中日(☆4対3★)広島 =リーグ戦2回戦(2022.04.02)・バンテリンドーム=
このエントリーをはてなブックマークに追加

 123456789101112
広島
1000100000013401
中日
000101000002X4911
勝利投手:森 博人(1勝0敗0S)
敗戦投手:栗林 良吏(0勝1敗2S)

本塁打
【広島】末包 昇大(1号・5回表ソロ)
【中日】大島 洋平(1号・6回裏ソロ)

  DAZN
チケットぴあ 中日戦チケット予約 広島戦チケット予約

DAZN

◆中日が接戦を制した。中日は勝ち越しを許した直後の延長12回裏、1死一塁から大島の適時三塁打が飛び出し、試合を振り出しに戻す。なおも続く好機で岡林が適時打を放ち、サヨナラ勝利を収めた。敗れた広島は、12回に坂倉の犠飛でリードを奪うも、守護神・栗林が誤算だった。

◆中日大島洋平外野手(36)が通算250盗塁を決めた。 初回、先頭で右前打を放ち出塁。2番岡林の初球にスタートし、二盗を成功させた。史上47人目の記録に王手をかけて臨んだ今季8試合目で節目の記録に到達した。09年ドラフト5位で日本生命から中日入りした大島は3年目の12年に32盗塁でタイトルを獲得。以降は昨年まで2ケタ盗塁を重ねてきた。

◆中日が根尾昂外野手(21)の二刀流も辞さない執念のサヨナラ勝ちで今季初の連勝を飾った。延長12回表に広島に勝ち越しを許すと、福から森に継投。この時点でベンチ入りの投手陣全員を使い切った。しかしブルペンで投球練習する右腕がいた。根尾だ。ベンチに残るのは、捕手の桂と根尾の2人だけ。大阪桐蔭で投手と遊撃の二刀流として甲子園春夏連覇に貢献した実力の持ち主。非常に備えて、肩を作った模様だ。 今季は立浪監督の意向もあり、外野手登録。春季キャンプでは石川昂や岡林らとブルペンで投球練習を行い、指揮官が「敗戦処理は、いっぱいいるな」と話した経緯がある。出番はなかったが、二刀流デビューは目前だった。指揮官の勝利への執念がナインに伝わったのか、その裏に大島の三塁打で同点に追い付くと、2番岡林の二塁内野安打でサヨナラ勝ち。広島の絶対的守護神・栗林に黒星をつけ、本拠地で2連勝となった。▼通算250盗塁=大島(中日) 2日の広島2回戦(バンテリンドーム)の1回に二盗で達成。プロ野球47人目。初盗塁は10年4月28日の巨人5回戦(ナゴヤドーム)。

◆広島栗林良吏投手(25)がプロで初めてセーブ機会に失敗し、21年から続いていた連続試合セーブは「22」で止まった。 1点を勝ち越した12回に登板。1死から溝脇を四球で出すと、大島の適時三塁打で同点に。続く岡林の二塁内野安打でサヨナラ負け。2失点で昨季は1度もなかったセーブ機会で失敗した。昨季から続いていた22試合連続セーブは98年佐々木(横浜)が1シーズンで達成した日本記録に並んでいた。「そんなことは考えていなかった。ただ勝ちたいという思いだけで、意識はしてなかった」。今季は3年ぶりに延長12回制となった。守護神にとっては慣れない状況。同点の9回から臨戦態勢を整え、出番は12回裏。「(延長で)難しさがあった。でも、実力不足。粘れないのは本当に良くない」。この日の敗戦が右腕をさらに強くする。

◆中日が今季最初のファンクラブ(FC)デーを延長12回、逆転サヨナラ勝利で飾った。ベンチ入り9投手をすべて投入した12回には根尾がブルペンで準備する総力戦。今季初の連勝を呼び込んだのは立浪監督が野手キャプテンに指名した大島と秘蔵っ子・岡林の新1・2番コンビだった。 1点を勝ち越された12回1死一塁。難攻不落の守護神・広島栗林を初回、通算250盗塁を達成していた大島がとらえた。この試合1号ソロを含む4安打目は右中間を破る同点三塁打。続く岡林の二塁への内野安打で生還する。「あれ、勝ったのかな」。立浪監督も興奮を隠せない幕切れとなった。勝ち越しを許した12回表は山本、福、森と3投手をつぎ込み、まさかの事態に備えて根尾をスタンバイさせた。「もしアクシデントがあった場合は根尾がいるということで一応、キャッチボールはさせていました」。攻撃面でも9回2死三塁のサヨナラ機に不振の石川昂に代打平田を送るなど、決め手に欠く状況で厳しい決断も求められた。そして幻の「投手・根尾」。執念で手にした初の連勝。「(ファンにとって)ストレスのたまる試合が多かったので1試合でも多く、こういう戦いをやっていきたい」。新指揮官はファンにメッセージを送った。◆ファンクラブ応援デー 中日は2日の広島2回戦で今季初のファンクラブ応援デーを実施。背中の名前を、それぞれの選手が考えたニックネームに変更した。主砲ビシエドは「TANQUE」。5番阿部は「MASTER」で、サヨナラ打の岡林は「GUN-BAYASHI」。ブルペン待機の根尾は「AKIRA」だった。このイベントは、本拠地で今季6試合を予定している。▽中日岡林(広島栗林からプロ初のサヨナラ打)「どんな形でも(三塁走者の)大島さんをかえそうという気持ちしかなかった。迷ったらだめだと思い切って、振った結果が(二塁への内野安打となり)よかったです」▽中日森(12回表2死から9番手で登板、逆転サヨナラでプロ初勝利)「まずチームが勝ててよかったです。次は抑えます」▽中日笠原(今季初先発で6回3安打2失点)「初回、ばたついてしまいましたけど、テンポよく投げることを意識しました。自分らしい投球ができたかなと思います」▽中日大島(初回の今季初盗塁は通算250個目。延長12回は逆転サヨナラに導く同点三塁打)「後ろにつなごうと打席に入った。いいところ(右中間)に飛んでくれました。(250盗塁は2年越しでの到達で)やっと決められてよかったです」

◆広島ドラフト6位の末包昇大(すえかね・しょうた)外野手(25)がプロ初本塁打となるソロを放った。 同点の5回1死で、中日笠原祥太郎投手(27)の低めカットボールをとらえた。左中間方向に大きな打球が放たれた。「泳ぎ気味だったが手応えは良かった。(バンテリンドームは)広さがあるので『入ってくれ~』と思って」。願いを乗せた白球はフェンスを越えた。プロ21打席目で待望の1発に「思ったより早く打てた。なんとかチャンスをつくろうと思って打ちにいった結果、本塁打になって良かった」。一時は勝ち越しになったソロ本塁打に笑顔を見せた。オープン戦はプロの投手と対戦し、苦しんだ。16試合すべてに出場したが打率は1割7分7厘。それでも期待を込めて、開幕右翼に選ばれた。「悪いところは全部出た」と切り替えて、初シーズンを迎えた。DeNAとの開幕戦(横浜)で、いきなり4打数3安打の猛打賞発進。広島では58年の古葉と森永以来64年ぶり3人目の記録を打ち立てた。シーズンに入り、勝負強さを発揮。ドラフト指名は6位だが、欠かせない戦力の1人になりつつある。チームはカブスに移籍した鈴木誠也外野手(27)の穴を埋めるべく、連日奮闘している。末包もポスト鈴木の候補の1人だ。「移動だったり全然経験していないことが多いので、慣れない部分はある。ただ、思ったほど疲れはきていない。まだまだ頑張れる」。長距離砲として期待される即戦力スラッガー。当初期待された4番こそ譲ったが、恐怖の7番打者として、存在感たっぷりだ。【前山慎治】

◆中日は延長十二回に岡林が二塁適時内野安打を放ち、今季初のサヨナラ勝利を収めた。試合後の立浪和義監督(52)の主な一問一答は以下の通り。――延長十二回に劇的な逆転サヨナラ勝利「最後、1点入ったときに、もちろんサヨナラなんですけど、なんとなしに『勝ったのかな?』という感じだったんですけど、(サヨナラ打を放った)岡林も前の打席(十回1死一、三塁で一ゴロ)にサヨナラのチャンスで打てなくて。(十二回は)何とか三塁走者もギャンブルで(本塁に)いかせたので、良く転がしてくれた。取り返してくれました」) ――広島・栗林を攻略した「溝脇もよく粘ってくれましたよね。1、2球粘ったところが結果的に四球というところで、実績を出した投手でも四球を出すと嫌な気がすると思うので、そこを逃さず大島(同点の右中間三塁打)が初球から打ってくれました」――リリーフ陣がよくつないだ「先に九回までに勝ちパターンをつなぎましたから、その間に本当であれば決めたいという思いで勝負はかけていたんですけど、最後、延長になりましたけど、勝てたことが何よりもきょうは良かったと思います」――七回は京田に代打・福留、九回も石川昂に代打・平田を送った「確率で、結果的には点を取れなかったんですけど、ウチには切り札として孝介(福留)がいますし、昂弥(石川)の場合は明らかに真っすぐに差し込まれていた。ずっと課題ではあるんですけど、勝ちにいっているわけなので当然、そういうこともあります。悔しければ、あそこで代えられないように。前の内容がよければ代えられないですし」 ――大島が通算250盗塁達成「今年、37歳かな。それであれだけまだ動けているわけですから、オフの過ごし方であったり、トレーニングであったり、真面目にやっていてあれだけ打てるし、走れるんだと思います」

◆中日は勝ち越された延長十二回に逆転し、サヨナラ勝利で連勝を決めた。四、六回に1点差を追いつき、終盤戦へ突入。リリーフ陣は七回から清水、ロドリゲス、R・マルティネスと必勝パターンを投入し、十回を任された田島も含めて4人で4回を無安打リレーでつないだ。前夜は八回に逆転劇を演じた攻撃陣は七回から4イニング連続で得点圏に走者を置きながらホームを踏めず、ついには十二回に、四球と投前犠打野選、投前バントで1死二、三塁をつくられ、坂倉の右犠飛で勝ち越しを許した。最後に待ち構えていたのは、昨季7月から前回登板した3月31日の阪神戦(マツダ)まで22試合連続でセーブを記録しており、チームも苦手にしている守護神・栗林だった。しかし、1死から溝脇が四球で出塁すると、大島が右中間を破る三塁打を放って同点とし、続く岡林は「同点にしてくださったので、何とか大島さんをホームに還そうと思って、思い切って振りました」。一、二塁間へ強いゴロを放つと大島はギャンブルスタートで本塁に突入し、二塁・菊地涼が打球を処理したと同時にサヨナラのホームへ滑り込んだ。苦しみながらも意地を見せてつかんだ1勝。立浪和義監督(52)も「抑えが出てきて逆転する、サヨナラするなんて(そんなに)ない。本当は先に点を取って勝ちパターンに持っていくというのが理想だけど、今年は1試合1試合、全力でやっていきたい」と喜んだ。

◆広島のドラフト6位ルーキー末包がプロ初本塁打を放った。1―1の五回1死で、真ん中低めのカットボールを豪快に振り抜いて左中間スタンドにたたき込みガッツポーズ。「(球場に)広さがあったので入ってくれ、と思った。泳ぎ気味だったが感じは良かった」と喜びをかみしめた。社会人の強豪、大阪ガスから入団した25歳の大砲候補。21打席目で飛び出した待望の初アーチについて「思ったより早かった」と率直に語った。

◆最後まで勝利を信じて球場に残った竜党を救った。四球と野選をきっかけに1点を勝ち越され、敗戦ムードも漂った延長十二回。1死一塁で大島が鋭いライナーで右中間を破る同点三塁打を放って負けを消し、ボルテージは最高潮に達した。「とにかくいい形で後ろにつなごうと思って打席に入った結果、いいところにいってくれたのでよかった」マウンド上には昨季、13試合の対戦でわずか2安打しか打てず、ホームに至っては一度も踏ませてもらえなかった守護神・栗林。だが、大島が痛打を浴びせて、クライマックスにつなげた。続く岡林が放った一、二塁間への強烈なゴロに、36歳はギャンブルスタートで猛然とホームへ突入。捕球した二塁・菊池涼が送球することをあきらめるスピード生還が、逆転サヨナラ決着の瞬間だった。難攻不落だった右腕の連続試合セーブ記録も「22」でストップさせた。一回に右前打で出塁すると、続く岡林の打席の初球で二盗を成功させ、通算250盗塁を達成。1―2の六回には右翼へ1号ソロを放ち、流れを引き戻した。八回の右前打と合わせて4安打の固め打ち。この日はまさに大島デーだった。「いい集中力の中で試合ができていますし、連勝で来ていますから、この調子でチーム一丸となってやっていきたいです」今季は野手キャプテンに就任し、若手の見本となる気持ちも例年以上に強い。胸の「C」マークを輝かせ、チームをけん引していく。(須藤佳裕)

◆1点を勝ち越された延長十二回、外野手登録の根尾がブルペン投球を行った。試合後、立浪監督は「アクシデントがあった場合は根尾がいるということで、キャッチボールはさせていた」と説明。ベンチ入りした全9投手が登板したことを受け、有事に備えたことを明かした。根尾は大阪桐蔭高時代、投手兼遊撃手として活躍。9番手・森が無事に登板を完了したため、出番はなかった。

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
710 0.875
(↑0.018)
-
(-)
13541
(+5)
30
(+4)
12
(+3)
1
(-)
0.262
(↓0.011)
0.000
(-)
2
(1↓)
広島
620 0.750
(↓0.107)
1
(↓1)
13547
(+3)
28
(+4)
2
(+1)
5
(-)
0.282
(↓0.025)
0.000
(-)
3
(1↑)
ヤクルト
440 0.500
(↑0.071)
3
(-)
13531
(+3)
30
(+2)
10
(+1)
4
(+1)
0.237
(↑0.007)
0.000
(-)
3
(-)
DeNA
440 0.500
(↓0.071)
3
(↓1)
13534
(+2)
38
(+3)
6
(-)
6
(+2)
0.232
(↓0.002)
0.000
(-)
5
(-)
中日
350 0.375
(↑0.089)
4
(-)
13527
(+4)
33
(+3)
6
(+1)
2
(+1)
0.219
(↑0.001
0.000
(-)
6
(-)
阪神
080 0.000
(-)
7
(↓1)
13524
(+4)
45
(+5)
3
(-)
3
(+1)
0.240
(↑0.009)
0.000
(-)