DeNA(☆7対5★)阪神 =リーグ戦5回戦(2022.04.21)・横浜スタジアム=
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阪神
0014005601
DeNA
003130X71302
勝利投手:池谷 蒼大(1勝0敗0S)
(セーブ:クリスキー(0勝1敗1S))
敗戦投手:馬場 皐輔(0勝1敗0S)

本塁打
【阪神】小野寺 暖(1号・4回表満塁)
【DeNA】牧 秀悟(3号・3回裏3ラン),楠本 泰史(1号・4回裏ソロ)

  DAZN
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◆DeNAが降雨コールド勝ち。DeNAは3-5で迎えた4回裏、楠本のソロで1点差に迫る。続く5回には、代打・藤田と大田の適時打などで3点を挙げ、逆転に成功した。投げては、2番手・池谷がプロ初勝利。敗れた阪神は、4回に代打・小野寺のグランドスラムで試合をひっくり返すも及ばなかった。

◆阪神加治屋蓮投手(30)が21日、出場選手登録された。藤浪らチームに新型コロナの感染者が複数出た影響で、特例2020の代替選手として13日に1軍に昇格し、16日に出場選手登録を抹消されていた。 代わって5試合に出場し7打数無安打に終わっていたドラフト6位の豊田寛外野手(24=日立製作所)が、登録を抹消された。

◆3連敗で球団最速22試合目での借金15となった阪神は、矢野燿大監督(53)が前日20日の試合後に明かした通り、熊谷敬宥内野手(26)を「2番二塁」で今季初スタメン起用した。 矢野監督は前日の試合後に「誰かこう、ひとりだけでは変えられないと思うんだけど。タカヒロ(熊谷)なんかは、追い込まれた中でもいい安打を打っていたし、そうやつが出てくれたらいい。タカヒロも明日、スタメンでいこうと思っている。そういうところは、張り切って、チームを引っ張るというか、そういう思いでやってくれたら」と話していた。泥沼脱出のラッキーボーイを期待する。熊谷のスタメンはプロ通算7度目で20年10月23日巨人戦(東京ドーム)以来545日ぶりとなる。2番を打っていた打撃好調の佐藤輝明内野手(23)はプロ初の「3番・右翼」に起用した。DeNA先発の左腕・坂本裕哉投手(24)には昨季9打数4安打、打率4割4分4厘、3打点と打っており、今季初対戦も期待できそうだ。前日20日まで3番だった近本光司外野手(27)を1番に。先発投手の斎藤友貴哉投手(27)はプロ2度目の先発となる。開幕からビジター11連敗中。この日も敗れれば横浜スタジアムでの対DeNA同一カード3連戦3連敗となり、横浜時代の07年9月24~26日以来、15年ぶりとなる。

◆阪神が3回に20イニングぶりの得点を挙げた。矢野燿大監督(53)の采配がズバリ当たった。3回無死一、三塁、2季ぶりスタメンの熊谷敬宥内野手(26)が右翼へ先制犠飛を打ち上げた。 矢野監督は前日の試合後に「誰かこう、1人だけでは変えられないと思うんだけど。タカヒロ(熊谷)なんかは、追い込まれた中でもいい安打を打っていたし、そうやつが出てくれたらいい。タカヒロも明日、スタメンでいこうと思っている」と話していた。熊谷は初回の1打席目でも、右前打を放った。期待通りのラッキーボーイとなりそうだ。このチャンスをつくったのはプロ2度目、今季初先発の9番斎藤友貴哉投手(27)。右投げ左打ちで、3回の先頭打者として左打席に入った。2ボール1ストライクからファウル3本で粘り、7球目の高めカットボールに食らいつき、右中間を破る二塁打。7試合ぶりに1番に戻った近本光司外野手(27)が右安打で無死一、三塁とチャンスを広げ、熊谷の犠飛につなげた。

◆阪神斎藤友貴哉投手(27)は2年ぶりプロ2度目の先発登板で3回3失点と苦しんだ。 20年9月10日DeNA戦以来の先発マウンド。1回2死満塁、2回2死二塁のピンチを防いた直後、打席で快音を響かせた。両チーム無得点で迎えた3回表、先頭で坂本のスライダーをとらえて右中間二塁打。無死一、三塁から2番熊谷敬宥内野手(26)の右犠飛で先制のホームを踏んだ。だが、直後の3回裏、無死二、三塁から4番牧秀悟内野手に逆転3ランを献上。打ってはプロ通算2打数2安打としたが、投げては久々に巡ってきた先発のチャンスでアピールに失敗した。

◆阪神小野寺暖外野手(24)が代打で1号逆転満塁本塁打を放った。 2点を追う4回1死満塁、先発斎藤友貴哉投手(27)の打順で代打として登場。2球で追い込まれたが、DeNA先発左腕坂本の144キロ内角直球を豪快なスイングでとらえると、打球は雨の中、懸命に応援する虎党が待つ左翼席へと飛び込んだ。ベンチで虎メダルをかけられた小野寺は、手荒い祝福を受け、笑顔で雄たけびをあげた。「連日、苦しいチーム状況の中で投手陣が頑張ってくれていましたが、ベンチで何もできず歯がゆい気持ちだった。打席の中で何がなんでも食らいついてやろうという気持ちでした。チームの力になれて本当にうれしい」と熱いコメントを出した。阪神の逆転満塁本塁打は昨年5月2日広島戦で佐藤輝が打って以来。小野寺は今季7打席目での初安打が、阪神ナインに勇気を与える大きな逆転満塁弾となった。

◆阪神は痛恨の逆転負けを食らい、4連敗で今季敵地12戦12敗となった。横浜スタジアムでの対DeNA同一カード3連戦3連敗は横浜時代の07年9月24~26日以来、15年ぶりの屈辱。かつて「横浜銀行」の例えもあった好相性の横浜で勝てず、セ・リーグの借金を全て抱える借金16となった。今季は3勝19敗1分けとなり、勝率は1割3分6厘に落ちた。 近本光司外野手(27)を7試合ぶりの1番起用。2番には熊谷敬宥内野手(26)を20年10月23日巨人戦以来545日ぶりとなるスタメンで送り出した。佐藤輝明内野手(23)はプロ初の「3番・右翼」で先発。序盤は打順を大幅に組み替えた打線が奮闘した。両チーム無得点で迎えた3回表、先頭の9番斎藤友貴哉投手(27)が右中間二塁打で出塁。1番近本が右前打でつなぎ、2番熊谷の右犠飛でチーム20イニングぶりの得点をあげた。2点ビハインドを背負った4回表は今季2度目のスタメン出場となった山本泰寛内野手(28)の左前打などから1死満塁とすると、代打小野寺暖外野手(24)が今季1号逆転満塁弾を左翼席中段にたたき込んだ。小野寺は今季7打席目で初安打。阪神の逆転満塁本塁打は21年5月2日広島戦の佐藤輝以来、代打満塁アーチは20年8月6日巨人戦の中谷以来となった。2年ぶりプロ2度目の先発マウンドに上がった斎藤は3回3失点。何より、小野寺の満塁弾が飛び出した直後から登板した2番手の馬場皐輔投手(26)の大炎上が誤算だった。4回に1失点した後、1点リードの5回には5安打を集中されて3失点で逆転された。試合はDeNAが2点をリードした6回裏無死一、二塁の場面で雨天中断。このままコールドゲームとなった。球団最速となる23試合目での借金16。首位巨人とのゲーム差は12・5に広がった。最短で29日に自力優勝の可能性が消滅する。▼阪神は3勝19敗1分けの借金16となり、DeNAが勝って勝率5割に戻したため、阪神がセ・リーグの借金をすべて背負う形となった。リーグの借金独り占めは8日、10日に続いて今季3度目。▼阪神がDeNAに3連敗。DeNAとの同一カード3連戦3連敗は、21年6月25~27日以来。横浜での3連戦3連敗は、07年9月24~26日以来15年ぶりだった。?▼DeNAが阪神に勝ち、3連戦3連勝。横浜での同一カード3連戦3連勝は、20年10月27~29日巨人戦以来で、三浦監督になってからは初めて。阪神相手に横浜で3連戦3連勝したのは、07年9月24~26日以来15年ぶりだ。これで今季の阪神戦は4勝1敗。DeNAが阪神にシーズン勝ち越ししたのは、過去20年で04年(16勝12敗)と13年(14勝10敗)の2度だけ。好スタートの今季は苦手チーム相手に何勝できるか。

◆2年ぶりプロ2度目の先発だった阪神斎藤友貴哉投手(27)は3回3失点と期待に応えられなかった。 3回の打席では右中間へ二塁打。無死一、三塁から熊谷の右犠飛で先制のホームを踏んだ。だがその裏、牧に甘く入った変化球を捉えられ、右中間へ逆転3ランを浴びた。「先制点を取ってもらった後に逆転を許してしまい、チームに流れを持ってくる投球ができず悔しい」と肩を落とした。

◆DeNAが阪神に勝ち、3連戦3連勝。横浜での同一カード3連戦3連勝は、20年10月27~29日巨人戦以来で、三浦大輔監督になってからは初めて。阪神相手に横浜で3連戦3連勝したのは、07年9月24~26日以来15年ぶりだ。これで今季の阪神戦は4勝1敗。 DeNAが阪神にシーズン勝ち越ししたのは、過去20年で04年(16勝12敗)と13年(14勝10敗)の2度だけ。好スタートの今季は苦手チーム相手に何勝できるか。?▽DeNA坂本(中5日の登板で4回5失点)「雨のことを考え、先に点を与えたくなかったのですが、投手にヒットを許し、先制点を与えてしまったことは反省点。逆転してもらった直後、ランナーをためてから失投してしまい悔しい」▽DeNA藤田(5回2死三塁から勝ち越しの中前打)「あの回は追いつくより追い越したいという気持ちで打席に入った。今日は牧が42歳(本当は24歳)の誕生日だったので、勝利を飾れてよかったです」

◆DeNA2年目の池谷蒼大投手がプロ初勝利を挙げた。 1点ビハインドの5回に2番手で登板。阪神佐藤輝、大山、糸井の中軸を空振り三振2つと二ゴロで3者凡退に仕留め、直後の逆転を呼び込んだ。ヒーローインタビューに立ち「いつも通り全力で、1人1人に勝負しました。流れを持ち込むことができて良かった。最高です!」と喜んだ。▽DeNA坂本(中5日の登板で4回5失点)「雨のことを考え、先に点を与えたくなかったのですが、投手にヒットを許し、先制点を与えてしまったことは反省点。逆転してもらった直後、ランナーをためてから失投してしまい悔しい」▽DeNA藤田(5回2死三塁から勝ち越しの中前打)「あの回は追いつくより追い越したいという気持ちで打席に入った。今日は牧が42歳(本当は24歳)の誕生日だったので、勝利を飾れてよかったです」

◆阪神小野寺暖外野手が、代打逆転満塁本塁打。阪神の代打満塁本塁打は20年8月6日の中谷以来、通算17本目。そのうち逆転が付いたのは7本目になる。 過去16本の試合は逆転弾を含めすべて勝利しており、代打満塁本塁打が出て黒星が付いたのは球団史上初めて。

◆阪神熊谷敬宥内野手は545日ぶりのスタメン起用に快音で応えた。「2番二塁」で20年10月23日巨人戦以来の先発。1回1死から右前打を放ち、今季初盗塁となる二盗に成功。3回無死一、三塁では先制の右犠飛でチーム20イニングぶりの得点をたたき出した。「自分が今持っているモノを全部出そうという気持ちで臨みました。僕は打撃の内容を求められている。粘り強くやっていきたい」。スタメン定着を狙う。

◆阪神が天にも見放され4連敗となった。試合開始から降り続けていた雨が強くなり6回のDeNAの攻撃中、無死一、二塁で中断。29分の中断後にコールドゲームとなった。 スタメン起用の熊谷敬宥内野手(26)が3回に先制犠飛、4回には代打小野寺暖外野手(24)に逆転満塁1号が飛び出したが、投手陣が踏ん張れず悔しい逆転負けとなった。開幕から敵地12連敗。今季初めてDeNAにも3連戦3連敗で、わずか23試合消化でセ5球団すべてに3連戦3連敗を食らった。借金は16となりセ・リーグの借金を全部抱え込むこととなった。試合後の矢野燿大監督(53)はショックを隠せない表情だった。一問一答は以下の通り。-スタメンで起用した2人(熊谷、山本)が躍動「しっかりしたね。なかなか頭で使ってやるというところがなかったけど、途中からいきながら、今日はスタメンやったけど、いい中身を見せてくれたので、また使いたいなっていう感じの結果と姿を見せてもらえたかなと」-小野寺も2ストライクから満塁弾「もちろんね、代打で打つのは簡単じゃないしね。もちろん甘い球だと思うけど、それをしっかり仕留めたっていうのも立派やし。あいつもこれが今シーズンの初ヒット。まあ、1本出たんでね。またスタメンで出るチャンスを自分でつくってほしいし、どういう形であれ、あいつも勝負がかかっているんでね。そういう気持ちでこれからもいってくれたらと思います」-小野寺はムードメーカー的存在。打てば盛り上がったのでは「まあまあそれは、もちろん勝ち越しのね。そういうムードも上がる1本やったんで。もちろんそうなったと」-それだけにリードを守り切れなかったのが...「守り切れなかったって言うか、一番、逆に言うと苦しい、勝ちの最後の6、7、8やったら、だいぶ形は決まりだしてきたけど、そこの形がまだどうしてもあれやし、馬場にもう1人もう1人というところがね、こういう結果になったんで。それは俺も受け止めなあかんし」-雨でマウンドのぬかるみもあった「赤土は滑るしね、投げにくいのはもちろんあるけど、そんなん言い出したら」-この展開で勝てない歯がゆさは「もちろん、俺も歯がゆいよ」-打線は熊谷、山本がいい働き。3番には佐藤輝に「何か流れが作れるようにというか、今日はダン(小野寺)の本塁打があったけど、なかなか1本、最後の点を取るところが出ないというか、打線のつながりが見えないので打順を変えたりしてるんやけど、なかなかうまくいかんね」-普段出ていない選手の頑張りで主力選手にも刺激「もちろんね、みんな必死でやっているし、でも中心で出ているやつらが引っ張っていくのが一番大事なことっていうのはね。スタメンで出るのはある程度、責任があるので。もちろん、引っ張ってもらわないと困るかなと思う」

◆阪神は2番手の馬場皐輔投手が誤算だった。 小野寺の逆転満塁弾が出た直後の4回に登板。楠本に1発を浴び1点差に迫られ、回をまたいだ5回は2死二、三塁のピンチで代打藤田への3球目、外角に外れたフォークがワンバウンドして後ろにそれ、暴投で同点。なお走者を三塁に置き、藤田に勝ち越し打、大田にダメ押し打を浴び、この回3失点と崩れて降板した。チームに大きく傾いた流れを手放し、リードを守れなかった。勝ちパターンの継投までつなげず、矢野監督は「勝ちの最後の6、7、8回やったらだいぶ形は決まりだしてきたけど、そこの形がまだどうしてもあれやし」と"建設途中"ならではの苦労を口にした。馬場続投の決断には「馬場にもう1人もう1人(任せた)というところがね、こういう結果になったんで。それは俺も受け止めなあかんし」とけじめをつけた。

◆重量打線が帰ってきた。DeNAが阪神に逆転勝ちし、今季2度目の同一カード3連勝を収めた。誕生日を迎えた4番牧秀悟内野手(24)が3号3ラン。牧と同じく新型コロナウイルスから復帰したばかりの楠本泰史外野手(26)も1号ソロで続き、勝率を5割に戻した。横浜スタジアムで阪神に同一カード3連勝するのは07年9月以来、15年ぶり。試合は6回裏途中で降雨コールドとなった。 6回裏の中断中、スタンドから「ハッピーバースデー」のメロディーが流れた。牧は視界が白くなるほど降り続く雨とは対照的な、晴れやかな笑顔を浮かべてベンチから立ち上がる。両手の指で「2」と「4」をつくって応えた。自ら祝砲を打ち上げた。1点を追う3回無死二、三塁。一時逆転の3号3ランを、ファンの待つ右中間席へ。「初回、チャンスの場面で三振していたので、何としてもランナーをかえすんだと強い気持ちで打席に入りました」。右こぶしを突き上げながら1周した。この日は24歳の誕生日。試合前には球団公式ツイッターで「今日も勝てるように、勝利の一打を自分で打っていきたい」と、バースデー弾を"予告"していた。昨年の誕生日は親族が見守る中、無安打に終わった。「今年も長野から家族、親戚が来てくれた。打ててよかった」と喜んだ。7日に新型コロナウイルスの陽性判定を受け、20日に1軍戦線に戻ったばかり。1月末に続いて2度目の感染だったが、復帰2戦目で4番の仕事を見せた。牧だけではない。4回にはこの日1軍登録された楠本が1号ソロ。満塁弾で阪神に傾きかけた流れを呼び戻した。「何としても塁に出ようと。スタンドまで届くとは思ってもいなかったです」。1番右翼でのスタメン起用に一発回答した。今季初の本拠地3連勝。阪神には昨季まで8年連続で負け越しており、横浜スタジアムで阪神に同一カード3タテを食らわせるのは15年ぶり。4月に限れば18年ぶりとなった。5回に戸柱、藤田と代打攻勢で勝負に出た三浦監督は「選手たちがよく応えてくれました。1つずつみんなで集中して戦っていきたい」とたたえた。チーム内で集団感染が発覚した6日以来となる、借金完済だ。【鎌田良美】?▽DeNA坂本(中5日の登板で4回5失点)「雨のことを考え、先に点を与えたくなかったのですが、投手にヒットを許し、先制点を与えてしまったことは反省点。逆転してもらった直後、ランナーをためてから失投してしまい悔しい」▽DeNA藤田(5回2死三塁から勝ち越しの中前打)「あの回は追いつくより追い越したいという気持ちで打席に入った。今日は牧が42歳(本当は24歳)の誕生日だったので、勝利を飾れてよかったです」

◆阪神は痛恨の逆転負けを食らい、4連敗で今季敵地12戦12敗となった。横浜スタジアムでの対DeNA同一カード3連戦3連敗は横浜時代の07年9月24~26日以来、15年ぶりの屈辱。かつて「横浜銀行」の例えもあった好相性の横浜で勝てず、セ・リーグの借金を全て抱える借金16となった。今季は3勝19敗1分けとなり、勝率は1割3分6厘に落ちた。 ▼阪神がDeNAに3連敗。DeNAとの同一カード3連戦3連敗は、21年6月25~27日以来。横浜での3連戦3連敗は、07年9月24~26日以来15年ぶりだった。▼阪神は3勝19敗1分けの借金16となり、DeNAが勝って勝率5割に戻したため、阪神がセ・リーグの借金をすべて背負う形となった。リーグの借金独り占めは8日、10日に続いて今季3度目。

◆阪神が球団史上初、代打逆転満塁弾を放って敗れた。2点を追う4回1死、代打小野寺がDeNA坂本から1号満塁弾。ところが、2番手馬場が4回に1点、続投した5回に暴投、適時打2本で3点を失い、再逆転を許した。6回裏無死一、二塁で降雨コールドゲームとなり、今季3度目の4連敗。「横浜銀行」と例えられた敵地DeNA戦でも勝てず、ビジターは12戦全敗。借金は最多16で、再びセの借金を全て抱えた。 どうやっても勝てないやん...。弱り切った阪神が横浜の雨に打たれた。5-7の6回裏無死一、二塁で雨天中断。29分が経ち、そのままコールドゲームとなった。天にも見放された泥沼の虎。ベンチから雨を見つめた矢野監督の口からは「俺も歯がゆいよ」と本音がポロリとこぼれ落ちた。息を吹き返すような激勝ムードが暗転。負の数字がどこまでも連なっていく。お祭り騒ぎだった。2点を追う4回。1死満塁から代打小野寺が左翼席へ雨を切り裂くアーチをかけた。代打逆転満塁本塁打-。今季無安打だったムードメーカーの一撃に、静まりかえったベンチもドッと沸いた。「ベンチで何も出来ず歯がゆい気持ちだった」という男が、ヒーローになるはず、だった...。ところが、5回に2イニング目を任せた馬場が、逆転を許すまさかの悪夢。代打満塁本塁打は球団通算17本目だが、チームが敗れるのは初めて。この展開でも勝てない。それが今の現状だ。打線改造も勝利に結びつかない。前日20日まで3番だった近本を7試合ぶりに1番に戻し、佐藤輝をプロ初の3番に据えた。ところが、得点は抜てきされた2番熊谷の先制犠飛と代打小野寺の満塁弾。レギュラー陣のつながりの悪さは相変わらずで、矢野監督の悩みも深い。「打線のつながりが見えないので打順を変えたりしてるんやけど、なかなかうまくいかんね」とため息交じりだ。首位巨人が広島を破り、12・5ゲーム差まで広がった。早ければ29日に自力Vが消滅する可能性がある。「みんな必死でやっている。でも中心で出ているやつらが引っ張っていくのが一番大事なこと。スタメンで出るのはある程度、責任がある。もちろん、引っ張ってもらわないと困る」。指揮官はレギュラー陣の奮起を促した。大得意のハマスタでも負のスパイラルを断ち切れず。このまま転がり続けるしかないのか。【桝井聡】▼阪神がDeNAに3連敗。DeNAとの同一カード3連戦3連敗は、21年6月25~27日以来。横浜での3連戦3連敗は、07年9月24~26日以来15年ぶりだった。▼阪神は3勝19敗1分けの借金16となり、DeNAが勝って勝率5割に戻したため、阪神がセ・リーグの借金をすべて背負う形となった。リーグの借金独り占めは8日、10日に続いて今季3度目。

◆重量打線が帰ってきた。DeNAが阪神に逆転勝ちし、今季2度目の同一カード3連勝を収めた。 誕生日を迎えた4番牧秀悟内野手(24)が3号3ラン。牧と同じく新型コロナウイルスから復帰したばかりの楠本泰史外野手(26)も1号ソロで続き、勝率を5割に戻した。横浜スタジアムで阪神に同一カード3連勝するのは07年9月以来、15年ぶり。試合は6回裏途中で降雨コールドとなった。 ####6回裏の中断中、スタンドから「ハッピーバースデー」のメロディーが流れた。牧は視界が白くなるほど降り続く雨とは対照的な、晴れやかな笑みを浮かべてベンチから立ち上がる。両手の指で「2」と「4」をつくって応えた。自ら祝砲を打ち上げた。1点を追う3回無死二、三塁。一時逆転の3号3ランを、ファンの待つ右中間席へ。「初回、チャンスで三振していたので、何としても走者をかえすんだと強い気持ちで打席に入りました」。直前にはベンチで宮崎から「シンプルに打ちにいけばいいよ」と助言をもらった。奏功した逆方向弾。右こぶしを突き上げて1周した。この日は24歳の誕生日。試合前に球団公式ツイッターで「今日も勝てるように、勝利の一打を自分で打っていきたい」と、バースデーアーチを"予告"していた。昨年の誕生日は親族が見守る中、4打数無安打に終わった。「今年も長野から家族、親戚が来てくれた。打てて良かった」と喜んだ。7日に新型コロナウイルスの陽性判定を受け、20日に1軍戦線に戻ったばかり。1月末に続き2度目の感染だったが、復帰2戦目で4番の仕事を見せた。牧だけではない。4回にはこの日、登録された楠本が1号ソロ。グランドスラムで阪神に傾きかけた流れを呼び戻した。「何としても塁に出ようと。スタンドまで届くとは思ってもいなかったです」。1番右翼でのスタメン起用に一発回答した。今季初の本拠地3連勝。ソトのサヨナラ弾で延長戦を制した前夜に続き、接戦をものにした。阪神には昨季まで8年連続で負け越しており、横浜スタジアムで同一カード3タテを食らわせるのは15年ぶり。4月に限れば18年ぶりとなった。5回に戸柱、藤田と代打攻勢で勝負に出た三浦監督は「選手たちがよく応えてくれました」とたたえた。チーム内で集団感染が発覚した6日以来の、借金完済だ。【鎌田良美】

◆阪神はDeNAに逆転負けを喫して、敵地で同一カード3連敗を喫した。雨の横浜で明暗を分けたものは何か? 広島3連覇監督で日刊スポーツ評論家の緒方孝市氏(53)が「投手攻略への意識」と「選手入れ替え」の2点を打撃浮上のポイントに挙げた。【聞き手=田口真一郎】阪神にすれば、巨人戦に勝ち越した流れを失う、あまりにも痛い同一カード3連敗になった。ここまで得点力不足に苦しんでいるが、この試合を見て感じたことが2点ある。まず打線をつなげていくための意識の重要性だ。試合前から雨予報は分かっていた。DeNAの打者には、投手の足元をめがけたセンター返し、基本に忠実な打球が数多く見られた。私も監督時代に采配を振る中で、雨の人工芝では、フライよりも強いゴロを打たせることを心がけさせた。人工芝は雨でぬれると、スリップする。野手の横に打球が飛ぶと、球足が速くなり、ヒットになる確率が上がる。広島で同じユニホームを着た石井琢朗コーチが今年からDeNAで野手総合コーチを務めている。おそらく彼がそういった指示を出しているはずだ。1番で復帰した楠本を起点に打線がつながり、結果に表れた。チームとして、どういう攻撃の形で相手投手に襲いかかるか。首脳陣が指示をして、選手に意識を持たせる。得点を取るという意識を比較すれば、両チームの違いが出た試合内容だった。もう1つは、チャンスをもらった熊谷、山本が結果を残したという点にある。打順の変更が注目されるが、打順をいじるだけでなく、いろんな選手を積極的に起用していく。大山にしろ、近本にしろ、主力の調子が悪いなら、危機感を与えるためにも、大幅な入れ替えをやっていくべきだろう。代打で満塁本塁打を放った小野寺もそうだ。チャンスをものにしようと、いい働きをした選手にどんどんチャンスを与える。もう1度、競争というものに立ち返るのも必要だ。その上で前述したように、チームとして、いかに相手投手を攻略するか。本塁打が出るに越したことはないが、それはあくまで流れの中の副産物。打線をつなげるための意識を強く持つ。この積み重ねが143試合のペナントレースで、チーム全体の打率や得点といった成績につながる。

◆阪神は佐藤輝明内野手(23)が今季初の3番でスタメン出場となった。これまでは開幕4番を務め、14日の中日戦(バンテリンドーム)から6試合連続で2番起用されてきた。近本も7試合ぶりの1番起用となり、新たな打順で3連敗中の停滞ムードを吹き飛ばす。2年ぶりの先発登板となる斎藤の力投にも期待がかかる。

◆阪神が三回に1点を先制した。口火を切ったのは先発した斎藤のバットだった。坂本に対して2球で追い込まれながら、1ボール後に3球連続でファウルと粘りを披露。最後は外角高めにきた、7球目の132キロのカットボールをとらえ、右中間を破る二塁打で出塁した。先発登板は2020年9月10日のDeNA戦(横浜)以来、2度目。右腕にとって、その際に投手内野安打でマークしたプロ初安打以来となる快音でチャンスを作ると、近本が4試合ぶりの安打となる右前打で一、三塁に拡大し、「2番・二塁」で今季初めてスタメン入りを果たした熊谷が右犠飛を放ち、1点を先制した。

◆また一人、頼もしい男が帰ってきた。8日に新型コロナウイルス陽性判定を受けたDeNA・楠本泰史外野手(26)が、隔離期間を終えて1軍に昇格。いきなり「1番・右翼」で出場し、一回に復帰後初打席で右前打を放った。コロナ感染による症状はなかったが、隔離期間はほとんど練習はできず。陰性確認が取れた16日にチームに再合流した。球団施設「DOCK」で徐々に体を動かし、19日のイースタン・リーグの巨人戦(横須賀)に代打で実戦復帰。2軍では2試合3打席で安打はなかったが、状態を見た首脳陣からGOサインが出て、横浜スタジアムに戻ってきた。昨季は後半戦から代打の切り札として頭角を現し、76試合でいずれも自己最高成績となる打率・254、2本塁打、18打点をマークした。同じ〝タイシ〟の外野手、大田が日本ハムから加入した今季は、オープン戦で打率・464とアピールし「3番・右翼」で開幕スタメンの座をつかんだ。昨季から不動のリードオフマンだった桑原がコロナ感染で離脱。D6位・梶原(神奈川大)、関根らが代わって起用されるも苦しんだ。1番について三浦監督は「出塁してもらうことが一番の役割」と求める中で、帰ってきた巧打者が早速起用に応えた。

◆阪神・小野寺暖外野手(24)が代打で出場し、逆転満塁本塁打を放った。「打ったのはストレート。連日、苦しいチーム状況の中で投手陣が頑張ってくれていましたが、ベンチで何もできず歯がゆい気持ちだったので、打席の中で何が何でも食らいついてやろうという気持ちでした。チームの力になれて本当にうれしいです」1―3と逆転された直後の四回に安打と2四死球で1死満塁。先発・斎藤の代打として巡ってきた出番。坂本に2球で追い込まれたものの、真ん中にきた3球目の144キロ直球を力強く振り抜くと、高く舞い上がった打球はそのまま左翼席中段に着弾した。小野寺にとっては今季初安打で、本塁打は昨年9月30日の広島戦(甲子園)以来となるプロ2本目。大粒の雨が降りしきるなかで応援する虎党を元気づける意味でも、値千金の一発となった。

◆阪神・斎藤友貴哉投手(27)が2年ぶりに先発し、3回6安打3失点で降板した。一回は2死満塁、二回は2死二塁のピンチを脱出。しかし、自らの右中間二塁打をきっかけに1点を先制した直後の三回が落とし穴だった。大田に中前打、佐野には左翼への二塁打を許す。ともにやや高めに浮いた151キロ直球をはじき返された。4番・牧にはカウント2―1から甘く入った146キロの変化球をとらえられ、右中間席に届くバースデー弾にされた。四回に打席が巡ったところで交代となった。先発するのは2020年9月10日のDeNA戦以来、2度目。3回2失点だった前回と同じ敵地・横浜での先発マウンドで、悔しい夜となってしまった。

◆阪神・斎藤友貴哉投手(27)が2年ぶりに先発し、3回6安打3失点で降板した。「自分にとっては先発させてもらうチャンスだったので、思い切って攻める気持ちを持ってマウンドに上がりましたが、先制点を取ってもらったあとに逆転を許してしまい、チームに流れを持ってくるような投球をすることができず悔しいです」一回は2死満塁、二回は2死二塁のピンチを脱出。しかし、自らの右中間二塁打をきっかけに1点を先制した直後の三回が落とし穴だった。大田に中前打、佐野には左翼への二塁打を、ともにやや高めに浮いた151キロ直球をはじき返されて許し、得点圏に走者が2人。この日24歳の誕生日を迎えた4番・牧にはカウント2―1から甘く入った146キロの変化球をとらえられ、右中間席に届く〝バースデー弾〟を浴びた。四回に打席が巡ったところで交代となった。先発するのは2020年9月10日のDeNA戦以来、2度目。3回2失点だった前回と同じ敵地・横浜での先発マウンドで、悔しい出番となってしまった。

◆DeNAの牧が24歳の誕生日を自らのアーチで祝った。0―1の三回無死二、三塁。斎藤の外角フォークボールが浮いたところを逃さなかった。逆らわずに打ち返した打球は右中間席へ。3号3ランを「コンパクトなスイングを心掛けたことがいい結果につながった」と振り返った。7日に新型コロナウイルス感染が判明。復帰を果たした20日は2度の好機で凡退し、悔しい思いを味わった。斎藤を相手に一回は1死一、二塁で空振り三振。「チャンスで三振していたので、何としても走者をかえすんだと強い気持ちで打席に向かった」と4番の意地で見事にやり返した。強いこだわりを見せる打点は2桁に到達。華々しい活躍を見せたルーキーイヤーに続き、今季も頼もしい。

◆阪神はシーソーゲームを展開するも、降雨コールド負け。同一カード3連敗で連敗は「4」に伸び、借金も「16」に膨らんだ。2年ぶりに先発した斎藤が1―0の三回無死二、三塁で牧に右中間への3ランを浴びて逆転された。それでも、直後の四回1死満塁で代打・小野寺が坂本から左翼席中段に満塁弾を放ち、再逆転した。このまま逃げ切りたかったが、2番手・馬場が四回に楠本に右翼ソロを許すと、五回2死二、三塁では暴投で同点に追いつかれ、代打・藤田には中前適時打を打たれて再びリードを奪われた。大田にも左前適時打を浴び、この回3点を失った。試合開始前から降り続いた雨の勢いが次第に強まるなか、六回の攻撃は無得点。その裏に4番手・加治屋が、先頭から連続四球を与えたところで降雨の影響により、試合は中断。再開を待ったものの、約30分後の午後9時15分ごろにコールドゲームが宣告された。

◆自らの節目を祝う美しいアーチをかけた。DeNAは24歳の誕生日を迎えた牧秀悟内野手が1点を追う三回、無死二、三塁の好機で右翼席へ逆転の3号3ラン。グッと右拳を握った。「初回、チャンスの場面で三振していたので、何としてもランナーをかえすんだと強い気持ちで打席に入った。コンパクトなスイングを心掛けたことが、良い結果につながった」前を打つ先輩の大田、佐野が連打でつくったチャンス。入団2年目にして4番に座る牧は、阪神先発の斎藤に対してカウント2―1からの4球目、甘く入った変化球を一振りで仕留めた。打球は右翼を守るライバル、佐藤輝の頭上を越え、ベイ党が陣取る右翼席へと突き刺さった。7日に今年2度目の新型コロナウイルス陽性判定を受けた。隔離期間は体幹トレーニングなどに努め、14日にチーム再合流。19日のイースタン・リーグの巨人戦(横須賀)で実戦復帰を果たし、翌20日に1軍に昇格した。昇格即「4番・二塁」で出場した20日の阪神戦は、七、九回と終盤のチャンスに2打席連続で凡退。この日も一回1死一、二塁の第1打席は空振り三振に倒れたが、すぐに修正した。一つ年を重ねた牧が、24歳の誕生日に進化を見せた。(浜浦日向)

◆阪神は四回、小野寺暖外野手(24)の代打逆転満塁本塁打でリードしたものの、五回に3点を奪われ、六回裏のDeNAの攻撃中に雨脚が強くなり、中断。そのまま降雨コールドゲームとなった。開幕からのビジター連敗は「12」。セで唯一の借金チームとなった矢野耀大監督(53)の一問一答は以下の通り(チーム成績3勝19敗1分、観衆1万6995人)。ーースタメン起用の熊谷、山本が安打「しっかりしたね。なかなか頭で使ってやるというところがなかったけど、まあ、途中からいきながら、うん。今日はスタメンやったけど、いい中身を見せてくれたので、また使いたいなっていう感じの結果と姿を見せてもらえたかなと」ーー小野寺も2ストライクから満塁弾「もちろんね、代打で打つのは簡単じゃない。もちろん甘い球だと思うけど、しっかり仕留めたのも立派。まあ、アイツもこれが今シーズンの初ヒット。まあ、1本出たんでね。またスタメンで出るチャンスを自分で作ってほしいし、どういう形であれ、アイツも勝負がかかっているんでね。そういう気持ちで、これからもいってくれたらと思います」) ーー小野寺が打って盛り上がったのでは「まあまあ、それは、もちろん勝ち越しのね。そういうムードもあがる1本やったんで。もちろんそうなったと」ーーリードを守り切れなかった「守り切れなかったって言うか、一番、逆に言うと苦しい勝ちの最後の六、七、八回やったらだいぶ形は決まりだしてきたけど、そこの形がまだどうしてもあれやし、馬場に、もう一人、もう一人というところがね、こういう結果になったんで。それは俺も受け止めなあかんし」ーー雨でマウンドのぬかるみもあった「赤土はすべるしね、投げにくいのはもちろんあるけど、そんなん言い出したら」ーーこの展開で勝てない歯がゆさは「もちろん、俺も歯がゆいよ」ーー3番には佐藤輝に「何か流れが作れるようにというか、今日はダンの本塁打があったけど、なかなか一本、最後の点を取るところが、出ないというか、打線のつながりが見えないので打順を変えたりしてるんやけど、なかなかうまくいかんね」ーー普段出ていない選手の頑張りで主力選手にも刺激「もちろんね、みんな必死でやっているし、でも中心で出ているヤツらが引っ張っていくのが一番大事なことっていうのはね。スタメンで出るのはある程度、責任があるので。もちろん、引っ張ってもらわないと困るかなと思う」

◆中日、阪神、西武で通算1560安打を放ち、楽天初代監督を務めたサンケイスポーツ専属評論家の田尾安志氏(68)は「馬場の五回続投は大いに疑問。ことしの矢野采配は全般的に交代が遅い」と継投ミスによる逆転負けだと断言した。降りしきる雨で「五回コールド」も有り得る状況での五回裏のマウンドに馬場が続投で立っていた。これには驚いた。状態のいい馬場なら続投も選択肢だが良くなかった。結果、この回だけで5安打を浴び、逆転されて途中交代。明らかに交代が遅かった。諸条件を考えても、交代に踏み切らなかったのは残念だ。試合開始から雨が降り続き、時間の経過とともにさらに雨量が増す天気予報。いつ中断、コールドになってもいいように、先手先手の継投は必要とされる試合だった。) それ以前に、先発が斎藤ということで当然、長いイニングは考えにくく、試合前から「ブルペンデー」と位置付けていたはず。総動員を覚悟して、ブルペンで準備していたと思う。相変わらず細かな制球がない斎藤が三回で降板した時点で、1人1イニングの覚悟で継投に入るべきだった。ことしの矢野采配で気になるのは「打たれました」「逆転されました」「では交代」という継投が非常に目につく。ブルペンのデキと、マウンドに立ってからのデキが違うケースはよくある話だが、打たれ始めて、完全にKOされるまで代えないのだ。言い方は悪いが、これなら誰にでもできてしまう。状態をいち早く見抜き、被害を最小限に食い止めるのが、勝利に結びつく継投。矢野監督の継投は明らかに遅い。せっかく小野寺の代打満塁本塁打という、勢いのつく逆転ができた直後だけに、勿体なさが際立った。打線に関して、ようやく動いて、新たに起用した熊谷、山本が結果を残すなど、プラス面が光る采配が出来ていただけに継投ミスは痛恨だ。もう一点、打撃で気になる部分を指摘したい。DeNAの打者は、徹底してセンターから逆方向へ打つ意識が見られた。石井野手総合コーチの指導だろう。対する阪神は大山、梅野が象徴的だが、ここ一番になると強引に引っ張りの打撃になってしまっている。自分が何とかしないと、という焦りから来るのかもしれないが、ここはDeNAの打撃をお手本にしてもらいたい。

◆DeNA2年目の池谷が好救援でプロ初勝利を手にした。4―5の五回に2番手で登板して佐藤輝、大山を続けて空振り三振。続く糸井を二ゴロと中軸を三者凡退として、その裏の逆転劇を呼んだ。待望の1勝に「流れを持ち込むことができて良かった。最高です」とにっこり笑った。静岡高からヤマハを経てドラフト5位で昨季入団。貴重な左投げの救援投手として飛躍が期待される。三浦監督は「主軸をしっかり抑えて流れを呼び込んでくれた。非常にいい投球だった」とねぎらった。

◆18年目のDeNA・藤田一也内野手(39)が、1点を追う五回2死二、三塁の場面で代打出場。雨が降り続くの中、3球目の暴投で追いつくと、5球目をとらえて中前に決勝打を放った。「同点で終わるより勝ち越したかった。最低でも前に飛ばせば、何かは起きると思った」。19日の阪神戦でも代打で同点打を放った39歳のベテランに、三浦監督も「藤田の勝負強さにかけた。よく打ってくれた」と目を細めた。

◆DeNAは〝ダブル・タイシ〟が揃って3安打猛打賞と大暴れした。) コロナ陽性から1軍復帰即「1番・右翼」で出場した楠本泰史外野手(26)は、四回に逆転された直後に「何としても塁に出ようと意識した」と右翼席へ1号ソロ。逆転した五回には、大田泰示外野手(31)が貴重な追加点となる左前適時打を放ち「芯に当たってくれて良かった」と泥まみれになったユニホーム姿で拳を握った。

◆DeNAのマイケル・ピープルズ投手(30)が22日の広島戦(マツダ)に今季初先発する。試合前にランニングやキャッチボールで調整した。昨季は7試合に先発し、11試合に救援登板。今季は2試合で救援登板していたが、浜口、石田とチームにコロナ陽性者が相次いだピンチに、先発として白羽の矢が立った。来日3年目右腕は「いろんなチーム状況がある中でめぐってきたチャンス。いい準備はできている」と意気込んだ。

◆歓喜のウオーターシャワーになるはずが、まさかの涙雨に...。代打で逆転満塁弾を放った阪神・小野寺は悔しさをにじませながら、この日一番のハイライトを振り返った。「監督、コーチ、選手みんなが勝ちたいと思って毎試合、挑んでいる。その中で何もできていなかったことが悔しかった。チャンスで回ってきたんで、結果を残そうと思いました」試合前の時点で6打数無安打、打率0割の男が大仕事をやってのけた。1-3の四回。1死走者なしから四死球と安打で塁が埋まり、先発・斎藤の代打で打席へ向かった。2球で2ストライクと追い込まれたが、「うまく反応できました」と真ん中付近の直球を振り抜いた。打球を左翼席まで運び一時逆転に成功。伏兵の今季1号となるグランドスラムにベンチもこの時ばかりはお祭りムードに包まれた。代打満塁弾は「初めてですね」と小野寺。2021年9月30日の広島戦(甲子園)以来、自身203日ぶりのアーチは空砲となったが、〝直電〟のゲキには応えた。19日に1軍へ再昇格を果たす際、自宅で視線を向けたスマートフォンの画面に平田2軍監督の名前が浮かんでいた。 「『何がなんでもお前は1軍にいないといけない』といわれた。こうやっていい報告できる」初安打や初本塁打は小野寺から電話したが、2軍を預かる指揮官からは今回が初めて。「こうやって平田2軍監督から初めて電話を頂いて、喜んでくれているかな」と思い描いた。だが、投打の歯車がかみ合わず、1956年に〝初代ミスタータイガース〟藤村富美男が放ってから脈々と受け継がれてきた代打満塁本塁打の不敗神話は「16」で途切れた。虎の歴史にも屈辱的な1敗を刻んだ矢野監督は小野寺に「スタメンで出るチャンスを自分で作ってほしいし、勝負がかかっている。そういう気持ちでこれからもいってくれたら」と期待した。「勝ちにつながらなかった部分はまた次、勝ちにつなげられるような一打を打ちたい」と小野寺は顔を上げた。次こそ、勝利の立役者になる。(新里公章)

◆DeNAは21日、阪神5回戦(横浜)に六回裏無死降雨コールドゲームで7―5の逆転勝ち。24歳の誕生日に「4番・二塁」で出場した牧秀悟内野手が0-1の三回、故郷・長野から応援に訪れた家族の前で3号3ランを放って勝利に大きく貢献した。チームは2007年9月以来、15年ぶりに横浜スタジアムで阪神との同一カード3連戦3連勝を飾り、勝率を5割に戻した。24年間、育ててくれた両親へ感謝のアーチを架けた。三回無死二、三塁。牧が甘く入った変化球を右翼席へ運んだ。この日故郷の長野から駆けつけ、雨が降りしきる中で一塁側スタンドから見守った家族に、大きくなった背中を見せた。「前の打者がつくってくれたチャンスを何とかものにしようとした結果が良かった。すごく新鮮な誕生日になった」1年目の昨季は開幕戦、誕生日、後半初戦と両親が観戦した試合で無安打に終わり、学生時代も打てないことが多かったという。プロ入りし、親の誕生日にはプレゼントを贈るようになった孝行息子が、24歳の誕生日に成長の跡を示した。今年2度目の新型コロナウイルス陽性判定を受け、19日に2軍で実戦復帰したばかり。隔離療養中はバットも振れず、昇格即4番で出場した前日はチームがサヨナラ勝ちしたものの、チャンスで立て続けに凡退した。この日も一回1死一、二塁で三振に倒れた。2打席目の直前、左太もも裏の炎症でベンチにいた宮崎に「全然駄目です」と伝えると「シンプルに打てばいい」と助言された。焦りが消え、持ち味の逆(右)方向への打撃を取り戻した。4番に引っ張られるように、チームは13安打7得点で勝利。阪神相手にハマスタで15年ぶりのカード3連戦3連勝を飾った。コロナ禍で12選手が登録抹消となり、3まで増えた借金を完済した。中断中にスタンドから届いた誕生日を祝う歌声に、牧は両手で「2」「4」をつくって応えた。「メンバーがそろわない中でも接戦をものにできていて、いい雰囲気」。また一つ大人になった主砲の言葉が、さらなる進撃を予感させた。(浜浦日向)

◆笛吹けど、踊らず...。これまで2番を務めていた佐藤輝が、今季初めて3番に入った。ところが、佐藤輝、大山、糸井のクリーンアップが計8打数無安打。阪神・矢野監督は悔しさをにじませて雨空を眺めた。「打順を変えたりしているんやけど、なかなかうまくいかんね」すべてが機能しなかったわけではない。2番で今季初スタメンの熊谷は一回に右前に運び、チャンスメーク。三回は無死一、三塁で先制の犠飛を放った。「7番・三塁」に入れた山本は2安打。近本は4試合ぶりにHランプを灯し、伏兵は伏兵なりの活躍はしたが、今度は主軸が天を仰いでばかりだった。「きょうはダン(小野寺)の本塁打があったけど、なかなか一本、最後の点をとるところから出ないというか打線のつながりが見えない」5得点は4月3日の巨人戦(東京ドーム)以来14試合ぶり。だが、降りしきる雨でマウンドもぬかるんで相手投手もストライクを取るのに苦しんでいただけに、クリーンアップに好機で一本出ていれば、相手の7得点を上回ることはできたかもしれない。矢野監督は「みんな必死でやっている。でも、(打線の)中心で出ているやつらが引っ張っていくのが一番大事なこと。スタメンで出続けるのは、ある程度、責任があるので。引っ張ってもらわないと困るかなと思う」とお手上げ。借金は今季ワーストの16。万策は尽きた。低迷打破へ、佐藤輝らに、さらなる奮起を求めるしかない。(三木建次)

◆DeNAは21日、阪神5回戦(横浜)に六回裏無死降雨コールドゲームで7―5の逆転勝ち。24歳の誕生日に「4番・二塁」で出場した牧秀悟内野手が0-1の三回、故郷・長野から応援に訪れた家族の前で3号3ランを放って勝利に大きく貢献した。1点を追う五回2死二、三塁で決勝打を放ったチーム最年長、39歳の藤田は、傘を差してお立ち台に上がり「牧の〝42歳の誕生日〟を勝利で飾れて良かった」とベンチやスタンドの笑いを誘った。2年目の24歳にして「42歳」ばりの落ち着きを見せる牧を言い表す最上級の褒め言葉。代打で同点打を放った19日に続く自身の活躍には「前に飛ばせば何か起きると思った」と拳を握り、三浦監督も「勝負強さにかけた」と目を細めた。

◆ゲゲー!! 降雨によるコールドゲームでわが阪神4連敗...。このくらいの水量なんて、今季の阪神ファンの流した涙に比べたら目薬みたいなもんやないかー!!そんな中、ベンチの多い熊谷がヒットに先制犠飛に盗塁まで決めれば、山本が2安打に四球で全て出塁。そして、育成出身の小野寺暖(だん)がダーンと満塁弾でダンカン、ニンマリだったのに...。合計年俸3850万円の3人が活躍したってのに、高給取りのクリーンアップは音なしだったのだ!! 「何しとんねん! 佐藤輝~。4200万円の力見せ~や(アレ、案外少ないな)。大山~、1億円分、働かんかい(えっ、虎の4番がこの金額?)糸井~、40歳のレジェンドで8500万円は(結構低いやんか...)」ちなみに、巨人の若き4番・岡本和の年俸を調べてみたら...。さ、さ、3億円~!! 虎のクリーンアップが束になっても届かないやんかー!! は~あ、これじゃ勝てないのも当たり前かあ。いや、金額が全てとは言わないけど、ここから奇跡の逆転Vを成しとげる!! バットで3人とも5億、いや10億円稼いだれ!! 安月給トリオも負けるなー!!

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
1670 0.696
(↑0.014)
-
(-)
12096
(+8)
81
(+4)
26
(+3)
6
(-)
0.253
(↑0.002)
2.990
(↓0.05)
2
(1↑)
中日
1180 0.579
(-)
3
(↓0.5)
12474
(-)
66
(-)
15
(-)
8
(-)
0.258
(-)
3.300
(-)
3
(1↓)
広島
1291 0.571
(↓0.029)
3
(↓1)
12194
(+4)
70
(+8)
6
(+1)
6
(-)
0.257
(↓0.003)
2.960
(↓0.16)
4
(-)
ヤクルト
11100 0.524
(-)
4
(↓0.5)
12278
(-)
81
(-)
22
(-)
9
(-)
0.235
(-)
3.250
(-)
5
(-)
DeNA
990 0.500
(↑0.029)
4.5
(-)
12572
(+7)
74
(+5)
14
(+2)
9
(-)
0.257
(↑0.01
3.880
(↓0.14)
6
(-)
阪神
3191 0.136
(↓0.007)
12.5
(↓1)
12056
(+5)
98
(+7)
15
(+1)
9
(+1)
0.220
(↑0.002
4.170
(↓0.21)