巨人(☆3対1★)広島 =リーグ戦4回戦(2022.04.19)・東京ドーム=
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広島
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巨人
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勝利投手:戸郷 翔征(3勝1敗0S)
(セーブ:大勢(1勝0敗10S))
敗戦投手:九里 亜蓮(1勝1敗0S)

本塁打
【巨人】坂本 勇人(3号・3回裏ソロ)

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◆巨人は両軍無得点で迎えた3回裏、坂本にソロが飛び出し、先制に成功する。そのまま迎えた5回には、岡本和の適時打などで2点を挙げ、リードを広げた。投げては、先発・戸郷が8回1失点の快投で今季3勝目。敗れた広島は、打線が中盤以降の好機を生かせなかった。

◆独創的なパフォーマンスを世界で展開するブルーマンが始球式に登場した。顔を青に染めた3人組が試合前のマウンドに現れると、打席にはジャビットが入って"対戦"。観衆の手拍子の中で、長いゴムの中央にボールをセット。センター方向に引いた反動で、ボールを本塁へ。巨大な"ゴムパチンコ"のようにはじいた速球は、あわやジャビットに直撃する、スピードボールになった。最後は一塁側ベンチ前からスタンドにボールを投げ込み、去って行った。

◆2軍で指導していた巨人金杞泰(キム・キイテ)コーチ(52)が1軍に合流した。 今季から1軍打撃コーチに就任したが1月に肺結核と診断。母国・韓国で治療を続け、15日に2軍練習に合流していた。

◆巨人坂本勇人内野手(33)が5回先頭で左前打を放ち、東京ドーム通算安打数で単独トップになった。広島九里の143キロ初球をはじき返し通算970安打とした。969安打でトップだった阿部慎之助を抜いた。3回無死では、2ボールから九里が投じた真ん中高めの143キロ直球を見逃さず今季3号ソロ。打った直後に確信し、自軍ベンチに向け右腕でガッツポーズをつくった。「一振りで仕留めることが出来て良かったです」と納得の1発だった。坂本の通算安打はこれで2140本。東京ドームでの安打数3位は田中幸雄(日本ハム)の818安打となっている。

◆巨人吉川尚輝内野手が、珍記録となる「1人併殺」を完成させた。7回1死一、三塁から広島上本の打球は、強烈なスピンがかかったまま一塁への小フライに。一塁手の中田は捕球できず、二塁手の吉川がワンバウンドで捕球。打球判断に迷い、飛び出した一塁走者の大盛にタッチすると、そのまま上本より早く一塁を駆け抜け、併殺を完成させた。吉川はそのままベンチに戻り、"ビッグプレー"に沸く巨人ベンチに迎え入れられた。

◆敵地東京ドームでの首位攻防初戦を託された広島九里亜蓮投手は、5回3失点(自責2)で降板となった。17日中日戦で2回8失点降板の森下に続き、クオリティースタート(QS)はならなかった。立ち上がりからリーグ最多本塁打の巨人打線を相手に両サイドを丁寧に突いた。試合前は「前々回は四球が多かったし、前回のヤクルト戦に関しても先頭に四球があった。その辺りはしっかりと打者と勝負をしながら減らしていきたい」と話していたが、警戒心からか球数がかさんだ。1回から3四球、28球を要した。その後も苦しい投球が続き、3回は先頭坂本に先制ソロを被弾。5回は先頭から3連打で追加点を許すと、さらに2失策から失点。この回は投げきったものの、球数は106球に達した。20年以降、東京ドームでは7試合で5勝2敗、防御率1.99と得意としていたが、責任投球回を投げきるのが精いっぱいだった。試合前までリーグトップのチーム防御率2.70の投手陣が開幕ダッシュのけん引役だった。特に先発陣は16日まで12試合連続でQSを達成するなど、防御率2.63と安定していた。何とか5回まで踏ん張った九里だが、打線の援護なく今季2勝目はならなかった。【前原淳】

◆巨人ドラフト1位ルーキー、大勢投手(22)が球団新人初の2ケタセーブとなる10セーブ目をマークした。2点リードの9回から登板。1回を無安打無失点に抑え、首位に立った。1死後、6番会沢に対して、この試合最速の155キロをマーク。一ゴロ、投ゴロ、二ゴロと、15球で3者凡退に打ち取った。チーム21試合目での10セーブ到達は、史上2位タイのスピード記録。今季の12球団最速になった。大勢は開幕戦で球界40年ぶりとなる新人セーブを挙げるなど、11試合の登板で1勝10セーブ。ここまで救援失敗はなく、首位に立つチームを支えている。▼ルーキー大勢が10セーブ目を挙げた。新人の2桁セーブは21年栗林(広島=37S)以来18人目で、巨人の新人では球団史上初めて。チーム21試合目に10セーブ到達は08年藤川(阪神)の19試合に次ぎ、17年ドリス(阪神)同年松井裕(楽天)の21試合に並んで2位タイ。巨人では13年西村の23試合、新人では15年山崎康(DeNA)の31試合が最速で、大勢が球団記録と新人記録を塗り替えた。 ◆シーズン10セーブ到達ペース10傑1位 19試合 藤川球児(阪神=06年)2位 21試合 ドリス(阪神=17年) 松井裕樹(楽天=17年) 大勢(巨人=22年)5位23試合 バーネット(ヤクルト=12年) 西村健太朗(巨人=13年)7位 24試合 三瀬幸司(ソフトバンク=05年) 岩瀬仁紀(中日=06年)

◆巨人ドラフト1位ルーキー、大勢投手(22)が球団新人初の2ケタセーブとなる10セーブ目をマークした。9回から登板し、1回を無失点に抑えた。チーム21試合目での10セーブ到達は、史上2位タイのスピード記録。今季の12球団最速になった。

◆巨人坂本勇人内野手(33)が本拠地でのメモリアル打で4試合ぶりに首位に返り咲いた。3回に広島九里から左中間スタンドに3号先制ソロ。阿部慎之助(現作戦兼ディフェンスチーフコーチ)が持つ東京ドーム通算安打歴代トップの969安打に並んだ。5回には単独トップとなる安打をマークするなど猛打賞。ドラフト1位の守護神、大勢投手(22)も10セーブ目で球団新人では初の2ケタセーブを達成した。チーム21試合目での到達は史上2位タイのスピード記録。記録ラッシュで首位攻防3連戦の初戦を制した。13戦ぶりの1発は師匠の偉大な記録に並ぶ一打になった。3回先頭。坂本は、2ボールから広島九里が投じた真ん中高めの143キロ直球を見逃さなかった。今季3号の先制ソロを左中間スタンドに運んだ。「一振りで仕留めることが出来て良かった」と納得の1発。東京ドーム通算安打でトップだった阿部慎之助(現作戦兼ディフェンスチーフコーチ)の969安打に並ぶアーチだった。記念の一打をかみしめるように、自軍ベンチに向けて小さくガッツポーズをつくる。本拠地の温かい拍手を背に、ゆっくりとダイヤモンドを回り、積み重ねた歴史を味わった。5回も九里の143キロ初球を左前打にし、同球場の通算安打数で単独トップに。6回2死でも一塁への内野安打で今季2度目、通算173度目の猛打賞を記録し、通算971安打まで伸ばした。08年4月1日。中日戦の第1打席で放った右翼への二塁打から始まった、東京ドームでの安打街道。プロ2年目の08年オフから8年間にわたってグアムの自主トレに同行し、慕った阿部コーチの記録を塗り替えた。コツコツと積み重ねた努力の結晶だった。今季開幕戦は左内腹斜筋筋損傷で欠場。高卒2年目の08年から14年続いていた開幕スタメン出場が止まった。苦難の船出だったが、3戦目には復帰し、4打数4安打と復活。そこからは戦列を離れずスタメンを張り、チームを引っ張ってきた。プロ16年目でも探究心は衰えない。キャンプ時は若手の頑張りに奮い立った。「若い選手がたくさん良い結果を出しているというのは僕たち中堅、ベテラン選手には良い刺激になって相乗効果が生まれると思う。まだまだ負けられない」。主将としてチーム全体を見回しながら、自身を鼓舞していた。【三須一紀】

◆巨人ドラフト1位ルーキー、大勢投手(22)が9回を3者凡退に抑え、球団新人初の2ケタセーブとなる10セーブ目をマークした。チーム21試合での到達は球団最速で、プロ野球史上2位タイ。今季の12球団最速になった。試合後は、大きな拍手の中でヒーローインタビューを受けた。-今日も3者凡退に抑えた今日は三振がなかったんですけど、野手の人たちに守ってもらって、しっかり抑えることができました。-9回はどんな思いでマウンドにずっと裏で戸郷が投げている姿を見て、奮い立たされたので、しっかり戸郷に勝ちを付けられるピッチングをしようとしてマウンドに立ちました。-巨人の球団史上、最速での10セーブになった開幕する前から、自分の中で日本一になるために、1戦1戦、しっかり結果を残したいという目標でやってきたので、その結果、こういう結果につながっているのはうれしいです。-今後に向けてこれからも自分の投球で球場に足を運んでくださった皆さんに、野球の素晴らしさだったり、元気になってもらえるような、そんなピッチングをしていきたいと思います。

◆巨人戸郷翔征投手がともに今季最多となる8回122球を投げ、3勝目を挙げた。7安打5奪三振で1失点に抑え「今日は完投しようという気持ちでいきました。いつも中継ぎの人が頑張ってくれている。1イニングでも多く投げようと頑張りました」と言った。原監督は「今日は変化球に頼らず、真っすぐをうまく使って。バッティングも攻撃的だし、ピッチングも攻撃的」と評価した。

◆広島が巨人との首位攻防第1ラウンドは走攻守にミスが出てトップから陥落した。先発九里は厳しい判定もあり1回だけで3四球。1点ビハインドの5回は3連打と2失策から2点を失った。つなぎの攻撃も相次ぐ走塁ミスが勢いを止めた。今季2度目の2連敗に佐々岡監督は「こういうミスは反省して、次に生かさないといけない。今までやってきた野球を継続してやっていく」とナインを鼓舞して球場を後にした。

◆巨人坂本勇人内野手(33)が、颯爽(さっそう)と新記録を打ち立てた。 3回無死、広島九里の直球をひと振りで仕留めると、打球は左中間席上段へ。東京ドーム通算969安打目となる先制の3号ソロで歴代トップだった阿部作戦兼ディフェンスチーフコーチに並んだ。続く5回の第3打席の左前打で一気に単独トップに。メモリアル打を皮切りにこの回2点を加えて首位浮上に貢献し、「たくさん試合に出て、ファンの方の前で打ちたいという気持ちはありますし、それはずっと変わらないと思います、これからも」と、静かにかみしめた。本拠地とプロ人生を歩んできた。「東京ドームの出来た年に僕が生まれたので、たぶん」と笑うように、88年生まれの"同学年"。プロ2年目の08年4月1日中日戦での右翼への二塁打から、快音を響かせてきた。その年のオフから8年間自主トレを同行し、前主将でもあった阿部コーチの大きな背中を追った。12日のDeNA戦では球団単独4位の通算2133安打を放って"師匠"を抜き、この日はともに汗と涙を流してきた本拠地での安打数も超えた。原監督からは「私は多分、そのうちの8割5分くらいは見ているんじゃないでしょうか」と笑顔で称されたが「(阿部超えは)光栄というか、もっともっと積み上げていけるようにやっていきたいなと思います」と先だけを見据えた。"師匠"も見られなかった領域へ、足を踏み入れていく。【浜本卓也】

◆「4番三塁」でフル出場した巨人岡本和真内野手が、4番先発が506試合となり、阿部慎之助コーチを抜いて球団歴代単独6位になった。 1点リードの5回無死一、三塁からは中前適時打で貴重な追加点を挙げた。2番坂本から続いた5回の3連打に、原監督は「トータル3点ぐらい取れていればね。2点取ったところが大きいとはいえ、カープの投手は手ごわいなという感じですね」と語った。

◆らしさを欠いた広島が巨人との首位攻防第1ラウンドに敗れ、4日ぶりに首位から陥落した。先発九里は立ち上がりからテンポが悪く、守備も乱れて失点。攻撃では得意の走塁にミスが出るなど、つなぎが機能せず1点止まり。今季2度目の2連敗でセ界トップを明け渡した。佐々岡真司監督(54)は好調時のカープ野球に立ち返り、リベンジでの首位奪回を誓った。黒にのみ込まれるように、赤の勢いが失速した。広島が得意とする走塁でミスが出て攻撃の勢いを止めると、立ち上がりからリズムに乗れない先発九里の投球も立ち直れない。さらに守備も乱れて、中盤までに3失点。巨人との首位攻防第1ラウンドは走攻守にらしさを欠き、2位に転落した。佐々岡監督は「(投球から)リズムが悪くなったところもあるだろうけど、もう1回ここは引き締めてやっていかないといけない」と原点回帰の姿勢を求めた。序盤からリズムを乱した。今季安定した投球を続けていた九里が厳しい判定もあり、球数がかさんだ。1回は無失点も1イニングで3四球。3回に2ボールから坂本に先制ソロを浴びると、4回まで球数は83球を要した。テンポの悪さが守備にも伝染したように、1死一、二塁から三ゴロに三塁ベースを踏んで一塁送球を狙った坂倉がベースを踏む前に落球。さらにマクブルームがファウルになると判断して見送った一塁線に弾んだゴロがフェアとなる負の連鎖で失点を重ねた。つなぎの攻撃もミスから勢いを止めた。両軍無得点の2回。無死一、二塁から会沢の右翼フェンス際の飛球に、二塁走者マクブルームが判断ミスでタッチアップできなかった。0-1の5回は1死から右翼線の当たりに三塁を狙った大盛がタッチアウト。東出野手総合コーチは「走塁ミスが2つ3つあったら、流れはこっちに来ない」と自分たちで手放したミスを嘆いた。今季2度目の連敗に、佐々岡監督は「こういうミスは反省して、次に生かさないといけない。今までやってきた野球を継続してやっていく」とナインを鼓舞するように球場を後にした。まだ順位を意識する時期でなければ、ひとつの敗戦に下向くチーム状況でもない。今季示してきた広島らしさを取り戻すことができれば、勝機は自ずと見えてくるに違いない。【前原淳】

◆敗戦の中で広島の新人2投手が光の無失点投球を見せた。3点ビハインドの6回に登板した黒原拓未投手(22)は、2死から安打を許したが、続くポランコを二ゴロに切った。7回に登板した松本竜也投手(22)は、初対戦となった智弁学園の先輩岡本から空振り三振を奪うなど3奪三振。プロ入り7試合(4回2/3)連続無失点の黒原は「味方、ファンの方もそうですし、会沢さんもすごく投げやすいようにいろんなアクションをしてくれるので、強気にさせてもらっている」と感謝だった。

◆巨人坂本勇人内野手(33)が、颯爽(さっそう)と新記録を打ち立てた。3回無死、広島九里の直球をひと振りで左中間席上段へ。東京ドーム通算969安打目となる先制の3号ソロで歴代トップだった阿部作戦兼ディフェンスチーフコーチに並んだ。続く5回の第3打席の左前打で一気に単独トップに。メモリアル打を皮切りにこの回2点を加えて首位浮上に貢献し、「たくさん試合に出て、ファンの方の前で打ちたいという気持ちはありますし、それはずっと変わらないと思います、これからも」と、静かにかみしめた。本拠地と歩みを重ねてきた。「東京ドームの出来た年に僕が生まれたので、たぶん」と笑うように、88年生まれの"同学年"。08年4月1日中日戦での二塁打から快音を響かせてきた。同年オフから8年間自主トレに同行し、前主将でもあった阿部コーチの大きな背中を追った。12日DeNA戦では球団単独4位の通算2133安打を放って"師匠"を抜き、ともに汗と涙を流してきた本拠地での安打数も超えた。6回にはこの日3安打目、東京ドーム通算971安打目となる内野安打で通算173度目の猛打賞を達成。原監督からは「その内の8割5分くらいは見ているんじゃないでしょうか」と笑顔で称されたが「(阿部超えは)光栄というか、もっともっと積み上げていけるようにやっていきたいなと思います」と先だけを見据えた。"師匠"も見られなかった領域へ、足を踏み入れていく。【浜本卓也】

◆巨人のドラフト1位大勢投手(22)が10セーブ目を挙げ、球団初となる新人2ケタセーブを達成した。首位攻防の広島3連戦初戦で2点リードの9回に登板。3人で締めた。21試合目でのシーズン10セーブ到達は08年に藤川(阪神)が記録した19試合目に次ぐ、史上2位タイ。球団では13年の西村健太朗の23試合目を抜いて最速となり、4戦ぶりに首位浮上となった試合をきっちりと締めくくった。記録ずくめの10セーブ目も、大勢には普段の風景に見えた。広島の5、6、7番を全て150キロ超の直球で内野ゴロに仕留め、何事もなかったように首位浮上を決めたマウンドから静かに降りた。「思ったより体がキレてなかったので低めに投げ、ゴロでアウトを取るイメージだった」と計算ずくの投球だった。前夜はルーティンのウエートトレーニングを午後9時前から就寝直前の同10時30分ごろまで行った。ここまで遅い時間は今季初めて。わずかだが、その影響が体に残ったため投球を工夫した。「(トレーニングの)タイミングが悪かった。今後の良い情報となった」と、また1つ、プロ人生の経験を積んだ。新人ながら巨人の守護神を担う。重圧がかかり続ける中で11試合目の登板も「体力面も、心配してもらっている肘の状態も全然大丈夫」と、不安はみじんも感じさせなかった。それどころか10セーブ到達が史上2番目のスピードと知ると「一番早くになりたかった。2番と言われたらちょっと悔しい」と、根っからの負けず嫌いが顔を出した。野球の原点とも言える幼稚園年長時から、片りんはあった。丸めた新聞紙を粘着テープで補強したボールと、紙の筒に新聞紙を詰めたバットで、園児10人と担任の藤田貴久さん(40)が野球をするのが日課。プールと園舎の間にある小さなスペースが彼らの「球場」だった。大勢は大人が三振するほどの速球を投げ込んだ。打たれても「もう1回勝負!」とその場を動かない。打てば5メートル先の壁を越え、裏山にホームラン。藤田さんが打たれまいと時折投じたカーブには「それ投げたら打たれへんからアカン!」と闘志をむき出しにした。9回のマウンドは確固たる自分の居場所になった。球団新人初&最速のセーブ記録にも「うれしいが目指すは日本一。その戦力になるため、結果を残し続けていきたい」と先を見据える。底知れぬ新守護神にとって、10セーブは通過点に過ぎない。【三須一紀】

◆世界中で独創的なパフォーマンスを披露するブルーマンが始球式に登場した。黒い衣装に身を包んだ3人組はマウンド付近に現れると、まず巨人の球団マスコット・ジャビットにジェスチャーで本塁へ向かわせた。続いてマウンド上でゴムのようなひも状の道具を取り出し、3人の息の合った動きで真ん中にボールをセット。ゴムパチンコの要領で本塁へ〝投球〟すると、ジャビットも捕球できないほどの勢いのいいボールが飛び、奇想天外なパフォーマンスに球場も拍手喝采だった。ブルーマンは5月8日までEXシアター六本木(東京・港区)で東京公演を開催中。東京のあとは名古屋、大阪、福岡と日本公演を続ける。

◆巨人・坂本勇人内野手(33)が三回に先制の3号ソロを放ち、東京ドーム通算969安打をマーク。阿部慎之助(現作戦兼ディフェンスチーフコーチ)の持つ歴代最多記録に並んだ。カウント2-0から広島先発・九里の143キロの直球を捉え、左中間席中段まで運んだ。2日の阪神戦(東京ドーム)以来、13試合ぶりの一発。ベンチ前では原辰徳監督と〝敬礼ポーズ〟を決めた。五回には左前打を放ち、同ドーム通算970安打目とした。高卒1年目のオフから自主トレを行ってきた〝師匠〟の記録をまた塗り替えた。

◆敵地・東京ドームに乗り込み、ゲーム差なしで2位・巨人との首位攻防3連戦が幕を開けた。昨季13勝を挙げ阪神・青柳とともに最多勝に輝いた広島・九里が大事なカード頭で先発したが、4四死球と制球に苦しみ、5回106球を6安打3失点で降板した。「一発のある打者が多いし、球場も狭いけど交わしにいくのではなく、攻める気持ちを持って粘り強く投げていってもらいたい」試合序盤に横山投手コーチが広報を通じて指摘していた。一、二回は何とか無失点で切り抜けたが、一回は坂本、岡本和、丸に3与四球などで2死満塁、二回は1死から中田に死球をぶつけるなど九里本来のストライク先行の投球が影を潜めた。不安定なまま迎えた0─0の三回、先頭の坂本に2ボールからストライクを取りにいった3球目の直球をミートされ、左中間席へ先制ソロを運ばれた。さらに五回は先頭の坂本に左前打、ポランコにも右前打で一、三塁を招き、岡本和に中前適時打を浴びて追加点を献上。2死後、ウォーカーの打ち取った打球は三塁・坂倉がファンブル、さらに2死満塁では一塁・マクブルームがボテボテのゴロをファウルと判断して捕球せず。ところが、一塁塁審がフェアと判定してその間に三走が生還。不運な形で3点目を失った。九里は昨季対巨人4勝2敗で、特に東京ドームでは3勝1敗、防御率1・42と好相性だったが...。相手打線、本塁打が出やすい球場を警戒し過ぎるあまり苦しい投球となった。(柏村翔)

◆巨人が首位に浮上した。三回に坂本の3号ソロで先制し、五回には岡本和の適時打などで2点を加えた。戸郷は要所を締め8回1失点で3勝目。大勢が10セーブ目を挙げた。広島は九里が踏ん張れず、守備のミスも響き2位に後退した。

◆巨人のルーキー大勢が両リーグ最速で10セーブ目を挙げた。3―1の九回、打者3人を全て150キロ台中盤の速球で内野ゴロに打ち取り「思ったより体が切れていなかった。ゴロでアウトを取ろうというイメージで切り替えて投げられた」と冷静に振り返った。11試合に登板し1勝10セーブをマークし、セーブ機会での失敗は一度もない。「目指しているところが日本一。戦力にしっかりなって結果を残し続けていきたい」と頼もしかった。

◆巨人の吉川が二塁で再三の好守で見せた。3―0の七回1死一、三塁では上本の小飛球をワンバウンドさせて捕球し、進塁をためらった一塁走者にタッチして一塁を踏み、併殺を完成させた。「守備で相手の流れを切ることができて良かった」と胸を張った。二回にも好判断で併殺を取り、四回には小園の右翼へ抜けそうな当たりを背走しながらジャンプして好捕。打撃は連続試合安打が14で止まったが、守りで勝利に貢献し「1試合に一つでもチームに貢献できるように頑張る」とコメントした。

◆巨人の戸郷がリーグトップタイの3勝目を手にした。3―0の七回まで吉川の再三の好守に助けられながら無失点で耐え、八回に犠飛で1点を失った後も後続を断った。今季最多の122球を投げ、5日に投げ負けた九里に雪辱し「悔しかったので、何とか倒そうという強い気持ちでいった」と胸を張った。バットでも四回に左翼線二塁打を放ち、3試合連続安打をマークし二回には犠打も決めた。原監督は「打撃も、投球も攻撃的だったところが良かった」とたたえた。(東京ドーム)

◆巨人は首位攻防カードの初戦に勝ち、単独首位に立った。何度もピンチを招きながらも逃げ切った立役者の一人が、好守を連発した吉川尚輝内野手(27)だ。試合後、原辰徳監督(63)が絶賛した。「よく1点で守り切った。それは守備力というものも非常によかった。尚輝の守備も良かった。頭脳的で、状況判断ができたダブルプレーを2つ取ってくれましたね」二回1死一、二塁では大盛の二ゴロでまず一塁に送球して挟殺プレーに持ち込み、併殺。四回には小園が放ったライナーを背走しながらジャンピングキャッチ。七回1死一、三塁では上本の二ゴロで一塁走者の大盛をタッチアウトにして、自ら一塁ベースを踏む「4TOA(スコアブック上の表記)」のめずらしい併殺を完成させた。1番打者としても活躍が目立つ正二塁手が、持ち前の好守をさく裂させた一戦となった。

◆巨人は19日、広島4回戦(東京ドーム)に3―1で勝利。首位攻防戦の第1ラウンドで2連勝を飾り、単独首位に浮上した。坂本勇人内野手(33)が先制の3号ソロを含む3安打1打点。東京ドームの通算安打数で、阿部慎之助(現作戦兼ディフェンスチーフコーチ)の969安打を抜き、歴代最多の971安打とした。また、ドラフト1位・大勢投手(22)=関西国際大=は九回を3人で締め、球団最速での2桁到達となる10セーブ目を挙げた。何度も味わった手応えだから、打った瞬間に確信できる。坂本は振り抜いたバットをほうり投げ、一塁へ歩き出した。三回、九里の直球を捉え、東京ドーム歴代最多969安打に並ぶ3号ソロ。五回には左前打で最多記録を更新し、最も多く本拠地のHランプを灯した打者となった。「東京ドームのできた年(1988年)に僕が生まれたので、光栄です。もっと積み上げていけるようにやっていきたい。ファンの方の前で打ちたいという気持ちはずっと変わらないと思います。これからも」東京ドーム最多の安打数を誇っていたのは阿部。12日のDeNA戦(那覇)でも通算2132安打の記録を超えたばかりだが、またも兄貴分を数字で上回った。日本初のドーム球場として誕生した本拠地の歴史に、巨人一筋16年の主将が名を刻んだ。今季も3本塁打すべてを本拠地で放ち、同球場での打率は・400(30打数12安打)。年に一度、表彰が行われる「東京ドームMVP」に歴代最多に並ぶ3度選ばれた〝申し子〟だ。日課である初動負荷トレーニングの器具がそろうなど、慣れ親しんだ環境が活躍を後押ししている。 今年はさらに、坂本を熱くする演出も加わった。今年3月から、米ニューヨークで活動したDJ SOULJAH(ソルジャ)が東京ドームの公式DJに就任。練習中もバックネット裏でターンテーブルを回している。新たな〝仲間〟に、初日から声をかけたのが坂本だった。「いいですね! 僕の登場曲にスクラッチ(レコードをこすった効果音)を入れてくれませんか」。後日、DJが超一流の腕でアレンジした第1、第3打席の登場曲特製版を聞いた主将は大喜び。気持ちを高ぶらせ、打席に立っている。首位攻防の初戦を取り、チームは広島を抜いて単独首位に立った。坂本を入団時から見守ってきた原監督も「私は多分、そのうちの8割5分くらいは見ているんじゃないでしょうか」と目を細めた。まだまだ元気な33歳。大好きな東京ドームで、誰も近づけない記録を積み上げる。(谷川直之)

◆巨人は19日、広島4回戦(東京ドーム)に3―1で勝利。首位攻防戦の第1ラウンドで2連勝を飾り、単独首位に浮上した。ドラフト1位・大勢投手(22)=関西国際大=は九回を3人で締め、球団最速での2桁到達となる10セーブ目を挙げた。いつも通りに任務を全うした。大勢が、両リーグ一番乗りで10セーブ目をマーク。「目指しているのは日本一。まだまだ結果を残し続けていきたい」と前を向いた。3―1の九回、打者3人を全て150キロ台中盤の速球で内野ゴロに打ち取った。全15球中10球が直球で最速は155キロを計測。強気の投球を貫き、節目に到達した。関西国際大4年春に友人の紹介で大阪・羽曳野市の治療院「リバース」に通うなど野球に〝投資〟してきた。アルバイトをすることも考えたが、母・いずみさん(55)から「野球に関する費用は気にするな」と背中を押され、「将来のための投資だと思って、お願いします」と頭を下げた。両親への感謝の思いが、快投を続けるルーキーの原動力だ。チーム21試合目での2桁セーブ到達は球団史上最速、プロ野球2位タイの記録だ。それを伝え聞いた最速158キロ右腕は「実際2番といわれたら、ちょっと悔しい」と頼もしく言い切った。(樋口航)

◆巨人が、いい流れのリレーを見せた。先発・戸郷が8回を投げ、中継ぎを挟まずリリーフエースに直接つないで大勢が3人でピシャリ。チームに安定感をもたらす勝ち方だった。戸郷には十分、完投能力のあることが分かったよ。122球を投げても、最後まで球威は衰えなかった。「100球」うんぬんが俄然クローズアップされているけど、まだまだいける状態であることは明らかだった。2点リードで九回。ゲーム展開による交代だから、そこは仕方がない。本人も余力を残していることを実感できただろうし、自信も深めたのではないかな。今季の投手陣は一気に若返っている。他の先発もバンバン、完投を目指してもらいたい。20代前半の投手は、ブルペンより試合で長いイニングを投げることが、何よりの鍛錬になるんだ。もちろん、菅野ら既存の投手も大いに刺激を受けないと。なにしろ先発→リリーフの勝ちパターンが出来上がってきた。打線はまだ、もう一つ心もとないだけに、まずは投手陣で足固めをしたいね。(本紙専属評論家)

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(1↑)
巨人
1470 0.667
(↑0.017)
-
(-)
12283
(+3)
74
(+1)
23
(+1)
5
(+1)
0.251
(-)
2.940
(↑0.09)
2
(1↓)
広島
1271 0.632
(↓0.035)
1
(↓1)
12387
(+1)
57
(+3)
4
(-)
6
(-)
0.263
(↓0.001)
2.680
(↑0.02)
3
(-)
中日
1080 0.556
(↓0.032)
2.5
(↓1)
12570
(+4)
65
(+12)
15
(+1)
8
(-)
0.252
(↓0.002)
3.420
(↓0.44)
4
(-)
ヤクルト
1190 0.550
(↑0.024)
2.5
(-)
12377
(+12)
77
(+4)
21
(+2)
9
(+1)
0.238
(↑0.01)
3.190
(↓0.04)
5
(-)
DeNA
790 0.438
(↑0.038)
4.5
(-)
12764
(+5)
69
(+4)
11
(-)
9
(-)
0.253
(↑0.003)
4.000
(-)
6
(-)
阪神
3171 0.150
(↓0.008)
10.5
(↓1)
12251
(+4)
90
(+5)
14
(+1)
8
(+1)
0.219
(↓0.001)
4.100
(↓0.07)