阪神(☆2対1★)巨人 =リーグ戦5回戦(2022.04.16)・阪神甲子園球場=
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巨人
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阪神
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勝利投手:ウィルカーソン(1勝0敗0S)
(セーブ:岩崎 優(0勝0敗2S))
敗戦投手:シューメーカー(0勝1敗0S)
  DAZN
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◆阪神が接戦を制した。阪神は3回裏、中野の安打に相手失策が絡み1点を先制する。続く4回には大山の適時二塁打が飛び出し、リードを広げた。投げては、先発・ウィルカーソンが6回1失点の好投で来日初勝利。敗れた巨人は、好投した先発・シューメーカーを打線が援護できなかった。

◆今季の巨人吉川尚輝内野手(27)はここまで17試合で67打数24安打、打率3割5分8厘の好成績。特に阪神戦では16打数9安打、打率5割6分3厘で、このカードは3回戦から2試合連続で猛打賞を記録中。今日も得意相手から安打を打つか。

◆巨人に逆転勝ちし、連敗を6で止めた阪神。16日は新外国人投手のアーロン・ウィルカーソン投手(32)が来日初登板初先発する。 新型コロナウイルス感染拡大の影響で来日が遅れ、ここまで2軍での調整が続いていたが、満を持して1軍マウンドに上がる。多彩な変化球を駆使したピッチングをファンに初披露する。阪神の新外国人投手が来日初登板初先発で初勝利を挙げたのは、昨年のアルカンタラまで過去9人。このうち巨人戦で勝ったのは64年バーンサイド、02年ムーアとアルカンタラ。3人はいずれも敵地(後楽園か東京ドーム)だった。ウィルカーソンが勝てば、甲子園の巨人戦で来日初登板先発勝利という、トラ初の助っ人投手となる。チームは開幕から大不振に陥っていたが、15日の伝統の一戦で佐藤輝、ロハスの1発が飛び出し、青柳が8回1失点と好投、やっと投打がかみ合った。もちろん、まだ今季2勝で投打に不安が解消されたわけではない。だが、新助っ人が快投で青柳に続き、今季初の連勝となればチームも乗っていけそうだ。

◆巨人岡本和真内野手(25)が、4試合ぶりにスタメンに名を連ねた。体調不良を訴え、12日からのDeNA戦(那覇)から3試合連続で欠場。15日の阪神戦(甲子園)では3試合ぶりにベンチメンバー入りし、9回2死一塁でネクスト・バッタース・ボックスで代打の準備をしていたが出場機会はなかった。

◆今季初の連勝&カード勝ち越しを目指す阪神は、高山俊外野手(28)が「6番右翼」で先発する。9日の広島戦(甲子園)で代打で出場し、公式戦551日ぶりの安打となる中前打。16年新人王が、20年10月5日の巨人戦以来、558日ぶりのスタメン起用に応えられるか。先発は、阪神がアーロン・ウィルカーソン投手(32=ドジャース3A)で、来日初の1軍登板。巨人がマット・シューメーカー投手(35)。

◆阪神の新外国人アーロン・ウィルカーソン投手(32=ドジャース3A)が来日初登板初先発し、チームの今季初連勝&初カード勝ち越しを引き寄せる好投を見せた。6回3安打1失点。1点リードを保ち、勝ち投手の権利を持ったままマウンドを降りた。 2回から4イニング連続で無安打投球。6回1死一、三塁では4番岡本和に左前適時打を浴びたが、丸、中島と後続を仕留めた。140キロ台中盤の速球にスライダー、チェンジアップを織り交ぜ的を絞らせず、120キロ台のカーブも効果的だった。前回、12日の中日との2軍戦で1イニングに登板してから中3日。きっちりと状態を上げ、先発の役割を全うした。打席でも光った。3回2死一塁の第1打席。初球はファウルとなったが、2球目145キロを投手前へ転がし、初犠打を決めた。2死二塁と得点圏に走者を進めた直後、1番中野の内野安打が遊撃坂本の悪送球を誘い、その間に1点を先制。自らを助けて波に乗った。阪神の新外国人投手が来日初登板初先発で初勝利を挙げたのは、昨年のアルカンタラまで過去9人。このうち巨人戦で勝ったのは64年バーンサイド、02年ムーアとアルカンタラ。3人はいずれも敵地(後楽園か東京ドーム)だった。ウィルカーソンが勝利投手となれば、甲子園の巨人戦で来日初登板先発勝利という、虎初の助っ人投手となる。

◆甲子園の入場者数が今季最多の4万354人と発表された。同球場の4万人超えは、コロナ禍に見舞われる前の19年9月30日の中日戦(4万6628人)以来、929日ぶり。この日は土曜日で巨人との「伝統の一戦」。内野席に空席は見られたものの、外野席はほぼ満員だった。4回の大山悠輔内野手(27)のタイムリーなど、得点シーンには大盛り上がり。感染防止の観点から声を出しての応援は禁止されているが、ファンはメガホンや手拍子で虎ナインを後押ししていた。

◆阪神は今季初の2連勝を飾った。来日初登板初先発したアーロン・ウィルカーソン投手(32=ドジャース3A)が6回3安打1失点で来日初勝利。1勝15敗1分けのどん底から宿敵巨人に2連勝した。勝率は2日前の「.063」から「.167」にまで上昇した。前日15日には矢野燿大監督(53)が試合前の声出しを担当して7連敗を阻止。この日も指揮官が自ら声出しに臨み、ナインをもり立てた。ウィルカーソンは1回1死一、二塁のピンチを無失点で切り抜けると、安定した投球を披露。6回は4番岡本和に左前適時打を浴びたが、最少失点でゲームを作った。阪神の新外国人投手が来日初登板初先発で初勝利を挙げたのは10人目。巨人戦に限れば64年バーンサイド、02年ムーア、21年アルカンタラ以来4人目。甲子園の巨人戦で来日初登板初先発初勝利は球団助っ人史上初の快挙となった。打線は3回2死二塁から1番中野拓夢内野手(25)の遊撃内野安打を巨人坂本が悪送球する間に、1点を先制。4回無死二塁では4番大山悠輔内野手(27)が左翼フェンス直撃の適時二塁打を放った。開幕から早くも9連敗と6連敗を1度ずつ経験したチームが、ようやく息を吹き返しつつある。

◆阪神の新外国人アーロン・ウィルカーソン投手(32=ドジャース3A)が、虎助っ人史上初となる甲子園の巨人戦で来日初登板先発勝利を挙げた。今季甲子園最多となる4万354人の観衆の前で6回3安打1失点。チームの今季初連勝&初カード勝ち越しを導いた。 「初登板ということでワクワクしながらマウンドに上がったよ。初回は少し硬くなってしまったけど、自分ができる事をしようという気持ちで、何とか修正しながら先発としての仕事を果たすことができてよかったね」2回から4イニング連続で無安打投球。6回1死一、三塁では4番岡本和に左前適時打を浴びたが、丸、中島と後続を仕留めた。140キロ台中盤の速球にスライダー、チェンジアップを織り交ぜ的を絞らせず、120キロ台のカーブも効果的だった。前回、12日の中日との2軍戦で1イニングに登板してから中3日。きっちりと状態を上げ、先発の役割を全うした。打席でも光った。3回2死一塁の第1打席。初球はファウルとなったが、2球目145キロを投手前へ転がし、初犠打を決めた。2死二塁と得点圏に走者を進めた直後、1番中野の内野安打が遊撃坂本の悪送球を誘い、その間に1点を先制。自らを助けて波に乗った。阪神の新外国人投手が来日初登板初先発で初勝利を挙げたのは、昨年のアルカンタラまで過去9人。このうち巨人戦で勝ったのは64年バーンサイド、02年ムーアとアルカンタラ。3人はいずれも敵地(後楽園か東京ドーム)だった。

◆阪神は今季初の2連勝を飾った。来日初登板初先発したアーロン・ウィルカーソン投手(32=ドジャース3A)が6回3安打1失点で来日初勝利。1勝15敗1分けのどん底から宿敵巨人に2連勝した。勝率は2日前の「.063」から「.167」にまで上昇した。

◆阪神の新外国人アーロン・ウィルカーソン投手(32=ドジャース3A)が、虎助っ人史上初となる甲子園の巨人戦で来日初登板先発勝利を挙げた。今季甲子園最多となる4万354人の観衆の前で6回3安打1失点。チームの今季初連勝&初カード勝ち越しを導いた。 【ウィルカーソンこんな人】▼生まれ 1989年5月24日、米テキサス州生まれ。▼球歴 独立リーグから14年にレッドソックスと契約。16年ブルワーズ移籍、17年初昇格。20年オフに台湾・楽天と契約するも家族の事情により渡航できず21年3月に契約解除。その後ドジャース傘下3Aでプレーし23試合(先発19)で8勝5敗、防御率3・86。メジャー通算14試合(先発3)で1勝1敗、防御率6・88。マイナー通算は144試合(先発127)で55勝29敗、防御率3・23。▼愛称 カンバーランド大では右肘のトミー・ジョン手術を受け、メジャーのドラフト指名漏れ。一時は食品会社の冷凍食品部門で夜間労働の日々を送ったことから「Freezer(フリーザー)」のニックネームも。▼イケメン 長髪とひげがトレードマーク。キアヌ・リーブス、ブラッドリー・クーパー似。同じく新外国人のケラーとともに、阪神ナインと初対面時には「イケメンが2人増えた」とチームで話題に。▼球種 直球、カーブ、チェンジアップ、スライダー。▼サイズ 191センチ、95キロ。右投げ右打ち。

◆巨人が先発マット・シューメーカー投手を援護できずに2連敗した。 初回1死一、二塁では4試合ぶりにスタメン復帰した岡本和真内野手と丸佳浩外野手が凡退。2点を追う6回には岡本和の左前適時打で1点をかえしてなお1死一、二塁と好機が続いたが、丸が見逃し三振、中島が中飛で一気に攻め込めなかった。8回にも無死二塁と絶好機をつくったが、坂本勇人内野手とグレゴリー・ポランコ外野手が連続三振、岡本和が中飛に打ち取られた。先発シューメーカーは粘り強い投球を見せて6回2失点(自責1)も、来日後初黒星を喫した。守備でも坂本が2試合連続となる失策が先制点につながるなど、チームで2失策と攻守で歯車が乱れた。試合後、原辰徳監督の主な一問一答は以下の通り。-シューメーカーは粘り強かった「ねえ。粘り強く、闘志あふれるいいピッチングをしましたね。もう少し、点を取ってあげないとね」-6回の攻撃が「いや、6回だけって、6回ももちろんそうだろうけれどね、もう少し全体で打線としてつながらないといけませんね」-岡本和が復帰は好材料「そうですね。いい感じで打っているし、いいとこで1本も出たしね」-守備の方でもミスが出た「もう少し、活気よくいかないとね」

◆阪神が今季初の連勝、初のカード勝ち越しを決めた。来日初登板の新外国人アーロン・ウィルカーソン投手(32=ドジャース3A)が6回3安打1失点で1勝目。甲子園の巨人戦で来日初登板先発勝利は、虎助っ人史上初めて。 3番手の湯浅京己投手(22)は8回無死二塁のピンチで坂本、ポランコを三振、岡本和を中飛に仕留めて今季4ホールド目。岩崎優投手(30)が2試合連続の2セーブ目。打線は3回に敵失で先制し、4回に大山悠輔内野手(27)が左翼フェンス直撃の適時二塁打で加点した。本塁打を除くタイムリーは64イニングぶりだった。甲子園では3季ぶりの4万人超えとなる4万354人のファンと喜びを分かち合った。ウィルカーソン、大山、湯浅のヒーローインタビューの一問一答は以下の通り。?-来日初登板で初勝利ウィルカーソン「すごくうれしいです。最初の回にわくわくと緊張で少し乱れてしましましたが、その後落ち着いて投げることができました」-4万人の大観衆を見てウィルカーソン「こんなたくさんのファンの目の前投げれてこんなにサポートしてくれて本当にうれしいです」-好投の理由ウィルカーソン「自分の投球をすることに集中しました。ファンの皆さまのサポートのおかげで投げることができました」-最後にファンに一言ウィルカーソン「アイ・アム アーロン・ウィルカーソン タイガースファン アイシテル!」-大山選手のバットで2連勝大山「チャンスだったので、ランナーをかえすことだけを意識して、ウィルカーソンが初登板だったので、1点でも多くという気持ちで打席に立ちました」-64イニングぶりタイムリーヒット大山「すいません!」-ファンも大山選手を待っていた大山「はい、お待たせしました」-ジャイアンツに2連勝大山「チーム一丸となって1試合1試合頑張っていきたいなと思います」-8回をきっちり抑えた湯浅「しっかっかり0で抑えるという強い気持ちを持って投げました」-球場を見渡して今の気持ち湯浅「やっぱりファンの皆さんの声援が自分のマウンドでの力になっているので本当に感謝してます。ありがとうございます!」-明日以降に向けて一言湯浅「明日からも1人1人精いっぱい頑張るので応援よろしくお願いします!」-最後に大山選手、明日以降も期待してもいいですよね?大山「はい頑張ります!」

◆巨人が阪神に2連敗を喫した。先発マット・シューメーカー投手(35)が6回2失点(自責1)と試合をつくったが、打線がつながりを欠いて1得点。 前日2失策の坂本が3回に2試合連続失策で先制点を献上するなど、チームも2失策。攻守がかみ合わずに惜敗した。原辰徳監督(63)は「粘り強く、闘志あふれるいいピッチングをしましたね」と助っ人右腕をたたえつつ「もう少し点を取ってあげないと。全体で打線としてつながらないといけませんね」と淡々と振り返った。惜敗の中でも、4番の復帰は光明だ。岡本和が体調不良から4試合ぶりに先発復帰。6回1死一、三塁で「何とか1点でも取り返したいと思って打席に入った」と左前適時打で反撃ムードを演出した。原監督も「いい感じで打っているし、いいところで1本も出たしね」と、うなずいた。主砲が帰ってきたものの、甲子園での伝統の一戦は2試合で計4併殺、計5失策。開幕から苦しんでいたライバルの阪神に、2日連続で勝利を持っていかれた。原監督は「もう少し、活気よくいかないとね」と結んだ。もう1度地に足を着け、今季初の同一カード3連敗を阻止して活気を取り戻す。【浜本卓也】

◆巨人2年目の山崎伊織投手が、プロ初のリリーフ登板で存在感を示した。 7回から2番手で登板し、2回無失点と好投。先発した2日阪神戦から2週間ぶりの登板も「自分の投球が出来たと思います」と好感触を口にした。15日に出場選手登録されたばかりだが、桑田投手チーフコーチは「ファームで先発させて、機会を見て1軍で(先発で)投げる」と17日に出場選手登録を抹消する方針を示した。

◆巨人新外国人のシューメーカー投手が、6回5安打2失点(自責1)の粘投も来日初黒星を喫した。 1点を追う6回には無死二塁のピンチを招くも、得意球のスプリットを駆使し、無失点で踏ん張った。エンゼルス時代に大谷と同僚だった右腕は「投球内容はまあ良かったんだけれど、球数が増えてしまったことが反省だね」と3四球などで、104球を費やした来日2戦目を振り返った。

◆阪神が1点差で逃げ切り、今季19試合目で初の2連勝を飾った。来日初登板初先発したアーロン・ウィルカーソン投手(32=ドジャース3A)が6回3安打1失点で来日初勝利。1勝15敗1分けのどん底から宿敵巨人に2連勝した。試合後の矢野燿大監督(53)の一問一答は以下の通り。 (テレビ)-1点差の勝利で今季初の連勝。いまの率直な気持ちは矢野監督 「ずっと、しびれるような状況だったんでね。何とかここね、頑張ってくれ、頑張ってくれと思いながらみてました」-初先発で6回1失点のウィルカーソンは矢野監督 「制球もいいし、球種もいろんなボールがあるんで、いろんなパターンで抑える力を持っているなっていうのは、もちろん今日も出してくれましたし。ここからタイガースの大きな力になってくれる投手だなと思いました」-1点を守り切った中継ぎ陣は矢野監督 「どの場面もみんな苦しいですしね、そのなかで湯浅も、今年のなかでも成長していますし、まだまだ成長していってもらいたい投手なんでね。(8回は)あの一番、中心打者がまわるところでよくしのいでくれましたし、優(岩崎)もね、本当にいつも落ち着いて投げてくれるんでね。最後任せるしかないと、信じて応援してました」-久々のタイムリーが大山に出た。打線ものっていきたい矢野監督 「もう1点、もう2点ととれるところをとっていないっていうのは、もちろん課題はありますけど、何とか勝ち切れたんでね。そういう課題をしっかり持ちながら、臨んでいきます」-今季最多4万人が入った。明日への意気込み矢野監督 「満員の甲子園、本当に気持ちいい中で野球をやらせてもらえたことに感謝をしています。波をつくっていこうと、大きな渦となって、チームに波をつくっていこうという話をきのうしたんですけど、その中でもみなさんの応援、パワーで僕らのビッグウエーブにつながると思うので、これからも球場でも、テレビの前でも応援してもらえたら僕たちの力になるので、応援してもらえたらと思います」(ペン囲み)-ウィルカーソンは2回以降はリズムをつくった矢野監督 「うん、まあね、捕手をやっていておもしろい投手かなと。球種もいろいろあるし、制球もいいし。だいたいのボールはすべてあるので、それをどう組み合わしていくかっていうのは、すごくウィルカーソンの持ち味だと思いますね。しっかり投げてくれた」-低めの制球もよかった矢野監督 「低めもそうやし、両サイドもあるし。縦のカーブとチェンジアップもあるんでね。それが全部勝負球になるていうのは強みだと思うんでね。それが打者に的を絞らせない。もちろんどんどん登板していけば、相手も傾向っていうのを調べて研究されると思うけど。その中でもやりくりできるボールの質と制球、球種っていうのを持っていると思う」-初めて勝ち継投が決まった矢野監督 「いやあもう、そりゃデカいよね。どうしてもこっちも迷いっていうのは出てしまうんでね。そういうところで湯浅が8回行って、優(岩崎)がしっかり後ろにいるっていう形で勝てたし。まあタラちゃん(アルカンタラ)もしっかり行ってくれたんで。まあ浜地も現状良くなってきてるし、勝ちパターン以外のところも勝ち星を増やしていくっていうところで必要なんで。そういうところのメンバーはだいぶ落ち着いてきだしたかなって言う感じで。しっかり勝ち切れた、しかも1点差っていうのはまた大きいかなと思います」-2日続けて円陣で監督自らが声出し矢野監督 「いやいや昨日もね、もちろん同じようなことなんだけど。楽しむっていうか、それを俺の好きな言葉で言ったんだけど」-色紙に今日は監督が書いた矢野監督 「『おもしろがればおもしろがるほどおもしろい おもしろがればおもしろいことが起きる おもしろいように起こるからおもしろい』だから、こう、毎日深刻にやってしまうし、おもしろがるっていうことがね。なかなかできにくい状況だけれども、やっぱり楽しむっていうのがオレたちの野球の根本っていうか、そういうところにあるんで。そういう言葉にも、何かこうちょっとでもそうやなと思って試合に臨んでくれたらうれしいなと思って。今日は昨日の流れもあったので、俺が書いて」-藤浪や伊藤将が離脱する中、ウイルカーソンの好投は矢野監督 「まあまあ、ウィルカーソンはある程度こっちも計算というか、これぐらいやってくれるだろうって思っていたから。将司(伊藤将)と晋太郎(藤浪)に関しても残念やし、先発投手が抜けるのは調整もまた時間かかるんでそういうところでは痛いけど、ヤギ(青柳)も帰ってきてウィルカーソンが入って早く全員そろってね。こんな状況なんでいつどうなるかまた、その先もね、保証されているものは何もないので。全員で何とかしていくしかない。1枚でも2枚でも、そこに入ってくれたらと思う。まだまだファームから上がってきてくれたらなと思います」-連勝は矢野監督 「毎日大きいし、さっきも言ったようにどこまで大きくするか、ビッグウエーブにするかは俺ら次第だけど急に3勝、4勝は積み重ねられない。明日の3つ目を取るチャンスをつくったんで、それを3つ4つとして、結果的にビッグウエーブになったなというのを作っていくのが大事。それを作るためにも、俺たちの野球が大事で楽しむっていうこととか積極性とか今まで3年間やってきたことをわかっているんだけど、やっていくことしかないかなって。結果的にこうなったからビッグウエーブになったというところにしていくのは明日にもつながる。それをつなげていくだけです」

◆阪神大山悠輔内野手(27)は値千金打で勝利に導いた後、4万354人の観衆にわびた。1-0の4回無死二塁、左翼フェンス上部の網に適時二塁打を直撃させた。本塁打を除けばチーム64イニングぶりの適時打。お立ち台で久々となった打線のつながりについて振られ、「すいません! お待たせしました!」と苦笑いで頭を下げた。今春キャンプ最終日、佐藤輝との4番争いを「『どっちでもええやん、試合に勝てばええやん』と思っています」と表現した。開幕戦の7番から5番を経て4番に座って3戦目。偽らざる本心にブレはない。昨季は得点圏打率2割5厘。今季は勝負強さの向上を自らに課している。この日は走者二塁で右腕シューメーカーの内角ツーシームを狙い打ち。今季初の連勝に少しだけ表情が晴れたチーム状況は依然、苦しい。借金はまだ12もある。1試合1試合、地道に勝ち続けるしかない。それでも大山は「まだまだ取り返せるチャンスはある」と強調。「みんな前を向いて何とかしようとやっている。こういった雰囲気をもっと出せれば、必ずいい方向にいく。自分だったり、試合を経験してきた選手がもっと引っ張っていけたらなと思います」と言葉に覚悟をにじませた。【佐井陽介】

◆阪神高山俊外野手(28)が「6番右翼」で、20年10月5日の巨人戦以来、約1年半ぶりにスタメン出場した。 4回は1死二塁で遊ゴロ、6回は1死一、三塁で捕邪飛に倒れた。得点機で不発に終わり3打数無安打。9日の広島戦に代打で中前打を放った際には「今日のような素晴らしい声援をいただけるよう頑張ります」と語っていたが、その後は7打席連続で安打が出ていない。

◆阪神が巨人を下し、今季初の連勝だ。新外国人アーロン・ウィルカーソン投手(32=ドジャース3A)が、6回3安打1失点で来日初勝利。甲子園の巨人戦で来日初登板初先発初勝利は、球団助っ人で初めて。3年ぶりに4万人超を集めた「伝統の一戦」で、今季初のカード勝ち越しも決めた。息を吹き返しつつある虎が、勢いそのまま3タテを食らわせる。 万雷の拍手の中、白いヘアバンドをつけたウィルカーソンが、岩崎から勝利球を受け取った。一時は食品会社の冷凍食品部門で夜間労働した苦労人。「Freezer(フリーザー)」のニックネームまでついた。野球を諦めかけたこともある。それでも今、満員の甲子園に立っている。「こんなにたくさんのファンの目の前で投げられて、こんなにサポートしてくれて本当にうれしいです」白と黄色に染まったスタンドに感謝。白球はそっとパーカの左ポケットにしまった。「どの球種でもストライクが取れる」と自信を持つ制球が光った。90球のうち直球は36球。初回1死一、二塁では岡本和をチェンジアップで左飛。続く丸はスライダーで右飛に仕留めた。「最初を切り抜けて落ち着けたのが大きかった」。持ち球をまんべんなく使い2回から4イニングは無安打。6回も最少失点で切り抜け、お役御免となった。ジャパニーズドリームをつかむため、日本文化に染まろうとしている。日本語は勉強中。好きな言葉も「まだないんだよ」と困り顔だ。それでも、覚えたての「ヤキトリ」で注文に成功したこともある。「まずは料理を頼めるようにしたい。注文した後に何か言われても、今は『ハイ』って繰り返すことしかできないけど」。勝利のたび、妻と子どもの待つ食卓はにぎわう。今は苦労する注文の時間も、シーズン後半には至福の時になっているはずだ。お立ち台では「タイガースファン アイシテル!」と日本語であいさつ。練習の成果を発揮し、虎党の心をつかんだ。球団助っ人では初となる甲子園の巨人戦で来日初登板初先発で初勝利を挙げ、チームは今季初の連勝とカード勝ち越し。ナイスガイの大号令から逆襲が始まる。【中野椋】

◆阪神井上一樹ヘッドコーチが2番佐藤輝、4番大山の新打順での連勝を喜んだ。「打線の中心である4番大山が打ったのがキモ。いい形で明日以降につなげてほしい」と期待。 糸原を今季2度目のベンチスタートにし、高山を1年半ぶりのスタメンで起用。「固定する部分はつくりつつ、調子や状態、相手との相性を加味しながら打線の入れ替えや組み替えをやっていきたい」と、試行錯誤は続きそうだ。

◆阪神は今季初めて「勝利の方程式」をつなぎ1点差を守り抜いた。7回からアルカンタラ、湯浅、岩崎が1回ずつを零封。矢野燿大監督(53)は「ずっと、しびれるような状況だったんでね。何とか頑張ってくれ、頑張ってくれと思いながら見てました」と胸をなで下ろした。 7回のアルカンタラは3人を難なく料理。8回はチーム最多9試合目、フル回転の湯浅にバトンが渡った。巨人は1番吉川から始まる好打順。安打と暴投で無死二塁のピンチを招き、坂本を迎えた。「絶対に打たせない。本当に三振が欲しい場面だった」。狙い通りに149キロの内角直球で空振り三振を奪い、ポランコも148キロの外角直球で見逃し三振。最後は岡本和を中飛に仕留め、大歓声を浴びた。湯浅は、12日の中日戦で石川昂に勝ち越し打を浴びて敗戦投手になった以外は全て無失点。昨季の守護神スアレスをもじって「ユアレス」とも呼ばれる右腕は「どういう場面、どんな状況で投げても気持ちは変わらずにしっかり抑えること。勝っているから、負けているから、にとらわれずに自分の仕事をするだけ」と頼もしく言った。4ホールド目でプロ初のお立ち台に呼ばれ、すっかりセットアッパーの顔になってきた。9回は岩崎が2戦連続セーブ。「勝つことができて良かったです」の決まり文句で締めた。開幕から新守護神として期待されたケラーが2試合で2敗して2軍落ちするなど、救援陣が安定した勝ちパターンを組めずにいた。継投でつかんだ今季初の1点差勝利。矢野監督は素直に喜んだ。「そりゃデカいよ。こっちも迷いは出てしまうんでね。そういうところで湯浅が8回いって、スグル(岩崎)がしっかり後ろにいるっていう形で勝てたし」。懸案が解消されれば、反攻は強めていける。【三宅ひとみ】

◆阪神-巨人戦が行われた甲子園球場は、4万354人の観客で埋まった。4万人超えは今季球界初。ここ2年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、無観客や入場者数の制限があったため、4万人超えは19年以来3年ぶり。甲子園での4万人超えも、19年9月30日の中日戦で記録した4万6628人以来だった。

◆両軍のスターティングメンバーが発表された。阪神・高山俊外野手(28)が2020年10月5日の巨人戦(甲子園)以来、558日となる「6番・右翼」でスタメン出場。佐藤輝明内野手(22)は今季2度目の「三塁」でスタメン出場する。先発は、来日初登板のアーロン・ウイルカーソン投手(32)。前日の同戦で今季2勝目(15敗1分け)を挙げた阪神は今季初の連勝を目指す。

◆巨人・岡本和真内野手(25)が「4番・三塁」で4試合ぶりに先発に復帰した。主砲は体調不良のため12、13日のDeNA(那覇)と15日の阪神戦(甲子園)を欠場していた。

◆試合前開始前の円陣で阪神・矢野監督が2日連続で声出し役を務めた。手にはメッセージ入りの色紙を持ち、ハッパをかけると選手らも力強い声で応えた。前日15日の同戦前には、ベンチで友人である書家から授かった色紙を引用し、自ら試合前の円陣で声出し役を務めていた。指揮官自らが気合を入れ、チームを連勝に導く。

◆大山悠輔内野手(27)が「4番・一塁」で出場し、四回にタイムリーを放った。1―0の四回に3番・近本が中越え二塁打を放って出塁。チャンスで打席が巡ってきた4番は巨人先発・シューメーカーの内寄りのツーシームを左翼フェンスまではじき返し、近本を悠々と本塁に招き入れた。8日の広島戦(甲子園)の六回にロハスが右越え適時二塁打を放って以降、得点は佐藤輝が放ったソロ2本と2ラン1本、ロハスの2ラン、大山の犠飛、この試合の遊ゴロ失策の間の生還によるもので、適時打は実に64イニングぶり。3、4番がつないで取った追加点に、スタンドの阪神ファンは大きな拍手を送った。

◆巨人・岡本和真内野手(25)が六回に適時打をマークした。主砲はDeNA戦(那覇)が行われた12日に体調不良(PCR検査は陰性)で欠場が続いていたが、「4番・三塁」で4試合ぶりに先発出場。2点を追う六回1死一、三塁で阪神の新助っ人右腕ウィルカーソンの初球、外角のスライダーを左前へ転がし、チーム初得点をもたらした。反撃ののろしを上げる一打で復活をアピールした。

◆阪神の新外国人、アーロン・ウィルカーソン投手(32)=ドジャース3A=が来日初登板初先発し、6回3安打1失点と好投した。「初登板ということでワクワクしながらマウンドに上がったよ。初回は少し硬くなってしまったけど『自分ができることをしよう』という気持ちで何とか修正しながら、先発としての仕事を果たすことができてよかったね」) 立ち上がりは先頭・吉川尚に右前打を許すと、一塁へのけん制悪送球とポランコへの四球で1死一、二塁のピンチを背負った。それでも4番・岡本和を左飛、丸を右飛に打ち取り、無失点で発進。145キロ中盤の直球とチェンジアップなどの変化球の緩急を生かし、二回からは3イニング連続で三者凡退で乗り切った。六回こそ1死一、三塁で岡本和に左前打を浴びて1点を返されたが、最少失点でしのぎ、七回からリリーフ陣に託した。

◆阪神は接戦を制し、今季19試合目で初の連勝を決めた。三回2死二塁で中野が遊撃内野安打を放ち、巨人・坂本の一塁への悪送球が絡んで先制。四回には無死二塁で大山が、チームにとって64イニングぶりの適時打となる左翼フェンス直撃の適時二塁打を放って追加点を挙げた。来日初登板初先発となったウィルカーソン(ドジャース3A)は140キロ中盤の直球とチェンジアップ、スライダーなどの変化球の緩急を駆使し、五回まで無失点。六回は4番・岡本和に適時打を浴びて1点差に迫られたが後続を断ち、最少失点でしのいだ。七回をアルカンタラ、八回を湯浅、九回を岩崎が無失点。ウィルカーソンはうれしい来日初勝利を手にした。

◆巨人・山崎伊織投手(23)が七回から2番手で登板し、2回無安打無失点に抑えた。プロ初救援で好投した大卒2年目右腕は「2週間ぶりの登板だったけど、その中で良い時間が過ごせて、自分の投球ができた」と振り返った。) 八回は味方の失策で1死一塁とされたが、4番・大山をカットボールで遊ゴロ併殺打に仕留めた。開幕ローテーション入りを果たしたものの、右肘の手術明けであることを考慮されて3日に出場選手登録を抹消されていた。

◆三回に先制した阪神は四回無死二塁で大山悠輔内野手(27)がチーム64イニングぶりの適時打となる二塁打で加点し、先発のアーロン・ウィルカーソン投手(32)が6回1失点で来日初登板を初勝利で飾った。今季最多の観衆の前で阪神が初の連勝、初のカード勝ち越しを決めた。矢野耀大監督(53)の一問一答は以下の通り(チーム成績3勝15敗1分、観衆4万0354人)。ーー1点差の勝利で今季初の連勝「ずっと、しびれるような状況だったんでね。何とか頑張ってくれ、頑張ってくれと思いながらみてました」ーーウィルカーソンは「コントロールもいいですし、球種もいろんなボールがある。いろんなパターンで抑える力を持っているなっていうのは今日でも出してくれました。タイガースの大きな力になってくれるピッチャーだなと思いました」ーー久々のタイムリーが大山に出た「もう1点、もう2点と取れるところを取っていないのは、課題はありますけど、勝ち切れたんでね。そういう課題をしっかり持ちながら、臨んでいきます」ーー4万人が入った。17日への意気込みを「満員の甲子園、本当に気持ちいい中で野球をやらせてもらえたことに感謝をしています。波をつくっていこうと、大きな渦となって、チームに波をつくっていこうという話を昨日したんですけど、その中でもみなさんの応援、パワーで僕らのビッグウエーブにつながると思うので、これからも球場でも、テレビの前でも応援してもらえたら僕たちの力になるので、応援してもらえたらと思います」(ペン囲み)ーーウィルカーソンの二回以降は「キャッチャーやっていておもしろいピッチャー。球種もあるし、コントロールもいい。大体のボールは全てあるので、どう組み合わしていくかがウィルカーソンの持ち味だと思いますね。しっかり投げてくれたし」ーー初めて勝ち継投が決まった「いやあもう、そりゃデカいよね。どうしてもこっちも迷いは出てしまうんでね。そういうところで湯浅が八回行って、優が後ろにいる形で勝てたし。まあタラちゃん(アルカンタラ)もしっかり行ってくれたんで」 ーー2日続けて円陣で声出し「いやいや昨日もね、もちろん同じようなことなんだけど。楽しむっていうか、それを俺の好きな言葉で言ったんだけど」ーー色紙に今日は監督が書いた「『おもしろがればおもしろがるほどおもしろい おもしろがればおもしろいことが起きる おもしろいように起こるからおもしろい』だから、こう、毎日深刻にやってしまうし、おもしろがることが、できにくい状況だけれども、やっぱり楽しむのが俺たちの野球の根本っていうか、そういうところにあるんで。そういう言葉にも、何かこうちょっとでも、そうやなと思って試合に臨んでくれたらうれしいなと思って。今日は昨日の流れもあったので、俺が書いて」ーー藤浪や伊藤将が離脱する中、ウイルカーソンの好投は「ウィルカーソンはある程度こっちも計算というか、これぐらいやってくれるだろうって思っていたから。将司と晋太郎に関しても残念やし、先発投手が抜けるのは調整もまた時間かかるんでそういうところでは痛いけど、ヤギも帰ってきて、ウィルカーソンが入って早く全員そろってね。全員で何とかしていくしかない。1枚でも2枚でも入ってくれたらと思う。まだまだファームから上がってきてくれたらなと思います」ーー連勝は「毎日大きいし、さっきも言ったようにどこまで大きくするか、ビッグウェーブにするかは、俺ら次第だけど急に3勝、4勝は積み重ねられない。明日の3つ目を取るチャンスを作ったんで、それを3つ4つとして、結果的にビッグウェーブになったなというのを作っていくのが大事。それを作るためにも、俺たちの野球が大事で楽しむこととか積極性とか今まで3年間やってきたことをわかっているんだけど、やっていくことしかない。結果的にこうなったからビッグウェーブになったというところにしていくのは明日にもつながる。それをつなげていくだけです」

◆阪神・アルカンタラが七回を無失点に抑えた。「いつも通り、与えられた場面で自分の仕事をすることを心がけたよ。チームがリードしている状況だったし、リードを保ったまま後ろにつなぐことができて良かったね」。1死から四球を与えたが、代打・若林を二ゴロ併殺打に打ち取った。中2日で登板し、3試合連続ホールドと安定感がある。

◆阪神・中野が三回2死二塁で遊撃への内野安打を放った。三遊間の深い部分へ転がし、打球に追いついた巨人・坂本は懸命に送球したが間に合わず。さらにワンバウンドの悪送球が重なり、その間に二走・梅野が生還して先制した。1番で起用されるのは3試合連続。昨季の盗塁王が機動力を生かして得点を生み出した。

◆阪神・岩崎が九回のマウンドに上がり、今季初の連投でしっかりと1点差を守った。先頭・丸にこそ中前打を許したが、中田を詰まらせて一邪飛に、ウィーラーも左飛に打ち取り、最後は代打・広岡を三ゴロで仕留めて試合を締めた。来日初登板初先発だったウィルカーソンに白星を届け「勝つことができてよかったです」とおなじみのコメントで喜んだ。

◆ピンチでこそ、燃える男だ。冷静かつ大胆に、勝負どころで渾身の直球をズドンと決めて強打者たちをねじ伏せた。阪神・湯浅は少年のような笑顔でベンチへ小走りで帰った。「ゼロで抑えるという強い気持ちを持ってマウンドに上がった。ランナーは出したけど、絶対に打ち取るんだと思いながら投げていた」2―1の八回に登板し、先頭の吉川に中前打。直後に暴投で二進を許したが、ここから気迫で抑えた。坂本にはファウルで粘られながらも内角の149キロで空振り三振。新外国人のポランコ(パイレーツ)も外角に直球を決めて見逃し三振に斬り、最後は4番・岡本和を中飛に料理して任務完了。無失点で九回の岩崎にバトンをつなぎ、今年初めて〝勝利の方程式〟を完成させた。前回の苦い記憶も燃料になった。12日の中日戦(バンテリンドーム)で1点リードの八回に登板し、1回を持たずに2失点で降板。今季初失点とプロ初の黒星を喫した悔しい一戦となったが、後ろは向かなかった。「(仕事は)どういう場面、どんな状況で投げても気持ちは変わらずにしっかり抑えること」。心技体でまだまだ伸び盛りの22歳はこれまでも、そしてこれからも歩みを止めない。成長著しい右腕の頑張りに矢野監督も「あの一番、中心バッターが回るところでよくしのいでくれた」とねぎらった。 2019年にBCリーグ富山からD6位で入団したが、2年間は腰椎の骨折で1軍登板なし。リハビリ期間を乗り越えて花を咲かせた湯浅は「支えてくれた、たくさんの方に感謝しかない。これからもっともっと恩返しできるようにやっていきたい」と誓った。今季4ホールド目をマークし、プロで初めてお立ち台にも立ったが、まだやるべきことはある。勝利に導く投球を続けてすべての人に恩返しする。(織原祥平)

◆いとも簡単に料理した。ウイニングボールを岩崎から受け取ると阪神・ウィルカーソン(ドジャース3A)は長髪をなびかせてニヤリとした。4万人超の大観衆の前で投げるのは初めてだろう。それでも新しい生活環境を楽しめる性格からこそ来日初登板勝利をつかめた。「たくさんのファンの目の前で投げられて、サポートのおかげで何とか乗り切ることができました」お立ち台では今季最多の4万354人のスタンドに向かって一礼。「タイガースファン、アイシテル!」。スタンドからは大きな拍手を受けた。一回、先頭の吉川に右前に運ばれた。けん制悪送球などで1死一、二塁とされたが、岡本和&丸を片付けて落ち着けた。最速146キロにスライダー、チェンジアップなど変化球多彩。6回3安打1失点で試合を作った。コロナ禍による入国制限で来日したのは3月上旬。米大リーグでは通算14試合でわずか1勝と、ガンケル、アルカンタラの保険という立場だった。だが、大学時代に右肘の手術を受け、メジャーのドラフト指名漏れ後は冷凍食品会社で勤務していた男の心は折れなかった。鳴尾浜では日本選手と同じメニューをこなすことを希望し、日本語を勉強しようと秋山、伊藤将らに「朝食、何を食べているの?」と話しかけた。「日本食は本当においしいと思う。納豆以外はね(笑)。自分で料理を頼めるように頑張っているよ」 「ヤキトリ」は一度だけ注文できた。ただし、塩? タレ? モモ? などと店員から質問されると「まったく分からなかった」という。チームメイトを〝先生役〟に日本に溶け込もうとしている。そんな自分を支えてくれるのは、この日も応援にきてくれたハンナ夫人や子どもだちだった。「笑顔を見ると、幸せだなと。この後、ハグとキスをして喜びを分かち合いたい」矢野監督は「大きな力になる」とうなった。不屈の魂をもつ助っ人が、一歩を踏み出した。(三木建次)

◆セ・リーグ2位の巨人は最下位の阪神に2連敗を喫した。打線は8安打1得点だった前夜に続き、5安打1得点。原辰徳監督(63)は嘆き節だ。「もう少し、全体で打線としてつながらないといけませんね」13試合連続安打とした好調の1番・吉川を生かし切れない。四球を選んだ六回、体調不良から4試合ぶりに先発した4番・岡本和の適時打で生還させた。しかし、この2試合で計7度の出塁のうち、得点につながったのは2度だけ。この日は坂本が2番に入り、先頭で出塁した吉川を二塁に進められない場面が3度もあった。1点を追う九回には先頭の5番・丸が中前打。ここで指揮官は中田にバントをさせずにチャンス拡大を狙ったが、結果は一邪飛。続くウィーラー、広岡の代打攻勢も凡退に終わり、丸は一塁でゲームセットを迎えた。2戦連続で6番以降が無安打に終わるなど打線が元気を失いつつある。原監督は「もう少し、活気よくいかないとね」と17日の第3戦へと気持ちを切り替えた。(谷川直之)

◆ビッグウエーブ、起こす! 阪神は巨人に2-1で競り勝ち、今季初の2連勝を飾った。開幕ダッシュに失敗した矢野燿大監督(53)は試合前に円陣でゲキ。四回には4番・大山悠輔内野手(27)がチームとして64イニングぶりとなる適時打を放った。首を長~~くして待っていた。逆襲へ、虎の大波を作って、乗るしかない!「あと1球」という虎党のささやきが4万超を詰め込んだマンモスに響く。矢野監督がピタリと止まっていた水面に波紋を生じさせ、大波へ-。今季初の2連勝で息を吹き返した。しかも巨人を相手に甲子園で勝った。) 「どこまで大きくするか、ビッグウエーブにするかは俺ら次第だけど、急に3勝、4勝は積み重ねられない。明日の3つ目を取るチャンスを作った。それを3つ4つとして、結果的にビッグウエーブになったなというのを作っていくのが大事」今季3勝目。借金は12。まだまだ勝ち続けないといけない。今季限りで退任する指揮官は冷静だったが、甲子園には2019年9月30日以来929日ぶりの4万人超となる4万354人が駆けつけた。観客動員数の1試合平均、合計はこの日で巨人を抜いて、トップ。日本一のファンの前で、これ以上、ぶざまな姿を見せられなかった。「満員の甲子園、本当に気持ちいい中で野球をやらせてもらえたことに感謝をしています。応援、パワーで僕らのビッグウエーブにつながる」 試合開始直前の円陣で声出し役を務めた。異例の2日連続。球団は今季の最終戦までタクトを任せる方針だが、この巨人3連戦こそ大事だった。矢野監督は一枚の色紙に自らペンを走らせ、選手たちにそれを見せた。『おもしろがればおもしろがるほどおもしろい おもしろがればおもしろいことが起きる おもしろいように起こるからおもしろい』15日も書家、杉浦誠司さんから言葉をもらい「波」というキーワードを円陣で伝えた。「楽しむのが俺たちの野球の根本」と本来の戦い方を取り戻そうとした。1点リードを守り、今季初の2連勝。お立ち台でザンゲしたのは14日の中日戦(バンテリンドーム)から4番に入った大山だ。「すみません! お待たせしました!」1-0の四回無死二塁。シューメーカー(ツインズ)の143キロを捉え、左越えの適時二塁打。チームとして実に64イニングぶりの適時打で貴重な追加点を挙げた。最近5試合は打率・167。八回1死一塁で遊ゴロ併殺打に倒れるなど本調子とはいかないが「苦しい戦いが続いてきて、点数が取れていない。まだまだ。もっと点数がとれるように」と貪欲だ。打線はこの日も5安打2得点と低調だが、三回の適失で先制できたのも〝波の力〟が働いたか-。「俺たちの野球が大事で、今まで3年間やってきたことをやっていくことしかない」と虎将。開幕9連敗から始まった矢野虎ラストシーズンの合言葉は「ビッグウエーブ」。激しいうねりで、セ・リーグをかき回す。(新里公章)

◆あれほど難しかった「1つ勝つこと」だったが、15日の夜に1つ勝ったら、実にすんなり連勝してしまう。でも、1点差。しんどい。まだまだ冷静に試合を見ることはできていない。勝って安堵より、動揺している自分がいる。悪夢の連敗中は、終盤1人走者を許すだけで、「また逆転されるんじゃないか」「きょうも勝てないのか」とおびえていた。16日も八回、セットアッパー湯浅が先頭・吉川に中前打を浴びるし、九回、守護神・岩崎が先頭・丸に中前打を浴びるし、「何とかなるんじゃないかなぁ」と楽観的に見ることなど、当分できそうにない。超ヒヤヒヤの中での逃げ切り勝利。チームは、かなり平常心で戦える環境が戻ってきたような気もするが、こちらは心配しだすとキリがない。戻ってきた、といえば、マンモススタジアムの大観衆が復活していた。遠目にはほぼ満員に見えた。4万354人。甲子園球場が4万人以上の大観衆で埋まったのは、2019年9月30日以来だとか。コロナ禍により、試合ができない時期があり、無観客開催の時期があり、観衆を入れても内野スタンドだけの数千人の時期もあった。2年半ぶりの懐かしい光景に、ちょっぴりウルっと来た。 ちなみに、2年半前の9月30日は、どんな日だったがご記憶だろうか。あのレジェンド鳥谷敬氏が、タテジマとして最後に甲子園でプレーした日だ。相手は中日。防御率1位を狙う大野雄が四回途中までパーフェクト投球をして、そのまま降板。投手の力が落ちれば、タイガースも元気になって、見事シーズン最終戦を勝利。鳥谷は代打で登場し、右飛。帽子を振って大観衆に応えた。あの時以来の4万人超だったのだ。そのまま慣れ親しんだ遊撃のポジションに就いて、虎党は脳裏に雄姿を焼き付けた。あの日もウルっとしたなぁ。就任1年目の矢野監督が、タテジマの指揮官としては37年ぶりに、監督1年目にAクラス入りを決めた日でもあった(何となく、寂しいデータだが)。クライマックスシリーズでは、ハマスタでDeNAを撃破するも、東京ドームでは巨人に返り討ちに遭い、「日本シリーズでもう一度、鳥谷が甲子園に」という夢は消え去る。まさかあの頃、甲子園がその後2年以上満員にならないなんて、夢にも思わなかった。今季2勝目となった15日の九回2死では、声を出してはいけないのに「あと1球」コールが響き渡った甲子園。ネット上ではマナーが悪いとたたかれたが、この日は大丈夫のようにテレビでは見えた。トラ番・原田遼太郎に確認しようと電話を入れたら「先輩、勘弁してください。僕、きょう、お休みです」と笑われた。まだ動揺しているのは、私だけかな。ただ、タイガースを愛する男はオフなのにテレビ観戦していたらしく、「いい雰囲気でしたね」-。ということで、トラ番・織原祥平に電話したら「僕、湯浅の取材待機で記者席を離れていたので、真実を知るのは新里サブキャップただ一人です」。そうか! 阪神が勝つから、すご~く忙しく走り回る試合後が、トラ番記者たちに戻ってきているようだ。

◆阪神ファンの皆さ~ん、いよいよ虎のお目覚めです!! 宿敵巨人に連勝して莫大(ばくだい)な借金『14』を『12』に減らして、気持ちいい春が来ました~。本日、阪神は『勝利の方程式』ならぬ『勝利の相対性理論』を手に入れたのでした。それは、相手の守備の乱れにつけ入り(この2戦とも巨人のエラーから得点を奪う)、打線は決して爆発しなくても本日のようにウィルカーソン、アルカンタラ、湯浅、岩崎の投手陣が耐えていく試合をしていれば、いずれ万有引力により、ペナントレースはダンゴレースになるという法則なのでーす!!よっ!! 来日初登板で、名は体を表すのごとく、シュワ~ッと、シビれるような強炭酸投球を演じ、巨人から白星を挙げた〝ウィルキンソン〟おおきにー!えっ、ウィルカーソンだって? でも、次もシュワ~の強炭酸勝利をみたいから、登録名ウィルキンソンに変更してもええんとちゃいまっか~?

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
広島
1251 0.706
(↑0.018)
-
(-)
12582
(+3)
44
(+2)
4
(-)
6
(-)
0.260
(-)
2.300
(↑0.02)
2
(-)
巨人
1270 0.632
(↓0.035)
1
(↓1)
12477
(+1)
72
(+2)
21
(-)
4
(-)
0.256
(↓0.005)
3.140
(↑0.1)
3
(-)
中日
970 0.563
(↓0.037)
2.5
(↓1)
12756
(+2)
49
(+3)
12
(-)
8
(+2)
0.241
(↓0.006)
2.920
(↓0.03)
4
(-)
ヤクルト
990 0.500
(↓0.029)
3.5
(↓1)
12560
(-)
69
(+6)
19
(-)
8
(-)
0.226
(↓0.004)
3.100
(↓0.18)
5
(-)
DeNA
680 0.429
(↑0.044)
4.5
(-)
12955
(+6)
60
(-)
10
(+2)
9
(-)
0.248
(↑0.01)
3.930
(↑0.3)
6
(-)
阪神
3151 0.167
(↑0.049)
9.5
(-)
12446
(+2)
82
(+1)
12
(-)
7
(-)
0.219
(↓0.002)
4.080
(↑0.18)