阪神(★1対9☆)広島 =リーグ戦5回戦(2022.04.09)・阪神甲子園球場=
このエントリーをはてなブックマークに追加

 123456789
広島
03300300091300
阪神
0001000001721
勝利投手:森下 暢仁(2勝0敗0S)
敗戦投手:秋山 拓巳(0勝2敗0S)

本塁打
【阪神】佐藤 輝明(2号・4回裏ソロ)

  DAZN
チケットぴあ 阪神戦チケット予約 広島戦チケット予約

DAZN

◆広島が快勝。広島は2回表、堂林の適時二塁打などで3点を先制する。続く3回には、2死満塁から森下の走者一掃となる適時三塁打が飛び出し、試合を優位に進めた。投げては、先発・森下が9回1失点8奪三振の完投で今季2勝目。敗れた阪神は、投打ともに振るわなかった。

◆今季の広島坂倉将吾捕手(23)は13試合出場して52打数19安打、打率3割6分5厘。安打数、打率ともに大島(中日)に次ぐリーグ2位だが、複数安打8度は大島(中日)の7度を上回って両リーグ最多だ。好調の坂倉が今日も打つか。

◆阪神の高山俊外野手(28)、岩貞祐太投手(30)、島田海吏外野手(26)が1軍に合流した。昨季プロ入り後初の1軍戦出場なしに終わった高山は、ウエスタン・リーグ11試合の出場で、打率3割2分5厘と絶好調。前日8日の同リーグ広島戦(マツダスタジアム)では3安打1打点と奮起し、1軍昇格が決まった。3月中旬に左太もも裏の張りで再調整となっていた岩貞は、3月23日の2軍オリックス戦で実戦復帰し、4試合無失点。計13人と対戦し7三振を奪うなど、状態を上げて戻ってきた。島田は開幕1軍入りが決定的だったものの、3月20日に新型コロナウイルスの陽性判定を受け離脱。今月1日に実戦復帰し、4試合の出場で打率2割5分を記録していた。小野泰己投手(27)、小野寺暖外野手(24)、長坂拳弥捕手(27)の3選手が甲子園に姿を見せておらず、2軍降格となる見込み。

◆阪神の先発秋山拓巳投手(30)が3回7安打6失点と炎上し、KOされた。 2回1死二塁から堂林に左翼線への先制適時二塁打を許すと、1死一、三塁からは森下にスクイズを決められ2失点。なおも1死一、二塁から西川に左前適時打を浴び、この回3点を奪われた。屈辱は3回。単打2本と四球で無死満塁のピンチを招き、堂林を一邪飛、上本を三直に仕留め2死としたものの、投手森下に右中間を破られる3点適時三塁打を許し、一気にリードを広げられた。昨季5勝を奪った相手に攻略された形となった。

◆広島森下暢仁投手(24)がプロ初の三塁打を放つなど、4打点の活躍を見せた。 2回1死一、三塁では、阪神先発秋山拓巳投手(30)の前にスクイズを決め、1打点。キャリアハイのシーズン4打点目を挙げた。3回2死満塁では秋山の直球を右中間にはじき返した。迷うことなく二塁ベースを蹴り、走者3人をかえす適時三塁打。プロ初の三塁打はリードを6点に広げる貴重な援護点になった。森下は今季初登板の3月26日DeNA戦(横浜)でも3安打3打点を記録。2打席目を終えて、今季は7打数4安打7打点で打率は5割7分1厘。9番"打者"として、バットで貢献を続けている。

◆阪神佐藤輝明内野手(23)が2号ソロを放ち、反撃ののろしを挙げた。6点を追いかける4回、カウント2-2と追い込まれながら、広島先発森下暢仁(24)の153キロの速球を左翼ポール際まで運んだ。 ベースを踏んだ後、ベンチでナインとグータッチ。さらに、この日ベンチスタートの糸井嘉男外野手(40)と右手、左手でタッチを交換。ともに両手を目の上にかざし、空をのぞくしぐさの新パフォーマンスを再び披露した。先発秋山拓巳投手(30)が3回で6失点と劣勢の中、4番が気を吐いた。

◆阪神高山俊外野手(28)が2シーズンぶりに1軍戦出場し、安打を放った。高山の1軍戦ヒットは20年10月5日巨人戦以来、551日ぶり。 5回に代打として出場。広島森下暢仁投手(24)の113キロの変化球を捉えて中前へ。明大の後輩森下との「明大対決」を制した。今季ウエスタン・リーグでは11試合に出場し、打率3割2分5厘と好成績を残し、この日1軍に昇格。いきなり初打席で首脳陣の期待に応えた。

◆阪神が完敗を喫し、両リーグ最速で借金10に到達した。13試合消化時点での2ケタ借金はセ・リーグ球団では初の屈辱となった。前日8日のナイター広島戦は4時間53分にも及んだ熱闘の末、延長12回引き分け。一夜明けたデーゲーム、カープキラーと呼ばれ続けた先発の秋山拓巳投手(30)が大誤算だった。 2回、7番堂林の適時二塁打で先制点を与えると、9番森下のセーフティースクイズで本塁送球が野選に。さらに1番西川にも適時打を浴びた。3回には2死満塁から9番森下に右中間3点二塁打を献上。投手の森下にまさかの4打点を許すなど、3回6失点で今季2敗目(0勝)を喫した。一方の打線は広島の先発森下を打ちあぐねた。6点を追う4回に4番佐藤輝明内野手(23)が左翼ポール際に2号ソロ。5回には2シーズンの1軍出場となった代打高山俊外野手(28)が20年10月5日巨人戦以来、551日ぶりの安打となる中前打。ただ、見せ場らしい見せ場は少ないまま完投勝利を献上した。救援陣は今季1軍初登板となった岩貞祐太投手(30)が4回の1イニングを無失点。ただ、6回に小川一平投手(24)が3失点。投打ともに振るわず、今季甲子園最多となる3万8634人の観客からため息が漏れ続けた。広島戦は開幕から引き分けを挟んで4連敗となった。13試合消化時点で2ケタ借金に到達したことがある球団は2リーグ分立後、今季の阪神でプロ野球史上5チーム目。過去には開幕12連敗後に1勝した55年トンボ、2分けをはさんで11連敗した79年西武、11連敗後に2連勝した02年ロッテ、10連敗後に3連勝した61年阪急がいるが、セ・リーグでは初めて。このうちロッテは4位、阪急は5位、トンボと西武は最下位に沈んでいる。13試合目の時点で2ケタ借金があるチームは55年トンボ、79年西武に続いて3チーム目となった。

◆広島ライアン・マクブルーム内野手(29)が2安打1打点の活躍で、30歳の誕生日を自ら祝った。 3回には二塁へ内野安打で出塁。6回1死一、二塁では左翼線へ適時二塁打を放った。「特別な日に結果が出たのはうれしい。30歳まで大好きな野球をできていることに感謝したい」。7日巨人戦(マツダスタジアム)では頭部に死球を受けた。1日の休養を挟み、4番に復帰。結果で周囲を安心させた。

◆阪神秋山拓巳投手が3回7安打6失点でKOされ、2敗目を喫した。先制点を失った直後の2回1死一、三塁から森下にスクイズを決められ、自らの野選も重なるなど3点を献上。3回は2死満塁から森下に右中間を真っ二つに破られる痛恨の3点適時三塁打を浴びた。球団を通じ「チームが苦しい状況の中で、粘ることができず、先発の役割を果たすことができませんでした」と悔やんだ。昨年10勝のうち5勝を挙げた得意の相手だったが、昨季終盤から続けて4連敗と攻略されつつある。矢野監督は秋山の状態について「よくはないと思うね。スピードガンが出るピッチャーじゃないけど、もうちょっと押していけないと。(持ち味の)真っすぐの状態は、現状はよくないのかなという風にはみているけど」と指摘。「鯉キラー」と呼ばれ続けてきた右腕が、劣勢に立たされている。

◆広島堂林翔太内野手が「秋山キラー」ぶりを発揮した。2回1死二塁で低めの変化球を左翼線に運び、先制の適時二塁打。「ずっと昔から(秋山を)打っているイメージがある。昨日のこと(犠打失敗)があったので、今日は絶対に、と思ってやった」。 これで秋山との通算対戦成績は30打数10安打。相性の良さから前回秋山と対戦した3月31日以来のスタメン起用で期待に応えた。

◆赤い二刀流だ! 広島先発森下暢仁投手(24)が阪神戦で1失点完投の好投を見せ、今季2勝目を挙げた。打ってはスクイズ&3点適時三塁打の4打点。「昨日(8日)、苦しい試合をしていたので、最後まで投げきろうと思ってマウンドに上がった」。前夜は4時間53分の死闘の末に、ドローに終わった。投打の大活躍で、救援陣に休息を与えた。 まずは2回の打席だ。1死一、三塁で一、二塁間に転がし、セーフティースクイズを決めた。3点リードの3回には2死満塁で秋山の外角球をとらえた。右中間を真っ二つに割り、迷うことなく二塁を蹴った。さらに3点を追加するプロ初の三塁打で、右の拳を掲げた。「初めての三塁打でめちゃくちゃうれしかったです」。ナイン総立ちの快音を喜んだ。今季7打点で、リーグ9位に躍り出た。明大時代には投手の出番がない試合では右翼手など外野も務めた経験がある。4年時には19年秋の東京6大学で25打数9安打で打率3割6分を誇った。広島でも、投手陣による打撃練習で柵越えを目指し、バットを強振。「打撃は好きです」と積極的に練習に取り組んできた成果が出た。好調な打線に、「恐怖の9番打者」が加わり、3戦連続の2ケタ安打で大勝した。佐々岡監督は「1人で投げてくれたのが大きかった。ある程度は森下に任せると決めていた。自分を助けるという意味でも(3回は)大きな3点になった」と右腕の奮闘をたたえた。首位巨人とのゲーム差は0・5で変わらないが、打線がつながる広島の勢いは止まらない。【前山慎治】▼広島の森下が4打点。投手の1試合4打点以上は、DeNA石田健大が19年7月27日の中日戦で4打点を挙げて以来。広島の投手では、津田恒美が84年5月13日ヤクルト戦で満塁本塁打を放ち4打点して以来、38年ぶり。

◆阪神が完敗を喫し、両リーグ最速で借金10に到達した。13試合消化時点での2ケタ借金はセ・リーグ球団では初の屈辱となった。先発秋山拓巳投手(30)が3回6失点でKOされた。打っても広島先発森下暢仁投手(24)から佐藤輝明内野手(23)の2号ソロでの1点しか奪えなかった。矢野燿大監督(53)の試合後の一問一答は以下の通り。 -先発秋山の調子は「よくはないと思う。やっぱりスピードガンが出るピッチャーじゃないけど、もうちょっと押していけないと、引けない。一番いいのは真っすぐだと思うけど、そこらへんの状態というのは、現状はよくないのかなとはみている」-相手の投手に打たれたりスクイズされると流れが悪い「スクイズもね、あのカウントまで持っていっちゃったっていうのが、ひとつね...。あそこに転がった時点で、ホームでアウトって難しいプレーだった。あそこは冷静にいってくれたら、よかったかなというのは、オレらからの目線では思う」-右翼佐藤輝が2回の守りで打球の目測を誤った。風も強かったが「まあまあ、それはね。そんなん言い出したら、言い訳にしかならないでしょ」-佐藤輝は打っては風を生かして逆方向へ本塁打「久しぶりにあっち(左翼)方向にね、ああいう本塁打が出た。あれでも(本塁打が)いく形からまたよくなるというのもあると思う。最後にもう1本出たというのも大きいと思うけど。最後のサードでのスローイングもしっかり投げていかないとね。打つことだけじゃないんでね、野球は」-高山が昇格即安打「気持ちがね。やっぱり何とかしたいっていう気持ちがすごく出ていたし。初打席でヒットっていうのもね、俊にとっても大きな1本だと思うし、あいつ自身もチャンスを広げていくっていう立場に現状はあるので。そういう気持ちがすごく出ていた、そういうヒットかなと思います」-岩貞も昇格即好投「そうやね。サダもいいボール投げていた」-1度に3人を昇格。今後も2軍から調子のいい選手を「それは、そうしたいじゃん」-そうしてチームの活性化も「それはいつでもしているけど、上げられるような状態のやつがどんどん来てくれたらいいなと」

◆阪神高山俊外野手が公式戦で551日ぶりに安打を放った。 2年ぶりに1軍に昇格し、5回に代打で登場。その名が場内にアナウンスされた瞬間、メガホンのたたく音がこの日一番響いた。相手は明大の後輩森下。カウント0-1から113キロカーブを捉えて中前に運んだ。「久しぶりにたくさんのファンの前で野球をすることができて、素直にうれしかったです」と喜んだ。16年の新人王も苦しい時を過ごした。2年目以降は下降線をたどり、昨季はプロ6年目で初の1軍出場ゼロに終わった。それでも腐ることなく、今季ウエスタン・リーグで11試合に出場し、打率3割2分5厘を記録。前日8日の広島戦では3安打し、「出番が来ると信じてやるしかないんで」と話していた。20年10月5日巨人戦以来となる1軍戦のヒットで、スタメン出場をアピールした。矢野監督は「気持ちがね。やっぱり何とかしたい気持ちがすごく出ていたし。初打席でヒットっていうのもね、俊にとっても大きな1本だと思う。あいつ自身もチャンスを広げていく立場に現状はあるので」と評価した。チームは苦境が続くが、高山は「チームの勝利に貢献して、今日のような素晴らしい声援をいただけるように頑張ります」と誓った。【三宅ひとみ】

◆阪神がまたもや負のデータを刻んだ。広島に完敗し、両リーグ最速の借金10となった。13試合消化時点での2ケタ借金はセ・リーグでは初の屈辱。苦手とする森下を攻略できず、4番佐藤輝明内野手(23)の2号ソロによる1点のみ。その佐藤輝も守備で2度のミスを犯し、乗れないチームを象徴した。 暗黒時代よりも弱いのか-。深々とスタンドに向かって頭を下げる矢野燿大監督(53)に、虎党からは拍手に交じり罵声も飛んだ。今季最多3万8634人が詰めかけた甲子園で1-9の完敗。借金はついに10まで膨らんだ。広島森下に1失点完投され、打っても4打点を献上。右腕にはこれで通算9試合で1勝6敗。4回に左翼ポール際へ2号ソロを放ち一矢報いた佐藤輝は「明日は絶対に勝ちたいという思いだけ。ファンに勝って喜んでもらいたい。苦しい状況だが、頑張って、前を向いてやっていきたい」とナインの気持ちを代弁した。これまでの球団最速の借金10は暗黒時代の95年で22試合消化時点だった。13試合目での2ケタ借金はセ・リーグ初。開幕から屈辱のデータが並ぶ。前夜はリリーフ陣の奮闘で、延長12回ドローに持ち込んだが、勢いに乗れない。それを象徴したのが、空砲を放った4番の守備だ。先制された直後の2回1死二塁。右翼を守る佐藤輝が上本の飛球に目測を誤った。後ろに下がり、あわてて前進したが、ポトリと目の前に落ちた。右前打とし、その後の2失点につながった。6回から就いた三塁の守備では、9回に悪送球。守備で2度のミスを犯した。これには矢野監督も苦言を呈した。「久しぶりに逆方向にああいう本塁打が出た」と評価しつつ、「打つことだけが野球じゃない」とピシャリ。2回の場面は強風が吹いていたが、「そんなん言い出したら、言い訳にしかならない。最後の三塁でのスローイングもしっかり投げないと」と厳しかった。中心選手と成長するためにも守りの意識を高く持つように求めた。これで首位巨人とは8ゲーム差に開いた。シーズンはまだ130試合ある。チーム一丸で勝利を目指すしかない。【石橋隆雄】▼13試合を消化した時点で2桁借金に到達したことがあるのは、2リーグ後では開幕12連敗後1勝の55年トンボ、2分けはさんで11連敗の79年西武、11連敗後2連勝した02年ロッテ、10連敗後3連勝した61年阪急に次いで5度目。セ・リーグの球団では初めて。過去4チームのうちロッテは4位、阪急は5位、トンボと西武は最下位に沈んだ。なお、13試合目で2桁借金があるのは55年トンボ、79年西武のみ。阪神はここから巻き返せるか。

◆阪神浜地真澄投手(23)が連投で、1回1安打無失点に封じた。 5点ビハインドの5回に登板。守備の失策もあり2死二塁のピンチを背負うも、打撃好調の森下を三ゴロに抑えた。「負けている展開だったので、0点で抑えて帰ってくることだけを考えてマウンドに上がりましたし、それができたことは良かったと思います」と振り返った。

◆今季初登板した阪神岩貞祐太投手(30)は完全復調を印象づけた。4回に登板。2番菊池涼に安打を許した後、3番小園、4番マクブルームを2者連続空振り三振に仕留め、好調の5番坂倉も直球で遊飛に仕留めた。左太もも裏の張りで出遅れていたが、今季1軍初昇格初日に快投。 本人は「下でやってきたことが出せているんですが、やっぱり勝負には勝たないといけない」と悔しさをにじませたが、矢野監督は「いいボールを投げていた」と及第点を与えた。

◆阪神が当面は梅野隆太郎と坂本誠志郎の「捕手2人制」で臨むことになった。 この日、長坂が2軍に降格。井上ヘッドコーチは「チームの事情的に3人いたらいいんだけど、(例えば)頭で梅野がいった時に任せるという、ある意味、覚悟的な感じ」と説明。万が一のアクシデントがあった時には、今季から内野手登録となり、現在はリハビリ中の原口も含め「ユーティリティーにこなせる人を置くでしょうね」と明かした。

◆赤い二刀流だ! 広島先発森下暢仁投手(24)が阪神戦で1失点完投の好投を見せ、今季2勝目を挙げた。打ってはスクイズ&3点適時三塁打の4打点。「昨日(8日)、苦しい試合をしていたので、最後まで投げきろうと思ってマウンドに上がった」。前夜は4時間53分の死闘の末に、ドローに終わった。投打の大活躍で、救援陣に休息を与えた。 ▼広島の森下が4打点。投手の1試合4打点以上は、DeNA石田健大が19年7月27日の中日戦で4打点を挙げて以来。広島の投手では、津田恒美が84年5月13日ヤクルト戦で満塁本塁打を放ち4打点して以来、38年ぶり。

◆阪神秋山拓巳投手(30)は3回7安打6失点と苦しみ、出場選手登録抹消の可能性が高くなった。 2回、セーフティースクイズに自身の野選が絡むなどして3失点。3回は2死満塁から9番森下に3点三塁打を浴びた。投手の森下に4打点を許して今季2敗目。「チームが苦しい状況の中で粘ることができず、先発の役割を果たすことができませんでした」と悔やんだ。カープは昨年10勝のうち5勝を挙げた得意の相手。ただ、昨季終盤から4連敗と攻略されつつある。矢野監督は秋山について「良くはないと思うね。真っすぐの状態は現状は良くないのかなというふうに見ている」と指摘。先発陣の枚数がそろってきたチーム状況も踏まえ、2軍再調整に入る模様だ。1週間後の16日巨人戦に先発する代役は新外国人ウィルカーソンが濃厚だ。助っ人右腕は6日の2軍戦で来日最長の5回を3安打無失点。矢野監督は「ある程度の準備はできたかな」と見通していた。15日巨人戦はすでに新型コロナウイルス感染から復帰した青柳の先発が濃厚。藤浪は中5日で14日中日戦に向かう可能性が高そうだ。

◆阪神がまたもや負のデータを刻んだ。広島に完敗し、両リーグ最速の借金10となった。13試合消化時点での2ケタ借金はセ・リーグでは初の屈辱。苦手とする森下を攻略できず、4番佐藤輝明内野手(23)の2号ソロによる1点のみ。その佐藤輝も守備で2度のミスを犯し、乗れないチームを象徴した。▼13試合を消化した時点で2桁借金に到達したことがあるのは、2リーグ後では開幕12連敗後1勝の55年トンボ、2分けはさんで11連敗の79年西武、11連敗後2連勝した02年ロッテ、10連敗後3連勝した61年阪急に次いで5度目。セ・リーグの球団では初めて。過去4チームのうちロッテは4位、阪急は5位、トンボと西武は最下位に沈んだ。なお、13試合目で2桁借金があるのは55年トンボ、79年西武のみ。

◆広島先発森下暢仁投手(24)が阪神戦で1失点完投の好投を見せ、今季2勝目を挙げた。打ってはスクイズ&3点適時三塁打の4打点。前夜は4時間53分の死闘の末に、ドローに終わった。投打の大活躍で、救援陣に休息を与えた。

◆阪神湯浅京己投手が1イニングをわずか9球で無失点に抑えた。 矢野監督からは新守護神に指名されているが、8回からの起用にも柔軟に対応。2死から上本に左前打を浴びたが、動じることなく、投手遠藤を見逃し三振に仕留めた。「しっかり0点で抑えるという自分の仕事を全うすることができてよかったです」。これで開幕から6戦連続で無失点。22歳の若武者が投げるたびに存在感を増している。

◆阪神岩崎優投手が9回に登板し、1イニングを無失点に抑えた。 西川を左飛、菊池涼を投ゴロ、小園を見逃し三振に仕留めた。「8回の男」に任命している左腕の9回起用について、矢野監督は「それはいろいろ考えてのこと」と説明。直前には新守護神の湯浅が8回の1イニングを無失点に抑えており、岩崎も1番から始まる好打順を3人で片付け、貫禄を見せた。

◆阪神のメル・ロハス・ジュニア外野手(31)が「3番・左翼」で出場する。スタメン出場は3月31日の広島戦(マツダ)以来、7試合ぶり。4月8日の同戦(甲子園)では六回に代打で登場し、大瀬良から右越え同点二塁打を放ち、結果を残していた。

◆阪神・秋山拓巳投手(30)が、今年初めて甲子園で登板。親交のある人気ダンス&ボーカルグループ「EXILE」のATSUSHIに作ってもらったオリジナル登場曲「Put it on the line」が流れる中、マウンドへ。ロック調のアップテンポなリズムの曲で、スタンドのファンも聞き入った。ATSUSHIから一昨年のオフに「21年シーズンに10勝を達成したら(甲子園で流される)登場曲を作る」と提案された秋山は昨季、2年連続となる2桁勝利(10勝7敗、防御率2・71)をマーク。3月中旬に完成した登場曲を聞いた秋山は「鳥肌が立ちましたね。『僕のために作ってくれた歌なんや』というのを改めて思うと、涙が出そうになりました」と感激でいっぱいだった。

◆阪神・佐藤輝明内野手(23)が「4番・右翼」で出場し、四回に2号ソロを放った。「打ったのはストレート。なんとか早い段階で点を取って追い上げたいという気持ちでした」0―6の四回に先頭で打席へ向かうと、好投を続ける森下がカウント2―2から真ん中外寄りに投じた153キロ直球を振り抜いた。左方向へ上がった打球は、そのまま左翼ポール際のスタンドに届き、虎党からの拍手を浴びながらダイヤモンドを一周した。佐藤輝の本塁打は5日のDeNA戦(甲子園)以来3試合ぶりで、森下からの一発は昨年4月14日に放った、自身の甲子園初アーチ以来。好右腕に反撃弾を見舞い「まだ点差はありますが、みんなで食らいついていくだけです」と力に変えた。

◆阪神・秋山拓巳投手(30)が先発したが、3回7安打6失点でKOされた。「チームが苦しい状況の中で、何とか力になりたかったのですが、粘ることができず、先発の役割を果たすことができませんでした」一回を無失点で滑り出したが、二回は1死二塁で堂林に甘く入ったフォークをとらえられて三塁線を破られ、先制点を献上。続く上本の右翼への飛球は、佐藤輝が目測を誤って一度後退した後に急いで前進するも追いつけず、芝生で弾んで一、三塁(記録は右前打)。スクイズを試みる森下はカウント3―2まで追い込んだが、6球目をフェアゾーンに転がされ、さらには本塁へ送球するも間に合わず(記録は犠打と投手の野選)。1番・西川にも左前適時打を浴び、3点目を与えてしまった。三回は2安打と四球で満塁を招き、堂林と上本を打ち取って2死までこぎつけながら森下に右中間を破る走者一掃の三塁打を浴び、6点差。三回終了後に交代となった。前回登板の3月31日も広島戦(マツダ)だったが、5回?を投げて6回3失点で今季初黒星を喫した。次の登板として先発予定だった7日(甲子園)の試合は、対戦相手のDeNA内で新型コロナウイルスの陽性判定者が続出したことで中止。巡ってきた再戦だったが、またも悔しい結果となった。

◆阪神は大敗し、広島戦は引き分けを挟んで開幕4連敗。借金ははやくも今季最悪となる2桁の「10」に膨らんだ。先発・秋山は二回に、堂林に三塁線を破る先制二塁打を浴びるなど3失点。三回は2死満塁で、投げ合う森下に右中間を破る走者一掃の三塁打を打たれ、差を6点に広げられたこの回限りで降板した。六回から登板した4番手・小川も3点を失い、計9失点。打線の反撃も四回の佐藤輝の左翼への2号ソロのみで森下に完投を許すなど、投打とも元気がなかった。

◆広島が13安打9得点で快勝した。森下は打たせて取り7安打1失点で完投。打っても三回2死満塁で走者一掃の三塁打を放つなど4打点を挙げた。阪神は秋山が3回6失点と打たれ、得点は佐藤輝の本塁打のみと打線も機能しなかった。

◆阪神の先発・秋山拓巳投手(30)は広島先発の森下暢仁投手(24)に4打点を許すなど、3回6失点で降板した。打線は四回の佐藤輝明内野手(23)のソロ本塁打による1点のみ。2年ぶりの1軍となった高山俊外野手(28)が五回、代打で中前打を放った。リーグ初の屈辱となる13試合目で借金10となった矢野耀大監督(53)の一問一答は以下の通り(チーム成績1勝11敗1分、観衆3万8634人)。ーー秋山の調子は「よくはないと思うね。スピードガンが出るピッチャーじゃないけど、もうちょっと押していけないと、やっぱり引けない。一番いいのは真っすぐだと思うけど、そこらへんの状態は、現状はよくないのかなと見ているけど」ーー相手の投手に打たれたり、スクイズされると流れが悪い「(二回の)スクイズもね、あのカウント(フルカウント)まで持っていっちゃったっていうのが、一つね...。あそこに転がった時点で、ホームでアウトって難しいプレーだったので、あそこは冷静にいってくれたら、よかったかなというのは、俺らの目線では思うけど(結果はスクイズと野選)」ーー右翼・佐藤輝が打球の目測を誤った(二回の上本の右前打)。風か「まあまあ、それはね。そんなん言い出したら、言い訳にしかならないでしょ」ーー打っては風を生かして逆方向へ本塁打「久しぶりにあっち方向にホームランが出たんで、またよくなるのもあると思うし、最後にもう1本出たというのも大きいと思うけど(九回の安打)。最後のサードでのスローイングもしっかり投げていかないとね(九回の失策)。打つことだけじゃなんでね、野球は」ーー高山が昇格即安打「何とかしたいっていう気持ちがすごく出ていたし。初打席でヒットもね、俊にとっても大きな1本だと思う。あいつ自身もチャンスを広げていく立場に現状はあるので。そういう気持ちがすごく出ていた、そういうヒットかなと思います」ーー岩貞も(四回を1回無失点)「サダもいいボール投げていた」ーー3人昇格(高山、島田、岩貞)。今後も2軍から調子のいい選手を「それは、そうしたいじゃん」ーーチームの活性化も「それはいつでもしているけど、上げられるような状態のやつがどんどん来てくれたらいいなと」

◆早くも阪神は借金10。サンケイスポーツの元阪神キャップで現運動部デスクの阿部祐亮は2年ぶりに昇格させた阪神・高山俊外野手(28)がベンチスタートだったことを残念がった。本来の力が戻ってきた2016年の新人王を使うのは今でしょ。積極的な起用でチームの起爆剤になることを願った。モニター越しだが、久々に〝いい顔〟をしていた。栄光も挫折も味わった高山は543日ぶりの1軍に燃えていた。五回先頭で代打登場し、中前打。1-6という状況だっただけに残念だった。この日の朝、高山が昇格するという一報が入った。40歳の糸井は延長十二回引き分けだった前夜のナイターでフル出場していたためスタメンは考えにくい。だとすれば高山がそこに入ると思って楽しみにしていた。阪神は開幕から1勝11敗1分けと泥沼から抜け出せない。もちろん、長いシーズン、どのチームにも波はある。ただし、連敗をしているときほど監督力が問われるのも事実である。高山はウエスタンで打率・325。8日の広島戦(マツダ)は3安打と勢いがあった。打撃は水もの。今、代打要員ではもったいない。記者として駆け出しの頃、どうしても忘れられない場面がある。2008年9月11日。朝から2軍の鳴尾浜で取材していると今岡(誠、現真訪)が突然、荷物をまとめて虎風荘を飛び出した。打撃不振で再調整中だったが、関本が右肘を痛め、岡田監督が34歳の誕生日だった今岡に電話で昇格を伝えた。午後6時からのヤクルト戦に先発出場すると、一回に同点2ランを放ち、九回1死満塁でサヨナラの押し出し四球。今岡も、岡田監督の決断力もさすがだった。起爆剤、ラッキーボーイというのは何も若い選手だけじゃない。壁にぶつかり、もがき、はい上がってきた2016年の新人王に懸けてもいいじゃないか。少なくとも矢野監督が大事にする「気持ち」は誰よりも出ていると見るのだが...。

◆先発した阪神・秋山が3回7安打6失点で今季2敗目を喫した。「チームが苦しい状況の中で何とか力になりたかったのですが、粘ることができず、先発の役割を果たすことができませんでした」。本拠地での今季初登板。親交のある人気ダンス&ボーカルグループ「EXILE」のATSUSHIが作ったオリジナル曲「Put it on the line」をバックに登場も結果で応えることができなかった。

◆広島のマクブルームが六回に適時二塁打を放った。7日の巨人戦で頭部に投球を受け、2試合ぶりの出場。複数安打もマークし「(死球は)問題ない。生きている心地がする」と笑った。来日1年目、この日が30歳の誕生日だった。「日本で野球ができていることに喜びを感じる。一試合、一試合、チームの勝ちに貢献できるようにやっていくだけ」と殊勝に話した。

◆左太もも裏の張りで2軍調整していた阪神・岩貞が昇格。四回に今季初登板し、1回を1安打無失点に抑えた。先頭の菊池涼に右前打を許したが、小園とマクブルームから連続三振を奪い、好調の坂倉も遊飛に打ち取った。結果には胸を張りながらも「勝負ごとを含めて、そこに尽きる。それ以外のことはないし、これだけのファンが来てくれているなかでどうにか勝ちたい。その一心」と悔しがった。

◆2年ぶりに昇格した阪神・高山は五回に代打で登場。明大の後輩、森下のカーブをライナーで中前に運んだ。1軍では2020年10月5日の巨人戦(甲子園)以来、551日ぶり。そのまま出場を続け、六回に右翼の守備に就く際はスタンドから大きな拍手を受け「久しぶりにたくさんのファンのみなさんの前で野球をすることができて素直にうれしかったですし、特に緊張することなくプレーできた」と振り返った。

◆投打にわたって大活躍だ。3-0の三回2死満塁でプロ初の三塁打を放ち、走者を一掃させた広島・森下は「めちゃくちゃうれしかった」と三塁ベース上でガッツポーズをした。マウンドでは7回1失点で完投し、2勝目。「立ち上がりはどうなるかと思ったが、立て直すことができて、最後まで投げ切ることができてよかった」。投手で1試合4打点を挙げ、9回1失点以下で完投したのは96年4月25日の横浜・三浦大輔以来26年ぶり。広島では55年7月17日の長谷川良平以来67年ぶりだった。

◆大敗で唯一の光-。阪神・佐藤輝明内野手(23)が、広島戦の四回に今季2号ソロ。右翼から左翼に吹く浜風を利用し、左翼席に放り込んだ。今季最多3万8634人が詰めかけた本拠地でオフから取り組んできた課題を克服した。逆らわずにバットを振りぬいた。右から左に吹く風速4メートルが味方した。入ってくれ―。佐藤輝と虎党の願いが現実となり、左翼ポール際へ吸い込まれた。これぞ浜風打法。六甲おろしのメロディーが甲子園に響いた。「甘いところに来た球をしっかり弾き返せたので、ホームランになったことは良かった」6点を追う四回だ。先頭で打席に立つと、先発・森下の外角寄りの153キロに反応した。5日のDeNA戦(甲子園)以来、3試合ぶりの2号ソロ。今季初となる甲子園でのデーゲームで最多の3万8634人が集まった。日差しに照らされながら、鯉の攻撃ばかりを見せつけられた一日。一方的な展開で、佐藤輝の放物線だけが唯一の楽しみだったかもしれない。逆方向への本塁打は今季初。24発放った昨季も甲子園では8本のうち1本のみ。開幕前から「逆方向(への本塁打)というのは必要になってくる」と話していたように本拠地での左翼への一発は大きな意味を持つ。浜風の影響で左打者からすれば右翼への本塁打は至難の業だが、左翼への打球の場合は追い風。〝ミスタータイガース〟掛布雅之氏も現役時代、浜風を味方につけて、通算349本塁打を残した。 九回にも右前打を放ってマルチ安打とした佐藤輝の活躍に矢野監督は「久しぶりにあっち(左翼)方向にああいうホームランが出たんで。最後にもう1本出たというのも大きい」と称賛した。右翼の守備では二回に上本の飛球の目測を誤りピンチを拡大させ、三塁にまわれば九回に悪送球など課題も出たが、打って汚名返上することができるのも佐藤輝の魅力だ。「明日は絶対に勝ちたいという思いだけ。勝って喜んでもらいたいという思いが強いですし、苦しい状況ですけど、頑張って、前を向いてやっていきたい」開幕9連敗スタートのシーズン。ファンの足を球場から遠ざけない。次こそ、勝って喜ばせる。(織原祥平)■浜風弾予告VTR 佐藤輝は3月2日付のサンスポで本紙専属評論家の田尾安志氏と対談。「本拠地も甲子園。逆方向にというのは必要になってくる」と取り組んでいることを明かし、田尾氏も「風が優位に働くところ」と賛同。背番号8の先輩は体重移動の必要性や打率を向上させるための方法を伝えた。

◆阪神タイガース、試合になりまへ~ん(涙)秋山は7日のDeNA戦で先発予定だったのが、新型コロナの影響で本日に変更になった。試合前はムフフ...。調整は難しかったかもしれないけど、秋山といえば広島キラーで鯉が大好物!! ついに野球の神様も虎に味方しよったかー! と取らぬたぬきの皮算用をした俺がアホやった。二回はピッチャーの森下にみえみえのスクイズを決められただけでなく、三回は満塁一掃のスリーベースを許すって...。助けてくれ~!! 佐藤輝が一発、高山が2年ぶりのヒット。そんな、ささやかな喜びをかみしめるしかないのか。寂しいね...。) そーだ! 本日は私事を述べまーす。10日に野球漫画『あぶさん』や『ドカベン』の作者で1月に死去された水島新司先生の追悼草野球試合を明治神宮外苑の軟式グラウンドに野球仲間が集い、午前中からやるのだ!!「ダンカン耐えろよ! ダイエーも最初のころの王監督の時があり、今の強いソフトバンクがあるんやから!!」と水島先生の声が聞こえてきそうなのだ。「分かってるよ、先生。阪神も虎党も諦めるもんかー!!」

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
1040 0.714
(↑0.022)
-
(-)
12960
(+3)
57
(+2)
18
(+2)
4
(-)
0.255
(-)
0.000
(-)
2
(-)
広島
941 0.692
(↑0.025)
0.5
(-)
12972
(+9)
38
(+1)
3
(-)
6
(-)
0.269
(↑0.005
0.000
(-)
3
(-)
中日
660 0.500
(-)
3
(↓0.5)
13147
(-)
44
(-)
12
(-)
6
(-)
0.239
(-)
0.000
(-)
4
(1↑)
DeNA
550 0.500
(-)
3
(↓0.5)
13340
(-)
43
(-)
6
(-)
8
(-)
0.228
(-)
0.000
(-)
5
(2↓)
ヤクルト
670 0.462
(↓0.038)
3.5
(↓1)
13051
(+2)
54
(+3)
16
(+1)
6
(-)
0.234
(↓0.007)
0.000
(-)
6
(-)
阪神
1111 0.083
(↓0.008)
8
(↓1)
13038
(+1)
72
(+9)
9
(+1)
3
(-)
0.233
(↓0.001)
0.000
(-)