オリックス(☆3対0★)西武 =リーグ戦5回戦(2022.04.16)・京セラドーム大阪=
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西武
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ORIX
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勝利投手:山岡 泰輔(2勝1敗0S)
(セーブ:平野 佳寿(1勝1敗4S))
敗戦投手:隅田 知一郎(1勝2敗0S)
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◆オリックスは両軍無得点で迎えた5回裏、杉本と福田の適時打で3点を先制する。投げては、先発・山岡が6回無失点の好投。その後は3投手の継投でリードを守り、山岡は今季2勝目を挙げた。敗れた西武は、打線が相手を上回る7安打を放つも、つながりを欠いた。

◆オリックス山岡泰輔投手(26)は19年から京セラドームで8連勝中。オリックス選手が京セラドームで8連勝は、継続中の同僚山本と並んで最長だ。同球場で9連勝以上は97~02年に12連勝した西口文也(西武)だけだが、山岡はどこまで連勝を伸ばせるか。

◆オリックスのラオウこと杉本裕太郎外野手(31)が、長い眠りから覚めた。昨年の本塁打王は、開幕を4番で迎えたが、深刻な打撃不振に陥った。この試合前の時点で、打率1割1分3厘、1本塁打。この日は20年9月10日西武戦(メットライフドーム)以来の8番で先発出場。5回無死一、三塁の絶好機で迎えた第2打席。西武隅田に2球でカウント0-2と追い込まれながら、3球目のチェンジアップを捉え、三遊間を破った。実に24打席ぶりの安打が先制打になった。「(前打者の安達)了一さんがつないで楽に立てる場面を作ってくれたので、追い込まれていたんですが、なんとか食らいついてバットに当てようと思っていました。なんとか、よかったです」。コメントにも、長いトンネルに苦しんだ実感がにじむ。31歳の誕生日だった5日、ソフトバンク戦(ペイペイドーム)の第3打席で今季1号を打って以来の安打。その1本が福田の2点適時三塁打につながり、この回に計3点を奪って力投する先発・山岡を援護した。

◆西武ドラフト1位の隅田知一郎投手(22)は6回4安打2四球5奪三振の3失点だった。打線の援護にも恵まれず、黒星を喫した。もうワンランク上の投手に成長するため、反省を得られた2敗目だった。 悔やまれるのは3点を失った5回。先頭ラベロに四球を与えた。「試合を動かしてしまった」。続く安達への初球はバントファウルでストライクを取ったが、2球目。作戦が変わって強攻策で攻められた。「簡単にストライクを取りにいったところを打たれてしまいました」と、十分な球威でなかった142キロ直球を右中間にはじき返された。ピンチが無死一、三塁と拡大した。そして杉本には左前適時打で先制点を許した。スプリット2球で0-2と追い込んでいた。3球目のチェンジアップは芯とタイミングを外したが、三遊間を破られた。「勝負を急いで変化球を使い過ぎてしまって、ストレートと変化球の使い分けができなったのは、次に生かさなければいけない反省点です」と振り返った。そして「もっと粘りたかった」と1死二、三塁の場面では、福田に右中間への2点適時三塁打を続かれた。5回を投げ終え、ベンチに下がると、口を一文字に結んだ。悔しさがにじみ出た。ただ5回以外の5イニングで許したのは、安打1本、四球1つ。理想的な形でアウトを積み重ねていた。6回まで球数は100。「先頭打者をとろうという気持ちで投げていました。球数も増えてしまいましたが、すべては5回です。次回までにしっかり調整して、勝ちに行くためのピッチングをしたいと思います」。この日の反省を胸に刻み、決意を新たにした。

◆西武はあと1本が出なかった。3回まで毎回三塁に走者を進めたが、本塁は踏めず。1回、2回と併殺も絡み、先取点が欲しい場面で無得点に終わった。悪い流れのまま完封負け。 辻発彦監督は「3回までにどこかで点を取れればよかったのだけれど。序盤に点が取れなければ、こういう試合展開になる」と唇をかんだ。

◆手元にある記念球は3つだけ。通算37勝目を挙げたオリックス山岡泰輔投手(26)は、そのほとんどのウイニングボールをファンにプレゼントしている。「できれば子どもにあげるようにしてます。(球場に)見に来てくれた記念になったら良いですよね」。ファンの喜ぶ顔を見たいという純粋な思いからだ。17年のプロ初勝利、同年のプロ初完封の記念球は広島の実家に、あとは昨年の日本シリーズ第5戦での救援勝利の球が自宅にあるだけだ。今季初勝利を挙げた1日の日本ハム戦では、京セラドーム大阪のフィールドシートで観戦していたファンに手渡した。背番号19は、さらっと言う。「勝てば、ボールは増えていく。誰かが喜んでくれたら、僕はうれしい」。白星を積み重ね、ファンの笑顔と思い出を増やしていく。【オリックス担当=真柴健】

◆オリックス山岡泰輔投手(26)が"投打"にわたる活躍で、今季ワーストの借金5を抱える危機からチームを救った。 5回以外は得点圏に走者を背負うも、適時打は許さず。直球、スライダーを軸に粘り、遊撃紅林らの堅守にも支えられて6回6安打無失点と粘って2勝目。さらに"攻撃面"でも、戦力になった。「病んでるんでね」と切り出したのは、杉本のこと。「元気ないし。とりあえず楽しんでやって、今日は打てるから、と言ってたんですけど」。"打撃の師匠"ならではの激励だった。2人は広島で合同自主トレを行う間柄。昨年6月13日広島戦では2ランを打った杉本が「山岡にバッティングを教えてもらったら打てました」と、重心に関する助言に感謝していた。「見ていて感じる部分は伝えるようにしています」と山岡。ただ今は、技術より、明るいラオウでいてほしかった。「楽しくやらないと。余裕を見せないと。失投ってあんまり来ないと思ってるんで」。投手心理も踏まえた親身な激励が、昨季の本塁打王を目覚めさせた。これで山岡は、19年から本拠地で9連勝。それでも19年最高勝率右腕は「本拠地以外でも勝ちたいですけど」と、勝ってなお貪欲だった。【堀まどか】?オリックス福田が、チームを勝利に導く2点適時三塁打を放った。5回に杉本の適時打で1点を先制し、伏見の犠打でなおも1死二、三塁。「初球はたぶん変化球」と狙い球を絞り、右中間を深々と破った。杉本や伏見の打撃を好結果にし「そういったみんなの執念はつながっていくので、ぼくも気持ちを込めて打席に立てました」と、9試合連続1桁安打に終わった打線でただ1人、マルチ安打をマークした。

◆オリックス・安達了一内野手(34)が1軍に復帰。「7番・二塁」で先発メンバーに名を連ねた。安達は開幕3戦目となる3月27日の西武戦(ベルーナ)の守備中にスライディングを試みた相手選手と接触。負傷交代し、翌28日に大阪市内の病院で左足首の捻挫と診断され、出場選手登録を抹消されていた。

◆オリックス・杉本裕太郎外野手(31)が「8番・右翼」で先発出場。24打席ぶりの安打となる先制打を放った。「打ったのはチェンジアップだと思います。(安達)了一さんがつないで楽に立てる場面を作ってくれたので、追い込まれていたんですが、なんとか食らい付いてバットに当てようと思っていました。なんとか、よかったです」0─0の五回無死一、三塁。2ストライクと追い込まれながらも外角低めの変化球に食らいつき、ゴロで三遊間を破った。7試合ぶりにHランプを灯し、貴重な先取点をゲット。チームはその後、伏見が犠打で1死二、三塁と好機を広げ、福田が右中間へ2点三塁打。悩める大砲の執念の一打をキッカケに、リードを拡大した。

◆オリックスは五回に杉本の適時打と福田の2点三塁打で3点を奪った。山岡は6回を6安打無失点で粘り2勝目、九回は平野佳が締めて4セーブ目を挙げた。西武は打線が序盤の好機を逃し、6回3失点の隅田を援護できなかった。

◆西武は一~三回に走者を三塁に進めながら山岡を攻めきれず、今季3度目の零敗を喫した。辻監督は「追い詰めていた。三回までにどこかで点が取れれば良かったんだけど」と悔やんだ。一回に先頭打者の鈴木と岸の連打で無死一、三塁としたが、オグレディが二飛に、呉念庭は見逃し三振に倒れて一塁走者の盗塁失敗で併殺となった。二回無死一、二塁では栗山が三ゴロ併殺打、なお2死三塁で牧野が遊ゴロに凡退した。辻監督は「チャンスでのびのびといきなさいと言っている。打たないといけないというのが強すぎる」と嘆いた。

◆本拠地でこの男は負けない。「皆さんのおかげです。ありがとうございます!!」とオリックスファンの声援を力に変え、必死に粘った。山岡が6回無失点で今季2勝目(1敗)。2019年から続く京セラドームでの連勝記録を、球団最長の「9」に伸ばした。「あの~、最初から、初回から走者を背負って野手の人に流れを持ってくることができないまま試合が進んだので、反省します」お立ち台では謝罪の言葉を述べた。一回から三回まで先頭打者の出塁を許し、ピンチの連続。それでもバックの好守にも助けられ、得点は与えない粘りの投球。19年7月16日の楽天戦から京セラドームでは16戦負けなしの9勝目だ。8連勝で並んでいたチームメートの山本を一歩リードした。「去年、おととしはあんまり投げていないんであれですけど、(京セラの)相性はいいんじゃないですか。本拠地以外でも勝ちたいですけどね」中心選手の一人として、仲間の心のケアにも気を配っている。決勝打を打った杉本は、オフに広島で自主トレをともにする仲。試合前には打率・113(試合前時点)と絶不調に苦しむ主砲に「とりあえず楽しんでやって。きょうは打てるから」とエール。「一緒に練習してきたんで。見てて感じる部分は伝えるようにしている。楽しそうにやってほしいんで」と説明した。「楽しんで投げることはいままでもずっとしてきているんで、そこは変えてきていないですし、いまはチームがしんどいですけど、僕がやる仕事は変わらないので。とにかくゼロで。きょうは別ですけど、流れを持ってこられる投球をしたい」この日は昨年の右肘手術後最多となる97球を投じた。患部の状態はいい。先発ローテに帰ってきた山岡。ファンのためにも、白星を量産していく。(西垣戸理大)

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<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(1↑)
楽天
930 0.750
(↑0.023)
-
(↓1.5)
13148
(+6)
30
(+5)
5
(+2)
10
(+1)
0.223
(↑0.001)
2.450
(↓0.23)
2
(1↓)
ソフトバンク
1141 0.733
(↓0.053)
-0.5
(↓0.5)
12757
(+5)
38
(+6)
7
(-)
8
(-)
0.229
(↑0.008)
1.890
(↓0.21)
3
(-)
ロッテ
880 0.500
(↓0.033)
3
(↑0.5)
12752
(+4)
41
(+11)
5
(-)
24
(+3)
0.225
(↑0.002)
2.040
(↓0.39)
4
(1↑)
ORIX
7100 0.412
(↑0.037)
4.5
(↑1.5)
12644
(+3)
56
(-)
5
(-)
4
(-)
0.192
(↑0.001
3.160
(↑0.21)
4
(-)
西武
7101 0.412
(↓0.026)
4.5
(↑0.5)
12549
(-)
67
(+3)
9
(-)
6
(+1)
0.208
(↑0.001
2.930
(↓0.02)
6
(-)
日本ハム
5120 0.294
(↑0.044)
6.5
(↑1.5)
12647
(+11)
65
(+4)
12
(+1)
9
(+1)
0.229
(↑0.014)
3.860
(↑0.05)