巨人(☆3対2★)ヤクルト =リーグ戦5回戦(2022.04.09)・東京ドーム=
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ヤクルト
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巨人
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勝利投手:大勢(1勝0敗7S)
敗戦投手:梅野 雄吾(2勝1敗0S)

本塁打
【ヤクルト】塩見 泰隆(2号・1回表ソロ)
【巨人】大城 卓三(2号・4回裏ソロ),立岡 宗一郎(1号・10回裏ソロ)

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◆巨人が劇的なサヨナラ勝利。巨人は1-1で迎えた4回裏、大城のソロで勝ち越しに成功する。その後同点とされるも、延長10回に立岡のソロが飛び出し、試合を決めた。投げては、10回を三者凡退に抑えた4番手・大勢がプロ初勝利。敗れたヤクルトは、5番手・梅野が痛恨の一発を浴びた。

◆巨人坂本勇人内野手(33)は通算2130安打だが、そのうち東京ドームで967安打。東京ドームでの通算安打数上位を見ると、(1)阿部慎之助969安打(2)坂本勇人967安打(3)田中幸雄818安打。球場安打記録へあと2安打と近づいている。

◆ヤクルト塩見泰隆外野手(28)が、定位置の「1番中堅」で先発メンバーに名を連ねた。8日の同カードでは今季初めてスタメンを外れ、高津臣吾監督(53)が試合後に「詳しくは言えないですが、そういう理由があると思ってください。ケガでもないかもしれないので」と説明していた。この日は試合前練習でティー打撃やフリー打撃を通常通りにこなしていた。

◆巨人の新外国人マット・シューメーカー投手(35)が、来日初球被弾を食らった。初登板初先発の1回先頭、ヤクルト塩見への初球143キロ直球を捉えられた。左翼席へ特大の先頭打者アーチを浴び、出ばなをくじかれた。帽子を取り、表情を崩して悔しがった。その後は太田を空振り三振、山田を中飛、村上を左邪飛に打ち取り、最少失点で1回を終えた。

◆復帰即100万円弾!! ヤクルト塩見泰隆外野手(28)が、定位置の「1番中堅」で先発復帰し、先頭打者本塁打となる2号ソロを放った。1回無死、巨人先発シューメーカーの初球、真ん中のストレートを捉えた打球はライナーで左中間へ。今年設置された大型ビジョンの「スターツ」のデジタル看板を直撃し、賞金100万円が贈られることになった。東京ドーム公式サイトによると、開場3年目から制定された看板直撃の「100万円弾」は、21年9月26日の阪神大山以来、通算109本目。ヤクルトでは10年7月19日のホワイトセル以来となる。塩見は「初球から積極的に打ちにいくことを決めて打席に入りました。1・2・3でいきました」と振り返った。8日の同カードでは今季初めてスタメンを外れ、高津臣吾監督(53)が試合後に「詳しくは言えないですが、そういう理由があると思ってください。ケガでもないかもしれないので」と説明していた。状態が心配されたが、頼れるリードオフマンが、1打席で結果を示してみせた。

◆巨人大城卓三捕手(29)が、勝ち越しの2号ソロで来日初登板初先発で初勝利を狙うシューメーカーを援護した。同点の4回2死、ヤクルト小川の初球135キロフォークを強振。バックスクリーン右に飛び込む、1日阪神戦以来、7試合ぶりの1発を放った。飛距離125メートル、打球速度167キロ、角度27度の本塁打。「2アウトだったので、積極的に思い切っていきました。最高の結果になってうれしいです。何とかシューメーカーを援護していきたい」と振り返った。

◆巨人桑田真澄投手チーフコーチ(54)は初回先頭のヤクルト塩見に初球を左翼席に運ばれた初先発マット・シューメーカー投手(35)について「あれは授業料みたいなものだね」とコメントした。 その後、5回終了時まで無失点を続けており「気持ちを引き締めて、高さ、コースともにしっかりと投球が出来ている。このまま粘り強く投げていってほしい」と話した。

◆巨人中田翔内野手(32)が好機で代打を送られた。同点の8回無死一、二塁の場面で、代打松原がコールされた。 初球143キロ直球に犠打を試みるもファウル。2球目の143キロシュートを三塁側へバントで転がすも、ヤクルトの投手・大西に素早く三塁へ送球され、犠打は失敗に終わった。その後、丸、ウィーラーが倒れ、無得点に終わった。中田は試合前時点で、打率2割4厘、2本塁打だった。

◆巨人が延長10回、今季初のサヨナラ勝ち。2-2の10回1死で立岡が2年ぶりの本塁打となるソロを放った。4番手で10回を抑えた大勢がプロ初勝利。ヤクルトは塩見の初回先頭打者本塁打で先行したが、接戦となって梅野が打たれた。

◆巨人が立岡宗一郎外野手(31)の劇的なサヨナラ1号で、首位を守った。同点の延長10回1死、高めに入った初球の146キロを右翼席に運んだ。本塁にかえると、チームメートの手洗い祝福が待っていた。巨人は連敗を2で止め、セ・リーグ一番乗りの10勝に到達した。 延長10回から登板し、3者凡退で1回無失点に抑えた大勢投手はプロ初勝利を挙げた。これで今季の巨人は堀田賢慎投手、戸田懐生投手、赤星優志投手に続き、4人目のプロ初白星になった。

◆ヤクルトは今季初のサヨナラ負けを喫した。前日欠場の塩見が1番中堅で先発。先頭打者弾を含むマルチ安打でけん引したが、3点目が遠かった。 高津監督は復帰したリードオフマンについて「思い切りよく初球から、素晴らしい打球でした」と評価したが、欠場した理由は明かさなかった。接戦を落とし借金1に逆戻り。指揮官は「全体的には粘り強く攻撃も守備もできたのかなと。ただ、なかなか3点目がとれなかったですね」と悔やんだ。▽ヤクルト小川(6回6安打2失点) 失点してしまいましたが、切り替えて最少失点でという気持ちで投げました。球数は多くなりましたが、粘って試合をつくることが出来ました。

◆巨人立岡宗一郎外野手(31)が、14年目にして初のサヨナラ打となる1号ソロを放った。8回に代走で出場し、2-2の延長10回1死も打席へ。ヤクルト梅野の初球、146キロ直球を右翼席にたたき込んだ。 前打者の坂本が初球を攻めるも二ゴロ。立岡は「勇人さんが1球でアウトになっちゃって(初球を)打ちに行こうか悩んだが、思い切った」と振り返った。ダイヤモンドを回り、ベンチから飛び出したナインに手荒い祝福を受けると感無量の表情。お立ち台では「最高です! 」と叫んだ。次打者には4番岡本和が控えていたため「(自分で決めて)皆さんが一番びっくりしたと思います」と場内の笑いを誘った。本塁打は20年9月16日の阪神戦以来となる通算4本目。14年目の苦労人は「毎日、競争が激しい中でどうやって自分の価値を出すかを一生懸命、毎年考えていている。正直苦しいことばかりで、いつかこういうときが来ると思ってやってきた」とかみしめるように語った。昨年結婚した妻にメッセージを求められると「これからもよろしくお願いします」と実直に述べた。チームもリーグ一番乗りの10勝で首位をキープ。立岡は「僕自身もこれから乗っていけるように、レギュラーを取るんだという気持ちで頑張ります」と語った。

◆ヤクルトが今季初のサヨナラ負けを喫し、借金1となった。前日欠場した塩見泰隆外野手(28)が1番中堅で先発復帰。先頭打者本塁打を含むマルチ安打で打線をけん引したが、3点目が遠かった。試合後の高津臣吾監督(53)の主な一問一答は以下の通り。 -ゲームを振り返って「(先発の)小川が3試合目であんまり良い状態ではないですけども、何とか勝ちをつけてあげたかったのが正直なところです」?-小川は徐々に良くなっている「そうね。粘れるようになってきたかなという感じはしています」?-昨日欠場した塩見がいい働きをした「思い切りよく、初球から素晴らしい打球でしたね」?-緊迫したゲームで、2点目も粘り強く取れた「全体的には粘り強く。攻撃も守備もすごくよくできたと思います。いいプレーもいっぱいあったし、1点を防ぐ大きなプレーもたくさんあった。ただ、次の1点をどうやって取るか。なかなか3点目がとれなかったですね」?-相手先発は初対戦。難しい部分もあったか「そうですね。簡単ではないですね。やっぱり初めて見るピッチャーなので」?-印象は「いいピッチャーだと思います。力あるし変化球もたくさんあるし」?-塩見はケガをしているようには見えなかったが「いや、ちょっとスミマセン。それは」?-中継ぎの大西がいい投球「そうですね。そういうところの粘りは、よく出来たのかなと。難しいところだったですけど、自分の特徴を生かしたピッチングが出来たと思います」

◆巨人マット・シューメーカー投手(35)は初登板初先発の初球で被弾したことに「完全に責任は自分」と振り返った。 それでも「打たれた後、次の球は一線を引くことが出来るタイプなので」と切り替え、6回2/3を5安打2失点。83球と球数を抑えた点には「確実に良いテンポは意識している。自分を助け、野手の集中を切らさないためにも有益だ」。勝敗はつかなかったが、しっかりと試合をつくった。

◆巨人原辰徳監督(63)が今季初のサヨナラ勝ちを評価した。 7回途中までを2失点にまとめた先発シューメーカーに「テンポが良くて、真っすぐ、変化球、勇気も。非常にいい投球をしてくれた」。サヨナラ弾で連敗を止めた立岡にも「思い切りの良さという点ではチームの中でも1、2だと思いますよ。なかなか打席が多く渡せない状況の中で『よくぞ打ってくれた』という感じがしますね」とたたえた。

◆同点の8回から登板した巨人鍬原拓也投手(26)は2イニングを無失点に抑え、守護神大勢につなげた。 「2回を何とか抑えることができた。毎試合どこでも任されたところでしっかり腕を振るだけ」と自分の仕事をこなした。ここまで7試合に登板し、防御率0・00の6連続ホールド。好調のチームを支えている。

◆大勢投手(22)が飛び跳ねながらベンチを飛び出した。立岡宗一郎外野手(31)のサヨナラアーチに大喜び。セーブではなく、プロ初勝利が舞い込んだ。 ウオーターシャワーの輪に近づくも「1年目というのもありますし、自分が口を付けたやつなので、コロナ的にもよくないなと(笑い)」と手に持ったペットボトルはそっとポケットにしまった。3者凡退で、勢いをたぐり寄せた。同点の延長10回。プロ8戦目で初めて、セーブ機会ではないマウンドに上がった。2死からヤクルト山田に力勝負を挑んだ。5球連続の直球でカウント2-2とし、最後は内角156キロで空振り三振。「勢いを持たせてサヨナラにつなげたいと思っていた」とガッツポーズでほえた。ここまで、78年の角三男に並ぶ球団新人最多タイの7セーブを挙げている。この日は「抑えなので勝利はあまりないかと...。その勝利をいただけたのでよかった」と劇的な結末をかみしめた。初勝利の味もまた、忘れられないものになった。【小早川宗一郎】?巨人原監督(プロ初勝利を挙げた大勢について)「万が一このイニング(延長10回)が0点だったらもう1イニングいってもらおうと、決めていた」?▼ルーキー大勢が初白星。巨人で今季初勝利を挙げたのは3月31日堀田、4月2日戸田、3日赤星に次ぎ4人目。開幕から14試合でプロ初勝利が4人は、50年毎日(榎原、荒巻、上野、佐藤)以来72年ぶり2度目で、セ・リーグでは初。

◆大勢投手(22)が跳びはねながらベンチを飛び出した。立岡のサヨナラアーチに大喜び。セーブではなく、プロ初勝利が舞い込んだ。ウオーターシャワーの輪に近づくも「1年目というのもありますし、自分が口を付けたやつなので、コロナ的にもよくないなと(笑い)」と手に持ったペットボトルはそっとポケットにしまった。 3者凡退で、勢いをたぐり寄せた。同点の延長10回。プロ8戦目で初めて、セーブ機会ではないマウンドに上がった。2死からヤクルト山田に力勝負を挑んだ。5球連続の直球でカウント2-2とし、最後は内角156キロで空振り三振。「勢いを持たせてサヨナラにつなげたいと思っていた」とガッツポーズでほえた。主戦場ではない場所での働きは、大勢に奥行きを生んだ。西脇工3年の最後の夏、兵庫大会5回戦で敗れた。チームを引退後、大学入学まで兵庫・多可町の実家近く、巻きずしの「マイスター工房八千代」でアルバイトをした。テレビでも紹介される有名店。節分には恵方巻き1万8000本もの注文が入り、大忙しだった。毎週日曜日、貴重な男手として重い荷物を運んだり、掃除をしたりとフル稼働した。施設長の藤原たか子さんは「しゃきっとして、気持ちが良い子だった」。時給900円弱で午前8時から午後4時まで働いた。藤原さんとの縁は続く。成人式、ドラフト指名直後など節目では必ず店に立ち寄ってきた。好きな食べ物を聞かれれば「マイスター工房の巻きずし。実家に帰省すると親が買ってきてくれる。いっぱい食べます」と青春時代の味は忘れない。ここまで球団新人最多タイの7セーブ。この日は「抑えなので勝利はあまりないかと...。その勝利をいただけたのでよかった」と劇的な結末をかみしめた。初勝利の味もまた、忘れられないものになった。【小早川宗一郎】▽マイスター工房八千代の藤原施設長 大勢、初勝利おめでとう。本当にいい男です。ケガだけはしないように気を付けてね。▽巨人原監督(プロ初勝利を挙げた大勢について) 万が一このイニング(延長10回)が0点だったらもう1イニングいってもらおうと、決めていた。

◆ヤクルト・塩見が先頭打者弾となる左越え2号ソロを放った。巨人・シューメーカーのストレートを捉え、「初球から積極的に打ちにいくことを決めて打席に入りました。1・2・3でいきました」と振り返った。

◆ヤクルトは1点を追う六回に1死三塁の好機で、山田が相手先発のシューメーカーから三塁線を破る適時二塁打を放ち、同点に追いついた。なおも2死一、三塁の好機だったが、長岡は一ゴロに倒れた。

◆巨人の新外国人マット・シューメーカー投手(35)が先発で来日初登板し、6回?を5安打2失点だった。塩見に初回先頭打者弾こそ許したが、決め球のスプリットを低めに制球し、丁寧に打たせて取った。直球の最速は148キロ。左足を高々と上げるフォームから小気味いいテンポで投げ込んだ。米大リーグ通算46勝の右腕は、2018年にエンゼルスで大谷翔平とプレー。巨人入りが決まってから連絡を取り「日本で楽しんできてね」と激励されたと明かしていた。

◆ヤクルトの先発・小川は6回2失点で降板した。四回に大城に勝ち越しソロを浴びたが、「失点してしまいましたが、切り替えて最少失点でという気持ちで投げた」という。打線が六回に山田の適時二塁打で追いつき、「球数は多くなりましたが、粘って試合をつくることができた」と振り返った。

◆ヤクルトが巨人にサヨナラ負けを喫した。延長十回、5番手の梅野が立岡に右越え1号ソロを浴びた。一回、先頭打者の塩見が巨人先発・シューメーカーから左越え2号ソロを放ち先制。1点を追う六回は1死三塁の好機で、山田がシューメーカーから三塁線を破る適時二塁打を放ち、同点に追いついた。先発・小川は6回2失点で降板。その後は田口、大西、石山と継投でつないだが、梅野が痛恨の被弾となった。

◆巨人・立岡宗一郎外野手(31)が2-2で迎えた延長十回にサヨナラのソロ本塁打を放った。チームはリーグ最速で10勝に到達した。お立ち台に上がったヒーローは「みなさんが一番びっくりしたと思います。最高です」と声を張り上げた。梅野が高めに投じた146キロの直球を強振し、G党が見守る右翼席に打球を運んだ。「毎年競争が激しい中、どうやって自分の価値を出すかを一生懸命考えている。レギュラーを取るんだという気持ちを持って頑張ります」と表情を引き締めた。

◆迷わず振りぬいた。一回先頭で、ヤクルト・塩見が初球を左翼席上部にあるスターツコーポレーションの看板に直撃する先制の2号ソロ。通算4本目の先頭打者弾で賞金100万円を手にした。8日は欠場したが心配を払拭する一発に「初球から積極的に打ちにいくことを決めて打席に入りました。1、2、3でいきました」。高津監督も「思い切りよく、初球から素晴らしい打球だった」と評価した。

◆八回から3番手で登板した巨人・鍬原が2回1安打無失点と好投した。5年目右腕は150キロ超の直球で押し込み、イニングをまたいでも球威でヤクルト打線を圧倒。救援陣を支えてきたデラロサとビエイラが不調で2軍調整をする中、開幕から7試合連続無失点と存在感を放つ。原監督が「よく2イニング抑えてくれた」と評価した26歳は「任されたところで腕を振るだけ」と頼もしかった。

◆巨人のルーキー大勢がプロ初勝利を手にした。2―2の延長十回に登板し、山田を空振り三振に仕留めるなど上位打線を三者凡退に抑え、その裏にチームがサヨナラ勝ち。「打撃にいい勢いをもたらせられるような投球にしたいと思って上がった」という思惑通りの結果となった。開幕から7試合連続でセーブを挙げ、8試合目で勝利。首脳陣の信頼が日ごとに増しても「始まる前から一戦一戦しっかり積み上げていこうというのは思っていた」と謙虚に話した。記念球は本塁打で客席に消えたが、忘れられない白星となった。

◆巨人は9日、ヤクルト5回戦(東京ドーム)に3―2でサヨナラ勝ち。連敗を2で止めて首位を守り、セ・リーグ一番乗りで10勝に到達した。ヒーローは途中出場のプロ14年目、立岡宗一郎外野手(31)。延長十回に自身初のサヨナラ打となる1号ソロを放ち、接戦に終止符を打った。代走や守備固めでチームに貢献する〝便利屋〟が、プレーボール弾で始まり、サヨナラ弾で終わるセ・リーグ52年ぶりの劇的勝利にチームを導いた。その目に映ったのは、苦しい時に何度も思い描いた光景だった。ファンが一斉に飛び跳ね、オレンジ色に染まった客席が揺れた。仲間たちに水をかけられながら、立岡は喜びをかみしめた。「夢中でした。『ストライクを取りに来るだろう』と一瞬の間で考え、思い切っていきました」八回に代走で途中出場して迎えた延長十回1死。ミスや拙攻で好機をものにできず重苦しい空気が漂う中、プロ14年目の勝負勘がさえた。梅野の初球、見逃せばボールの高め直球を振り抜き、右翼席中段へ。主に代走、守備固めで起用される〝伏兵〟が「ひそかな目標だった」という自身初のサヨナラ打を通算4本目の本塁打、今季初安打でマークした。ソフトバンクからトレードで加入し、今や坂本に次ぐ巨人在籍11年目。原監督が指揮した2015年に打率・304、16盗塁を記録して以降は出場機会を減らしていた。1、2軍を行き来し、もう三十路。戦力外を覚悟したのも一度ではない。「毎年競争が激しい中で、どう自分の価値を出すかを一生懸命考えて...。正直、苦しいことばっかりだった」。引退後を想像できず、社会常識や教養を身につけるためYouTubeの動画を見ることもあった。 心を奮い立たせる最大の原動力は、昨年7月7日に結婚した、3歳上の夫人の存在だ。有名アパレル店の元店長で、結婚後はサポートを最優先。1月に松原らと宮崎・都城市で行った自主トレでは現地まで駆け付け、メンバーの食事を用意してくれた。「自分だけの人生じゃない。もっと稼いで、いい思いをさせてあげたい」。今は、その一心でいる。原監督は「思い切りの良さはウチでも1、2。打席を多く渡せない中、よくぞ打ってくれた」と手をたたいた。さらに「チーム事情でファームに行ってくれというときも、僕の前では嫌な顔をしない」と献身性をたたえ、心底うれしそうに笑みを浮かべた。開始直後の初球で塩見にソロを浴び、本塁打で終了。「プレーボール弾→サヨナラ弾」の展開は、セ・リーグでは52年ぶりだ。〝珍事〟と今季初のサヨナラ勝ちを演出したのは立岡。いぶし銀の31歳はこの日、誰よりも派手な輝きを放った。(谷川直之)★二岡2軍監督に感謝 立岡は二岡2軍監督の助言に感謝の念を表した。2軍で打撃に悩んでいた今春に「自分の形どうこうよりも、打席に入ったらピッチャーと勝負するんだから」と指摘され、「めちゃくちゃ刺さった」という。若手の頃は無我夢中でバットを振っていたことを思い出し、シンプルな思考に回帰。「ああじゃない、こうじゃないって考えるのはネクスト(バッターズサークル)まで。今日みたいに1球で打てれば一番いい」と実感を込めた。

◆粘ったが、あと一歩及ばず。ヤクルトは延長十回、2―3でサヨナラ負け。高津臣吾監督(53)は勝利に結びつく「次の1点」が入らなかったことを嘆いた。「全体的には粘りよく攻撃も守備もできたと思う。1点を防ぐ大きなプレーもたくさんあった。ただ、なかなか3点目が取れなかったですね」先発は開幕投手を務めた小川。五回以外走者を背負い、6回で107球を要したがビッグイニングをつくらせず、高津監督は「勝ちをつけてあげたかった」と評価した。八回無死一、二塁では、3番手・大西がバントを三塁へ送球してアウトにする好フィールディングを披露。攻撃も六回に山田の左翼線適時二塁打で同点とするなど、しぶとさを見せた。しかし、最後は梅野が立岡に右越えソロを浴びて再び借金1。次は、この粘りを勝利につなげる。(赤尾裕希)

◆歓喜のシーンをイメージし、マウンドに向かった。劇勝を引き寄せたのは、デビューから7試合連続セーブ中だった巨人のドラフト1位・大勢投手(22)=関西国際大。十回に4番手で登板すると、上位打線を三者凡退に仕留めて攻撃へのリズムをつくり、プロ初勝利をつかみ取った。「勢いを持たせてサヨナラにつなげたいと思っていました。鳥肌というか、本当にプロ野球選手はすごい」初々しい言葉とは対照的な度胸満点の投球だった。3番・山田にはオール直球勝負。5球とも150キロを超え、最後は156キロで空振り三振に斬った。先発完投型の投手ではなく、リリーフに憧れてきた。「緊迫した場面で出て、流れを変える投球をしたいというのは、ずっと心掛けてやっていた」。抑えを担う黄金ルーキーは日々、理想像に近づいている。(鈴木智紘)

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<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
1040 0.714
(↑0.022)
-
(-)
12960
(+3)
57
(+2)
18
(+2)
4
(-)
0.255
(-)
0.000
(-)
2
(-)
広島
941 0.692
(↑0.025)
0.5
(-)
12972
(+9)
38
(+1)
3
(-)
6
(-)
0.269
(↑0.005)
0.000
(-)
3
(-)
中日
660 0.500
(-)
3
(↓0.5)
13147
(-)
44
(-)
12
(-)
6
(-)
0.239
(-)
0.000
(-)
4
(1↑)
DeNA
550 0.500
(-)
3
(↓0.5)
13340
(-)
43
(-)
6
(-)
8
(-)
0.228
(-)
0.000
(-)
5
(2↓)
ヤクルト
670 0.462
(↓0.038)
3.5
(↓1)
13051
(+2)
54
(+3)
16
(+1)
6
(-)
0.234
(↓0.007)
0.000
(-)
6
(-)
阪神
1111 0.083
(↓0.008)
8
(↓1)
13038
(+1)
72
(+9)
9
(+1)
3
(-)
0.233
(↓0.001)
0.000
(-)