巨人(☆8対4★)広島 =リーグ戦6回戦(2022.04.21)・東京ドーム=
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広島
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巨人
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勝利投手:平内 龍太(1勝0敗0S)
敗戦投手:遠藤 淳志(1勝2敗0S)

本塁打
【広島】坂倉 将吾(1号・2回表2ラン)
【巨人】岡本 和真(5号・2回裏ソロ),ウォーカー(2号・2回裏2ラン),丸 佳浩(6号・4回裏ソロ)

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◆シーソーゲームを制した巨人が4連勝。巨人は2点を追う2回裏、岡本和のソロとウォーカーの2ランで逆転に成功する。その後再びリードを許すも、4回に丸のソロと吉川の適時二塁打で3点を挙げ、試合をひっくり返した。投げては、2番手・平内がプロ初勝利。敗れた広島は、先発・遠藤が試合をつくれなかった。

◆巨人吉川尚輝内野手(27)は4月に入って24安打、打率4割1分4厘がともにリーグトップと、今月は絶好調。前日の試合でも逆転の足がかりとなる二塁打でチャンスメークしたが、今日も勝利に貢献する安打が出るか。

◆広島坂倉将吾捕手(23)の今季1号2ランで先制に成功した。2回無死二塁で巨人先発堀田賢慎投手(20)の初球。高めの直球を振り抜いた。高い放物線が左翼席最前列に吸い込まれた。 「ライアン(マクブルーム)が(二塁打で)チャンスを作ってくれたので、先制点につながる本塁打になって良かったです」試合前時点で得点圏打率4割5分5厘と勝負強い打者が、本領を発揮した。3連敗中のチームには大きな1発になった。

◆巨人打線が2点を追う2回に2本塁打で逆転した。 先頭の4番岡本和真内野手(25)が、1ボールから広島先発遠藤の甘く入った125キロスライダーを左中間スタンドへ運び、リーグトップタイとなる5号ソロ。打球速度170キロ、飛距離130メートルのアーチとなった。6番アダム・ウォーカー外野手(30)も無死一塁の2ストライクから132キロの低めのチェンジアップをすくい上げ、左翼席に2号逆転2ランを放った。打球速度160キロ、飛距離は118メートルのアーチに「追い込まれていたのでしっかりとコンタクトを心掛けていた。最高の結果になって良かった」と話した。

◆「反撃の巨人」が4回までに2度、逆転した。巨人丸佳浩外野手(33)が1点を追う4回先頭で、4-4の同点とするリーグトップの6号ソロを放った。 広島に逆転を許した直後で、ムードを取り戻す貴重な1発。直前に逆転の2点適時打を許していた広島遠藤が投じた2ボールからの124キロスライダーを、右翼席へ。「バッティングカウントだったので強く振り抜くことができた」と納得のひと振りだった。2死二、三塁では1番吉川尚輝内野手(27)が左中間に2点適時打を放ち、6-4と逆転した。2点を追う2回には岡本和真内野手(25)の5号ソロと、アダム・ウォーカー外野手(30)の2号2ランで逆転していた。岡本和は「甘く入ってきたスライダーをしっかりと捉えることができた」と話した。前日にも広島に5-3で逆転勝利し、今季の逆転勝ちは12球団トップの「9」としていた。

◆20年ドラフト1位の巨人平内龍太投手(23)が、今季チーム5人目となるプロ初勝利を挙げた。 4回に打線が3点を奪って逆転した直後の5回から登板。最速151キロをマークした直球で押し、5回、6回をともに3者凡退に抑えた。今季の巨人投手陣は、3月31日堀田賢信、4月2日戸田懐生、3日赤星優志、9日大勢と4人がプロ初勝利をマーク。4月にプロ初勝利を挙げた投手が5人になるのはプロ野球史上初となった。平内は1年目の昨季は3試合の登板で0勝1敗、防御率14・40と結果を残せず。今季も試合前時点で3試合の登板で0勝0敗、防御率9・00だった。

◆巨人坂本勇人内野手(33)が6-4と2点リードの6回2死一、二塁、左翼線へ2点適時打となる通算408本目の二塁打を放ち、打撃の神様と呼ばれた川上哲治(巨人)の記録(歴代11位)に並んだ。福留孝介(中日)にも並び、現役最多タイとなった。 坂本は「試合展開で大事な場面だったのでランナーをかえすことができて良かった」とチームの勝利に貢献したことを喜んだ。積み重ねた二塁打の数には「(川上さんに並ぶ)偉大な先輩の記録に並ぶことができて光栄です。二塁打数は僕のなかでは特別な数字ですし、これからも1本ずつ積み重ねていけるように頑張ります」と述べた。歴代最多は中日の立浪和義監督で487本を記録している。

◆巨人が4連勝した。3-4の4回に丸のソロで追い付き、吉川の2点適時打で勝ち越し。6回に坂本の2点二塁打で加点した。2番手で2回無失点の平内がプロ初勝利。広島は遠藤が3本塁打を浴び、今季初の4連敗で3位に転落した。

◆20年ドラフト1位の巨人平内龍太投手(23)が、今季チーム5人目となるプロ初勝利を挙げた。4回に打線が3点を奪って逆転した直後の5回から登板。最速151キロをマークした直球で押し、5、6回をともに3者凡退に抑えた。巨人2年目の平内龍太投手が通算7試合目の登板でプロ初白星。これで今季の巨人で初勝利を挙げたのは堀田、戸田、赤星、大勢に次いで5人目。4月までに初勝利が5人も出るのは、プロ野球史上初めてだ。なお、巨人で初勝利を挙げた投手が5人も出たのは、12年に6人(宮国、星野、高木京、田原、小山、笠原)が勝って以来10年ぶり。

◆広島坂倉将吾捕手に1号2ランが飛び出したが、空砲に終わった。2回無死二塁から巨人堀田の高めの直球を振り抜き、左翼席最前列に運んだ。 「(本塁打は)出たが負けたので...。まだ(シーズンが)始まったばかり。(打率を)キープできるに越したことはない」。リーグトップの得点圏打率4割7分8厘を誇る巧打者は次戦を見据える。?○...広島末包が開幕戦以来の猛打賞で存在感を見せた。2回1死では遊撃内野安打。4回2死一塁では中前打を放ち、9回1死では左前打。6試合ぶりスタメンに応えた。「打撃フォームの微修正に取り組んでいて、それが合ってきている。やっぱりレギュラーになりたい。打たないと出られない。どれだけ継続できるかだと思う」。正右翼手奪取へ闘志を燃やしている。?▽広島遠藤(3被弾など4回6失点で2敗目)「真っすぐの腕の振りと変化球の腕の振りが違っていたのかもしれない。この失敗も前向きにとらえて次、絶対やり返す気持ちで臨みたい」▽広島黒原(1回2/3を2失点。プロ8試合目で初の回またぎも初失点)「(2イニング目を)任された以上は自分でやりきらないと駄目。失点も悔しいが記録は関係なく、自分の仕事を全うするのが大事だと思う」

◆巨人が今季10試合目の逆転勝利で、広島との首位攻防3連戦3連勝を決めた。 原辰徳監督(63)は「非常にいい場面でね、素晴らしいホームラン出た。逆転されて、先行されてという中で、非常にチームの雰囲気というか流れというものを勢いを付けたままいけたなという感じがします」と振り返った。東京ドーム初先発だった堀田は、投手の広島遠藤に2点適時打を許すなど4回4失点で降板。指揮官は「まだできると、我々は考えています。本人も今日は悔しいピッチングであったろうと。まだまだ若い投手ではありますけども、志というものは高く持っている賢慎投手だというふうに思っています」と奮起を期待した。プロ初勝利を挙げた平内については「若い投手陣になったという中でね、その輪に平内が入ってくれれば一番いいと思って、思い切って彼を投げさせましたけど、見事なピッチング。最初の先頭バッターに四球を出さずに、自分のボールで勝負できたというのは非常に価値があったのではないかと思います」と言った。4月の時点でプロ初勝利が5人は史上初。「ファンの方も固唾(かたず)をのんでというところもあるでしょうけど、しかし経験値はないけど力はあるんだと。力で現在の位置の中で、1軍で投げているんだと私は思っていますので。そういう意味では若武者たちがいい結果を出してくれるというのはチームとしても大きな、大きな力になると思います」。広島には3連戦で3連勝を飾った。「まだまだ振り返ることはね。しかし3連勝というのはそうそうあるものではないですし、そういう意味では良かったと思いますね。明日は明日でまたいきます」と気持ちを切り替えた。

◆20年の巨人ドラフト1位、平内龍太投手(23)がプロ野球史上初の快挙をたぐり寄せた。打線が逆転した直後の5回から登板し、2回を完全投球。今季チーム5人目となるプロ初勝利を挙げた。4月までに初勝利5人は史上初。すでに11セーブをマークするドライチの後輩の大勢投手(22)らに刺激を受けた右腕が、苦しみながら節目の勝利をつかんだ。チームは今季10試合目の逆転勝ちで4連勝。首位をがっちりと守った。最高の景色だった。初白星で初のお立ち台。客席を見渡して、ペコリペコリと頭を下げた。「やっとゼロに抑えて、初勝利も挙げて本当に最高です!」。チームが逆転した直後、2点リードの5回に出番が来た。プロ入りから全6試合で失点していたが、迷いはなかった。「こういう場面で投げさせてもらえるのが、まずうれしい」。持ち味の直球で攻めるスタイルを貫いた。150キロ超の直球を連発し、2回をパーフェクト救援。プロ初白星をたぐり寄せた。「巨人のドラ1」としての宿命に、もがいた。昨季は1軍で3試合に登板し、防御率14・40。一時は投げ方すら見失った。同学年ルーキーのDeNA牧、楽天早川らの活躍とも比べられた。今季に入ってもルーキーの赤星や大勢、堀田、山崎伊ら若手の躍動が続く。荷物を持つときには冗談で「大勢さん、大丈夫ですよ。持ちますよ」と笑った。だが、心の奥底では、「悔しさはすごくあった」。勝負の年と覚悟を決めて、やるしかなかった。「自分の人生なので。プロ野球選手でいる期間はそう長くない。やりたいようにやろうと思って、前を向いていくだけ。野球を楽しんでやりたいと思って」と、結果に焦る自分を振り払った。見せたい姿がある。2歳のおいっ子・優心くんを溺愛中。今オフに帰省した際には、アンパンマングッズを山盛りプレゼントした。「会える機会が少ないので、そうでもしないと忘れちゃう。めちゃくちゃかわいいので、貢がないわけにはいかないです」。今ではテレビでアンパンマンを見つけるたびに「龍!」と名前を叫んでくれるようになった。かわいいおいっ子、そして応援してくれるファンへ、「野球を楽しんでいる姿を見せられたら」。最高の景色をまた次も見たい。【小早川宗一郎】▽母恵三さん 初勝利おめでとう。毎回、ヒヤヒヤしてました(笑い)。ホッとした気持ちもありますが、これがスタートだと思ってこれからも頑張って。?▽巨人原監督(平内の初勝利に)「若い投手陣になった中で、その輪に平内が入ってくれれば一番いいと思って投げさせました。見事なピッチング。(5人初勝利は)経験値はないけど力はある。力で現在の位置の中で投げていると思ってます。若武者たちがいい結果を出して、チームとしても大きな力になる」▽巨人桑田投手チーフコーチ(堀田の投球に)「慎重なところがあるので若手らしく勢いを出して強気にいってほしい。そして粘り強く投げていってほしい」▽巨人岡本和(5号ソロでリーグトップの16打点)「甘く入ってきたスライダーをしっかりと捉えることができた」▽巨人ウォーカー(2回に2号2ラン)「追い込まれていたのでしっかりとコンタクトを心掛けた。最高の結果だ」▽巨人堀田(4回6安打4失点)「前回真っすぐで勝負できなかったので修正して挑んだが、先発として長いイニングを投げ切れず悔しい」▽巨人丸(6号ソロで本塁打12球団トップ)「バッティングカウントだったので強く振り抜くことができた」

◆広島が2度リードを奪いながら、巨人得意の空中戦の前に屈した。先発遠藤は4回までに3被弾含む6失点。4回まで4点を奪い援護した打線も5回以降は当たりが止まった。今季最長4連敗で3位となった。佐々岡真司監督(54)の談話は以下の通り。 -先発遠藤投手はいずれも得点直後に失点。流れを悪くした佐々岡監督 (4回は)あそこのひと踏ん張りというところでね。ひとつはエラー絡み。(失策した)上本はずっと試合に出て、外野、内野で使って、酷なことをやらせているのはこちらなので。巨人相手に隙を見せると、こういう展開になる。-不振を乗り越えることを期待する小園選手の状態が上向かない佐々岡監督 代えるのは簡単なんだけど、ここをしっかり。本人も苦しいでしょうけど、まだまだ始まったばかりなので。乗り越えていかないといけない。-4連敗で3位となった佐々岡監督 開幕前の気持ちを持って全員で戦う。こういうときこそ、みんなで。試合に出ている選手も、ベンチにいる選手も声を出して元気よく、そこを失ったらダメだと思う。明日から広島で1週間、地元でしっかりと戦いたい。

◆広島は、巨人6回戦(東京ドーム)で2戦連続の逆転負けを喫し、今季最長4連敗で3位に転落した。先発遠藤が4回3被弾を含む6失点と乱調。守備のミスもあった。4回まで4得点の打線も、再逆転された5回以降は勢いが完全に止まった。佐々岡真司監督(54)はナインに、開幕直後のような反発力を求めた。お立ち台に上がった選手の喜びの声が漏れ聞こえる東京ドーム通路、広島ナインの足取りは重かった。巨人得意の空中戦の前に屈した。2度リードしながら、いずれも直後に逆転を許して、流れを失った。5回以降はわずか1安打。反撃ムードすらつくれなかった。首位で乗り込んだ東京ドームで今季2度目の同一カード3連敗。今季最長4連敗で3位となり、広島に戻ることとなった。「開幕前の気持ちを持って全員で戦う。こういうときこそ、みんなで。試合に出ている選手も、ベンチにいる選手も声を出して元気よく。そこを失ったらダメだと思う」。佐々岡監督は選手の尻をたたくように言葉を吐いた。中10日で先発した遠藤は変化球をうまく操れなかった。2点先制直後の2回は先頭岡本にソロ、ウォーカーに2ランを被弾。いずれもチェンジアップをとらえられた。打線が逆転した4回は先頭丸にスライダーを右翼へ運ばれ同点。味方の失策から招いた2死二、三塁では、この日の生命線だった真っすぐを痛打された。4連敗中、3試合は先発投手が5回以下で降板となった。開幕ダッシュを支えた先発陣が崩れ、4試合で3失策と守備のほころびも見られる。巨人打線のような一発長打に欠く打線だけに、打撃戦ではなく、投手戦に持ち込まなければ勝機は遠のく。佐々岡監督は掲げた野球ができていない戦いに「巨人相手に隙を見せると、こういう展開になる」と投手を含めた守備面の引き締めを促した。まだ22試合を消化したばかり。4連敗で3位転落も、高い授業料とは言い切れない。開幕ダッシュの広島にあったのは、反発力。今こそ「やっちゃろうや!」の気持ちが必要だ。【前原淳】

◆20年の巨人ドラフト1位、平内龍太投手(23)がプロ野球史上初の快挙をたぐり寄せた。打線が逆転した直後の5回から登板し、2回を完全投球。今季チーム5人目となるプロ初勝利を挙げた。4月までに初勝利5人は史上初。すでに11セーブをマークするドライチの後輩の大勢投手(22)らに刺激を受けた右腕が、苦しみながら節目の勝利をつかんだ。チームは今季10試合目の逆転勝ちで4連勝。首位をがっちりと守った。見せたい姿があった。平内は、兄翔太さんの息子で初のおいっ子の優心くん(2)を溺愛中。昨オフに帰省した際には、アンパンマングッズを山盛りプレゼントした。太鼓に車...。「会える機会が少ないので、そうでもしないと忘れちゃう。めちゃくちゃかわいいので、貢がないわけにはいかない」。今ではテレビでアンパンマンを見つけるたびに「龍!」と名前を叫んでくれるようになった。優心くんは、おじの晴れ姿をテレビで見届けた。初勝利の意味も、お立ち台の意味も理解はしてないが、翔太さんの言葉をマネして「おめでとう!」と祝福し、姿を見つけるたびに「龍!」と呼びかけた。アンパンマンよりカッコいい、おじの姿を記憶に刻んだ。【小早川宗一郎】

◆20年の巨人ドラフト1位、平内龍太投手(23)がプロ野球史上初の快挙をたぐり寄せた。打線が逆転した直後の5回から登板し、2回を完全投球。今季チーム5人目となるプロ初勝利を挙げた。4月までに初勝利5人は史上初。すでに11セーブをマークするドライチの後輩の大勢投手(22)らに刺激を受けた右腕が、苦しみながら節目の勝利をつかんだ。チームは今季10試合目の逆転勝ちで4連勝。首位をがっちりと守った。最高の景色を笑顔でかみしめた。初白星で初のお立ち台。客席を見渡して、ペコリペコリと頭を下げた。「やっとゼロに抑えて、初勝利も挙げて本当に最高です!」。悔しがった分だけ、格別だった。チームが逆転した直後、2点リードの5回に出番が来た。プロ入りから全6試合で失点していたが、迷いはない。「自分は向かっていかないと、なかなか抑えられない」と持ち味の直球で攻めた。150キロ超の直球を連発し、2回をパーフェクト救援。やっとウイニングボールを手にした。「巨人のドラ1」としての宿命に、もがいた。昨季は1軍で3試合に登板し、防御率14・40。一時は投げ方すら見失った。今季に入ってもルーキーの赤星や大勢、堀田、山崎伊ら若手の躍動が続く。荷物を持つときには冗談で「大勢さん、大丈夫ですよ。持ちますよ」と笑った。周囲の若手と一緒にファンに声をかけられても「僕は人気ないので、周りのついでですよ。でもついでだと思ったらすごく喜んでくれる人もいる」。常に笑顔で、明るく振る舞うと決めている。だが、心の奥底では「悔しさはすごくあった」と吐露した。勝負の年と覚悟を決めた今季。「自分の人生なので。プロ野球選手でいる期間はそう長くない。野球を楽しんでやりたいと思って」。迷ったら前に進むだけ。初勝利でようやくスタートラインに立った。最高の景色を、また次も見たい。【小早川宗一郎】

◆巨人・丸佳浩外野手(33)が四回、リーグ単独トップに立つ6号ソロをマークした。3―4と逆転された直後の四回先頭で、遠藤の内角へのスライダーを思い切り引っ張り、右翼ポール際へほうり込んだ。5本塁打で並んでいた同僚の岡本和、阪神・佐藤輝、ヤクルト・村上を抜いて、この時点でリーグトップに立った。二回の岡本和の5号ソロ、ウォーカーの2号2ランに続き、四回にしてチーム3発目。試合前の時点で12球団最多23本塁打をマークしていた重量打線が、この日も火を噴いている。

◆広島の坂倉が0―0の二回に逆方向の左翼席へ1号2ランを放った。マクブルームの二塁打の直後に堀田の初球、外角高めの速球をはじき返し、「ライアンがチャンスをつくってくれたので」とチームメートを立てた。昨季リーグ2位の打率3割1分5厘とブレークし、今季は開幕から5番打者に固定されている。昨年も経験している打順で「今はある程度、自分の中で整理して迷わずに打席に立てている。プレッシャーはない」と頼もしい。この日は7試合ぶりに本職の捕手で先発出場。チーム事情から一塁や三塁もこなし、欠かせない存在になっている。

◆巨人が一発攻勢でたたみかけた。口火を切ったのは主砲の岡本和だ。2点を先行された直後の二回先頭。真ん中付近のスライダーを逃さず、左中間席中段に5号ソロを放った。「甘く入ってきたスライダーをしっかりと捉えることができて良かった」大型ビジョンに表示された推定飛距離は130㍍。どっと沸いた観衆とは対照的に、不動の4番は涼しい表情でダイヤモンドを一周した。なお無死1塁で新外国人のウォーカーが続いた。2球で追い込まれてから膝元に沈むチェンジアップを巧みに拾い、左翼席上段まで運んだ。「追い込まれていたのでしっかりとコンタクトすることを心掛けていました。最高の結果になって良かった」東京ドーム初アーチとなる逆転の2号2ラン。ベンチでナインに迎えられ、両手を頭上に挙げて大きなハートマークをつくると、観衆がさらに大きな拍手を送った。この2発で終わらない。次は丸だ。3-4とされた直後の四回先頭。内角のスライダーを振り抜き、右翼席最前列に同点の6号ソロを放った。この一打を皮切りに打者7人の猛攻で一挙3点を奪い、再び試合をひっくり返した。首位を走るチームは、この試合までに両リーグ最多の23本塁打を記録。重量打線が鮮やかなアーチでG党を魅了した。(鈴木智紘)

◆巨人・坂本勇人内野手(33)が六回に2点二塁打を放ち、通算408二塁打で球団3位(プロ野球11位タイ)の川上哲治に並んだ。6―4の六回2死一、二塁で広島・菊池保の内角高めへの直球を引っ張り、左翼線を破る2点二塁打。チームのリードを4点に広げた。これで〝打撃の神様〟に並ぶ408二塁打。球団の歴史では2位が長嶋茂雄の418本、1位が王貞治の422本。昨季26本の二塁打を放った主将なら、今季中(ここまで6本)に球団最多を更新する可能性は十分にある。

◆本拠地初登板だった巨人の堀田は4回4失点で降板し、7日の対戦で黒星を喫した広島への雪辱はならなかった。「先発として長い回を投げきれず悔しい」と話した。0―0の二回無死二塁から、坂倉に不用意な初球を左翼席へ運ばれた。味方打線が3―2と逆転して迎えた四回には、2死満塁で投手の遠藤に再び初球を2点適時打され肩を落とした。前回は直球で勝負できなかったことが反省点だった。「そこを修正して挑んだ」という登板で、150キロに迫る直球にカーブなどを織り交ぜたが、走者を背負っての投球に課題を残した。

◆巨人が4連勝した。3―4の四回に丸のソロで追い付き、吉川の2点二塁打で勝ち越し。六回に坂本の2点二塁打で加点した。2番手で2回無失点の平内がプロ初勝利。広島は遠藤が3本塁打を浴び、今季初の4連敗で3位に転落した。

◆巨人が4連勝。2年目のドラフト1位右腕、平内龍太投手(23)が2点リードの五回から2番手で登板し、2回を無安打無失点の〝パーフェクト投球〟でプロ通算7試合目で初勝利を挙げた。四回までに両軍計4発が飛び出す打ち合いの展開。先発・堀田から得点を重ねていた広島打線の勢いを平内が止めた。ストライク先行で五、六回ともに三者凡退に斬った。昨年は期待に応えられず、わずか3試合の登板に終わった。初めてのお立ち台で「どんどん初勝利を挙げていく年の近い選手、セーブをどんどん挙げる大勢の姿を見て悔しい気持ちが一番だった。うれしい」と喜んだ。この日で23試合を消化し、16勝目を挙げたチームでは、今季初勝利をマークしたのが3年目の堀田、2年目の戸田、ドラフト3位・赤星(日大)、ドラフト1位の守護神・大勢(関西国際大)に続いて5人目となった。

◆決勝打は巨人・吉川尚輝内野手(27)だ。同点に追いついて迎えた四回2死二、三塁で、遠藤から左中間を破る2点二塁打を放った。開幕から1番に固定される背番号2は、2安打1四球で4連勝に貢献した。打率は・360。「塁に出れば、後ろはすごい方ばかり。一度でも多く出塁できるようにと心掛けています」と頼もしかった。

◆直球、直球、また直球-。ドラフト1位で昨季入団した巨人・平内龍太投手(23)が、力でねじ伏せた。2点リードの五回から2番手で登板し、150キロ超の速球で押して2回を打者6人で料理。今季球団5人目となる初勝利を飾り、お立ち台で相好を崩した。「支えてくれた両親に報告したいです。『勝ったよ』と」亜大からプロの門をたたいた1年目は、即戦力の期待に応えられなかった。1軍での登板は3試合、計5回で防御率14・40。オフは尻回りを鍛え、身長185センチで95キロだった体重を100キロまで増やした。丸太のように太い脚から速球を生み出し、この日は坂倉ら好打者を球威で圧倒した。逆境を乗り越えてきた野球人生だ。神戸国際大付高時代はドラフトの指名漏れを経験。大学時代は故障が相次ぎ、4年を迎える春に肘にメスを入れた。「もう投げたくない」。折れかけた心を奮い立たせるべく、入院期間には野村克也氏の著書を手に取り、挫折からはい上がった一流の思考法を吸収した。チームは20年のドラフト1位・堀田が先発で4失点したものの、平内から畠(17年2位)、鍬原(18年1位)と歴代の上位指名投手が無失点でつなぎ4連勝。2位とのゲーム差を3に広げた。「(実力は)まだまだ一番下。一日一日が勝負」と平内。背番号11のプロ生活は、ここで始まる。(鈴木智紘) ★その時 恩師も大喜びだ。神戸国際大付高で平内を指導した青木尚龍(よしろう)監督(57)は、東京ドームで観戦した知人から〝吉報〟が届き、慌てて兵庫県内の自宅でテレビを確認。「桑田コーチとグータッチしているところでした」と笑った。教え子には祝福のショートメールを送り「大差ではない場面で結果を残したことが最高にうれしい。信頼される投手になってほしい」と、さらなる活躍に期待した。

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<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
1670 0.696
(↑0.014)
-
(-)
12096
(+8)
81
(+4)
26
(+3)
6
(-)
0.253
(↑0.002
2.990
(↓0.05)
2
(1↑)
中日
1180 0.579
(-)
3
(↓0.5)
12474
(-)
66
(-)
15
(-)
8
(-)
0.258
(-)
3.300
(-)
3
(1↓)
広島
1291 0.571
(↓0.029)
3
(↓1)
12194
(+4)
70
(+8)
6
(+1)
6
(-)
0.257
(↓0.003)
2.960
(↓0.16)
4
(-)
ヤクルト
11100 0.524
(-)
4
(↓0.5)
12278
(-)
81
(-)
22
(-)
9
(-)
0.235
(-)
3.250
(-)
5
(-)
DeNA
990 0.500
(↑0.029)
4.5
(-)
12572
(+7)
74
(+5)
14
(+2)
9
(-)
0.257
(↑0.01)
3.880
(↓0.14)
6
(-)
阪神
3191 0.136
(↓0.007)
12.5
(↓1)
12056
(+5)
98
(+7)
15
(+1)
9
(+1)
0.220
(↑0.002)
4.170
(↓0.21)