1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | 安 | 失 | 本 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
阪神 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 1 | 2 | 5 | 8 | 0 | 3 |
巨人 | 4 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 4 | 0 | X | 9 | 11 | 0 | 2 |
勝利投手:赤星 優志(1勝0敗0S) 敗戦投手:ガンケル(0勝1敗0S) 本塁打 |
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◆巨人は初回、中田のグランドスラムが飛び出し、幸先良く先制する。5-2で迎えた7回裏には吉川の適時二塁打などで4点を奪い、リードを広げた。投げては、先発・赤星が7回2失点の好投でうれしいプロ初勝利。敗れた阪神は9回に2者連続本塁打が飛び出すも及ばず、開幕9連敗を喫した。
◆巨人坂本勇人内野手(33)とグレゴリー・ポランコ外野手(30)は1日の阪神1回戦から2試合連続で本塁打を記録中。巨人選手が阪神3連戦で3戦連発すれば、09年8月14~16日ラミレス以来、球団13年ぶりとなる。2人から1発出るか。
◆セ・リーグワーストタイ開幕8連敗中の阪神が、初回からいきなり4点を失った。 今季初先発のジョー・ガンケル投手(30)が、安打と2つの四球で1死満塁のピンチを招き、5番中田に左翼席への2号満塁弾を浴びた。阪神はこれで、巨人との3連戦で計7被弾。東京ドームでのホームラン攻勢を止められない。連敗脱出へ厳しい立ち上がりとなった。
◆巨人中田翔内野手(32)が開幕8連敗中の阪神に先制グランドスラムを浴びせた。 初回、制球難の阪神先発ガンケルから1死満塁のチャンスを得た。5番中田は初球のスライダーを完璧に捉えた。スタンドインを確信し、悠然と数歩、歩く。そして、ゆったりと6試合ぶりの2号満塁弾を味わうようにダイヤモンドを1周した。「チャンスだったので積極的にいきました。最高の結果になって興奮しています」とコメントした。満塁本塁打は日本ハム時代の19年6月2日のオリックス戦以来で通算6本目。
◆巨人岡本和真内野手(25)が今季2度目となる「令和のON弾」を決めた。 4点リードの5回、阪神浜地の149キロ直球を左中間スタンドに運んだ。打球速度172キロ、飛距離も127メートルと完璧な1発。3号ソロはポランコと並びチームトップタイで、2年連続ホームランキングの威信を示した。「回の先頭だったので何とか出塁して追加点を取りたいと思っていた中、ホームランになって良かったです」とコメント。5番中田も初回にグランドスラムを放ち、3月27日の中日戦以来のアベックアーチとなった。
◆阪神ドラフト6位豊田寛外野手(24=日立製作所)が1軍初昇格し、代打で迎えたプロ初打席で空振り三振に倒れた。 スコア速報】はこちら0-4の5回2死で先発ガンケルの代打で、カウント2-2から巨人ルーキー赤星の136キロのフォークに空を切らされた。豊田はキャンプ終盤の右肩コンディション不良で調整が遅れ、3月29日のウエスタン・リーグ、ソフトバンク戦に代打で2軍デビュー。翌30日の同戦で「7番中堅」で先発出場し、ソロを放つなど短期間で存在感を示し、右脚コンディション不良のマルテに代わって1軍に昇格していた。
◆巨人ドラフト3位の赤星優志投手(22)が、7回4安打2失点の好投で、プロ初勝利の権利を手にしてマウンドを後にした。白星となれば、セ・リーグ新人で初勝利一番乗りとなる。1回先頭、近本に左前打を浴びるも、丁寧に低めに集める投球で、阪神打線を封じ込めた。5回終了時点で、わずか1安打とほぼ完璧な内容で圧倒した。6回に1死二塁から糸井に2ランを浴びるも、以降は無失点。1回に中田のグランドスラムと5回の岡本和のソロでもらったリードを守り切った。プロ入り後最多101球の熱投で、2戦連続で勝ち投手の権利を得てリリーフに後を託した。3月27日の中日戦(東京ドーム)では、6回1失点と好投し、3点リードで後を託すも、リリーフが捕まりプロ初勝利はお預けになっていた。
◆阪神が、セ・リーグのワースト記録を更新する開幕9連敗を喫した。79年にヤクルトが開幕から引き分けを挟み8連敗していたが、これを超えた。球界最長は55年トンボと79年西武の12連敗で、いずれもパ・リーグ。 今季初先発のジョー・ガンケル投手(30)が、出はなをくじかれた。初回、安打と2つの四球で1死満塁。ここで5番中田に左翼席への2号満塁弾を浴び、いきなり4点を失った。「フォームもボールもなかなかうまくいかなかった。修正したかったけどそれもできず悔しい投球となった」とうなだれた。5回には2番手浜地真澄投手(23)が、4番岡本にソロアーチを許した。チームはこの3連戦で計8被弾。ホームラン攻勢を最後まで止められなかった。7回には4番手ラウル・アルカンタラ投手(29)が4失点し、突き放された。打線は6回、2試合連続で3番起用された糸井嘉男外野手(40)が、2号2ランを放った。ただ、巨人先発のドラフト3位赤星を打ち崩すことができず、セ・リーグ新人一番乗りでのプロ初勝利を献上した。これで首位巨人とのゲーム差は8。開幕から9日が経過しても1勝が遠い。5日からはDeNA戦。今季初の甲子園でのゲームとなるが、まさかの勝ち星なしで本拠地に帰ることになった。
◆巨人ドラフト3位の赤星優志投手(22)が、7回4安打2失点の好投で、プロ初勝利を手にした。セ・リーグ新人で初勝利一番乗りとなった。1回先頭、近本に左前打を浴びるも、丁寧に低めに集める投球で、阪神打線を封じ込めた。5回終了時点で、わずか1安打とほぼ完璧な内容で圧倒した。6回に1死二塁から糸井に2ランを浴びるも、以降は無失点。1回に中田のグランドスラムと5回の岡本和のソロでもらったリードを守り切った。プロ入り後最多101球の熱投で、2戦連続で勝ち投手の権利を得てリリーフに後を託した。3月27日の中日戦(東京ドーム)では、6回1失点と好投し、3点リードで後を託すも、リリーフが捕まりプロ初勝利はお預けになっていた。試合後はお立ち台に上がった。「本当にうれしいです。チームも連勝して勢いに乗っている。自分も勢いに乗って投球ができるように頑張りました。本塁打を打たれてしまったんですが、その後はゼロに抑えて7回を投げきることができました」と振り返った。4回の打席では内野安打も放ち、プロ初安打もマーク。初勝利と2つの記念球を手に入れた。「2つとも親に渡したいと思います」と感謝を形で表すつもりだ。最後に「新人の赤星です。1勝で多く勝ち星を挙げられるように頑張って投げたいと思います。応援よろしくお願いします」と締めくくり、拍手を浴びた。▽巨人原辰徳監督(先発でプロ初勝利を挙げた赤星に)「見事だったと思います。リズムもいいし、球種が多いということも左打者の胸元に真っすぐを放れている。相手打者は印象としては手ごわいなという印象があったんじゃないでしょうか」▽日大・片岡昭吾監督(教え子の巨人赤星の初勝利に)「菅野がいるので、あそこに追いついて追い越せるように、球界を代表する投手になってほしい。早くからこういう投球ができるとは思ってもみなかったが、本人ががんばったんでしょう。サイズのない右投手が活躍してくれると、うちの投手陣も目指すところが一番身近なところにある」
◆阪神が、セ・リーグのワースト記録を更新する開幕9連敗を喫した。79年にヤクルトが開幕から引き分けを挟み8連敗していたが、これを超えた。球界最長は55年トンボと79年西武の12連敗で、いずれもパ・リーグ。
◆阪神梅野隆太郎捕手(30)が、意地の第1号ソロを放った。 5点を追う9回1死で巨人ビエイラの155キロの速球を捉え、左翼スタンド中央まで運んだ。ベンチ前では、新ホームランパフォーマンス「ハートU2」を初披露。他の選手たちも手でハートを作って盛り上げた。◆ハートU2 昨年、ホームラン後に両手で作った「U2ポーズ」は開幕前に、日刊スポーツがファンから募集したアイデアの中から梅野が採用したもの。今季も同様の企画を実施し、U2ポーズをひっくり返しハート形に見える新ポーズに決まった。梅野は「熱くとか、そういういろんな意味があると思うし、ハートっていうのは気持ちの面でも大事。あとはファンと心1つになって、熱くシーズンを戦っていきたい」と呼びかけていた。
◆巨人岡本和真内野手が5戦ぶりの3号ソロで貴重な追加点を挙げた。4点リードの5回、浜地の149キロ直球を左中間スタンドに運んだ。打球速度172キロ、飛距離も127メートルと完璧な1発。「回の先頭だったので何とか出塁して追加点を取りたいと思っていた中、ホームランになって良かったです」。初回も四球を見極め、中田の満塁弾を演出するなど、貢献度大だった。
◆巨人吉川尚輝内野手が今季初の猛打賞となる3安打の働きを見せた。2日の第2戦に続き、初回先頭打者安打で先制点を呼び込んだ。7回2死満塁では左前にしぶとく落とし、走者一掃の適時二塁打で試合を決めた。2盗塁も決め、1番として縦横無尽の働き。「(赤星が)前回いい投球をしたけど勝たせてあげられなかった。初回もしっかり抑えてくれたので、いい流れで攻撃に入れた」と話した。
◆阪神が、セ・リーグのワースト記録を更新する開幕9連敗を喫した。79年ヤクルトの開幕から引き分けを挟んで8連敗を超えた。球界最長は55年トンボと79年西武の12連敗で、いずれもパ・リーグ。先発ジョー・ガンケル投手(30)が4回4失点と試合を作れず、4番手ラウル・アルカンタラ投手(29)も4失点を喫した。試合後の矢野燿大監督(53)の一問一答は以下の通り。-先発ガンケル本来の投球ではなかった矢野監督 そうやね。もうちょっとスピードもほしいし、本来のコントロールもいつも通りではなかった感じがするけどね-立ち上がりは難しい矢野監督 立ち上がりはみんな難しいんやけど、ここまでの流れの中で...。流れと相手バッターの調子も、もちろんガンケルも分かっていることだから。丁寧にというのもあるし、それが逆に攻めていくというところが減ってしまい、そこをつけ込まれたってことかな-東京ドームは本塁打の怖さがつきまとう矢野監督 それは、結果そうでも、(小川)一平の場合は、ああいう形で坂本は2ランだったけど、この球場はある程度仕方がない部分で、そのバランスがすごく難しい。だからこそバッテリーで協力して、より意識高めてやっていかないと。バッテリーにとっては難しい球場やけど、それでも勝負して、抑えていかないとダメなんで-勝ちパターンで期待するアルカンタラの制球が乱れた矢野監督 制球っていうか、変化球がもうちょっとしっかり腕を振ってボールが切れる形にならないと。変化球もほとんど振らせられるような、空振りを取ったのは中田の空振りぐらいで。なかなか空振りは...、反応させられてないんで。真っすぐはある程度、そこそこなのかなと思うけど、結果的にそれでカウントが苦しくなっているんで。状態的には、まだいいとは言えないよね-9回2発でベンチのムードも上がっていた矢野監督 それはもう、いつも一緒になっちゃうけども、俺らの野球をやるしかないんで。『超積極的』とか『諦めない』とか『挑戦する』とか。やっぱり今までそういうものを大事に戦ってきたんで。何か大きく変えられる事って、まあまあちょっと俺も浮かばないんで。だからこそ目の前の事に集中して、誰かに変えてもらうんじゃなくて、1人1人が『俺が変えてやる』っていう気持ちでね。もちろん俺もそうやし。そういうのをやっていくしかないのかなと思っています-前を向く姿勢が大事矢野監督 それはもうずっとだし。俺らの中でも大事にしているし。でもこれだけ結果が出ないっていうことでね、さらにもっとやっていかないと、という意識を持たないと-甲子園に戻ることがひとつのきっかけに矢野監督 もう今は何でもきっかけにしたいし。何でもプラスに捉えられるものはプラスに捉えていきたいと思うし。う~ん...、なかなかこうね、もがき苦しんで、その中から成長していけるものをチームも俺も見つけていかないとダメなんでね。そう思っています
◆巨人ドラフト3位の赤星優志投手(22)が、7回4安打2失点の好投で、プロ初勝利を手にした。セ・リーグ新人で初勝利一番乗りとなった。▼巨人は前日の戸田に続いて赤星がプロ初勝利。巨人でプロ初勝利の投手(外国人は除く)が2試合続けて誕生したのは53年9月28日阪神戦ダブルヘッダーの第1試合鈴木と第2試合笠原、60年4月3日国鉄戦ダブルヘッダーの第1試合堀本と第2試合青木に次いで62年ぶり3度目だ。巨人は3月31日に堀田もプロ初勝利を挙げており、開幕から10試合以内にプロ初勝利が3人は69年アトムズ(藤原、松岡、安木)以来で、巨人では初めてになる。
◆巨人中田翔内野手(32)が「感謝の一撃」を放った。1回1死満塁、阪神ガンケルの143キロ直球を強振。左翼席への2号グランドスラムを確信歩きで見届けた。勝負を決めた1発に「見ての通り全然、チームに貢献できていない。初球から我武者羅にいきました。本当に気持ち良かった」と安堵(あんど)した。移籍後初のお立ち台では「感謝しかない。まだ認めてもらっていると思っていない。もっと結果を残して、もっと大きな声援を送ってもらえるように頑張りたい」と言った。
◆阪神がセ・リーグワースト記録を更新する開幕9連敗を喫した。昨季9勝のガンケルが巨人中田に初回満塁弾を食らうなど、投手陣が11安打9失点と打ち込まれた。東京ドーム3連戦で8被弾。矢野燿大監督(53)は現状打破のプランを「浮かばない」ともがいたまま。5日からは今季初の甲子園でDeNA3連戦。「今は何でもきっかけにしたい」。トンネル脱出へ、頼みの綱は本拠地の虎党の声援だ。73年目のシーズンを迎えたセ・リーグの歴史をついに塗り替えた。開幕9連敗。マスク姿の矢野監督の表情はベンチで厳しくなるばかり。試合後、「これだけ結果が出ないっていうことでね。さらにもっと前を向く意識を持たないと」と声を絞り出した。我慢の日々はいつまで続くのか。前を向いてはいるが、そこに普段の目力はない。腰の張りで出遅れた昨季9勝のガンケルに連敗ストップを託したが、初回にいきなり中田に満塁弾を浴びた。5回は浜地が岡本和にソロを浴び、7回はアルカンタラが4失点で突き放された。打線はドラフト3位赤星の散らす投球に的を絞れなかった。糸井の2ランはあったが、7回まで投げさせプロ初勝利を献上。9回の木浪、梅野の2者連続ソロでは埋まらないビハインドが重かった。この日の2発を含め今回の東京ドーム3連戦で8被弾。「この球場はある程度仕方ない。だからこそバッテリーで協力して、意識を高めてやっていかないと。それで勝負して、抑えていかないとダメなんで」。指揮官は3試合すべて序盤に1発攻勢を浴びたバッテリーに苦言を呈した。3カード9試合が終了し、12球団で唯一白星がない。ただ打ち破りたい現実を前に、なかなか打開策が見つからない現実が言葉の端々から浮かび上がる。「何か大きく変えられることって、まあちょっと俺も浮かばないんで。だからこそ、目の前のことに集中して。1人1人が『俺が変えてやる』っていう気持ちでね」。5日からはようやく今季初の本拠地甲子園に戻りDeNA、広島を相手に6連戦。矢野監督は「もう今は何でもきっかけにしたい。何でもプラスに捉えられるものはプラスに捉えていきたい」とわらにもすがる正直な気持ちを明かした。井上ヘッドコーチが補足する。「『甲子園で出直し』というようなことを選手個々にも伝えた。借金9を返すのはなかなかだが、そこはポジティブに。やっと地元。ここから行こうぜということ」。もがき続けるナインも同じ気持ちだ。入場制限なしの開催で満員が見込まれ、大声は出せなくても虎党の拍手やメガホンをたたく音で包まれる聖地が、大きな力となるはずだ。【石橋隆雄】▼阪神が開幕9連敗。開幕連敗の最長記録は55年トンボ(消滅)と79年西武(2分け挟む)の12連敗。阪神は並んでいた79年ヤクルトの8連敗を抜いて、セ・リーグの開幕連敗ワースト記録を更新した。▼巨人との3連戦はすべて初回に失点。阪神の3戦連続初回失点は20年9月25~27日のヤクルト3連戦以来。また、3連戦で被本塁打は計8本。東京ドームの巨人3連戦で8被弾は、19年4月2~4日以来。00年には同球場の3連戦で計10被弾したことがある。▼初回に中田に満塁本塁打を浴びた。阪神の被満塁本塁打は20年8月22日のヤクルト戦で青木に打たれて以来。巨人戦では19年7月28日にゲレーロ、炭谷に1試合2発打たれて以来だ。
◆チーム最年長、糸井嘉男外野手(40)の意地弾は逆転に結びつかなかった。プロ19年目のベテランも味わったことがない、開幕9連敗の屈辱。試合直後には「早く1勝できるように頑張ります」と勝利への飢えがこぼれ出た。2試合連続の3番起用に応えた。5点を追う6回1死二塁。巨人赤星の135キロを片手で右翼席中段まで運んだ。重苦しい空気を振り払うかのような、豪快な2号2ラン。一時3点差に迫った。「とにかく、なんとしても逆転したいという思いだけ」。気持ちは最後まで切らなかった。1勝をもぎ取るために、とにかく必死だった。4点差の7回2死満塁の守り。巨人吉川が左翼へふらふらと打球を打ち上げた。40歳がこれに猛ダッシュ。結果的に走者一掃の3点適時二塁打となったが、体を張って後ろにはそらさなかった。3戦連続安打&打点。2本塁打、9打点はチームトップ。チームが泥沼に沈む中、糸井が頼もしい数字を残し続けている。「何とか勝って流れを変えていけるように最善を尽くしたい」。5日からは今季初の甲子園でDeNA戦。聖地でも先頭に立ち、白星を取りに行く。【中野椋】
◆腰の張りで出遅れていた阪神ジョー・ガンケル投手が今季初先発し、初回に痛恨の満塁弾を浴びた。1死から5番中田に高めの変化球を捉えられ、左翼席へ運ばれた。 「フォームもボールもうまくいかなかった。修正もできず悔しい投球となった」。4回4失点で負け投手となり、矢野監督は「もうちょっとスピードも欲しいし、コントロールもいつも通りではなかった」と物足りなさを口にした。
◆巨人ドラフト3位の赤星優志投手(22)が"1番星"をつかんだ。阪神打線に7回4安打2失点の好投で、セ・リーグ新人一番乗りでプロ初勝利を手にした。前回3月27日中日戦に続く、プロ2戦目の登板で初のお立ち台にも上がった。6人きょうだいの末っ子で泣き虫だった幼少期は家族から「泣きむん」と呼ばれたルーキー右腕。新星が堂々たる投球でチームを6連勝に導いた。鉄仮面の赤星が笑った。ウイニングボールを右手に原監督と並んでカメラのフラッシュを浴びた。「本当にうれしいです。(初勝利と初安打の記念球は)2つとも親に渡したいと思います」と尻ポケットに大事にしまった。いつも通り、淡々と、丁寧に、2失点で7回を投げきった。1回2死二塁、佐藤輝を空振り三振に斬っても、ガッツポーズはない。風格を漂わせながら、ポーカーフェースに勝ちをつかんだ。野球を始めたばかりだった小学生時代。人数不足で存続危機の弱小チームのエースだった。投げても投げても、打たれる。負ける。悔し涙は、誰にもバレないように帽子のつばをスッと深くかぶる。6人きょうだいの末っ子で、パワフルな姉たちには勝てなかった。また泣いた。赤星家では「泣きむん」と呼ばれた。人一倍の負けず嫌いだから悔しくて涙があふれ出た。物心がつく前の2歳のときにヘルニアの手術を受けた。小児病棟はそこら中で幼児の泣き声が響く。涙をこぼしながらも、本能で声を押し殺した。2歳で初めて自転車に乗った時も、世田谷公園のアスレチックを軽々こなした時も同じだった。悔しいから、最後までやり切った。何でも器用にこなせるセンスの持ち主...と思われていた。でも実際は違う。母笑子さんは「優志はすごい人じゃない。できるまでやる、努力の人なんです」とどんどん背中が大きくなっていく息子を評した。デビュー戦では、母ときょうだい、闘病中の父篤志さん(58)が車いすでスタンドから見守った。プロで活躍する姿をどうしても見せたかった。1週間後、テレビ観戦する両親に恩返しの白星をプレゼントした。「小さい頃から応援してもらったので、初勝利をあげられてうれしい。ウイニングボールは親にあげたい」。悔し涙はない。晴れ晴れとした表情で、初白星をかみしめた。【小早川宗一郎】▽巨人原監督(先発でプロ初勝利を挙げた赤星に) 見事だったと思います。リズムもいいし、球種が多いということも左打者の胸元に真っすぐを放れている。相手打者は印象としては手ごわいなという印象があったんじゃないでしょうか。▽日大・片岡昭吾監督(教え子の巨人赤星の初勝利に) 菅野がいるので、あそこに追いついて追い越せるように、球界を代表する投手になってほしい。早くからこういう投球ができるとは思ってもみなかったが、本人ががんばったんでしょう。サイズのない右投手が活躍してくれると、うちの投手陣も目指すところが一番身近なところにある。
◆マルテの代わりに1軍に昇格した阪神ドラフト6位の豊田寛外野手が即デビューした。5回に代打で出場し、巨人赤星の初球からフルスイングした。フォークで空振り三振に倒れたが、「持ち味は積極性でもあるので、初球からどんどん思い切ってスイングしていきたい」という決意を実行した。また、この日先発したガンケルに代わって、中継ぎ要員の石井が出場選手登録を外れた。
◆阪神がセ・リーグワースト記録を更新する開幕9連敗を喫した。昨季9勝のガンケルが巨人中田に初回満塁弾を食らうなど、投手陣が11安打9失点と打ち込まれた。東京ドーム3連戦で8被弾。矢野燿大監督(53)は現状打破のプランを「浮かばない」ともがいたまま。5日からは今季初の甲子園でDeNA3連戦。「今は何でもきっかけにしたい」。トンネル脱出へ、頼みの綱は本拠地の虎党の声援だ。73年目のシーズンを迎えたセ・リーグの歴史をついに塗り替えた。開幕9連敗。マスク姿の矢野監督の表情はベンチで厳しくなるばかり。試合後、「これだけ結果が出ないっていうことでね。さらにもっと前を向く意識を持たないと」と声を絞り出した。我慢の日々はいつまで続くのか。前を向いてはいるが、そこに普段の目力はない。腰の張りで出遅れた昨季9勝のガンケルに連敗ストップを託したが、初回いきなり中田に満塁弾を浴びた。5回は浜地が岡本和にソロを浴び、7回はアルカンタラが4失点。打線はドラフト3位赤星の散らす投球に的を絞れなかった。糸井の2ランはあったが、7回まで投げさせプロ初勝利を献上。9回の木浪、梅野の2者連続ソロでは埋まらないビハインドが重かった。この日の2発を含め今回の東京ドーム3連戦で8被弾。「この球場はある程度仕方ない。だからこそバッテリーで協力して、意識を高めてやっていかないと。それで勝負して、抑えていかないとダメなんで」。指揮官は3試合すべて序盤に1発攻勢を浴びたバッテリーに苦言を呈した。3カード9試合が終了し、12球団で唯一白星がない。ただ打ち破りたい現実を前に、なかなか打開策が見つからない現実が言葉の端々から浮かび上がる。「何か大きく変えられることって、まあちょっと俺も浮かばないんで。だからこそ、目の前の事に集中して。1人1人が『俺が変えてやる』っていう気持ちでね」。5日からはようやく今季初の本拠地甲子園に戻りDeNA、広島を相手に6連戦。矢野監督は「もう今は何でもきっかけにしたい。何でもプラスに捉えられるものはプラスに捉えていきたい」とわらにもすがる正直な気持ちを明かした。井上ヘッドコーチが補足する。「『甲子園で出直し』というようなことを選手個々にも伝えた。借金9を返すのはなかなかだが、そこはポジティブに。やっと地元。ここから行こうぜということ」。もがき続けるナインも同じ気持ちだ。入場制限なしの開催で満員が見込まれ、大声は出せなくても拍手やメガホンをたたく音で包まれる聖地が、大きな力となるはずだ。【石橋隆雄】
◆両軍のスターティングメンバーが発表された。阪神は負ければ、セ・リーグ記録を更新する開幕9連敗。腰の張りで出遅れていたジョー・ガンケル投手(30)が先発する。昨季9勝の3年目右腕が〝連敗ストップ〟を託されてマウンドへ。糸井、佐藤輝、大山ら主軸の奮起に期待したい。
◆阪神のジョー・ガンケル投手(30)が出鼻をくじかれた。一回、安打と2四球で1死満塁のピンチを招き、5番の中田に甘く入ったカットボールをオレンジ色に染まる左翼席に運ばれて満塁弾を浴びた。これでチームは3試合連続で初回に一発を許す結果となった。来日3年目の助っ人は、昨季9勝3敗、防御率2・95と先発ローテの一角として活躍。今季は腰の張りで出遅れてこの日が初登板だった。巨人戦は通算7試合で1勝2敗、同10・13と苦手としていた。試合前日には「低めの丁寧な投球を心がけて、カウントで不利にならないように。攻める気持ちを忘れないように」と話していたが、苦しい立ち上がりとなった。
◆阪神のドラフト6位・豊田寛外野手(24)=日立製作所=が代打で1軍デビューを果たした。五回2死走者なしで打席に立ち、巨人先発のD3位・赤星(日大)と対峙。初球から積極的にスイングしたが、最後はフォークに空振り三振に倒れた。その裏の守備で投手と交代となり、ホロ苦いデビューとなった。足の張りで登録抹消となったマルテに代わり、この日初昇格。走攻守三拍子そろった即戦力がこれからレギュラーを目指してアピールしていく。
◆阪神・糸井嘉男外野手(40)が0-5の六回1死二塁から右越えの2ラン。沈んでいたチームを鼓舞した。阪神打線は五回まで、巨人のD3位・赤星(日大)の前に1安打に抑えられていた。六回1死から中野が右中間を破る二塁打。続く糸井は外角低めの変化球をすくいあげて、パワーで右翼席に運んだ。3月25日のヤクルトとの開幕戦(京セラ)以来となる一発に「打ったのはツーシーム。とにかく、何としても逆転したいという思いだけです」とコメントした。阪神はセ・リーグワーストを更新する開幕8連敗中。この日も一回に先発したガンケルが中田に満塁弾を浴び、三塁から左翼スタンドに陣取る虎党が沸くシーンがほとんどなかった。右足のコンディション不良で離脱したマルテに代わって、2日から「3番」を任されたチーム最年長40歳が意地の一発を放った。
◆阪神は今年初の伝統の一戦で3連敗を喫して、2002年に11連敗したロッテ以来、20年ぶりとなる開幕9連敗。1979年のヤクルト(1引き分けを挟む8連敗)を抜いて、セ・リーグワーストとなった。腰の張りで出遅れて今季初登板だったガンケルが一回1死満塁から中田に満塁弾を浴び、試合の主導権を握られた。打線も巨人のD3位・赤星(日大)の前に五回までにわずか1安打。0-5の六回、糸井の2号2ランで3点差としたが、七回に登板したアルカンタラが3本の長短打と2四球を与えて4失点。八回に佐藤輝の犠飛で、九回には木浪、梅野の2者連続アーチで意地をみせたが、外国人投手2人の誤算が響いた。今季限りでの退任を表明している矢野監督にとっては厳しい船出となった。
◆巨人が6連勝を飾った。一回に中田の満塁本塁打で先制し、五回には岡本和がソロ。七回に吉川の3点二塁打などで4点を加えた。赤星は7回2失点でプロ初勝利。阪神は投手陣が打ち込まれ、リーグワーストの開幕9連敗を喫した。
◆巨人のドラフト3位・赤星優志投手(22)が先発し、7回4安打2失点でプロ初勝利を飾った。ルーキー右腕は「本当にうれしいです」とほほ笑んだ。テンポ良く投げ込み、五回まで1安打に封じた。六回に糸井に2ランを浴びたが、七回を101球で投げ切り、チームを6連勝に導いた。お立ち台に上がり「子供の頃から憧れていた景色だった。これからファンの皆さんを喜ばせられるように頑張りたい。1勝でも多く勝ち星を挙げれるように頑張って投げたい」と語った。
◆阪神・糸井嘉男外野手(40)は六回に2号2ランを放ったものの、チームは完敗。空砲となり開幕9連敗に「早く1勝できるように頑張ります」とコメント。最後は「何とか勝って流れを変えていけるように最善を尽くしたいと思います」と話していた。
◆南海、西武で活躍し、阪神では1軍ヘッドコーチなどを歴任したサンケイスポーツ専属評論家・黒田正宏氏(74)は小さな差の積み重ねが、巨人戦3連敗につながった、と分析した。何とか1つ勝とうという気持ちは、伝わってきた。それでも結果は9連敗。巨人との対戦を見ていると、小さな差が、積み重なって、3連敗という残念な結果になった。一見、空中戦のホームラン攻勢で圧倒されたように思えるが、この日の試合は巨人2発に対して阪神3発。なぜ、こんな試合展開になったのかといえば、各打者のつなぐ気持ちだ。一回の中田の満塁本塁打は痛恨だったが、その前の打者がしっかりボール球を見極めて、四球を選んで走者を貯めていったことが大きい。自分で決める力を持った打者が並ぶが、それでも「後ろにつなぐ」意識も忘れていない。終わってみれば七回の失点が痛かったが、ここでもアルカンタラから2四球を選んで、チャンスを広げていった結果が、試合を決める4点になっている。ボール球に手を出した阪神との選球眼の差は感じた。さらにこの攻撃の中で、(七回2死満塁から)ウィーラーの遊撃へのゴロが内野安打になった。これは一走・小林が素晴らしいリードオフで二塁セーフになったことが大きい。カウントは2-2。状況を読んで、次の塁を意識しているからできた走塁だ。先発・赤星が丁寧に低めに投げていたのと対照的にガンケルは高めに浮いて痛打された。阪神ができていない、というより、巨人がしっかりできていた、という印象だ。1つ1つの差は小さいが、それが重なっていくと、試合の勝敗を分ける差になっていた。ただ、終わったことを引きずっても仕方がない。甲子園に戻って、もう一度、基本に立ち返って、1つ1つ、借金を減らしてもらいたい。シーズンはまだまだ長い。
◆阪神・井上一樹ヘッドコーチ(50)が開幕9連敗について心中を吐露した。一問一答は以下の通り。ーー歯車が噛み合えばというところまできている「それはもう、見ての通りで。波があれば、こんなんで勝っちゃったよっていうのと一緒で、もがけばもがくほど、例えば、いい方に転がるんだったら、もがきまくるけど、その中で平常心でやってくれっていう、いつものようにやろうぜということは言い続けている。その中でも随所にチャンスで打てないとか、打球処理を誤ったとか、例えばピッチャーの配球がとか、一発打たれたとか、いろいろありますけど、どこかで早く、この負の連鎖を払しょくしたいという気持ちでやってはいるんですけどね」(さらに続けて)「こちら側からして、もちろんエラーがあったり、打てないのはありますけど、チンタラチンタラ、キャンプからやってるからだとか、練習の態度が悪いからだとか、気を抜いているからだということがあるかと言えば、そうではないわけで、なので、そこは、もちろんメディアとファンの方にも、そういうふうに、どうなってんねん、いつ勝てんねんと。もちろん俺たちはいつも勝ちたいというのは分かっている。でも、そこで僕ら側ができることは現状を受け止めて、選手たちを信じてあげるしかないと思うので。そこは僕も監督の気持ちも察しますし、選手たちが、もがいているところも見ていますから。今は本当に選手を信じて、ひとつのボールに集中するということを言い続けてあげるだけかなと」ーー甲子園をきっかけに「そういうことですね。(これまでも)カードが変わるから、月がかわるからと言って来たけど、(開幕カードは)地元開催、ホーム開催と言っても京セラドームだったわけで、ある意味アウエー感もあるし。『甲子園で出直し』というようなことを選手個々にも伝えましたし、9(連敗)というのはね、借金9を返すのはなかなかですけど。そこはポジティブに捉えるなら、やっと地元ですから。ここから行こうぜ、ということですから」
◆開幕から1番を任されている巨人・吉川尚輝内野手(27)が、3安打3打点2盗塁と奮闘した。6-2の七回2死満塁では、フルカウントから外角直球をしぶとく左前に運び、走者一掃の3点二塁打を放った。阪神3連戦では守備でも球際の強さを見せ、好守で投手を助けた。「守備からいいリズムをつくれたら、いい攻撃もできる。必死にやっているだけ」と汗をぬぐった。
◆巨人・小林誠司捕手(32)が、バッテリーを組んだドラフト3位の赤星優志投手(22)をプロ初勝利に導いた。ルーキー右腕は7回101球を投げ、4安打2失点。六回に糸井に2ランを許したが、五回まで1安打に封じる堂々の投球だった。4番の佐藤輝との対戦では強気に内角を突き、第1打席で空振り三振に仕留めるなど3打数無安打に抑えた。原監督は赤星を「見事だったと思いますね。左バッターの胸元に真っすぐを放れていますし、相手バッターは手ごわいなという印象があったんじゃないでしょうか」と評価し、小林を「うちで守るという部分においては一番ですから」とたたえた。
◆阪神は巨人に5―9で敗れ、セ・リーグワーストを更新する開幕9連敗となった。「3番・左翼」で先発出場した糸井嘉男外野手(40)が六回、意地の2号2ラン。ベンチに戻っても笑顔を見せず、チーム最年長としてファイティングポーズを取り続けた。5日からはようやく本拠地・甲子園に帰ってDeNA3連戦。流れを変えて...いや、勝って! お願い!!無抵抗のまま、今季初の伝統の一戦を3連敗フィニッシュするわけにはいかなかった。チーム最年長40歳の糸井が0-5の六回、ワンサイドゲームを阻止する意地の一発を放った。「なんとしても逆転したいという思いだけです!」試合中、広報を通じて発したコメントだ。ガンケルが一回、中田に満塁アーチを被弾し、いきなり4点のビハインド。打線は巨人のD3位・赤星(日大)に五回まで1安打と翻弄された。2番手の浜地が五回、岡本和に5点差に広げられる一発を浴びた直後だった。一死から中野が右中間二塁打。外角低めのツーシームを振り抜くと、打球は右中間席に飛び込んだ。3月25日のヤクルトとの開幕戦(京セラ)で放って以来、チーム単独トップの2号2ラン。ベンチに戻ると恒例のメダルは首にかけずに手に持って、真剣な表情を崩さず。〝ここからだ〟と元気のなかったナインを鼓舞した。「今年は寅年。絶対に頂点をとりたいなと。みんな思っていることなので、頑張ります」春季キャンプ直前に熱く語っていた。2年ぶりに開幕スタメンをつかみ取ると、前日2日からは右足のコンディション不良で離脱したマルテに代わって「3番」に入って2試合連続打点。だが、奮起も実らなかった。セ・リーグワーストを更新する開幕9連敗。首位巨人とは8ゲーム差に開いてしまった。チームの現状について問われると、10秒以上の沈黙した後、「そうですね。なんとか勝って流れを変えていけるように、最善を尽くしたい」と絞り出した。いつもの軽妙な糸井節もなければ、笑顔もなかった。救いは5日から甲子園(対DeNA3連戦)に帰ること。開幕は京セラドームだったので、正真正銘の本拠地開幕だ。2019年に矢野虎が誕生してからの3年間で、本拠地では通算98勝75敗8分、勝率・567。3年ぶりに入場制限が撤廃され、スタンドを埋め尽くす虎党の前でプレーできるのは、糸井にとってもナインにとっても心強い。「早く1勝できるように頑張ります!」ちゃめっ気たっぷりにお立ち台で虎党を笑わせる40歳のトークを、早く聞きたい!(三木建次)
◆スタンドインを確信し、ゆっくりと歩き出した。巨人・中田翔内野手(32)が、一回1死満塁から2号となる先制の満塁本塁打を放った。ガンケルの初球の変化球を強振し、左翼席上段へ。21打席ぶりの安打に安堵(あんど)の笑みを浮かべた。「全然貢献できていないので、がむしゃらにいきました」オープン戦は打率・325と好調だったが、シーズンに入ってから調子を落とした。「毎年スタートは遅い。ある意味これが自分かと。考えすぎも良くないと割り切った状態で試合に入った」。映像を見返してフォームを試行錯誤した上で、思考法をシンプルにした。日本ハムから昨季加入した大砲は、巨人で初めてお立ち台に上がった。「もっと大きな声援を送ってもらえるように頑張りたい」。その打棒で再びヒーローになる。(鈴木智紘)
◆1軍に初昇格した阪神D6位・豊田(日立製作所)は五回2死で代打でプロ初出場。先発のD3位・赤星(日大)とのルーキー対決で、フォークに空振り三振に倒れた。デビュー戦はホロ苦い結果に終わったが、走攻守三拍子そろった即戦力はここからレギュラーを狙う。試合前に「自分の持ち味は積極性。初球からどんどん思い切ってスイングしていきたい」と話していた通り、積極的にプレーしていく。
◆巨人のドラフト3位・赤星優志投手(22)=日大=が3日、阪神3回戦(東京ドーム)で7回4安打2失点と好投し、セ・リーグの新人一番乗りでプロ初勝利を挙げた。闘病中の父と母、5人のきょうだいに支えられてきた末っ子が、最高の恩返しを果たした。孝行息子の登場で巨人は6連勝。開幕9試合で8勝は球団最多タイとなった。待ちに待った瞬間が訪れた。ベンチから勝利の瞬間を見届けても表情を崩さなかった赤星だが、勝利球を受け取ると?が緩んだ。7回4安打2失点でプロ初勝利。東京ドームのお立ち台からの光景をかみしめた。「子供のころから憧れていた景色。本当にうれしいです」持ち味を発揮した。最速148キロの直球や、桑田投手チーフコーチに教わったカーブをコーナーに投げわけ、21個のアウトのうち13個をゴロで奪った。五回まで1安打投球。六回に糸井に2ランを許したが、7回101球でお役御免となり、セ・リーグの新人一番乗りで白星を手にした。6人きょうだいの末っ子。家族の支えがプロへの扉を開いてくれた。ドラフトで指名漏れを経験した東京・日大鶴ケ丘高時代は175センチ、70キロ。体重を増やすことに苦労した。末っ子のために兄2人、姉3人が立ち上がる。体作りに必要なプロテイン、練習の合間に飲むサプリメントを順番に弟のために購入してくれた。日大4年時には78キロまで8キロ増量。球速は最速152キロまでアップし、4年越しにプロの扉をこじ開けた。「恩返しがしたい」。この日もスタンドで見守った兄、姉へ感謝を込めて腕を振った。両親との約束を果たした。プロ初登板となった27日の中日戦(東京ドーム)には母・笑子さん、そして闘病中の父・篤志さん(58)も車いすで駆け付けた。巨人のユニホームをまとった愛息を見つめ、篤志さんの?には試合前からうれし涙がつたった。この日はテレビ観戦した笑子さんは「みんなに助けていただいた。いい勝利」と声を震わせた。四回には初安打となる二塁内野安打を放ち、2つの記念球が手元に残った。「小さい頃から応援してもらっていた。ウイニングボールは親にあげたいと思います」。温かい家族に支えられた背番号31の恩返しはここから始まる。(樋口航)
◆巨人のドラフト3位・赤星優志投手(22)=日大=が3日、阪神3回戦(東京ドーム)で7回4安打2失点と好投し、セ・リーグの新人一番乗りでプロ初勝利を挙げた。日大鶴ケ丘高時代の恩師、萩生田博美監督(48)は同高の練習終わりに東京ドームにかけつけ、教え子の初勝利を見届けた。高校3年時にプロ志望届を提出するも指名漏れ。それでも、ドラフト翌日にグラウンドで前向きに練習する姿を見てきただけに「(ヒーロー)インタビューを聞いていると、当時を思い出して(胸が)熱くなるものがあった」と喜んだ。「(高校時代は)勝ちに恵まれなかった子だから、勝つことの喜びを味わって、チャレンジしていってほしい」と今後の活躍を楽しみにしていた。
◆腰の張りで出遅れていた阪神・ガンケルが今季初登板し、4回5安打4失点で黒星を喫した。「チームに勝ちを呼び込むような投球をしたかったけど、フォームもボールもなかなかうまくいかなかった。悔しい投球となった」。一回に1死満塁のピンチを招くと、中田に満塁被弾。計4四球と持ち味の制球力が影を潜めた右腕に矢野監督も「もうちょっとスピードもほしいし、本来のコントロールもいつも通りではなかった」と話した。
◆2-5の七回に登板した阪神・アルカンタラが4失点の乱調で、反撃ムードに水を差した。2四球と安打で2死満塁とすると、代打ウィーラーに適時内野安打。続く吉川に左前に走者一掃の二塁打を浴びた。矢野監督は「変化球をしっかり腕を振って投げられないと。空振りを取ったのは中田のときぐらい。状態的にはまだいいとは言えない」と厳しかった。
◆巨人のドラフト3位・赤星優志投手(22)=日大=が3日、阪神3回戦(東京ドーム)で7回4安打2失点と好投し、セ・リーグの新人一番乗りでプロ初勝利を挙げた。東京・世田谷区の下馬北町交通少年団、上馬シニア野球クラブで赤星とバッテリーを組んだ染谷駿斗さん(22)が東京ドームで観戦。「一緒にやっていた仲間が(プロの)マウンドで活躍していて感動した」とかつての相棒の初勝利を喜んだ。小学6年生からバッテリーを組み、染谷さんが投手のときは赤星が捕手を務めた。近所にある公園内の広場で軟式のテニスボールを使って練習したといい「当時からコントロールはよかった」と懐かしんだ。赤星が中学卒業時に「プロ野球選手になってみんなにご飯、パン、めんをごちそうする」と将来の自分へ記した言葉を回想し、「本当にプロになると思っていなかった。これからも頑張ってほしい」とエールを送った。
◆最後までやってもらう-。阪神は3日、巨人戦(東京ドーム)に5-9で敗れ、セ・リーグ記録を更新する開幕9連敗を喫した。スタートから3カード連続3タテという悪夢となったが、今季限りでの退任を表明してシーズンに臨んでいる矢野燿大監督(53)について、球団に途中解任の考えなど、まったくないことがわかった。どんな苦境に陥ろうが、2022年が終わるまで戦い抜いてもらう決意だ。大量6点ビハインドの九回。木浪、梅野の2者連続アーチで、黄色く染まった左翼席の虎党をわかせたのが、せめてもの意地だった。泥沼の開幕9連敗-。トンネルの出口は、いまだ光さえ見えない。試合後、矢野監督は厳しい表情で、言葉をつむぐしかなかった。「『超積極的』『あきらめない』『挑戦する』とかを大事に戦ってきた。大きく変えられることって、俺も(思い)浮かばない。だからこそ目の前のことに集中して、一人一人が俺が変えてやる(という)気持ちで(戦う)」手っ取り早い打開策などない。植え付けてきたスピリッツを、ナインが見せてくれることを信じるしかない。言葉の節々に苦悩がにじんだ。一回、ガンケルがいきなり中田に満塁弾を浴びた。先週(3月27日、ヤクルト戦)に先発で好投したD3位・桐敷(新潟医療福祉大)を中継ぎに回して、今季初先発させた助っ人が4回4失点と期待を裏切ると、打線もつながらず。開幕9連敗は1979年のヤクルトの8を更新するセ・リーグワーストとなった。 1月31日。キャンプイン前日に今季限りでの退任を表明した。前代未聞の発表に当然、賛否両論あった。「賛」は結果で証明するしかなかったが、想定を超える、悲劇的な発進となった。来年指揮を執らない監督に、やらせる意味はあるのか-。強い逆風、雑音も出てくる。しかし関係者の話を総合すると、球団サイドは、矢野監督をシーズン途中で休養させたり、解任する考えを、まったくもっていないことがわかった。就任3年目の昨季、優勝したヤクルトに勝率5厘差で2位となり、クライマックス・シリーズもファーストステージで3位・巨人に敗退。直後に矢野監督は退任を申し出ていた。それを慰留し、託した2022年だ。何があっても、最後まで指揮をとってもらう。球団は腹をくくっていた。矢野監督も、そんなフロントの決意に呼応するかのように「もうずっと(前向きな気持ちは)俺らの中でも大事にしている。でもこれだけ結果が出ないっていうことでね、さらにもっと、やっていかないと、という意識を持たないと」と必死に前を向いた。指揮官が言う通り、いきなり大きく変えることはできない。しかし、環境は間違いなく、変わる。あす5日、甲子園開幕(DeNA戦)-。「今は何でもきっかけにしたい。もがき苦しむ中から成長していけるものを見つけていきたい」満員の聖地が待っている。ファンを喜ばせるのが矢野野球のはずだ。これ以上、泣かせることはできない。まずは1勝。勝つことでしか、ファンは笑顔にならない。
◆阪神・井上ヘッドコーチは9連敗に「チャンスで打てないとか、打球処理を誤ったとか、いろいろあるけど、早くこの負の連鎖を払拭したいという気持ちでやっている。現状を受け止めて、選手たちを信じてあげるしかない」と語った。5日からは今季初めて本拠地・甲子園で試合を行う。「『甲子園で出直し』というようなことを選手個々にも伝えた。ポジティブに捉えるなら、やっと地元ですから。ここから行こうぜということですから」と必死に前を向いた。
◆よっしゃァ! わが阪神がついにセ界(セ・リーグ)記録の偉業を達成したでェ!! 開幕から●●●●●●●●●。見事に並べた黒星9つ。涙? そんなもんあるかいな。人のできないことをやれ、が世の教えです。他球団、悔しかったらまねしてみろってんだ!!てか、たとえ143試合全敗だろうが、虎党は見捨てたりするかいな!! だって、やっぱり、やっぱり...、阪神タイガースが好っきやねん!!?????????(9連愛送ったるわー)本日の試合、巨人の先発が阪神OBのレッドスターの赤星と同姓だから、猛虎打線も気を遣って五回までわずか1安打だったんでしょう。虎の戦士は優しいなあ、ともう全て許しちゃう。だけど、2日の一回、坂本の2ラン。二回、丸のアーチ、三回、ポランコの一発、どれもファーストストライクをほうり込まれたのに、本日の一回の中田に許した満塁弾も初球のストライクだったのだ...。かつて、虎の名捕手と呼ばれた矢野監督が指揮官として、それを許しているのだけが、ひたすら悲しけり...。
◆九回に追い上げるんだけれど、届かない。同じような試合を見せられて、東京ドーム3連敗。開幕からの連敗は、とうとう「9」になった。グスン、涙、涙。スポーツ新聞はすぐに「何勝ペース」とか「何発ペース」とか、単純計算で原稿を書いたり、見出しをつけたりする。ただ、分子がゼロなら、どこまでいってもゼロだ。年間ゼロ勝ペース? いやいや、143敗ペースをまっしぐら! 大変なことになってきた。まあ、100%、そうはならないと思うが。3・25開幕から10日経過しても白星を見ることができないトラ番たちに尋ねるのは気の毒になってきたので、まだ黒星を見たことがない、143勝ペースの球団の担当記者に登場してもらうことにした。当然のように、タカ番・竹村岳はゴキゲンだった。「失礼な言い方かもしれませんが、開幕カードが日本ハム戦だったことが大きかったです。謎の采配のBIGBOSS軍団相手に3連勝できたんで。ソフトバンクも緊張はあったんですが、初戦に勝って勢いに乗れました。開幕戦は143分の1ではないと改めて感じましたね」その開幕戦でズッコケた阪神は、尾を引いて非常事態に。そこで、熱狂的虎党だった竹村記者に、虎へのエールをお願いしたら...。「かつての虎党です。今はホークス命です」と前置きされた上で-。 「僕が担当だった頃の矢野監督は『こんな場面でも大喜びするんだ?』と驚くぐらい、盛り上げていました。最近はおとなしくなった感じがしています。開き直って、あの頃の矢野さんスタイルで戦ってもらいたいです。まだ始まったばかりですから」ちなみに、滋賀の実家に帰ったら、今も熱烈虎党の両親は元気がなく、負けなしのホークス担当との間は、微妙に気まずかったらしい。気まずいといえば、東京ドームにも不穏な空気が忍び寄り始めているとか。黄色に染めたレフトスタンドの応援団に「六甲おろし禁止令」が〝発令〟されたという。トラ番・織原祥平が教えてくれた。「初戦(1日)の九回に大山さんがホームランを打った瞬間、狂喜乱舞のファンが思わず『六甲おろし』を大合唱したんです。声を出すのは、もちろん禁止。翌日、ドーム側から、歌わないでください、と厳重注意されたらしいんです。ファンの方がツイッターでつぶやいていました」気持ちは分かる。分かるけれど...。今から30年前。劣勢の弱虎に腹を立てたバカなファンが、東京ドームのレフトスタンドから、さまざまなものを投げ込み、試合が中断するという事件が起きた。ラジカセ(危ない!)、バット(なぜ持ち込んだのか)、ビール瓶(持ち込んだらアカンやろ)、コンドーム(いつ使うんや)...。グラウンドに散乱する光景は、今も脳裏に焼き付いている。情けなかった。それに比べれば歌うぐらいは-。いやいや、ダメ、絶対ダメ。ルールは守りましょうね。ファンのイライラもMAX。困ったものだ。この状況を、一瞬で救えるのは、もちろん白星。矢野監督、タテジマ戦士、アナタたちだけが〝虎党の平和〟を取り戻せるんです。お願いします!
<セ・リーグ順位表推移>
順位 | チーム名 | 勝数 | 負数 | 引分 | 勝率 | 首位差 | 残試合 | 得点 | 失点 | 本塁打 | 盗塁 | 打率 | 防御率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 (-) |
巨人 |
8 | 1 | 0 | 0.889 (↑0.014) | - (-) |
134 | 50 (+9) | 35 (+5) | 14 (+2) | 3 (+2) |
0.268 (↑0.006) | 0.000 (-) |
2 (-) |
広島 |
6 | 3 | 0 | 0.667 (↓0.083) | 2 (↓1) |
134 | 47 (-) | 29 (+1) | 2 (-) | 5 (-) |
0.266 (↓0.016) | 0.000 (-) |
3 (-) |
ヤクルト |
4 | 4 | 0 | 0.500 (-) | 3.5 (↓0.5) |
135 | 31 (-) | 30 (-) | 10 (-) | 4 (-) |
0.237 (-) | 0.000 (-) |
3 (-) |
DeNA |
4 | 4 | 0 | 0.500 (-) | 3.5 (↓0.5) |
135 | 34 (-) | 38 (-) | 6 (-) | 6 (-) |
0.232 (-) | 0.000 (-) |
5 (-) |
中日 |
4 | 5 | 0 | 0.444 (↑0.069) | 4 (-) |
134 | 28 (+1) | 33 (-) | 6 (-) | 3 (+1) |
0.215 (↓0.004) | 0.000 (-) |
6 (-) |
阪神 |
0 | 9 | 0 | 0.000 (-) | 8 (↓1) |
134 | 29 (+5) | 54 (+9) | 6 (+3) | 3 (-) |
0.239 (↓0.001) | 0.000 (-) |
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