阪神(★8対10☆)ヤクルト =リーグ戦1回戦(2022.03.25)・京セラドーム大阪=
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ヤクルト
100001143101514
阪神
01340000081501
勝利投手:梅野 雄吾(1勝0敗0S)
(セーブ:マクガフ(0勝0敗1S))
敗戦投手:ケラー(0勝1敗0S)

本塁打
【ヤクルト】濱田 太貴(1号・7回表ソロ),サンタナ(1号・8回表2ラン),山田 哲人(1号・9回表ソロ),サンタナ(2号・9回表2ラン)
【阪神】糸井 嘉男(1号・4回裏2ラン)

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◆ヤクルトが最大7点差を逆転して勝利。ヤクルトは5点を追う8回表、サンタナの2ランなどで1点差に迫る。続く9回に山田のソロとサンタナの2ランが飛び出し、試合をひっくり返した。投げては、4番手・梅野が今季1勝目。敗れた阪神は、救援陣がリードを守れなかった。

◆阪神佐藤輝明内野手(23)が、今季の新登場曲をお披露目した。奇数打席では大ファンのアイドルグループ、ももいろクローバーZの「あんた飛ばしすぎ!!」を採用。2年目シーズンの第1打席となった2回先頭で京セラドーム大阪に「ちょっと、あんた、飛ばしすぎ!!」という歌詞が響いた。「飛ばしすぎ!!」とは真逆の三塁へのボテボテのゴロで内野安打で出塁。今季初安打を決めるとその後、近大の先輩、糸井嘉男外野手(40)の中前適時打で今季チーム初得点となる同点のホームを踏んだ。「あんた飛ばしすぎ!!」は、「ちょっと、あんた、飛ばしすぎ!!」と歌詞で連呼され、飛距離抜群のアーチに期待がかかる佐藤輝にとってはピッタリは1曲だ。偶数打席では人気ヒップホップアーティスト、LEX(レックス)の「なんでも言っちゃって」を採用。昨年8月に配信リリースされ、公式YouTubeでは25日現在、846万回再生されている人気曲だ。こちらも佐藤輝お気に入りのヒップホップソングで、気持ちを上げて打席に向かうことができそうだ。

◆開幕戦の両チームスタメンが発表された。阪神は佐藤輝明内野手(23)が「4番右翼」に座った。球団生え抜き4番が開幕戦で本塁打を放つと、84年掛布以来の快挙となる。阪神開幕投手は2年連続で藤浪晋太郎投手(27)が大役を務める。 ヤクルトは、小川泰弘投手(31)が2年連続6度目の開幕投手で、再び藤浪と投げ合う。

◆3人組ボーカルユニット、ベリーグッドマンが、公式戦開幕セレモニーで特別ライブを行った。 昨季、阪神中野拓夢内野手(25)が登場曲に使用した「ハイライト」を熱唱。その後、代表曲の「ライトスタンド」で京セラドーム大阪を盛り上げた。球場内は暗転し、ファンはスマートフォンのライトを掲げた。セレモニーではタイガースガールズのパフォーマンスも行われ、プロ野球の幕開けを盛り上げた。

◆阪神の開幕戦には試合開始前から大勢のファンが駆け付けた。大阪府から来た小学4年の橋本涼介君(10)は大山悠輔内野手(27)のレプリカユニホームを着用。先日の少年野球の試合で満塁本塁打を打ったご褒美で祖母と観戦に来た。橋本君は「大山選手はいつも気合が入っていて、前キャプテンでみんなもまとめるし、ホームランを打つから好き。大山選手みたいになりたい」と話した。 開幕投手が藤浪晋太郎投手(27)に変更となったことで、埼玉・春日部市から車で14時間かけて観戦に来た大学生の秋葉洸平さん(20)は「3時間ずつ交代で運転してきました。藤浪投手は新人のころからずっと応援している。復活してほしい」と話した。原岡将義さん(20)は「僕たちは地元は関東だけど、僕の祖父が甲子園球場の近くに住んでいる。大阪桐蔭の時から藤浪投手が好きだった」と話した。藤浪のユニホームを着た大阪府の橋本侑也さん(26)は「藤浪投手はやっぱり球が速いのが魅力。今日は内野席で近くで見るのが楽しみ。お客さんも多いし盛り上がるでしょうね」と入場制限がなくなり久しぶりに満員のスタンドでの観戦を楽しみにしていた。隣にいた20代女性は「佐藤輝明選手はオープン戦も調子がよかったので、ヒット1本は打ってくれるはず」と開幕4番に期待した。

◆阪神ファンで演歌歌手の徳永ゆうき(27)が、開幕戦の始球式を行った。上が白、下が黄色のタイガースカラーの着物を身にまとい、君が代を独唱した後に、マウンドに登場。ワインドアップから捕手の梅野に向かって見事なノーバウンド投球を決め、球場を沸かせた。徳永さんは「無事にノーバウンドで届いてくれてホッとしています。今日球場入りして100球投げ込んだんで、どっかいってもうたらどうしようかなと思っていた」と笑顔。「毎年期待はしています。いい流れ、いいスタートを切ってくれたらいいなと思っています」と阪神の開幕ダッシュを願っていた。

◆阪神佐藤輝明内野手(23)が、今季の新登場曲をお披露目し、いきなり初ヒットを放った。奇数打席では大ファンのアイドルグループ、ももいろクローバーZの「あんた飛ばしすぎ!!」を採用。「4番右翼」でスタメン出場し、1点ビハインドの2回先頭だ。京セラドーム大阪に「ちょっと、あんた、飛ばしすぎ!」と歌詞が響き渡ると、2年目シーズンの第1打席に立った。 その初球、「飛ばしすぎ」とは正反対の三塁へのボテボテのゴロで、内野安打で出塁に成功。今季初安打を決めるとその後、近大の先輩、6番糸井の中前適時打で今季チーム初得点となる同点のホームを踏んだ。登場曲についてはこれまで、「開幕してからのお楽しみですよ」と極秘を貫いてきた。偶数打席では人気ヒップホップアーティスト、LEX(レックス)の「なんでも言っちゃって」で登場。公式YouTubeで846万回再生されているお気に入りのヒップホップで気持ちを高め、第2打席では三塁線を破る二塁打を放った。この日は父博信さん(54=関学大准教授)に加え母方、父方それぞれの祖父母も観戦。球団では1951年(昭26)渡辺博之以来、71年ぶりに入団2年目での開幕4番を務めた息子について、博信さんは「客観的に見て、たいしたもんだなと思います」と目を細めた。「4番だからではなく、何番でもチャンスで打ってほしい」。ファミリーの期待も背負い、2年目も開幕から飛ばしていく。【中野椋】

◆阪神糸井嘉男外野手(40)が、今季チーム1号アーチとなる2ランを放った。4回2死二塁、右腕大下から右翼席へ豪快な1発で、40歳7カ月での開幕戦アーチ。これで09年金本の41歳0カ月、18年福留の40歳11カ月に次ぐ、球団史上3人目の「40代開幕戦本塁打」となった。「打ったのはストレート。(糸原)健斗の素晴らしい打球につられました。ありがとう健斗。あいつの背中は頼もしい!」と前を打つ後輩をたたえた。 糸井がベースを1周すると、ベンチ前ではファンから募った「虎メダル」が初めて登場。阪神は今月10日、プレー以外でもファンに楽しんでもらう「ファンともっと! プロジェクト!」の企画として「みんなの虎メダル」の募集を開始。昨季、坂本誠志郎捕手(28)が制作し、ホームランを打った選手にかけられた通称「虎メダル」をファンに作ってもらおうというもので、開幕戦からさっそく使われた。

◆2年連続で開幕投手を務めた阪神藤浪晋太郎投手(27)が、7回6安打3失点で大役を全うした。 初回、先頭塩見にいきなり右翼線への二塁打を浴びると、1死から山田に死球を与え、2死一、三塁からサンタナに右前打を浴び、先制点を献上した。2回は3者凡退。3回2死から山田、村上に連続四球を与えるなど一、三塁としたが、サンタナを外角への158キロ直球で見逃し三振にねじ伏せ、ピンチを脱した。味方打線に大量援護をもらった中盤以降は、6回に1失点、7回は先頭の代打浜田に左越えの1発を浴びたものの、後続を断ちリードを死守した。開幕投手に決定していた青柳が開幕直前に新型コロナウイルスに感染。急きょ任された大役を、クオリティースタート(6イニング以上自責点3以下)という形で期待に応えた。

◆日本一連覇を目指すヤクルトは、エース小川泰弘投手が2年連続6度目の開幕投手を務めたが、3回11安打4失点でKOされた。 相手は昨季開幕戦と同じ阪神。昨年は6回途中3失点で降板してチームも敗れただけに必勝を期して臨んだが、結果を残せず「何とか結果を出したかったですけど早いイニングでマウンドを降りてしまって申し訳ないですし悔しいです」と話した。序盤から粘りの投球が続いた。1回にサンタナの適時打で1点を先制。その裏、先頭の近本に内野安打を許したが、捕手古賀が二盗を阻止。その後も2死一塁とされたが、中野の二盗を古賀が再び刺して切り抜けた。ところが2回に同点とされ、3回につかまった。2死二、三塁から糸原に2点適時三塁打を浴びて勝ち越されると、糸井にも適時打を献上した。過去5度登板した開幕戦では1勝1敗、防御率1・42と安定していただけに、まさかの序盤KOとなった。プロ10年目で、今季は選手会長も務める右腕。開幕前には「自分らしく。先頭に立ってプレーで引っ張っていければ一番いいと思います」と話していた。次回登板でリベンジを目指す。

◆阪神が開幕戦で大逆転負けを喫した。最大7点のリードをひっくり返されての敗戦。開幕戦で7点差を逆転されての黒星は、球団史上初めて。1点を先制されたが、佐藤輝明内野手(23)の猛打賞や糸井嘉男外野手(40)の2ランなど4回まで8-1と大量リードした。だが、6回から反撃を受け、8回に斎藤、岩崎の2人で4失点。1点差まで迫れて迎えた9回に、開幕守護神を託された新外国人カイル・ケラー投手(28=パイレーツ)が2本塁打を浴びるなど3失点した。

◆阪神の開幕守護神を託された新外国人カイル・ケラー投手(28=パイレーツ)が、来日初登板で2被弾を食らい、試合をひっくり返された。 8-7の1点リードの9回に登板。先頭の山田に1ストライクからの2球目、甘いカーブを振り抜かれ、打球は左翼スタンドへ。球団初となる阪神の外国人投手が来日1人目の打者に被本塁打で同点に追いつかれると、村上に中前打を許した直後、サンタナにもカーブを捉えられ、バックスクリーン左へ痛恨の勝ち越し2ランを被弾。球場はため息に包まれた。ケラーはメジャーに移籍した2年連続セーブ王のスアレスの代役として加入。コロナ禍の影響で、6日に来日したばかりだった。▼来日初登板のケラーがいきなり山田に1発を浴びた。初登板で第1打者に本塁打されたのは21年4月3日ソフトバンク戦の井上(西武)以来でプロ野球78人目。阪神では91年4月16日広島戦の田村以来5人目で、外国人投手では球団初。

◆ヤクルトが1ー8から逆転勝ち。ヤクルトが7点差以上の逆転勝ちは、10点差をひっくり返した17年7月26日中日戦(0ー10→11ー10)以来、5年ぶり。開幕戦の7点差逆転勝ちは、82年日本ハムが西武戦(0ー7→10ー7)で記録して以来2度目となる最大差逆転劇。日本ハムは本拠地の後楽園球場で記録しており、ビジターの開幕戦で7点差逆転は初めてだ。

◆阪神藤浪晋太郎投手(27)が2年連続開幕投手を務め、7回6安打3失点で役割を果たした。 初回に先制点を許したが、落ち着き払っていた。1-1と同点で迎えた3回2死一、三塁で再びサンタナとの勝負。カウント1-3から158キロの直球で見逃し三振に斬った。その後は流れを引き寄せず、159キロの速球から109キロのカーブまで緩急操り、7三振を奪った。「調子が良かったわけではないですが、何とか粘ってゲームを作ることができたのは良かったですし、先発として最低限の仕事はできたのかなと思います」1年前の「自分」への再挑戦だった。昨年3月26日、同じく小川と投げ合ったヤクルトとの開幕戦。5回2失点でマウンドを降りると、7回に新人の石井大が同点打を浴び、自身の開幕戦白星が消えた。「晋太郎さんの人生を変えてしまったかもしれない」と背負い込むルーキーに、先輩右腕は言った。「7回投げられない俺が悪い。石井は全然気にしなくていいよ。俺も中継ぎを経験して、気持ちは分かるから...」。その言葉で、ポキッと折れてしまいそうな新人石井の心を優しく包みこんだ。先発としてより長いイニングを投げきれなかった自分への戒めでもあった。1年がたち、再び巡ってきた開幕戦。昨年の自分を超える7回のマウンドを守り抜いた。まさかの7点差逆転負けで、勝ち投手はスルリと逃げた。だが、2、3戦目に予定のプロ初先発コンビ、小川とルーキー桐敷を勇気づけるマウンドになったことは間違いない。【三宅ひとみ】

◆4番輝、開幕戦から飛ばしすぎ! まさかの逆転負けの中、2年目で初の開幕4番を務めた佐藤輝明内野手(23)が全開の3安打1打点で打線をけん引した。 1点を追う2回先頭、ももいろクローバーZの「あんた飛ばしすぎ!!」で第1打席に入った。今季から奇数打席で採用した新登場曲。「飛ばしすぎ」とは正反対、三塁前へのボテボテのゴロに快足を飛ばした。一時同点につながる内野安打が今季初ヒット。4回2死二塁の第3打席では左中間への適時二塁打で初打点も挙げた。「拓夢さん(中野)がチャンスメークしてくれたので、しっかりホームまでかえすことができてよかった」。直後、糸原の遊ゴロで三進を狙うと、タッチにきた村上への送球をスライディングで三塁ベンチ付近まで"飛ばしすぎ"、その間に一気に本塁も陥れた。登場曲は「開幕してからのお楽しみです」と秘密にしてきた。この日が解禁日で、偶数打席は人気ヒップホップアーティスト、LEX(レックス)の「なんでも言っちゃって」で登場。アイドルソングとは別路線、お気に入りのヒップホップで気持ちを高め、3回第2打席では三塁線を破る二塁打。阪神の生え抜きでは1983年(昭58)の掛布以来、39年ぶりとなる開幕4番の猛打賞を決めた。チームは15安打で8得点。昨季セ界王者ヤクルトに逆転負けを喫したが、新4番の佐藤輝を中心とした新打線が機能したことは大きな収穫だ。矢野監督は「いい流れでバッター陣がつないでくれた。バッターは明るい材料がいっぱいあると思う」とたたえた。背番号8は「切り替えて、1日1日、やることをやっていきたい」と逆襲を約束。猛打賞発進とくれば、次は京セラドーム大阪でプロ初の本塁打に期待がかかる。「飛ばしすぎ!!」を地でいく特大アーチで、今度こそ22年初勝利をもたらす。【中野椋】▼阪神の開幕戦で先発4番打者が猛打賞を記録したのは、福留孝介の17年広島戦以来5年ぶり。9回に1号本塁打を放つなど、3安打した。生え抜き選手に限ると、掛布雅之が83年ヤクルト戦で尾花高夫から3安打して以来、39年ぶり。掛布は前年82年大洋(現DeNA)戦でも斉藤明雄から3安打しており、佐藤輝は2リーグ分立後の生え抜き開幕4番では2人目、3度目の猛打賞となった。▼阪神の開幕戦での7点差逆転負けは、球団史上初の屈辱となった。球界全体で見ても、82年に西武が日本ハムに4回表まで7-0とリードしながら、10点を失い7-10で敗れたのに続き、球界2度目の出来事となった。▼開幕戦での阪神の2桁失点は、93年中日戦12失点、01年巨人戦17失点、14年巨人戦12失点に続き4度目。

◆日本一連覇を目指すヤクルトが、若手野手陣の奮闘で7点差を大逆転し、阪神との開幕戦を制した。 7点を追う6回2死一塁、「6番遊撃」で初の開幕スタメンを勝ち取った高卒3年目の長岡が適時二塁打でプロ初打点を挙げて反撃の口火を切ると、7回無死には同4年目の浜田が代打でチーム1号となるソロで加点。8回には同2年目の内山壮のプロ初打点などで1点差に接近した。ともに初の開幕1軍をつかんだ"ヤングスワローズ"が打線に勢いをもたらすと、9回無死には主軸の山田が同点ソロ。なお無死一塁からサンタナが、決勝の2号2ランをバックスクリーンにたたき込んだ。4安打と大活躍の長岡は「守備で足を引っ張ってしまったので何としてでも取り返したかった。今日だけでなくこれを続けていけるようにしたい」。浜田も「代打だったのでとにかく出塁する事を一番に考えて食らいついていきました。良い角度で上がってくれました」とコメントした。抜てきした若手の活躍で初戦をものにした高津監督は「嫌な雰囲気で中盤を迎えたけど、最後まで何があるか分からないのが野球。頑張って粘った成果。選手を誇りに思います」と選手をたたえた。チームにとっては18年以来4年ぶり。就任3年目の指揮官にとっては初の開幕戦勝利。「すごくうれしいけど(気持ちが)もたんね。これは」と笑顔だった。【鈴木正章】

◆阪神2年目中野拓夢内野手が猛打賞でプロ初の開幕スタメン起用に応えた。 2番遊撃で出場し、初回1死から左前打、3回1死から中前打と先発小川攻略に貢献。4回は1死から左前打で出塁すると、続くマルテの打席の4球目で今季初盗塁を成功させた。守備では初回2死一、二塁から長岡に左翼と遊撃の間への飛球を背走しながらキャッチし、ピンチを救った。昨季の盗塁王は下肢コンディション不良で出遅れたが「何とか最初の試合からヒットが打ててよかったけど、勝てなかったので、切り替えて、流れを引き寄せるプレーをしていきたい」と引き締めた。

◆大嵐の船出だ。ラストシーズンの航海に乗り出した矢野丸が、大波に襲われた。 1点リードの9回。来日初登板となった新外国人ケラーが餌食になった。先頭山田に左翼席へ同点ソロをたたき込まれると、さらに村上に中安を許し、続くサンタナにはバックスクリーンへ勝ち越し2号2ランを被弾。異様な空気にのみ込まれた新守護神が、武器のカーブをことごとく狙われた。開幕戦で最大7点差を逆転されるという大惨事。こんな展開を誰も予想できない。もちろん、矢野監督も、だ。「俺の責任として受け止めてるし、7点差をひっくり返されるというのはなかなかないので、まあそれを受け止めながら。ピッチャーも勝負に行った結果。これを受け止めながら立て直していくということを、俺がやっていかなあかん。仕方がないでは済まされない」。指揮官は自身に言い聞かせるように言葉をつないだ。5点リードの8回から歯車は狂いだしていた。2番手でマウンドに上がった斎藤が1死から村上に四球を与え、続くサンタナに1号2ランを被弾。2死一塁の場面で救援登板した岩崎も下位打線から3連打を浴びた。5点のセーフティーリードからリリーフ2人で1回4失点。昨季まで2年連続セーブ王だったスアレスが抜けて課題だったブルペンが大炎上し、開幕から不安が的中してしまった。新助っ人のケラーは6日に来日し、10日にチームに合流。2軍で連投するなど実戦4試合で急ピッチで開幕に間に合わせた。2戦目以降の起用法を問われた指揮官は「今すぐちょっと決断というのはなかなか難しいけど、今のこの時点ではシーズンを戦う上でケラーに頑張ってもらわないとというのがある。現状はそう思っています」と、守護神継続の方針を明かした。失意のケラーは談話を発せず帰路に就いた。矢野監督は「流れを変えるというところでは大変なところ。もう1回、俺らが自分たちで流れを変える野球をするしかない」と力を込めた。悪夢の7点差負けを、糧にするしかない。【桝井聡】

◆つなぎの5番、阪神糸原健斗内野手(29)が2回に一時勝ち越しとなる2点適時三塁打を放った。2死二、三塁。2ボールからのヤクルト小川のチェンジアップをとらえた打球はグングン伸びて右翼サンタナの頭を越えた。「テル(佐藤)もしぶとくつないでくれましたし、何としてもホームまでかえしたいという思いで打席に入りました。最高の結果になってよかった」と喜んだ。2回の第1打席でも中前打を放ちマルチ安打での開幕発進となった。キャンプ序盤に新型コロナウイルスに感染し出遅れたが、開幕前日に「ケガなく開幕を迎えられる。1回野球を離れてみて、野球をできる喜びや感謝の気持ちを感じた。そういう気持ちを忘れずに1年間戦いたい」と話していた。昨季も29試合5番を任された。今季は好調の4番佐藤輝と6番糸井をつなぐ役割としての5番を任される。3万5510人が集まった久しぶりの満員の中でのプレーだった。「(観客が多いと)力になる。声援が後押ししてくれる」と話しており、満員の虎党の声援を力に変えて1年間戦い抜く。

◆開幕戦阪神は佐藤輝明内野手(23)が「4番右翼」に座った。 佐藤輝ファミリーもスタンドから声援を送った。父博信さん(54=関学大准教授)に加え、母方、父方それぞれの祖父母も観戦。開幕4番を務めた息子について、博信さんは「客観的に見て、たいしたもんだなと思います」と目を細め「4番だからではなく、何番でもチャンスで打ってほしい」と期待。「何かにつけてありがとうとか、そういのをめっちゃ言うようになった」と心の成長を感じていた。

◆大逆転ヤ!! 2年連続日本一を目指すヤクルトが、若手野手陣の活躍で7点差をひっくり返す逆転劇で、阪神との開幕戦(京セラドーム大阪)を制した。初の開幕1軍でスタメンをつかんだ高卒3年目の長岡秀樹内野手(20)が4安打1打点の活躍。1点を追う9回は山田、サンタナの2発で試合を決めた。18年以来4年ぶり、就任3年目の高津監督にとっては初の白星発進となった。"ヤングスワローズ"が大逆転の起点になった。7点を追う6回2死一塁。長岡が適時二塁打でプロ初打点を挙げて、反撃の口火を切った。7回には高卒4年目の浜田が、代打でチーム1号となるソロ。さらに8回には高卒2年目で途中出場の内山壮にもプロ初打点が飛び出した。若手のお膳立てで1点差に詰め寄った9回、無死から主軸の山田が値千金の同点ソロ。さらに無死一塁でサンタナが、2打席連発となる決勝2ランを放って試合を決めた。猛打賞も含め、初ものずくめの激闘を終えた長岡はほっとした。「(遊撃の)守備で足を引っ張ってしまったので何としてでも取り返したかった。打てて良かった」と振り返った。1点リードの2回無死一塁、糸原の打球にグラブを出したが捕れずに中前打とし、失点につながった。だが山田から激励され、前を向いた。「顔ガチガチだったんですけど、哲人さんに『切り替えちゃえよ』と軽く言われ、ふっきれたのがあります」。初の1軍に7つ上の姉からも「自慢の弟だよ」と連絡が来たが「まだ返してないです」というほど慌ただしく、記憶に残る1日となった。抜てきした若手の活躍に高津監督も「最後まで何が起こるか分からないのが野球。みんな頑張った成果。選手を誇りに思います」とたたえた。2年連続日本一へ、初戦から大きな収穫のある白星となった。【鈴木正章】・ヤクルト山田(9回無死、同点の1号ソロ)「投手も野手もみんな諦めず何とかしようと頑張っていたし良い流れで自分に回ってきたので、その流れに乗って打たせてもらいました」▼ヤクルトが1-8から逆転勝ち。ヤクルトが7点差以上の逆転勝ちは、10点差をひっくり返した17年7月26日中日戦(0-10→11-10)以来、5年ぶり。開幕戦の7点差逆転勝ちは、82年日本ハムが西武戦(0-7→10-7)で記録して以来2度目となる最大差逆転劇。日本ハムは本拠地の後楽園球場で記録しており、ビジターの開幕戦で7点差逆転は初めてだ。

◆阪神が悪夢の大逆転負けで開幕戦を落とした。1点リードの9回に登板した新守護神のカイル・ケラー投手(28)が、山田とサンタナに2発を浴びるなど3失点。新4番佐藤輝明内野手(23)の猛打賞の活躍などで4回までに8点を奪い、勝利は確実かと思われたが2番手斎藤、3番手岩崎の救援陣も打ち込まれた。開幕戦の7点差逆転負けはプロ野球ワーストタイで、課題だったスアレスの穴がいきなり露呈する厳しい船出になった。大嵐の船出だ。ラストシーズンの航海に乗り出した矢野丸が、大波に襲われた。1点リードの9回。来日初登板となった新外国人ケラーが餌食になった。先頭山田に左翼席へ同点ソロをたたき込まれると、さらに村上に中安を許し、続くサンタナにはバックスクリーンへ勝ち越し2号2ランを被弾。異様な空気にのみ込まれた新守護神が、武器のカーブをことごとく狙われた。開幕戦で最大7点差を逆転されるという大惨事。こんな展開を誰も予想できない。もちろん、矢野監督も、だ。「俺の責任として受け止めてるし、7点差をひっくり返されるというのはなかなかないので、まあそれを受け止めながら。ピッチャーも勝負に行った結果。これを受け止めながら立て直していくということを、俺がやっていかなあかん。仕方がないでは済まされない」。指揮官は自身に言い聞かせるように言葉をつないだ。5点リードの8回から歯車は狂いだしていた。2番手でマウンドに上がった斎藤が1死から村上に四球を与え、続くサンタナに1号2ランを被弾。2死一塁の場面で救援登板した岩崎も下位打線から3連打を浴びた。5点のセーフティーリードからリリーフ2人で1回4失点。昨季まで2年連続セーブ王だったスアレスが抜けて課題だったブルペンが大炎上し、開幕から不安が的中してしまった。新助っ人のケラーは6日に来日し、10日にチームに合流。2軍で連投するなど実戦4試合で急ピッチで開幕に間に合わせた。2戦目以降の起用法を問われた指揮官は「今すぐちょっと決断というのはなかなか難しいけど、今のこの時点ではシーズンを戦う上でケラーに頑張ってもらわないとというのがある。現状はそう思っています」と、守護神継続の方針を明かした。失意のケラーは談話を発せず帰路に就いた。矢野監督は「流れを変えるというところでは大変なところ。もう1回、俺らが自分たちで流れを変える野球をするしかない」と力を込めた。悪夢の7点差負けを、糧にするしかない。【桝井聡】

◆阪神―ヤクルト戦の開幕オーダーが発表された。2年連続の開幕投手の阪神・藤浪晋太郎投手(27)が先発する。昨季の開幕戦では5回2失点で勝ち負けはつかず。リベンジのマウンドで白星をつかむ。2年目のシーズンの臨む佐藤輝明内野手(23)は「4番・右翼」で出場。昨季のセ・リーグ王者のヤクルトから勝利を目指し、戦う。

◆ヤクルトの開幕戦スターティングメンバーが発表された。オープン戦最終戦まで定位置争いを繰り広げていた遊撃は、高卒3年目の長岡秀樹内野手(20)が入った。捕手は古賀優大捕手(23)が初の開幕スタメンの座をつかんだ。

◆演歌歌手の徳永ゆうき(27)が阪神―ヤクルト前の国歌斉唱で君が代を独唱した。プレーボール直前には始球式にも登場し、ノーバウンド投球を披露し、球場を盛り上げた。) 「無事にノーバウンドで届いてくれてホッとしています。今日、球場入りして100球投げ込んだんで、どっかいってもたらどうしようかなと思っていた」と安堵の表情で振り返った。17年ぶりのリーグVを目指す阪神には「いい流れ、いいスタートを切ってくれたら」とエールを送った。

◆試合開始に先立って行われた開幕セレモニーに人気3人組ボーカルユニット「ベリーグッドマン」が登場した。タイガースのユニホーム姿でグラウンドに設置された特設ステージに現れたRover、MOCA、HiDEXの3人は昨季、阪神・中野が登場曲として使用した「ハイライト」を熱唱。続いて、代表曲の「ライトスタンド」を歌い上げ、場内のボルテージを最高潮に盛り上げた。大役を終えたRoverは「離れた距離のファンの皆さまだったけど、すごい近い距離で暖かさを感じたし、野球愛を持って応援してくれている人はエネルギーがすごいなって思った」。MOCAは「絶対優勝してほしいんだという思いと、きょうも自分たちがみせるんだという思いじゃなくて、ファンの皆さんの気持ちを代弁して歌った」と語った。HiDEXは「今年もワクワクしながら試合を見たい。去年に続いて猛進してもらいたいと思います」と願った。

◆4番に座った阪神・佐藤輝明内野手(23)が今季初打席で快音を響かせた。0―1の二回先頭で打席に立つと、先発・小川の初球のフォークをスイング。三塁へのボテボテのゴロだったが、相手内野陣形が一塁ベース寄りを守る〝輝シフト〟を敷いていたため、内野安打となった。直後の糸原も安打で続き、無死一、二塁とチャンスを広げると、40歳の糸井が打席へ。フルカウントからの6球目の変化球を中前へはじき返し、同点打とした。なおも無死一、二塁で大山は中飛、梅野は二ゴロ、藤浪は空振り三振に終わり、勝ち越しとはならなかった。

◆阪神は1―1の三回、佐藤輝が2死一塁で先発・小川の外角のフォークを流し打ちし、左翼線二塁打で好機を拡大。続く糸原の右越えの2点三塁打で逆転に成功すると、糸井も2打席連続となる適時打でリードを3点に広げた。糸原は「テル(佐藤)もしぶとくつないでくれましたし、何としてもホームまで返したいという思いで打席に入りました。最高の結果になって良かった」とコメントした。その後、大山と梅野にも安打が飛び出し、2死満塁としたが、藤浪が三振に倒れて攻撃終了。打者一巡も猛攻でヤクルト・小川を粉砕した。

◆阪神・佐藤輝明内野手(23)が早くも猛打賞だ。四回に2死二塁で2番手・大下から左中間への二塁打で追加点を挙げ、今季初打点をマークし、3打数3安打とした。直後に糸原が失策で出場すると、糸井が右越えの2ランで7点差とした。

◆ヤクルトの開幕投手を任された小川泰弘投手(31)が崩れた。「開幕戦を任せていただいて、何とか結果を出したかったですけど、早いイニングでマウンドを降りてしまって申し訳ないですし、悔しいです」一回に味方が1点を先制したが、二回に糸井の中前適時打で同点。さらに、三回は5連打を浴びるなど3点を失った。毎回走者を背負う苦しい展開で3回11安打4失点。2014年以来、自身8年ぶりの開幕戦白星を狙ったが、試合を作ることができなかった。

◆高卒4年目のヤクルト・浜田太貴外野手(21)が七回、代打で出場し、今季のチーム1号となる左越えソロを放った。「代打だったので、とにかく出塁することを一番に考えて食らいついていきました。良い角度で上がってくれました」阪神の開幕投手・藤浪が投じた130キロのスライダーを捉え、2020年10月9日の広島戦(マツダ)以来、532日ぶりの一発。オープン戦途中からアピールを続け、初の開幕1軍をつかみ取った21歳が、得意の打撃で期待に応えた。

◆ヤクルト・長岡秀樹内野手(20)が「6番・遊撃」で初の開幕スタメンの座を勝ち取るとプロ初打点をマークした。1―8の六回2死一塁で藤浪が投じた149キロの速球を右中間にはじき返して適時二塁打。千葉・八千代松陰高から入団3年目にして初めて打点を記録した。長岡は「守備で足を引っ張ってしまったので何としてでも取り返したかった」とコメントした。

◆阪神は最大7点リードを守り切れず、開幕戦で痛恨の逆転負けを喫した。8-7の九回に新守護神、カイル・ケラー投手(28)が先頭の山田に同点弾、さらにモンタナには勝ち越しの2ランを浴び、ホロ苦い来日初登板となった。1ー1の三回に、糸原の勝ち越しの2点三塁打で打線に火をつけた。「6番・左翼」でスタメン出場したチーム最年長40歳の糸井は本塁打を含む3安打4打点。4番を任された佐藤輝も3安打1打点と結果を残せば、同じく2年目の中野も3安打スタート。打線は15安打8得点と奮起すれば、青柳のコロナ陽性判定を受けて、2年連続開幕投手に指名された藤浪も7回6安打3失点にまとめたが、まさかの逆転負けで、初の開幕勝利投手とはならなかった。

◆昨季の日本一チーム、ヤクルトが劇的な逆転勝利を収めた。最大7点差をつけられたが六、七回に1点を返した。八回、サンタナの2ラン、内山壮の適時打などで4点を返し、1点差。九回、山田のソロで追い付き、サンタナの2ランで勝ち越した。熱気が帰ってきた。3年ぶりに制限なしで観客が詰めかけた京セラドーム。球団初の2年連続日本一を目指し〝高津ヤクルト〟が新たな船出を切った。「スタメンで出るのは9人だけど、ファンも含めた全員で戦う意識を持って、みんなで力を合わせて頑張っていこう」試合前には高津監督がナインの前で訓示。昨季のレギュラーシーズン中には「絶対大丈夫」とナインを鼓舞し、優勝につなげた指揮官が、また新たな〝魔法の言葉〟を授け、2022年シーズンをスタートさせた。2年連続6度目の開幕投手を務めた小川は崩れた。二回に追い付かれ、三回は5連打を浴びるなど3失点。3回11安打4失点で降板となった。「何とか結果を出したかったが、早いイニングでマウンドを降りてしまって申し訳ない、悔しい」2番手の大下は四回に4失点。この時点で7点差をつけられ、昨季開幕3連敗を喫した阪神に主導権を握られた。それでも、あきらめない。 新型コロナウイルス感染拡大の影響で観客数制限が続いていた中、今季は3年ぶりに入場制限なしで迎えた開幕戦。燕戦士は昨季のリーグ優勝を示すエンブレムをユニホームの右袖に付けてグラウンドへ。そして終盤に劇的なドラマを起こした。八回、サンタナの2ランなどで4点を返す。九回は山田のソロで同点とし、サンタナの2ランで勝ち越した。最大7点差を逆転し、白星発進。王者が底力を示した。

◆昨季の日本一チーム、ヤクルトが劇的な逆転勝利を収めた。最大7点差をつけられたが六、七回に1点を返した。八回、サンタナの2ラン、内山壮の適時打などで4点を返し、1点差。九回、山田のソロで追い付き、サンタナの2ランで勝ち越した。以下、サンタナの一問一答。--きょうはどんな一日だった「素晴らしい一日でしたね。でも、とにかく素晴らしいチームの勝利でした」--最後の打席では阪神・ケラーと初対戦。どんなことを考えて打席に入った「いつも通りのアプローチで打席に入りました。とにかく真っ直ぐには負けずに変化球に対応するようなアプローチで(打席に)入りました」--4安打5打点。きょうはバットを振れば安打、本塁打のような感覚だったのでは「そんな感じではなかったですね。2打席目も三振してしまったので、結果的には良かったですけど、そんな感覚ではなかったです」--今季の自身の目標、チームの目標は「個人的にもチーム的にも連覇が大きな目標だと思います。去年は本当に楽しい一年間でしたし、チームとしてずっと優勝争いしていたっていうのが本当に楽しくて。去年のように優勝争いできるようなプレーがチーム的にできたらなと思います」

◆阪神は新守護神のカイル・ケラー投手(28)が九回に2本の本塁打を浴びて、最大7点のリードを守れず、逆転負けを喫した。試合後の矢野耀大監督(53)の一問一答は以下の通り。ーーこういう負けはやむを得ない「やむを得なくはないよね。出した俺の責任として受け止めてるし、7点差をひっくり返されるのは、なかなかないので、それを受け止めながらピッチャーも勝負に行った結果なので。これを受け止めながらどう立て直していくかを、俺がやっていかなあかんやろうし、仕方がないでは済まされないのでね。明日の流れを変えるかというところでは大変なところになると思うので、もう一回俺らが自分たちで流れを変える野球をするしかないと受け止めてやっていきます」ーーケラーは初登板で独特な雰囲気も「それは言い訳っていうかね、結果よくない時にそういうのって言い訳にもなるし、俺らはプロである以上難しい状況でもやるのもプロだし、どんな状況でもやるのがプロなんで。ケラーも攻めていくピッチングをしてもらうしかないので、状況は関係ないよね」ーー26日以降も抑えはケラーか「うーん。今すぐ決断というのは、難しいけど、今の時点では、シーズンを戦う上でケラーに頑張ってもらわないと、というのがあるんでね。現状はそう思っています」ーーほとんどの打者に当たりが出たのは前向き「そやね。いい流れでバッター陣がつないでくれたし、しっかりつなぐとか、走るとか、そういう野球をやってくれた。マルちゃんに1本でなかったんで、明日はいいところで打ってくれるんじゃないかと思います」ーー糸井は明るい材料(2ラン含む3安打4打点)「バッターは明るい材料いっぱいあると思う。嘉男もキャンプから、年齢を言うと申し訳ないけど、挑戦して勝ち取って開幕戦でこれだけやったのは、自分でつかみ取ったもの。違った自分を嘉男が出してくれて、チーム全員、いい刺激になった思うので。嘉男自身も自信になったと思うし」ーー藤浪は(7回3失点)「晋太郎自身、開幕って気負うし、力むし、その中で落ち着いて投げているな、と見えていたので。いろんなことを考えると、落ち着いてよく投げてくれたのかなと思います」ーー久しぶりの満員(観衆3万5510人)「パワーというか、この雰囲気というのを久しぶりに味わったし、熱気はすごく伝わってきた。だからこそ、いいスタートを切りたかったけど、さっき言ったように切り替えるしかないので。明日取り返すしかないので、明日頑張ります」

◆藤浪が7回3失点は十分過ぎる合格ピッチ。そこから、救援陣がリードを守り切れなかったのは、明らかに継投ミスだろう。ただし5点差で、最近評価をあげていた斎藤の投入は間違いではないし、3点差の2死一塁で、当たっている浜田に岩崎を投入したことも当然。1点差の九回を守護神ケラーに託すのも、シーズン前からの決め事だ。矢野監督のさい配に注文は付けにくい。登板した投手が軒並み、調子が悪かったのが現実だろう。まずはケラー。先頭の山田に対し、初球スライダーの後の2球目、カーブが真ん中高めに入った。緩急をつけるためにカーブという球種は効果的だが、ワンバウンドなってもいい気持ちで低めに投げなければいけない。というもの、カーブは捉えられると最も飛ぶ球種でもある。初登板で、緊張もあっただろうし、いきなりクリーンアップという不運もあった。とはいえ、球威もなければ、キレもない。さらに、変化球の制球も。これでは抑えられない。日本の打者をナメたらアカンよ。強く言いたい。もちろん、この日が本来の状態とは思えない。どう上げてくるのか。まずは真っすぐ。真っすぐあってのカーブだ。岩崎も調整遅れでオープン戦に突入し、登板機会が少なかった。その影響があったのではないか。イニングの頭からではなく、走者を置いての登板になったこともマイナスに作用した。斎藤は力みからかボールがバラついていた。ブルペンでどんな状態だったのかは気になる。正直言って、非常にもったいない1敗だ。セットアッパー岩崎、守護神ケラーで迎えたシーズン。この2人の復調抜きに長い戦いは考えられない。岩崎には経験がある。矢野監督の喫緊の課題は、いかにケラーを本来の調子に持っていくかだろう。(サンケイスポーツ専属評論家)

◆2年ぶりに開幕戦先発出場を果たした阪神の40歳、糸井が3安打4打点。「いい緊張感の中で集中して打席に入れた」と確かな手応えを口にしていたが、活躍は勝利につながらなかった。初打席から適時打を続け、四回の第3打席では大下の甘い球を右越えに打ち込む2点本塁打。開幕戦4打点で掛布や城島らの球団記録に並んだ。昨季は佐藤輝の加入もあって出番が減り、先発出場は15試合にとどまった。今年はキャンプ初日から若手に交じってフルメニューを消化。快音を響かせたオープン戦から好調を持続している。佐藤輝(3安打)「安打は出たが、いいところで打てるようにしないといけない」中野(3安打)「こんなに安打が出ると思っていなかった。勝たないと印象に残らない」

◆阪神の藤浪は7回3失点と粘ったが、降板後に逆転されて勝敗は付かなかった。新型コロナウイルスに感染した青柳の代役として臨んだ開幕戦で役目は果たし「何とか粘って試合をつくることができたのはよかった」と話した。一回に先制を許したものの、二回以降は立ち直り、五回まで走者を出しながらも追加点を与えなかった。ただ、六回に長岡の適時二塁打、七回は代打浜田の一発で点差を詰められて降板。矢野監督は「全部良かったというところにはいかないが、落ち着いてよく投げてくれた」と及第点を与えた。

◆「6番・遊撃」で開幕戦先発の座をつかんだヤクルトの20歳、長岡が4安打にプロ初打点と起用に応えた。打点は六回に藤浪の直球を右中間に運ぶ二塁打で挙げ「つなぐ意識でフルスイングした。この1試合で終わらないように」と気を引き締めた。1―0の二回の守備では、無死一塁で糸原の強い打球を捕れずに中前打としてしまい、失点につながった。「足を引っ張ってしまったのでバットで取り返したいと思っていた。ずっと集中していた」と話した。(京セラ)

◆バットから面白いように快音が響いた。「6番・左翼」で2年ぶりに開幕スタメンを飾った40歳の阪神・糸井が、3安打4打点と大暴れ。しかし、試合は黒星に終わり、ベテランのハッスルも報われなかった。0―1の二回無死一、二塁で先発・小川から中前へ同点打。「良い緊張感の中で集中して打席に入れましたし、すぐに追いつくことができて良かった」。三回にも2打席連続となる適時打。四回には右翼席へ2ランを放ち、球場を沸かせた。40歳以上の開幕戦本塁打は、2009年の金本(41歳)、18年の福留(40歳)に続いて球団3人目の快挙。開幕戦4打点は球団タイ記録で、40歳以上では初だったが、チームの逆転負けでふいとなった。それでも超人の好調ぶりは敗戦の中でも明るい材料だ。矢野監督は「開幕戦でこれだけやったのは、自分でつかみ取ったもの。違った自分を嘉男が出してくれて、チーム全員、いい刺激になった思う」とべた褒めした。単年契約で臨む今年は、自分もチームも絶対に負けられない。背水の覚悟で残り142試合も戦い、虎を頂点に導く。(織原祥平)

◆史上最悪開幕...。プロ野球が25日、セ、パ両リーグの計6試合で開幕を迎え、阪神は京セラドームで昨季日本一のヤクルトに8-10で逆転負けを喫した。最大7点をリードしながらも、今季限りでの退任を発表している矢野燿大監督(53)の継投が裏目に。開幕戦での7点差逆転負けはプロ野球史上ワーストタイの屈辱となった。) ) まさに開幕戦史上最大の悪夢。喜びに満ちたゲームセットの瞬間は訪れず、じわりじわりと詰め寄られ、守護神の大炎上で白星は消え去った。矢野監督が退任を公表して臨んだ2022年シーズンの初戦は、虎党の嗚咽が聞こえてきそうな歴史的大逆転負けとなった。「出した俺の責任として受け止めているし、7点差をひっくり返されるのはなかなかない。仕方がないでは済まされないのでね、俺らが自分たちで流れを変える野球をするしかないと受け止めてやっていきます」試合後の指揮官も言葉の端々に悔しさをにじませた。試合中盤までは〝虎祭り〟の様相だった。三回まで11安打と打線が機能。開幕4番を任せた佐藤輝も適時打を含む猛打賞と期待に応えた。五回終了時点で8-1と大差をつけ、爆勝発進-。誰もがそう確信したが、継投策が裏目に出て希望は砕け散った。 2年連続で開幕投手を務めた藤浪は7回6安打3失点と踏ん張ったが、〝潮目〟が変わり始めたのは、8-3の八回だ。ベンチは昨季19試合に登板した斎藤を送り出したものの、1死から村上に四球を出し、続くサンタナに中越え2ランを被弾。勝利の方程式入りを期待する若虎を起用したが裏切られた。その後2死一塁でスイッチした岩崎も燕打線の勢いを止められない。内山壮と塩見の適時打で1点差に詰め寄られた。シーズン中の一試合以上の重みを持つ開幕戦。勝利へ万全を期すため、5点リードでも八回頭から岩崎を投入する選択肢もあったはずだが、指揮官が下した決断は試合の結果を大きく左右するものだった。トドメはケラーの誤算だ。1点リードの九回に登板。来日初セーブの期待もかかったが、先頭の山田に124キロのカーブを左翼席に運ばれて同点とされると、無死一塁からサンタナに再び125キロのカーブをバックスクリーン左にたたき込まれ、逆転を許してしまった。開幕直前に連投テストを行うなど、急ピッチで調整してきた新守護神だったが、指揮官は「結果がよくないときにそういうのって言い訳にもなるし。ケラーも攻めていく投球をしてもらうしかない。状況は関係ないよね」と厳しかった。昨季はゲーム差なしの2位に終わり、誰よりも、どのチームよりも一試合の重みを知っていたのが矢野阪神のはず。味わった悔しさを〝凝縮〟したかのような黒星だ。開幕戦での最大7点差の逆転負けは、40年ぶり2度目でプロ野球史上ワーストタイという負の歴史に名を刻んでしまった。「パワーというか、この雰囲気というのを久しぶりに味わった。熱気はすごく伝わってきた。だからこそいいスタートを切りたかったけど、切り替えるしかない」入場制限がなくなり、3万5510人が詰めかけた一戦を痛すぎる形で落とした。矢野虎がスタートから暗雲に包まれた。(新里公章)

◆「2番・遊撃」で出場した2年目の阪神・中野は、3安打&1盗塁の好発進にも「試合に勝たないと、この結果をよく見られないと思うし、印象にも残らない」と笑顔はなかった。下肢のコンディション不良で出遅れ、18日に1軍合流した昨季の盗塁王。一回に左前打を放つと、三回は3得点の口火となる中前打。四回は左前打の後、二盗を決め、佐藤輝の適時二塁打で生還した。「なんとか、明日以降(気持ちを)切り替えて、流れを引き寄せるプレーをできるように頑張りたい」と前を向いた。

◆プロ野球のセ・パ両リーグが25日、開幕した。JERAセ・リーグでは、球団初の2年連続日本一を目指すヤクルトが、阪神との開幕戦(京セラ)に10―8で勝利。1点を追う九回に山田哲人内野手(29)が同点の1号ソロを放ち、勝ち越し劇を呼んだ。開幕戦での7点差逆転勝利は史上最大差。高津臣吾監督(53)は、就任3年目で開幕戦初白星を飾った。3年ぶりに入場制限なしで開幕したプロ野球。大観衆の前で、筋書きのないドラマが初日から演じられた。逆転を信じる燕党が陣取った左翼席。白球は、そこに向かって放物線を描いた。1点差に迫って迎えた九回、先頭で山田が1号ソロ。土壇場で同点にした主将は試合後、興奮を隠せなかった。「流れはスワローズだったし、流れに乗って出塁を心掛けた。まさかホームランになるとは思っていなかったし、本当にチームの勢いのおかげ」五回終了時で1―8の劣勢。長岡、浜田、内山壮と若手が躍動して六回から反撃の気運を高めると、勢いに乗って値千金の一発を放った。阪神の新外国人・ケラーとは初対戦だったが、球種を頭に入れて「ジャストミートしよう」と、初球から2球続いたカーブを捉えた。主将の一振りに4番・村上が中前打で続き、サンタナが八回に続く2ランで勝ち越した。昨季日本一に導いた強力クリーンアップが、終盤で力を発揮。昨季の快進撃を想起させる粘りを見せた。 3年ぶりに入場制限なしで開幕した今季のプロ野球。敵地には3万5510人が詰めかけた。山田は第1打席で藤浪に死球を受けたが、苦悶の表情も一瞬だけ。勝利のためフィールドに立ち続け〝開幕戦史上最大の逆転劇〟となる7点差逆転勝ちを演出した。布石は試合前にあった。ミーティングで松元コーチが「どんな形であれ一年間諦めることがないように」とナインに呼び掛け、背番号1は「その通り誰一人諦めていなかった」とうなずいた。応援してくれる仲間のためにも、打つ。山田は毎シーズン終了後、地元・大阪で履正社高時代のメンバーと集まるのを恒例にしている。日本一と東京五輪で金メダルを獲得した昨年はケーキが用意され、祝ってもらった。同級生の中で野球を続けているのは山田だけ。「みんなの期待に応えたい。同級生だけじゃなく、親御さんも応援してくれている」。プロ12年目も、期待を一身に背負いプレーする。スワローズに戻れば、主将2年目でチームを引っ張る存在だ。この日は試合前の円陣で声出しを務めた。昨季、20年ぶりの日本一を決めた11月27日のオリックス戦(ほっと神戸)で声出しを務めたのも山田だった。「このメンバーで野球ができたことが誇り」。そう伝えてから4カ月。主将の言葉が、また仲間を奮い立たせた。昨季、開幕3連敗を喫した阪神に雪辱の白星発進。就任3年目で初の開幕戦白星を飾った高津監督は「一発で仕留めてしまうのは、さすが。頼りにしている」と目を細め、山田は「やり返すぞという気持ちでみんないたと思うし、そういうのが前面に出ていた。すごくいいチーム」と胸を張った。球団初の2年連続日本一へ、燕軍団が最高のスタートを切った。(赤尾裕希)★4安打5打点 今季も強力クリーンアップを支えるサンタナが、殊勲の一撃を放った。山田の1号ソロで同点に追いついた直後の九回無死一塁。阪神の新守護神・ケラーのカーブを捉え、決勝の2号2ランを放った。一回に右前適時打、六回に中前打、八回1死一塁に1号2ランを放ち5打数4安打5打点の大活躍。高津監督は「大きなポイントゲッター。ああやって大きいのを打って、(走者を)かえすことができるのが彼の特長だと思う」と信頼を寄せた。

◆初の大舞台で輝きを解き放った。ヤクルト・長岡秀樹内野手(20)が「6番・遊撃」で初めて開幕スタメンに名を連ね、4安打にプロ初打点をマーク。起用に応え、声を弾ませた。「(六回の適時打は)フルスイングした結果、いいところに飛んでくれました。今日で終わらないようにどんどん乗っていければと思います」千葉・八千代松陰高から入団3年目。試合前に高津監督からスタメンを言い渡されると、緊張で体が「ドクン」となったという。緊張は時間とともにほぐれ、四回に中前打。六回、藤浪の149キロの直球を右中間に運ぶ二塁打で打点を挙げた。 8回、ヤクルト・内山壮真が適時中安打) 長岡に負けじと大分・明豊高から入団4年目、21歳の浜田が七回に代打で左越えソロ。今季のチーム1号にもなった。石川・星稜高から入団2年目、19歳の内山壮は四回からマスクをかぶり、八回の打席で中前へ。プロ初安打と初打点をマークした。「(若手が)いいスタートを切ったので、気持ちのいい二歩目を」と高津監督。劇的な逆転勝利。反撃の機運を高めたのは若手たちだった。(森祥太郎)◆八回にプロ初安打、初打点をマークしたヤクルト・内山壮 「先輩方がつないでいたので、止めるわけにはいけないという思いで打ちました」◆七回の代打本塁打にヤクルト・浜田 「出塁することを一番に考えて、食らいついていった。いい角度で上がってくれた」

◆勝負強さを買われて「5番・二塁」で出場した阪神・糸原が1-1の三回2死二、三塁から、一時勝ち越しとなる右越えの2点三塁打を放った。「輝(佐藤)もしぶとくつないでくれたし、なんとしてもホームにかえしたいと思って、打席に立った」。2死一塁から二塁打でチャンスを拡大させた新4番に感謝。逆転負けでヒーローにはなれなかったが、2安打2得点と存在感を示した。

◆2年連続で開幕投手を務めた阪神・藤浪は7回110球を投げて6安打3失点と粘投。一回、制球が乱れて、サンタナに先制打を許すも二回以降は立ち直った。「調子がよかったわけではないが、その中でゲームを作ることはできた。先発として最低限の仕事はできたのかなと思います」。5点リードで降板も、まさかの逆転負け。青柳が新型コロナウイルスの陽性判定を受け、代役で上がったマウンドで奮闘したが、開幕星はゲットできなかった。

◆初めて見たスタンドを埋めつくす虎党は、とてつもない力をくれた。そして、快音を届けることができた。ただ、待っていたのは悪夢のような結末-。それでも、最後まで背中を押してくれたファンのため、下を向いている暇はない。阪神・佐藤輝は言葉を絞り出した。「ヒットも打てた。でも最後打ちとられて、最後いいところで打てるように、気を引き締めていきたいと思います」23歳0カ月で任された開幕4番。ドラフト制度が導入された1966年以降では、2019年の大山の24歳3カ月を抜いて球団最年少だった。二回先頭の第1打席。内野手が全体的に引っ張りを警戒し、三塁手が遊撃付近を守る〝輝シフト〟を逆手にとった。三塁線へボテボテの内野安打。ラッキーな一打に塁上でニヤッと笑うと、三回2死一塁の第2打席はまたも三塁線へ痛烈な打球を放って、今度は正真正銘、手応えありの二塁打で好機拡大だ。四回2死二塁の第3打席は左中間へ適時二塁打を放ち、今季初打点をマークした。開幕4番の3安打は17年の福留孝介以来。今季から3年ぶりに観客の入場制限がなくなった。開幕戦の京セラドームに詰めかけた3万5510人。佐藤輝にとってはプロ入り後、初めて経験する〝満員札止め〟の球場で、4番の雄姿をみせることはできた。ただ、それも負けてしまってはフイになる。7点差を逆転され、8-10で迎えた最終第5打席。佐藤輝が放った白球は力のない右飛に終わった。劣勢に立たされた最終局面でこそ打たなくてはならない。野球の怖さを知り、主砲の責任を改めて痛感した。父・博信さん(54)、宮城と岡山から父方と母方の祖父母も応援に駆けつけてくれた。父は「何番であろうが、チャンスで打ってほしいですね」と期待する。家族、そして3万人を超える大観衆が待ち望むのは輝が導く虎の勝利。ただ、それだけだ。「一日一日、やることをやっていきたいと思います」まだ戦いは始まったばかり。次こそ輝のバットが、勝利の瞬間を手繰り寄せる。(原田遼太郎)

◆球春到来! 守護神崩壊! 痛恨開幕! 前途多難! 現実逃避?そんな感じの1年の始まりでしょうか。いきなり、すごい試合展開になった。トラ番キャップ・長友孝輔が試合中、SOSを発していた。ただし、この時点ではうれしいSOS。「速報担当が原稿を書き過ぎて疲れ果てて倒れそうになってる。誰か、代われるか?」今はネット全盛の時代。試合中に、何かが起きるたびに速報原稿を書きまくる。昨日の担当は原田遼太郎と織原祥平。若くて元気な2人だが、いきなりタテジマの猛攻に次ぐ猛攻。中野が、佐藤輝が、糸井が...。怒涛の速報ラッシュ、休む暇なく書き続けて、ダウン寸前(大袈裟か)、疲弊してしまったのだ。この時点では、わがサンスポ社内もお祭り騒ぎだった。猛打爆発! 春爛漫! 祭りや!だが、SOSを発したキャップ・長友は顔色は変えなかった。「セ・リーグの順位予想を聞かれたら『去年優勝できなかったんだから、ことしは2位ぐらいじゃないかな』と言ってます。そのぐらいの気分でいた方がいい結果が出るんですよ」目先にとらわれない、達観したような長友。一瞬だけ目を見張ったのが、次から次へとお客さんがドーム内へなだれ込んできた時。収容人数の上限撤廃で、超満員のスタンドが帰ってきたのだ。やっぱり、ファンが埋め尽くすスタンドはいいもんだ。でも、気になる事も。長らく、虎党の歓声のない世界でプレーしてきた。初めて味わう佐藤輝は戸惑わないか。久々に味わう選手がどんな気分になるのか。会社の中にも、冷静クンはいた。いつの世も、どこの世界でもクールなヤツはいるもんで。長くトラ番記者を務めた堀啓介は、デスク時代を経て、運動部長として初めて迎える開幕戦。偉くなって、違った気分で開幕を味わっているのかな? と思って会社の、座り心地のいい(?)部長席に電話してみた。「特に変わりませんよ。部長の仕事って、いろいろやることも多くて座っている暇はありません。きょうもバタバタしているうちに、あぁもう開幕の時刻なんだって感じです。そもそも、僕の担当時代、優勝した2003年も、05年も、黒星発進ですから。入れ込み過ぎても意味がないですよ」至って冷静だった。143分の1だ。割り切っている。試合前。堀部長はとんでもない正しい予言をしていた。「すべては守護神だと思うんです。ずっと阪神を見てきて、守護神がしっかりしている年は強いんです。最近でも昨年のスアレスは当然ですが、その前、ドリスが元気な時は成績も上です。和田監督の頃、日本シリーズに行けたのは呉昇桓の存在が大きい。JFKの時代は言うまでもないですが。やっぱり、一番後ろを投げる投手によって、そのシーズンは決まるんです。だから、ケラーに注目です」堀部長の慧眼には恐れ入る。その通りだ。そして、ケラーはいきなり木っ端みじんに。この惨状をどう受け止めたらいいのか。忘れましょうか、悪夢の開幕戦は。こんな夜もある。明日があるさ!

◆たかが1敗、されど1敗...。されどにも程があるやろー!!待ちに待った開幕戦。しかも、3年ぶりに大観衆の前でのプロ野球! 五回まで7点あったリードをひっくり返され、話題の『ビックボス』ならぬ『ビッグミス』してどないすんねーん!!う~ん...。八、九回で計7失点と、今季の課題である中継ぎ陣の不安が1試合目で早くも露見するとは...(涙)。何が新守護神だ、カイル・ケラー!! わずか2球で山田に同点アーチ、さらにサンタナに勝ち越し2ランって...。名前の通り、早々に米国へ帰る(カイル)気かー!! そんなもん許さへんでェ!! 阪神でバリバリ仕事するまで帰したるかー!!そんな涙の開幕戦だったけど、先発の藤浪が7回6安打3失点。結果だけでなく、六回に燕の大砲・村上へ緩いカーブを3球続けた後、最後は直球で空振り三振を奪うような〝大人の投球〟を見せてくれたことが希望であったのだ!! 次は完投勝ちしたってえなー!!

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
ヤクルト
100 1.000- 14210841 0.3660.000
1
巨人
100 1.0000 1424211 0.2580.000
1
広島
100 1.0000 14211300 0.4150.000
4
阪神
010 0.0001 14281011 0.3660.000
4
中日
010 0.0001 1422411 0.2700.000
4
DeNA
010 0.0001 14231100 0.1820.000