阪神(☆3対2★)中日 =リーグ戦5回戦(2022.04.28)・阪神甲子園球場=
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中日
0200000002801
阪神
00030000X3800
勝利投手:秋山 拓巳(1勝2敗0S)
(セーブ:岩崎 優(0勝0敗4S))
敗戦投手:大野 雄大(1勝3敗0S)

本塁打
【中日】石川 昂弥(4号・2回表2ラン)

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◆接戦を制した阪神が3連勝。阪神は2点を追う4回裏、糸井と山本の連続適時打などで3点を挙げ、逆転に成功する。投げては、先発・秋山が5回2失点と試合をつくり今季初勝利。敗れた中日は、先発・大野雄が力投を見せるも、打線が8安打で2得点とつながりを欠いた。

◆阪神秋山拓巳投手が28日の中日戦で今季3度目の先発マウンドに登る。今季は開幕から2戦2敗で防御率9・35。10日に出場選手登録を抹消され再調整していた。2軍での登板はなく、中18日の間隔を空けた。「この期間に見つめ直した。真っすぐをよくすることに努めていた。強い気持ちを持ってやっていきたい」と気合を入れた。当初、28日の先発が予想されていた西純は1軍に同行し、今季初先発に向けて調整する。

◆中日桂依央利捕手(30)が28日、出場選手登録を抹消された。 23日巨人5回戦(バンテリンドーム)に出場した際に下半身に打球を受け、症状が改善されないため、外科的処置を取ったため。また、勝野昌慶投手(24)も27日阪神4回戦(甲子園)に先発し、左わき腹痛で途中降板し、検査のため同登録を抹消された。

◆今季初の3連勝を狙う阪神は2試合続けて3番中野拓夢内野手(25)、4番佐藤輝明内野手(23)のコンビを起用した。佐藤輝は中日先発の左腕大野雄からこれまでに2本塁打を放っている。今季は3打数2安打1本塁打1打点。昨季は5打数2安打1本塁打1打点。通算8打数4安打の打率5割と打ち込んでいる。2番二塁で熊谷敬宥内野手(26)、6番一塁には山本泰寛内野手(28)と大野対策で右打者が並ぶ。24日ヤクルト戦(神宮)で左脚を痛めた大山悠輔内野手(27)は2戦続けてスタメンから外れた。先発秋山拓巳投手(31)は中18日での登板となる。夏恒例のイベント「ウル虎イエローユニホーム」のお披露目試合2日目もド派手に勝ちたい。

◆阪神が怒とうの早仕掛けでまたたく間に2点差をひっくり返した。0-2の4回だった。中野が2球目を中前打、佐藤輝が初球を右前打。続く糸井が初球を右前打でまず1点。続く山本は初球をスクイズし、結果内野安打になった。わずか5球での4連打で同点とした。中日大野雄は立ち上がりからストライク先行の投球だった。3回終了時まで打者11人のうち10人に対し、初球にストライクゾーンに投げ込んでいた(見逃し7、ファウル2、凡退1)。相手バッテリーの傾向を逆手にとって、一転して積極的に打って出た。さらに糸原の犠打をはさんで、坂本の遊ゴロ野選で3-2と逆転に成功した。3点を奪うまでに、打者6人でわずか9球の「速攻」だった。

◆虎が強いぞ! 阪神が今季初の3連勝を飾った。難敵の中日大野雄大投手(33)を攻略し、逆転勝ちした。2点を追う4回、6人合わせて、わずか9球で3点を奪い逆転した。4回先頭の3番中野拓夢内野手(25)が中前安打で出塁すると、続く4番佐藤輝明内野手(23)は初球を右前へ運び一、三塁に。5番糸井嘉男外野手(40)も初球を右前へ適時打を放った。前夜は自らのボーンヘッドで23年ぶりの三重殺を原因となった。ベテランがバットで汚名返上した。1点かえしなおも無死一、三塁。6番山本泰寛内野手(28)が初球を投手前へバント。ベースカバーが遅れた一塁へ駆け込みバント安打での適時打。山本は「うまく転がってくれた」としてやったり。5球で4連打を重ね同点に追いついた。なおも無死一、二塁で7番糸原健斗内野手(29)が投前犠打。1死二、三塁で坂本誠志郎捕手(28)の遊撃へのゴロで三塁走者糸井が生還し勝ち越した。中18日での先発となった秋山拓巳投手(31)は2回に石川昂弥内野手(20)4号先制2ランを許すが、5回2失点でまとめ今季初勝利。6回からは小刻みな継投策で、1点差を逃げ切った。この日も夏の恒例イベント「ウル虎イエローユニホーム」のお披露目試合だったが、今年のウル虎ユニホームでは負けなし2連勝となった。チームは今季初の3連勝で7勝目。借金は13となった。この勢いに乗って29日からは首位巨人が待つ東京ドームへ乗り込む。

◆阪神秋山拓巳投手(31)が、5回2失点と粘り、今季初勝利を挙げた。1点差で9回に登板した岩崎優投手(30)は、1死三塁と一打同点のピンチを作るも2者連続三振で切り抜け、4セーブ目を挙げた。91年生まれの2人がそろってお立ち台へ。息ぴったりの掛け合いを披露した。秋山と岩崎のヒーローインタビューは以下の通り。-今季初勝利でお立ち台秋山 ありがとうございます。いや~、本当に久しぶりで。勝てて、みなさんの前で、なんとか勝ちに結びつくことができたので、ホッとしています。-3連勝のかかった先発マウンド。どんな思いで秋山 開幕から迷惑かけてて、久々の1軍マウンドだったんで。もうあの、連勝しているのは知っていましたけど、なんとか勝てるピッチングをするってことだけを心掛けてマウンド上がりました。-今日もEXILEのATSUSHIさんの楽曲で登場。いい報告ができる秋山 なんか、僕のことで申し訳ないですけど...、この後、連絡入れときます。-同学年の岩崎投手へひと言秋山 本当に、僕が5回で降りてしまったんですけど、信頼できる中継ぎの人にしっかり抑えてもらって、あとはスグルの、いつものせりふを聞くだけだと思っていたんで。今日もこの後言ってくれると思ってるので、楽しみにしています。-岩崎投手。今日の投球を振り返って岩崎 勝つことができてよかったです。秋山 今年はこれなんじゃないですかね。聞けてよかったです。-同級生の秋山が先発。1点差の場面でマウンドへ岩崎 マウンドに上がる時はいつも通りです。アキが投げているのは分かっていましたけど、いつも通りです、すいません。-秋山にひと言岩崎 もうちょっと、イニングを投げてもらってくれたら助かります(虎党から笑い)。これからよろしくお願いします。秋山 長年の課題なんで、今年はしっかりイニング消化して、1人で投げきる試合を増やしていきたいと思います。-ウル虎のユニホームで2連勝岩崎 これから着る機会もあると思うので、いい結果になるように頑張りたいと思います。-これで3カード連続の勝ち越し秋山 チームはこれから勝ち続けるしかないと思うので、僕はその一員になれるように、またしっかり調整して次の登板頑張りたいと思います。岩崎 目の前の試合を大事にして、1戦1戦頑張っていきます。応援よろしくお願いします。

◆中日石川昂弥内野手(20)待望の甲子園1号が空砲になった。2回1死一塁で、秋山の初球を左中間スタンドに運ぶ先制の4号2ラン。平成最後のセンバツを東邦が制した19年4月3日の決勝戦以来1121日ぶりの聖地での本塁打になった。「打ちましたが、チームが負けて悔しいです」。9回2死三塁の同点機に見逃し三振に倒れ、表情を曇らせた。

◆阪神が逆転勝ちで今季初の3連勝。逆転勝ちは今季3度目でリーグ最少(最多は巨人の10度)だが、これまではいずれも1点差で、2点差逆転勝利は今季初だ。昨季は逆転勝ちが21試合あり、うち2点差以内は19試合あった。昨季のような反発力が出てくれば、チームも勢いに乗れそうだ。▼今季はビジターで2勝13敗と大きく負け越している。京セラドーム大阪を含むホームゲームも5勝7敗1分けで「借金2」だが、甲子園に限ると5勝4敗1分けの「貯金1」となった。熱烈な声援も力になっているようだ。

◆阪神が今季初の3連勝を飾った。2点を先制されたが4回に逆転。1点リードを5投手の継投で守り切った。矢野燿大監督(53)の一問一答は次の通り。ー1軍復帰した秋山が今季初勝利「もう少し調整の時間をというところだったけど、先発陣に投げられる投手がいない中で、急きょ、アキにということで。しっかり投げてくれた」ー4回は4連打や初球攻撃で大野雄から得点「一、三塁、一、三塁という攻撃ができた。山本がしっかり(セーフティースクイズ)バントを決めてくれた。何でもできるタイプなので、信頼関係の中でやってくれた。派手な点の取り方はまだできないかもしれないけど、こういう試合でしっかりつないで取れたのは大きい」-最後はドキドキ「しびれたね。本当に、めちゃくちゃ手に汗握っていた。最後は(岩崎)優を信じて、応援するだけでしたけど、よく投げてくれた。優だってドキドキもあるし、緊張もあるし。それを見せないのが経験。一番苦しい場面でコーナーにしっかり投げていく素晴らしい投球をしてくれた」ー先週も1点差を取っていきたいと話していた「そうやね。ほんまはもっと点を取りたいんだけど、どんな形でも点を取って勝つことが大事。昨日、今日と、そういう試合ができた。1人1人の状態も上がりつつはあると思っている。いい方向に行ってくれると信じています」-バントも含めて初球攻撃でリズムがよかった「まあ、流れもあるしね。いい流れでみんなが決めてくれている。積極性も出てきているのかなと」ー大野雄は初球にストライクが多かった「もともと制球が荒れる投手ではないし、追い込まれたら簡単ではない。早いカウントの早いボールが一番チャンスがある、しっかりみんなそれを仕留めてくれたと思います」ー監督も継投に自信が出てきたのでは「浜地も、自分のボールで相手のスイングをさせない。そういう仕留め方ができている。頼もしい。湯浅も走者を出してからでも落ち着いて投げるようになってきた。アルカンタラも昨日より状態良かったなという感じがある。自信を持って送り出しています」ー初の3連勝「苦しいシーズンですけど、その中でみんなが何とかしようというのが結果に結びついてきている」ー次は巨人戦「やっぱり投手の頑張りが今はどうしても必要になる。ヤギ(青柳)が頑張ってくれて、という試合になると思う。その中で打線をどうつなげていくか。投手も打者もつないで、粘ってやっていくしかない。そういう野球をしたい」

◆中日はエース大野雄大投手(33)の8回8安打3失点で完投したが、3敗目。石川昂弥内野手(20)の19年センバツ優勝以来となるプロ入り甲子園初アーチの4号2ランで先制も空砲。2戦連続で守備のミスからの連敗で貯金をなくした。試合後の立浪和義監督(52)のコメントは以下の通り-9回に何とか追いつきたかった「惜しいところまでいった。見逃し三振、見逃し三振...。振らないと始まらない」-4回守備で山本のセーフティースクイズの場面で二塁阿部の動きは「構えた時点で二塁は打球を見ながらベースカバーに明らかに入ってなかった。ああいうミスがあったら、結果的に(阪神の)チャンスになって決勝点になった」-遊撃堂上の前進守備での悪送球(野選)「ボールがこっち(三塁)気味やったから。(堂上)直倫やったらアウトにして欲しい打球やと思う。2日間はいろんな守りのミスが出た。そこが失点につながった。しっかりやって出直すしかない」-大野雄は「あの回(4回)だけ初球、真ん中に集まったところを連打された。結果的には8回まで、あとのイニングはゼロで抑えた。本人も反省点はあると思うが、次に上がっていくのではないかな」-4回は初球ストライクを連打された「ストライクでも真ん中付近に集まった。そういう反省点はあるが、球自体は8回になってもそんなに落ちなかった。大野も今後の登板に自信にしてもらいたい。こっちも(石川)昂弥の本塁打以外、チャンスらしいチャンスは最後だけ。明日から名古屋に帰って出直します」-最後の場面は石川昂には重圧「2死三塁で打つことは難しい。木下のところで追いつく形が取れれば良かった」-京田がスタメンを外れた「昨日の守備は消極的なミス。それで直倫を使った」-大島に代えて岡林を起用「守備的には(岡林は)守備範囲も広い。今日はバント失敗とかいろいろあったけど、こういう悔しさを跳ね返すくらいになってこないと、レギュラーは簡単に取れない。今後を期待している」-大島の欠場はどれくらいか「ちょっとわからない。明日の状態を見てみないと」-5割になった「5割を目指しているわけじゃない。選手のがんばりで貯金もあった。明日からも戦いは続く。ずるずるいかないようにしっかり。ピンチとかチャンスで気持ちを強く持って行かないと上とか狙えない。いい意味で反省点も出た2試合。明日からしっかりやっていきたい」

◆最下位阪神に連敗し、貯金がなくなった。エース大野雄が8回3失点で完投も打線は1点差を追いつけず。4回に逆転された3失点はバント処理や野選など守備のミスが絡んだ。立浪監督は「2日間いろんな守りのミスが出て、そこから失点につながった。ズルズルいかないように、名古屋に戻って明日からしっかりやっていく」と出直しを強調した。▽中日大野雄(昨年6月29日DeNA戦以来の完投負けで2敗)「4回の連打されたところは、どこかで切らなきゃいけませんでした」

◆阪神秋山拓巳が今季初勝利。秋山は中日相手のホームゲーム(京セラドーム大阪含む)に強く、プロ入り以来9試合に先発し無傷の3連勝。チームも13年に引き分けて以降、「秋山+ホームゲーム」では8連勝となった。逆にビジターの中日戦では10戦して5勝5敗。秋山も3勝4敗と負け越している。

◆虎の新3、4番コンビが逆転劇の起点となった。2点ビハインドの4回、2試合連続3番の中野拓夢内野手(25)が、3番初安打となる中前打。4番佐藤輝明内野手(23)は右前打でつなぎ、無死一、三塁。直後、5番糸井の右前打適時打で1点を返した。中野 3番を打たせてもらっているけど、自分の役割は塁に出ること。テルだったり、糸井さんだったりがつないでくれました。無死一、三塁で、2試合連続「6番一塁」でスタメンの山本が初球スクイズに成功。投手前に転がすと、これが内野安打となり同点に。さらに1死二、三塁と攻め、8番坂本の遊ゴロで三塁走者の糸井が間一髪の生還(記録は野選)を決め、勝ち越しに成功した。中野から坂本まで、打者6人に投じられた球数はわずか9球。電光石火の大野雄攻略だった。3番中野、4番佐藤輝の並びでチームは2連勝。前日27日はともに4打数無安打だったが、若い2人には反発力があった。中野 自分の中では「3番目」ぐらいのつもり。自分の打撃をするだけです。前の試合も自分とテルでつなぎの打撃ができなかったので、今日は非常にいい攻撃ができたと思う。24日のヤクルト戦で左脚を負傷した大山が、2試合連続で欠場。矢野監督はオーダーに頭を悩ませていたが、緊急で組まれた新クリーンアップが機能し始めた。指揮官も「1人1人の状態も上がりつつはある」と納得顔。上り調子で29日からの敵地巨人戦に臨む。矢野監督 ピッチャーが頑張ってくれるっていうのが、今はどうしても必要。その中で打線をどうつなげていくか。全員でつないで、粘ってやっていくしかない。そういう野球をしたいと思います。タクムとテル。虎の「TTコンビ」が、大逆襲を期す打線を引っ張る。【中野椋】▼阪神が大野雄から3点を奪い勝利。大野雄には19年にノーヒットノーランを許すなど通算9勝15敗、防御率1・90と苦手としているが、昨年6月22日の対戦から4戦して3勝(1試合は勝敗関係なし)と、苦手左腕を克服しつつある。○...山本が同点のスクイズを決めた。「決まって良かったというホッとした気持ち。いろんなサインが出るつもりで打席に入っている。どんなサインがきても対応できるイメージでいました」。1点を返した4回、なお無死一、三塁。2試合連続「6番一塁」の起用に応え、大野雄の初球をしっかり投手前に転がした。29日からは一昨年まで在籍した古巣巨人戦。「絶対活躍したい思いと、成長した姿をみんなに見せられたら」と恩返しを誓った。▽阪神浜地(6回に2番手で1イニングを無失点)「先日のDeNA戦で敗戦投手となってしまい、チームに迷惑をかけたので、勝ちにつながる投球をしたいという、強い思いでマウンドに上がった。リードしている場面を任せてもらい、中軸に対して自分のボールを投げることができました」

◆阪神が乗ってきた!逆転で今季初の3連勝だ! 2点を追う4回、糸井嘉男外野手(40)が反撃のタイムリー&神走塁で勝ち越しの生還で3得点。前日走塁で凡ミスを犯し、チーム23年ぶりの三重殺を食らって戦犯になりかけたベテランが、一夜で名誉挽回を決めた。チームは今季初の2カード連続勝ち越しで、29日からは敵地で首位巨人と3連戦。上昇気流をつかんだ虎が、12ゲーム差を縮めに東上する。超人糸井は衰えを知らないのか。決勝点はチーム最年長40歳の"神走塁"でもぎ取った。2点を追う4回に自身の適時打などで追いつき、なお1死二、三塁の場面。中日内野陣が前進守備を敷く中、坂本の打球は遊撃堂上の正面に飛んだ。ゴロゴーのサインに三塁走者の糸井は猛然と本塁に突進。「前に転がったら、絶対にホームにかえってくると思って準備していた」。だが、タイミングは完全にアウトだった。それでも送球が一塁側にそれた隙を逃さず、捕手木下のタッチをかいくぐって、左足でホームをはいた。立浪監督がリクエストしたが、審判が両手を横に広げると、3万5221人の甲子園が大歓声で揺れた。矢野監督は「どんな形でも、点を取って勝つことがチームにとって大事」と、泥臭い野選で奪った決勝点をたたえた。糸井は前日27日、あわや戦犯になりかけた。4回無死一、二塁で高山の一直に飛び出した一塁走者山本が戻れず併殺。このとき、二塁走者の糸井もアウトカウントを間違え、ベンチへ戻りかけた。慌てて帰塁したが間に合わず、チームは23年ぶりに三重殺を食らった。試合は3-1で競り勝ったが、負けていれば敗因と指摘されても仕方ない場面。矢野監督も「本当に恥ずかしいプレーだし、あってはならない」と厳しい口調で苦言を呈すほどだった。だが、超人は一夜で失態を取り返した。2回の第1打席で大野雄から左前に運ぶと、2点を追う4回無死一、三塁では右前に適時打して反撃の口火を切り、神走塁生還で逆転を完結させた。「輝の激しい打球を見た直後だったので刺激を受けた。続きたいと思った」。ウル虎ユニホームに描かれた虎の鋭い眼光のごとく、17歳下の近大の後輩4番に負けじと獲物を仕留めた。前日からの5打席連続安打で男の意地を体現した。3連勝が今季初なら2カード連続勝ち越しも今季初めて。状態を上げ、29日から首位巨人が待つ東京ドームへ乗り込む。借金13でゲーム差はまだ12あるが、前回の3連戦でも糸井は11打数4安打、打率3割6分4厘、1本塁打、4打点と大暴れした。「とにかく毎日勝てるようにやっていくだけ」。上昇気流をつかんだチームを、40歳の元気印が引っ張る。【石橋隆雄】

◆阪神秋山拓巳投手(31)が5回5安打2失点の粘投で今季初勝利をつかんだ。2戦2敗で2軍落ちし、中18日での登板。2回に石川昂に先制2ランを許したが、それ以外は粘りの投球で0を刻んだ。2軍で真っすぐの精度アップに力を入れてきた成果を発揮した。「いや~本当に久しぶりに勝てて、みなさんの前で、勝ちに結びつくことができたのでホッとしています」。EXILE ATSUSHIへの感謝の意も込めた。昨季中にATSUSHIが自身のYouTubeチャンネルで「今年も10勝したら曲をつくってあげたい」と明かし、見事2桁勝利をマーク。約束通り「Put it on the line」という楽曲が贈られた。この日はYouTubeでミュージックビデオも公開され、秋山がユニホーム姿で登場するなどエール交換が続いている。背番号21は「僕のことで申し訳ないですけど...、このあと連絡入れておきます」と恩返しの報告を約束していた。【三宅ひとみ】

◆阪神の新勝利の方程式が、抜群の安定感で0のバトンをつないだ。1点リードの9回。岩崎は1死三塁とされたが木下、石川昂を真っすぐで見逃し三振。「今日は直球がいいと思った」。9試合連続0封で4セーブ。防御率も0・96と0台に下げた守護神は、ピンチを招いても動じなかった。5回を2失点にまとめた先発秋山を受け、6回を浜地が0に抑えると、7回はアルカンタラが危なげなく3者凡退に斬った。「秋山が試合を作ってくれていたし、救援陣で0でつなぎたかった。浜地もいい投球をしていい流れだった」。8回は湯浅だ。先頭平田に左前打を許したが、2番岡林を139キロのフォークで見逃し三振。坂本が二盗を阻止してもり立てると、最後はA・マルティネスを151キロの直球で空振り三振に仕留めた。「投手陣の皆さんが粘りながらつないで、良い流れの中でマウンドに上がることができました。(坂本)誠志郎さんにも助けていただき、結果的に0抑えることができて良かった」と会心の笑顔だ。アルカンタラは直近7試合で6ホールド。6試合連続の無失点の湯浅はチーム最多の7ホールドで、リーグ2位タイだ。3人が登板した試合は、4試合14イニング無失点の鉄壁リレーを継続中。7回アルカンタラ、8回湯浅、9回岩崎。試合ごとに安定感を増す22年版勝利の方程式が、頼もしい。【三宅ひとみ】

◆阪神ロハス・ジュニア外野手が一塁の守備練習に取り組んだ。中日戦の試合前練習で本職の外野用グラブを手に、一塁で久慈コーチの個別ノックを受けた。練習後には同コーチと通訳を交えて会話。ここまで20試合で打率2割5厘だが、3本塁打の長打力は魅力で、起用の幅を広げるための準備とみられる。その後のシートノックでは通常通り左翼を守った。

◆【日刊スポーツ西日本写真映像チームのとっておき映像プレイバック】甲子園で強い阪神。今季初の3連勝で甲子園だけなら貯金1。中日戦の4回、中野拓夢、佐藤輝明、糸井嘉男、山本泰寛ら、一気の逆転シーンをどうぞ。

◆阪神・秋山拓巳投手(31)が1軍登録され、先発する。今季は2試合に登板して0勝2敗、防御率9・35。前回は9日の広島戦(甲子園)に先発して3回7安打6失点で降板し、翌10日に登録を抹消されていた。調整期間を経て、今季初勝利を狙う。

◆中日の大島が今季初めて欠場した。27日に右膝付近に投球を受けて交代。この日はベンチ入りしなかった。球団によると打撲と診断され、今後の出場は状態を確認して決める。(甲子園)

◆阪神は二回に先制された2点を追い、四回に中日・大野雄を攻め立てた。先頭の中野が中前打で出塁し、4番・佐藤輝も右前打で続いた。初めて得点圏に走者を進めると、前日27日は3安打と活躍した糸井が初球の142キロの直球をとらえ、鋭いゴロで一、二塁間を破ってまず1点。左腕・大野雄の被打率は右打者の・182に対し、左打者が・364というなか、左のそろったクリーンアップがつながった。なおも無死一、三塁で右打者の山本も投前スクイズを決めて同点とすると、相手の一塁へのベースカバーが間に合わず出塁(記録は投前バント安打)となり、押せ押せムード。糸原が投前犠打で1死二、三塁とし、坂本が遊撃へゴロを放つと、三走・糸井が本塁突入。中日・堂上から本塁に送球されたがセーフの判定となり、中日・立浪監督のリクエスト要求によるリプレー検証の結果でもジャッジは覆らず、つなぎの野球で逆転に成功した。阪神打線はこの日、先発登板の秋山も含めてスタメンに左打者が6人、起用されている。

◆阪神は二回に先制された2点を追い、四回に中日・大野雄を攻め立てた。先頭の中野が中前打で出塁し、4番・佐藤輝も右前打で続いた。初めて得点圏に走者を進めると、前日は3安打と活躍した糸井は「テル(佐藤)の激しい打球を見た直後だったので、何とか続きたいと思っていた」と初球の142キロ直球をとらえ鋭いゴロで一、二塁間を破ってまず1点。左腕・大野雄の被打率は右打者の・182に対し、左が・364というなか、左のそろったクリーンアップがつながり、背番号7も「早い段階で点を返すことができて良かった」と喜んだ。なおも続く無死一、三塁では右打者の山本も投前スクイズを決めて同点とし、さらに相手の一塁へのベースカバーが間に合わず出塁(記録は投前バント安打)。「うまく転がってくれたので自分も塁に残ることができました。まずは同点にできて良かった」と押せ押せムードを作り出した。糸原が投前バントで1死二、三塁とし、坂本が遊撃へゴロを放つと、三走・糸井は本塁へ突入。中日・堂上から本塁に送球されたがセーフの判定となり、中日・立浪監督のリクエスト要求によるリプレー検証の結果でもジャッジは覆らず、つなぎの野球で逆転に成功した。阪神打線はこの日、先発登板の秋山も含めてスタメンに左打者が6人、起用されている。

◆阪神・秋山拓巳投手(31)が先発し、5回5安打2失点で降板した。「先制されてしまいましたが、逆転してもらった次のイニングを粘ることができて、何とか次につながる投球ができたのかなと思います」二回に石川昂に浴びた左翼2ランこそ悔やまれるものの、大崩れはせず。直球にカットボールやフォークなどを交えてコースを突き、中日打線を封じた。3得点で逆転してもらった直後の五回は堂上に二塁への内野安打で出塁され、大野雄の投前バントで1死二塁。ここで迎える平田&岡林の1、2番コンビはフォークで飛球を打たせて打ち取り、乗り切った。今季は2試合に登板して0勝2敗で、10日に登録を抹消されて以降の調整期間を経て迎えた今回の3試合目。今季初勝利の権利を手にし「このあともしっかりと応援して絶対、勝ちたい」とリリーフ陣にバトンを渡した。

◆阪神は逆転勝ちで今季初の3連勝を飾った。二回に2点を先制されたが四回は中野、佐藤輝、糸井の3連打で1点を返し、その後も山本の投前スクイズ(記録はバント安打)で同点。1死二、三塁では坂本の遊撃へのゴロで中日・堂上の本塁への送球がセーフ(記録は野選)となり、この回3点で逆転に成功した。先発・秋山は二回に石川昂に左翼2ランを浴びたもの、その後は要所を締め5回2失点。六回以降は浜地、アルカンタラ、湯浅とつなぎ、クローザーの岩崎は九回に1死三塁のピンチを招いたが木下、石川昂を連続で見逃し三振に抑えてリードを守った。秋山は3戦目で今季初勝利を手にした。

◆阪神は2点を追う四回、中野拓夢内野手(25)の中前打を皮切りに、佐藤輝明内野手(23)、糸井嘉男外野手(40)が連続して初球を右前に運び、さらに山本泰寛内野手(28)のスクイズが内野安打となり同点。この間、わずか5球で、その後1死二、三塁からの坂本誠志郎捕手(28)の遊ゴロが野選となって勝ち越した。先発の秋山拓巳投手(31)は今季初勝利。岩崎優投手(30)が九回無死二塁の窮地をしのいで、チームは今季初の3連勝となった。矢野耀大監督(53)のテレビインタビューは以下の通り(チーム成績7勝20敗1分、観衆3万5221人)。ーー最後は手に汗握る展開だった「ホント、手に汗、めちゃくちゃ握りましたし、最後は優を信じて、応援するだけでしたけど、よく投げてくれました」ーー秋山は「本当はもうちょっと調整という時間を取ろうかというところを、今ちょっと、先発陣で投げられるピッチャーがいない中で急きょ、アキにというところで、ホント、しっかりと投げてくれたと思います」ーー打線は4連打で初球攻撃もあった「打線全体がちょっと上がりつつあるところで一、三塁、一、三塁の攻撃がうまくいきましたし、山本ヤスもしっかりバントを決めてくれて。まあ、派手な点の取り方はまだちょっとできないですけど、こういう試合を取れたのは大きいと思います」ーー初球にスクイズのサイン「まあヤスは何でもできるタイプなんで、そういうところの信頼関係の中で、しっかりやってくれたということです」ーー六回以降はリリーフがよかった「開幕からなかなか形が決まらない中で、浜地、湯浅が自信を持って、頼もしく成長してくれていますし、アルカンタラ、優もしっかり持ち味を出してくれているんで、こういう形ができつつあるというのが、チームにとって大きいと思います」ーー継投が固まりつつある「浜地に関しても自信を持って送り出しているし、湯浅ももちろんそうですし、一番後ろは優という、しっかり形はできてきたと思います」ーー今季初の3連勝「苦しいシーズンですけど、その中で、みんなが何とかしようという試合が結果に結びついてきているので、明日からはジャイアンツ戦になりますが、トップを走っているチームなので、この勢いでしっかり戦っていきます」

◆阪神は2点を追う四回、中野拓夢内野手(25)の中前打を皮切りに、佐藤輝明内野手(23)、糸井嘉男外野手(40)が連続して初球を右前に運び、さらに山本泰寛内野手(28)のスクイズが内野安打となり同点。この間、わずか5球で、その後1死二、三塁からの坂本誠志郎捕手(28)の遊ゴロが野選となって勝ち越した。先発の秋山拓巳投手(31)は今季初勝利。岩崎優投手(30)が九回無死二塁の窮地をしのいで、チームは今季初の3連勝となった。矢野耀大監督(53)の一問一答は以下の通り(チーム成績7勝20敗1分、観衆3万5221人)。(テレビインタビュー)ーー最後は手に汗握る展開だった「ホント、手に汗、めちゃくちゃ握りましたし、最後は優を信じて、応援するだけでしたけど、よく投げてくれました」ーー秋山は「本当はもうちょっと調整という時間を取ろうかというところを、今ちょっと、先発陣で投げられるピッチャーがいない中で急きょ、アキにというところで、ホント、しっかりと投げてくれたと思います」ーー打線は4連打で初球攻撃もあった「打線全体がちょっと上がりつつあるところで一、三塁、一、三塁の攻撃がうまくいきましたし、山本ヤスもしっかりバントを決めてくれて。まあ、派手な点の取り方はまだちょっとできないですけど、こういう試合を取れたのは大きいと思います」ーー初球にスクイズのサイン「まあヤスは何でもできるタイプなんで、そういうところの信頼関係の中で、しっかりやってくれたということです」ーー六回以降はリリーフがよかった「開幕からなかなか形が決まらない中で、浜地、湯浅が自信を持って、頼もしく成長してくれていますし、アルカンタラ、優もしっかり持ち味を出してくれているんで、こういう形ができつつあるというのが、チームにとって大きいと思います」ーー継投が固まりつつある「浜地に関しても自信を持って送り出しているし、湯浅ももちろんそうですし、一番後ろは優という、しっかり形はできてきたと思います」ーー今季初の3連勝「苦しいシーズンですけど、その中で、みんなが何とかしようという試合が結果に結びついてきているので、明日からはジャイアンツ戦になりますが、トップを走っているチームなので、この勢いでしっかり戦っていきます」 (囲み)ーー最後はドキドキ「いやあ、しびれたね」ーー岩崎は落ち着いていた「いやあ、まあまあ気持ちはね、優だって、そんな落ち着きってよりはドキドキもあるし、緊張もあるし。それを見せないのが優の経験といいところだと思う。一番苦しい場面でコーナーをしっかり投げる素晴らしい投球をしてくれました」ーー先週も1点差を取っていかなといけないと話していた「そやね。ほんまはもっと点取って勝ちたいのは、もちろんそうなんだけど、まあでも、まだなかなかそういう状態ではない部分もあるんで、そういうところでは、どんな形でも点取って勝つということがチームにとって大事なんで。昨日今日とね、そういう試合が出来たんで。1人1人の状態も上がりつつはあると思っているんで。いい方向に行ってくれると信じています」ーーバントも含めて初球攻撃でリズムがよかった「まあ、流れもあるしね。そういうところで、いい流れで、みんなが決めてくれているというところもあるし、みんなが積極性というか、そういうところも出てきているのかなと思います」ーー大野雄は初球にストライクが多かった「初球ストライクが多いというか、もともとコントロールが荒れてというピッチャーじゃないしね。追い込まれたら簡単なピッチャーではないんで。そういうところでは、早いカウントの早いボールが一番チャンスがあるというところで、しっかり、みんな、それを仕留めてくれたと思います」ーー継投に自信が出てきたのでは「さっき言ったように浜地もね、抑え方も。なんていうかな、浜地ぺーースで浜地のボールで相手のスイングをさせない仕留め方ができているので、頼もしいし。湯浅もランナーを出してからでも落ち着いて投げてくれるようになってきたし、アルカンタラも昨日より状態良かったなという感じがあるので。そういうところは自信持って送り出しています」ーー28日から巨人戦「やっぱピッチャーが頑張ってくれるのが、今はどうしても必要になるので。そういう所では、ヤギが、やっぱり先発が頑張ってくれて、という試合になると思うので。その中で打線をどうつなげていくかという、そういう試合を全員で。ピッチャーもバッターもつないで、粘ってやっていくしかないので。そういう野球をしたいと思います」

◆近鉄、西武で主砲として465本塁打&2452安打をマークし、西武コーチ時代には清原和博らを育てたサンケイスポーツ専属評論家・土井正博氏(78)は左腕・大野雄に対し、中野、佐藤輝、糸井の3人をクリーンアップに並べた矢野監督の采配を高く評価。つなぎの徹底をチームに求めた。私も中日コーチ時代に大野雄という素晴らしい投手をベンチから見守ってきたが、どちらかと言えば左打者に投げにくそうにする傾向があった。性格的な影響か、左打者の内角を思い切って突けないケースが時折見られたのだ。対大野雄に左を並べるのは意外に有効だと思っていた。マルテ、大山らの体調面の事情があったとはいえ、クリーンアップをすべてに左にした打線は正解だった。相手の嫌がることをして、精神的な部分でアドバンテージを握れたはずだ。そして徹底したつなぐ攻撃が結実した。一発があるのは4番・佐藤輝、5番・糸井ぐらい。あとは長打は望めない。その代わりに足を絡めた攻撃ができるメンバーがズラリと並んだ。彼らがファーストストライクを見逃さない積極性と徹底したゴロ狙い、徹底したセンター返しを忠実に実行していた。連敗していた時期の大雑把な攻撃は完全に消え去っている。この形ができていれば、大きく負け越すこともないだろう。逆転した四回は初球からの積極性でチャンスを作り、一転してバント攻撃を展開するなど、お手本のような攻撃だった。これも足のある選手が多いからこその作戦だ。今の阪神は投手陣が非常に安定してきており、少ない点数でも接戦に持ち込めば十分に勝てるチームになってきている。ということは、現状のしぶとい、つなぐ打線でも戦えるのだ。1つ1つ借金を返していかなければいけない今の時期は、長打を狙うより、スモールベースボールでコツコツ点を取る方が効果的。ただしフルシーズンをこのメンバーで戦うわけにはいかない。いずれ戻ってくる大砲たちの力を借りなければいけない時期が必ず来る。融合できた時が、本当の反攻の時と言っていいだろう。

◆中18日で1軍マウンドに立った阪神・秋山拓巳投手(31)が5回5安打2失点にまとめて、今季初勝利。チームを今季初の3連勝へと導いた。「何か...僕のことで申し訳ないですけど、この後、連絡を入れておきます」勝利のお立ち台から親交のある人気ダンス&ボーカルグループ、EXILEのATSUSHIへのメッセージだ。本拠地でマウンドへ向かうときの登場曲「Put it on the line」を作ってもらった。この日は、ミュージックビデオがEXILEのYouTubeチャンネルで公開された。秋山がブルペン投球するシーンや野球少年の帽子にサインをする映像も収録されている。メモリアルデーにぶざまな投球はできなかった。「開幕から迷惑をかけていたので、なんとか勝てるピッチングをするということを心がけてマウンドに上がった。ホッとしています」二回1死一塁から石川昂に投じたカットボールを左翼席に運ばれて2点を先制されたが、ここから踏ん張った。3-2と逆転した直後の五回、先頭の堂上に二塁内野安打で出塁されたが無失点に抑え、救援陣に託した。開幕ローテ入りするも昨季5勝を挙げた広島相手に2戦2敗。9日の同戦(甲子園)で3回6失点KOされ、翌10日に2軍降格となった。だが、小川が右肘の張りで25日に出場選手登録を外れたため、2軍で実戦マウンドを経ず、この日の先発となった。矢野監督は「先発で投げられる投手がいない中、急きょ、アキ(秋山)に。しっかり投げてくれた」と感謝した。26日に31歳となった秋山は「気持ちを新たにと思っていたので。これをいいスタートと捉えて、また、次から頑張っていきたい」と決意表明。これから巻き返してATSUSHIを驚かせてみせる。(三木建次)

◆1―2の四回無死一、三塁でセーフティースクイズを成功させたのは「6番・一塁」でスタメン出場の山本。小技で流れを呼び込んだ。「決まって良かったなというホッとした気持ちと、これが勝ちにつながったので、それは素直にうれしいなと思います」中軸の3連打で1点差。なお続くチャンスで出されたサインにも動じることなくバットを寝かせ、初球で決めた。白球を一塁線に沿って転がすと、大野雄が捕球しても一塁ベースはガラ空きで、Hランプまで灯した。ムードをつくると糸原が送りバントで1死二、三塁とし、坂本の遊ゴロ野選で勝ち越し。この回、ここまでわずか9球で逆転した。〝小粒打線〟の本領発揮だった。左足負傷の大山はベンチ待機が続く中、山本は代わって一塁の穴を埋める。「出ている選手でやるしかない」という中で持ち味のしぶとさを生かしながら、3試合連続安打。小技が決まれば自信にも変わる。「またああいう場面が来たら、一回しかないので、しっかりといい準備をして試合に臨みたいと思います」。次は古巣の首位巨人との激突。いやらしい活躍でも、成長した姿を見せる。(須藤佳裕)

◆「七回の男」のアルカンタラも1回無失点。「先発の秋山がしっかりとゲームを作ってくれていたし、あとはリリーフ陣のみんなでゼロでつなぎたいという気持ちだったよ」と2三振を奪い、14球で締めた。「浜地も良い投球だったし、良い流れでマウンドに上がることができたことが、良い投球につながった」。救援陣同士でも刺激を与え合い、これで6ホールド目だ。

◆ピンチになればなるほど頼もしさが際立った。1点リードの九回2死三塁のピンチでも阪神・岩崎優投手(30)は動じない。石川昂の内角いっぱいに直球をズバッと突き刺し、ゲームセット。貫禄の投球で歓喜の瞬間を呼び込んだ。「『勝つことができてよかったです』。(同学年の秋山)アキが投げていることは分かっていましたけど(心境は)いつも通りです。すみません」お立ち台では今シーズンのお決まりのフレーズを口にし、同じ1991年生まれで5回降板の秋山を「もうちょっとイニングを投げてもらえたら助かります、これからよろしくお願いします」とイジッて笑わせた。見せ場は3-2の九回。先頭のビシエドに140キロを左中間へ弾き返され、無死二塁。代走に加藤翔を出されて単打なら同点、一発が出れば逆転の可能性もあったが、ここから本領発揮だ。粘る阿部を10球目の143キロで一ゴロ(走者は三進)に仕留め、木下は2ボールから追い込み、外角低めへの145キロで見逃し三振。腰をくの字に曲げて悔しがる打者を後目に虎の守護神は吠えた。「一瞬そうなってしまいましたけど、まだ終わったわけじゃなかった。そこはまた切り替えて次の打者に臨みました」この日先制2ランを放った石川昂を渾身の144キロ直球で見逃し三振に斬った。2連投で1回1安打無失点で締め、今季4セーブ目を挙げた。昨季の絶対的守護神スアレスが抜けたブルペン陣は、シーズン序盤から苦戦した。新守護神として期待されたケラーは2軍落ちし、22歳の湯浅も現在は「八回の男」を務めている。九回を託されている左腕は「去年1年間やってきて、もっとこうしとけばよかったなというのもあります。伝えられるところは(他の投手に)どんどん伝えて」と責任感を増し、今シーズンに臨んできた。マウンド上でも舞台裏でも投手陣を引っ張る背番号13が締め、チームはさらに乗っていける。矢野監督は「緊張もある。それを見せないのが(岩崎)優の経験といいところ。一番苦しい場面でコーナーをしっかり投げていくすばらしい投球」とたたえ、岩崎も「目の前の試合を大事にして、一戦一戦頑張っていきます」と力を込めた。黙々と仕事をこなし、連勝街道へ導く。(新里公章)

◆不惑の超人がみそぎの激走! 阪神は3-2で中日に逆転勝ちし、今季初の3連勝を飾った。前夜、ボーンヘッドで三重殺を食らう〝主役〟になった糸井嘉男外野手(40)が、四回に適時打&決勝ホームインの大活躍。しぶとく勝った勢いで東京ドームに乗り込み、首位巨人に挑むで~。戻れなかった、もう戻れない日のことは振り返らない。だから、超人は突き進んだ。長く強い、これまで幾多のタッチをかいくぐってきた左足を差し込み、生きた。激しく反撃開始を告げる適時打と、激烈スライディングの決勝生還で、糸井が前夜の屈辱の〝みそぎ〟を済ませた。「前に転がったら絶対にホームにかえってくると思って準備していたので、勝ち越しができてよかったです」難敵・大野雄を攻め、0-2から糸井自身の適時打などで同点とした四回。なおも1死二、三塁で、坂本が放った遊撃正面への当たりで、超人は猛然と本塁へ突入した。飛ぶように滑り込み、遊撃・堂上からの送球がやや一塁方向へそれると、やや体をねじりながら、超人的な動きで本塁プレートへと左足をねじ込んだ。糸井と球審、ネクストで用意していた原口までもが、ほぼ3者同時に両手を広げた。前夜、三重殺に泣いた男のこのハッスルが、虎に今季初3連勝をもたらした。前日27日の同戦では、1点リードの四回に屈辱的なシーンの主役になった。無死一、二塁の二走だったが、アウトカウントを勘違いしたのか、一塁ライナーゲッツー後にベンチに帰るような動きをしているうちに、二塁アウトに。矢野監督にも「あれは本当に恥ずかしいプレー」と言われてしまった。前夜は〝異様な光景〟が何度も映しだされるリプレー検証の時間を過ごした。この日のスライディングもリプレー検証されたが、何度も再生されたのは通算300盗塁を誇る男の、意地と〝みそぎ〟の走りそのもの。判定が変わることはなかった。 チームにとっても、屈辱的な敗戦続きから立ち上がる初の3連勝になった。糸井の激しい躍動によって、周囲もますますノッていく。超人は前日も今季3度目の猛打賞をマークしていたが、この日チームに1点目をもたらした適時打は自身5打席連続安打だった。目の前で痛烈右前打を放った佐藤輝に続いての初球撃ちを「テルの激しい打球を見た直後だったので刺激を受けましたし、続きたいと思って打ちました」と振り返った。2試合連続マルチ安打で出場5試合ぶりの打点もマークした。3試合連続で5番に起用され、各球団から徹底マークされつつある近大の後輩・佐藤輝を、糸井らしく支える。打線全体を見れば苦しいが、矢野監督も「どんな形でも点を取って勝つということが大事。きのうきょうと、そういう試合ができた」と語る。ここでつかんだ今季3度目で2試合連続の逆転勝ちを、大きな流れに変えなくてはならない。29日からは12ゲーム差離されている首位巨人との3連戦だ。糸井も「とにかく毎日勝てるようにやっていくだけ」ときっぱり。屈辱は東京ドームへは引きずらず、ぬぐい去った。この日懸命に本塁へ足を伸ばしたように、誰より激しく勝利に胸を焦がし、1勝をつかみに行く。★27日の三重殺VTR 中日戦(甲子園)の四回無死一、二塁から高山のライナーを一塁・ビシエドが捕球し、一走の山本が戻る前に一塁ベースを踏んで2死。二走の糸井はアウトカウントを勘違いしたか、ベンチへ戻るしぐさをみせており、ビシエドが二塁ベースに入った遊撃・京田に送球して3つ目のアウトを奪った。阪神が三重殺を完成されたのは23年ぶり11度目(1リーグ時代を含む)だったが、試合は3-1で勝利した。

◆球審よりも〝よく見えそうな位置〟に、次打者(正確には、次打者の準備をしていた)原口がいた。球審より低い姿勢で、そして球審より早く、両手を広げた。セーフ!四回1死二、三塁。坂本の遊ゴロが野選を呼んで逆転。中日がリクエスト要求したほどの微妙な判定だったが、球審のジャッジも、原口のジャッジも正確だった。ファーストストライクを徹底して振り、好機を迎えると、今度は一転、バント攻撃。タイガースはこんな攻撃ができるんだ。流れるような攻撃シーンを、記者席で感心して眺めていた。同時に、絵になる「原口のセーフ!」写真を紙面で使えるなぁと勝手に思った。なんと言っても、マウンドにいたのが、難敵の中の難敵、難攻不落といってもいい中日のエース大野雄大だったから、この逆転劇は倍うれしい。大野雄が阪神戦で登板するたびに、いつも思うのだ。あの年、阪神がドラフト1位指名していたら、どうなっていたんだろうか、と。2010年10月28日。この私も仏教大キャンパスで、大野の取材をしていた。目の前の金の卵が熱狂的な阪神ファンだということはすでに知れ渡っていた。12球団が1巡目を入札。その時点で、大野雄を指名したのは中日のみだった。選択確定。仏教大が生んだ屈指のサウスポーの運命は決まった。競合による他球団の抽選は続いていたが、「中日・大野」は即座に会見。さらに、囲み取材。プロへの抱負を口にしていた大野が、突然、報道陣に逆質問した。 「阪神は誰を指名したんですか?」本当にタイガースを愛しているんだなぁとほほえましくなった。ちなみに、虎の1位は榎田大樹(東京ガス)。阪神、西武でも活躍し、ことし1月、引退した。参考までに2位・一二三慎太(東海大相模)、3位・中谷将大(福岡工大城東、現ソフトバンク)...。この年、育成枠を含めて8人が入団。現在もタテジマに袖を通しているのは育成2位・島本浩也(福知山成美)ただ1人。時の流れを感じる。大野雄のカッコ良さは、竜戦士となって、大好きな虎に思いっきり牙を剥いていること。この日の1敗を含めても、12年間で15勝9敗と大きく勝ち越している。記者席にはサンスポの新入社員コンビの姿も。運動部の研修名目で観戦していた。この2人、阪神選手が打つたびに拍手、また拍手。とんでもない虎党だ。ここ数年、入社してきたヤツらより1ランク上の熱狂度。意地悪な質問をしたくなった。もし将来、運動部に配属されて、阪神以外のチームの担当記者になったら? と。1人でも甲子園に応援に来ていたという丸橋正宣は「阪神が一番いいですし、巨人だったら一瞬、エッと思いますが、どこでも頑張ります」。沖縄、安芸のキャンプ地まではせ参じる筋金入りの佐藤亜未も「プロ野球に携われるのなら、どこでも」。愛するチームが敵となっても-。2人とも、大野雄と一緒だった。〝大野級〟の立派な新入社員が来てくれたようだ。七回表に代打を送られることなく完投した大野雄。竜の背番号「22」は、もはや全国公認の大エースだ。エッ、タテジマの「22」も似合う? それは、まだ言わないことに。

◆3連勝! 3連勝! さあ、虎の大逆襲の始まりやー!!秋山が先発の役目を果たす5回2失点。六回から浜地-アルカンタラ-湯浅-岩崎と継いで、1点差を守り抜いての勝利!! う~ん、『ディフェンスは最大の武器なり!!』。打線が目覚めるまでは、これを阪神の白星スタイルとするので、虎投諸君、踏んばってくださ~い!!助っ人のマルテはけが。中心打者の大山は足の負傷による欠場ときているのだから、攻撃スタイルは「僅少差競り勝ち型」に変えていかなければならないのだが...。できとるや~ん! 本日の四回、山本のセーフティースクイズ(記録は内野安打)、さらに京田のフィルダースチョイスを誘う40歳糸井さんの三塁からの激走。こーいうスモールベースボールよりも細かい『猛虎ミクロベースボール』を徹底すれば勝率5割だって、遠い夢ではないのだ!さあ、29日から首位・巨人との3連戦。全てスクイズによる1-0の勝利が見たい~!!

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
2090 0.690
(↑0.011)
-
(-)
114131
(+7)
98
(-)
33
(+2)
12
(+1)
0.256
(↑0.002)
2.910
(↑0.1)
2
(-)
広島
15111 0.577
(↓0.023)
3.5
(↓1)
116118
(+5)
92
(+9)
9
(+1)
7
(-)
0.257
(↓0.001)
3.220
(↓0.22)
3
(1↑)
ヤクルト
14120 0.538
(↑0.018)
4.5
(-)
11799
(+9)
105
(+5)
26
(-)
11
(+2)
0.231
(↑0.001)
3.430
(↓0.06)
4
(1↓)
中日
12120 0.500
(↓0.022)
5.5
(↓1)
11986
(+2)
88
(+3)
17
(+1)
8
(-)
0.254
(-)
3.470
(↑0.01)
5
(-)
DeNA
10140 0.417
(↓0.018)
7.5
(↓1)
11985
(-)
110
(+7)
18
(-)
10
(-)
0.244
(↓0.005)
4.190
(↓0.12)
6
(-)
阪神
7201 0.259
(↑0.028)
12
(-)
11579
(+3)
105
(+2)
20
(-)
15
(-)
0.230
(↑0.001
3.680
(↑0.06)