先発。最速153キロ直球と切れ味抜群のフォークを軸に、自己最多8三振を奪う投球で、チームを6連勝に導いた。「ホームランを打たれた場面は少し欲が出てしまったので反省ですが、それ以外は梅野さんに引っ張っていただいて、最少失点に抑えることができ、先発としての自分の仕事ができたので良かったです。たくさん点を取っていただいた野手の皆さんに本当に感謝しています」初回は2死一、二塁のピンチを背負うも、5番丸を146キロフォークで空振り三振に仕留め無失点。2回は先頭のウォーカーに中越えの先制ソロを浴びたものの、3回以降は相手を寄せつけなかった。8回1死満塁で回ってきた打席で代打が送られお役御免となった。9番打者としても奮起した。1点を追う5回1死の第2打席。初球をファウルとし、2球目、巨人高橋の甘い変化球を捉え、打球は三遊間へ。一塁へ全力疾走で駆け抜け、遊撃への内野安打で出塁した。プロ通算3打席目で、メモリアルヒットをマークした。今月27日からは交流戦のロッテ3連戦(ZOZOマリン)が予定されている。西純が先発ローテーションに定着すれば、同学年で親交のあるロッテ佐々木朗との投げ合いも実現する可能性もある。「朗希世代」がプロ野球を盛り上げる。

◆巨人が最下位阪神に3タテを食らった。新助っ人の"ズッキュン砲"で先手はとった。アダム・ウォーカー外野手(30)が2回無死、阪神西純から4号先制ソロをバックスクリーンに放り込んだ。ドレッドヘアーをなびかせながらダイヤモンドを周回。ベンチで迎えるナインと頭上でハートをつくって"ズッキュンポーズ"を披露した。今季初先発の高橋優貴投手(25)は5回まで毎回安打を許すも、粘りの投球で無失点で踏ん張った。だが、6回に佐藤輝、大山に連打され、1死一、三塁から糸原に同点適時打を浴びた。2番手でバトンを受けたデラロサが勝ち越し適時打を許し、高橋は5回1/3、7安打2失点となった。試合前に主将の坂本勇人内野手(33)が右膝内側側副靱帯(じんたい)の損傷で出場選手登録を外れた。代役で「2番遊撃」を務めた広岡大志内野手(25)は1回に二塁打でチャンスメークするも得点につながらず。前日4月30日にはエース菅野も右肘の違和感で登録抹消された。巨人が攻守の要を欠き、今季初の同一カード3連敗に沈んだ。

◆首位巨人が5連勝中の最下位阪神と対戦し1-8で敗戦。先発は巨人が高橋優貴、阪神は西純矢。

◆高卒3年目の阪神西純矢投手(20)が7回3安打1失点と快投し、今季初勝利となるプロ2勝目を手にした。巨人戦で今季初先発。最速153キロ直球と切れ味抜群のフォークを軸に、自己最多8三振を奪う投球で、チームを6連勝に導いた。試合後のヒーローインタビューでは照れながらも、観戦に訪れた母・美江さんへの思いを口にした。西純の試合後の一問一答は以下の通り。-初の巨人戦「いや~もう、ほんとに最初すごく緊張していたんですけど、試合に入ったら集中できて、梅野さんのリードのおかげで自分のピッチングができたと思います」-笑顔もあった。楽しんで投げているように見えた「笑顔は、自分は常に心掛けていて、ほんとに自分のペースでピッチングができたと思います」-初勝利の時のウイニングボールは母へ。今日は「今日も母が見に来てくれているので、また、渡せたらいいなと思っています」-お母さんへひと言「え~、お母さんへひと言...(笑い)。え~、見に来る時、なかなかいつもいいピッチングができないんですけど、今日だけはよくやったかなと思います」-同世代にはロッテ佐々木朗。刺激は「朗希も奥川もオヨ(及川)も、ほんとに頑張っていて、自分もずっと負けられないと思っていた。なかなか歯がゆい日々が続いていたんですけど、今年はやるぞって気持ちでずっと過ごしてきているので、ここからもっともっとやっていきたいと思います」-チームは6連勝「ほんと、チームの勢いに乗ってピッチングができました。もっともっと勝っていって、こっから巻き返していきたいと思います!」

◆ビッグウエーブを起こす! 阪神が今季初の6連勝を飾った。プロ3年目の先発西純矢投手(20)が7回3安打1失点と好投。打線も15安打8得点と投打がかみ合った。矢野燿大監督(53)はゴールデンウイークを「ビッグウエーブにしていきたい」と宣言した。矢野監督の試合後テレビインタビューは以下の通り-東京ドーム同一カード3連勝。6連勝矢野監督 「はい。うれしいです」-立役者は西純矢野監督 「これからの試合が本当に楽しみなピッチングをしてくれた。ジャイアンツ相手にこのような投球が出来るんで、どのチームでも純矢のボールが通用する。そういうことが証明できた。本当に楽しみなピッチングでした」-先発ローテにアクシデントがでるなか、楽しみな若い力矢野監督 「まだシーズンいっぱい残っていますし、たまたまじゃないという投球だったんで。本当に後半戦楽しみ。どこまでいってくれるか。一緒に見ていきます」-打線15安打8得点矢野監督 「ちょっと調子が上がっていない梅野とか、近本、糸原にもいいヒット出た。チーム全体としても連勝も大きいですし、勝ち方もすごくこれからにもつながると思います」-糸原4安打矢野監督 「本当に苦しんでましたけど、4本とも、らしいバッティング。今日を機会にまたバットでも声でもチームを引っ張ってくれてるんで、そういうところも頑張ってくれると思う」-代打糸井も大きな一打矢野監督 「本当に嘉男もね、体にムチ打ちながらやってくれている。いいところで1本ってほんとにしぶとい打撃で嘉男らしく、最高の1本」-ゴールデンウイークで多くのファンが球場に来る。どのような週にするか矢野監督 「ビッグウエーブにしていきたいですし、5月いいスタート切れましたし、いい形で甲子園に戻れる形を全員で作れたんで、本当にビッグウエーブにしていきます」

◆阪神の今季初6連勝に、SNS上では「あかん阪神優勝してまう」と投稿が相次いだ。「阪神首位巨人に3タテあかん優勝してまう」「阪神怒涛の6連勝やん あかん、阪神優勝してまう」「あかん阪神優勝してまう。5月の勝率10割」など、開幕から苦しんできたうっぷんを晴らすかのように、ポジティブな内容であふれた。先発した西純矢投手(20)が今季初勝利。「西純矢」「タイガース」がトレンド入りするなど、SNSは大盛り上がりだった。

◆巨人が9年ぶりに本拠地・東京ドームで阪神に同一カード3連敗を喫した。2回にウォーカーの4号ソロで先制するも、その後は打線が沈黙。6回に逆転を許すと、8回には4四死球と3安打で4失点。9回にも失点を重ねて、突き放された。原監督は「もう少し追加点をね。打線の方で。どうしてもゲームが重くなってしまうというのはありますね」と指摘した。2戦連続で中継ぎ陣が崩れた。この日は、先発高橋が6回途中に降板後、6投手をつぎ込んだ。小刻みの継投の中で無安打投球は、4月29日に支配下登録されたばかりの菊地のみ。桑田投手チーフコーチは「7、8回の失点、四球が絡んでの失点が非常に多い」と改善を促した。イニング別では8回が20失点と、ルーキー守護神の大勢までのバトンが遠い。今季初の3連敗も首位はキープ。投打で仕切り直す。

◆チャンスに強い40歳だ! 阪神糸井嘉男外野手(40)が1点リードの8回1死満塁で代打で登場し、値千金の2点適時打。巨人鍬原の低めへの変化球をうまく拾い中前へはじき返した。「ヤッターーー!!!」。試合中、球団広報へ託した一言に思いが凝縮されていた。今季初先発で7回1失点の西純矢投手(20)の代打だった。「ほれぼれするような球を投げていたし、絶対に勝ちをつけてあげたかった。ああいう若い投手を見ていたら僕も興奮する」と、20歳下の若虎の熱投に燃えた。今季17打点は佐藤輝と並びチームトップタイ。佐藤輝より43打席も少ない中で、超人的な勝負強さだ。打率は3割5厘、本塁打は3本。この日は代打だったが今季出場25試合のうち22試合がスタメンだ。「40歳でも野球ができている感謝の気持ち」と、体が元気に動くことが好調の理由だ。前日4月30日の夜には自身のツイッターで「タッカラプト ポッポルンガ プピリットパロ」と謎の言葉をつぶやいた。大好きな漫画「ドラゴンボール」に登場するナメック星の言葉で「出でよ神龍! そして願いをかなえたまえ!」を意味する。意図を聞かれ「それはええから。ハッハッハ」と笑い飛ばした。なぜ神を呼ぼうとしたのかは糸井にしかわからないが、超人が神がかり的な活躍で勢いづけている。【石橋隆雄】○...途中出場の島田が9回に適時打を放った。2死三塁でフルカウントまで粘り、巨人平内の外角145キロ直球を逆らわず左前へ運んだ。「与えられたチャンスで100%のパフォーマンスが出せるように日々準備している。今日はその成果が出てよかった」。3月下旬に新型コロナ陽性となり開幕1軍から外れたが、少ないチャンスを生かしベンチに欠かせない戦力になっている。

◆純矢のために! 阪神梅野隆太郎捕手(30)が、先発西純矢投手(20)を強力援護した。糸原の適時打で追いつき、なおも2死一、三塁の6回。デラロサの151キロ直球をしぶとく右前に運んだ。 「自分がかえすしかない場面。純矢も頑張っていたし、一気に逆転することができてよかった」今季初タイムリーで、初の決勝打だ。次打者席では原口が代打の準備をしていたが、逆転したことで西純が打席へ。後輩の続投もアシストした。その西純が「梅野さんのおかげ」と感謝したリードも光った。91球のうち31球がフォーク。ワンバウンドに体を張り、何度も低めを意識させるジェスチャーを繰り返した。右腕が昨年5月19日、プロ初勝利を挙げた際も捕手は梅野。「ストライクに困る感じはない」と成長に目を細める。「1人でやる方が落ち着くからさ。いろいろ考えながらね」。2月の沖縄・宜野座キャンプ。午前8時過ぎに球場入りし、誰もいないサブグラウンドに向かうのが日課だった。音楽を聞き黙々とランニング。チームのこと、自身のこと...。雑音をシャットアウトする孤独な時間が、頭と心を整理する大切な時間だった。それでも、グラウンドに立てば1人じゃない。藤井康1・2軍巡回打撃コーチや矢野監督から日々アドバイスをもらう。ここ数試合はバットを寝かせるなど試行錯誤。「少しでもコンパクトに出るようにと思って」。打率2割3厘と本調子ではないがカバーしてくれる仲間がいる。何よりこの日は、ミットを目がけて投げ込む20歳との共同作業で1勝をつかんだ。昨年は得点圏打率3割2分1厘を記録。勝負強い男が復活をアピールした。「やっぱりバッテリーで勝っていかないといけないので、頑張っていきたいと思います」。西純のヒーローインタビューの裏で、背番号2は早くも次の戦いへ視線を向けた。【中野椋】▽阪神井上ヘッドコーチ(決勝打の梅野について)「坂本と併用している感じなので難しいところもあるんでしょうけど、腐ることなく今年1年ずっとやってもらいたい。打ってほしいのもだけど、一番はキャッチャーとして抑える。それに重きを置いているとすれば、この流れの中でよくやっているのかなと思う」○...糸原が4年ぶり4度目の1試合4安打で復調気配だ。2回の第1打席で中前に17打席ぶりの安打を放つと、1点を追う6回1死一、三塁では左前へ同点適時打を放った。昨季13打数無安打に抑え込まれた巨人先発高橋から3安打。「やられたら、やり返さないといけない」と逆襲に成功。前日30日まで打率1割台と低迷。「崖っぷちなんで、立場が。1試合1試合全力で戦うだけ」と安打量産で巻き返す。○...近本が9回にダメ押しとなる右翼線適時二塁打を放った。3回に14打席ぶりの安打となる右翼への二塁打。7回にも左安で今季初の猛打賞だ。「内容的に見て気にするところじゃないなと」と、状態は悪くなかった。昨年5月19日ヤクルト戦では決勝ソロを放ち西純のプロ初白星をアシスト。今季1勝目も3安打1打点できっちり援護した。

◆阪神佐藤輝明内野手(23)が逆転劇の口火を切った。0-1の6回先頭。左腕高橋から左中間への二塁打を放ち、その後の糸原、梅野の適時打を呼んだ。「何とか早く、みんなで頑張って点を取ってあげようという感じだった」。同じドラフト1位で3学年下の西純矢投手の好投に報い、ホッと胸をなで下ろした。11二塁打は12球団トップ。4試合連続安打と好調を維持している。

◆「朗希世代」の逸材がブレークの予感だ! 高卒3年目の阪神西純矢投手(20)が巨人戦に今季初先発し、7回3安打1失点、自己最多8奪三振の好投でプロ2勝目をもぎ取った。5回にはプロ初安打も記録。今季完全試合を達成したロッテ佐々木朗と同学年の右腕が成長の跡を残し、チームは東京ドームで宿敵を相手に9年ぶりとなる同一カード3連勝。6連勝で「反攻の5月」の幕が開けた。宿敵が相手の敵地マウンドでも、西純は野球少年のように楽しんでいた。「常に心がけている」という笑顔を何度も浮かべ、空振り三振を奪うと、激しくグラブをたたきガッツポーズ。味方打線が点を取れば、ベンチで跳びはねて喜んだ。巨人戦初登板で7回3安打1失点。5回にはプロ初安打も記録した。今季初勝利となるプロ2勝目をつかみ取り、お立ち台で最高の笑顔を見せた。「いや~、もう本当に最初すごく緊張していたんですけど、試合に入ったら集中できて、梅野さんのリードのおかげで自分のピッチングができたと思います」最速153キロの直球と切れ味抜群のフォークがさえ渡った。初回2死一、二塁のピンチでは「いつもより2、3キロ速くて、自分でもびっくり」と、5番丸を146キロのフォークで空振り三振。2回先頭のウォーカーに先制ソロを許すもストライク先行の投球で3回以降で許した走者は1人。自己最多の8三振を奪う快投で首位を走る巨人打線をねじ伏せた。「脱力投法」で制球力が格段にアップした。昨季までは常に全力で投げるスタイル。「1回いい投球をしてもすぐにコンディションが悪くなりやすかった」という。悩んでいた3月下旬、鳴尾浜で一緒に練習する機会があった青柳、西勇から7割の力で投げる投法を伝授された。「『そういうピッチングをしてみたら』って言われて、やってみたらすごくよかった。疲れた感じもなく、狙ったところに投げられるようになった」。ゾーン勝負で長いイニングを投げる力も身についた。「ずっとやってきたことが出せた」と胸を張った。ロッテ佐々木朗を始め、1軍で活躍する同世代の活躍が原動力だ。「ずっと負けられないと思っていた。なかなか歯がゆい日々が続いていた。今年は本当に『やるぞ』っていう気持ちで去年の秋季練習から過ごしてきた」。27日からは交流戦のロッテ3連戦(ZOZOマリン)が予定されている。このまま先発ローテに定着すれば、親交のある佐々木朗との投げ合いも実現する可能性もある。「同級生の活躍は自然と目に入ってくる。最終的には1番になれたらいいなと思います」と目をギラつかせた。【古財稜明】○...阪神矢野監督(先発西純について)「ショートアームって感じにして、角度がすごくついていた。スピードガンの速さも出ているけど、それ以上に角度がついた。そういうところでバッターが速く感じているのもある。空振りとかファウルとかがとれるようになっている。だからフォークも効く。次? もちろん、外す理由がない」○...西純の弟、広島・広陵の凌矢外野手(3年)も兄に負けじと7年ぶり17度目の春季県大会優勝に貢献した。この日、崇徳との決勝で本塁打を放ちチームは16-6の圧勝。西純は「びっくりです。今日もホームラン打っていた」と笑顔。「その力にあやかってじゃないですけど、自分にとっていいものはどんどん取りいれて、吸収して、そういう気持ちでやりました」。同じ背番号15を背負う弟の活躍に、兄は快投で応えてみせた。▼19年ドラフト1位の西純が、巨人戦初登板で先発勝利。阪神の投手では、伊藤将が昨年4月7日(甲子園)で勝って以来。右腕では、青柳の16年7月7日(東京ドーム)以来。高卒ドラフト1位投手では、藤浪の13年8月4日(東京ドーム)以来となった。

◆来たぞ、来たぞ! ビッグウエーブ! 勢いに乗る虎が変幻自在の打順で6連勝だ。今季31試合目で27通り目となるオーダーで打線が15安打8得点と爆発。9年ぶりにG敵地同一カード3連勝と、もう止まらない。矢野燿大監督も「チーム全体としても連勝も大きいですし、勝ち方もすごくこれからにもつながると思う」とうなずいた。試合を決定づけたのは8回の猛攻だ。プロ初5番に入った先頭中野が、二遊間へのゴロで一塁へダイブ。魂のヘッドスライディングで二塁内野安打とした。リーグトップ7盗塁目を成功させると、そこから1死満塁のチャンスが出来上がり糸井の2点タイムリーが飛び出す。その後もなお1死満塁から2番山本が左翼線へ痛烈な2点適時打を放ち、4得点のビッグイニングを作った。開幕から全試合で遊撃スタメンの中野は、4番を除く1~7番で先発出場している。さまざまな役割が求められるが「自分のやるべきバッティングは変わらないと思う。つなぎの部分はしっかりつないで、先頭の時はしっかり塁に出る」とスタンスは変わらない。3日からはゴールデンウイークでにぎわう甲子園でヤクルトを迎え撃つ。矢野監督は「ビッグウエーブにしていきたい」と力強く宣言した。【桝井聡】▼阪神が今季10勝目を挙げた。31試合目での到達は、87年の39試合目、91年34試合目に続き球団ワースト3位の遅さだ。過去2度はいずれも最下位に沈んでいる。うち87年のシーズン最終勝率3割3分1厘は、現在も球団最低だ。今季は巻き返しなるか。▼阪神の6連勝は今季初で、21年6月8日の日本ハム戦から同18日の巨人戦まで7連勝して以来。同一カード3連戦3連勝は、21年10月1~3日中日戦(甲子園)以来。▼巨人戦の同一カード3連戦3連勝は、甲子園での18年5月25~27日以来4年ぶり。東京ドームでは、13年5月6~8日以来9年ぶりだ。これで今季の巨人戦は5勝4敗と対戦球団別では唯一の勝ち越し。○...2番山本泰寛内野手が攻守で活躍した。8回に3点リードに広げ、なお1死満塁で左腕大江から左翼線にはじき返す2点適時打。二塁守備でも5回に中堅に抜けそうな大城の打球を逆シングルでキャッチ。すばやく一塁に送ってアウトにした。前日4月30日にも古巣から移籍後初アーチを記録し、「勝ちにつながるように、プレーだったり、流れを持ってこられる打撃だったりを意識してやっていきたい」と意気込んだ。

◆「朗希世代」の逸材がブレークの予感だ! 高卒3年目の阪神西純矢投手(20)が巨人戦に今季初先発し、7回3安打1失点、自己最多8奪三振の好投でプロ2勝目をもぎ取った。5回にはプロ初安打も記録。今季完全試合を達成したロッテ佐々木朗と同学年の右腕が成長の跡を残し、チームは東京ドームで宿敵を相手に9年ぶりとなる同一カード3連勝。6連勝で「反攻の5月」の幕が開けた。-昨年の初勝利時のウイニングボールは母親に渡していた。今回は「今日も母が見に来てくれていたので、また渡せたらいいなと思っています」-お母さんへひと言「いつも見に来る時はなかなかいいピッチングができなかった。今日だけはよくやったかなと思います」-フォークは去年から変えた部分は「特になくて、フォームが良くなってきて、出力も上がってきている。それで直球の球速も上がっているので、フォークも一緒に上がったのかなと思ってます」-観衆が4万人超え「球場見渡してもたくさん人が入ってましたし、すごく気合が入った。アドレナリンは大分出ましたね。本当に一生懸命やってたんで。よかったです」-同世代で比較されることはどう思っているか「比較されるのは自分の中ではよくないと思っていて。選手によって個性が違うと思いますし、あんまりしてほしくないですけど、仕方ないことなのかな」-チームは6連勝「チームの勢いに乗ってピッチングができました。もっともっと勝っていって、こっから巻き返していきたいと思います」

◆阪神西純矢投手(20)の恩師で、創志学園(岡山)の長沢宏行監督(69)が高卒3年目の飛躍を目指す教え子との秘話を明かした。昨年は同世代のオリックス宮城が新人王を獲得し、ヤクルト奥川が日本一に貢献。今季は佐々木朗が完全試合達成の快挙を成し遂げた。今季初登板を前に、西純にこんな激励メールを送っていた。「花には咲く時期がある。西の咲く時期はこれからじゃないか」。阪神のドラフト1位として重圧を背負う右腕をおもんぱかった。「ほかの3人はスーパースター。ウサギとカメじゃないけど、咲く時期があると思う」と、ここから大きな花を咲かせればいいと話す。高校1年の時、父雅和さんが45歳の若さで亡くなった。生前、ナインとバス2台で広島まで、病床の雅和さんをお見舞いした。「全員でお父さんの手を握りました。私はお父さんに『必ずプロで活躍させます』と伝えました」。数日後、息を引き取った。西純は葬儀を終えると、仲間が待つ寮に戻ってきた。すぐにランニングを開始したという。約束通り、送り出したプロで西純は成長した。この日は春季岡山県大会に出場したため、動画で投球を確認。高校時代に帽子を飛ばした姿は消えていた。「結構、いい投げ方になっていた。(2軍投手コーチの)安藤さんのおかげです。今日は頭がブレてなくて投げ方が安定している証拠。肘も上がっている」。その姿に今後の活躍を確信した。長沢監督は今夏限りで退任する。西純には、メールで直接伝えた。「夏の甲子園で頑張ってください」と返信が来た。恩師のためにも、今年、大きな花を咲かせる。

◆「朗希世代」の逸材がブレークの予感だ! 高卒3年目の阪神西純矢投手(20)が巨人戦に今季初先発し、7回3安打1失点、自己最多8奪三振の好投でプロ2勝目をもぎ取った。今季完全試合を達成したロッテ佐々木朗と同学年の右腕が成長の跡を残し、チームは東京ドームで宿敵を相手に9年ぶりとなる同一カード3連勝。6連勝で「反攻の5月」の幕が開けた。

◆阪神が今季初の6連勝を飾った。今季10勝20敗1分けで勝率は3割3分3厘となった。▼阪神が今季10勝目を挙げた。31試合目での到達は、87年の39試合目、91年34試合目に続き球団ワースト3位の遅さだ。過去2度はいずれも最下位に沈んでいる。うち87年のシーズン最終勝率3割3分1厘は、現在も球団最低だ。今季は巻き返しなるか。

◆阪神・西純矢投手(20)が今季初先発する。昨季は2試合に登板し、1勝1敗、防御率3・38の成績を残した。先発ローテーションの順番通りならガンケルの登板が見込まれたが、ノースロー調整を行う日もあり、東京ドームには帯同せず。チャンスが巡ってきた若虎が白星をつかめば、昨年5月19日のヤクルト戦(甲子園)で5回無安打無失点と好投し、プロ初勝利をあげた一戦以来となる。また4月30日の一戦で本塁打を放った山本は2番、3安打2打点の中野は5番に入った。

◆巨人の新外国人アダム・ウォーカー外野手(30)が「6番・左翼」で出場し、二回に先制の4号ソロを放った。西純が真ん中付近に投じた151キロの直球を捉え、豪快にバックスクリーンに運んだ。

◆5連勝中の阪神は六回、糸原健斗内野手(29)が同点打、梅野隆太郎捕手(30)が勝ち越し打を放って逆転に成功した。先頭の佐藤輝が左中間二塁打。続く大山が投手強襲安打で無死一、三塁。1死後、糸原が高橋の144キロの直球を左前に運んで同点。なおも2死一、三塁とし、梅野が2番手デラロサの151キロ直球を右前へ。2-1と逆転に成功した。糸原は「つないで作ってくれたチャンスで、どんな形でもランナーをかえしたいと思っていたので、しっかり自分の仕事ができてよかった」とコメントした。梅野は「一気に逆転することができてよかった」と語った。

◆今季初先発した阪神の高卒3年目の西純矢投手(20)が7回3安打1失点と好投した。二回先頭のウォーカーに先制ソロを浴びたが、崩れなかった。三回以降は1安打に抑え、スコアボードにゼロ並べた。バットでは2打席目の五回に遊撃内野安打。プロ初安打に一塁上で笑顔を見せた。六回の攻撃でチームは勝ち越しに成功すると、以降も得点は許さず7回を投げ切って、その裏の攻撃で代打が出されて降板した。勝利すれば昨年5月19日のヤクルト戦(甲子園)以来、347日ぶりの白星となる。

◆阪神・糸井嘉男外野手(40)が2-1の八回1死満塁で代打出場し、値千金の2点タイムリーを放った。糸井は「やったー!」と広報を通じて喜びのコメントを発した。先頭の中野が二塁内野安打で出塁し、すかさず二盗成功。その後、1死満塁となり、7回1失点と好投していた西純に代わって代打で登場。カウント2-2からの5球目。巨人の5番手・鍬原の変化球を中前にはじき返した。なおも1死満塁で、第2戦で移籍後初アーチを放った山本が2点タイムリー。6-1とリードを広げた。

◆阪神が逆転勝ちし、東京ドームの巨人戦では2013年以来の3連戦3連勝。今季最多の連勝を「6」に伸ばし、最大16あった借金を10に減らした。今季初登板で先発の高卒3年目、西純矢投手(20)は自己最長の7回を投げて3安打1失点の快投。昨年5月19日のヤクルト戦(甲子園)以来、347日ぶり白星となるプロ2勝目を挙げた。西純は二回、ウォーカーに一発を浴びたが、最速153キロの直球と140キロ台のフォークで、巨人打線を手玉に取った。五回まで巨人の左腕、高橋の前に無得点だった打線も奮起した。0-1の六回、糸原の左前適時打で追いつき、梅野が右前に勝ち越しの適時打。八回1死満塁の好機で、代打・糸井が中前に2点打。さらに山本も左前2点打を放った。九回にも島田、近本の連続適時打で2点をくわえ、10-3で快勝した前日に続き、巨人の救援投手を打ち崩した。

◆阪神の先発・西純矢投手(20)が7回1失点で、昨年5月19日のヤクルト戦(甲子園)以来となるプロ2勝目を挙げた。打線は六回に糸原健斗内野手(29)、梅野隆太郎捕手(30)の適時打で逆転し、その後も糸井嘉男外野手(40)の適時打などで効果的に加点した。チームは同一カード3連勝で6連勝。矢野耀大監督(53)のテレビインタビューは以下の通り(チーム成績10勝20敗1分、観衆4万128人)。ーー同一カード3連勝で、6連勝です「ハイ、嬉しいです」ーー立役者は西純「これからの試合が楽しみなピッチングを見せてくれましたし、ジャイアンツ相手に、こういう投球ができるので、どのチームにも純矢のボールが通用するのを証明できた。本当に楽しみなピッチングでした」ーー若い力が出てきた「まだシーズン、いっぱい残っていますし、たまたまじゃないという投球だったので、楽しみです。どこまで行ってくれるか。一緒に見ていきます」ーー打線が爆発「ちょっと調子が上がっていない梅野とか近本、糸原とかに、いいヒット、複数ヒットも出ましたし、チーム全体としても、連勝は大きいですし、勝ち方もすごく、これからにつながると思います」) ーー糸原が今季初の4安打「苦しんでいましたけど、4本とも、しぶとく、健斗らしいバッティングでしたし、本人もなかなか乗っていけない中で、モヤモヤしていたと思いますが、今日を機会に吹っ切って、またバットでも声でもチームを引っ張ってくれているので、また頑張ってくれると思います」ーー代打糸井が大きな一打「本当に嘉男も体にムチ打ちながらやってくれていますし、こういうところで、いいところで一本というのが嘉男らしくて、最高の一本だと思います」ーーどんなゴールデンウイークに「ビッグウエーブにしていきたいですし、5月はいいスタート切れたので、いい形で甲子園に帰れる形を全員で作れたので、本当にビッグウエーブにしていきます」

◆阪神の先発・西純矢投手(20)が7回1失点で、昨年5月19日のヤクルト戦(甲子園)以来となるプロ2勝目を挙げた。二回にアダム・ウォーカー外野手(30)に先制ソロを浴びた以降は、完璧なピッチングで打者24人に91球を投げ、3安打8三振1四球だった。ヒーローインタビューは以下の通り。ーー初の巨人戦、雰囲気は「最初、本当にすごい緊張していたんですが、試合に入ったら、試合に集中できて、梅野さんのリードのお陰で、自分のピッチングができたかなと思います」ーー笑顔もあった「笑顔は常に心掛けていて、自分のペースでピッチングができたと思います」ーープロ初勝利のウイニングボールはお母さんへ。今回は「そうですね。今日も母が見に来てくれているので、また渡せたらいいなと思っています」ーーお母さんへひと言「お母さんにひと言...。(照れながら)見に来る時、なかなかいつも、いいピッチングができないんですけど、今日だけは、よくやったかなと思います」ーー同世代には佐々木朗投手(ロッテ)がいる。刺激になる「朗希も、奥川(ヤクルト)もオヨ(阪神・及川)も頑張っていて、自分もずっと負けられないと思っていて、なかなか歯がゆい日々が続いていたんですけど、今年はやるぞという気持ちで、ずっと過ごしてきているんで、ここから、もっともっとやっていきたいと思います」ーーチームは6連勝。次の登板に向けて「チームの勢いに乗って、ピッチングできました。もっともっと勝っていって、ここから巻き返したいと思います」

◆現役時代は南海、阪神で活躍し、引退後は阪神で投手コーチやフロントでも尽力したサンケイスポーツ専属評論家の上田二朗氏(74)の涙腺が決壊した。2勝目を挙げた西純矢投手(20)とは親しい関係とあって「涙があふれた。ティッシュが1箱なくなった」。かつてコーチとして指導したこともある愛弟子への熱い思いをどうぞー。西純の快投を、うちの女房と並んでテレビ画面越しに見ていた。序盤は手に汗握っていたが途中からは、うれしくで涙があふれた。ティッシュが1箱なくなったよ。まだ試合中だったが、交代した直後にメールを送ってしまった。「すごくいいピッチングだった。きょうがスタート。次回も期待している」そんな内容だったかな。ホメ言葉しか思い浮かばない。コロナ禍でここ2年ほどは、メールのやり取りだけだったが、逞しいプロの投手に成長している。創志学園時代は、うちの孫が1学年先輩。同じ投手ということで、仲良くしていたようだ。わが家に泊まりに来たこともある。その当時から、言葉遣いがしっかりして、野球に対する考え方もマジメで、応援したくなる少年だった。私自身もコーチとして創志学園に指導にいっていたので、彼が高校1年生の時からよく知っている。順調に成長してきたな、阪神にうまく育ててもらったな、という印象だ。技術的には、テークバックを小さくして制球が安定した。以前の〝暴れる〟イメージは消えている。真っすぐが150キロ台で、さらにフォークに磨きがかかった。いい高さに落とせるフォークを身に付けたことで、コンビネーションで打者に絞らせない投球ができるようになっている。ウォーカーには甘い球を本塁打されたが、それ以外は危なげなかった。八回の援護点がもう少し早かった、もう少し長く投げていたのでは。そんな安定感を感じた。ちなみに序盤の笑顔は、実は作り笑い。緊張すればするほど、作り笑いで自分を落ち着かせるのだ。投げている中で落ち着くと、今度は梅野サインに首を振り始めた。投げたい球種を主張できたことも、自信につながるはず。今回はガンケルの代役での先発だったが、この投球を見たら、矢野監督も先発の一員として起用するだろう。付け加えたいのが、体の強さ。体がひとまわり大きくなっている点も見逃せない。阪神の先発陣は、他球団に比べても充実している。ということは、若い投手には大きな壁。だから慌てず、ジックリ、育ててもらう時間が持てた。おかげでパワーアップが図れたのだ。活躍度では先を越された奥川(ヤクルト)、佐々木朗(ロッテ)よりも強さを持ち合わせている。この先、間違いなくチャンスは巡ってくる。西純に尽きる試合ではあったが、阪神の攻撃の形ができてきたことも忘れてはいけない。足を絡めて得点できるようになっている。ここが大きい。矢野野球の本来の姿が、足を絡めた野球。これが実現できるようになったので、ようやく落ち着いた野球になってきた。連勝すると、反動が怖いが、得点パターンが安定しているので、大きな反動は考えにくい。反攻がますます楽しみになってきた。

◆巨人は、阪神投手陣の前に4安打1得点に抑えられ、今季初の3連敗。元木大介ヘッド兼オフェンスチーフコーチ(50)は「(阪神投手陣に)良いピッチングをされたね。次は何とかしなきゃいけない。気持ち切り替えてやるしかない」と前を向いた。右膝内側側副靱帯(じんたい)の損傷で出場選手登録を外れた巨人・坂本勇人内野手(33)についても言及。「そんなに重傷じゃないと思う。ちょっと2、3日ということでは無理だったので」と抹消理由を説明。「10日で戻ってきてくれればありがたい」と早期復帰を願った。

◆阪神が15安打を放って快勝した。東京ドームで巨人相手に同一カード3連勝は和田豊監督時代の2013年5月6~8日以来。先発・西純矢投手(20)が7回1失点で、昨年5月19日のヤクルト戦(甲子園)以来となるプロ2勝目を挙げた。6連勝を飾った矢野耀大監督(53)の一問一答は以下の通り(チーム成績10勝20敗1分、観衆4万128人)。(テレビインタビュー)ーー同一カード3連勝で、6連勝です「ハイ、嬉しいです」ーー立役者は西純「これからの試合が楽しみなピッチングを見せてくれましたし、ジャイアンツ相手に、こういう投球ができるので、どのチームにも純矢のボールが通用するのを証明できた。本当に楽しみなピッチングでした」) ーー若い力が出てきた「まだシーズン、いっぱい残っていますし、たまたまじゃないという投球だったので、楽しみです。どこまで行ってくれるか。一緒に見ていきます」ーー打線が爆発「ちょっと調子が上がっていない梅野とか近本、糸原とかに、いいヒット、複数ヒットも出ましたし、チーム全体としても、連勝は大きいですし、勝ち方もすごく、これからにつながると思います」ーー糸原が今季初の4安打(八回1死満塁から2点打)「苦しんでいましたけど、4本とも、しぶとく、健斗らしいバッティングでしたし、本人もなかなか乗っていけない中で、モヤモヤしていたと思いますが、今日を機会に吹っ切って、またバットでも声でもチームを引っ張ってくれているので、また頑張ってくれると思います」ーー代打糸井が大きな一打「本当に嘉男も体にムチ打ちながらやってくれていますし、こういうところで、いいところで一本というのが嘉男らしくて、最高の一本だと思います」ーーどんなゴールデンウイークに「ビッグウエーブにしていきたいですし、5月はいいスタート切れたので、いい形で甲子園に帰れる形を全員で作れたので、本当にビッグウエーブにしていきます」 (囲み取材)ーー西純の評価できる部分は「ショートアームって感じにして、角度がすごくついていたし、スピードガンも球が、スピードガンの速さも出ているけど、それ以上に角度がついたんで。そういうところでバッターが速く感じているのもある。空振りとかファウルとかが取れるようになっている。だからフォークも効く」ーー終盤も球速は落ちていなかった「球数(91球)もね、そこまでいってなかったし。展開によっては、まだいけるような場面やったけど。インタビューでも言ったけど、相手が誰でも、今の純矢ならしっかり抑えられる部分が見られたので本当に楽しみが増えた」ーー去年との違いは「投げっぷりは元々いいと思うけど、それがやっぱり、自分の手応えがあったり、抑え方であったり、球数が少ないっていうことは決め球で一発で決められたり、カウントが有利にできていたり、それはそういうことにつながっていると思う。投球テンポも良かったし、全て成長を感じる」ーー次も?「もちろん、外す理由がない」ーー六回は逆転せずに西純の打席に回れば「もちろん準備はしていたけどね、球数も少ないし、あのピッチングやったら行かしたいというのが前提で思っていたけど、状況によっては、というのは一応、頭にはあったけど、ほぼほぼ行かすつもりではいたんで」ーー打線は第2戦に続き、六回の3回りあたりから対応「本当はもっと点が取れた方がいい。高橋だってすごくいいかっていうと、まあ状態的には普通かなと思っていたから。早く点を取れたことに越したことはないから。有利に展開としては行きたいところやけど。でもそういう中でも、一気に持っていく流れをみんなで作った。俊のバント(八回無死一、二塁で犠打成功)とか、ヨシオのタイムリー(1死満塁から2点打)とか、島田の出塁とか、あとヤスもスタメンで出て全員がこう絡んでいるんでね。そういうところがまたムードが良くなっていくところかなと。またリュウも一本出たんでね。こういうふうにつながってくれたらなって」ーー近本(3安打)、糸原(4安打)にも当たりが戻ることで、攻撃のバリエーションも増えてくる「まあ、そうやね。今は打順もなかなか固定できないような状況やけど。まあ、でも、みんなの調子が上がってきたら、また嫌な打線が組めるようになるし。チカが出てケントがしぶといバッティングっていうのは、うちにとっても大きなことなんでね。ケントもね、最後にもう1本打って4本出たんで。内容も全部よかったし、チカも3つね。やっぱりどうしても数字も気になってくるのも仕方のない部分。そういうところでも明日以降につながるようなヒットがみんな、打てたんじゃないかな」ーー敵地での3連勝を含めた6連勝「まあ、粘り強くいきながらね。まずは先発のみんなが粘ってくれたのがもちろん大きかったし、ガンガン、ホームランを打ってというチームではまだないんで、そういうところでは先発投手が頑張ってくれたというのがうちの野球やし。後からいくピッチャーもしっかり投げてくれているんで、そこは大前提としてありながら、どう点を取っていくかで、こういうつなぐとか足も使えたし、そういうところがうちの野球だっていうのがもう一回、敵地でできたのは今後に大きいかなと思います」

◆昨季チームトップの11勝を挙げた高橋が今季初先発し、5回1/3を投げて7安打2失点で2敗目を喫した。決め球のスクリューボールを効果的に使い、五回まで無失点に抑えたが、1-0の六回に3安打を浴びて降板した。原監督は「久しぶりの先発としては粘った」と一定の評価を与えた。◆高橋について桑田投手チーフコーチ 「非常にボールが切れていたと思うし、変化球も真っすぐも良かった」

◆「6番・三塁」で出場した阪神・糸原健斗内野手(29)が今季初の4安打を記録した。二回に中前打、四回に右前打を放ち、六回1死一、三塁では左前に同点打。八回の四球、九回の右前打で4打数4安打1打点。5打席全てで出塁した。打率は試合前の・176から、・211となった。試合後の糸原の一問一答は以下の通り。ーー4安打「苦しんだっていうか、チームにすごい迷惑をかけていたんで、何とか今日は5出塁できてよかったと思います」ーー同点打「なんとかね、あそこで僕が凡退していたら嫌な流れがまた向こうに、また向こうに流れがいくと思うんで、そういう意味では、なんとかランナー返すことだけを考えて、その結果タイムリーになってよかったと思います」ーー復調のきっかけ「いやいや、まあ、今日はたまたま4本出たんで、毎試合毎試合チームに貢献することだけを考えて、集中して、明後日(3日)からもやっていけたらいいと思います」ーー巨人・高橋は今まで打てていなかった「そうですね。いやもう去年やられた分、やり返すのがこの世界にいる...まあその繰り返しだと思うんで。やられたらやり返さないといけないと思うんで。そういう意味では、まあ、しっかり意識はしてやっていたんで、なんとか去年の分をやり返そうという気持ちはありました」ーー巨人に3連勝で勢いづく「チームも今、良い状態できていると思うので、しっかり1試合1試合、束になって連勝を伸ばしていけたらいいかなと思います」ーー矢野監督が「糸原は自分で崖っぷちと言っている」と以前言っていた。危機感は「いやもう、結果も出ていなかったですし、そういう意味では崖っぷちなんで、立場が。1試合1試合全力で戦うだけです」

◆阪神・佐藤輝が逆転の火付け役になった。0-1の六回先頭で初球の外角スライダーを捉えて左中間への二塁打を放つと、続く大山の内野安打の間に三進。その後、糸原の同点打で生還した。ベンチでも笑顔を絶やさない西純がムードを盛り上げ、「みんなで頑張って点を取ってあげようという感じですね」と声を弾ませた。「いい感じなので、このまま勢いよくやっていきたい」。3日からのヤクルト戦(甲子園)でも打ちまくる。

◆痛快! Gに3タテ食らわせた!! 阪神は巨人に8-1で逆転勝ち。連勝を「6」に伸ばし、東京ドームでの巨人戦同一カード3連勝は2013年以来9年ぶりとなった。今季初先発で巨人戦初登板となった西純矢投手(20)が7回1失点でプロ2勝目。若虎の好投で10勝に到達したタイガースの勢いは止まらへんで~!!打者を抑えればマウンドでほえ、味方が得点すればベンチで拳を突き上げた。今季初先発の西純が見事なG斬りで347日ぶりの白星。チームを9年ぶりとなる東京ドームでの同一カード3連勝に導いた。矢野監督のお株を奪う〝西ガッツ〟も連発し、喜びを爆発させた。「最初はすごく緊張していたけど、試合に入ったら試合に集中できた。梅野さんのリードのおかげで自分のピッチングができたかなと思います」緊張と高揚を力に変え、マウンドで仁王立ちした。二回、先頭のウォーカーに先制ソロを許したが、動じなかった。最速153キロの直球と鋭く落ちるフォークで8個の三振を奪い、気迫で封じた。「球場を見渡してもたくさん人が入っていましたし、すごく気合が入った」。三回以降は被安打1に抑える安定した投球で、六回にチームが勝ち越しに成功。7回3安打1失点で今季初白星をつかみ、バットでは五回にうれしいプロ初安打も記録した。 2年目の昨季はプロ初勝利を挙げたが、その後は1軍に定着できず、2試合の登板にとどまった。右腕とともに「高校BIG4」と称されたヤクルト・奥川、ロッテ・佐々木朗ら高卒の同期が活躍を見せる中で「歯がゆい日々が続いていた」と振り返る。このままではいけない。危機感を抱いた20歳は昨年11月の秋季練習で投球フォームを見直し、原点回帰した。夏の甲子園に出場した高校2年時の映像などを見て分析。さらに米シアトルのトレーニング施設「ドライブライン」が推奨する重さの違ったボールをエクササイズの一環として取り入れ、投球時のテークバックをコンパクトにした。「(エンゼルスの)大谷さんが(同じトレーニングを)やっているのを見て始めた。高校の時の自分は(テークバックが)小さかったと思うので」。だが、手応えをつかんでいた矢先の春季キャンプ直前に新型コロナウイルスの陽性判定を受けて離脱。固まりつつあったフォームも崩れてしまったが、めげずにまた一から土台を作り直し、チャンスをつかんだ。若虎の力投に矢野監督は「相手が誰でも、今の純矢ならしっかり抑えられるような部分が見られた」と絶賛し「(先発ローテを)外す理由がない」と次回登板も明言した。チームはこれで6連勝となり、遅ればせながら31試合目で今季10勝に到達。将は「5月、いいスタートが切れた。本当にビッグウエーブにしていきます」と逆襲を宣言した。「もっともっと勝っていってこれから巻き返していきたいと思います!」西純は言い切った。ライバルたちには負けない-。虎の新世代のスターとして、〝純矢時代〟を作り上げていく。(織原祥平)

◆ミットで感じた若虎の成長を無駄にするわけにはいかなかった。絶対に打つ-。芸術的な右打ちから放たれた白球が右前に弾む。三塁ベンチで大喜びする西純を見つめ、阪神・梅野は塁上でグッと拳を握りしめた。「自分が(走者を)かえすしかない場面。(西)純矢が粘り強く投げていたし、自分と勝負というのは分かっていたので結果としてかえすことができてよかった」0-1の六回。糸原の一打で同点に追いつき、なおも2死一、三塁で打席に向かった。ネクストバッターズサークルには、西純に代わって原口が待機していた。ここで決めなければ、勝ち投手の権利を持たずに降板して、せっかくの好投が水の泡となってしまうかもしれない。バットを握る両手に力がみなぎった。カウント1-1から3球目、デラロサが投じた151キロにバットを合わせた。一、二塁間を破る値千金の決勝打。ここまで打率・203、得点圏打率・200と苦しんでいるが、試行錯誤を繰り返し、少しでもコンパクトにスイングしようとバットを寝かせたことが功を奏した。悩める梅ちゃんが、ここ一番の勝負強さを取り戻し、西純の今季初勝利をアシストだ。タッグを組むのは329日ぶり。約1年越しに受けた西純の投球は驚くほど変わっていた。梅野は「ストライクに困るような感じではなくてゾーンの中でガンガン勝負をしながら、相手の的を絞らせないような投球を辛抱強くやってくれた。そういうところが成長じゃないかな」と評価する。その力を最大限に引き出すためにも、試合前はアップ中から隣に立って会話を重ねた。初回のピンチを切り抜け、興奮気味にベンチに戻った右腕。すぐに駆け寄って、冷静さを取り戻させた。球数少なく、テンポよく投げ込めたのは梅野の好リードあってこそだ。「勝って学んだことが多いと思う。いい方向につなげられるように。やっぱりバッテリーで勝っていかないといけないので、頑張っていきたい」この1勝で終わらせない。虎の未来を担う〝次世代エース〟を、これからも全力で支えていく。(原田遼太郎)

◆阪神・中野がプロ初の「5番」で出場した。「自分のやるべき打撃は変わらない。つなぎの部分はつないで、先頭では塁に出る」。八回先頭の第4打席はヘッドスライディングで二塁内野安打。直後に今季7盗塁目を決め、4得点のビッグイニングを呼び込んだ。 西純から〝ムーさん〟と呼ばれ慕われる先輩が、執念のプレーで後輩の今季初勝利をアシストした。

◆年の差は20歳。7回1失点と好投していた西純の「代打」で登場した40歳の阪神・糸井が、ダメ押しの2点打を放ち〝孝行息子〟に応えた。「西純矢がすごいいいピッチングをしていてね。ほれぼれするような球を投げていたし、絶対に『勝ち』をつけてあげたかった」2-1の八回1死二、三塁から梅野が申告敬遠で歩いて、満塁で回った西純の打席。矢野監督から代打に指名された。「追加点を取れるチャンスで、僕を使っていただいて。なんとか、事を起こして、という気持ちで打席に入った」。いつも以上に気合が入った。カウント2-2からの5球目。鍬原が投じた低めのシンカーにバットが反応。一塁ベース上から、ベンチ最前列で手をたたいて喜ぶ西純の姿をみてうれしかった。「ああいう若いピッチャーを見ていたら僕も興奮する。おめでとうといいたい」規定打席不足ながら打率・305、3本塁打。17打点は、佐藤輝と並んでチームトップだ。好調の秘訣は-という質問に「秘訣はない。なんやろ。40歳でも野球ができているという感謝の気持ちかな」とうなずいた。春季キャンプでは若手と同じ練習メニューを消化。シーズンに入っても、そのスタイルを貫く40歳に、矢野監督は「体にムチを打ちながらやってくれている。いいところで、嘉男(糸井)らしい、しぶといバッティング。最高の一本だった」と最敬礼だ。「(チームは)いい雰囲気ですし、ずっと続けていきたい」と糸井。これからも若手を強力サポートしていく。(三木建次)

◆阪神・糸原が貴重な同点打を含む今季初の4安打。四球で全5打席出塁するなど復調気配を漂わせた。0-1の六回1死一、三塁に巨人先発・高橋の144キロを捉えて左前適時打をマーク。「あそこで凡退していたら向こうに流れがいく。ランナーをかえすことだけを考えて、その結果タイムリーになってよかった」。試合前の時点で打率・176と不調で、崖っぷちを自覚。「結果も出ていなかった。崖っぷちなんで、立場が。一試合一試合全力で戦う」と気迫を込めた。

◆前日に1号2ランを放った阪神・山本が「2番・二塁」で今季5試合目のスタメンを勝ち取った。五回は大城の中堅方向に抜けそうな打球に追いつき、体をひねって素早くストライク送球。自慢の守備で魅せると、八回1死満塁の第5打席は三塁線を抜ける2点打を放った。攻守で躍動し、「勝ちにつながるようなプレーだったり、流れを持ってこられる打撃をこれからも意識してやっていきたい」と力を込めた。

◆阪神・近本は三回の第2打席で右翼フェンス直撃の二塁打を放ち、14打席ぶりに安打を記録した。「(安打がなかったことは)チームが勝っているので特に気にしていないし、自分の内容的にはすごく良かったので」。七回には左前打、九回には右翼線への適時二塁打で今季初の猛打賞。虎のリードオフマンは少しずつ息を吹き返している。

◆阪神は連勝を6に伸ばした。東京ドームでの巨人戦では2013年以来、実に9年ぶりとなる3連戦3連勝。岡山・創志学園高から入団して3年目の西純矢投手(20)が今季初先発し、7回1失点でプロ2勝目をマークした。チームと西純のデータBOXは以下の通り。?阪神の6連勝は昨年6月8日の日本ハム戦-同18日の巨人戦で7連勝して以来。巨人3連戦3連勝は2018年5月25-27日(○1-0→○5-4→○9-1、甲子園)以来4年ぶり。敵地・東京ドームでは13年5月6-8日(○5-2→○5-0→○3-2)以来9年ぶり。?高卒3年目の西純が巨人戦初登板で勝利投手。阪神の投手(外国人を除く)が巨人戦初登板で白星を挙げたのは、昨年4月7日の伊藤将司(先発、7回1失点)以来。21歳未満の投手では、13年8月4日の藤浪晋太郎(1年目=19歳3カ月、6回無失点)以来9年ぶり。

◆首位の巨人は投打とも精彩を欠き、最下位の阪神に今季初の3連敗を喫した。投手陣は15安打を浴びて8失点、攻撃陣は4安打で1得点にとどまった。原辰徳監督(63)は「もう少し追加点をね」と打線に注文をつけた。右肘の違和感を訴えたエースの菅野に続き、坂本が右膝内側側副靱帯(じんたい)の損傷で離脱。長嶋終身名誉監督が観戦に訪れた中、主将の代役として出場した広岡が2安打と気を吐いたが、150キロ超の直球で押す初対戦の西純を攻略できなかった。勝ちパターンの一角を担う救援の鍬原も誤算だった。1点を追う八回に5番手で登板し、1/3回を2安打2四球で4失点。制球難で崩れた前日の今村に続き、登板前まで防御率1・64を誇った右腕も踏ん張れなかった。桑田投手チーフコーチは試合後、救援陣と緊急ミーティングを行い「今年のテーマである四死球を減らすことを、もう一度頭に入れて取り組もう」と呼び掛けた。「チームなわけですからね。カバーし合って。こういうときこそ起死回生のヒーローみたいのが出てこないと」と原監督。投打の柱を欠く痛手を一丸で乗り越える。(鈴木智紘)

◆今季初白星を挙げた阪神・西純矢投手(20)に向けて、母校・創志学園高(岡山)野球部の長沢宏行監督(69)が1軍定着へのエールを送った。ニュースで結果を見ました。(内容も)よかったみたいですね。プロ2勝目を挙げてうれしいというか、ホッとしたという気持ちが大きいです。登板前日(4月30日)もメールが来て「ワクワクしています」って言っていたので期待していました。ゴールデンウイークの日曜日で巨人戦。お客さんがたくさん来るような試合なので、(緊張して気持ちが)上がるんちゃうかなとも思っていたけど、その中で勝ったのはすごいと思う。立派です。私が野球部の監督を辞めるというニュースがあったときも「最後の大会、頑張ってください」と連絡をもらいました。同世代では、ロッテの佐々木君やヤクルトの奥川君、オリックスの宮城君とかが活躍している中で、私は彼に常々言っていたことがあります。「人と花は同じで、花が咲く時期は人それぞれ違うから」と。今度は彼が花を咲かせる時期に来ていると私は信じていますし、この1勝をきっかけにして1軍に定着してほしい。そして同世代のライバルたちに追いついていってほしいと願っています。頑張れ!(創志学園高硬式野球部監督)

◆♪五月の空に(ドームだけど)牙を剥き~猛虎がほえる6連勝~ウッヒャ~、負けなしサイコーのゴールデンウイーク(GW)に俺、思わず『六甲おろし』の4番の歌詞つくっちゃったもんね~!!6連勝とか巨人に3つ勝った以上に、本日の勝利は格別にうれしいのだ!! 俺、試合途中まで虎党気質(?)のひねくれ男と化していました...。「20歳の西純矢が好投しているのに、どーせ虎打線のこと、見殺しにするんやろブツブツ...」ところが、六回に2点を奪い逆転したのだ。それでも、まだ虎党気質は消えない。「逆転って、たかが1点だろ~。この後追加点が取れず、リリーフ陣が炎上して(本心は抑えてほしいのに)、若虎西純の白星を消す毎度おなじみの筋書きはお見通しよ! 虎党を何十年やっていると思ってんでェ!!」悲観的マイナスネガティブ思考で見ていたら、八、九回に6点追加でバンザーイ! 若虎の好投を打線が援護、この先大投手へ...夢のある1勝だったのだ。虎のGW快進撃は終わらなーい!!

◆--プロに入ったら、誰と対戦してみたい?実にありきたりの質問をしたのが、この私。2019年10月17日、ドラフト会議当日の岡山・創志学園高体育館での記憶だ。当時高校3年生、オシャレなブレザーに身を包んだ西純矢少年は、目を輝かせて即答してくれた。「巨人の坂本選手と対戦してみたいです」阪神に入団した以上、宿敵・巨人の選手の名前を挙げるのは〝お約束〟。目の前で期待通りの返答をしてくれた少年に、心の中で「100点満点の回答、ありがとう!」と叫んだものだ。9月13日生まれ。そうか、あの松坂大輔と同じか。あのオリックス・宮内義彦オーナーとも同じか。プロ野球界で大物になる運勢を持っているのかも。そんなことを考えながら、必死で1面原稿を書いた。自分の取材力がいかに甘いかを思い知らされたドラフトでもあった。ドラフト当日、一番しんどいのは、目の前の選手が阪神以外の球団の下位指名で、会社から「そこは雑感でいいから、近所の○○に回って、阪神の○位指名の選手を取材してくれ」と指示を受けること(と思い込んでいた)。後から駆けつけ、取材するのは実に邪魔くさい。長年の経験で身に染みている。あの年、そう考えた私は、入念に調べて、調べて、「阪神の1位は奥川(星稜高)。クジで外れたら即戦力投手に変更」という結論に達した。ここ20年ぐらいで最も周辺取材したような気がする。ということは、高校生の上位候補の学校に行けば、原稿量もそう多くなく、楽ができると考えたのだ(今思えば、実に緩くて、マヌケで、甘い取材だ)。ドラフト当日のシフトを担当するデスク堀啓介(現運動部長)に「創志学園に行かせろ!」とねじ込んだ。「えっ、阪神の外れ1位候補ですよ。いいんですか?」さすが部長に出世する男だ。大正解だった。でも、忠告するデスクの言葉に耳を貸すことなく、岡山へ。やがて、奥川の抽選に阪神は外れた。ヨシヨシ、どこかの社会人でも指名するだろう...と思っていたら、まさか、目の前の少年の名前をコールしているではないか。根本的に間違っていたことがある。ドラフト当日、一番しんどいのは、「近所のどこか」へ行くことではない。阪神の1位指名の選手を取材することなのだ。分かり切っていることを、何十年もこの仕事をしていて、忘れていた。だから、西純には特別(?)な思い入れがある。笑顔は、ドラフト会場で指名された瞬間と、ほとんど変わらなかったが、どことなく風格を感じさせた。それだけ、努力と苦労を重ねて、成長した証しなんだろう。感動的なストーリーは、わが社が誇るトラ番の記事でお楽しみいただければ。と同時に、高校生の逸材を指名した、あの年のタイガースのドラフト戦略が大正解だったことが、改めて証明されたわけだ。初めての東京ドームで、首位・巨人に対して、これだけ投げられたんだから...。次も頼むよ!そうそう、この日の巨人打線には〝お目当て〟の坂本がいなかったよな。次回は坂本もねじ伏せた上で、また、こんな快投、待ってま~す。

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<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
20120 0.625
(↓0.02)
-
(-)
111137
(+1)
119
(+8)
36
(+1)
12
(-)
0.249
(↓0.004)
3.260
(↓0.15)
2
(1↑)
ヤクルト
15120 0.556
(-)
2.5
(↑0.5)
116101
(-)
105
(-)
26
(-)
13
(-)
0.229
(-)
3.310
(-)
3
(1↓)
広島
16131 0.552
(↓0.019)
2.5
(-)
113121
(-)
100
(+4)
10
(-)
7
(-)
0.251
(↓0.004)
3.150
(-)
4
(-)
中日
14130 0.519
(↑0.019)
3.5
(↑1)
11694
(+4)
91
(-)
17
(-)
11
(-)
0.253
(↑0.002)
3.200
(↑0.12)
5
(-)
DeNA
10150 0.400
(-)
6.5
(↑0.5)
11885
(-)
112
(-)
18
(-)
10
(-)
0.242
(-)
4.120
(-)
6
(-)
阪神
10201 0.333
(↑0.023)
9
(↑1)
112100
(+8)
111
(+1)
23
(-)
19
(+1)
0.233
(↑0.006
3.480
(↑0.08)