阪神(☆4対0★)DeNA =リーグ戦1回戦(2022.04.05)・阪神甲子園球場=
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DeNA
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阪神
31000000X4601
勝利投手:西 勇輝(1勝0敗0S)
敗戦投手:ロメロ(1勝1敗0S)

本塁打
【阪神】佐藤 輝明(1号・1回裏2ラン)

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◆阪神が連敗を9で止めた。阪神は初回、中野の適時打と佐藤輝の2ランで、幸先良く3点を先制する。続く2回裏には、相手の暴投の間に1点を加え、リードを広げた。投げては、先発・西勇が9回無失点の快投。今季初勝利を完封で飾った。敗れたDeNAは、投打ともに振るわなかった。

◆DeNA佐野恵太外野手(27)は開幕から全試合でヒットを記録と好調をキープ。今日の相手先発・西勇には通算対戦打率3割6分4厘だが、昨季は6打数ノーヒットに抑えられた。今季の対戦ではヒットを打てるか。

◆今年の甲子園初戦を迎えた阪神が、最初のプレーでいきなり「リクエスト」した。プレーボールから2球目。桑原の遊撃前のゴロは少し不規則なバウンドとなり、中野が何とかさばいて素早くスローイング。一塁は微妙なタイミングながらセーフとなった。矢野燿大監督(53)はすぐさまベンチを出てリクエスト。リプレー検証の結果、判定はそのままだった。まさかの開幕9連敗で迎えた今年初の甲子園。長らく甲子園開幕を待ってきたファンのざわめきはしばらくの間、収まらなかった。

◆今年の甲子園初戦で、阪神佐藤輝明内野手(23)が今季1号アーチをかけた。 初回、1点を先制してなお1死一塁の場面。ロメロの148キロの内角球に反応し、右翼席まで運んだ。「打ったのはツーシーム。いや、もうめちゃくちゃうれしいです。本拠地でたくさんのファンの方々も来ていただいていますし、絶対に勝ちます!」興奮気味に球団広報を通じてコメントした。開幕から4番に起用され、フルイニング出場してきた2年目の大砲。10試合目、40打席目でようやく飛び出した今季1号だった。一塁走者の糸井が二塁ベース手前で大飛球の行方を見ていた。本塁打を確信していなかった佐藤輝は猛然とダッシュ。あやうく糸井を抜きそうになり、急ブレーキ。糸井のすぐ後ろを追いかけるようにホームに帰ってきた。

◆DeNAが、阪神に4球で先制を許した。1回、先発のロメロが1ボールからの2球目を近本に中前打。中野の初球に暴投で二塁に進塁され、2球目を右前適時打を浴びた。糸井は3球で捕ゴロに抑えたが、1死一塁から4番佐藤輝に初球を右翼席に運ばれ、8球で3点を失った。前回登板の中日戦では8回無失点、91球とリズムの良さが光ったが、阪神打線の積極的な攻撃に出ばなをくじかれた。

◆劇団四季俳優の飯田洋輔が本拠地開幕戦で、君が代を独唱した。歌い終えると「いや~もう、緊張しました。なかなかこんな機会を頂くことはないので、大好きな阪神タイガースが今日は必勝ということで、心を込めて歌わせていただきました」と力を込めた。飯田は「生まれたときから阪神ファン」と言い、「もう今日こそは絶対勝つつもりで。一生懸命応援したいと思います」と語った。現在は、大阪四季劇場で上演中のミュージカル「オペラ座の怪人」で怪人を演じている。

◆漫才コンビ、笑い飯の哲夫(47)西田幸治(47)が、「アサヒスーパードライナイター」のファーストピッチセレモニーに登場した。マウンドに立った西田は場内アナウンスの「準備はよろしいですか?」の問いに、首を横に振って笑いを取った。開幕9連敗中の阪神、甲子園で初勝利なるか その後、準備を整えて“クイックスロー”で投じたボールは、山なりながらノーバウンドで届かせ、打席に入っていた哲夫が豪快なアッパースイングで空振りした。人生初の始球式だったという西田は「いやー、やっぱり緊張しましたよね。やっぱりすごい場所なんで。あそこに上がった人間で一番運動神経ないと思うので」とニヤリ。阪神の連敗が続いているだけに「これで調子よくなると『おっ、笑い飯来たからかな』ってこと言ってもらえたらいいなと思います」。哲夫は「アサヒ(ビール)さんの御利益とかもあると思いますけど、ぼくらも一応(M-1)チャンピオンなんで。そういうご縁は残してきたつもりなんでね。そのご縁をくみ取っていただいて。今日は勝っていただこうと」とエールを送った。

◆DeNAフェルナンド・ロメロ投手(27)が、暴投で追加点を許し、開幕から9連敗中の阪神に主導権を奪われた。 3点ビハインドの2回、先頭の小幡の初球に二塁打を浴び、西勇の犠打で1死三塁。カウント1-1から1番近本への3球目をひっかけ、捕手の山本が懸命に止めようとしたが、ボールが一塁側に転がる間に三塁の小幡がスタートした。投手のロメロも必死にベースカバーに入って、頭からホームに突っ込んだ小幡にタッチ。セーフの判定に三浦監督がリクエストを要求したが、判定は覆らず、4点目を失った。1回は近本に2球目を中前にはじき返され、中野の初球に暴投で二塁に進塁され、2球目を右前適時打で計4球で先制点を献上。1死一塁からは4番佐藤輝に初球を右翼席に運ばれ、計8球で3点を失った。

◆DeNA楠本泰史外野手(26)が、体を張ったビッグプレーを連発し、両チームのファンから大きな拍手を浴び、プロ野球のすごみを体現した。4回2死、西勇の右翼ファウルゾーンへの飛球をフェンスに激突しながら、好捕するファインプレー。5回1死一塁では糸井の右翼方向への飛球を懸命に追い掛け、最後はジャンプでキャッチした。フェンスに激突しながら、ボールは離さず、すぐにボールを返球。一瞬、しゃがみ込み、ベンチから小池コーチ、トレーナーがグラウンドに現れたが、自らの手で制止し、プレーを続行した。左翼席に集まったDeNAファンはもちろん、黄色に染まった右翼スタンドからも大きな拍手が沸き起こって、球場中が温かい空気に包まれた。

◆阪神はセ・リーグワースト記録を更新していた開幕からの連敗を9で止め、今季初勝利を飾った。今季初めての甲子園ゲーム。4番佐藤輝明内野手(23)の今季1号2ランがネガティブな空気を吹き飛ばした。1回、2番中野拓夢内野手(25)の右前適時打で先制。さらに1死一塁、4番佐藤輝が右腕ロメロの初球、内角148キロを右翼席に運んだ。開幕から4番を任される今季は10試合目、40打席目で待望の初アーチ。甲子園では21年6月20日巨人戦以来、289日ぶりの1発が一気に今季初勝利を呼び込んだ。

◆阪神はセ・リーグワースト記録を更新していた開幕からの連敗を9で止め、今季初勝利を飾った。今季初めての甲子園ゲーム。4番佐藤輝明内野手(23)の今季1号2ランがネガティブな空気を吹き飛ばした。1回、2番中野拓夢内野手(25)の右前適時打で先制。さらに1死一塁、4番佐藤輝が右腕ロメロの初球、内角148キロを右翼席に運んだ。開幕から4番を任される今季は10試合目、40打席目で待望の初アーチ。甲子園では21年6月20日巨人戦以来、289日ぶりの1発が一気に今季初勝利を呼び込んだ。前日4日には藤原崇起オーナー(70=阪神電鉄会長)が早くも代表取材に対応していた。すでに今季限りでの退任を表明している矢野燿大監督(53)について、シーズン最後まで指揮を託すのかという質問に「当然の話です」と即答。球団トップが事態の沈静化を図る中、この日は投打ともに主力が意地を見せた。今季2試合目の先発となった西勇輝投手(31)は20年9月17日巨人戦以来の完封勝利で今季初白星。開幕10試合目、虎がようやく落ち着きを取り戻した。

◆名物のジェット風船飛ばしが今季も禁止されている甲子園で、LED照明による「模擬ジェット風船」の演出が初披露された。 照明のLED化により点滅が瞬時にできるようになり、映像、音響と連動した照明演出が可能になった。試合前や本塁打時の演出に加え、7回の「ラッキーセブン」の攻撃前には4カ所の照明灯に「7」の時が浮かび上がり、本来ジェット風船を飛ばすタイミングで、風船が飛んでいく様子が表現された。観客は声を出せないため、風船が描かれたグッズを揺らしながら、ラッキーセブンの応援を楽しんだ。

◆DeNAが、開幕から9連敗中だった阪神に敗れ、連敗を喫した。先発のロメロが1回に近本、中野の連打で先制され、4番佐藤輝の2ランでこの回3失点。2回にも暴投で追加点を許し、4回4失点でマウンドを降りた。打線は先発の西勇を相手に、走者を出しながら、1点が遠かった。最大のチャンスだった2回1死二、三塁では山本が空振り三振、ロメロが二ゴロに凡退。コーナーを広く使った西勇の前に沈黙した。昨季、チームは開幕戦から2分けを挟み、6連敗を喫し、開幕9戦目で初勝利を挙げたが、今季は広島との開幕3連敗の後に4連勝を達成。三浦監督就任後初の貯金1としたが、連敗で再び借金生活に戻った。

◆阪神が開幕からの連敗を9で止め、ようやく今季初白星を挙げた。今季初の甲子園で初回に佐藤輝明内野手(23)が1号2ラン。西勇輝投手(31)が7安打で無死四球の完封と理想の展開だった。初のお立ち台には投打のヒーロー2人が呼ばれた。 2年目の佐藤輝は初めて経験する満員の甲子園の感想を聞かれ「最高です!」と一言。「初球から強い当たりを打つつもりで集中して、打席に立っていました。ぎりぎりだったんですが、入ってくれてホッとしました。今シーズン(本塁打を)打てなかったので、1本目という意味でもすごくホッとしました。なかなか勝てない日々が続いた中で、今日をきっかけに、明日から勝っていって巻き返したいと思います」完封の西勇は笑顔でインタビューに応えた。「僕は遠征に行ってないので、連敗とか気にせず普通通りにマウンドに上がりました。途中からリズムがよくなってきて自分のテンポで投げられた。(完封は)ワンチャン、いけるかもと思っていた。チームの流れを背負っている感じだったので、何とか長いイニングを放って継投に-という一心で投げた結果が、完封だったのでよかったです。久しぶりにたくさんの方々に来てもらって、後押しというか、いつも出ないようなパワーが出ました。チームみんなで、矢野さんに笑っていただけるような試合展開にしたいです」今季から導入されたLED照明による演出が勝利後も場内を彩った。光を落としたグラウンドでヒーローインタビューが行われ、4基の照明にはドット絵で「VICTORY」と浮かび上がった。

◆DeNAが、開幕から9連敗中だった阪神に完封負けを喫し、阪神に今季初勝利を許した。昨季は連敗を10で止めた阪神を相手に、今季はやり返された。 スコアボードを見返すと1、2回の計4点が重くのしかかった。1回に先発ロメロが4球で先制を許し、佐藤輝の2ランでこの回3失点。2回にはロメロの暴投で追加点を与えた。チームは開幕3連敗の後、4連勝を達成したが、4試合ともに先制した。この試合では勝利の鉄則とも言われる先制点、バッテリーミスも絡んだ失点で主導権を奪われ、反撃も難しかった。その一方で、阪神の先発の西勇は、無四球で完封した。今季、投手陣には80%以上の確率で投手有利のカウントを作ることをテーマに掲げるが、相手エースがコントロールの重要性を実証した。三浦監督は「立ち上がり、積極的に来てるところをね、リズムに乗れずに仕留められた。なかなか序盤に3点、4点目というのは大きかったですけどね。丁寧に攻められた」と悔しさをにじませた。

◆やっと、やっと、やっと虎が勝った! 矢野阪神が開幕からの連敗を9で止めた。打のヒーローは4番の佐藤輝明内野手(23)だ。中野の適時打で1点を先制した初回。DeNAロメロの内角真っすぐを捉えた中押し2ランを右翼に運んだ。40打席目の22年1号に右手を突き上げ、ベンチでもほえるなど感情爆発。入場制限解除で3年ぶりに満員となった22年甲子園初試合でファンも熱狂させ、チームの息も吹き返させた。 今季初甲子園での快勝にファンも熱狂した。地元西宮市の浜田茜さん(14)夏芽さん(8)姉妹はとびきりの笑顔。家族によると「1年に何回かしか泣かない」という茜さんは佐藤輝の本塁打に号泣。「この1年で一番うれしかった。たぶん来年まで合わせても一番うれしい」と会心の笑みだ。大阪・高槻市の柿本健太郎さん(31=会社員)は佐藤輝が三塁を守ると期待して、三塁側アルプス席に陣取った。右翼席への大きな放物線を見届け「最高でした。一体いつ勝つのかなと思って…。初戦の京セラドームでは逆転されたので、最後までヒヤヒヤしながら見ていました」と熱戦を堪能。大阪市の土屋美和さん(接客業)は夫、妹と観戦。「サトテルの本塁打の瞬間は、思わず席を立ってしまいました。西さんの完封も最高。開幕戦も見に行って残念だったので、リベンジできました!」と大喜びだった。

◆阪神1番近本光司外野手が打線に勢いをつけた。初回先頭で中前打。一気に甲子園のボルテージを上げ、3点の先制攻撃を呼び込んだ。2打席目は右前打。5回も先頭で四球を選んで計3出塁と、1番打者らしい仕事ぶりだった。矢野監督も「近本が出て、というのがうちのパターン。(中野)拓夢もよくつないでね」と、1、2番コンビの活躍をたたえた。

◆阪神の2番中野拓夢内野手(25)がわずか4球の先制劇を決めた。1回、1番近本が2球目を中前打。暴投で無死二塁となった直後の2球目、右腕ロメロの低め149キロツーシームを丁寧に引っ張った。 「こういう苦しい状況の中、なんとか先に点を取りたかった。最近走者が出た時になかなか進められない打撃が多かった。なんとか後ろにつなごうという気持ちでした」強いゴロで一、二塁間を抜き、今季初打点を記録。決勝打で開幕9連敗の残像を消し去った。下肢のコンディション不良から滑り込みで開幕スタメンスタート。ただ、1日巨人戦では4回裏の守りからベンチに下げられていた。「気持ちを感じない。最近、球際にちょっと弱い。『気』が出ている感じがしない」。矢野監督の指摘を無駄にはしたくなかった。「『自分がチームを勝たせる』という気持ちを持ってやっていかなきゃいけないなと、あの途中交代で感じました」この日もバントミスなどで一塁走者を進められない場面があった。「あとはチーム打撃。バントも含め、自分は小技が大事になってくる」。1勝、一打で浮かれない。【佐井陽介】

◆今季初スタメンの阪神小幡竜平内野手(21)が連敗ストップに一役買った。 8番二塁で出場。2回先頭で、ロメロの初球内角球を鋭く振り抜いて右翼線へ二塁打。三進後、捕手が少し後逸(暴投)する間に、好判断で頭からホームインした。「今日は気持ちが高ぶっていて、絶対やってやろうと。(二塁打は)迷わず初球からいこうと思っていました。練習で感じがすごい良かったので、そのまま臨めました」と充実の表情だった。

◆阪神がDeNAに快勝し、連敗を9でストップさせた。初回に1番近本、2番中野が連打で4球で先制すると、4番佐藤輝明内野手(23)に1号2ランが飛び出した。投げては西勇輝投手(31)が7安打を浴びながらも、118球で完封勝利を挙げた。矢野燿大監督(53)の試合後の一問一答は以下の通り。 -今シーズン初勝利、今のお気持ちはうーん…まあ苦しいスタートになったんでね。この1勝で喜んでいいのかなという気持ちと。でも素直に喜びたいなという、はい、そういう気持ちです。-本拠地・甲子園での開幕での勝利コロナ禍でね、制限があった中で今まで野球やってきましたけど。多くのファンの皆さんが来てくれた。そういう力でね、僕らのパワーに変わったと思います。-選手たちの執念を感じる勝利だったうん、本当にうまくね、行かないことばかりですけど。テレビをご覧の皆さんも、うまく行っている人生を歩んでいる方ばかりではないと思うんでね。僕たちもそういう、もがきながら苦しみながら前に進む姿から、なんとかね、元気を届けられるような、そういう気持ちでみんな戦ってくれたと思います。-初回は上位が4球で得点を奪ったそうですね、近本が出てというのがうちのパターンですし。(中野)拓夢もよくつないでね、(佐藤)輝のホームランというね、最高の形になりました。-佐藤輝の1発は大きな1発になったちょっと上がったんでね、ちょっと浜風も若干吹いていたんでね。厳しいかなと思ったんですけど、よく入ってくれました。-最後に左へのヒットもあっただいぶ自分の形というか、そういうふうになってきていると思いますんで、本当に頼もしく、もっともっと成長してもらわないと困るんで。もっと輝のバットで勝てる試合にしていってほしいです。-西勇が9回まで本当に序盤の1、2回のピンチを切り抜けたというのが一番大きかった。その後は坂本と、丁寧に投げるという勇輝らしさをしっかり出してくれた。いい投球でした。-最後は西勇に託したそうですね。代打を出すつもりもなかったですし。最後まで勇輝に任したい、そういう思いでした。-明日に向けて本当に、こういう結果になってチーム自体も僕自身も前を向いてやっていくということが一番大事ですし。あまり先のことを考える余裕もないですけど、明日の試合、全員で全力で戦っていきます。(囲み)-1勝の価値や重みを感じるかいやそれは、もう…うーん…。やっぱりこう負けるとね、いいイメージってなかなか付きにくい。そういうのもみんな振り払おうとしてやってきたんやけど。なかなか結果に結びつかなくて。…うーん、まあまあ、もちろん俺がね、監督として指揮を執らせてもらっているし、もちろん責任も感じているし。その中でみんななんとかしようっていう気持ちでやってくれていたので。それが結果に出ないのがもちろん難しかったけど。どこからでもスタートできるっていうのも、この3年間の中でも言ってきたし。自分自身もそう言い聞かして。だいぶ遅いスタートになったけどね、この1勝がそのスタートになるようにやっていきたいね。-バッター陣は積極的なスイングをまあまあ、結果が出れば、そういうふうにも映るというか言われる。でも、ずっと言っているように超積極的にやるのがうちの野球なんで。今日のことが特別ではないと思うし。これからもずっとそういう気持ちで戦っていくことを大事にしている。-佐藤輝が4番で貢献もちろん、まだ経験も浅いし、期待っていうのは、みんなが思っているようにホームラン打ったり、数字を上げたりっていうところになってきてしまう打順でもあるので、そういうところでは、経験を積みながら成長をしていってくれたらっていうところの4番なので、外せない4番、真の4番になってくれたらいいし、悠輔(大山)がそこにからんで争うようになってくれたらいいなと思っています。-2回の守りと攻撃がすごく大きかったのではまあ、もちろん勇輝(西)ももちろん粘ってくれたし、竜平(小幡)のツーベースで、いいスタートで(三塁走者から暴投で)かえってきてくれたっていう判断も大きかったし、初回、2回と結果的には勝負を振り返ればポイントになったかなと、。守る方は守る方でしっかり守ってくれたし、それぞれがしっかりやってくれたイニングだったと思います。-監督自身、昨日1日空いて切り替えられた部分はそれは勝ったから切り替えられたとか、そうなると思うし。でも、いつでも切り替えようと自分でも努力はしているし、それが皆さんにどう映っているか分からないけど。僕自身、毎日、もう1回、もう1回と言いながらやっているので。でも、それはこの世界、結果でしか示せない部分もあるし。それはどう映っているのか自分では分からないので。でも、自分自身ではそう思いながら戦っている。-甲子園で力をもらったかそれは、やっぱりね。久しぶりというか、京セラの開幕戦もほぼ満員でやらせてもらったし、ここ何年かそういう環境でやることなかったので、甲子園でライト(照明が今季からLED)も新しくなった中、みなさんが来てくれたのは大きな力になっているので。苦しい状況なのでね、今日なんて、ファンのみなさんも『声援で勝たせてやる』っていう気持ちで来てくれた人も多かったと思いますけど、全員で力をもらいました。

◆DeNAが、開幕9連敗中だった阪神に敗れ、17年、19年、21年に続いて大型連敗ストップの相手役となる屈辱を味わった。19年には、16連敗中だったヤクルトに2-5で敗戦し、11連敗中だった広島にも5-8で敗戦。昨年は10連敗中だった巨人に2-3で敗れ、相手チームの大型連敗が止まった。17年にも9連敗中だったヤクルトに1-11で敗戦した。昨季はDeNAが阪神戦で連敗を10でストップしたが、今季は逆の立場でやり返された。

◆阪神西勇輝投手(31)が、完封勝利でチームの連敗をストップさせた。9回を投げ切り、7安打4奪三振。118球の熱投で、20年9月17日の巨人戦以来、プロ10度目の完封でチームに待望の「1勝」をもたらした。「僕は(東京)遠征行ってないので、連敗とか気にせず普通通りにマウンドに上がりました」。残留組の利を生かし、邪念を振り払った投球で、チームの完投&完封一番乗り。先発としての役割を全うした。1つ1つ丁寧にアウトを積み重ねていった。最大のピンチは3点の援護をもらった直後の2回。1死一塁から大和に左越えの二塁打を浴び、二、三塁のピンチを招いた。だが要所を締め、流れを渡さなかった。「(佐藤輝に)大事なところで打ってもらって、次の回に失点をしないようにということだけ考えていた」。その後はリズム良く投げ込み、3回以降は二塁すら踏ませない投球で、DeNA打線を寄せ付けなかった。プロ14年目で経験豊富な右腕は、若手への声かけを大切にしている。「ベテランができることは言葉のフォローだと思う」。試合中にミスをした後輩に優しく笑顔で声をかけ、気持ちを和ませる。今季初登板の前回3月29日広島戦では7回途中1失点と力投。しかし1点リードの9回にケラーが1死満塁のピンチを招き、後を託された湯浅がサヨナラ打を浴びた。自身の勝ち星は消えたが、悔やむ後輩に救いの手を差し伸べた。「中継ぎが抑えても、打たれたとしても、前に出て全員を鼓舞し続けることが自分のやるべき姿だと思う」。投手陣の先頭に立ち、チームをけん引している。チームの窮地を救った右腕に、矢野監督は「最後まで勇輝に任したい思いでした。丁寧に投げる勇輝らしさをしっかり出してくれた。いい投球でした」とたたえた。西勇も「チームみんなで笑顔で、矢野さんに笑っていただけるような試合展開にしたい」と笑顔。背番号16が、最高の形で悪夢に終止符を打った。【古財稜明】

◆やっと、やっと、やっと虎が勝った!矢野阪神がセ界ワーストだった開幕からの連敗を9で止めた。打のヒーローは4番の佐藤輝明内野手(23)だ。中野の適時打で1点を先制した初回。DeNAロメロの直球をとらえて右翼席に運んだ。40打席目の22年1号2ランに右手を突き上げ、ベンチでもほえるなど感情爆発。入場制限解除で、この3年間で最多の3万7408人が集まった今季初の甲子園でファンを熱狂させ、チームの息も吹き返させた。虎の4番が満員の甲子園で高々と拳を突き上げた。1回に中野の適時打で先制してなお1死一塁。「初球から強い当たりを打つつもりで集中して打席に立っていました」。DeNA先発ロメロの初球、148キロの速球を完璧に捉え、右翼席に待望の1号を描いた。佐藤輝 本当にぎりぎりだったので一生懸命走りました。今シーズン(本塁打を)打てなかったので、1本目という意味でもすごくホッとしました。ホームを踏むと、糸井と右手、左手でタッチを交換。ともに両手を目の上に乗せ、空をのぞく新パフォーマンスを決めた。「タティスとマチャドのが、格好いいなと2人で言っていて」。パドレスの昨季本塁打王のタティスJr.と主砲のマチャドが昨年行っていたパフォーマンスを近大の先輩後輩流にアレンジした。キャンプから新任の藤井康1・2軍巡回打撃コーチと二人三脚でフォーム改造に着手。「構えから変えた」と軸を意識した新モデルにチェンジしたが、変わったのは見た目だけではなかった。「基本的に、ボールだと思ったら、自信を持って見逃しているんです」。課題の内角高めの直球。外角低めの変化球。際どいコースに限りなくバットを動かさない。そして、日々の取り組みの中、1つの結論にたどり着いた。「ボール球だと思って見逃して、ストライクと言われたらしょうがないですよね。そういうボールだと思ったところに手を出してしまうと、余計にそっちの方が三振が増えてしまう」。昨季は10試合時点で18三振も、今季は7三振に抑えている。見逃し三振もいとわない究極の好球必打。フォーム改革は意識改革も生んだ。この日の練習でも藤井康雄コーチと微調整を行った。藤井康コーチも「本人も気持ちよく振れている。今日の試合は楽しみかな」。師匠の予感に1発回答した。勝利の瞬間、二塁ベース付近で近本や江越と抱き合った。「いやもう、間違いなく。特別な1日ですね」。ヒーローインタビュー後、勝利の六甲おろしが流れ、満員のファンと最後まで勝利に浸った。シーズンは始まったばかり。「これをきっかけにしてやるしかないので、チーム一丸となって」。4番の本領発揮はこれからだ。【三宅ひとみ】▼佐藤輝明が今季初本塁打。昨シーズン甲子園で佐藤輝が本塁打を放った試合での勝利は、5月2日広島戦が最後。6月3日オリックス戦に始まった甲子園での連敗は、4で止まった。▼佐藤輝明が初回に本塁打したのは、プロ1号の昨年3月27日ヤクルト戦以来2本目。初球本塁打は、昨季6月20日の巨人戦以来こちらも2本目となった。

◆やっと、やっと、やっと虎が勝った!矢野阪神がセ界ワーストだった開幕からの連敗を9で止めた。打のヒーローは4番の佐藤輝明内野手(23)だ。中野の適時打で1点を先制した初回。DeNAロメロの直球をとらえて右翼席に運んだ。40打席目の22年1号2ランに右手を突き上げ、ベンチでもほえるなど感情爆発。入場制限解除で、この3年間で最多の3万7408人が集まった今季初の甲子園でファンを熱狂させ、チームの息も吹き返させた。勝利の瞬間、佐藤輝は二塁ベース付近で近本や江越と抱き合った。「いやもう、間違いなく。特別な1日ですね」。ヒーローインタビューでは「最高で~す!」とここ3年で最多観衆の3万7408人の前で喜びを爆発。ついに開幕からの連敗を9で止めた。しかも40打席目で出た自身の効果的な1号2ランで。勝利の六甲おろしが流れる中、ファンと余韻に浸った。1回に中野の適時打で先制してなお1死一塁。「初球から強い当たりを打つつもりで集中して打席に立ちました」。ロメロの初球、148キロの速球を完璧に捉え、高々と舞い上がった打球が右翼席に放物線を描くと右手を天に突き上げた。佐藤輝 本当にぎりぎりだったので一生懸命走りました。今シーズン(本塁打を)打てなかったので、1本目という意味でもすごくホッとしました。ホームを踏むと、糸井と右手、左手でタッチを交換。ともに両手を目の上に乗せ、空をのぞくしぐさの新パフォーマンスを決めた。「タティスとマチャドのが、格好いいなと2人で言っていて」。パドレスの昨季本塁打王のタティスJr.と主砲のマチャドが昨年行っていたパフォーマンスを近大の先輩後輩流にアレンジして、喜びを爆発させた。チームは開幕戦で7点差を逆転され、そこから泥沼9連敗。佐藤輝もこの間、ノーアーチが続いた。2日の巨人戦では9回に一打同点の場面で遊直併殺に倒れて試合が終わり、頭を抱えたこともあった。全試合4番を任されるが勝利を呼べず、もどかしい日々…。だが決して下を向くことはなかった。「次の試合でしっかり勝てるように頑張ります」と言い続けてきた。試合前のフリー打撃では、広島と東京遠征に同行していなかった藤井康1・2軍巡回コーチの指導を仰いだ。「ちょっとボールを受け過ぎるところがあった。一番打って飛ぶポイントはどこか。ちょっと修正ができたかな」。師匠との久々の再会が、会心の一撃につながり、苦しむチームの雰囲気も変えた瞬間だった。シーズンはまだ、133試合ある。「これをきっかけにしてやるしかないので、チーム一丸となって」。4番の本領発揮はこれから。背番号8が大逆襲のシンボルになる。【三宅ひとみ】▼佐藤輝明が今季初本塁打。昨シーズン甲子園で佐藤輝が本塁打を放った試合での勝利は、5月2日広島戦が最後。6月3日オリックス戦に始まった甲子園での連敗は、4で止まった。▼佐藤輝明が初回に本塁打したのは、プロ1号の昨年3月27日ヤクルト戦以来2本目。初球本塁打は、昨季6月20日の巨人戦以来こちらも2本目となった。

◆阪神はセ・リーグワースト記録を更新していた開幕からの連敗を9で止め、今季初勝利を飾った。長かったトンネルをやっと抜けた。阪神矢野監督は厳しい表情のまま小さくガッツポーズし、グータッチでナインをたたえた。セ・リーグ史上初だった開幕9連敗に終止符。「苦しいスタートになったんで。この1勝で喜んでいいのかなという気持ちと、素直に喜びたい気持ちと…」。4-0快勝にも笑顔はなかった。10連敗なら野村監督時代の99年以来23年ぶり、球団4度目の2桁連敗だった。流れを変え、背中を押してくれたのは、3万7408人のファンで埋まった満員の甲子園だった。「多くのファンのみなさんが来てくれた。そういう力が僕らのパワーに変わった。ファンのみなさんの『声援で勝たせてやる』という気持ちを、全員で力をもらいました」と感謝した。1月31日に今季限りでの退任を表明して挑んだシーズン。開幕投手の青柳やガンケルが直前で離脱。中継ぎ陣も整備できず、スアレスの代役として期待したケラーがわずか2試合で失格。不動の3番のはずのマルテが右足コンディション不良で離脱するなど、誤算が続いた。開幕戦のヤクルト戦で7点差を逆転負けしてから9連敗。「いつでも切り替えようと努力している。僕自身、毎日、もう1回、もう1回と言いながらやっている。この世界、結果でしか示せない部分もある」と、もがき苦しんだ。前日4日、藤原オーナーが今季終了まで指揮を執らせる考えを明言。その総帥が訪れた御前試合で連敗地獄に終止符を打った。矢野監督は「もちろん責任は感じている。だいぶ遅いけど、この1勝がスタートになるように」と懸命に前を向いた。借金8で最下位の現実も受け止めつつ、反攻態勢を整える。【石橋隆雄】

◆阪神はセ・リーグワースト記録を更新していた開幕からの連敗を9で止め、今季初勝利を飾った。今季初めての甲子園ゲーム。4番佐藤輝明内野手(23)の今季1号2ランがネガティブな空気を吹き飛ばし、初勝利を呼び込んだ。阪神佐藤輝の活躍を励みに闘病し、この春から大学で再び野球人生をスタートさせた人がいる。兵庫・仁川学院の4学年後輩・槙原葵人(あおと)さん(18)だ。19年9月に急性骨髄性白血病を患い、翌年2月まで入院。20年8月の兵庫県独自大会に4番遊撃手で出場したが、その直後に再発して闘病が続いていた。槙原さんのことを聞いた佐藤輝は、阪神からドラフト1位指名されてすぐの20年11月、自宅に見舞った。その後は、昨年2月のキャンプで本塁打を放ったバットも届けた。槙原さんは「病室でドラフト会議を見ていて、阪神がくじを引き当ててびっくりしました。先輩ですが雲の上の存在。いただいたバットは部屋に飾っていて、毎日見ています」と話す。多くの励ましが支えとなったが、その中でも佐藤輝は特別だった。闘病の影響で、卒業は同い年の仲間より1年遅れたが、地元の宝塚医療大に合格。阪神大学野球リーグ2部西地区に加盟する硬式野球部で再びプレーする。「しんどいけど、野球ができるうれしさが勝ってますね」と笑う。入院中、一緒に筋力トレーニングを手伝ってくれた理学療法士に憧れ、「次は僕がお世話をする番に」と同職を目指す。この日は甲子園の一塁側指定席で観戦。1回に放った1号2ランをしっかり目に焼き付けた。「すごかった。初めて生で(佐藤輝さんの)本塁打を見ました。やっぱり人気も絶大ですね」と力をもらった。同じ左打者。仁川学院時代、どんなにスイングしても、ロングティーで校舎の窓ガラスを割った佐藤輝のような打球は打てなかった。この日も120メートルのアーチを見て、やっぱりすごいと感じた。佐藤輝にも大学で野球を続けることは伝わっている。巧打の遊撃手として、今度は槙原さんが恩返しの活躍を届ける。【石橋隆雄】

◆阪神のドラフト6位・豊田寛外野手(24)=日立製作所=が試合前のフリー打撃で41スイング中、4本の柵越えを放った。右足のコンディション不良で離脱したマルテに代わって、3日に1軍初昇格。同日の巨人戦(東京ドーム)に代打で出場し、空振り三振に倒れていた。チームはこの日が、本拠地・甲子園での今季初戦。プロ入り後、初の聖地に立つルーキーが、虎を勢いに乗せる。

◆阪神・佐藤輝明内野手(23)が試合前のフリー打撃で43スイング中、柵越え10本を放った。開幕から全9試合で4番を任されている主砲は試合前まで打率・286、4打点、0本塁打。広島、東京の遠征には帯同していなかった藤井康雄1、2軍巡回打撃コーチ(59)から指導される場面も目立った。一発が期待される佐藤輝について、藤井康コーチは「ちょっとボールを受けすぎるところがあったので、気持ち、ポイントを。一番打って飛ぶところはどこかというところの修正ですね。自然と(ポイントが)前になった感じです」と説明。今季の甲子園初戦を前に、同コーチは「期待しましょう」と目を細めた。

◆両軍のスターティングメンバーが発表された。9連敗中の阪神は西勇輝投手(31)が先発。前回3月29日の広島戦(マツダ)では勝ち星こそつかなかったが、6回?を4安打1失点と好投した。今季の甲子園〝開幕戦〟での白星&連敗ストップをかけて、マウンドに向かう。また、小幡竜平内野手(21)が「8番・二塁」で今季初のスタメン出場となった。

◆阪神は佐藤輝明内野手(23)が今季1号2ランを放つなど一回に3点を先制した。一回に先頭の近本が中前打を放つと、暴投で二塁に進んだ。続く中野が右前適時打を放って先制に成功。糸井は捕ゴロに倒れたが、1死一塁で佐藤輝が打席に立った。ロメロの初球、内角の148キロ直球を一閃。高く上がった打球は虎党が待つ右翼スタンドへ着弾した。今季10試合目、甲子園での〝開幕戦〟で初アーチにガッツポーズ。9連敗中のチームにとっても、大きな一発となった。

◆試合前の「アサヒスーパードライナイター」のファーストピッチングセレモニーにお笑いコンビの笑い飯が登場し、西田が投手、哲夫が打者を務めた。〝運動神経悪い芸人〟としても知られる西田の山なりの投球に打者・哲夫が空振りした。イメージトレーニングはしてきたという西田だったが、「実際(マウンドに)上がってみたら全然違いました。緊張しました。あそこに上がった人間で一番運動神経ないと思うので」と苦笑いを浮かべた。) 哲夫は「僕らも一応(M―1グランプリの)チャンピオンなんで。そういうご縁は残してきたつもりなんで。そのご縁をくみ取っていただいて。今日は勝っていただこうと」と連敗中の阪神にエールを送った。

◆試合前に、大阪四季劇場で上演中のミュージカル『オペラ座の怪人』でオペラ座の怪人役を演じている、飯田洋輔氏が国歌独唱を務めた。虎党だという飯田氏は「緊張しました。なかなかこんな機会を頂くことはないので、大好きな阪神タイガースが今日は必勝ということで、心を込めて歌わせていただきました」と振り返った。開幕から9連敗と厳しいスタートになった阪神に「どんな時も諦めずにそういうプレーに向かう姿は、僕たちの舞台も辛い時も色々あるけれど、見に来てくれるお客さんのために一生懸命プレーするとか。僕だったら一生懸命舞台に立つとか。そういったところで共通点を見いだして一生懸命、僕も応援する。今日こそは絶対勝つつもりで。一生懸命応援したい」とエールを送った。

◆まばゆい光に照らされて、白球は右翼スタンドに消えていく。重苦しい空気を吹き飛ばしたのは、やはりこの男。満員の虎党に背中を押され、渾身(こんしん)のひと振りを放った阪神・佐藤輝は飛び跳ねるようにダイヤモンドをまわった。「いやもう、めちゃくちゃうれしいです。本拠地でたくさんのファンの方々も来ていただいていますし、絶対に勝ちます!」一回先頭・近本の中前打を皮切りに、中野が右前適時打を放ってわずか4球で先制した。スタンドが熱気に包まれる中、1死一塁で虎の4番が打席へと向かった。その初球、ロメロの148㌔を一閃! 待ちに待った今季1号2ランに甲子園がわく。ベンチに戻って〝虎メダル〟を受け取った主砲は、カメラに向かってポーズをとった。セ・リーグワーストの開幕9連敗で迎えた今季の甲子園初戦。開幕から全試合で4番を任された佐藤輝はこの日の試合前の時点で打率・286、4打点と決して結果を残していないわけではない。ただ、代名詞のホームランが出ていなかった。どん底だったチーム状況を打破するため、井上ヘッドコーチも「4番に一発が出れば空気も変わる」と期待していた。試合前練習では遠征に帯同していなかった藤井康1、2軍巡回打撃コーチから「ボールを受けすぎるところがあった。一番打って飛ぶところはどこかというところの修正。自然と(ポイントが)前になった」とアドバイスをもらって微調整。首脳陣も、ファンも、そして何より佐藤輝自身が待ち望んだ今季初アーチだった。二回は今季初スタメンの小幡が先頭で二塁打。西勇の犠打で三進すると、相手捕手がボールをはじいた隙をついて執念のヘッドスライディング(結果は暴投)。大きな4点目をもぎ取った。4番のひと振りで流れは変わった。本拠地・甲子園から、逆襲の虎が始まる。(原田遼太郎)

◆開幕から9連敗を喫していた阪神がDeNAに快勝し、今季初勝利を挙げた。今季の甲子園初戦を白星で飾り、ようやく連敗を止めた。鮮やかな先制攻撃だった。一回に先頭の近本が中前打を放つと、暴投で二塁へ。続く中野の右前適時打で先制に成功した。なおも1死一塁という状況で、佐藤輝が右翼への今季初アーチとなる2ランを放った。二回にも今季初スタメンの小幡の二塁打と西勇の犠打で1死三塁とすると、相手の暴投でさらに1点を追加した。先発した西勇は二回に1死二、三塁のピンチを背負ったが、山本を空振り三振、ロメロを二ゴロで得点を許さず。その後も、粘り強い投球でスコアボードにゼロを並べ、7安打完封でチームを連敗脱出に導いた。

◆阪神・佐藤輝明内野手(23)が一回1死一塁で1号2ランを放った。今季40打席目にして飛び出した4番の一発と西勇輝投手(31)の2年ぶりの完封でチームは開幕からの連敗を「9」で止め、今季初白星を挙げた。佐藤輝と西勇のお立ち台トークは以下の通り。(観衆3万7408人)。ーー佐藤輝選手、満員の甲子園は初めてですか「サイコーで~す」ーー本塁打の打席は「初球から強い当たりを打つつもりで、集中して、バッターボックスに立っていました」ーー打球がスタンドに飛び込んだ時の気持ちは「ギリギリだったですけど、入ってくれて、ホッとしました」ーー甲子園では久しぶりのダイヤモンド一周「今シーズン打ってなかったので、1本目という意味でも、すごいホッとしました」ーー佐藤輝選手にとって、どんな一日になった「う~ん、なかなか勝てない日々が続いていた中で、今日をきっかけに、明日からもっと勝って、巻き返したいと思います」ーー西勇の投球は「すごい頼もしいピッチングで、安心して、守っていました」ーー九回1死から右飛を捕球した後に、〝あと1人コール〟。どんな感じで「(打球が)正面に来てくれてよかったって、感じです、ハイ」ーー西勇投手。9連敗でのマウンド「僕は遠征に行っていないんで、連敗とか、あまり気にしなくて、普通通りにマウンドにあがりました。ハイ」ーー佐藤輝選手の本塁打は「4番として一発、大事なところで打ってもらって。まあ、次の回がね。僕が失点をしないように。そのことだけを考えてマウンドにあがりました」ーー八回を終えて、交代は「途中からリズムもよくなってきて、自分のテンポで投げることができたので、ワンチャン(ワンチャンス)でいけるかもという気持ちを持ちながら。中継ぎも苦しい展開でずっといって、チームの流れを背負っている感じだったので、自分が長いイニングを投げて、楽な継投に持っていきたかった。その一心で投げた結果が完封だったので、本当によかったと思います」ーー2年ぶりの完封。甲子園の後押しは「久しぶりにたくさんの方々に来てもらって、本当に後押しというか、いつも出ないようなパワーが出たので、毎日来てください。お願いしま~す」ーー最後に次回の登板に向けて「厳しい戦いが最初から続いていますんで、自分のピッチングを心掛けるのも大事ですけど、チーム全体で笑顔で、矢野さんに笑っていただけるような試合展開にしたいと思います。応援お願いします」ーー佐藤輝選手もメッセージを「今日をきっかけにして巻き返していきたいと思います。応援よろしくお願いします」

◆阪神・佐藤輝明内野手(23)が一回1死一塁で1号2ランを放った。今季40打席目にして飛び出した4番の一発と西勇輝投手(31)の2年ぶりの完封でチームは開幕からの連敗を「9」で止め、今季初白星を挙げた。矢野耀大監督(53)のテレビインタビューは以下の通り(観衆3万7408人)。矢野監督ーー今の気持ちは「苦しいスタートになったんでね、この1勝で喜んでいいのかなっていう気持ちと。でも素直に喜びたい気持ちです」ーーその1勝は本拠地での開幕戦「コロナ禍で制限があった中で野球をやってきましたけど、多くのファンのみなさまが来てくれた。そういう力もね、僕らのパワーに変わったと思います」ーー選手たちにも執念を感じた試合だった「本当にうまくいかないことばっかりですけど、テレビをご覧の皆さんもうまくいってる人生を歩んでいる方ばかりではないと思うんでね。僕たちの、そういうもがきながら、苦しみながら前に進む姿から、なんとか元気を届けられるような、そういう気持ちでみんな戦ってるんだろうと思います」ーー一回に4球で1点「近本が出てっていうのが、うちのパターンですし。拓夢もよくつないでね。輝のホームランっていうね、最高の形になりました」ーー佐藤輝は大きい一発になった「ちょっと上がったんでね、ちょっと浜風も若干吹いてたので、厳しいかなと思いましたけど、よくいってくれました」ーー最終打席でも一本でた「だいぶ自分の形というか、そういうものにも、なってきてる感じがするんでね。本当に頼もしく、もっともっと成長してもらわないと困るんでね。もっと輝のバットで勝たせる試合にしていってほしいです」ーー西勇が九回まで「本当に序盤のね、初回、二回のピンチを切り抜けたのが一番大きかったですし。その後は坂本とね、丁寧に投げる勇輝のらしさを出したピッチングでした」ーー最後は西勇に託した「代打を出すつもりもなかったですし。最後まで勇輝に任したい思いでした」ーー2022年初勝利。ファンにメッセージ「本当にこういう結果になって、チーム自身も僕自身も前を向いてね、やっていくことが一番大事ですし。あまり先のことを考える余裕もないですけど、明日の試合に全員で全力で戦っていきます」

◆阪神での現役時代、〝代打の神様〟として、虎党から絶大な支持を得たサンケイスポーツ専属評論家・八木裕氏(56)は改めて、阪神は佐藤輝のチームだと実感。また4点目を奪った二回の小幡の玄人好みの走塁を絶賛した。完封した西勇も素晴らしかったが、やはり最も勢いを付けたという意味で、佐藤輝のホームランが大きかった。一回に1点を先制しても、まだ1点だけ、という状況でインハイの球をライトスタンドまで運んだ。佐藤輝個人の技術的な話をすれば、試合前の練習でポイントをやや前に持っていくイメージの微調整をしたようで、以前よりうまくインハイを打てた。ただ、まだまだやや良くなった程度。この先は、もっと力のある投手に対してコースを見極めながらどう対応していくか。どう準備していくか。簡単ではないが、きっかけになる一発だった。そして、佐藤輝が打つとチームが乗っていけるということを改めて証明した一発でもあった。昨年もそうだったし、開幕以来、勝てない、勢いに乗れない要因の1つが、佐藤輝に一発がでなかったことも影響していたと思う。あのひと振りで西勇も乗った。ファンも盛り上がった。甲子園全体が「きょうは行ける」という空気になった。) もう1人、ホメたいのは小幡。二回に二塁打を放って、直後の西勇のバントは、当たりが強く、ダッシュしてきた一塁手の真正面に転がった。通常なら三塁で刺されてもおかしくない打球だったが、見事なスタートで三塁セーフにした。さらに、暴投での生還も、一瞬の判断が素晴らしかった。玄人好みの走塁で、足で1点を追加したという意味で大きかった。現状の打線に、もう1人、足で勝負できる打者が加われば、得点力という点で面白い。反省点は、4点奪った後に追加点がなかったこと。昨年に比べると、守護神スアレスの抜けたことなど、投手力が落ちるのは事実で、その分、点を取って掩護する試合を増やしていく必要はある。佐藤輝の1号が飛び出した今、打線のさらなる奮起を期待したい。

◆DeNAはちぐはぐな攻撃で得点を奪えず、今季初の零敗を喫した。一回は1番の桑原が内野安打で出塁したが、後続が淡泊な打撃で走者を進めることもできない。二回は1死一塁から大和が左越えの二塁打を放ちながら、一塁走者の関根が中途半端な走塁で三塁止まりとなり無得点。三浦監督は「判断が甘かった。関根の足ならかえってきてほしかった」と指摘した。相手の先発を助けるような攻めで流れを奪えず、2連敗で再び黒星が先行した。三浦監督は「こういう試合もあるけど、引きずらないように」と切り替えを図った。

◆何度も何度も拳を突き上げた。ここまで感情をあらわにしたのは久々だろう。甲子園の真新しいマウンドに立った阪神・西勇が最後まで守り抜いた。「本当に久しぶりに、こういうたくさんの方々に来てもらって、本当に後押しというか、自分のいつも出ないようなパワーが出たので。毎日来てください、お願いしまーす!」一回、先頭の桑原に遊ゴロ内野安打を許すなど、序盤は毎回のように走者を許した。だが、ここから粘りながら、自分のリズムを作れるのが魅力。三回1死は楠本に中前に運ばれたが、3番・佐野をスライダーで左飛、4番・牧には内角シュートで詰まらせて二ゴロ。相手の軸を封じ、グラブをポンとたたいた。 お立ち台で西勇(右)は佐藤輝とポーズをとる 「途中からリズムもよくなってきて、自分のテンポで投げられた。ワンチャンス行けるかも、という気持ちをもちながら投げました」今季2試合目の登板だった。3月29日の広島戦(マツダ)では七回途中1失点と好投したが、九回にケラーがつかまり、湯浅がサヨナラ打を浴びた。敗戦の瞬間、ベンチを飛び出し、湯浅をねぎらったのが西勇。春季キャンプ中、糸井と音頭をとり、矢野監督を〝予祝〟で胴上げした右腕は開幕からチームの雰囲気を誰よりも重んじていた。「自分たちの野球がうまく機能しなかったので、こうやって1個勝つことによって。喜びを表現することがダメみたいな風潮があるので、負けていると。1個1個大事に勝てば、こうやって喜んでいけるかなと思っていました」2020年9月17日の巨人戦(東京D)以来、565日ぶりの完封勝利。気迫を前面に出した西勇の投球が勝利を呼んだ。さすが、大黒柱だ。★声かけで支えた チームが苦しむ状況で西勇はチームメートへの声かけで支えていた。「ベテランができることは言葉のフォロー」と試合中にミスをしたり、打たれた中継ぎに優しく声をかける。連敗中と暗くなりがちな雰囲気だからこそ、「いつも言っている感謝をみんながわかるところで言ってあげて、一つ一つのプレーを確実に盛り上げたい」と今季14年目と経験豊富な右腕が先頭に立って鼓舞し、初白星へ導いた。

◆わずか4球だ。〝チカナカ〟が開幕9連敗中のチームに流れを引き寄せた。一回無死二塁。阪神・中野が鋭く右前にはじき返した。「近本さんが出塁して、流れを作ってくれたので、なんとかして後ろにいい形でつなごうと思っていました」近本が中前に運び、暴投でチャンス到来。気落ちした右腕ロメロのツーシームを振りぬいた。今季10試合目で初打点。上位打線がようやくつながった。「これまで走者を進められない打撃が多かった。チームが、こういう苦しい状況の中で何とか先に点を取りたいと」3月25日のヤクルトとの開幕戦(京セラ)でいきなり3安打猛打賞&1盗塁と好スタートを切ったが、攻守ともに満足する結果を出すことはできなかった。1日の巨人戦(東京ドーム)の三回には失策を犯し、四回の打席で2打席連続となる見逃し三振。矢野監督から「『気』が出ている感じがしない」と途中交代を命じられた。「次の日から気持ちをしっかり切り替えて、何とかチームのためにやろうという気持ちを持って、ここまでやれてこれた」2日の巨人戦から中野は3試合連続安打。近本も4試合連続マルチ安打で、打率・333に急上昇だ。やっと虎の得点パターンが実現した。「たくさんの方々の声援を力に変えて戦うことができた。これからもプレーで出していけるようにやっていきたい」〝チカナカ〟の逆襲が始まる。(三木建次)

◆打って、走って、ユニホームを土で汚しながらのハツラツプレーで、今季初のスタメン起用に応えた。阪神・小幡が1安打1得点で勝利を呼び込んだ。「東京ドーム(3日の巨人戦)が終わってから(スタメンと)伝えられて、そこから気持ちが高ぶっていて。絶対やってやろうという気持ちでした」二回先頭。初球だった。「迷わずいこうと」とロメロの138キロスライダーを引っ張り、右翼線へ二塁打。。「練習の中でも、感じはすごい良かった」。犠打で三進すると、ロメロが暴投。地を這うようなヘッドスライディングで生還した。DeNA・三浦監督がリクエストも覆らず、大きな4点目をもぎとった。甲子園開幕戦。「ファンの方もいっぱい応援してくれる。守っていても感じたので、ありがたさはあります」。2019年、延岡学園高からドラフト2位で入団。俊足巧打の21歳が、これからも勝利に貢献する。(菊地峻太朗)

◆虎の幕開けや! 阪神は5日、本拠地開幕だったDeNA戦で快勝した。一回に4番・佐藤輝明内野手(23)が今季1号となる2ラン。今季10戦目で初勝利を挙げた。甲子園には3万7408人のファンが駆けつけた。セ・リーグワーストの開幕9連敗? それがどうした! 残りは133試合もある。奇跡のドラマを巻き起こせ! 甲子園の夜空に白球が光り輝く。負の連鎖を断ち切る快音に3万7408人の観衆が〝悪夢〟から覚めた。耳に届いた拍手と応援バットでの大演奏。虎党に背中を押され、渾身(こんしん)のひと振りを放った4番・佐藤輝が一心不乱にダイヤモンドをまわった。「ちょっと(打球が)上がったので、どうかなと思ったんですけど、入ってよかった。本当にギリギリだったので一生懸命走りました」1点を先制して迎えた一回1死一塁。ロメロの初球、148キロツーシームを振り切った。高々と舞い上がった打球は虎党が占拠する右翼席へ消えていく。甲子園では昨年6月20日の巨人戦以来となる一発は待望の今季1号2ラン。全速力で駆け出した主砲は勢いあまって一走・糸井に並びかけ、あわてて減速。そして、ホームインした先で待っていた超人と喜びを分かち合った。開幕9連敗で迎えた今季の甲子園初戦。過去3度ある2桁連敗を喫したシーズン(1991年、98、99年)はいずれも最下位に終わったデータもある。まさに崖っぷちの危機を4番の一発が救った。今季初のお立ち台。ヒーローはもちろん佐藤輝。3年ぶりに3万超が詰めかけたマンモスの真ん中で「最高でーす!」と勝利の雄たけびだ。「下を向くことはなかったです。チームとしてはなかなかうまくいかないという中で、でも下を向かずにやってきて、やっと、きょう勝てたと思います」 昨季チーム最多の24本塁打を放ち、主砲として迎える2年目。持ち前のプラス思考でナインの背中を押していた。高卒3年目、20歳の遠藤が実戦で結果を残せずにいると「もっと自信をもっていけ」と背中を押した。どんなときでも前向きな姿勢を忘れなかった。セ・リーグワーストの開幕9連敗? 関係なし! 4番の一撃が過去の出来事を遠くに吹き飛ばした。「もっと勝って、巻き返したいと思います」流れは変わった。4番を大山と競わせ、佐藤輝を選んだ矢野監督は「外せない4番、真の4番になってくれたらいい。もっと輝(佐藤)のバットで勝てる試合にしていってほしい」と力を込めた。投打の歯車がまったくかみ合わなかった日々は終わった。これで虎は勢いに乗れる。「これをきっかけにしてやるしかないので、チーム一丸となって。(坂本)誠志郎さんとか、なんか泣きそうな感じだったので、はい。キャプテンのためにきょうは勝ててよかったです」と佐藤輝はニヤリとした。負の連鎖を断ち切った。まだシーズンは133試合もある。甲子園開幕戦はこれで5連勝。高校球児だけじゃなく、やっぱりここは〝聖地〟だ。佐藤輝の一撃が2022年シーズン幕開けの号砲だ。(原田遼太郎)

◆LED照明のド派手な演出が、待っていましたとばかりに勝利に沸く選手らを輝かせる。周囲と何度もこぶしを突き合わせて、阪神・矢野監督は静かにその瞬間をかみしめた。開幕から10戦、実に12日目での、複雑なものがこみ上げる今季1勝目だ。「うーん…。まあ苦しいスタートになったんでね。この1勝で喜んでいいのかなという気持ちと。でも素直に喜びたいなという、はい、そういう気持ちです」試合直後、テレビカメラの前に立ち、2つの思いを明かした。昨季は12球団で最も多い77勝を積み上げ、悲願Vへあと一歩のところまで迫った。だが、キャンプイン前に今季限りでの退任を表明して挑んだ、集大成としたかった年に、セ・リーグワーストを更新する開幕9連敗とこれ以上ないほどにつまずいた。4日には、藤原オーナーが途中解任を否定し「それは当然の話です」と、改めて信頼を示す事態となっていた。選手を勝たせてやれず、周囲を、そして虎党をこんなにも待たせてしまった事実が、まだまだ重たく心の底に沈んでいた。 「もちろん俺がね、監督として指揮を執らせてもらっているし、もちろん責任も感じているし。その中でみんななんとかしようっていう気持ちでやってくれていた。それが結果に出ないのがもちろん難しかったけど」3月25日のヤクルトとの開幕戦(京セラ)で、8-1からひっくり返されたのが起点だった。29日の広島戦(マツダ)も、1点リードの九回に送り出したケラーが2度目の背信投球。そのまま乗り込んだ東京ドームでは巨人にボコボコに打たれ、終盤に追い詰めても、ツキにも見放されたように負けを重ねた。まだ1勝9敗では、大きなことを言えるわけもない。それでも指揮官は「どこからでもスタートできるっていうのも、この3年間の中でも言ってきた。自分自身もそう言い聞かして。だいぶ遅いスタートになったけどね。この1勝がそのスタートになるようにやっていきたい」と誓った。ようやく勝たせてあげられた選手らの笑顔は、まぶしく輝いた。チームにつきまとった暗い影を一日も早く消し去り、将も心の底から喜びたい。(長友孝輔)

◆DeNAは、今季初の零封負け。連敗で再び借金1となった。前回3月29日の中日戦(バンテリンドーム)では8回無失点と好投した先発のフェルナンド・ロメロ投手(27)だったが、甲子園初登板となったこの日はわずか4球で先制を許すなど乱調。4回4失点で黒星を喫し「立ち上がりはコントロールが安定せず、ストライクを取りにいったところを捉えられてしまった」と唇をかんだ。打線も7安打を放ったがつながらず。三浦監督=写真=は、二回に大和の二塁打で一走の関根が生還できなかった場面を振り返り「関根の足ならかえってきてほしかったし、判断が甘かった」と厳しく指摘。「キャンプでやってきたことをできなかったので、もっとやっていかないと」と前を向いた。(浜浦日向)

◆暗黒時代と呼ばれたタイガースの1990年代前半のお話。初めて横浜スタジアムに踏み入れた、わがサンスポの後輩トラ番が声を上げた。「先輩っ、横浜銀行って、本当にあるんですね」外野フェンスに掲げられた大きな看板広告を発見して、思わず漏らしたのだった。横浜銀行といえば、日本最大の地方銀行で、みなとみらいにある超高層の本店ビルを知らないのか、すごい銀行や、そんなの一般常識やぞ、と叱りつつ、毎日サンスポ読んでいたら、そう思うんだろうなぁと妙に納得してしまった。というのも、どこと試合をしても負けてばかり、借金が増えるばかりの当時のタイガースが、なぜか勝てる相手が「横浜ベイスターズ」だった。実際、92年から6年連続で勝ち越したりしている。かくして、サンスポ紙面に躍った見出しが「ありがとう! 横浜銀行」-。唯一の貯金ができる相手に感謝! 感謝! でも、架空の銀行と勘違いした方を生み出してしまったようだ。すみません。以来、横浜を本拠地にするチームを相手にすると、なぜか勝てるんじゃないかなぁと思ってしまう年月を過ごしてきた。とんでもない窮地に陥った2022年。開幕早々、ものすごい借金を抱え込んでしまったタイガースが、返済を開始するには、この相手しかいないのでは? とも思っていた。実に無責任な発想だが。一方、大阪・難波のサンスポ編集局内では、新聞の1面(のようなもの)をあちこちに貼り出していた。よ~く見ると…「ほんまの開幕や! これからや! 阪神勝ったど~」というド派手な見出しが躍動していた。 「魔よけのお札です。これで結界を作って、黒星の邪気が近寄れないようにしています。サンスポ整理部のツイッターにもあげたんですが、いきなり反響があって。ありがたいです。みんなで力を合わせてタイガースの勝利を呼び込みますよ」と整理部長の矢田雅邦。整理部長席にも、運動部の当番デスク席の前にも、テレビの前にも。涙ぐましい努力を、みんながしている。甲子園に戻ってきたタイガースに届け、と気持ちを込めて。世の中に、タイガースの勝利を願う人はウン千万(?)おられるだろうが、たぶん、一番勝利を願っているのは、トラ番キャップ・長友孝輔だと思う。負けが込むと、俗にいうストーブリーグに突入してしまう。グラウンドそっちのけで、次期監督の取材になってしまう(特に今年は、矢野監督が「辞める」って言ってしまった異常なシーズンだから、遠慮なく「次は誰?」という会話ができてしまうからなぁ)。「4日に、藤原オーナーが表舞台に出てきて、取材対応してくださったので、騒ぎは一応、収束しています。だからこそ、このタイミングでタイガースが白星を重ねていってくれれば」キャップ長友は、まだ肌寒い甲子園の記者席でタテジマに熱視線を送っていた。上限撤廃で集まった3万7000人超のファンの大半も、今年から始まった、LEDを導入したナイター照明の光の演出も、一緒にタテジマ勝利を祈った。そして甲子園が一つになって…。初勝利。どうぞ、1面から何度でも、読み返してくださいませ。

◆ウェ~ン! 甲子園が勝たせてくれたー!!開幕9連敗地獄でズタボロになって本拠地に戻ってきた猛虎ナインに甲子園が、そして決してあきらめずスタンドを埋めた、虎党の魂が今季初勝利をもたらしてくれたのだ(涙)。まだ、わずか1勝だけど昨年より甲子園の虎がキラキラと輝いてみえたでェ!!えっ、今年から照明がLEDになってまぶしいくらいの明るさになったって…。コラー! 虎の初勝利に酔ってるのに、そーいうこと言うんじゃないのー!!タタタタッタタ~! えっ? 何? 何? このいきなりの展開。「ぼくトラえもん!」「えーっ! ネコ型ロボットの?」「ちゃうわー! 虎型ロボット! ドラえもんじゃなくトラえもんです! 開幕9連敗のセ・リーグワースト記録も吹き飛ばすような、西勇輝の完封に4番・佐藤輝の2ランに…オセロ勝敗表!! を差し上げます」「えっ?」「だから●●●●●●●●●の黒が、これを使えば○○○○○○○○○○ときょうの勝利で裏返り全て勝ち~! のび太くん、いや矢野さんどうぞ~」うれしいけど、これから実力でひっくり返すからいらんわー!! よっしゃ、そーこなきゃ!!

◆今季限りでの退任を表明している矢野燿大監督(53)率いる阪神の2022年シーズンは最悪のスタートだった。虎番20年目のサンケイスポーツ編集委員・三木建次が現場からの〝とれたて情報〟を読者に伝える「ビヤ樽三木建次のトラ見聞録」(毎週水曜午前10時アップ)。第1回はクローザーとして期待されながら結果を残せなかったカイル・ケラー投手(28)にまつわる話。そして、不在となったクローザーの人選はどうなるか-を。あのヤクルトとの開幕戦(3月25日、京セラ)で勝っていれば…。そんなことわかっている-とお怒りの虎党も多いはず。最大7点リードを守り切れず、逆転負け。その責任を一人で背負い込んだのは、昨季まで在籍したスアレスに代わるクローザー、ケラー(1回3失点)だ。 3月25日のヤクルトとの開幕戦で痛打を浴びる阪神・ケラー。ここから連敗が始まった 開幕4戦目。3月29日の広島戦(マツダ)でも1点リードの九回に登板して救援に失敗。矢野監督からは「空振りを取れる球がない。後ろ(九回)というのは外す」と、わずか登板2試合で見限られた。無理もない。直球は最速99マイル(約160キロ)、切れ味鋭いカーブで、メジャーの大砲を翻弄させた-という触れ込みだったが…。直球は150キロを超えるのがやっと。得意球とされていたカーブは2019年に在籍したジョンソン(現大リーグ、パドレス)とは比べモノにならないレベルだった。3月12日、甲子園でのシート打撃。ケラーと対戦した江越は「カーブや真っすぐがいいと聞いていたが…。カットに近いスライダーですね。真っすぐにみえて、キュッと曲がるのがいいなと思いました」と解説してくれた。僕はカーブを絶賛するようなコメントを聞き出そうとしたが、「スライダーがいい」って。あれっ、プロフィルと違うやん。それから3日後。1軍初登板となった3月15日のソフトバンクとのオープン戦(ペイペイ)。記者席から見ていた僕は、隣にいた後輩記者に「全然、空振りがとれへんやん。クローザーで使うんかいな!」と、思わず叫んでいた。守護神にとって一番、大事なのは三振が奪えること。親交のある他球団のスコアラーからも「本当に、ケラーに九回を任せるつもりですかね。まだ調整段階といっても、その片鱗すら感じられない」と逆取材を受けたほど。僕やスコアラーが思うほどだから矢野監督や投手コーチらも苦渋の決断だったに違いないが、他にこれは…という候補者がいない。コロナ禍の出入国制限の影響で来日したのは3月上旬。勝手な想像だけど、体調が仕上がってくれば、本来の切れのあるカーブが見られる…と期待を込めてクローザーに指名したのだろう。だが、現実は甘くはなかった。新たに噴出したクローザー問題。これから巻き返していくためにクリアしなければならない大きなテーマだ。 矢野監督は「(岩崎)優は、そのまま(八回)の方がいいかなと。現状、(代役は)湯浅でいこうかな」と、4年目右腕、湯浅京己投手(22)をクローザーの有力候補の一人に指名。サプライズだった。1軍実績は21年の3試合だけ。今年初めて1軍沖縄宜野座キャンプに参加した。最速153キロの直球とフォークなど多彩な変化球を操れる本格派右腕で、矢野監督もキャンプ中も直接指導するなど、目をかけていたとはいえ…である。そのとき、1月31日の沖縄でのサプライズ発言を思い出していた。たしか…。当時の取材メモを振り返る。「スアレスが抜けた穴はチーム戦力的にもかなり大きい部分なんで。でも、若いピッチャー陣にとっては1枠空いたのでね。それは大きなチャンスだと思う」そして、しばらく沈黙した後、今季限りでの退任発表だ。コロナ禍でケラーの来日のメドが立たない時期だった。少し事情が違ったが、こうなることを暗示していたかのような発言だった。一躍、時の人となった湯浅は4月2日の巨人戦(東京ドーム)のマウンドへ。150キロ超の速球で丸、大城らを打ち取ると「自信がないわけじゃないけど、あるって言うのも…」と照れまくった。3-5とリードされた八回だったが、「堂々と自分のボールを投げれば通用するということは確認できたんじゃないか」。セ・リーグワーストに並ぶ8連敗を喫して肩を落とした矢野監督も若きクローザー候補の話になると、心なしか声を弾ませた。コロナウイルス陽性判定で離脱していた青柳が4月中旬には1軍マウンドに戻ってくる。僕は先発スタッフは質量ともに12球団トップクラス。攻撃陣も他球団と比べて見劣りはしないと思っている。優勝確率0%-。過去のデータをもとにした記事を目にするが、ならば、新たに歴史を塗り替えていけばいいだけのこと。虎のクローザーといえば、久保田智之(現2軍投手コーチ)、藤川球児(現SA)、呉昇桓、マテオ、ドリス、昨季まで2年連続セーブ王のスアレス…と、途絶えることはなかった。もちろんケラーが、これから大変身すれば、これ以上の喜びはないが、湯浅以外にも4年目の斎藤友貴哉(23)、6年目の小野泰己(27)の両投手ら150キロ以上を投げられる素材はいる。状況によっては藤浪晋太郎投手(27)を起用するプランもありだろう。開幕前日、矢野監督は「若い選手を使っていくときに、背中を押してやるというのが俺の仕事だと思っている。それは今年も変わらない」と力を込めた。クローザー問題という難局をどう乗り越えていくか、今年を4年間の集大成と位置付ける野球人・矢野燿大の真価が問われる。(水曜掲載)

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
820 0.800
(↓0.089)
-
(-)
13351
(+1)
38
(+3)
14
(-)
3
(-)
0.262
(↓0.006)
0.000
(-)
2
(-)
広島
730 0.700
(↑0.033)
1
(↑1)
13350
(+3)
30
(+1)
2
(-)
5
(-)
0.265
(↓0.001)
0.000
(-)
3
(2↑)
中日
550 0.500
(↑0.056)
3
(↑1)
13335
(+7)
39
(+6)
8
(+2)
3
(-)
0.232
(↑0.017)
0.000
(-)
4
(1↓)
ヤクルト
450 0.444
(↓0.056)
3.5
(-)
13437
(+6)
37
(+7)
13
(+3)
5
(+1)
0.239
(↑0.002)
0.000
(-)
4
(1↓)
DeNA
450 0.444
(↓0.056)
3.5
(-)
13434
(-)
42
(+4)
6
(-)
6
(-)
0.230
(↓0.002)
0.000
(-)
6
(-)
阪神
190 0.100
(↑0.1)
7
(↑1)
13333
(+4)
54
(-)
7
(+1)
3
(-)
0.237
(↓0.002)
0.000
(-)