巨人(★3対10☆)阪神 =リーグ戦8回戦(2022.04.30)・東京ドーム=
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阪神
00010162010711
巨人
0200001003811
勝利投手:渡邉 雄大(1勝0敗0S)
敗戦投手:今村 信貴(0勝1敗0S)

本塁打
【阪神】山本 泰寛(1号・8回表2ラン)
【巨人】ポランコ(4号・7回裏ソロ)

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◆阪神が逆転勝利で5連勝。阪神は1点を追う6回表、佐藤輝の適時打で同点とする。続く7回には中野と糸井の適時打が飛び出すなど、打者11人の攻撃で一挙6点を勝ち越した。投げては、2番手・渡邉がうれしいプロ初勝利。敗れた巨人は、2番手・今村が大誤算だった。

◆巨人の先発は前回登板で完封勝利のマット・シューメーカー投手(35)。巨人投手で2試合連続完封すれば、18年に3試合続けた菅野以来。外国人投手では98年趙成■(■は王ヘンに民)、06年パウエルに次いで3人目になる。

◆5連勝を狙う阪神は、2試合連続で大山悠輔内野手(27)が4番で起用された。24日ヤクルト戦(神宮)で左脚を痛め、2戦連続で欠場。前日29日にスタメン復帰すると、8回に4号ソロを放った。今季巨人戦は全7試合で安打を放っており、この試合でも1発なるか。佐藤輝明内野手(23)は3番で2試合連続アーチに期待がかかる。チームは今季、ビジターでのデーゲームは未勝利。"鬼門"の先発マウンドにはアーロン・ウィルカーソン投手(32)が上がる。16日の巨人戦(甲子園)で来日初登板初先発初勝利を挙げており、再びの好投で巨人キラーとなれるか。

◆阪神の2年目コンビが同点劇を演出した。1点ビハインドの6回。2死から中野拓夢内野手(25)が中前打で出塁すると、すかさず二盗に成功。2死二塁から3番佐藤輝明内野手(23)が左前適時打を放ち、同点に追いついた。大山悠輔内野手(27)が左脚を負傷し欠場していた27、28日の中日戦(甲子園)で3番中野、4番佐藤輝とクリーンアップを形成。前日29日に2番中野、3番佐藤輝に戻っていた。若きコンビが、前回登板で7回2死まで1人の走者も許さず来日完封勝利を飾った巨人シューメーカーから貴重な2点目を奪った。

◆阪神が今季1イニング最多の6点を奪い、一気に巨人を突き放した。同点の7回、巨人2番手今村の3つの四球などで2死満塁の好機をつくると、1番近本光司外野手(27)も冷静に見極め、押し出し四球で1点をもぎ取った。さらに2死満塁、フルカウントから2番中野拓夢内野手(25)が中前2点適時打を放ち、リードを3点に広げた。今村は打者8人に対し、1安打5四球の大乱調。代わってマウンドに上がった3番手畠に対しても、大山が押し出し四球、糸井が2点適時打を浴びせ6点差。ビッグイニングで今季初の5連勝をグッと引き寄せた。

◆巨人のリリーフ陣の制球が乱れ、7回に6四球で6点を献上した。同点の7回から2番手で登板した今村信貴投手(28)が2/3回を1安打5四球6失点。41球中26球がボール球と苦しんだ。1死から四球で走者を置くと、2死一塁としてからも四球、四球で満塁。阪神近本にもストレートの四球で3者連続四球。押し出しで勝ち越し点を献上した。続く中野にも中前へ2点適時打を浴びると、続く佐藤輝にも四球。3番手の畠に後を託した。2死満塁で後を受けた畠も、大山へ押し出し四球。続く糸井に中前へ2点適時打を浴び、この回一挙6失点となった。今村は今季ここまで10試合に登板し、自責点0、与四球2と安定した投球を続けていた。

◆阪神が「伝統の一戦」で宿敵巨人に逆転勝利し、今季初の5連勝を飾った。3カード連続勝ち越しで9勝20敗1分けとなり、勝率は3割1分まで上昇。今季初めて勝率が3割を突破した。今季は9勝中4勝を首位巨人から挙げている。2-2で同点の7回。巨人2番手今村の3四球などで2死満塁とすると、1番近本光司外野手(27)も冷静に見極め、押し出し四球で1点をもぎ取った。さらに2死満塁で、フルカウントから2番中野拓夢内野手(25)が中前へ2点適時打。代わってマウンドに上がった3番手畠に対しても、大山が押し出し四球、糸井が2点適時打を浴びせ6点差。相手投手の乱調にも乗じ、今季1イニング最多となる6点をわずか2安打で奪った。2番手で登板し、6回裏を無失点に抑えた渡辺雄大投手(30)が、プロ5年目で初勝利。ソフトバンクを戦力外となり、今季から阪神に育成入団。開幕前に支配下登録を勝ち取った苦労人が勝利をたぐり寄せた。デーゲームでの勝利は16日の巨人戦(甲子園)以来、今季2度目。開幕から苦しんできた虎が、流れに乗ってきた。

◆阪神渡辺雄大投手(30)が、苦節5年目で悲願のプロ初勝利を手にした。2-2の同点の6回に2番手で登板。先頭の代打広岡に左前打を浴び出塁を許すも、大城のバントを自らの好フィールディングで二塁封殺。続く代打若林、吉川を連続の空振り三振に仕留め、チームに流れを呼び込んだ。直後の7回に味方打線が6点を奪い、渡辺にプロ1勝目が巡ってきた。渡辺は青学大から独立リーグのBC・新潟で4年間プレーした後、17年育成ドラフト6位でソフトバンク入団。3年目の20年に支配下となったが、21年オフに戦力外となり、阪神と育成契約を結んだ。今春のキャンプ、オープン戦と結果を残し、開幕直前に支配下選手登録を勝ち取った。貴重な変則左腕の中継ぎとして10試合連続無失点と奮闘し、チームに大きく貢献している。BC新潟時代のオフシーズンには、ユニホームの胸スポンサーでもあるホームセンター「コメリ」(本社・新潟市)でアルバイトも経験。オフの週5日、1日8時間以上働いていたこともあった。遅咲きの苦労人が、30歳にして待ちに待ったプロ「1勝」をつかみ取った。

◆阪神が「伝統の一戦」で宿敵巨人に逆転勝利し、今季初の5連勝を飾った。3カード連続勝ち越しで9勝20敗1分けとなり、勝率は3割1分まで上昇。今季初めて勝率が3割を突破した。今季は9勝中4勝を首位巨人から挙げている。

◆阪神渡辺雄大投手(30)が、プロ5年目でうれしい初勝利を挙げた。同点の6回裏から2番手で登板し、1イニングを無失点。直後の7回に、チームは一挙6点で勝ち越しに成功した。渡辺は91年生まれの30歳。新潟・中越から青学大、独立リーグのBC新潟を経て、17年育成ドラフト6位でソフトバンクに入団。3年目の20年に支配下となったが、昨オフに戦力外となり、阪神と育成契約を結んだ。キャンプ、オープン戦でアピールを重ね、開幕前の3月22日に支配下契約を勝ち取った。今季10試合に登板し全て無失点。貴重なサイドハンドとして存在感が増している。30歳の苦労人はヒーローインタビューで「遠回りをして初勝利ということで、とてもうれしく思いますし、誇りに思います」と喜びに浸った。渡辺のヒーローインタビューでの一問一答は以下の通り。-30歳にして初勝利、おめでとうございます渡辺 「ありがとうございます!」-今の心境渡辺 「かなり、遠回りをして初勝利ということで、とてもうれしく思いますし、誇りに思います」-今日の投球は渡辺 「ウィルク(先発のウィルカーソン)も苦しいながら一生懸命投げていたので、なんとかいい流れをチームに呼べるように、一生懸命投げました」-次の回にビッグイニングが生まれた。流れを変えた渡辺 「形的にそのような形になったので、よかったと思います」-ウイニングボールはどうするか(ボールを左ポケットから取り出し)渡辺 「家族にたくさん、心配も迷惑もかけて、ここまで来ましたので、家族に送りたいなと思います」-育成契約、戦力外も経験。今日を迎えるまで諦めずにきた渡辺 「ほんとに、遠回りをしたので、たくさんの人に『無理だ』って言われた時もあったんですけど。それでも応援してくれる人もたくさんいましたので、そういう人の応援と声が、自分が諦めずに野球やる原動力になったと思います」-ファンの気持ちは届いていた渡辺 「はい、届いています」-5連勝。今後へ渡辺 「今日、僕が30歳で初勝利したように、阪神タイガースがここから巻き返して、優勝っていうのも決して無理じゃないと思うので、1戦1戦、一生懸命頑張っていきたいと思います」

◆右肘の違和感で30日に出場選手登録を抹消された巨人菅野智之投手(32)の状態について、桑田投手チーフコーチが言及した。菅野は、試合前には東京ドームにジャージー姿で姿を見せると、トレーナーに見守られながら約50メートルの距離でキャッチボールを敢行。桑田コーチは「思っていたよりは悪くないが、2、3日様子を見て、今後の予定を決めようとなっています」と説明した。エース菅野は前日29日の同戦で先発も、自ら首脳陣に降板を申し出て、今季最短の3回でマウンドを降り、2失点。桑田コーチは「痛みとか故障ではなく、違和感があるということ。始まったばかりなので、大事に至らないようにするためにも1回抹消する」と話していた。

◆巨人新外国人のマット・シューメーカー投手(35)が、6回2失点(自責1)と粘投も、本拠地初白星には結び付かなかった。「全体的に粘ることが出来ました。次回までに微調整していきたいです」と来日4戦目の登板を振り返った。2点リードの4回、先頭近本に四球を与えると、中野の内野安打で無死一、三塁のピンチ。佐藤輝への初球、中野の二盗を阻止しようとした大城の送球が悪送球となり、ボールが転々としている間に三塁走者の本塁生還を許した。それでも2死二塁から佐藤輝、大山、糸井の阪神クリーンアップを3者連続三振。最少失点で食い止めた。6回には、2死一塁から一塁走者中野に二盗を許して得点圏に走者を置き、佐藤輝に左前へ同点適時打を浴びた。桑田投手チーフコーチは「ストレートが少し高めにうわずっていただけで変化球は低めに集めて打ち取っていたので、さすがの投球だと思って見ていました」と評価。3盗塁を許したことについては「捕手は一生懸命クイックのサインを出していたが、打者と走者に集中していたか、サインを見逃してしまった。彼はクイックもできるので、サインを見逃さなければ盗塁も阻止できると思う」と説明した。チームはシューメーカーの後を受けたリリーフが荒れ、終盤に8失点を献上し、最下位阪神に連敗となった。

◆阪神が「伝統の一戦」で宿敵巨人に逆転勝利し、今季初の5連勝を飾った。3カード連続勝ち越しで9勝20敗1分けとなり、勝率は3割1分まで上昇。今季初めて勝率が3割を突破した。今季は9勝中4勝を首位巨人から挙げている。阪神矢野監督の一問一答は以下の通り。-4回、6回は機動力を発揮して得点した矢野監督 「走るっていうのがうちの野球。チャンスがあると思えば走っていくっていうのが、みんな意識高くやってくれていると思います」-7回は相手の四球もあったが、タイムリーも生まれてビッグイニングを作った矢野監督 「ヒット、ヒットっていう形ではないですけど、効果的にいいタイムリーっていうのを、中野、糸井、そしてヤス(山本)の素晴らしいホームランも出ましたし。その前にテル(佐藤輝)もね、しぶとい同点タイムリーもあったので。打線も、本当にいい形になってきたのでね、このまま行きたいですね」-山本を代打に。いろんな攻撃ができる矢野監督 「いやいや、ヤスも状態いいし、あのまま守備でもいけるし、総合的に考えてヤスがやってくれるんじゃないかなというところでいきました」-打線の爆発を投手陣が呼んだ。ウィルカーソンは3回以降は立ち直った矢野監督 「今年見た中ではね、一番状態がよくないかなっていう調子でしたけど。その中でも2点で粘ってくれたっていうのが大きかったですし。悪い中でも、こういうピッチングができるっていうのがウィルカーソンの強みでもあるかなと思います」-2番手の渡辺がプロ初勝利矢野監督 「ナベもね、1回戦力外というか、悔しい思いをしてウチに来ている。そういう気持ちをいつも投げている時に感じますし、チームの大きな力になってくれているんでね、自分のためにも、チームのためにもこれからもやってくれると思います」-(渡辺の)防御率0.00。今季の投球をどう見ているか矢野監督 「左はね、抑えてくれるっていう自信を持って送り出していますし、右バッターも最近ずっといい形で抑えてくれているんで、1イニング、ナベに任せていいんじゃないかな、というピッチングをしてくれています」-明日から5月になる。どんな月にしたいか矢野監督 「もちろんね、このままこの勢いを生かして、明日は西純矢が投げるんで、打線も援護してほしいですし、純矢も思いきって強力打線にぶつかっていってほしいです」

◆巨人の新外国人グレゴリー・ポランコが日米通算100号となる4号ソロを放った。7回1死、カウント3-1から阪神浜地の146キロ直球を右翼席に運んだ。メモリアル弾に「本当にうれしい」と笑顔。23戦ぶりの本塁打に「久しぶりだけど、これからも頑張る」と意気込んだ。昨年8月までパイレーツに所属したメジャー8年間で通算823試合に出場し、打率2割4分1厘、96本塁打、362打点、98盗塁の成績を残していた。

◆巨人が今季初の2ケタ失点で阪神に連敗を喫した。同点の7回に先発シューメーカーから今村に継投。1死後に糸原に四球、2死一塁から梅野、代打山本に連続四球で満塁のピンチを背負った。さらに近本に押し出し四球、なお満塁で中野に2点適時打、続く佐藤輝にも四球を与え、今村は2/3回を1安打5四球で6失点。勝ち越し、ダメ押し点まで献上した。3番手畠も2回1/3を2安打3四球で2失点。2軍再調整となった。想定外の乱調で大量失点に沈んだ。原監督は「なかなか想像が出来ない、想定が出来ないような状況になったというところですね」と話した。一方で開幕から11戦に中継ぎ登板し、7ホールドの今村への信頼は「変わらないですよ、それはね。今日は現実としてそれは受け止める必要はあるけどね」と再起を促した。2連敗で4カードぶりの負け越しも、4月は15勝10敗で首位をキープした。

◆阪神の先発アーロン・ウィルカーソン投手(32)が粘投で試合をつくった。来日最多の105球を投げ、5回2失点。こちらも来日最多の5安打を浴び、3四球を出したが要所を締めた。「ホームランが出やすい球場なので細心の注意を払いながら投げたけど、慎重になりすぎて球数が多くなってしまった」と反省。矢野監督は「悪い中でもこういうピッチングをできるのが強み」と大崩れしなかった助っ人を評価した。

◆阪神佐藤輝明内野手が貴重な同点打を放った。1点ビハインドの6回2死から2番中野が中前打&二盗で好機を演出。直後、シューメーカーの外角145キロに逆らわず、左前適時打で試合を振り出しに戻した。「拓夢さんが2死からチャンスメークしてくれて、絶対に追いつきたい場面。食らいつくという気持ちで打席に立ちました」前の2打席は、シューメーカーのスプリットに空振り三振。タイムリーの場面は、カウント1-1からスプリットを見逃しカウントを有利に運んだ。修正力を発揮し、矢野監督も「テルもしぶとい同点タイムリーもあった」と評価した。これでプロ2年目の4月が終了。昨年の4月終了時点と比較し7本塁打は同じだが、打率は4分近くアップの2割8分4厘、三振数は13個少ない「30」と確実性が増している。「しっかり自分の形で打てているので」。常々口にする自信の言葉が、結果となって表れている。三塁から右翼へ移った7回裏には巨人坂本の飛球をスライディングキャッチ。守備位置を変えてもすぐさま対応する姿が頼もしい。前日29日は菅野から特大の先制7号2ラン。この日は同点タイムリー。5連勝の中心に佐藤輝がいる。【中野椋】○...阪神糸井がビッグイニングのトリを飾った。7回に4点を挙げ、なお2死満塁。畠の145キロを捉え、中前適時打でさらに2点を加え「絶対勝つ! という思いだけで打ちました」とうなずいた。15打点は佐藤輝に次いでチーム2位。チーム最年長40歳が元気だ。

◆勢い止まらん!! 阪神が10得点の猛攻で首位巨人を逆転で下し、今季初の5連勝を決めた。同点で迎えた7回に押し出し四球で勝ち越すと、中野拓夢内野手(25)がダメ押しの2点適時打を放つなど6点を奪うビッグイニング。今季9勝のうち、宿敵から4勝。3カード連続で勝ち越し、勝率は3割を突破した。開幕からどん底に沈んでいたチームが、軌道に乗ってきた。さあ、5月反攻だ!どん底に沈んだ日々がウソのような7回の攻撃だった。連勝街道を走る矢野阪神に、強烈な「追い風」が吹いた。巨人2番手の今村が想定外の乱調。3四球で満塁に。近本が押し出し四球を選び、労せず勝ち越しに成功。大きなチャンスを逃さない。2死満塁で、中野がフルカウントからの8球目、内角144キロ直球を中前にはじき返した。ダメ押しの2点適時打で勝利を決定づけた。「しっかり低めの変化球を我慢しながら、真っすぐはファウルでいいぐらいの気持ちで待っていた。四球でもなんでもいいので、何とか後ろにつなごうという気持ちがいい結果につながりました」その後も大山の押し出し四球、糸井の2点適時打を含め、7回に今季1イニング最多となる6得点。逆転勝ちで今季初の5連勝を決めた。中野の足が快勝を呼んだ。4回無死一、三塁から二盗を決め、相手守備のミスを誘って1点を返した。6回には2死一塁から2個目の盗塁を決め、佐藤輝のタイムリーで同点の本塁を踏んだ。3安打2打点2盗塁の奮闘。6盗塁はセ界トップだ。7回も四球連発の中で、今季四球ゼロの中野は積極的にバットを振った。「どちらかといえば自分はボールを見てというタイプではない」と自己分析。「積極的に打っていって、追い込まれたら何とかするというタイプだと思う。四球の数は気にせずに自分のバッティングをするだけかなと思います」。信念を貫いたことが、結果につながった。8回には途中出場の山本に移籍初となる2ランが飛び出し、今季2度目の2ケタ得点。3カード連続の勝ち越しで、勝率は3割を突破した。矢野監督は「ヒット、ヒットっていう形ではないが、効果的にいいタイムリーっていうのを、中野、糸井、そしてヤス(山本)の素晴らしいホームランも出ましたし。打線も、本当にいい形になってきたのでね。このまま行きたいですね」と手応えを隠さない。歴史的な開幕ダッシュ失敗で、一時は勝率6分3厘のどん底に沈んだが、宿敵に連勝で対戦成績4勝4敗の五分に持ち込んだ。猛虎は目覚めた。さあ反攻の5月。借金減らしに突き進む。【古財稜明】▼阪神の5連勝は、昨年10月1日中日戦から同6日DeNA戦での5連勝以来。今季通算9勝20敗1分けで勝率を3割1分とし、初めて3割に乗せた。もっとも30試合消化時点では、91年の2割3分3厘(7勝23敗)に続き球団ワースト2位。

◆阪神山本泰寛内野手(28)は古巣巨人から1028日ぶりのプロ4号を放ち、試合を決定づけた。5点リードの8回1死一塁、2ボールから畠の内角低め143キロ直球を狙い打ち。左翼ポール際まで2ランを運んだ。巨人時代の19年7月7日DeNA戦以来の1発に「素直にうれしい」と笑顔。「結果的にこういう形になったんですけど巨人戦で良かった」と喜んだ。巨人から阪神に直接移籍した選手のG戦アーチは広沢克実以来、2リーグ分立後では2人目の快挙。今季打率を3割3分3厘まで上げ、早くも移籍1年目だった昨季の8安打に並んだ。「(元チームメートの)みんなにちょっとずつ成長した姿を見せられたのかな」と充実感が漂う。代打で登場した同点の7回2死一、二塁では四球を選び、6得点の猛攻を呼んでいた。矢野監督は「総合的に考えて、ヤスがやってくれるんじゃないかと思って」と納得顔だ。20年にMBS辻沙穂里アナウンサーと結婚。1歳の長男はかわいい盛りだ。「いろんなことをしゃべるようになって、帰って会うのがすごく楽しみ。もっと活躍して、いい姿を見せられるようにやっていきたい」と気合を入れ直した。▼巨人から20年オフ、金銭トレードで阪神に加わった山本が巨人戦で本塁打。他球団を経ずに直接移籍した選手では広沢克実以来、2リーグ分立後2人目。巨人を99年限りで自由契約となった広沢は、ヤクルト時代の恩師野村克也監督率いる阪神に移籍。01年8月7日(東京ドーム)2本、同年8月29日(甲子園)1本、03年8月28日(甲子園)2本の計5本塁打を放ち、古巣に恩返しした。ほかに90年オフには石井雅博が交換トレードで巨人から阪神に移ったが、阪神では1軍戦出場はなかった。

◆苦労人「なべじい」が待望のプロ初勝利をつかんだ。阪神渡辺雄大投手(30)が同点の6回に2番手で登板し、1イニングを無失点に抑えた。7回に味方が大量6点を奪い、勝利投手に30歳7カ月、球団では2リーグ分立後2番目の高齢初星だ。「かなり遠回りをしての初勝利。とてもうれしいですし、誇りに思います」とかみしめた。冷静な判断が勝利につながった。6回に先頭の代打広岡に左安を許した。続く大城がバントで投前に転がした。「最初から二塁は狙っていた」と迷わず二塁へ送球しアウト。代打若林、吉川から連続で空振り三振を奪うと、小さくガッツポーズ。重要な局面で好リリーフを見せた。左腕の力投を恩師もテレビで見ていた。BC・新潟で監督として15年から2年間指導した元近鉄の赤堀元之氏(52)だ。「いつものポーカーフェースで慎重に投げていましたね」。通算139セーブを挙げた猛牛の守護神は「リリーフは弱気になるな。冷静に判断し、どんどん勝負。内角へ厳しく。表情に出すな」と極意を教え込んできた。当時は先発もしていたが「長身(185センチ)で腕も長いので、打者が思ったよりも遠くから球が来る」とプロ入りするにはリリーフしかないと伝えた。ソフトバンクでは戦力外通告で辛酸をなめたが、当時の教えがプロ5年目に生きた。開幕から10試合、6回2/3で防御率0.00。変則サイドは左殺しだけでなく1イニングを任されるほどになった。ウイニングボールは苦労をかけた家族へ渡す。「今日、僕が30歳で初勝利したように、阪神がここから巻き返して優勝というのも決して無理じゃないと思う」。遅咲きのなべじいはあきらめなかった。猛虎の逆襲を信じたくなる1勝だった。【石橋隆雄】▼30歳7カ月の渡辺がプロ初勝利を挙げた。阪神在籍中の日本人投手が、30歳以上でプロ初星は2リーグ分立後3人目。福間納31歳1カ月(82年8月14日巨人戦)伊藤和雄30歳6カ月(20年6月27日DeNA戦)以来。▼前述2人のうち、福間はロッテから81年途中にトレード移籍しており、渡辺と同じく救援左腕。83年69試合、84年77試合登板はいずれもチーム最多。85年には58試合で8勝5敗1セーブと大活躍し、日本一メンバーとなった。

◆【日刊スポーツ西日本写真映像チームのとっておき映像プレイバック】4月30日、阪神渡辺雄大が巨人戦でプロ初勝利を挙げました。BC新潟からソフトバンク、阪神と渡り30歳での初勝利。おめでとうございます。

◆苦労人「なべじい」が待望のプロ初勝利をつかんだ。阪神渡辺雄大投手(30)が同点の6回に2番手で登板し、1イニングを無失点に抑えた。7回に味方が大量6点を奪い、勝利投手になった。▼30歳7カ月の渡辺がプロ初勝利を挙げた。阪神在籍中の日本人投手が、30歳以上でプロ初星は2リーグ分立後3人目。福間納31歳1カ月(82年8月14日巨人戦)伊藤和雄30歳6カ月(20年6月27日DeNA戦)以来。▼前述2人のうち、福間はロッテから81年途中にトレード移籍しており、渡辺と同じく救援左腕。83年69試合、84年77試合登板はいずれもチーム最多。85年には58試合で8勝5敗1セーブと大活躍し、日本一メンバーとなった。

◆阪神が10得点の猛攻で首位巨人を逆転で下し、今季初の5連勝を決めた。同点で迎えた7回に押し出し四球で勝ち越すと、中野拓夢内野手(25)がダメ押しの2点適時打を放つなど6点を奪うビッグイニング。今季9勝のうち、宿敵から4勝。3カード連続で勝ち越し、勝率は3割を突破した。開幕からどん底に沈んでいたチームが、軌道に乗ってきた。さあ、5月反攻だ!阪神の5連勝は、昨年10月1日中日戦から同6日DeNA戦での5連勝以来。今季通算9勝20敗1分けで勝率を3割1分とし、初めて3割に乗せた。もっとも30試合消化時点では、91年の2割3分3厘(7勝23敗)に続き球団ワースト2位。

◆阪神・アーロン・ウィルカーソン投手(32)が今季2勝目を目指して先発する。巨人戦は前回対戦した16日の同戦(甲子園)で6回1失点と好投し、来日初勝利を挙げた。今季初の4連勝中と勢いに乗る虎の連勝を、宿敵を封じてさらに伸ばしたい。

◆阪神・近本光司外野手(27)と中野拓夢内野手(25)の1、2番コンビの足で得点を稼いだ。0―2の四回、先頭の近本が四球で出塁し、中野は安打で続いて一、三塁。続く佐藤輝の打席の初球で一走・中野が仕掛けた。果敢に二盗を狙うと、巨人の捕手・大城の送球が後ろに逸れた間に三走・近本が本塁に生還。2人のスピードスターが相手バッテリーを足でかき乱して得点を呼び込んだ。) しかし、なおも無死二塁の好機で佐藤輝と4番・大山、糸井が3者連続三振に終わり、同点に追いつくことはできなかった。

◆阪神のアーロン・ウィルカーソン投手(32)が5回5安打2失点で降板した。序盤は苦しい投球が続いた。一回に吉川、坂本の連打で無死一、二塁とされたが、3番のポランコを右飛、4番・岡本和を空振り三振、最後はウォーカーを遊ゴロに仕留めて無失点で切り抜けた。しかし、二回に四球と安打で再び無死一、二塁のピンチを招き、大城に左前へ適時打を許して先制点を献上。なおも一、三塁で投手のシューメーカーの投犠打の間に三走が生還し、追加点を与えた。それでも三回以降は安定感を取り戻し、2失点に踏ん張って5回でマウンドを降りた。直後の六回の攻撃で佐藤輝に同点タイムリーが飛び出し、右腕の黒星が消えた。) 巨人戦は前回対戦した16日の同戦(甲子園)で6回1失点で来日初勝利。23日のヤクルト戦(神宮)では敗戦投手となったものの七回途中1失点と好投を続けていた。

◆阪神・佐藤輝明内野手(23)が1-2の六回、同点打を放った。2死走者なしから中野が中前打。この後、佐藤輝の打席でセ・リーグ単独トップとなる6個目の盗塁を決めて2死二塁。佐藤輝は巨人先発のシューメーカーが投じた外角145キロの直球を強振せず、左前に流し打った。前日は、東京ドームの右翼席上段のバルコニー席まで飛ばす推定飛距離130メートルの特大弾でチームを勝利に導いたが、この日は技ありの安打で、チームを盛り上げた。

◆巨人の新外国人、マット・シューメーカー投手(35)が先発し、6回4安打2失点(自責点1)と力投した。2-1で迎えた六回2死から中野に中前打を許し、二盗を挟んで佐藤輝に左前へ同点打を浴びた。それでも得意のスプリットを低めに集めて9奪三振。4試合連続のクオリティースタート(6回以上を投げて自責点3点以内)を記録した。攻めては二回無死一、三塁でセーフティースクイズを決めて来日初打点をマークした。

◆阪神・佐藤輝明内野手(23)が1-2の六回、同点打を放った。「拓夢さん(中野)がチャンスメークしてくれたので、絶対に追いつきたい場面でしたし、前の打席まで2三振だったので、食らいつくという気持ちで打席に立ちました。いい結果になってよかったです」六回2死走者なしから中野が中前打。この日、2個目、リーグ単独トップとなる6個目の盗塁を決めて2死二塁として迎えた打席。巨人の先発・シューメーカーの外角145キロの直球を強振せず、左前に流し打った。前日は、東京ドームの右翼席上段のバルコニー席まで飛ばす推定飛距離130メートルの特大弾でチームを勝利に導いたが、この日は技ありの安打で、チームを盛り上げた。

◆2-2の七回、阪神が打者一巡の攻撃で一挙6点を奪った。この回から巨人は2番手の左腕、今村がマウンドへ。3四球で2死満塁の好機。近本が押し出しの四球を選んで3-2と勝ち越すと、続く中野が中前へ2点打を放った。さらに佐藤輝も四球で歩いて、再び2死満塁となり、巨人は今村から畠にスイッチ。大山が押し出しの四球で加点。さらに、糸井が中前に運ぶ2点打。リードを6点に広げた。この回は打者11人で、わずか2安打ながら6四球を選んで、大量6点を奪った。

◆巨人の新外国人、グレゴリー・ポランコ外野手(30)が七回に4号ソロを放ち、日米通算100号本塁打を達成した。6点を追う七回1死。カウント3-1から浜地の146キロの直球を捉え、右翼席に突き刺した。ベンチでは花束が送られ、ナインに祝福されると笑顔を見せた。メジャー通算96発を誇った左の大砲が、節目の数字にたどり着いた。

◆阪神・山本泰寛内野手(28)が移籍後2年目での初アーチを、かつての本拠地・東京ドームで放った。8-3の八回1死一塁で、畠の143キロ直球を左翼席へ。「(2ボールと)有利なカウントだったので、思い切って振り抜きました。最高の結果になってよかったです」とコメントした。試合終盤の猛攻にベンチは大盛り上がりだ。山本は2021年巨人から金銭トレードで加入し、内野ならどこでも守れるユーティリティープレーヤーとして活躍。この日は代打で出場し、四球で出塁し、このあと二塁の守備に。今や虎では欠かせない存在だ。

◆阪神が逆転勝ちし、連勝を今季最長の5に伸ばした。巨人との対戦成績は4勝4敗になった。2-2の七回、相手投手の乱調などもあって2安打6四球で、一気に6点を奪った。3つの四球で2死満塁とし、近本が押し出しの四球を選んで勝ち越すと、続く中野の2点タイムリーで加点した。さらに、大山も押し出しの四球。続く糸井が中前に2点タイムリーを放った。八回には20年に巨人からトレードで加入した山本が移籍後初アーチ。チームも今季2度目の2桁得点で巨人に快勝した。先発したウィルカーソンは5回5安打2失点で降板。六回に2番手で登板した育成出身の渡辺が1回を無失点に抑え、30歳でプロ初勝利を挙げた。

◆阪神は同点の七回2死満塁から押し出し四球と中野拓夢内野手(25)、糸井嘉男外野手(40)の適時打で一挙に6点を奪って、試合を決めた。チームは今季初の5連勝。渡辺雄大投手(30)がプロ初勝利を挙げた。試合後の矢野耀大監督(53)のテレビインタビューは以下の通り(チーム成績9勝20敗1分、観衆4万24人)ーー5連勝です「ええはい、嬉しいです」ーー四回、六回と機動力を生かして得点した「走るのはうちの野球なんで、チャンスがあると思えば走るというのは、意識高くやってくれていると思います」ーー七回はビッグイニング「ヒット、ヒットという形ではないですが、効果的にいいタイムリー。中野、糸井と、そしてヤス(山本)の素晴らしいホームラン(八回)もありましたし、その前に輝のしぶとい同点タイムリー(六回)もありましたし、打線も、いい形になってきたので、このままいきたいです」ーーウイルカーソンは「今年見た中では、一番、状態がよくない調子でしたけど、その中で2点で粘ってくれたのが大きかったですし、悪い中でも、こういうピッチングができるのがウイルカーソンの強みかなと思います」ーー渡辺が初勝利「そうですね、ナベも一回こう戦力外というか悔しい思いをして、うちに来ているんで、そういう気持ちをいつも投げている時に感じますし、チームの大きな力になってくれているんで、自分のためにも、チームのためにも、やってくれると思っています」ーー防御率0・00「左は抑えてくれるという自信を持って送り出していますんで、右バッターも最近、いい形で抑えてくれているんで、1イニング、ナベに任せていいんじゃないかと、そういうピッチングしてくれています」ーー5月に入る「もちろん、このまま、この勢いを生かして、明日は西純矢が投げるんで、打線も援護してほしいし、純矢も思い切って、強力打線にぶつかっていってほしいです」

◆阪神・渡辺雄大投手(30)がプロ初勝利を挙げた。2番手で六回に登板し、無失点に抑え、打線が七回に勝ち越した。中越高ー青学大を経て、BC新潟から2018年育成ドラフト6位でソフトバンクに入団。昨オフに戦力外通告を受けた後に、阪神に育成枠で入団。開幕前に支配下選手となった。試合後の渡辺のテレビインタビューは以下の通り。ーー30歳でつかんだプロ初勝利「ありがとうございます」ーーどんな気持ちですか「かなり遠回りして、初勝利ということで、とても嬉しく思いますし、誇りに思います」ーー今日のピッチングは「何とか、いい流れをチームに呼べるように、一生懸命に投げました」ーー渡辺投手のピッチングが流れを変えた「そうですね、形的にそういう形になったので、よかったと思います」ーーウイニングボールは「(ポケットから取り出したウイニングボールを見ながら)まあ、本当に家族にたくさん心配も迷惑もかけて、ここまで来ましたので、家族に送りたいと思います、ハイ」ーー2度の育成選手を経験。30歳初勝利。あきらめずに「遠回りをしたので、たくさんの人に無理だと言われた時もありましたが、それでも応援してくれる人もたくさんいましたので、そういう人の応援と声が自分があきらめずに野球をやる原動力になったと思います」ーー阪神ファンの応援は「ハイ、届いています」ーー今後に向けて「今日僕が30歳で初勝利したように、阪神タイガースが、ここから巻き返して、優勝というのも無理じゃないと思うので、一戦一戦、一生懸命頑張っていきたいと思います」

◆阪神は同点の七回2死満塁から押し出し四球と中野拓夢内野手(25)、糸井嘉男外野手(40)の適時打で一挙に6点を奪って、試合を決めた。チームは今季初の5連勝。渡辺雄大投手(30)がプロ初勝利を挙げた。試合後の矢野耀大監督(53)の一問一答は以下の通り(チーム成績9勝20敗1分、観衆4万24人)(テレビインタビュー)ーー5連勝です「ええはい、嬉しいです」ーー四回、六回と機動力を生かして得点した「走るのはうちの野球なんで、チャンスがあると思えば走るというのは、意識高くやってくれていると思います」ーー七回はビッグイニング「ヒット、ヒットという形ではないですが、効果的にいいタイムリー。中野、糸井と、そしてヤス(山本)の素晴らしいホームラン(八回)もありましたし、その前に輝のしぶとい同点タイムリー(六回)もありましたし、打線も、いい形になってきたので、このままいきたいです」ーーウイルカーソンは「今年見た中では、一番、状態がよくない調子でしたけど、その中で2点で粘ってくれたのが大きかったですし、悪い中でも、こういうピッチングができるのがウイルカーソンの強みかなと思います」ーー渡辺が初勝利「そうですね、ナベも一回こう戦力外というか悔しい思いをして、うちに来ているんで、そういう気持ちをいつも投げている時に感じますし、チームの大きな力になってくれているんで、自分のためにも、チームのためにも、やってくれると思っています」ーー防御率0・00「左は抑えてくれるという自信を持って送り出していますんで、右バッターも最近、いい形で抑えてくれているんで、1イニング、ナベに任せていいんじゃないかと、そういうピッチングしてくれています」ーー5月に入る「もちろん、このまま、この勢いを生かして、明日は西純矢が投げるんで、打線も援護してほしいし、純矢も思い切って、強力打線にぶつかっていってほしいです」 (囲み)ーー七回のつながりは「もちろん四球があったからやけど、あそこで拓夢が粘って、粘ってっていうところの1本は大きかった(近本の押し出し四球で勝ち越した後の2点タイムリー)。相手にとっても嫌なファウルやったと思うし、その中でのタイムリーも価値が高いかなと思っています」ーー六回は中野の盗塁をいかして、佐藤輝の適時打(2死一塁から中野が二盗し、佐藤輝が左前に同点打)「別に走るのは、いつも走る意欲はずっと持って戦っているので。チャンスがあれば、もちろんいくし。別に特別なことではないと思っているけど。あこで輝がしぶとく追いついてくれたのは、もちろんあってのことなので。ランナーを置いた時の、もちろんホームランも魅力だけど、ああいうところで、しっかりランナーを返すタイムリーとか、返すバッティングっていうのがね、もっともっとレベルが上がってくれば、もっともっと相手が嫌なバッターになると思うので。そういうところで足も絡めながら、いい攻撃をつくってくれたんじゃないかなと思います」ーー中野は思い切って打っていけるところが長所と思うが「もちろん、バッターだってフォアボールとか、押し出しって、どっちも頭にありながら打っているんで、だからその前のファウルに価値があるんで。思い切りももちろんあるけど、思い切り行けたのかどうかは本人に聞かないと分からないけど、しぶとく行けたのは間違いない」ーー渡辺のフィールディングが光った(六回無死一塁でバントを二塁封殺)「微妙なタイミングであれやったけど、思いきって行ったというのは、結果的に自分自身で流れを止めることができたと思うし、本当にラッキーボーイ的な存在になってくれそうな運を持ってくれているし。本当に安定しているのでね。左だけじゃなくても、右でもいけそうだなという感じを出してくれているから、頼もしく見ているけど」ーーウィルカーソンは(5回2失点)「ボールも多かったしね、球数も増えちゃったし(105球)、まあ何となく小気味良い感じには見えなかったんで、調子自体は良くないのかなと思ったけど。その中でも、三回ぐらいからカーブを使ってらしさを出してくれたかなと思う。1年間投げる中でずっと状態がいいことは少ないので、その中でも何とかできるというのはウィルカーソンの幅があるというかね、そういう投球だと思います」ーー代打・山本で、いろんな攻撃ができる「いやいや、ヤスも状態いいし、あのまま守備でもいけるし、総合的に考えてヤスがやってくれるんじゃないかなというところでいきました」

◆巨人・シューメーカーが6回2失点。勝敗は付かなかったが、4試合連続でクオリティースタート(6回以上、自責点3以下)を達成した。最速147キロの直球と決め球のスプリットを駆使し、2度の3者連続を含む9奪三振。2安打完封した中日戦に続き、試合をつくった右腕は「全体的に粘ることができた。次回までに微調整していきたい」と次戦を見据えた。

◆「5番・右翼」で出場した糸井が4点を勝ち越した七回、なおも2死満塁から中前にダメ押しの2点打を放った。「絶対に勝つ!! という思いだけで打ちました」。この一打で今季15打点となり、佐藤輝(17打点)に次いで、チーム2位。今季6度目のマルチ安打(2安打)で打率・296に上昇。チーム最年長40歳は元気いっぱいだ。

◆阪神・北川打撃コーチが六回に円陣を組み、逆転劇につなげた。「試合前に考えた狙い球とシューメーカーの配球がちょっと違っていた」と明かし「そこは同じでいいから、とにかく迷うことなく、割り切って攻めていこう」と声をかけた。さらに「狙い球プラス、気持ち低めを振っていた。ゾーンを上げてコンパクトに振っていこう」と内容の一端を明かした。「集中力をもってできた」と打線全体に満足げだった。

◆「勝利の方程式」の一角が崩れた。首位を走る巨人は大敗。2-2の七回から2番手で登板した今村信貴投手(28)は制球が定まらず、?回を1安打5四球で6失点を喫した。原辰徳監督(63)は「なかなか想像ができないような状況になった」と表情を曇らせた。防御率0・00を誇っていた救援左腕は、今季11試合目で乱調。高めに抜ける直球やシュートを修正できず、桑田投手チーフコーチは「もう少し工夫してほしかった。ワンバン気味に投げてみるとか、他の球種を投げてみるとか」と説いた。3番手の畠も3四球を与え、全3投手で9四球10失点。チームは今季初の2桁失点で2連敗を喫した。与四球103個は12球団ワースト。投手陣は昨季から課題とする制球力を磨くべく、春季キャンプから地道に取り組んできたが、克服できていないのが現状だ。桑田コーチは畠の出場選手登録を外す方針を示した。指揮官は今村に対する信頼を「変わらない」と明言。一方で「今日は現実として受け止める必要はある」と指摘も忘れなかった。(鈴木智紘)

◆1028日ぶりの手応えだった。阪神の00番を背負う山本が、巨人の56番を身に着けていた2019年7月7日のDeNA戦(東京ドーム)以来となる2ランを、かつての庭でぶち込んだ。「なかなかホームランが打てない中で、こうやって一本出て、素直にうれしいですね。結果的にこういう形になったんですけど、終わってみて、巨人戦でよかったなという思いです」プロ通算4本目。2020年オフに金銭トレードで阪神に移籍後1号に声を弾ませた。8-3の八回1死一塁で巨人3番手・畠の低め143キロ直球を捉え、打球は左翼スタンドへ吸い込まれた。記念球は「戻ってきてないです」と苦笑いも、七回にはプロ初勝利を手にした渡辺の代打で出場し、2死一、二塁から四球を選んでビッグイニングを演出。複数ポジションを守れる魅力に加え、渋い働きからここぞの一打まで、ユーティリティーぶりをみせつけた。昨年3月末に夫人でMBSの辻沙穂里アナウンサーとの間に長男が誕生。愛息は1歳になり、パパは「いろんなことがしゃべられるようになったりしている。また帰って会うのがすごく楽しみ」とデレデレだ。「もちろん責任感というかね、もっともっと活躍して、いい姿を見せられるように」一家の大黒柱が虎も支える。矢野監督は「ヤス(山本)も状態いいし、あのまま守備でもいける。総合的に考えてヤスがやってくれる」と厚い信頼で送り出している。古巣にも活躍する姿をみせたいと常々口にしていた山本は「まだまだしっかり結果を残さないといけない。でも、みんなにちょっとずつ成長した姿を見せられたのかな」と胸を張った。もう伏兵とはいわせない。大勝のなかで、確かな存在感を示した。(新里公章)

◆全力で腕を振り、あとは気持ちで抑えた。最後は三振でゼロを刻み、阪神・渡辺は雄たけびを上げた。NPB5年目、30歳でつかんだ、うれしいプロ初白星。遅咲きの苦労人はウイニングボールをつかみ、笑顔を浮かべた。「まさか自分が初勝利というか、(ウイニング)ボールを手にするとは思っていなかったので、うれしかったです」2―2の六回に登板。先頭の代打・広岡に安打を許したが、慌てなかった。大城のバントを処理し、二塁へ送球。アウトすると、代打・若林、吉川を2者連続の空振り三振に仕留めた。「先頭をヒットで出してしまったけど、落ち着いてやるべきことができた」。直後の七回に味方が6点を挙げて勝ち越しに成功。登板10試合連続無失点と好投を続ける左腕にプロ初勝利が舞い込んだ。矢野監督は「悔しい思いをしてウチ(阪神に)に来ているんで、そういう気持ちをいつも投げているときに感じるし、チームの大きな力になってくれている」と目を細めながら「ラッキーボーイ的な存在になってくれそうな運を持っている」と期待を寄せた。 どんな逆境にも屈しなかった。2018年、育成ドラフト6位でソフトバンクに入団し、20年に支配下契約を勝ち取ったが、昨年に戦力外通告を受けた。それでもあきらめなかった。「たくさんの人に『無理だ』と言われた時もあった。それでも応援してくれる人の応援が野球をやる原動力になった」。そして今季から虎に移籍。2月の宜野座キャンプ中はアピールすることに必死で、不安にさいなまれることもあったが、愛妻と1歳のまな娘との日々のテレビ電話が自然と力をくれた。「妻と子どもと何気ないやり取りをしている中で、自分の気持ちを整理する時間ができた」努力の結晶の白球とともに、感謝の思いを伝える。「僕が30歳で初勝利したように、阪神タイガースがここから巻き返して優勝というのも決して無理ではないと思うので、一戦一戦、一生懸命頑張っていきたい」「4・30」を初勝利記念日以上のものにする。これからも勝ち続け、虎の逆襲の始まりにする。(織原祥平)◆日本テレビの中継で解説を務めた前ソフトバンク監督・工藤公康氏 「阪神で活躍する姿を見られて本当に良かった。スライダーもいいけど、あのツーシームがなかなか打たれないんですよ。武器を生かして、これからも頑張ってほしい」

◆野球は2死から-。2試合連続で3番に入った佐藤輝は一塁ベース上で右拳を突き上げた。1点を追う六回2死二塁。追い込まれながらシューメーカーの直球を左前へ。試合を振りだしに戻した。「(中野)拓夢さんが2死から(中前打で)チャンスメークしてくれて、絶対に追いつきたい場面でしたし、前の打席まで2三振だったので、食らいつくという気持ちで打席に立ちました」一回、四回と2打席連続で空振り三振。バットをたたきつけるようなそぶりも見せていた。それまでの悔しさをすべてぶつける同点打となった。2試合連続で打点を挙げた直後には二盗成功。巨人サイドからリクエストを要求されたが、鋭いスライディングからしっかりと足が入っていた。今季早くも4盗塁目。昨季6盗塁だったことを考えると、かなりのハイペースといえる。「筒井(外野守備走塁兼分析担当)コーチと話しながらやっています。『チャンスがあればいくぞ』というのは常々言われているので」。今季7本塁打で巨人・岡本和を追っている。鬼が笑う話かもしれないが、球団史上初となるトリプルスリー(打率3割、30本塁打、30盗塁)を達成したりして?三塁から右翼にまわった守備でも七回にファインプレー。坂本の浅い飛球に猛ダッシュでスライディングキャッチ。走攻守でノリに乗っている。「5月も、もっと勝っていって...勝ちたいと思います」孤軍奮闘していた中、ようやく周りもついてきた。若き大砲の威力はますます発揮されそうだ。(阿部祐亮)

◆猛虎って呼んでいいですよね! 阪神は首位巨人に10-3で快勝。今季最長の5連勝を飾った。七回には中野拓夢内野手(25)の2点打など打者11人、6得点の猛攻。開幕9連敗で始まった暗黒の3、4月を爆勝で締めて、5月に突入! さぁ大逆襲の季節がやってきたゾ!強い、強い、強すぎる! 苦しみ抜いた虎がようやく猛虎になった。負の檻から飛び出し、獰猛(どうもう)な牙で宿敵に襲い掛かる。とんでもない威圧感を漂わせ、グラウンドを闊歩(かっぽ)しながら作った好機。最後は2番・中野が打ってとどめを刺した。「低めの変化球を我慢しながら、真っすぐはファウルでいいぐらいの気持ちで待っていた。四球でもなんでもいいので、つなごうという気持ちがいい結果につながった」猛虎の目が鋭く光ったのは2-2の七回だった。今村に対して、2死一塁から連続四球で満塁。近本が押し出し四球を選んで勝ち越した。勝ち筋が見えても手は緩めない。中野が144キロを中前にはじき返し、2点を追加。大山も押し出し四球、糸井の2点打などもあり、一挙6得点のビッグイニングを作った。これがセ・リーグ記録を更新する開幕9連敗、球団史上最速20敗を喫した阪神の姿なのか。キャンプイン前日にあった矢野監督の退任発言から、藤原オーナーが「(シーズンの最後まで任せることは)当然の話」と監督の休養説を打ち消した大騒動が何カ月も前に感じてしまう。藤浪、伊藤将らは新型コロナウイルス感染から復帰途上で駒がそろっているとはいえない。それでも今季初の2桁となる10得点で巨人に連勝。今季最長の5連勝を決めた指揮官の「打線も本当にいい形になってきたので、このままいきたい」というメッセージを信じたい。 確かにシーズン序盤は苦しんだ。この日、3安打2盗塁だった中野は下肢のコンディション不良でキャンプは2軍。「社会人(三菱自動車岡崎)時代も2年目に苦労したので、ジンクスは不安ですね」と気を引き締めていたが、プロの世界は厳しかった。開幕投手に内定していた青柳や、糸原はコロナ陽性で動けない時期もあり、4番として期待された大山もオープン戦を打率・196で終了。投打の歯車がまったくかみ合わないまま本番を迎えたのだから無理もない。まだチームは9勝20敗1分け。初めて勝率3割に達したばかりだが、2点差を終盤に追いつき、最後は突き放したのだから大したものだ。「けがの不安もなく、ここまで怖さもなくしっかりやれているなというのは感じている」と中野は実感を込めた。暗黒の数字ばかりを味わった3、4月は終わった。どん底を味わって、はい上がり、勢いがついた状態で5月を迎える。ナインの明るい表情を見ればわかる。もう完全に虎は目が覚めている。5位・DeNAとは3ゲーム差。いよいよ、猛虎たちの逆襲が始まる。踏まれ続けていた男たちは強い。連勝街道を突き進み、奇跡のドラマを起こす。(原田遼太郎)

◆プロ野球中継の実況歴40年以上の敬愛する放送局アナウンサーからメールが届いた。「大騒ぎの紙面は楽しみにしていますが、『大逆転優勝や!』は、やめてくださいよ」やめろといわれて、やめないのが性分だ。こちらも記者生活は30数年。過去には「書かないで」と懇願されても「書くのが新聞記者だ」な~んて正論を振りかざし、書いた経験は何度もある。止められれば、止められるほど、書きたくなる。性格は典型的にねじ曲がった天邪鬼デス。というわけで、申し訳ありませんが、書きま~す。大逆転優勝、何となく見えてきたような気がしませんか?いや~、七回の猛攻、すごかった。1イニングに6四球を選んだ、驚異的な選球眼。糸原よ、梅野よ、山本よ、近本よ、佐藤輝よ、大山よ、よく見極めた!えっ、相手の制球が悪かっただけ? そういう妙に冷静な分析は「虎のソナタ」に無用だ。巨人の今村投手は今シーズン、まだ無失点だった。その防御率0・00の投手を、ジワジワと追い詰めるほどに、今の虎打線は迫力を取り戻している、と考えるほうが、すんなり受け入れられるでしょ?対照的に、虎の防御率0・00男・渡辺雄大はこの試合でも1イニングをゼロ封して、うれしい、うれしすぎるプロ初勝利だった。育成選手としてタテジマに袖を通して以来、ずっと見守ってきたトラ番の投手担当・織原祥平のグッとくる初勝利原稿(3面)、ジックリ、そして何度も、読み返してあげてくださいな。「1月初旬の、まだタイガースの選手も集まっていない鳴尾浜球場に、渡辺さんは早々と来て、練習していました。同じソフトバンクから移籍組の二保さんと一緒に。その時に、『H』マークが入ったソフトバンク時代のバッグを大事に使っていたのが印象的です。古巣も愛しているんだな、と感じました」織原にとっても、はい上がっていく挑戦者のストーリーは、新発見の連続だったようだ。「キャンプ中も、話を聞くたびに『後がない』『後がない』と繰り返していました」そんな謙虚さがにじみ出た、ホロッとする、プロ初勝利のヒーローインタビューだった。確かに謙虚だが、でも自分を信じることを貫いた、逆転ストーリー。まだまだ始まったばかり。この先も楽しみに見守りたい。たぶん、織原がこん身の記事を書き続けると思うので、読者のみなさま、よろしく。というわけで、5連勝締めの4月が終わった。チーム成績が1勝15敗1分けとなったどん底の4月14日。シーズンが1勝141敗1分けになることを覚悟されたファンもおられたとか。でも、9勝20敗1分です。すごく普通の負け越しチームの成績になっている。参考までに、昨年の4月30日時点の勝敗を紹介しよう。20勝9敗。ちょうど、勝ちと負けをひっくり返した成績だ。あれだけ勝った! 勝った! と叫んでいたのに、最終的には悔しい2位。だから逆転の発想でいこう。ジワジワと上昇します、今年の虎は! ますます「大逆転優勝」の気がしてきたでしょう。あっ、また書いてしまった。

◆ガオー! ガオー! ガオー! ガオー! ガオー!! 虎がほえたでェ、5連勝!! 首位・巨人に連勝、これで今季の対戦成績は4勝4敗!!てか、四回にエラーで得点くれるし、七回は2つのところ天(押し出し)ありの6点を奪ったし、巨人なんて強くねーじゃん!! よっしゃあ、夏休み前には順位も逆転したれー!!しかし、中国の偉大なる思想家『甲子』は良く言ったもんだなぁ...。本日、育成や戦力外からはい上がってきた渡辺雄大が30歳でプロ初勝利(オメデトウ!!)。まさに『三十にして立つ』そのままです!! おっ、本日も2安打2打点の糸井さんも『四十にして惑(まど)わず』そのままだー!! 『甲子』さんお見事!!えっ、『甲子』じゃなくて『孔子』? またまた偉大なんだから、甲子園の『甲子』に決まってんだろー!! 何? 孔子もダンカンさん、あなたにはお手上げ? 『六十にして耳順(みみしたが)う』に反して、人の言葉を素直に聞かない...。聞きます、聞きます...。だから『八十(勝)にして虎逆転V』を孔子さん、追加お願いしま~す!!

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
20110 0.645
(↓0.022)
-
(-)
112136
(+3)
111
(+10)
35
(+1)
12
(-)
0.253
(↓0.001)
3.110
(↓0.2)
2
(-)
広島
16121 0.571
(↓0.022)
2.5
(-)
114121
(+2)
96
(+4)
10
(-)
7
(-)
0.255
(↓0.001)
3.150
(↓0.05)
3
(-)
ヤクルト
15120 0.556
(↑0.018)
3
(↑1)
116101
(+2)
105
(-)
26
(-)
13
(+2)
0.229
(↓0.002)
3.310
(↑0.12)
4
(-)
中日
13130 0.500
(↑0.02)
4.5
(↑1)
11790
(+4)
91
(+2)
17
(-)
11
(+3)
0.251
(↑0.004)
3.320
(↑0.06)
5
(-)
DeNA
10150 0.400
(↓0.017)
7
(-)
11885
(-)
112
(+2)
18
(-)
10
(-)
0.242
(↓0.002)
4.120
(↑0.07)
6
(-)
阪神
9201 0.310
(↑0.024)
10
(↑1)
11392
(+10)
110
(+3)
23
(+1)
18
(+3)
0.227
(↓0.001)
3.560
(↑0.02)