阪神(☆3対1★)中日 =リーグ戦4回戦(2022.04.27)・阪神甲子園球場=
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中日
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阪神
01101000X3800
勝利投手:西 勇輝(2勝1敗0S)
(セーブ:岩崎 優(0勝0敗3S))
敗戦投手:勝野 昌慶(0勝1敗0S)
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◆阪神は1点ビハインドの2回裏、相手失策の間に走者が生還し、同点とする。続く3回には、無死一三塁から糸原の内野ゴロの間に1点を挙げ、勝ち越しに成功した。投げては、先発・西勇が6回1失点10奪三振の好投で今季2勝目。敗れた中日は、攻守に精彩を欠いた。

◆5勝20敗1分けで最下位に沈む阪神は27日(水曜日)、28日(木曜日)と甲子園で中日戦を戦う。開幕から1カ月を終えた今季の曜日別の勝敗を見ると...。【22年阪神の曜日別成績】★火曜日=1勝3敗★水曜日=0勝4敗★木曜日=0勝3敗★金曜日=2勝2敗1分★土曜日=1勝4敗★日曜日=1勝4敗水曜日と木曜日がまだ0勝。開幕から苦闘が続く中でも特に低調なこの両日で白星をゲットできるか。27日先発の中日勝野は昨年4月28日の阪神戦(バンテリンドーム)以来、約1年白星がない。28日先発予定の大野雄は阪神戦通算15勝8敗だが、阪神は昨年から2連勝中で、苦手を克服しつつある傾向はうかがえる。ちなみに、優勝争いした昨季の曜日別勝敗は次の通り。【21年阪神の曜日別成績】★月曜日=2勝0敗★火曜日=13勝10敗2分★水曜日=10勝10敗4分★木曜日=10勝9敗1分★金曜日=13勝9敗1分★土曜日=14勝8敗1分★日曜日=15勝10敗1分昨季も今季も、週末の方が勝利の確率が高いデータが出ている。

◆左足の負傷で出場が危ぶまれている阪神大山悠輔内野手(27)が試合前練習でフリー打撃を行うなど元気な姿を見せた。芝生上で軽いダッシュをした後、ベースランニングで状態を入念に確認。その後、前日には控えていたフリー打撃回りに入り、力強いスイングで柵越えを連発した。大山は24日のヤクルト戦(神宮)で走塁の際に左足を痛めた。矢野燿大監督(53)は雨天中止になった前日26日の試合は欠場予定だったことを明かしていた。

◆阪神は24日ヤクルト戦(神宮)で左脚を痛めた大山悠輔内野手(27)をスタメンから外した。試合前、井上一樹ヘッドコーチ(50)は「打撃は問題ない。あとは走る。でもチャンスがあれば『ここで』というような代打的なものは考えている」と話した。まだ、走塁、守備などでの瞬発的な動きに不安を残すが、代打の切り札となりそうだ。大山に代わって4番には打撃好調の佐藤輝明内野手(23)が入った。4番は4月13日の中日戦(バンテリンドーム)以来11試合ぶり。3番はプロ初となる中野拓夢内野手(25)が務める。プロ2年目コンビで組む初の3、4番で今季2度目の連勝を狙う。一塁には山本泰寛内野手(28)が6番で入った。7番右翼には今季3度目のスタメンとなる高山俊外野手(29)が起用された。先発の西勇輝投手(31)は、前日26日の中日戦が天候不良のため中止となりスライド登板となる。この日は夏恒例のイベント「ウル虎イエローユニホーム」のお披露目試合。派手なユニホームで派手に勝利をつかみたい。

◆「三塁、白井」のコールに甲子園の観衆がざわついた。ロッテ佐々木朗希投手(20)に対し、注意喚起のために試合中に詰め寄り話題になった白井一行審判員(44)が三塁の塁審で出場した。同審判員は24日のオリックス-ロッテ(京セラドーム大阪)で球審を務めた。10日に完全試合を達成するなど佐々木朗への注目が全国的に高まっていた中、白井氏はストライク、ボール判定に対して不服そうな態度をとった同投手のもとに詰め寄った。日本プロ野球機構は26日に、検証を踏まえて「別の方法で対応するべきだった」との見解を示していた。

◆中日大島洋平外野手(36)が5回2死二塁の第3打席で、カウント1ボール2ストライクから阪神先発西勇の144キロ直球を右膝外側に死球を受けた。倒れ込んだ大島は、肩を貸されながら苦悶(くもん)の表情でベンチへ。グラウンドに戻ることなく、岡林が代走に送られた。大島は26日まで打率3割6分2厘でセ・リーグ打率1位を守っていた。

◆中日先発の勝野昌慶投手(24)が5回途中で緊急降板した。4回まで味方の失策などもあったが4安打2失点と粘っていたが、5回1点を失い2死三塁で阪神中野へ2球目を投じた後に、ベンチへ合図。トレーナーらが駆け寄り、腰をサポートするようなしぐさで、立浪監督も心配そうに見守る中でベンチに戻り、福と交代した。勝野は18年ドラフト3位で三菱重工名古屋から入団。19年にヘルニアを発症したが、20年途中から1軍に合流。13試合4勝と活躍した。21年は3勝止まり。今春キャンプ直前に腰の違和感から2軍キャンプスタートも、開幕ローテ入りをつかんでいた。

◆開幕から歴史的な低迷を続ける阪神が、まさかの大失態を犯した。2-1の4回は無死一、二塁と一気に突き放すチャンス。高山のとらえた打球は運悪くライナーで中日の一塁ビシエドのグラブへ。一塁走者の山本も戻れず一気に2死...。甲子園の虎党から、大きなため息が漏れた。さらに、ここで目を疑う凡ミスが起きた。二塁走者の糸井がアウトカウントを間違え、とぼとぼとベンチに戻ろうとしていた。数秒たって気づいたビシエドから転送され、糸井は大慌てで戻ったがアウト。三重殺が記録された。矢野監督はリクエストしたが、判定は覆らず、表情は失意に満ちていた。阪神が三重殺を食らうのは99年5月27日の中日戦(富山市民)以来。このときは1回表の無死一、二塁から新庄が三ゴロを打ち、三塁(ゴメス)-二塁(立浪)-一塁(山崎)と転送された三重殺だった。この中日3連戦は、夏の人気シリーズ「ウル虎の夏2022」で着用するサードユニホームを先行で披露するカード。実は、春のお披露目シリーズはここ4年連続で勝ち越してきた(20年はお披露目シリーズなし)。本番の「夏」よりも強い春のラッキーシリーズとして認知されており、ファンの期待も高まっていた。2回の同点シーンは相手の適時失策。3回の勝ち越し点も敵失がらみでもらった。前回対戦で好投されていた中日の先発勝野は5回途中に負傷降板。阪神を後押しする要素ばかりが続いていた。中盤までに勝負をつけていてもおかしくない展開だった。▼中日が4回に三重殺を完成させた。三重殺は今年4月10日西武がソフトバンク戦で記録して以来プロ野球174度目、セ・リーグ61度目。中日では00年5月14日広島戦以来、22年ぶり12度目。

◆阪神が三重殺を食らいながら勝った。トリプルプレーをされながらの勝利は、大阪タイガース時代の1957年(昭32)7月24日の広島戦(広島)以来、球団では65年ぶり3度目だ。今季水曜日初勝利となった。阪神が敵の拙守に乗じて着実に加点し、今季2度目の2連勝になった。2回2死二塁で高山の遊撃へのゴロを京田が後逸。適時失策になって、同点に追いついた。3回は先頭西勇の二塁へのゴロを阿部が一塁悪送球で二塁進塁(記録は二塁内野安打と失策)。西勇は勝ち越しの走者になった。5回は1死二、三塁で糸原の遊ゴロの間に生還。貴重な追加点になった。先発西勇も1回に1点を失ったが、2回以降は立て直して6回1失点。今季2勝目を収めた。中日には今年3連敗中だったが、負の流れを断った。投打ともに奮闘したが、実は「勝ちに不思議の勝ちあり」だった。1回、阿部に許した先制適時二塁打は落下地点に達していた右翼高山のグラブをかすめたものだった。4回無死一、二塁では高山の一直に走者の飛び出しが重なり、99年5月27日中日戦(富山市民)以来、23年ぶりの三重殺を食らっていた。バタバタしながらも継投で逃げ切りに成功した。4月15、16日の巨人戦(甲子園)以来の連勝になった。

◆阪神は西勇が6回で10奪三振、5安打1失点の力投で2勝目を挙げた。0-1の2回に失策で追い付き、3回は無死から連打で攻めて糸原の二ゴロで勝ち越し。5回は糸原の遊ゴロで加点した。今季水曜日初勝利となった。中日は序盤の拙守が失点につながった。

◆阪神西勇輝投手(31)が粘りの投球で今季2勝目を挙げた。1回に連打されて先制の1点を失ったが、2回以降は立て直した。走者を出しても踏ん張る。6回は宝刀の内角シュートがさえた。先頭のA・マルティネスを空振り三振。阿部も懐をえぐって、空を切らせた。2死一、三塁のピンチを招いたが、内角シュートを意識する石川昂の裏をかいて外角スライダーを引っ掛けさせて遊ゴロに片づけた。序盤のリードを守り、6回1失点だった。お立ち台で「全員のバックアップで投げきることができた。みんな、ダッグアウト、ベンチ裏でも勝つ気持ちが強い。なかなかチームは前半、勝てない試合が多い。フラストレーションもたまるのがファンの皆さんもあったと思う。巻き返すしかない。全員、勝つ気持ちは失っていない」と声を張り上げた。▼阪神の西勇が甲子園での中日戦で負けなしの5勝目。いずれも先発で2度の完投勝ちがある。敵地では6戦で1勝4敗と苦しんでいるが、甲子園では対照的に相性が良い。この日は10三振を奪った。西勇の2ケタ奪三振は20年10月8日広島戦以来で、オリックス時代も含めて甲子園で自身最多の奪三振数となった。

◆中日大島洋平外野手(36)が、阪神4回戦(甲子園)で途中交代した。5回2死二塁で阪神西勇から右膝外側に死球を受け、代走岡林と交代した。大島は打率3割5分4厘でセ・リーグ打率1位。試合途中に病院で検査し、骨には異常がなかったため、28日の状態を確認して今後を判断する。また、先発した勝野昌慶投手(24)も5回途中に左脇腹を痛め途中降板。28日に登録を抹消される見込み。

◆阪神ラウル・アルカンタラ投手が勝利の流れを作った。2点リードの7回に登板。1死一塁からスプリット系で岡林を左飛に抑え、鵜飼も中飛に片づけた。「0点に抑えて次の投手につなぐことが求められている中で、今日も仕事ができてうれしい。前回は真っすぐの制球がイマイチだったけど、今日は両サイドに制球できていたし、状態もいい」。4月8日広島戦から6試合7イニング連続無失点。必勝継投の一角として存在感を示した。

◆阪神が今季2度目の2連勝を挙げた。1点を追う2回に相手の適時失策で同点に追いつくと、3回も敵失が絡んで1死一、三塁とし、糸原の二ゴロで勝ち越し。5回にも2死二、三塁から糸原の遊ゴロで1点を加点した。4回には23年ぶりの三重殺を食らい、指揮官は「アレは本当に恥ずかしいプレーやしね」と嘆いた。矢野燿大監督(53)の一問一答は以下の通り。(TV)-2連勝。神宮とは勝ち方が違ったが、今日の試合を振り返って「ちょっとね、大山もね、ちょっと足の状態もよくなかったですし。苦しいメンバーにね、状態になってますけど、そのなかで勇輝がよく粘ってくれて、バッター陣もきれいな点の取り方じゃないですけど、逆にこういう点の取り方が今まで少なかったんで。ある意味いい攻撃ができたかなと思います」-大山は展開次第では代打も考えていた「そうですね。代打は考えていました」-糸原の内野ゴロで2得点した「そうですね。何とかしようという気持ちも、健斗もよく出ていましたし。そういうところではあの点というのは流れ的にも大きかったんでね。そのほか守備とか走塁でちょっとプロとして恥ずかしいというかそういうプレーもありましたけど、それは勝てたってことで済ますのではなく、しっかり今後やっていきたいなと思います」-西勇を6回で交代「ちょっと体の張りもあったんで。そういうところで代えました」-その中でリリーフがきっちり抑えた「そうですね。その中でやっぱり湯浅がね、本当に堂々と力強いボールを投げて、登板ごとに成長している感じがあるんで。本当に頼もしくなってきています」-中野3番など打線も考えた「まあね、いろいろ悩んで考えた結果です」-3戦目へ向けて「まずはアキ(秋山)も久しぶりの登板になりますけど、頑張ってもらって。打線の方もね、きょうもしぶとい点の取り方をできましたけど、そこにプラスアルファね、タイムリーやホームランをね、そういう攻撃が見たいです」?(囲み取材)-1つのアウトで進めるなど、そういう攻撃が見られた「うん、さっきも言ったように、しぶとい、きれいなタイムリーじゃないところの点というのは今年あんまり生まれてなかったんでね。そういうところではケント(糸原)が2打点挙げてくれたっていうのが出来たっていうのは、そういうところにつながってるんじゃないかなと思うんだけど」-西勇は初回に最少失点で耐えた「もちろん、(高山)俊だって何も抜いたわけじゃないんだけど、あこまで行ってあこまでグラブに当てるっていうのはやっぱり捕ってやってほしかったし、でもその後、やっぱり勇輝が踏ん張ったというところも大きいので。今日は全体的にボールも良かったし、気持ちもいつも通り向かっていってるというのが強かったし。もしかしたら今シーズン一番いいのかなというくらいの感じかなと思っていた」-三重殺で流れが変わりそうなところ次の回に粘った「そうやね。アレは本当に恥ずかしいプレーやしね。あってはならないプレーやと思うんで。そういうところ、本当に流れがあるんでね、俺もやだなと思って見ていたけど、本当に勇輝がよく粘ってくれたと思う。ゲームの中の流れとしては大きい」-3番中野「まあまあ、正直いるメンバーでどうするかを考えた中での3番です」-原口は出番がなかったが期待するところは「めちゃめちゃベンチで声を出してくれているよ。一番ね、フミ帰ってきたんやなというのがあきらかにわかるっていうかね。そういうムード作りというかプレーでもね、活躍してもらいたいけど、まず今日はフミの存在というのが声でベンチをもり立ててやってくれたなというところです」

◆中日は00年以来の三重殺を完成させながら、黒星を喫した。初回1点を先制も京田、阿部が失点に絡む失策。三重殺を成立させながら敗れたのは、球団では76年以来46年ぶり。立浪監督は「久しぶりの土のグラウンドで痛いエラーが出た。ミスしたらこうして負ける」と唇をかんだ。リーグ首位打者の大島が死球を受け、先発勝野は脇腹を痛めてともに途中交代。踏んだり蹴ったりの黒星となった。

◆阪神湯浅京己投手がチーム最多の6ホールド目を挙げた。2点リードで中軸を迎える8回に登板。無死一塁でビシエドをフォークで遊ゴロ併殺打に片づけるなど、5試合連続無失点投球だ。「絶対にゼロで抑えて岩崎さんにつなぐ気持ち」。必勝リレーの中で、安定感が出てきた。矢野監督も「湯浅が本当に堂々と力強い球を投げて、登板ごとに成長している感じがある。本当に頼もしくなってきています」と目を細めていた。

◆阪神がウル虎逆転勝ちで、2連勝を飾った。4回に三重殺を食らったが、試合の主導権は渡さず、適時打0本ながら3点を奪った。三重殺を喫しながら勝ったのは、大阪タイガース時代の57年以来、65年ぶり。開幕から歴史的低迷に苦しむ猛虎が、流れを変える1勝をつかんだ。天国のノムさんも苦笑いでつぶやいているだろう。勝ちに不思議の勝ちあり、と。適時打ゼロで3点。まさかの三重殺を食らいながらも、白星を手にした。目を疑うようなシーンだった。1点リードで迎えた4回の攻撃は無死一、二塁の大チャンス。一気に突き放したい場面だ。高山がうまくとらえたライナーは運悪く一塁ビシエドのグラブへ。一塁走者の山本は戻れず併殺...。甲子園の歓声は悲鳴と変わった。ここから、さらなる"悲劇"が起きた。二塁走者の糸井がチェンジと勘違いし、とぼとぼと一塁側ベンチ方向に歩いていた。気づいたビシエドから転送され、マウンド後方にいた糸井は大慌て。通常ではあり得ない本塁側からのスライディングで帰塁したが間に合わない。たった6秒でアウトカウントが3つ飛んでいった。矢野監督はリクエストしたが判定は覆らない。球審に向け、両手で四角を作る表情には失意がにじんだ。「本当に恥ずかしいプレーだし、あってはならないプレーやと思う。流れがあるんでね、俺もやだなと思って見ていた」リードしているのに漂う絶望感。誰よりも矢野監督が感じていた。それでも勝てるのが野球だ。2回の同点シーンは高山の遊ゴロを相手が失策したもの。3回の勝ち越し点は敵失で作ったチャンスで糸原の二塁ゴロ。5回の追加点も糸原の遊ゴロ。ことごとく敵失を生かした野手陣の粘りでもあった。大山が欠場し、中野を初めて3番に置く新オーダー。転がして、転がして、適時打なしで3点を奪った。「苦しいメンバーの状態になってますけど、その中で勇輝がよく粘ってくれて。きれいな点の取り方じゃないけど、逆にこういう取り方が今まで少なかった。健斗(糸原)が2打点を挙げてくれた。ある意味、いい攻撃ができたかなと」。指揮官は苦しい中でも泥臭くホームを目指した野手陣をたたえた。阪神が三重殺を食らったのは野村克也監督だった99年以来。三重殺されながらも勝てたのは、大阪タイガース時代までさかのぼり、球団65年ぶりの珍事だ。開幕から歴史的な屈辱にまみれた1カ月。散々苦しんできた分、こんな日もあっていい。【柏原誠】▼阪神が三重殺を喫したのは、球団史上11度目。99年5月27日中日戦での新庄剛志の三塁ゴロ以来、23年ぶり。三重殺を食らったチームの白星は、21年8月14日に楽天が西武に勝って以来。阪神では、57年7月24日の広島戦以来65年ぶり。この試合では6回に石垣一夫の左直が三重殺となったが、田宮謙次郎が満塁本塁打を放つなど15-1で大勝。三重殺のショックを吹き飛ばした。▼矢野監督が就任した19年以降、阪神は試合中止の次戦で12勝6敗1分け、勝率6割6分7厘の好成績だ。今季は4月7日のDeNA戦が新型コロナウイルスの影響で中止となり、次の8日広島戦に引き分けていた。好相性は復活なるか。?○...岩崎が落ち着いたマウンドさばきで3セーブ目を挙げた。9回1死後、京田に左前打を許したが代打平田を遊直に片づけた。岡林も力勝負で二ゴロに仕留め、試合を締めた。「勝つことができてよかったです」とおなじみのセリフ。3月29日の広島戦(マツダスタジアム)から8試合連続無失点に延ばし、防御率は1・08まで下げた。○...左脚を負傷した大山は今季初めて欠場したが、大事には至らなそうだ。試合前はフリー打撃で快打を放つなど状態は良好そう。走塁練習で負荷をチェックし、明るい表情も見せた。矢野監督は試合後「ちょっと足の状態がよくなかったけど、代打は考えていた」と明かした。24日のヤクルト戦(神宮)で走塁の際に左脚を痛め、中止になった26日も欠場予定だった。〇...運を呼ぶウル虎の「春」だ。この中日3連戦は、夏の人気シリーズ「ウル虎の夏2022」で着用するサードユニホームを先行で披露するカード。今季は節目となる同イベント10シーズン目で、過去9年の歴代ウル虎ユニホームを組み合わせた。実は、春のお披露目シリーズはここ4年連続で勝ち越してきた(20年はお披露目シリーズなし)。本番よりも強い春のラッキーシリーズとして認知されており、ファンの期待も高まっていた。

◆阪神中野拓夢内野手と佐藤輝明内野手の2年目コンビがクリーンアップで初の同時起用された。佐藤輝は4月13日の中日戦以来、11試合ぶりの4番。中野はプロ通算162試合目で初3番スタメンだった。矢野監督は「いろいろ悩んで考えた結果。正直、いるメンバーでどうするか考えた中での3番です」と説明。左足を負傷し、この日欠場した大山の穴を埋める緊急手段として、若き3、4番コンビが結成された。ともに4打数無安打。そろって連続試合安打が「3」で途切れた。中野は5回2死三塁の好機で左飛。クリーンアップの役割を果たせなかった。佐藤輝は8回表の右翼守備で中日阿部の飛球に追いつきながら捕球できず、攻守に課題を残した。24日のヤクルト戦では佐藤輝が初回に先制6号2ラン。直後、中野が今季1号アーチで続いた。「隠れて筋トレしてるんですか?」。2学年先輩の1発に、佐藤輝はそんなイジりも忘れなかった。昨季は甲子園までのタクシーの時間をともに過ごした仲良しコンビ。この日は不発に終わったが、2人の若虎が、緊急事態を救ってみせる。【中野椋】

◆中日が踏んだり蹴ったりの黒星を喫した。00年以来の三重殺を完成させながら、2点差を追いつけなかった。初回1点を先制も京田、阿部が失点に絡む失策。三重殺を成立させながら敗れたのは、球団では76年以来46年ぶり。リーグ首位打者の大島が死球を受け、先発勝野は脇腹を痛めてともに途中交代というアクシデントもあった。試合後の立浪和義監督(52)のコメントは以下の通り。-守備のミスから失点「久しぶりの土のグラウンドで痛いエラーが出た。明日またしっかり練習して、ミスがないように。ミスをしたらこうして負けるんで、やっていかないといけない」-三重殺もあった「(京田は)とっさに走者が出ていたからタッチしにいったんでしょうけど。結果的にアウトなったから良かったが、あれフォースプレーでしょ。ああいうプレーもある。次は普通にベース(を踏ん)で捕っておけばアウトなんでね」-その後、京田を呼んで話していたが、封殺の話か「そうです。『ベース踏んでなかったやろう』と言ったら、『はい、タッチにいきました』と。次はそんなことはないようにね。結果は三重殺になったが、リクエストでセーフと言われたら。タイミングも際どかった。相手のミスから流れを持っていかないとね。その次の回、チャンスはあったんでね」-大島の右膝への死球は「骨には異常はない。明日(28日)、様子を見てになると思う。試合中に病院? そうです。明日、出られるかどうか分からないですけど」-勝野は負傷降板「ちょっとこのへん(左脇腹付近を差し)に違和感があったと言ったんですけど、ちょっと1回、抹消しないといけない」-9安打で1得点だった「決して打てていないわけじゃないが、初回の1点だけでね。(阪神)西勇も初回から良かった。打ち崩すことは難しいが、その2点(差)がすごく重かった。十分追いつける点数。明日は、早く点取れるように。打順も考えながらやっていきたい」-途中降板したが勝野の投球内容は「立ち上がりから良かった。(守備に)足を引っ張られた中で、1点に抑えていた。結果的には3点になったが、全然悪くなかった」-最下位阪神から初黒星「どこに負けても痛い。阪神だって元々、力のあるチーム。最初はつまずいたけど、これから必ず上がって来るチーム」

◆阪神西勇輝投手(31)が、甲子園に立ちこめていた嫌な雰囲気を吹き飛ばした。4回の攻撃でミスからまさかのトリプルプレー。球場がざわつく中での5回のマウンドで、2死一、二塁のピンチ。2番鵜飼を外角145キロ直球で見逃し三振。坂本の構えたミットへ糸を引くような球を投げ込み、マウンドでほえた。矢野監督は「流れがあるんで俺も嫌だなと思って見ていたけど、本当に勇輝がよく粘ってくれた。ゲームの流れとしては大きい」と、絶賛するターニングポイントだった。体の張りなどもあり6回で降板したが、5安打1失点。今季最多の10奪三振で3戦ぶり白星の2勝目を挙げた。西勇は「本当に力強い声援をもらった」と3万1726人の虎党の後押しを力にした。阪神移籍後、対中日戦は通算12試合で6勝4敗だが、甲子園での中日戦となると6試合で負けなしの5連勝と、無敵の竜キラーとなる。前日26日が天候不良のため中止となり、スライド登板となった。「昨日が雨だったんですけど、いい状態に整備してくれる阪神園芸さんもそうですし、全員のバックアップがあって投げきることができました」と感謝した。4年契約でオリックスから移籍した入団会見で「やりがいを感じられる球場。思い入れもある」と話した。プロ3年目の11年のプロ初勝利も甲子園での楽天戦だった。移籍後、大好きな甲子園では33試合投げ、15勝7敗、防御率2・46と数字もしっかりと残している。チームを今季2度目の連勝に導いた。借金はまだ14も抱えるが「本当に巻き返すしかない。全員、本当に勝つ気は失っていない」とお立ち台でナインの気持ちを力強く代弁した。昨年は6勝と苦しいシーズンだったが、今年の西勇は頼りになる。【石橋隆雄】

◆左足を負傷した阪神大山悠輔内野手が今季初めて欠場した。試合前にはフリー打撃で快打を放つなど状態は良好そう。井上ヘッドコーチは「打撃は全然問題ない。慎重にしながら、大山自身から『もう全然大丈夫ですよ』と聞けたなら(復帰は)そんなに遅くない」と説明した。24日のヤクルト戦(神宮)で走塁の際に左足を痛め、中止になった26日も欠場予定だった。

◆【日刊スポーツ西日本写真映像チームのとっておき映像プレイバック】阪神やられた三重殺トリプルプレー、この日はサードユニホーム着用試合で負けられない阪神はいつもと違ったぞ。

◆阪神岩崎が落ち着いたマウンドさばきで3セーブ目を挙げた。9回1死後、京田に左前打を許したが代打平田を遊直に片づけた。岡林も力勝負で二ゴロに仕留め、試合を締めた。「勝つことができてよかったです」とおなじみのセリフ。3月29日の広島戦(マツダスタジアム)から8試合連続無失点に伸ばし、防御率は1・08まで下げた。

◆阪神・大山悠輔内野手(27)が今季初めてスタメンを外れた。24日のヤクルト戦(神宮)の三回に左翼線二塁打を放ち、二塁ベースへ滑り込んだ際に左足を痛めた。試合前練習ではフリー打撃を行ったが、ベンチで控えることとなる。代わって4番には佐藤輝、一塁には山本が入る。

◆試合前に両軍の先発オーダー、審判員、公式記録員が発表された際、白井一行審判員(44)が三塁塁審を務めることがアナウンスされると、スタンドから拍手が起こった。白井審判員は24日のパ・リーグ公式戦オリックス―ロッテ(京セラ)で球審を務め、投球の判定をめぐって苦笑いを浮かべたマウンド上のロッテ・佐々木朗に詰め寄った。この件について日本野球機構(NPB)の井原敦事務局長は26日、友寄正人審判部長(64)が「別の方法でするべきであった」と指摘したことを明らかにしていた。球界内外で議論されている〝詰め寄り騒動〟の中で起こった白井審判員への拍手。観客も騒動に注目していることがうかがえる場面だった。

◆中日が四回にトリプルプレーを成立させた。シーンは1―2の四回無死一、二塁の守備だった。阪神・高山のライナーを一塁・ビシエドが捕球して1死。そのまま飛び出した一走・山本よりも先に一塁ベースを踏み、2死とした。さらに二走・糸井が二塁ベースに戻るよりも先に、送球がビシエドからベース上の遊撃・京田へわたり、3アウト。連打を許して招いたピンチを一瞬にして断った。

◆阪神・西勇輝投手(31)が先発し、6回5安打1失点と好投した。一回に2死から四球と連打で1点を失ったが、二回から3回連続で三者凡退。打線が二、三回に1点ずつを取って逆転した展開の中、五回は2死一、二塁のピンチで鵜飼を見逃し三振に仕留め、2点リードとなった六回も2安打で作られた2死一、三塁で石川昂を遊ゴロに仕留め、役目を終えた。26日の同戦で登板予定だったが天候不良で中止となったため、スライド登板。さえる緩急を生かしながら攻めの投球を披露し、10奪三振。中日打線を寄せつけなかった。

◆阪神は接戦をモノにし、2連勝とした。1点を追う二回2死二塁で高山が鋭いゴロを放って遊ゴロ失策を誘い、同点。三回は無死一、三塁、五回は2死二、三塁で、ともに糸原の二ゴロの間にホームを踏み、中日に競り勝った。先発・西勇は一回に2死から四球と連打で1点を先制されたが、二回以降は好投。二回から3イニング連続で三者凡退と立て直すと、五、六回も得点圏に走者を置くピンチを難なく断ち、5安打10奪三振1失点で役目を終えた。七回以降はアルカンタラ、湯浅、岩崎の継投でシャットアウト。12日―14日(バンテリンD)では同一カード3連敗を喫していた中日戦では、今季初勝利となった。

◆二回に敵失で追いついた阪神は三回、五回に糸原健斗内野手(29)の内野ゴロで加点し、先発の西勇輝投手(31)は6回1失点に抑えて、逃げ切った。四回無死一、二塁からの一直で三重殺を喫したものの、チームは2連勝を飾った。矢野耀大監督(53)のテレビインタビューは以下の通り(チーム成績6勝20敗1分、観衆3万1726人)。ーー連勝、今日のゲームはどう感じたか「ちょっと大山の足の状態がよくなかったし、苦しいメンバーの状態になっていますけど、勇輝がよく粘ってくれて、バッター陣も、綺麗な点の取り方じゃないですけど、逆に、こういう点の取り方が少なかったし、ある意味、いい攻撃ができたかなと思います」ーー大山は展開によっては代打も「そうですね。代打は考えていました」ーー糸原が内野ゴロで点を取る。意味のある得点「何とかしようという気持ちが、健斗自身もよく出ていましたし、そういう所では、あの点は流れ的にも大きかった。その他、守備とか走塁でプロとしては、ちょっと恥ずかしいプレーがありましたが、勝てたという部分で済ませるんじゃなくて、しっかりやっていきたい」ーー西勇の6回交代は「まあ、ちょっと体の張りもあったんで、そういうところで代えました」ーーその後のアルカンタラ、湯浅、岩崎が締めた「その中で湯浅が堂々と力強いボールを投げて、登板ごとに成長している感じがあるんで、頼もしくなってきています」ーー中野の3番「いろいろ悩んで、ハイ。考えた結果です」ーー28日は秋山。相手は大野雄「まずはアキの久しぶりの登板になりますけご、頑張ってもらって、打線もしぶとい点の取り方できましたが、そこにプラスアルファ、タイムリーやホームランを見たいですね」

◆阪神は敵失と糸原健斗内野手(29)の2本の内野ゴロで加点し、逃げ切った。先発の西勇輝投手(31)は6回1失点。四回無死一、二塁では高山俊外野手(29)の一直に、一走・山本泰寛内野手(28)が帰塁できず、二走・糸井嘉男外野手(40)はアウトカウントを間違えたのか、ベンチに戻る素振りを見せた後に帰塁し、三重殺を喫した。矢野耀大監督(53)の一問一答は以下の通り(チーム成績6勝20敗1分、観衆3万1726人)。(テレビインタビュー)ーー連勝、今日のゲームはどう感じたか「ちょっと大山の足の状態がよくなかったし、苦しいメンバーの状態になっていますけど、勇輝がよく粘ってくれて、バッター陣も、綺麗な点の取り方じゃないですけど、逆に、こういう点の取り方が少なかったし、ある意味、いい攻撃ができたかなと思います」ーー大山は展開によっては代打も「そうですね。代打は考えていました」ーー糸原が内野ゴロで点を取る。意味のある得点「何とかしようという気持ちが、健斗自身もよく出ていましたし、そういう所では、あの点は流れ的にも大きかった。その他、守備とか走塁でプロとしては、ちょっと恥ずかしいプレーがありましたが、勝てたという部分で済ませるんじゃなくて、しっかりやっていきたい」) ーー西勇の6回交代は「まあ、ちょっと体の張りもあったんで、そういうところで代えました」ーーその後のアルカンタラ、湯浅、岩崎が締めた「その中で湯浅が堂々と力強いボールを投げて、登板ごとに成長している感じがあるんで、頼もしくなってきています」ーー中野の3番「いろいろ悩んで、ハイ。考えた結果です」ーー28日は秋山。相手は大野雄「まずはアキの久しぶりの登板になりますけご、頑張ってもらって、打線もしぶとい点の取り方できましたが、そこにプラスアルファ、タイムリーやホームランを見たいですね」 (囲み)ーーひとつのアウトで進める攻撃が見られた「うん、さっきも言ったようにね、しぶとい、綺麗なタイムリーじゃないところの点というのは今年あんまり生まれてなかったんでね。そういうところでは健斗が2打点挙げてくれたのが出来たのは、そういうところにつながってるんじゃないかなと思うんだけど」ーー西勇は初回に最少失点で耐えた「もちろん、俊だって何も抜いたわけじゃないんだけど、あこまで行ってあこまでグラブに当てるのは、やっぱり捕ってやってほしかったし、でもその後、やっぱり勇輝が踏ん張ったというところも大きいので。今日は全体的にボールも良かったし、気持ちもいつも通り向かっていってるというのが強かった。もしかしたら今シーズン一番いいのかなというくらいの感じかなと思っていた」ーー三重殺で流れが変わりそうなところで、次の回粘った「そうやね。アレは本当に恥ずかしいプレーやしね。あってはならないプレーやと思うんで。そういうところ、本当に流れがあるんでね、俺もやだなと思って見ていたけど、本当に勇輝がよく粘ってくれたと思う。ゲームの中の流れとしては大きい」ーー3番・中野「まあまあ、正直いるメンバーでどうするかを考えた中での3番です」ーー原口は出番がなかったが期待するところは「めちゃめちゃベンチで声を出してくれているよ。一番ね。フミ帰ってきたんやなというのが明らかにわかる。そういうムード作りというかプレーでもね、活躍してもらいたいけど、まず今日はね、フミの存在が声で、ベンチをもり立ててやってくれたなというところです」

◆阪神が2連勝。先発した西勇輝投手(31)が6回を投げ10三振を奪うなど5安打1失点今季2勝目を挙げた。以下、西勇選手のヒーローインタビュー。--どんな思いでマウンドに上がった「チームの流れを止めないようにと思いましたし、前回(19日のDeNA戦)、自分の登板が良くなかったので(捕手の)坂本と話しながら一人一人、一球一球と思いながらマウンドに上がっていました」--甲子園で今季2戦2勝。甲子園で投げることは「力強い声援もそうですし毎回、いい状態でマウンドを整備してくれる阪神園芸さんもそうですし、全員のバックアップがあって、投げ切ることができました」--開幕から1カ月経ってチームの雰囲気は「ベンチ裏でも勝つ気持ちが強いですし、チームが前半、勝てない試合が多く、フラストレーションがたまるのがファンの皆さまにあったと思うんですけど、巻き返すしかないと思っていますし、全員勝つ気持ちは失っていないので、これからも応援よろしくお願いします」--後輩投手の成長は「自分が年上の方になってきますけど、頼もしい後輩というか、暗い時にも笑顔で話しかけてくれたりとか、助かっている部分も多いので、本当にいいチームなので、これからも続けていければいいと思います」--今季初の3連勝に向けて力強い一言を「たくさんの応援をありがとうございました。声援が力になっています。選手たちもこれから全力で頑張りますので、応援よろしくお願いします。ありがとうございました!」

◆現役時代は南海、阪神で活躍し、引退後は阪神で投手コーチやフロントでも尽力したサンケイスポーツ専属評論家の上田二朗氏(74)は三重殺を喫した糸井嘉男外野手(40)、高山俊外野手(29)、佐藤輝明内野手(23)の拙守について言及した。糸井の大ボーンヘッドで三重殺を喫し、負けていれば致命的な試合になるところだった。四回無死一、二塁から、高山の一直で併殺はやむを得ない。だが糸井ほどの経験があるベテランがカウントを間違うというミスは、絶対にしてはならない。一気に流れが中日に傾いてもおかしくないプレーだった。) 一回の高山の守備も指摘せざるを得ない。阿部の打球はライナー性でライン際へ切れていった。その打球に対し、一瞬、前に出ている。そこから慌てて追いかけたが、キレていく打球で、最後はグラブに当てながら届かなかった。そして八回の佐藤輝が阿部の打球を二塁打にしてしまったプレー。これは以前から指摘し続けているのだが、試合中にポジションを変更する弊害だ。この試合では、三塁から右翼へ。実はこの日は、単純な浜風ではなく、グルグル舞う独特の風だった。ずっと右翼に守っていれば、佐藤輝なら気付いていたはず。内野から外野へ行くことで、風の特性の判断が遅れ、さらにはフェンスとの距離感もおかしかった。できるだけ1つのポジションを守らせてほしい、と改めて感じるプレーだった。) いくつも致命傷になりかねないプレーを重ねながら、勝てたことは貴重だ。攻撃に粘り強さがでてきているのは事実。1点ずつの積み重ねだったが、糸原の〝自分の役割〟をわきまえた打撃は見事だった。安打はなくても、確実にゴロを転がすことで得点を積み重ねることに貢献した。同点、逆転、ダメ押しという粘っこい攻撃は、今のタイガースには相応しい。この勝ちパターンは大事にしてほしい。そして、何よりの功労者は投手陣だろう。先発・西勇は一回、Aマルティネスの打席で素晴らしいコースへの投球をボール判定された。実に微妙な球だっただけに、尾を引いたのか、直後に連打され1点を失った。が、二回からはすぐに立ち直ったのは、さすがだ。特に右打者への内角への真っすぐ、シュートの使い分けが絶妙だった。打者からすれば、すぐに追い込まれて、そこの絶妙な投げ分けがあるから、バットを出さざるを得ない。キレがあるから空振りになる。10奪三振のうち、8個が空振りによるもの。捕手・坂本もいい高さに構えて、西勇もそこにしっかり投げ込んでいた。七回ぐらいまで投げて欲しいところだったが、張りがあったらしい。ナイターの寒さも影響したのだろう。大事に至っていなければと思う。ただアルカンタラ、湯浅、岩崎の勝ちパターンの投手たちに安定感が戻ってきた。いい点の取り方、いい継投、いい勝ち方ができるようになったことで、視界は開けてきた。

◆中日は好調の大島が五回の死球で途中交代した。西勇の投球を右膝付近に受け、コーチらに支えられてベンチに下がった。立浪監督は「骨には異常はない。(28日は)出られるか分からないが、様子を見て」と説明した。先発の勝野は五回2死三塁から中野に対して2球投げたところで降板。左脇腹に違和感があったそうで、監督は「一回(出場選手登録を)抹消しないといけない」と話した。

◆佐藤輝は左足を痛めている大山に代わり、13日の中日戦(バンテリンD)以来11試合ぶりに4番を任されたが、4打数無安打に終わった。井上ヘッドコーチからの期待も「(4番が)輝明しかいないとなってしまうと重荷だけども、そこはアイツも成長というか自覚が出てきた子なので、大丈夫だと思う」と大きい。28日の相手先発は大野雄。12日に一発を浴びせているエース左腕からの快音が待たれる。

◆近本らしく駆け回って得点をもたらした。2度も一、三塁を作り、糸原が〝ことを起こす〟ための下ごしらえだ。「僕はとにかく塁に出ることが仕事なので、しっかり形を作っていけるように頑張ります」まずは1-1の三回無死二塁で投前バント内野安打。昨季7度決め、今季は2度目の自らも生きようという秘技が、ここで飛び出し無死一、三塁と勝ち越し機を整えた。2-1の五回1死二塁では初球を引っ張って右前打とし、16日の巨人戦(甲子園)以来8試合ぶり、今季6度目のマルチ安打。また一、三塁を作ったかと思えば、2試合連続となる今季4盗塁目を決め二、三塁としてみせた。「きょうは自分が今やろうとしていることが打席の中でもできたということが自分の中ではよかった。あしたはまたあしたでしっかりやっていきたい」17日からの6試合でわずか1安打と不調にあえいだが、復調気配。チームがノッていくためには、近本のこの躍動が必須だ。

◆打球が黒土で弾むと、拍手のシャワーが降り注いだ。糸原がチャンスで渋い仕事を重ねて2打点。〝小粒打線〟の先頭に立ち、勝利をもたらした。「守備隊形を見ながら何とか、ことを起こそうと思って食らいついた結果、2点入って良かったと思います」まずは同点の三回だ。マウンドで奮闘する西勇の二塁内野安打をきっかけに、近本が投前バント安打で続いて無死一、三塁とし、打席へ。勝野に2球で簡単に追い込まれながらも粘り、6球目の外角低めへのフォークに食らいつく。右方向へのゴロを捕球した阿部が二塁へ送球する間に西勇をホームへと迎え入れ、勝ち越した。五回も1死二、三塁のチャンスで、再びフォークに対してスイング。前進する内野シフトをかいくぐる遊撃へのゴロがバウンド高く弾む間に三走・坂本が生還し、3点目が刻まれた。「しっかりと自分の仕事をやるだけなんで。今こういう、チームも自分自身も苦しいですけど、やれることやって、食らいついて(いく)」結果で見れば4打数無安打。打率は・190となり、試合前時点の・200を再び割った。だが、開幕から悔しい打席、チーム成績が続くなかで、2本のゴロが勝利につながったことで「いい打点だった」と、また前を向ける。「自分の仕事ができるように明日からも頑張っていきます」浮上するしかない日々の中で、また打席はめぐってくる。渋く、泥臭く、チームの力になる。(須藤佳裕)

◆下肢のコンディション不良から前日26日に昇格した原口が今季初のベンチ入り。昼には、志願して社会人野球の大和高田クラブとの2軍練習試合(鳴尾浜)に「5番・一塁」で出場し、4打数1安打。一塁守備も無難にこなすと「頑張ります」と甲子園へ向かった。出場機会はなかったが、矢野監督は「めちゃめちゃベンチで声を出してくれている。まずきょうは、フミ(原口)の存在というのが、ベンチをもり立ててやってくれた」とうなずいた。

◆ピンチを乗り越えるとガッツポーズをつくり、雄たけびをあげた。西勇が6回5安打1失点、10三振。自身2年ぶりの2桁奪三振で今季2勝目を挙げ、チームを今季2度目の2連勝へと導いた。「チームの流れを止めないようにと。前回、よくなかったので(捕手の)坂本と話しながら、一人一人、一球一球と思いながらマウンドに上がった」前回19日のDeNA戦(横浜)は二回までに4点の援護も五回途中5失点で降板。同じ失敗を繰り返すわけにはいかなかった。一回、四球と安打で2死一、二塁とされ、阿部の打球は右翼線へ。高山は差し出したグラブにボールを当てながら捕球できず(記録は二塁打)先取点を許したが、二回からは3イニング連続で三者凡退。1-2の五回は京田に二塁打、大島に死球を与えて2死一、二塁とされたが、D2位・鵜飼(駒大)を145キロ直球で見逃し三振に。気合の絶叫パフォーマンスだ。六回2死一、三塁のピンチでも高卒3年目の石川昂を遊ゴロに仕留めると、また、ほえた。矢野監督は「(一回の高山のプレーの後)勇輝が踏ん張ったのは大きい。きょうはボールもよかったし、気持ちも(打者に)向かっているのが強かった。今シーズンで一番いいというくらいの感じ」と評価した。集中力を高めるため、西勇には試合前のルーティンがある。普段の練習でのブルペンでは若手投手に気が付いたことはアドバイスするが、試合前は別だ。「後輩が見ると、自分のペースで投げられない」。春季キャンプでクール最終日などの節目のブルペン投球でも、一人で投げるルーティンは徹底した。「前半は、勝てない試合が多く、ファンの方もフラストレーションがたまることもあったと思う。全員、勝つ気持ちは失っていない。本当に巻き返すしかないと」西勇は、お立ち台から叫んだ。その言葉を信じよう。(三木建次)

◆ウル虎連勝や!! 阪神は中日に3-1で逆転勝ちし、今季2度目の2連勝を飾った。四回に球団23年ぶりの三重殺を完成され、大山が欠場した打線は適時打なしに終わったが、「ウル虎イエローユニホーム」でしぶとく勝利。どん底から脱出した虎はこんな勝ち方もできる! ここから乗っていくで~!!ポンポン...、ポン! 一瞬で3つのアウトを奪われ、チェンジだ。屈辱の三重殺で流れを完全に手放したかと思われた。どん底のときならそうだったかもしれない。だが、この日の虎は違う。タイムリーなしで3得点をもぎとり、今季2度目の連勝。矢野監督は苦笑いで不名誉なシーンを振り返った。「アレは本当に恥ずかしいプレーやしね。あってはならないプレーやと思うんで。そういうところ、本当に流れがあるんでね、俺もやだなと思ってみていたけど」3万1726人のファンが詰めかけた甲子園が、ざわめきに包まれたのは2-1の四回。先頭の糸井が右前打で出塁し、続く山本も見逃せばボールという低めのフォークを中前へ運んだ。ここから、〝まさかの展開〟が待っていた。無死一、二塁の得点機で高山のライナーの打球を一塁のビシエドがキャッチすると、飛び出した一走・山本が戻れず、一塁を踏まれてテンポよくゲッツー...。では終わらない。二走・糸井がアウトカウントを間違えたのか、ベンチへ戻るしぐさをみせ、打席を離れた高山が慌てて左手で二塁を指差したが、時すでに遅し。ビシエドが二塁へ送球し、糸井が帰塁できず好機は一瞬でついえた。リプレー検証でもアウト判定は覆らなった。糸井はこの日3安打も痛恨のミス。また、野手陣にはEマークが一つもつかなかったが、まずい守備があり、指揮官は「守備とか走塁でちょっと、プロとして恥ずかしいというかそういうプレーもありましたけど、それは勝てたことで済ますのではなく、しっかり今後やっていきたい」と勝利の余韻に浸ってばかりはいられなかった。 この日は4番を務めてきた大山が左足負傷の影響でスタメン落ち。3番に中野、一塁の代役には山本を起用するなど打線を入れ替えた。そんな中で球団として23年ぶりに食らった三重殺。今季、1点差負けが10度を数え、接戦での勝負弱さに泣いてきた虎はこの日も主導権を完全に渡しかけた。それでも、勝てた。0-1の二回の同点は相手の失策によるものなど、終わってみれば適時打なしでの3得点。三重殺を記録されながら、試合に勝利したのは1957年以来65年ぶりという歴史的な1勝をあげたのも、目に見えない〝流れ〟が来ているからに違いない。「ウル虎イエローユニホーム」のお披露目試合で〝ウル虎〟な1勝だ。「(西)勇輝がよく粘ってくれて、バッター陣もね、きれいな点の取り方じゃないですけど、逆にこういう点の取り方が今まで少なかった。ある意味いい攻撃ができた」矢野監督は声を弾ませた。少しずつ歯車がかみ合いだせば、逆襲の機会は必ず来る。しぶとくつかみとった今季6勝目が浮上のきっかけになる。(新里公章)

◆よっしゃあー! ヤクルト戦に続き、わが阪神連勝や!! 先発・西勇からアルカンタラ、湯浅、岩崎の4投手が強竜打線を封じた一方、打線は大ベテラン糸井のアウトカウント勘違いでびっくり仰天のトリプルプレーを食らったが...終わってみればタイムリーなしで3得点をもぎとる『野球を知り尽くした攻撃』で勝利を呼び寄せた...。ホンマに、この虎は強いのか弱いのか分からんわー!!さ、本日はベテラン素人評論家の俺が、阪神投手陣の本日の好投の真相に迫るのだ!!【真相? 完全男・佐々木朗希が導いた虎投の好投】先発・西勇は六回まで。七、八回はアルカンタラに湯浅、この3人が右投手(九回の岩崎は左)だったことに勝因あり!! 8回中5回が走者を出し、セットポジション。右投手がセットしたその正面には...グワ~ン!! 先日、佐々木朗に厳しく接した白井審判員が三塁塁審に。それで虎投は気が引き締まったのです!! 白井さんの愛ある絶叫コール、大好きやでー!!

◆「失策」のような「安打」が飛び交った。一回の阿部の打球も、高山よ、捕れなかったか? 二回の先制に直結した糸井の二塁打も、相手がうまく処理していたら...。公式記録員も判断が大変だったのでは。四回の糸井の打球に至っては一度は二塁手の「E」だったが、後に「H」に訂正された。四回には「ただいまのプレーは三重殺です」と珍しいアナウンスも。お疲れさまでした。プロ野球は、選手だけではない。記録員の方も必要不可欠。そして...。試合前、その名前がコールされると、甲子園球場はなぜか、ざわめき、拍手が巻き起こった。「4番 サード 佐藤輝」の時はすごい拍手が起きていたが、まさか審判紹介の「三塁 白井」で場内がわくとは。ファンはよくご存じだ。24日の京セラドーム。マウンド上の時の人・佐々木朗希(ロッテ)に歩み寄り、判定に不服そうな態度に注意したとされている。直後から世間は賛否両論が吹き荒れ、いまだに収束していない。阪神取材部隊に加わっている須藤佳裕は、なかなかの野球小僧。「実は審判にも興味があって。見逃し三振の時のポーズが気になったりして。アクションが楽しい小寺(昌治)審判が好きでした」相当なフリークだ。

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
1990 0.679
(↑0.012)
-
(-)
115124
(+8)
98
(+2)
31
(+2)
11
(+2)
0.254
(-)
3.010
(↑0.12)
2
(-)
広島
15101 0.600
(↓0.025)
2.5
(↓1)
117113
(+2)
83
(+8)
8
(-)
7
(-)
0.258
(↓0.002)
3.000
(↓0.2)
3
(-)
中日
12110 0.522
(↓0.023)
4.5
(↓1)
12084
(+1)
85
(+3)
16
(-)
8
(-)
0.254
(-)
3.480
(↑0.09)
4
(-)
ヤクルト
13120 0.520
(↑0.02)
4.5
(-)
11890
(+8)
100
(+2)
26
(+3)
9
(-)
0.230
(↑0.005)
3.370
(↑0.06)
5
(-)
DeNA
10130 0.435
(↓0.02)
6.5
(↓1)
12085
(+2)
103
(+8)
18
(-)
10
(-)
0.249
(↓0.006)
4.070
(↓0.19)
6
(-)
阪神
6201 0.231
(↑0.031)
12
(-)
11676
(+3)
103
(+1)
20
(-)
15
(+1)
0.229
(↑0.002
3.740
(↑0.11)