1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | 安 | 失 | 本 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
阪神 | 4 | 0 | 2 | 0 | 0 | 1 | 2 | 2 | 0 | 11 | 16 | 1 | 3 |
ヤクルト | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 3 | 7 | 3 | 0 |
勝利投手:ガンケル(1勝3敗0S) 敗戦投手:金久保 優斗(1勝1敗0S) 本塁打 |
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◆阪神は初回、佐藤輝と中野が2ランを放ち、幸先良く4点を先制する。その後は7回表に、小幡の2ランが飛び出すなど、終わってみれば16安打で11得点を挙げた。投げては、先発・ガンケルが5回2失点と試合をつくり今季初勝利。敗れたヤクルトは、先発・金久保が乱調だった。
◆完封負けで早くもシーズン20敗を喫した阪神は、カード勝ち越しをかけてジョー・ガンケル投手(30)が先発する。 昨季は9勝を挙げた助っ人右腕も、今季は3戦3敗といまだ勝ち星に恵まれない。3日の巨人戦は、中田に満塁弾を浴びて4回4失点で降板。10日の広島戦は7回をマクブルームのソロだけに抑えたが、味方打線が沈黙し0-1で敗れた。17日の巨人戦は5回3失点だったが、ウォーカーに3ランを浴びたのが響いて1-3で負け投手になった。すべての試合で本塁打を打たれており、しかも勝敗に直結している。昨季は20試合に先発し被本塁打は10本だった。自身今季初勝利をつかむためにも、勝負どころでの長打は避けたい。
◆阪神高山俊外野手(29)が、16日巨人戦以来7試合ぶりのスタメンに入った。「7番右翼」で出場する。また、糸原健斗内野手(29)が「2番二塁」で4試合ぶりに先発。先発は今季4試合目の登板で初勝利を目指すジョー・ガンケル投手(30)。ヤクルトは2勝目を狙う金久保優斗投手(22)が務める。
◆阪神佐藤輝明内野手(23)が、先制の6号2ランを放ち、巨人丸、岡本に並びリーグトップとなった。初回1死一塁。ヤクルト先発金久保の初球、143キロ直球を右翼スタンドへ運んだ。雨天により試合開始が30分遅れた一戦。雨が降り続く中、開始4分の「速攻弾」となった。「先制点が欲しい場面だったので、初球から思い切って振っていこうと思って打席に入りました。打った瞬間手応えはありましたし、甘い球を1球で仕留めることができて良かったです」と振り返った。ホームベースをゆっくりと1周。ベンチでは矢野監督から「虎メダル」を直々にかけられた。さらに2死一塁では中野拓夢内野手(25)が、スライダーを捉え右翼へ1号2ラン。20年ドラフト同期がたたみかけた。中野の本塁打は昨年5月4日ヤクルト戦(神宮)のプロ1号以来。この時も佐藤輝とのアベック弾だった。「テルが打ってくれていい流れの中、打席に入れました。強く振り切ることができて良かったです」と中野。2年目コンビの1発攻勢で、今季2度目のカード勝ち越しへ勢いをつけた。
◆ヤクルト先発の金久保優斗投手が3回途中、7安打6失点でKOされ「初回から大量失点してしまい流れがつくれずチームに申し訳ないです」と反省した。前回登板の15日DeNA戦(横浜)では石川から教わった新球シンカーを駆使し6回6安打2失点で1勝目。「変化球でゴロを打たせていきたい。神宮は狭いので」と臨んだが、立ち上がりから阪神打線につかまった。1回1死一塁、「一番意識するところ」と警戒していた佐藤輝に甘く入った初球の直球を狙われ、右越え2ランを被弾。その後2死一塁からは6番の中野にも右越え2ランを献上。いきなり4点を失った。2回こそ3者凡退に抑えたが、3回にも無死一、三塁から中野に適時打を浴び、なおも1死一、三塁とされたところで、2番手大西が告げられた。期待も大きな22歳右腕。悔しい今季本拠地初登板となった。
◆阪神が8回までに今季最多となる16安打、今季初の2桁得点となる11点を挙げ、2度目のカード勝ち越しへ前進した。 7-2の7回2死二塁。代打から出場で、2打席目の小幡竜平内野手(21)が右翼への1号2ラン。ヤクルト大下を捉えリードを7点に広げた。「外野が前に来ていたので、なんとか抜けてくれと思い、思い切り振り抜きました。見ている人も驚いたと思うんですけど、僕も驚いています」と笑わせた。プロ4年目、通算194打席目でのうれしいプロ初アーチ。今季9試合にスタメン出場している期待の大型内野手に、ベンチでは先輩たちからの祝福が止まらなかった。8回には中野拓夢内野手(25)の犠飛、島田海吏外野手(26)のタイムリーで2点追加。攻撃の手を最後まで緩めなかった。
◆球団史上最速でシーズン20敗に到達した阪神が敵地でヤクルトと対戦し、今季最多11得点で勝利した。阪神は初回、佐藤輝、中野の2ランで4点を先制。3回には中野の左前適時打などで2点追加。7回には小幡のプロ初となる2点本塁打でリードを広げ、3連戦勝ち越しを決めた。
◆ヤクルトは投手陣が打ち込まれ、今季ワースト16被安打、同ワーストタイの11失点で大敗した。 金久保が3回途中6失点でKOされると、救援陣も阪神打線の勢いを止められず。本拠でのカード負け越しに高津監督も「今は投打ともに我慢の時かなと。もうちょっと粘って状態が上がるのを待っているところです」と振り返った。
◆阪神中野拓夢内野手(25)が開幕戦以来の3安打、自己最多の4打点と大暴れした。初回、佐藤輝の先制2ランの後だった。「テルが良い流れを作ってくれたので、しっかりと続いていこうと」。2死一塁で金久保のスライダーを捉えて右翼席へ1号2ラン。昨年5月4日のヤクルト戦(神宮)以来、プロ2本目。その時と順番が逆ながら今回も佐藤輝とのアベック弾となった。 「唯一の1本がここだったのでしっかり覚えています。ホームランより、チームが勝つことが一番大事。テルと2人で出てるからには、チームに貢献できるように頑張ってきたい」3回無死一、三塁では、金久保の直球を逆方向の左に運んで1点を追加した。勢いは止まらず、5回は木沢から左前打、8回は中堅に犠飛を打ち上げた。この日の「6番遊撃」で、開幕から打順が入れ替わるのは8度目。これまでの「どの打順でも自分のやることは変わらない」という言葉通り、チーム得点の3分の1近くを淡々と稼ぎだした。2勝1敗と勝ち越し、敵地でヒーローインタビューに呼ばれ、声を張った。「いい流れを明後日以降につなげたい。来週から全部勝つつもりで全力でやっていきます」。この流れ、手放すわけにかない。【三宅ひとみ】◆佐藤輝と中野のアベック弾 21年5月4日ヤクルト戦(神宮)。1点リードの8回1死二塁で中野が左腕坂本の内角高め直球をすくい上げ、右翼席へプロ1号。「感触はよかった。入ってくれと願いを込めてボールを見ていました」。同期に刺激を受けた佐藤輝は、9回にサンズから2者連続、自身2戦連発の9号ソロ。「ルーキー2人でチームを盛り上げていけていることは、すごくいいなと思います」。球団の新人アベック本塁打は、望月と中村勝が72年5月30日大洋戦で放って以来49年ぶりとなった。試合は阪神が11-5で大勝した。
◆阪神がともに今季最多の16安打11得点で今季2度目のカード勝ち越しを決めた。シーズン26試合を終えて5勝20敗1分け。勝率を2割に上げた。悪天候で30分遅れでスタートした一戦。1回表からいきなり猛攻を仕掛けた。3番佐藤輝明内野手(23)のセ・リーグ最多に並ぶ6号2ランで先制。さらに6番中野拓夢内野手(25)が21年5月4日ヤクルト戦以来、約1年ぶりの1発となる1号2ランを右翼席に届かせた。3回には中野の左前適時打などで2点を追加。7回には途中出場の小幡竜平内野手(21)にプロ初アーチとなる1号右越え2ランも飛び出した。8回には中野が中犠飛で自身プロ最多となる1試合4打点を記録。途中出場の島田海吏外野手(26)は右前適時打で今季初打点をマークした。今季4試合目の先発マウンドに上がったジョー・ガンケル投手(30)は5回2失点で今季初勝利。投打がガッチリかみ合って大勝した。前日23日ヤクルト戦は0-1の完封負けを食らい、球団史上最速となるシーズン25試合目での20敗に到達。13.5に広がっていた首位巨人とのゲーム差を、12.5に縮めた。
◆阪神が、ともに今季最多16安打11得点で快勝した。初回、佐藤輝明内野手(23)がヤクルト金久保からリーグトップに並ぶ先制の6号2ラン。自身最長の6カード連続弾で打線に火を付けた。雨空の神宮でこの回は中野、7回は小幡にも1発が飛び出し、久々にスカッと打ち勝った。ようやく今季2度目のカード勝ち越しだ。ここ9戦で4勝5敗と虎がジワジワ回復してきた。一瞬だ。初回1死一塁。金久保の初球143キロだった。佐藤輝の快音が響いて4秒弱、弾丸は右翼席に突き刺さった。雨中の試合を見守る虎党が沸きに沸いた。「すごく近いし声も届いていたので、感謝です」。自身最長の6カード連続アーチとなる先制6号2ラン。巨人丸、岡本に並びリーグトップに立った。「積極的にいこうと。最近は打つべき球を打てている。日々、アップデートしています」4番、2番、3番-。開幕から打順は移り変わってきた。4番は「チームの中心バッター」と意気に感じ、2番は「前からずっと早い打順が好き。打席数が回ってくるのはプラスでしかない」と喜ぶ。3番は4試合目。それぞれの景色を見てきたから分かることもあった。「後ろにいいバッターがいてくれたら、僕とストライクゾーンで勝負してくれる。それはやっぱり大きい。協力し合って、お互いが打つことでいい打線になってくると思う」4番大山、5番には近大先輩の糸井が控える。そして6番中野には今季初アーチが飛び出し、プロ2度目のアベック弾。「(ベンチで)隠れて筋トレしてるんですか? って。去年も神宮で1本打っているので、神宮好きなのかな」。同期入団の先輩イジりもバッチリ。3番佐藤輝を軸に、虎打線に強固な結びつきが生まれつつある。ベンチ前では矢野監督から直々に、恒例の虎メダルを首にかけられた。「すごく意外だったんですけど、すごくうれしかった」とサプライズに目を丸くさせた。今季2度目の1試合チーム3発。「ムードが上がるなら俺もやりたい。まさか3回もできると思ってなかったけど。どんどん、ナンボでもやります」。指揮官も本気だ。今季9度目のマルチ安打で打率2割9分7厘と3割目前。背番号8に導かれるように、打線は今季最多の16安打11得点を挙げた。ようやく今季5勝目で、2度目のカード勝ち越し。虎が息を吹き返してきた。【中野椋】?▽阪神矢野監督(佐藤輝の本塁打について)「一振りで完璧な感じやったし、このヤクルト戦から状態が、またちょっと上がった感じがある。バッティング練習の内容もいい。全ての内容がしっかりしているんで、このままさらに成長して頼もしくなっていってくれたら」▽阪神井上打撃コーチ(2番糸原、6番中野のオーダーに)「いるメンバーでしか組めないし、こいつだったらこういう仕事してくれるかな、こいつだったらこういう打順の方が生きるんじゃないかという並び。結果的にそれなりの仕事をしてくれた」◆佐藤輝と中野のアベック弾 21年5月4日ヤクルト戦(神宮)。1点リードの8回1死二塁で中野が左腕坂本の内角高め直球をすくい上げ、右翼席へプロ1号。「感触はよかった。入ってくれと願いを込めてボールを見ていました」。同期に刺激を受けた佐藤輝は、9回にサンズから2者連続、自身2戦連発の9号ソロ。「ルーキー2人でチームを盛り上げていけていることは、すごくいいなと思います」。球団の新人アベック本塁打は、望月と中村勝が72年5月30日大洋戦で放って以来49年ぶりとなった。試合は阪神が11-5で大勝した。▼阪神が今季最多の11点を挙げて快勝した。2桁得点は昨年10月19日ヤクルト戦の11点以来で、今季初。16安打も今季最多。2桁安打は6度目で、過去5戦は1勝3敗1分けと苦戦。開幕戦の3月25日ヤクルト戦では、15安打しながら7点差を逆転され8-10で敗れていた。○...高山は7試合ぶり今季2度目のスタメンで、2季ぶりに盗塁を決めた。1回2死から四球で出て、12球団トップの盗塁阻止率6割を誇っていた古賀から二盗。7回は1死から左中間へ二塁打を放ち、小幡の2ランを呼んだ。井上ヘッドは前回16日に先発起用した際に「調子や状態、相手との相性を加味しながら打線の入れ替えや組み替えをやっていきたい」と語っていた。昨季1軍出場がなかった15年ドラフト1位が存在感を取り戻し始めている。○...糸原は4試合ぶりの先発となる「2番二塁」で効果的な役割を担った。1回1死から三塁線を破る単打を放ち、佐藤輝の2ランで先制のホーム。この回4得点を呼び込んだ。4回は再び左前打。6回1死三塁では遊ゴロ失策の間に打点がついた。不調に苦しんでいたが、打率を2割に戻した。2安打した19日に矢野監督は「健斗が元気になると、またムードが変わる」と話していた。
◆阪神大山悠輔内野手(27)が24日、ヤクルト6回戦(神宮)で3回の守備から退いた。 直前の攻撃で二塁打を放った際、雨でぬかるんだグラウンドでスライディングした際に左脚を痛めた模様。その後は三塁に進み、中野の適時打でホームにかえった。今季全26試合に先発出場し、3回で退くのは最短。矢野監督は「大事に至ってなければいいなと思うけど、(詳細は)明日以降になると思うので、無事を願っているだけかな」と話した。大山は「4番一塁」で2打数2安打だった。
◆来日3年目の阪神ジョー・ガンケル投手(30)が、"4度目の正直"で今季初勝利をもぎ取った。140キロ台後半の直球にツーシーム、スライダー、スプリットなどを織り交ぜ、5回3安打2失点。ヤクルト打線に的を絞らせなかった。 「序盤で味方が大量援護してくれたので、チームの流れを切らないようにストライク先行を意識して投げたよ。調子は良くなかったけど、守備にも助けてもらいながら何とか試合をつくることができて良かったね」ピンチでも踏ん張った。初回は2死一、二塁から5番塩見をスプリットで中飛に仕留めた。2回は1死からオスナに右翼線への三塁打を許したが、落ち着いて後続を断った。4回も四球、二塁打で無死二、三塁とされ、連続の内野ゴロで2点を失ったが、タイムリーを与えず相手に流れを渡さなかった。「HUNGRY DOGS RUN FASTER」。NFLイーグルスのコーチが残した名言で、ガンケルが好きな言葉の1つだ。直訳すると「腹を空かせた犬はより速く走ることができる」。2月の春季キャンプでは通訳を介して、この言葉が持つ意味をチームメートに熱弁した。「スポーツでは『勝利』や『うまくなりたい』というハングリー精神を持っている選手、チームはいかなる困難でも強く戦える」。昨季9勝右腕がここまで3連敗と苦しんだが、勝利への「飢え」を体現し、チームを5勝目に導いた。昨季ヤクルト戦は2勝0敗、防御率1・77と好相性を誇った。お得意さまから手にした1勝を皮切りに、ここから勝ち星を積み重ねていく。【古財稜明】▼阪神ガンケルは、今季初勝利を得意のヤクルト戦で飾った。昨季はこのカード6試合に先発し2勝0敗、防御率1・77で被打率1割8分9厘。クオリティースタート(QS)5度でQS率83・3%と好相性だった。○...渡辺が1回3人斬りで、開幕からの連続無失点試合を「9」に伸ばした。6回に2番手で登板。先頭村上を外角低めのスライダーで空振り三振。続く塩見も外から切れ込むスライダーで空振り三振に仕留め、最後は長岡を中飛に退けた。連日の村上、塩見斬りに「昨日に引き続き相手の中軸に対して自分の持ち味を出すことができた。これを自信にして、今後も与えられた場面でしっかり仕事ができるように準備したいです」と力を込めた。○...阪神は6回から継投策に入った。5回2失点のガンケルに対し、4点リードのあった6回の打席で代打小幡をコール。矢野監督は「ちょっと重そうな感じにも見えたし、投げてない(中継ぎ)投手も結構いた。そういうところでは早めにいってもいいんじゃないかなと思って」と説明。6連戦ラストということもあり、早めの継投を決断した。
◆ヤクルトは投手陣が打ち込まれ、今季ワースト16被安打、同ワーストタイの11失点で大敗した。先発金久保が3回途中6失点でKOされると、救援陣も阪神打線の勢いを止められず、本拠でカード負け越しとなった。試合後の高津臣吾監督(53)の主な一問一答は以下の通り。 -金久保が初回に2被弾。彼のピッチングは「立ち上がりのところから大きな失点でしたね」-逆球が多かったように見えたが「横からなので高さしかよく分からないけど、もうちょっといいところ...良い球もあるかなと思ったんだけど。古賀も含めて、なかなかそれを引き出してあげられなかったかなと」-6回には内山壮、長岡らに守備のミスが出た「ミスはやっぱりゲームの中で起こることではあります。これを次回どう生かすかはすごく大事な経験として生かしてほしいなと思いますね。もちろん、次回もミスすることはあるとは思うんですけどね。そのために、しっかり準備して練習ということを怠らないでやってほしいなと思いますね」-打線も連打が出なかった「そうですね。この3連戦なかなか打てなかったですね。3試合で13本? 打てなかったですね。ちょっと今は投打ともに我慢の時かなと思います。もうちょっと粘って粘って、何とか状態が上がるのを待っているところですね」-中村が今日もファームで先発し安打を打った。早く上がってきて欲しいところ「もちろん早くこちらに合流して欲しいなと思うんですけども。プランを立てて、やっている途中なので。今、順調に回復している。チーム合流に向けて回復していると理解してください」
◆ビックリ仰天弾!! 高卒4年目の阪神小幡竜平内野手(21)が、通算194打席目でプロ初本塁打を放った。代打で途中出場して2打席目の7回2死二塁。ヤクルト大下の初球、高めに浮いた144キロ直球を捉え、右翼席最前列へ2ランを運び、7点差とダメを押した。試合中に出した談話では「見ている方々は非常に驚いたと思いますが、僕自身も驚いてます」と思わず本音をこぼした。試合後、改めて「いや、驚きました」と目を丸くした。打った感触を問われた際、近くにいた佐藤輝に「(バットの)先っぽでーす!」と横やりを入れられ、「そんなことないです」と笑顔で否定。「打った瞬間は外野が前の方にいたので、『抜けてくれ!』って感じでした」。記念球は関係者を通じて手元に届いた。2年前のプロ初安打の際は「両親に渡します」と話したが、「本塁打はめったに打たないので、自分で大切にします」とまた笑った。矢野監督は試合前にバットの出し方を指導していた。「竜平は本塁打をバンバン打つ打者じゃないけど、プロで初めて打つのはすごくうれしいことやと思う」。自分のことのように喜び、背中を押した。「打つ方でアピールしていければもっともっとスタメンで試合に使っていけるような素材。まだまだ守りも成長せなアカンねんけど。打つことにも貪欲に、さらにいってくれたら」キャンプから二遊間を争い、オープン戦は打率2割8分6厘を残し、初の開幕1軍に入った。ただ、主に守備固めで二塁での先発は9試合。この日も途中出場からインパクトを残した。糸原、熊谷らとの二塁争いに「やっぱり打てば出られる。とにかく打撃をもっともっと上げて、スタートから出られるように頑張りたい」。記念弾で得た自信を胸にアピールを続ける。【古財稜明】
◆【日刊スポーツ西日本写真映像チームのとっておき映像プレイバック】24日、雨で開始が危ぶまれたヤクルト戦は久々の猛打爆発。佐藤輝明、中野拓夢、小幡竜平の3本の2ランなどで11得点の快勝です。
◆ヤクルト-阪神の6回戦は、雨天により、当初の試合開始予定時刻の18時から30分遅らせて、18時30分の試合開始予定に変更となった。阪神はガンケル、ヤクルトは金久保が予告先発投手となっている。
◆阪神は高山俊外野手(29)が「7番・右翼」で、4月16日の巨人戦(甲子園)以来、今季2度目のスタメン出場をする。また、糸原健斗内野手(29)が「2番・二塁」で4試合ぶりにスタメン復帰。先発は、来日3年目のジョー・ガンケル投手(30)が務める。
◆打った瞬間、スタンドインを確信した。阪神・佐藤輝明内野手(23)が一回に先制の6号2ランを放った。「先制点がほしい場面だったので、初球から思い切って振っていこうと思って打席に入りました。打った瞬間、手応えはありましたし、甘い球を一発で仕留めることができてよかったです」1死から20日のDeNA戦(横浜)以来、4試合ぶりにスタメン出場した糸原が左前打で出塁。3番・佐藤輝が打席へと向かった。金久保の初球、143㌔の速球を振り抜くと、打球は右翼スタンドへ一直線。19日のDeNA戦(横浜)以来、5試合ぶりの6号2ランで先制点をもぎ取った。ダイヤモンドを一周した大砲に、ベンチでは矢野監督自ら「虎メダル」をかけた。) 打線はさらに2死一塁から、6番に座った中野が右翼席へ1号2ランで追加点。「テル(佐藤)が打ってくれていい流れの中、打席に入れました。強く振り切ることができてよかったです」。同期コンビの一発攻勢で4-0とリードを広げた。
◆阪神・中野拓夢内野手(25)が三回の第2打席で左前適時打を放ち、阪神が5-0とリードを広げた。無死一、三塁で打席へ。カウント1-0から金久保の140㌔の速球を左前にはじき返した。第1打席は今季1号の2ランを放っており、これでこの日早くも3打点。3試合連続安打と好調だ。打線はさらに1死一、三塁から梅野の二ゴロの間に1点を追加し、6-0とした。
◆阪神・大山悠輔内野手(27)が三回の守備からベンチに退いた。大山は三回先頭の第2打席で左越えの二塁打。外野からの好返球もあり、きわどいタイミングで二塁ベースにスライディングした際、苦悶の表情を浮かべており、足を痛めたとみられる。大山はここまで開幕から全試合でスタメン出場。14日の中日戦(バンテリンドーム)からは4番を任されていた。大山に代わって、一塁の守備には山本が入った。
◆ヤクルト・金久保はいきなり強烈なパンチを食らい、ノックアウトされた。午後から降り続ける雨の影響で、30分遅れで上がったマウンド。本来の投球をみせることなく、三回途中7安打6失点で降板した。「初回から大量失点してしまい、流れがつくれずチームに申し訳ないです」制球が思うように定まらなかった。一回は、1死一塁から警戒する打者に挙げていた佐藤輝に、真ん中付近に入った143キロの直球を右翼スタンドに運ばれた。さらに2死一塁からは中野に130キロのスライダーを捉えられて2ランを浴びた。二回は、先制弾を浴びた佐藤輝を見逃し三振に斬るなどして三者凡退。流れを引き戻したかのようにみえたが、三回に再び捕まった。大山に二塁打を許すと糸井、中野にも痛打を浴びて、5点目を失った。その後、1死一、三塁としたところで2番手・大西との交代を告げられた。雨には強いはずだった。前回15日のDeNA戦(横浜)は雨が降りしきる中、6回6安打2失点で今季初白星。プロ初勝利を挙げた昨年4月14日のDeNA戦(神宮)も雨だった。肌寒いなかでも、対策は万全で登板直前にお風呂に浸かるのがルーティン。「湯船に10分くらい入ると体が動くので」とこれまで効果抜群だったが...。悔しい結果となった。(森祥太郎)
◆途中出場の伏兵が一発攻勢に続いた。阪神・小幡竜平内野手(21)が七回にプロ初本塁打となる1号2ランを放った。「外野が前に来ていたので、なんとか抜けてくれと思い、思い切り振り抜きました。見ている人も驚いたと思うんですけど、僕も驚いています」六回に代打で途中出場。そのまま二塁の守備につき、迎えた七回2死二塁の第2打席だった。大下の初球、144㌔の速球を一閃。打球は右翼スタンドぎりぎりに吸い込まれた。プロ4年目で初本塁打。拍手に包まれながらダイヤモンドを一周した小幡は矢野監督から虎メダルをかけられ、満面の笑みを浮かべた。
◆阪神は計3本の本塁打が飛び出し、今季初の2桁となる11得点で快勝した。チームはこれでビジターでは初のカード勝ち越しを決めた。一回に佐藤輝がセ・リーグの本塁打数でトップタイとなる6号2ランを放つと、その後に中野も今季1号2ランで追加点を挙げて4得点。その後も、再び中野の適時打などで得点を重ね、七回には高卒4年目の小幡がプロ初本塁打を記録するなど〝一発攻勢〟で優位に試合を進めた。先発のガンケルは5回3安打2失点の粘投で今季初白星。前日23日に無得点だった打線が16安打と奮起して投手陣を援護し、昨季のセ・リーグ覇者から勝利を収めた。
◆現役時代は南海、阪神で活躍し、引退後は阪神で投手コーチやフロントでも尽力したサンケイスポーツ専属評論家の上田二朗氏(74)は第1戦で完封勝利を挙げた青柳が呼び込んだカード勝ち越しと指摘。また2番手の左腕・渡辺の存在も高く評価した。ヤクルトに勝ち越した3連戦を振り返ると、ようやく試合が作れてきており、戦う形が見えてきた気がする。初戦で青柳が主砲・村上に徹底した内角攻めをして打撃を狂わせた効果が大きく、敗れはしたが2戦目のウィルカーソンの好投、そして3戦目のガンケルの両サイドを丁寧に突く投球につながっている。もともと力のある先発投手陣が「次の試合に生きる攻め」をして、チームとして機能し始めた。救援陣では渡辺が、岩崎に次ぐ左腕の位置に〝昇格〟。ガンケル降板直後の六回を3人でピシャリ抑えて、流れを相手に渡すことのない投球も見逃せない。佐藤輝を3番に据えた打順がある程度、固定出来てきたことも収穫。その佐藤輝の先制弾で一気にチームが乗り、中押し、ダメ押しの攻撃ができ始めた。大山の状態は気になるが、全体的に「もう大丈夫」という戦いができている。ただ、気になる部分も指摘したい。試合途中で守備位置が変わる佐藤輝だ。三塁守備では、四回の塩見の二塁打は正面で止めて欲しい。右翼守備では九回に二塁手との連係が「?」のプレーがあった。阪神の軸としてプレーしていく選手は、打順も守備位置も、ドッシリ固定させて起用してもらいたい。
◆阪神は一回、佐藤輝明内野手(23)と中野拓夢内野手(25)が揃って2ランを放ち、七回には小幡竜平内野手(21)のプロ1号2ランが飛び出すなど、ヤクルトに快勝した。ジョー・ガンケル投手(30)は5回2失点で今季初勝利。チームは今季最多の16安打で今季初の2桁得点となった。矢野耀大監督(53)の一問一答は以下の通り(チーム成績5勝20敗1分、観衆1万6091人)。ーーようやく打線が本領を「うんうん。初回にホームラン2本出たし。昨日、初回に点を取れなかった中で、流れを持ってこれたのがやっぱり、大きかったと思う。当たり前だけど、先発が崩れればね、勝ちパターンのピッチャーじゃなければ、こちらが有利にもなるので」ーー佐藤輝が先制弾「ひと振りで完璧な感じやったし。ヤクルト戦から状態が上がった感じあるんで。バッティング練習の内容もいいしね。すべての内容がしっかりしている。このまま成長し、頼もしくなってくれればいいかなって思うけど」ーー中野も3安打4打点に本塁打「アイツ、ホームラン(通算)2本とも、ここやったと思うし。ホームラン数多く打つバッターじゃないけど、ああいうところから、自分で乗って行って。やっぱりホームランだけで終わらずに2本、3本と打てたのは拓夢にとって必要なことと思う。守備も今日はショートゴロが結構多かったし、まあ足に当たったりもあったけど、拓夢らしさは、しっかり出してくれたんで。ああいう引っ張った後にレフトに打ったりとか、内容もすごく良かったので。まあまあ、若いヤツもね、どんどん引っ張って行ってくれたらというところでは、輝と拓夢が引っ張ってくれた試合やったなと思うけど」ーー小幡にもプロ初ホームランが出た「うん。いろんな人も気づいたことを言ってくれているし、俺も気づいたことを言ってる。そういうのが、何かのきっかけになってくれれば、嬉しい。竜平だって現状ホームランをバンバン打つバッターじゃないけど。まあでもプロで初めてホームランはすごく嬉しいことやと思う。まあ、何て言うのかな...打つ方でアピールして行ければ、もっともっとスタメンで試合に使っていけるような素材だと思うんでね。守りをおろそかにはもちろんしてほしくないし、まだまだ守りも成長せなアカンねんけど。打つのは自分も楽しいし、そういうところで打つことにもどん欲に、さらに行ってくれたらと思います」ーー2番には糸原を入れていい働きだった「そうやね、健斗も『崖っぷち、崖っぷち』って自分で言いながら、やっぱりそういう気持ちも持ちながらね。必死さも、健斗らしさも出ていたし。まあ、そういうのが本来ある選手なんで。しぶとさとか、必死な姿とか、そういうのは結果にもつながっているのかなと思います」ーーガンケルは球数(87球)を見ての交代か「ちょっとこう、重そうな感じにも見えたし、投げてない投手も結構いたし。そういうところでは早めにいってもいいんじゃないかなと思っていきました」) ーーメダルをかけていた「いやもう、それで多少でもムードが上がるなら俺もやりたいし。まさか3回もできると思ってなかったけど。火曜からもね、甲子園に帰るので、そんなにホームラン、バンバンってないけど、そんなことがあれば嬉しい。竜平の初めてのホームランで、そういうことが、できたのも俺の中でも記憶に残っていくと思うので。どんどん、ナンボでもやります」
◆ヤクルトの金久保は6失点。一回に2本の2ランを浴びるなどして、三回途中KOされた。最も警戒する打者に佐藤輝を挙げ「低めに集めてゴロを打たせたい」と狙いを語っていたが、一回1死一塁で初球の直球が真ん中に入って先制の2ラン。さらには2死後に中野に今季初アーチとされた。三回は無死から連打を許すなど立ち直れなかった。「流れをつくれず申し訳ない」とうなだれた。◆高津監督「この3連戦はなかなか打てなかった。投打ともに我慢のとき」
◆「4番・一塁」で出場した阪神・大山悠輔内野手(27)が三回の攻撃で二塁打を放った際に、左脚を気にする仕草があり、その裏の守備から退いた。試合後、矢野耀大監督(53)は「大事に至ってなければいいなと思ってるんだけど。こればっかりは、ちょっと明日以降になると思うので。まあ、無事を願っているだけかな」と語り、スライディングか? との問いに「うん」と頷いていた。
◆阪神・井上一樹ヘッドコーチ(50)は2番・糸原(2安打1打点)、6番・中野(2ラン含む3安打4打点)の打順について言及。「いるメンバーでしか組めないですし、コイツだったら、こういう仕事してくれるんじゃないかな。コイツだったら、この打順の方が生きるんじゃないかっていう並びがそういう並びだった」と説明。16安打11得点の快勝に「結果的にね、それなりの仕事してくれたんで、これが永遠に続くわけじゃないんですけど、俺はこの打順でこういう仕事をすればいいんだな、こういう仕事を求められているんだなというのを、それぞれがわかってくれたら、もうちょっとバリエーションが広がるのかなと思います」と話していた。
◆代打で途中出場した高卒4年目の阪神・小幡がプロ初本塁打を放ち、試合を決定づけた。七回2死二塁で4番手・大下の初球の144キロを一閃。右翼席の最前列に入り、「(自分も)驚きました」と笑顔。「打った瞬間は外野が前のほうにいたので、『抜けてくれ』って感じでした」と振り返った。定位置確保を狙う21歳に、矢野監督は「打つ方でアピールしていければもっとスタメンで試合に使っていけるような素材」と期待を寄せた。
◆雨の神宮で猛爆! 阪神・佐藤輝明内野手(23)がヤクルト戦の一回に右翼席へ先制の6号2ランを放ち、今季最多11得点の口火を切った。6カード連続弾で本塁打王争いのトップに再び並ぶ一撃。打つべき人が打って燕に大勝し、今季初めてビジターでカード勝ち越しを決めた。打った瞬間、確信した。分厚い雲が覆った神宮に衝撃の弾道を描いた。右翼手・太田は下を向き一歩も動かない。雨の中、ゆっくりとダイヤモンドを回った佐藤輝は、矢野監督から恒例の〝虎メダル〟をかけられ、満面の笑みを浮かべた。「積極的に行こうと思っていたのでよかったです。(監督から虎メダルをかけられたことは)すごく意外だったんですけど、すごくうれしかったです」〝ひと振り〟で決めた。一回1死一塁。金久保の投じた初球、143キロ直球を振り抜いた。右翼席中段にぶち込んだ先制の6号2ラン。さっそうとベンチに舞い戻ると、待っていたのは矢野監督の〝サプライズ〟だ。通常は若手選手が担う虎メダルの贈呈役を、指揮官自ら行い、殊勲の一打を放った大砲をねぎらった。「神宮はすごく(ファンとの距離が)近いし、声も届いていたので感謝です」雨の影響で30分遅れの午後6時30分に始まった一戦だった。虎党は冷たい雨が降りしきる中、傘を差し、ポンチョをまとってじっと試合開始を待ち続けた。なにより虎の快勝を待ち望んでいた。 〝お待たせ〟とばかりに放ったお礼の一撃で岡本和、丸(ともに巨人)と並んで6本塁打はリーグトップに浮上。新人で24発を打った昨季も6号が出たのは4月25日(25試合目)だったから、ほぼ同じペースだ。今月5日のDeNA戦(甲子園)で1号を放ってから、広島、中日、巨人、DeNA、ヤクルトと6カード連続でコンスタントにホームランを放っている。チームトップでリーグ10位の打率も・297と3割台は時間の問題。大砲のバットが好調なのは頼もしい。この日は後に続いてくれた〝同期〟もいた。輝のホームランの余韻も冷めやらぬ中、中野の1号が放たれると、ベンチを真っ先に飛び出して喜びを表現。1年ぶり2度目のアベック弾に「なかなか打ってくれないので。すごくびっくりしました」。ニヤリと笑ったが、自分のことのようにうれしかった。火のついた打線は16安打と猛攻。今季初の2桁11得点と息を吹き返した。その原動力となった佐藤輝を、矢野監督も「ひと振りで完璧な感じやった。このヤクルト戦から状態も上がった感じがある。すべての内容がしっかりしている。このまま成長して頼もしくなってくれればいい」と信頼している。ビジターで初のカード勝ち越しを決め、勝率はようやく今季初の2割に乗った。26日から本拠地・甲子園で始まる中日3連戦へ、佐藤輝は自信をみなぎらせた。「日々アップデートしています。ここ最近は打つべき球を打てている。コンスタントに打てているので、いいんじゃないかなと思います」輝が打てば、心強い。この勢いを必ずホンモノにする。(原田遼太郎)
◆阪神2番手で六回に登板した左腕・渡辺は好救援で相手に流れを渡さなかった。「点を取った後のイニングだったので、流れを切らさないようにゼロで抑えたいと思っていた」。先頭の4番・村上を外角のスライダーで空振り三振斬り、三者凡退に抑えた。これで自身は9試合連続無失点。「今後も与えられた場面でしっかり仕事ができるように準備したい」と力を込めた。
◆猛攻の口火を切ったのは阪神・糸原だ。4試合ぶりの先発出場で「2番・二塁」に入り一回1死から左翼線打。四回にも左前打を放ち、六回には遊ゴロ失策の間に3試合ぶりの打点も挙げた。今季6度目マルチ安打で打率も4月12日以来の2割台(・200)に乗せた。矢野監督も「『崖っぷち、崖っぷち』って自分で言いながら。必死さも、健斗らしさも出ていた」とねぎらった。
◆ヤクルトは、今季ワーストの16安打を浴びて11失点で大敗。高津臣吾監督(53)は「今は投打ともに我慢のときかな。粘って粘って何とか(チームの)状態が上がってくるのを待っているところ」と振り返った。雨の影響で30分遅れで始まった試合。今季2度目の登板となった金久保が、いきなりつかまった。1死一塁で佐藤輝に6号2ラン、2死一塁から中野に2ランを許した。三回途中まで7安打6失点で降板。前回15日に6回2失点で勝利を挙げた右腕は「流れがつくれず申し訳ない」と悔やんだ。打線は7安打3得点。阪神3連戦は計13安打と課題を残した。26日からは3連勝と勢いに乗る広島と敵地で戦う。「相手は意識しますけど、それよりもチームの状態を上げることが優先」と指揮官。サンタナや清水ら主力が抜ける中、チーム一丸で耐える。(森祥太郎)
◆打球は雨が降りしきる神宮の夜空に高く舞い上がると、右翼席に着弾した。中野が今季26試合目で待望の1号2ラン。打線に火をつけたプロ2年目の同期、佐藤輝に続いた。「輝(佐藤)がチームにいい流れを作ってくれたので、しっかりと続いていこうという気持ちがありました」一回、佐藤輝の先制6号2ランでベンチがお祭り騒ぎになった直後の2死一塁だ。ヤクルトの先発、金久保の内角スライダーを一閃。「自分が一番びっくりしました。強いスイングをした結果です」と自画自賛の一発だった。三回には中押しの左前適時打。五回先頭でも左前打を放ち、3月25日のヤクルトとの開幕戦(京セラ)以来、今季2度目の3安打猛打賞。そして、八回にはダメ押しの中犠飛と4打点の大暴れだ。プロ2本目も佐藤輝とのアベックアーチだった。初本塁打は昨年5月4日のヤクルト戦。神宮球場だった。「唯一の一本だったので覚えていますよ。でも(佐藤輝と)一緒にホームランを打つというのは、自分が打たない限りないので」と笑った。中野には、入団してから思い続けている夢がある。「甲子園でホームランを打ちたい。輝が打ってみるのを見ると、うらやましいなと」。今季からは入場制限が撤廃された。虎党で埋まったスタンドから大きな拍手を受けながらダイヤモンドを一周したい-。昨年9月4日の巨人戦だった。3-3の七回2死満塁で、右翼フェンスを直撃する走者一掃の三塁打を放ったが「あと少しでホームランだったのに」と、ちょっぴり悔しかった。まだシーズンは始まったばかり。甲子園で打つチャンスはいくらでもある。中野は「輝と2人でしっかりとチームに貢献していきたい」と力こぶを作った。26日からは甲子園で中日との3連戦。前回は敵地で3連敗を喫した。「このいい流れをあさって以降につなげていきたい。来週からは全部勝つつもりで全力でやっていきます」と力強く宣言。巻き返しを目指すチームの起爆剤となる。(三木建次)
◆阪神・大山悠輔内野手(27)が24日、ヤクルト戦(神宮)の走塁の際に左足を痛め、三回の守備から途中交代した。三回先頭の第2打席で左翼線二塁打を放ち、二塁に滑り込んだ際に、タッチをかいくぐろうとしたためか左足を痛めたとみられ、塁上で苦悶の表情を浮かべた。直後の守備からゲームを退き一塁には山本が入った。試合後に状態を問われた矢野監督も「大事に至ってなければいいなと思っているんだけど(詳細の判明は)あす以降になると思う。無事を願っている」と心配そうだった。大山は一回にも中前打を放っており、今季5度目のマルチ安打で状態も上向きだった。開幕から全試合でスタメン出場し、打率・264、3本塁打、11打点で、14日の中日戦(バンテリンドーム)からは4番を任されていただけに、離脱となれば大きな痛手となる。
◆雨にも負けず、ピンチにも負けなかった。ガンケルが苦しみながらも粘って、〝4度目の正直〟で今季初白星を手繰り寄せた。「序盤で味方が大量援護してくれたので、チームの流れを切らないようにストライク先行を意識して投げたよ」走者を背負っても冷静にアウトを積み重ねた。一回2死一、二塁では塩見を右飛に料理して無失点で乗り切ると、二回1死三塁でもホームは踏ませなかった。四回に四球と二塁打で無死二、三塁とされ、長岡とオスナの内野ゴロの間に2点を返されたが、それ以上の追加点は許さず。5回2失点、87球で降板し、勝利投手の権利をゲットした。来日3年目の今季は腰の張りで出遅れ、試合前まで3戦3敗、防御率4・50。今月3日の巨人戦は一回に中田に満塁弾を浴び、10日の広島戦はマクブルームに許したソロが決勝点に。17日の巨人戦でもウォーカーに逆転3ランを被弾と、3試合連続で手痛い一発を浴びてきたが、この日は3番・山田に1安打、4番・村上に2四球を与えながらも被弾はゼロ。慎重に投球を組み立て、本来の姿を取り戻してきた。今季から虎に加入し、ともに先発のローテの一角を担うウィルカーソンとは日頃の練習からコミュニケーションを取って助け合いながら登板に臨んでいる。「(野球の話よりも)日常会話が多いかな」とは言いつつも「情報は共有しているし、お互いに助け合ってなんとか勝てるようにやっているよ」と、異国で腕を振る〝戦友〟の存在も励みになっている。「調子は良くなかったけど、守備にも助けてもらいながら、なんとか試合を作ることができてよかった」登板4試合目でようやくつかんだ1勝。これを自信に変えて、ここから巻き返していく。(織原祥平)
◆あれは1998年オフのことだった。「ビッグボス」として日本ハムに君臨している新庄監督が、まだタテジマの一員だった頃。名将・野村克也が阪神監督に就任して、秋季キャンプで新庄の二刀流を公言。関西マスコミを大騒ぎさせていた頃。新庄選手は、ニッポン放送の大魔神・佐々木主浩(当時横浜ベイスターズ)がメインキャストを務める番組にゲスト出演した。当時の大魔神は、チームを日本一に導いた絶頂期。なぜか、オフにラジオで自分の看板番組を持っていた。今、考えても不思議な話だが。各界のスターを毎週ゲストに呼んでいたのだ。おかげで、東京のお台場(当時ニッポン放送はお台場にあった)まで追っかけて取材するハメに。放送の大半は、新庄が投手として生き抜くために、大魔神からフォークの握りを伝授してもらうという、マジメに聴いていていいのか、よくわからない内容だった。「これで清原さん(当時巨人)を抑えられますね」大喜びの新庄に向かって、大魔神が金言を贈った。「プロの打者をナメてはいけない。一度抑えられても、必ず次の対戦で対策を練って打てるようになっている。どんなに速い球も、どんなに落ちるフォークにも対応する。完璧に抑えても、次はやられる。プロの打者は本当にスゴイぞ」なるほどなぁ、とうなずきながら話を聞き終え、ゴキゲンの新庄を取材して見送り、最後に大魔神を囲んだ。「アドバイスしましたが、よ~く考えたら、彼もプロの打者ですよね」 大爆笑して取材が終わった。結局、二刀流は翌年の開幕前にピリオドが打たれ、新庄がフォークでバッタバッタと三振を奪うシーンを目撃することはなかった。が、あの全盛期の無敵の大魔神・佐々木もプロの打者に敬意を払うという事実は、深く心に刻まれた。目の前で佐々木朗希に完全試合を達成されてしまったオリックスの打者が、黙っているはずがない。大魔神理論でいけば...と思っていたら、なるほど意地は見せていた。160キロでも打つんだなぁ。特に吉田正尚はさすがだ。超一流だ。プロはスゴイ。当番デスク・牧慈に電話して、思いを共有しようと思ったが、全く当て外れの感想だった。「午後1時前には会社に来て、朗希の登板に備えてましたが、オリックスとやり合うというより、球審とやり合っていましたね」確かに、そっちのバトルのほうが注目を集めてしまった感じだった。ちなみに、阪神戦はナイターなのに、朗希の「ひょっとしたら、また完全試合?」を期待してか、社内は早々と出社した者がやたら多かったらしい。そんな〝タイガースより朗希〟に浮気している誰かさん(?)を見返す、プロの打者のスゴさを見せてほしいと願っていたら、いきなり佐藤輝がドカン! 中野もドカン! 小幡までドカン! 11得点! 零封された翌日のプロの意地だ。「秩父宮ラグビー場でリーグワンの試合が行われていて、外苑前駅から神宮球場までの道路が歩行者天国でイベントが行われ、お祭りムード。いい雰囲気ですよ」トラ番・原田遼太郎が伝えてくれた。そして、遅ればせながら虎祭りも始まった!
◆よっしゃァ!! 猛虎16安打11得点で、昨年の日本一チームのヤクルトに快勝、そして3連戦勝ち越しやー!!気持ちええねー! カキーン。一回に佐藤輝の6号2ランで先制すれば、その直後、同じく2年目の中野が2ラン!! 七回に小幡がプロ1号を放ち、花火3発ときたもんだ!!うむむむ...。それを見て、俺は考えたのです。開幕9連敗で止めたDeNA戦でも佐藤輝がホームラン!! 巨人に初勝利した試合も佐藤輝とロハスのスタンドイン!! このヤクルト3連戦の第1戦目の勝利も、大山&ロハスのアーチだったのだ...。ワナワナワナ...。もしかしたら、わが阪神って...。野球を大本からはき違えていたのでは? かつての六回までリードしていれば、その後は無失点の『JFK(ジェフ・ウィリアムス、藤川、久保田)神話』が逆に呪縛になっていたのでは...。かつてヤンキースなんてベーブ・ルースの本塁打のために、ライトフェンスを前にしたのだ...。ならば、阪神も甲子園のラッキーゾーンを復活して、猛虎大逆転Vの大バクチを打ったれー!!
<セ・リーグ順位表推移>
順位 | チーム名 | 勝数 | 負数 | 引分 | 勝率 | 首位差 | 残試合 | 得点 | 失点 | 本塁打 | 盗塁 | 打率 | 防御率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 (-) |
巨人 |
18 | 8 | 0 | 0.692 (↓0.028) | - (-) |
117 | 112 (+6) | 90 (+7) | 28 (+1) | 9 (-) |
0.254 (↓0.001) | 3.000 (↓0.17) |
2 (-) |
広島 |
15 | 9 | 1 | 0.625 (↑0.016) | 2 (↑1) |
118 | 111 (+5) | 75 (+4) | 8 (+1) | 7 (-) |
0.260 (↓0.002) | 2.800 (↓0.04) |
3 (-) |
中日 |
12 | 10 | 0 | 0.545 (↑0.021) | 4 (↑1) |
121 | 83 (+7) | 82 (+6) | 16 (-) | 8 (-) |
0.254 (↑0.003) | 3.570 (↓0.11) |
4 (-) |
ヤクルト |
12 | 12 | 0 | 0.500 (↓0.022) | 5 (-) |
119 | 82 (+3) | 98 (+11) | 23 (-) | 9 (-) |
0.225 (↓0.001) | 3.430 (↓0.2) |
5 (-) |
DeNA |
9 | 12 | 0 | 0.429 (↓0.021) | 6.5 (-) |
122 | 77 (+4) | 91 (+5) | 16 (+2) | 9 (-) |
0.255 (-) | 3.880 (↑0.06) |
6 (-) |
阪神 |
5 | 20 | 1 | 0.200 (↑0.033) | 12.5 (↑1) |
117 | 73 (+11) | 102 (+3) | 20 (+3) | 14 (+2) |
0.227 (↑0.007) | 3.850 (↑0.04) |
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