西武(★3対7☆)楽天 =リーグ戦4回戦(2022.04.23)・ベルーナドーム=
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楽天
00050001171002
西武
0200001003610
勝利投手:涌井 秀章(2勝1敗0S)
敗戦投手:隅田 知一郎(1勝3敗0S)

本塁打
【楽天】太田 光(1号・8回表ソロ),浅村 栄斗(3号・9回表ソロ)

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◆楽天は0-2で迎えた4回表、辰己と浅村の適時打などで一挙5点を奪い、逆転に成功する。その後は8回に太田のソロ、9回に浅村のソロが飛び出し、リードを広げた。投げては、先発・涌井が6回2失点の好投で今季2勝目。敗れた西武は、先発・隅田が試合をつくれなかった。

◆楽天太田光捕手(25)が、今季初出場する。「9番捕手」でスタメンマスク。昨年11月に左肩脱臼の修復手術を受け、長期離脱。春季キャンプは2軍で送り、じっくりとリハビリメニューをこなしてきた。2軍戦では19試合に出場し、打率3割1分8厘と好調。石井GM兼監督は「守備力に関しては彼はしっかりしてるので、守備からリズムを作ってほしい」と期待した。チームの捕手としては、ルーキー安田が開幕先発マスクをかぶったが、新型コロナ陽性判定を受け、離脱。その間、ベテラン炭谷が扇の要を担ってきた。そこに昨季107試合出場の太田が復帰。激しい定位置争いが予想される。

◆西武の4戦連続完封はならなかった。ここまで19、20日ロッテ戦、22日楽天戦と3試合連続で完封勝ちしてきたが、2-0の2点リードで迎えた4回に先発のルーキー隅田がつかまった。先頭マルモレホスから連打を許して無死二、三塁とし、7番辰己に2点適時打を右前に運ばれた。これが17日オリックス戦の6回に1点を失って以来、33イニングぶりの失点となった。先発の隅田は、なお1死一、二塁としたところで降板。後を受けた2番手宮川も浅村に左翼フェンス直撃の2点適時二塁打を浴びるなど、この回一挙5点を失った。隅田は3回1/3を6安打3四球の4失点で、2勝目はならなかった。

◆ビッグフライ! オオタサン! 楽天太田光捕手(25)が、自らの快気祝いをかち込んだ。「9番捕手」で先発し、今季初出場。2点リードの8回2死走者なしで、フルカウントから甘く入った十亀の143キロ直球を左翼席へ運んだ。「強い打球を打とうと思ってしっかりと振った結果」と満足げにうなずいた。 昨季は107試合に出場。正捕手の座をつかみかけた。20年に左肩を脱臼した影響で、昨年11月11日に修復手術を受けた。1軍に戻る日をイメージしながら、地道なトレーニングを積んだ長いリハビリ期間を「トレーナーさんたちが励ましながらというか、いろんな言葉をかけてくれながらやってくれた」と感謝する。 今季はここまで、ベテラン炭谷が14試合でスタメンマスクをかぶった。開幕戦先発のルーキー安田は新型コロナ陽性判定で離脱したが、この日の2軍戦で2ランを放ち、状態を上げてきた。正捕手争いは激しい。「炭谷さんも安田にしろ、どのキャッチャーからも学ぶことはたくさんある。いいところは吸収して、自分ができることをしっかりやっていく。ただそれだけです」と引き締める。守備、リード、打撃...。目の前の結果にこだわり続けるのみ。扇の要は誰にも譲らない。【湯本勝大】

◆楽天涌井秀章投手が今季2勝目を挙げた。0-0で迎えた2回2死二塁から山田、金子に連続適時打を浴びて2失点したが、切り替えた。 より正確なコントロールで投げ切るため、スライダーの曲がりを小さく、手元で変化させるように修正。カーブも効果的に使い、3回以降は無安打で西武打線を封じた。「緩急を使ったピッチングもできたし、シンカーだけに頼らず、自分でも考えながらできた」と手応えのマウンドだった。

◆楽天打線の核、浅村栄斗内野手が状態を上げてきた。 1回1死一塁の第1打席は左前打。1点リードの4回2死二、三塁では、左翼フェンス直撃の2点適時二塁打。3点リードの9回1死走者なしでは、フルカウントから十亀の高めの直球を右翼ポール際へ運ぶ3号ソロを放った。開幕から62打席で本塁打が出なかったが、20日の日本ハム戦で待望の1号。「シンプルに球種を問わず、自分が打てると思ったボールをコースなりに打とうと思って打席に入っています。シンプルに打席に入れていることがいいのかなと思います」。そこから4戦3発と長打が連発してきた。この日3安打3打点で、リーグトップの合計16打点に。不動の3番打者として、首位を走るチームを支えている。

◆西武は立ち直った楽天涌井から追加点を奪えず、逆転負けした。2回に下位で2点を先取。甘いコースを逃さずに8番山田と9番金子が適時打を放つ、納得の攻撃ができた。 だがその後、涌井が降板した6回まで1人の走者も出せず。辻発彦監督は「逆転されて3点差になって(涌井に)いろんな余裕が出てくるだろうしね。それだけのベテランだし、低め低めに投げられてしまった」と振り返った。

◆記録を止めた! 楽天辰己涼介外野手(25)が、2点を追う4回無死二、三塁で、右翼へ2点適時打を放った。それまで32イニング無失点を続けていた西武投手陣の"盾"を、バットで打ち破った。チームを勢いに乗せ、この回一挙5得点で逆転。勝利へ導いた。 辰己が1球で仕留めた。西武のドラフト1位ルーキー隅田との初対戦。情報が少ない中、初球の外角131キロカットボールを迷わず引っ張った。「すぐ終わりました」。初見の変化球をはじき返す電光石火の攻撃で、先発涌井を援護した。チームは前日に完封負け。この日の1回も1死満塁のチャンスを生かせなかった。2回に2点を先制され、どことなく嫌な雰囲気が流れる中での打席。無失点を続ける西武投手陣についても「気にしていなかった」と平常心を貫いた。開幕へ向けて調整をしていた3月11日、遠征先の静岡で、下半身のコンディション不良により離脱。開幕4戦目の同29日オリックス戦から出場選手登録された。打率はこの日の試合前時点で1割9分6厘。リーグ最少試合数ながら最多の得点と好調の打線の中で、乗り切れずにいた。石井GM兼監督も、個人名こそ挙げなかったが「若い選手がもうちょっと。試合に出ているので一生懸命やっているとは思うが、チームを代表して出ている。逆に言うと、出ていない人もいる。出ていない人の分まで思い切ってやってくれていればいいんですけど、なかなか元気がない」とハッパをかけていた。ようやく出た結果。辰己は「これからもチームを引っ張るバットマンとしてしっかりと機能していきたいと思います」と闘志を燃やす。1番西川、3番浅村、4番島内が安定。5番マルモレホスも快音が出てきた。さらに「背番号8」に勢いが出てくれば-。最強犬鷲打線が止まらなくなる。【湯本勝大】

◆「7番・中堅」で出場の辰己涼介外野手(25)が0-2の四回、同点に追いつく右前2点適時打を放った。「打ったのはフォークです。まずは同点にできてよかったです」先頭のマルモレホス、続く鈴木大の連打で無死二、三塁。先発・隅田の初球の131キロを右前へ弾き返した。「次もチャンスで回ってきたら、絶対にもう一本打ちたいと思います」と力を込めた。

◆西武が山田遥楓内野手(25)の適時打で先制した。二回2死二塁の第1打席。カウント1-2から楽天先発・涌井のスライダーを中前にはじき返した。なおも2死一塁から後続の金子も適時二塁打を放って、一塁から山田が一気に生還。西武はこの回2点を挙げた。金子は「遥楓(山田)が先制点を取ってくれたので続くことができて良かった」と振り返った。

◆先発した西武のドラフト1位・隅田知一郎投手(西日本工大)=22=は自己最短となる3回?、6安打、4失点で降板した。「球数も多くなってしまい、ゾーンで勝負することができなかったところが良くなかった。経験や実力不足といった、まだ自分にないものが試合に出てしまい悔しい気持ちです」立ち上がりの一回は1死満塁のピンチを背負いながらも無失点で切り抜けたが、2点リードの四回に捕まった。先頭から2連打で無死二、三塁とされると、辰巳に右前同点打を浴びた。後続の太田を打ち取って同点の場面でマウンドを降りたが、2番手・宮川が浅村に2点打を浴びるなど、チームはこの回一挙5点を失って試合をひっくり返された。

◆楽天は0―2の四回に辰己の2点適時打、小深田の犠飛、浅村の2点二塁打で5点を奪い逆転し、八回に太田、九回に浅村のソロで加点した。涌井が6回4安打2失点で2勝目。西武は隅田が四回途中4失点と崩れ連勝が3で止まった。

◆西武のドラフト1位・隅田知一郎投手(22)=西日本工大=は自己最短となる3回?で降板。4失点で3敗目を喫し「球数が多くなってゾーンで勝負することができなかった」と反省した。四回に辰巳に同点の2点打を浴び、17日のオリックス戦から続いていたチームの連続無失点は32イニングで途切れた。連勝も3で止まり、辻監督は「(隅田は)珍しくコントロールが悪かった」と評した。

◆昨年11月に左肩脱臼の修復手術を受け、「9番・捕手」で今季初出場した太田光捕手(25)が5-3の八回、今季1号となるダメ押しの左越えソロを放った。守りでも先発・涌井を6回4安打2失点に導き、チームの逆転勝利に貢献した。太田の一問一答は以下の通り。--今季初出場。試合前はどういう気持ちだった「試合前は緊張もあったんですけど、思い切ってやろうと思って試合に入りました」--今季初本塁打を振り返って「展開的にも、もう1点ほしい場面で何とかして塁に出ようと思った結果が、いい結果になってよかったです」--リードした投手陣について「素晴らしいピッチャーばかりなので、そのピッチャーたちを生かせるリードをこれからもしていきたいと思います」--いいスタートが切れた「今まで初出場するまでリハビリとかでたくさんの人が支えてくれたので、その人たちの思いというか、その人たちに恩返しできるようにと思って試合に臨んでいました」--今後、どういうプレーをしていきたい「チームも首位にいるので、僕も優勝争いという所にしっかり加わって、チームの戦力として優勝できるように頑張っていきたいなと思っています」

◆アクシデントをものともせず、勝利を引き寄せた。楽天・涌井秀章投手(35)が6回4安打2失点の好投で今季2勝目(1敗)。「緩急を使ったピッチングをできたし、シンカーだけに頼らず、いい配球を自分でも考えながらできた」と汗を拭った。5―2の六回1死走者なし。オグレディに対しカウント3-2としたところで、肩甲骨周りに張りを感じてベンチに下がった。それでも手当てを受けて、すぐにマウンドに〝帰還〟。この試合最速タイの148キロの速球で右飛に打ち取ると、主砲の山川も遊ゴロに仕留めた。87球を投げきり「大丈夫。気にしないで」とクールに応じた。プロ17年目。熟練の投球術が光った。二回に2点を先行されたが、スライダーを修正し、変化量が少なく手元で曲がる軌道に変えた。以降は一人の走者も出さず。通算152勝目をつかんだ。チームは12球団で唯一、開幕から連敗なし。安定感ある戦いぶりで首位に立つ。石井監督は「勝負どころを肝に銘じてピッチングできていた」と涌井をねぎらった。(加藤次郎)

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<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
楽天
1350 0.722
(↑0.016)
-
(-)
12581
(+7)
49
(+3)
14
(+2)
15
(+1)
0.241
(↑0.004
2.640
(↓0.02)
2
(-)
ソフトバンク
1381 0.619
(↑0.019)
1.5
(-)
12182
(+9)
73
(+3)
11
(+2)
13
(-)
0.244
(↑0.002)
2.900
(-)
3
(1↑)
ORIX
11120 0.478
(↑0.023)
4.5
(-)
12057
(+3)
72
(+2)
6
(-)
10
(-)
0.196
(↑0.004)
2.840
(↑0.11)
4
(1↓)
西武
10121 0.455
(↓0.021)
5
(↓1)
12065
(+3)
78
(+7)
13
(-)
8
(-)
0.207
(↓0.002)
2.780
(↓0.19)
5
(-)
ロッテ
9120 0.429
(↓0.021)
5.5
(↓1)
12258
(+2)
52
(+3)
7
(-)
28
(+1)
0.206
(↓0.002)
1.930
(↑0.06)
6
(-)
日本ハム
8150 0.348
(↓0.016)
7.5
(↓1)
12072
(+3)
91
(+9)
19
(-)
12
(+1)
0.225
(↑0.001)
4.010
(↓0.24)