ヤクルト(☆1対0★)阪神 =リーグ戦5回戦(2022.04.23)・明治神宮野球場=
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阪神
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ヤクルト
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勝利投手:石川 雅規(1勝2敗0S)
(セーブ:マクガフ(0勝0敗6S))
敗戦投手:ウィルカーソン(1勝1敗0S)

本塁打
【ヤクルト】青木 宣親(1号・4回裏ソロ)

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◆ヤクルトが投手戦を制した。ヤクルトは0-0で迎えた4回裏、青木のソロで先制に成功する。投げては、先発・石川が6回3安打無失点。その後は3人の継投でリードを守り、石川は今季初勝利を挙げた。敗れた阪神は先発・ウィルカーソンが好投するも、打線が援護できなかった。

◆阪神は来日1年目のアーロン・ウィルカーソン投手(32)が2度目の先発マウンドに上がる。 初登板となった16日の巨人戦(甲子園)は6回を3安打5奪三振1失点にまとめ、初先発初勝利を飾った。過去に初登板初先発初勝利を挙げた阪神の外国人投手は9人。全員が2戦目も先発したが、白星を飾ったのは08年アッチソンが最後だ。15年サンティアゴや21年アルカンタラは白星を挙げておらず、ウィルカーソンが勝利投手となれば14年ぶり5人目となる。前夜は青柳晃洋投手(28)が完封勝利を挙げて開幕から続いたビジター連敗を12で止めた。ウィルカーソンが好投を見せて今季2度目の連勝へ導けるか。

◆今季2度目の連勝を狙う阪神は「6番・右翼」で代打逆転満塁弾男の小野寺暖外野手(24)を今季初スタメンで起用した。ヤクルト先発のベテラン左腕石川雅規投手(42)とは昨年2打席対戦し2打数1安打。右翼へ二塁打を放っている。小野寺は21日DeNA戦で4回に代打で登場し、左腕坂本から左翼へ一時逆転となる豪快な代打満塁弾。左腕キラーとして、どんな打席を見せるか。3試合連続で3番に佐藤輝明内野手(23)、4番に大山悠輔内野手(27)が入った。先発のアーロン・ウィルカーソン投手(32)は前回16日巨人戦で6回1失点。来日初登板初先発で初勝利を挙げた。勢いに乗って2連勝なるか。

◆ヤクルトの投打の四十路(よそじ)2人が奮闘を繰り広げている。42歳の石川雅規投手が、21年連続勝利をかけ今季3度目の先発。初回、満塁のピンチを招きながら切り抜け、4回まで阪神打線を無失点に封じた。すると、40歳の青木宣親外野手が4回先頭の打席で、今季1号となる先制ソロを放った。チームにとって16イニングぶりの得点で、「石川さんが良いピッチングをしているので何とか先に先制してあげたかったので先制することが出来て良かったです」と石川を援護。ベンチでは、2人がグータッチを決めた。

◆ヤクルト石川雅規投手(42)が、勝利投手の権利を得てマウンドを降りた。 初回、満塁のピンチを招きながら切り抜けると、2回以降は二塁も踏ませぬ好投。130キロ台前半の直球に、多彩な変化球を織り交ぜながら、6回3安打無失点と老練な投球内容を披露した。今季3登板目の先発で、勝てば21年連続勝利を達成する。その石川を、同じ四十路(よそじ)の青木宣親内野手(40)が、4回に先制1号ソロで後押し。慣れ親しんだ本拠地・神宮球場で偉業達成なるか!?

◆阪神は球団史上最速でシーズン20敗に到達した。ヤクルト先発の42歳石川に6回無失点の好投を許し、21年連続勝利を献上。今季2度目の2連勝を逃し、今季25試合目で両リーグ最速の20敗を喫した。阪神の過去最速20敗は91年の27試合目。全球団を見渡しても、2リーグ制後では50年国鉄の23試合目に次いで2位タイの速さとなった。首位巨人とのゲーム差は13・5。セ・リーグでは最大ゲーム差での逆転Vとなった08年巨人の13ゲーム差を超えてしまった。先発のアーロン・ウィルカーソン投手(32)は2番青木の右越えソロで先制点を許したが、7回途中を1失点と好投。ただ、前夜6得点の打線がこの日は沈黙した。1回1死満塁の好機を逃すと、2回以降は石川の投球術に屈す形となった。前日22日は4番大山悠輔内野手(27)が先制決勝弾を決め、青柳晃洋投手(28)が完封勝利。開幕から13戦目でビジター初勝利を挙げたが、勢いを継続できなかった。▼阪神が0-1で敗れた。完封負けは今季6度目。球団のシーズン最多完封負けは63年の24度だが、このペースだとそれを大きく上回る34度になる計算。また、25試合以下で6度以上完封負けしたのは、63年8度、67年6度以来。0-1負けは56年にシーズン11度喫しているが、25試合以下で4度は13年の3度を抜いて球団最多となった。

◆ヤクルト石川雅規投手(42)が21年連続勝利を達成した。 今季3試合目の先発マウンド。初回から満塁のピンチを招きながらも130キロ台前半の直球に変化球を駆使し、阪神打線を封じ込めた。阪神相手は19年8月7日以来、3年ぶりの勝利。21年以上連続白星は史上7人目の快挙だが、入団1年目からでは56~77年の米田哲也(近鉄)22年、53~73年の小山正明(大洋)21に次ぐ史上3人目、左腕では初めてとなった。「(チームメートに)いつも何か変なプレッシャーをかけてるんじゃないかなって気になってもいたんですけど、(捕手の内山)壮真がいいリードをしてくれた。バックもナイスプレーをして盛り立ててくれました。ひとりではできない数字。いつも応援してくれるファンのみなさんと、サポートしてくれる裏方さんはじめ、監督、コーチのおかげで今日もマウンドに立つことができました。ありがとうございました」打線は2学年下の青木が3回に1号ソロで援護してくれた。石川は「さっき青木が(お立ち台で)"石川おじさん"って言いましたけども、"青木おじさん"が打ってくれたので僕も気合が入りました」と笑った。身長167センチの「小さな大投手」だ。頭には白髪が入り交じるセ・リーグ最年長投手が、慣れ親しんだ本拠地・神宮で通算178勝目を手にした。今季は開幕ローテーション入りも2戦2敗。登板機会なく2軍での調整をへて臨んだ一戦だった。投げ込みを増やし「そういう意味では中6日じゃできない調整もできた。僕らはどんだけ言っても結果を出してなんぼなので、結果がでたらいい調整ができたなとなりますし、結果がでなかったらもっとやり方があったんじゃないかとなるので。なんせ結果がほしいですね」と勝ちを強く意識し、見事に形に表れた。

◆4位ヤクルトが22日に今季敵地初勝利を挙げた最下位阪神と対戦し1-0で勝利。先発はヤクルトが石川、阪神はウィルカーソン。

◆阪神アーロン・ウィルカーソン投手(32)は7回途中1失点で降板し、初登板初先発初勝利からの2連勝とはならなかった。4回に2番青木の右越えソロで先制されたが、終始安定した投球を披露。ただ、0-1の7回1死で降板した。来日初登板初先発した16日巨人戦は6回1失点で初勝利。この日も6回1/3を7奪三振無四球3安打で1失点と好投した。

◆ヤクルト石川雅規投手(42)が21年連続勝利を達成した。 ▼42歳3カ月の石川が今季初勝利を挙げ、プロ1年目の02年から21年連続勝利。21年以上続けて勝利は7人目で、プロ1年目からは56~77年米田(近鉄)の22年、53~73年小山(大洋)の21年に次いで3人目。42歳以上で白星を挙げたの12人目(先発勝利は9人目)となり、自身が持つ球団最年長勝利記録を更新した。▼この日は19歳9カ月の内山壮と初バッテリー。40代投手が10代捕手と先発バッテリーを組んで勝利は、85年10月10日西武の高橋直(40歳7カ月)-仲田(19歳8カ月)88年10月12日と同23日阪急の山田(40歳2カ月)-中嶋(19歳6カ月)以来3組目。▼40歳3カ月の青木がV打。青木のV打で石川の勝利は10度目。勝利投手とV打点が40代は、自らの先制スクイズで勝った16年8月20日黒田(広島)以来で、投手と打者が違うケースでは13年6月23日中日の勝利山本昌とV打和田以来。

◆阪神は球団史上最速でシーズン20敗に到達した。▼阪神が6度目の完封負けで今季20敗目を喫した。25試合目での20敗到達は、球団では91年の27試合目を抜いて最速。球界でも2リーグ制後では、50年の国鉄(現ヤクルト)の23試合目(2勝20敗1分け)に次ぐ2位タイの早さ。▼デーゲームで巨人が勝ったため、首位との差は今季最大の13.5ゲーム差に開いた。63年の西鉄が、7月に南海につけられた14.5ゲーム差をひっくり返したのがプロ野球の最大差逆転V。セ・リーグでは08年巨人が7月に阪神につけられた13差逆転が最大差。今季の阪神はまだ残り118試合あり、前記2チームより試合数の猶予はあるが、数字上はセの最大差逆転Vを上回り、西鉄の記録に迫っている。

◆阪神が今季6度目の0封負けで、球団史上最速25試合目で20敗目を喫した。先発アーロン・ウィルカーソン投手(32)は7回途中、ヤクルト青木のソロによる1失点だけの好投で、リリーフ陣も追加点を与えなかった。初回に1死満塁の好機を逃した打線は、2回から二塁すら踏めなかった。1点差負けは今季10度目。試合後、矢野燿大監督(53)との一問一答は以下の通り。-先発ウィルカーソンは1発に泣く形になった「泣くというか、打線が何とかせなあかんよね、そら。ピッチング的には四球なしやったっけ。泣いたっていうような、そんなもん、ピッチングじゃないでしょ。しっかりした投球をしてくれたんでね」-相手も初対戦ではあったが、今後も期待できそう「もちろんもちろん。いろんなバリエーションのアウトの取り方ができるんで、そんなに対戦したからといって、簡単という感じには思わないよね、うん」-やはり初回の攻撃が「いや、もうそこしかないよね。初回でつぶせるチャンスがありながらね、今日の試合なんか絶対勝たなあかんし。いつも終わってからの話になるんで、結果論にはなるけど、あそこで崩せていたら、(ヤクルト先発石川は)たぶんあそこまでいくこともなかったと思うし、あそこで点取れないというのが、もうすべてやね」-2回以降は走者を出すのも難しい状況。上位が出て主軸に回るところの方が手堅くいきやすい「うーん、それはあるよね。拓夢(中野)で長打というの感じもないんで。島田のスタート自体も悪くなかったし、まあ、いいチャレンジだったと俺は思っているし。どこかで一番点が取れる、確率が上がるところで勝負していかないとダメなので。そういうところで勝負しにいったんやけど、それはもう相手があることなので、それを俺は受け止めているし。うーん、まあ、初回のところとね。チカ(近本)の状態も、今日の内容はそんなに悪くなかったんで、まあチカがやっぱり出てっていうところがうちの流れになると思うんで。そこの状態が上がってきてくれるという期待はしたいけど」-1点差や完封負けが多いが、重圧のかかる場面で打たなくてはいけない「重圧というのは別にないと思うんだけどね。まあ、1点差を勝っていかないとダメなチームなのでね、うちは。そんなにガンガン点を取ってというチームじゃないから。だからこそこういう試合を勝って、いい流れ、いいムードを作りながら、その中でバッター陣の状態が上がってくる(ようにする)。投手はここ最近そんなこと言ってるけど、みんな落ち着いて投球してくれているんで。だからこそ打線の奮起が必要だし、俺自身も『どうやって点を取るか』っていうのを考えていかないといけないかなと思います」

◆阪神が今季6度目の0封負けで、球団史上最速25試合目で20敗目を喫した。 神宮の三塁側スタンドからヤジが飛んだ。「どうなってんねん! 阪神!」。さらに首脳陣に向けても「1点取らせろ!」「○○出すな!」。燕のベテランコンビが楽しそうなヒーローインタビューを繰り広げる中、敗軍の列に容赦なく厳しい言葉が浴びせられた。前日22日の大勝から一転、再び打線が沈黙する0-1で今季6度目の完封負けだ。勝負の分岐点は初回だった。矢野監督も怒りとも、あきれとも取れる表情で振り返った。「もうそこしかないよね。初回でつぶせるチャンスがありながらね。今日の試合なんか絶対勝たなあかんし。あそこで点取れないというのがもう全てやね」。過去白星を25個献上したが黒星も40回つけている42歳左腕の石川に対し、1死から熊谷、佐藤輝が連打。さらに重盗も決めて1死満塁の先制機を作った。だが、ロハスが捕邪飛、最後は小野寺が痛恨の見逃し三振。前夜の6-0快勝でようやく打線が復調かと思われたが、現実は甘くなかった。1年前はまるで違う光景だった。昨季は開幕29試合で両リーグ最速かつ、球団最速タイの20勝に到達。ロケットスタートに成功した。それが、今季は開幕25試合で両リーグ最速かつ、球団最速で20敗に到達してしまった。これほどの激変はまさに「どうなってんねん!」だ。20敗のうち、これで1点差負けが半分の10度目の勝負弱さ。スアレスもいた昨季は厳しい試合を競り勝ってきたが、今季は全く別のチームのようだ。矢野監督 1点差を勝っていかないとダメなチームなのでね。そんなにガンガン点を取ってというチームじゃないから。だからこそこういう試合を勝って、いい流れ、いいムードを作りながらバッター陣の状態が上がってくる(ようにしないと)。打線の奮起が必要だし、俺自身もどうやって点を取るかっていうのを考えていかないといけない。ナインが浴びたのはヤジだけではなかった。大半は温かい拍手と声援だった。「負けて怒鳴るファンが一番ダサいだろ!」。過激なファンをなだめる声も飛んだ。首位巨人とは13・5ゲーム差に拡大。ファンのためにも、もうぶざまな姿は見せられない。【桝井聡】○...ソフトバンク戦力外から加入した変則左腕の渡辺は、開幕から8試合連続無失点と好投が続く。1点ビハインドの7回1死で登板。4番村上を外角へ逃げるスライダーで空振り三振に仕留めると、5番塩見は直球で二ゴロに封じた。「今日は左の村上選手だけではなく、右の塩見選手に対しても自分のボールを投げることができました」。背中の張りで1度戦列を離れたが、ブルペンに欠かせないピースになっている。○...湯浅は3人斬りで4戦連続無失点とした。1点ビハインドの8回に登板。140キロ後半の直球と130キロ後半のフォークを武器に、2奪三振で3者凡退に仕留めた。「ビハインドでの登板だったので、絶対に抑えて攻撃に流れを持ってくるんだという気持ちでマウンドに上がりました。攻める投球ができたと思います。これを続けられるように頑張ります」。22歳の存在感が増している。▼阪神が今季20敗目を喫した。25試合目での20敗到達は、球団では91年の27試合目を抜いて最速。球界でも2リーグ制後では、50年の国鉄(現ヤクルト)の23試合目(2勝20敗1分け)に次ぐ2位タイの早さ。▼デーゲームで巨人が勝ったため、首位との差は今季最大の13・5ゲーム差に開いた。63年の西鉄が、7月に南海につけられた14・5ゲーム差をひっくり返したのがプロ野球の最大差逆転V。セ・リーグでは08年巨人が7月に阪神につけられた13差逆転が最大差。今季の阪神はまだ残り118試合あり、前記2チームより試合数の猶予はあるが、数字上はセの最大差逆転Vを上回り、西鉄の記録に迫っている。

◆阪神佐藤輝明内野手(23)、大山悠輔内野手(27)の新3、4番コンビも白星を呼べなかった。 佐藤輝は初回に石川から左前打を放ったが、残る3打席は凡退。1点ビハインドで進んだ9回はマクガフに空振り三振し、最後の打者になった。大山も初回こそ四球を選んだが、4回と7回は先頭で石川らの前に凡退。前日は大山が先制2ランを含む猛打賞、佐藤輝も適時打を含む2安打で5連敗阻止に貢献したが、この夜は厳しい表情で敗戦を受け止めた。

◆ヤクルト石川雅規投手(42)はつば九郎にも勝利を誓っていた。 コロナ禍で濃厚接触者と認定され、出演自粛をしているマスコットに試合前にLINE(ライン)で連絡。「『勝利届けるよ』ってメールしたら、『ないちゃう わらい』って返ってきたので、今日の勝利を届けられてよかったと思います」と、やりとりを明かした。

◆白髪交じりの「小さな大投手」が、21年連続勝利を果たした。ヤクルト石川雅規投手(42)が今季3度目の先発登板で6回3安打無失点。同じ四十路(よそじ)の青木から先制アーチの援護を受け、現役最多の178勝目を挙げた。身長167センチと野球界では小柄。直球は130キロ台ながら、老練な投球術を惜しみなく発揮した。入団1年目からの21年以上連続白星は史上3人目、左腕では初の快挙となった。 42歳の石川が投げて、40歳の青木が打って勝つ。ドラマチックな展開で石川が勝ち取った白星は格別だった。お立ち台で青木がいった。「石川じいさんのためにがんばりました!」。負けずに石川も「青木おじさんが打ってくれたので気合が入りました!」。21年連続勝利となる今季初勝利。試練は初回から待ち受けた。連打と四球で1死満塁。「なんとか最少失点」。5番ロハスを内と外を投げ分け捕邪飛。続く小野寺にも同様、真ん中への甘い球は皆無だった。追い込んでから内角低めに決まった直球131キロで見逃し三振。ピンチを脱し0行進を続けると、4回に青木が先制ソロで援護弾。ロッカーは隣同士で、勝てないとき、弱音を吐くこともあった。そのたびに「大丈夫。石川さんなら大丈夫ですよ」。バットでも強烈なメッセージを受け、23歳年下の内山壮のミットめがけて腕を振った。身長167センチ。入団1年目から21年連続勝利を挙げ、通算勝利数は178勝で黒星と並んだ。「勝ったときってうれしいけど、すぐ次にいきますし。負けの悔しさはすごく覚えている。それが次への活力になる」。開幕2連敗で、約2週間の調整期間を経て今季3度目の登板。この日の最速は137キロで、最遅は96キロのカーブだった。緩急と制球こそ生きる道だと信じて21年。「自分の特徴を生かせたら野球ってできるもんだと小さいころから思っていた。遅くても工夫していければ抑えられると、僕自身も信じてやっている。それをぶれずに今後もやっていければ」。小さな大投手の神髄が詰まった92球だった。【栗田成芳】▽ヤクルト石川の父昭芳さん(73)「体が小さくて、よく21年よくやってこれたなって。大きなケガがないおかげじゃないかなと。ヤクルトに入って、長くて3年かなという感じでいたんですが、ここまでやってこれたのは、負けたくない、やめたくないという気持ちもあったと思う。今日はみんなに助けられた。自分1人で勝てるスポーツじゃないので、選手全員の勝利だと思っております」

◆矢野阪神は連敗を4で止めた前夜の6-0快勝一夜明け、0-1で6度目の完封負けを喫した。両リーグ最速&球団最速で20敗に到達した。▼阪神が0-1で敗れた。完封負けは今季6度目。球団のシーズン最多完封負けは63年の24度だが、このペースだとそれを大きく上回る34度になる計算。また、25試合以下で6度以上完封負けしたのは、63年8度、67年6度以来。0-1負けは56年にシーズン11度喫しているが、25試合以下で4度は13年の3度を抜いて球団最多となった。▼阪神は1点差試合が1勝10敗。スアレスもいた昨季は、1点差試合が25勝14敗で競り合いに強かった。

◆阪神は新助っ人のアーロン・ウィルカーソン投手(32)が今季2度目の先発。来日初登板だった16日の巨人戦(甲子園)は6回3安打1失点で初勝利をマークした。初対戦のヤクルト打線に「自分の力がどこまで通用するか試すいい機会」と意気込んでいた助っ人右腕が虎を連勝に導く。

◆阪神が初回の絶好機を逃した。一回1死から熊谷が中前打を放つと、佐藤輝が左前打で続き、一、二塁。大山の打席でダブルスチールを成功し、二、三塁とした。大山は四球で1死満塁。しかし、ロハスが痛恨の捕邪飛。小野寺は131㌔に手が出ず、見逃し三振に終わった。

◆ヤクルト・青木宣親外野手(40)が、先制となる1号ソロを放った。「石川さんが良い投球をしているので、何とか先に先制してあげたかった。先制することができて良かった」0―0の四回。先頭で迎えた第2打席で、阪神先発・ウィルカーソンの143キロの高め直球を完璧に捉え、右越えソロ。21年連続勝利を目指して先発した石川雅規投手(42)を援護する貴重な1点をもたらした。

◆阪神の先発、アーロン・ウィルカーソン投手(32)は6回?を投げ3安打1失点と試合を作った。一回2死一塁では村上を145㌔で空振り三振。その後も力強い直球を軸にアウトを積み重ねた。四回先頭の青木にソロを許したが失点はこれだけ。四回1死一塁から村上を今度は一ゴロ併殺に仕留めた。好投したウィルカーソンだが打線の援護なく、七回先頭の山田を空振り三振に斬った後、2番手の渡辺にマウンドを譲った。

◆阪神は今季6度目の完封負けを喫し、開幕25試合目で20敗(4勝16敗1分け)に到達した。これは1991年の開幕27試合を上回る球団ワースト。借金16は今季ワーストタイ。打線は一回、1死満塁の先制機でロハス、小野寺が凡退。二回以降はヤクルトの42歳左腕、石川の絶妙な制球と緩急自在の投球に翻弄された。四回、五回と走者を置いた場面で、ともに併殺でチャンスをつぶした。ヤクルトの4人の投手リレーにわずか4安打しか打てなかった。先発したウィルカーソンは6回?を投げて3安打1失点、無四球の好投。0-0の四回、青木にソロアーチを被弾したが、最速145キロの直球と変化球を織り交ぜて相手打線に的を絞らせなかった。だが、打線の援護に恵まれず、来日初黒星(1勝)となった。

◆ヤクルトの石川は打たせて取り、6回無失点で今季初勝利。入団から21年連続で白星を挙げた。継投で四回の青木の1号ソロによる1点を守った。阪神は12球団最速で20敗目。一回1死満塁を逃し、ウィルカーソンの好投をふいにした。

◆ヤクルト・石川雅規投手(42)が6回無失点で今季初勝利(2敗)を挙げた。打っては青木宣親外野手(40)が、先制となる1号ソロを放ち、これが決勝点となった。石川のヒーローインタビューは以下のとおり。--どんな気持ちでマウンドへ「今季1勝目を目指して勝利ボールを家族に持って帰りたいなと思ってマウンドに上がりました。青木おじさんが打ってくれたので気合が入りました」--四回青木の本塁打「青木おじさんも苦しんでいたのであの1本でこれから(青木)宣が乗っていくんじゃないかなと思っています」--なんとか石川さんに勝ちをって思いがナインからも伝わってきた「いつも変なプレッシャーをかけてないかなと気になってはいたんですけど、本当に(内山)壮真がいいリードをしてくれましたし、試合前から話し合いをマウンドで出すことができた。バックもナイスプレーをして最高のゲームでした」--史上3人目の入団から21年連続勝利「1人ではできない数字だと思うので、ファンの皆さんとサポートしてくれる裏方さん、監督、コーチのおかげで今日もマウンドに立つことができました。ありがとうございました」

◆ヤクルトの石川は打たせて取り、6回無失点で今季初勝利。入団から21年連続で白星を挙げた。継投で四回の青木の1号ソロによる1点を守った。お立ち台に上がった青木のインタビューは以下のとおり。--ナイスバッティング「ありがとうございます。めちゃめちゃうれしいです」--打った感触「長らくホームランを打ってなかったので入ってって思いながら走っていました」--石川投手に勝ちをつけたかった「クラブハウスでもロッカーが隣なので、なかなか勝てない石川さんを元気のない石川さんを見ていたので今日は本当によかった。石川爺さんのために頑張りました」--ダイヤモンド1周してベンチで石川と会話したか「石川さんもマウンドを降りた後も勝ちたい気持ちが強いのかソワソワしてました。いいピッチングしていたので満足していると思います。やっぱり勝ちがついた事は石川さん、チームにとってもよかった」--2人で掴み取った勝利「自分も開幕からちょっと結果が出ていなかったので今日こそはって気持ちでプレーをしていたんですけどその瞬間がきて嬉しいです」

◆阪神は今季6度目の完封負け。失点は先発のアーロン・ウィルカーソン投手(32)が四回に浴びた本塁打のみで、一回1死満塁の先制機を逸したことが大きかった。両リーグ最速の20敗目を喫した矢野耀大監督(53)の一問一答は以下の通り(チーム成績4勝20敗1分、観衆2万6197人)。ーーウィルカーソンは一発に泣いた「泣くというか、打線が何とかせなアカンよね、そら。ピッチング的には四球無しやったっけ(実際に無四球)。泣いたっていうような、そんなもん、ピッチングじゃないでしょ。しっかりした投球をしてくれたんでね」ーー今後も期待できる「もちろんもちろん。いろんなバリエーションのアウトの取り方ができるんで、そんなに対戦したからといって、簡単という感じには思わないよね、うん」ーーやはり初回が「いやもうそこしかないよね。初回でつぶせるチャンスがありながらね、今日の試合なんか絶対勝たなアカン。いつも終わってからの話になるんで、結果論にはなるけど、あこで、崩せてたら、たぶんあこまで行くことも無かったと思うし、あこで点取れないというのがもう全てやね」ーーやはり上位が出て主軸にまわるところの方が手堅くいきやすい「うーん、それはあるよね。拓夢で長打というの感じもないんで。島田のスタート自体も悪くなかったし、まあ、いいチャレンジだったと俺は思っているし(七回代走で盗塁死)。どこかで一番点が取れる、確率が上がるところで勝負していかないとダメなので。そういうところでは、そういうところで勝負しにいったんやけど、それはもう相手があることなので、それを俺は受け止めているし」(さらに続けて)「うーん、まあ、初回のところとね。チカの状態も、今日の内容はそんなに悪くなかったんで、まあチカがやっぱり出てっていうところが、ウチの流れになると思うんで。そこの状態が上がってきてくれるという期待はしたいけど」ーー1点差や完封負けが多い。重圧もかかる場面で打たなくてはいけない「重圧というのは別にないと思うんだけどね。まあ、1点差を勝っていかないとダメなチームなのでね、うちは。そんなにガンガン点を取ってというチームじゃないから。だからこそこういう試合を勝って、いい流れ、いいムードを作りながら、その中でバッター陣の状態が上がってくる(ようにしないと)。ピッチャーはここ最近そんなこと言ってるけど、みんな落ち着いて投球してくれているんで。だからこそ打線の奮起が必要だし、俺自身もどうやって点を取るかを考えていかないといけないかなと思います」

◆ヤクルト・石川雅規投手(42)が6回無失点で今季初勝利(2敗)。入団から21年連続で白星を挙げた。打っては青木宣親外野手(40)が四回に先制の1号ソロを放ち、これが決勝点となった。試合後、球団公式マスコットのつば九郎は「ひとことだけ。」と題してブログを更新。この日のヒーローとなった2人の写真を公開し「ありがとうございました。おやすみすることになり、いちはやく、しんぱいLINEをくれたふたりが、ひーろーでうれしすぎる」と喜んだ。つば九郎とつばみをめぐっては21日、関係者の新型コロナウイルス陽性判定を受けて濃厚接触者疑いに該当すると判断され、22日からの阪神3連戦(神宮)の出演を自粛すると発表。現在、自主隔離を行っている。

◆阪神での現役時代、〝代打の神様〟として、虎党から絶大な支持を得たサンケイスポーツ専属評論家・八木裕氏(56)は6度目の完封負けを喫した阪神打線にシート打撃方式の練習の導入など、思い切った打開策を提案し、またチーム編成に関しても、素朴な〝疑問〟を呈した。終わってみれば一回1死満塁で、ロハスが捕邪飛、小野寺が見逃し三振に倒れたことが全てだった。ヤクルトの石川はコーナーを丁寧につくタイプで当然、阪神側も把握している。しかしロハスも小野寺も、安打を放ったが熊谷も対戦経験が少なく、準備不足だった。最後にバットが出なかった小野寺は、その典型だった。連敗中のチームが一つ勝つと、安堵感に見舞われる。現役時代の私もそうだった。22日の試合で連敗を「4」で止めて、ホッとしてしまったのか。一回の攻撃で勝負は決まった。打線の入れ替えなど、打つ手は打っていると思う。ここまで負けが込むと、どの打順がベターなのか、納得する〝答え〟を見いだせない。練習から何らかの策を練り、選手個々の調子を上げていくしかない。例えば試合前にシート打撃方式の練習を取り入れ、打者に反応を磨かせる。投げるのは打撃投手でも構わない。要は気持ちよく打っていてはダメだということ。速い球や変化球への対応、反応を練習で体に覚えさせて、しみ込ませる。極端な方法かもしれないが、思い切ったことをしないと浮上のきっかけすらつかめない状況に追い込まれているのは事実だ。それにしても1点を追いかける試合でコマが少ない。八回2死走者なしで左腕・田口に対し、山本。九回一死無走者で右腕・マクガフには糸原。現状で代打にふさわしい存在はスタメンから外れた糸井だけ。右の切り札となるべき原口や陽川は2軍。これは辛い。今季はコロナ陽性者や故障者の影響で、ファームの公式戦が中止になるなど1、2軍の野手が不足している。本来なら育成枠を活用したいところだが、投手では才木や岩田らがいるが、野手はゼロ。負けが続くから、ではない。もう一度、チーム編成を考え直してもいいのでないか。そんな気がしてならない。

◆頼もしいベテランたちが存在感を見せた。ヤクルト・青木宣親外野手(40)が、四回先頭で今季1号となる右越えソロ。スタンドに打球が吸い込まれていくのを確認すると、右拳を握りしめた。「石川さんのために、何とか先に先制してあげたかった。先制できてよかった」。21年連続勝利を目指して42歳の石川雅規投手が先発。同じ40代で戦友と言うべき存在である青木が援護した。ウィルカーソンの143キロの高め直球を一閃。完璧に捉え、今季80打席目で待望の、値千金の一発となった。戦友の援護をもらい石川も躍動。代名詞であるシンカーを低めに集めて、打たせて取る投球で要所を粘った。6回3安打無失点。92球で今季初勝利をマークした。15日のDeNA戦(横浜)から頭を丸刈りにして気合をいれた青木。13日まで打率・160と苦しんでいたが、丸刈り姿にしてからの直近5試合では打率300(20打数6安打)と結果を残している。「気持ちを変えていきたかったので。気分転換になったのは間違いない」という。背番号23の存在がチームにもたらしているのは結果だけではない。本調子でなくても青木をスタメンで使い続けた高津監督は「彼が試合に出ている意味は数字だけでない。チームを第一に考えてプレーしてくれる姿が素晴らしい。(今季は)彼のすごさを改めて感じている」と最敬礼する。どんな時でもベンチで声を出して仲間を鼓舞する姿。それはチームを前に向かせてくれる起爆剤となっている。(森祥太郎)

◆ヤクルトの40歳、青木が0―0の四回に1号ソロを放ち、42歳の石川に白星を贈った。ウィルカーソンの外角高めの速球を引っ張り、ファンが待ち構える右翼席へ。殊勲の一発となり「なかなか勝てず元気がなかった石川じいさんのために頑張った」とお立ち台でおどけた。自身も開幕から振るわなかった。15日に5戦ぶりの安打をマークしてから復調気配でも、打率はまだ2割1分9厘。「いつもきょうこそは、きょうこそはという思いでプレーしてきた。その瞬間が来て本当にうれしい」と喜びを爆発。本調子に戻るきっかけとしたい。◆高津監督「石川が投げて青木が打って1―0での勝利は誰も想像していなかったと思う。この勝利は大きい」

◆阪神・北川博敏打撃コーチ(49)が試合後、ここ5試合で19打数1安打の近本光司外野手(27)に言及。「ちょっと悩んでいる部分もあると思う。彼は経験がある子なんでね。自分で何とか調子を上げていってほしいなと思います」と語った。左翼方向の打球が多くみられることには「逆に意識して打っていると思うので。石川みたいなピッチャーなので、引っ掛けちゃいけないなという部分もあったでしょう」と説明し、「早く結果が出てくれればまた一気に変わると思うので」と話していた。

◆阪神・渡辺はウィルカーソンの後を受け、七回1死で登板し、危なげなく任務を完了した。4番・村上を外角のスライダーで空振り三振に斬ると、右打者の塩見は内角高めの直球で二ゴロ。「左の村上選手だけではなく、右の塩見選手に対しても自分のボールを投げることができた」。今季はここまで8試合連続無失点。左のワンポイントとして欠かせない戦力となった。

◆嘆いていられる段階は、とうに過ぎた。連敗を止めたと思った矢先にまたゼロ行進-。ここまで情けない攻撃を見せられた者に沸いてくる感情は「怒」だけだ。一回に端を発した拙攻に、阪神・矢野監督も業を煮やした。「いやもう、そこしかないよね。初回でつぶせるチャンスがありながらね、今日の試合なんか絶対勝たなアカンし。いつも終わってからの話になるんで、結果論にはなるけど、あそこで崩せてたら、たぶんあそこまで行くこともなかったと思うし。あそこで点取れないというのがもう、すべてやね」42歳左腕石川の立ち上がりを攻め、連打と重盗で一回1死満塁の絶好機を作ったが、ロハスは捕邪飛。続く小野寺は〝131キロ直球〟で内角を突かれ、見逃し三振。前夜、主軸がそろい踏みして快勝した勢いは早くも霧散した。四、五回はともに併殺でチャンスを手放し、あとはもう、奮投するウィルカーソンを見殺しにするためだけに回が進行した。結局、両軍でスコアボードに刻んだのは四回に青木が放ったソロだけ。一発に泣いた助っ投について虎将は「泣くというか、打線が何とかせなアカンよね、そら。四球なしやったっけ? そんなもん、泣いたっていうようなピッチングじゃないでしょ」とかばった。「絶対」に、泣かせてはいけない試合だった。取り返しのつかないところまで来てしまったが、この日も責めるべきは打線しかなかった。これで球団史上最速の20敗目(4勝1分け)。25試合目で、早くも6度目の零封負け。うち4度が0-1で1点差負けは10試合目と、ことごとく接戦で沈黙している。前夜の快勝では指揮官に拍手を送った神宮の虎党も、この日は井上ヘッドら首脳陣に向かい「なにしとんねん!」「どうなってんねん!」などと厳しい言葉を飛ばした。首位巨人とは13・5ゲーム差。2008年に巨人が阪神を覆したセ最大差優勝の「13」を早くも超えた。借金も今季ワーストタイの「16」に逆戻り。矢野監督は「打線の奮起が必要だし、俺自身もどうやって点を取るかっていうのを考えていかないといけない」と苦悩する。1点も、巨人の背中も、果てしなく遠い。(長友孝輔)

◆高卒3年目の西純が28日の中日戦(甲子園)で今季1軍で初先発することが有力となった。22日のウエスタン・オリックス戦(鳴尾浜)で9回6安打1失点(自責0)と好投しており、2軍ではここまで3試合の登板で防御率1・45と好調。伊藤将と藤浪が新型コロナウイルスの陽性判定を受けて離脱し、先発ローテーションの枠に右腕が入る。ブルペンデーだった21日のDeNA戦(横浜)で先発した斎藤に代わる形となる。

◆先発したウィルカーソンは6回?を投げて3安打1失点、7奪三振無四球の好投も報われず来日初黒星を喫した。「よく投げられたと思う。制球もよかったし、梅野さんの配球も素晴らしかった」。四回先頭の青木に被弾したが、それ以外は緩急自在の投球で二塁を踏ませなかった。七回途中で降板すると神宮の虎党から大きな拍手が送られた。「阪神タイガースで戦える選手になれたかな。チームメートも素晴らしいし、チーム自体も素晴らしい。チームのために頑張っていきたい」と前を向いた。

◆ヤクルトOBで野球解説者の五十嵐亮太氏(42)が、21年連続勝利を挙げた同学年の石川に祝福のメッセージを寄せた。通算200勝を目指す左腕について「彼をずっと見ていたい」と、今後も応援し続けることを約束。日米通算906試合に登板した右腕は、ベテラン左腕の〝素顔〟も明かした。21年連続勝利、おめでとう。石川は自分のやるべきことを明確にし、常に先を考えている。そして、アップデートも早い。何かを変えるときはリスクが伴うものですが、何かを見つけるためにあえて新しい道を選び、リスクを背負いながら取り組んでいる。そのスタイルがあるからこそ、長く現役を続けてられているのだと思います。野球をやっていないときと、プライベートの差が大きいかと言われたら、そうでもない。ただ、野球で結果を出すために我慢しなければいけないことも増えてきているはず。私生活では穏やか。家族に見せる顔と、試合中の顔はもちろん違うと思います。同学年として、これからも彼がマウンドに立つ姿を見ていたいと改めて思いました。何なんでしょう、彼の野球をやっている姿を見るのが僕は好きなんです。取り組んでいるプロセスなどを知るからこそ、マウンドでどういうパフォーマンスを発揮するのか、それを見る楽しみが倍増しているように感じます。もちろん200勝という数字もありますが、彼の投げる姿には野球の面白さが詰まっているんです。(元ヤクルトスワローズ投手)

◆ヤクルト・石川雅規投手(42)が23日、阪神5回戦(神宮)に先発し、6回3安打無失点と好投。今季3度目の登板で白星を飾り、2002年の入団1年目から21年連続勝利を達成した。自身が持つ大卒投手の連続年数記録を更新。チームは1―0で勝ち、貯金を1とした。葉桜となり始めた神宮の夜に、満面の笑みがはじけた。石川が、青学大から入団1年目の2002年から21年連続勝利を記録。周囲への感謝の気持ちがあふれた。「1人では、なかなかできない数字。いつも応援してくれるファン、サポートしてくれる人たちのおかげでマウンドに立てました」一回がヤマ場だった。1死満塁のピンチでロハスを捕飛に。続く小野寺は、内角低めに直球を投げ込んで見逃し三振を奪った。6回を3安打無失点。大卒投手では史上最長の21年連続勝利。自身が持つ記録を更新した。42歳のベテランは昨年6月以降、体調管理のため、フィンランドの企業オーラが開発した指輪型の「オーラリング」を使用。心拍数から入眠時間や熟睡など、睡眠の質を調べることができる。100点満点で数値化され「疲労(回復)とか、コンディション維持のために使っている」という。) グラウンドでは、2学年下の戦友の存在が原動力だ。決勝ソロで白星を運んでくれた40歳の青木は神宮クラブハウスのロッカールームで隣同士。青木が2012-17年に米大リーグでプレーしているときも頻繁に連絡を取り合い、普段はお互いの悩みやチームについて熱く議論する。青木がお立ち台で「〝石川じいさん〟のために頑張りました」と声を張り上げると、隣の石川は「〝青木おじさん〟が打ってくれたので気合が入りました」と笑顔。「他の人に言えないしんどい気持ちを話す。なくてはならない存在ですし、いつも勇気づけてもらっている」と感謝した。自宅では2人の息子を持つ父親。高校球児で3年生の長男、大耀(だいや)さん、中学2年生でバスケットボールに励む栄寿(えいす)君、そして夫人、聡子さんの存在が野球を続けるエネルギーになっている。「一番のファンは家族。何とかウイニングボールを子供と妻に持って帰りたかった。実現できてホッとしている」身長167センチと小柄。速球は130キロ台半ばでも制球力と多彩な変化球で生き抜く。通算成績は178勝178敗。最大の目標に掲げる200勝に向け、また一歩前進した。(森祥太郎)

◆近本は4打席すべてで回の先頭だったが、出塁できなかった。最近5試合は打率・053(19打数1安打)と低迷気味。矢野監督が「今日の内容はそんなに悪くなかった。チカ(近本)が出てっていうところがウチの流れになると思うんで、状態が上がってきてくれるという期待はしたい」と言えば、北川打撃コーチも「彼は経験がある。調子を上げていってほしい」と復調を願った。

◆0―1の八回に登板した湯浅はテンポよく三者凡退に抑えて攻撃に望みをつないだ。「ビハインドでの登板だったので、絶対に抑えて攻撃に流れを持ってくるんだという気持ちでマウンドに上がった。攻める投球ができたと思う」。先頭の長岡を一ゴロに打ち取ると、オスナをフォークで、内山壮を直球で空振り三振に斬った。これで4試合連続無失点。「続けられるように」と気を引き締めた。

◆石川は盟友にも勝利を届けた。新型コロナウイルス感染者の濃厚接触者の疑いで自主隔離している球団マスコット、つば九郎に「何とか勝利を届けるよ」と登板前にメッセージを送ると、「泣いちゃう(笑)」と返信があったという。つば九郎とつばみは、22日から出演を自粛中。石川は「なんとか、勝利を届けられてよかった」と笑みを浮かべた。つば九郎は試合後にブログを更新。石川と青木の写真を公開し「おやすみすることになり、いちはやく、しんぱいLINEをくれたふたりが、ひーろーでうれしすぎる」と喜んだ。

◆大人気テレビゲーム『桃太郎電鉄』風に伝えるなら「残念ながら20敗一番乗りは矢野社長! 16の大借金を抱えるキングボンビーがついたのは...これまた矢野社長!!」。ゲームの世界ならともかく大丈夫かいな~。虎の先発ウィルカーソンは前回、巨人相手に6回5安打1失点で来日初勝利を挙げた以上の6回?を3安打1失点に燕打線を抑えたのに勝てず...。虎の今季4勝の内訳は、DeNA戦の西勇とヤクルト戦の青柳の完封、そして巨人戦での青柳の8回1失点と、ウィルカーソンの来日祝いの勝利なのだ。要するに8回1失点が虎先発投手の最低勝利条件。どーですか、阪神タイガースのピッチャーって世界一厳しいでしょう!!42歳のヤクルト先発・石川をどーして打てん! 確かに小さな大投手だけど...42歳といったら男の本厄なのに、のびのび投球させるなよ...。21年目の大ベテランに脱帽やー!!

◆23日未明。久々に阪神の勝利の美酒に酔い、大阪・難波の編集局から家路につくと、ベランダから夜空を眺めた。星が見たかったからだ。別に、天体マニアでも星座マニアでもロマンチストでもない。「こと座流星群」の活動が22日夜から23日明け方にかけてピークを迎えるということだったので、流れ星が見られるか期待しただけ。でも、空は薄曇り。周りの街頭の光も邪魔して、さっさとあきらめた。流れ星、みなさんは見られましたか?流星群で思い出すのが、2001年の「しし座流星群」だ。11月に出現し、絶え間なく飛び交う流星雨となった。1時間に1000個以上の流れ星が観測され、日本では百数十年ぶりの出来事だった。繰り返すがロマンチストではないけど、当時付き合っていた彼女と長野・八ケ岳の麓まで見に行った。確かにすごかった。ひっきりなしに流れ星が飛び続け、願い事がいくつあっても足りないくらいだった。何を願ったのかも忘れたけど...。2001年の阪神といえば、野村克也監督の3年目だ。前年終了後、新庄剛志が米大リーグ・メッツに移籍し、大豊泰昭が中日に復帰。トニー・タラスコも退団した。次々と主砲がいなくなり、苦戦必至で迎えたシーズン。桧山進次郎が打率・300を残し、ルーキーの赤星憲広が盗塁王&新人王に輝いたが、最下位に沈んだ。 そんな野村政権ラストイヤーで注目を集めたのが「F1セブン」。赤星、藤本、沖原、上坂、平下、松田、高波の俊足選手を売り出すために命名した。なかなか長打が見込めないチーム編成もあり、広い甲子園での機動力野球を目指したが、あまり機能しなかった。今年の阪神、もしノムさんが監督を務めていたら、この低迷をどう打破しようとしただろうか。令和のF1セブンを作るなら、近本、中野、島田、江越、植田、熊谷、小幡あたりか。平成版で懲りただろうから、そんなことはやらないかな。矢野阪神は関東遠征中。神宮で取材しているトラ番キャップ長友孝輔は「こと座流星群」を見られただろうか?「知ってましたよ。流星群でしょ」。やたら詳しい。「学生のとき、よく友人と見に行っていました。星の位置がわかるアプリもガラケー時代から入れていましたし、家庭用プラネタリウム『ホームスター』は今でも持っていますよ」。そんなに天体ファンだとは、知らなかったな。「ホタルも好きなので、暗闇に光るモノに興味があるのかもしれません。でも、今回の流星群は阪神のチーム状態が悪くて、空を見上げることも忘れていました」と寂しいことを言う。もし空を見上げても、東京のような都会では見られなかったかも。やっぱり本気で見るなら、八ケ岳に行かなくちゃ。そして、今なら流れ星にどんな願い事をする?「まずは目先の1勝ですね。阪神には、若手の記者たちが希望のある原稿が書けるような戦いをしてほしいです」22日の快勝から一転、23日は0-1負け。神宮のお立ち台で幸せいっぱいに叫ぶヤクルト・青木がうらやましかった。ちなみに、年間で見られる流星群は11種類ほどあって、次回は「みずがめ座η(エータ)流星群」。5月6日頃にピークを迎えるらしい。そのときまでにタイガースは何勝しているだろう? 長友キャップの切なる願いをかなえてくれるだろうか。もっともっと暗闇に光る白星が見られますように-。

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<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
1870 0.720
(↑0.012)
-
(-)
118106
(+3)
83
(-)
27
(-)
9
(+1)
0.255
(↓0.002)
2.830
(↑0.11)
2
(-)
広島
1491 0.609
(↑0.018)
3
(-)
119106
(+6)
71
(-)
7
(+1)
7
(-)
0.262
(↑0.001)
2.760
(↑0.12)
3
(-)
中日
11100 0.524
(↓0.026)
5
(↓1)
12276
(-)
76
(+3)
16
(-)
8
(-)
0.251
(↓0.008)
3.460
(↑0.02)
4
(-)
ヤクルト
12110 0.522
(↑0.022)
5
(-)
12079
(+1)
87
(-)
23
(+1)
9
(-)
0.226
(↓0.004)
3.230
(↑0.15)
5
(-)
DeNA
9110 0.450
(↓0.024)
6.5
(↓1)
12373
(-)
86
(+6)
14
(-)
9
(-)
0.255
(↓0.001)
3.940
(↑0.02)
6
(-)
阪神
4201 0.167
(↓0.007)
13.5
(↓1)
11862
(-)
99
(+1)
17
(-)
12
(+2)
0.220
(↓0.003)
3.890
(↑0.1)