◆西武は、ドラフト2位ルーキーの佐藤が5回1安打無失点の好投。オープン戦初先発のマウンドで結果を残した。一方のヤクルトは、先発・石川が3回1安打無失点。シーズン開幕へ向け、ベテラン左腕が順調な仕上がりを見せた。

◆ヤクルト塩見泰隆外野手（28）が、チームに合流即スタメンで出場し、三塁打を放った。 15日に新型コロナウイルス陽性判定を受けた山崎の濃厚接触疑いのため自主隔離していたが、この日から1軍に合流し、定位置の「1番中堅」で出場。1回無死の第1打席は二ゴロに終わったが、3回2死の第2打席、西武佐藤の4球目を捉え中越えに三塁打を放った。

◆ヤクルトは西武に敗れ、4勝11敗2分けで2年連続のオープン戦最下位となった。高津臣吾監督は「もちろん勝って勢いつけて、とは思いますけど。また本当の戦いが始まっていくわけで、順位はそんなには気にしてません」。高卒2年目捕手の内山壮や同3年目の長岡ら若手野手が台頭。「昨年とは違った野球というか、打線を組める。楽しみにしていただけたらなと思います」と力強く話した。

◆緊急先発テストに合格した。西武のドラフト2位、佐藤隼輔投手（22＝筑波大）がオープン戦最終戦で初先発。5回を1安打3奪三振2四球で無失点と好投した。右内転筋の張りで急きょ登板を回避した今井の代役だった。 18日のリリーフから中2日のマウンドも「1週間のルーティンみたいなのが体に染みついていないので、そこまで動じることなくできたと思う」。今井が投げる予定だった開幕2カード目初戦、29日の日本ハム戦（札幌ドーム）に先発する見込みとなった。1回2死一塁ではヤクルトの4番村上に全球直球勝負を挑み、149キロで空振り三振に。4回には新球フォークでサンタナを同じく三振に仕留めた。結果的にドラ1隅田とともに、ルーキー左腕2人がそろって開幕ローテ入り。25日の筑波大卒業式は欠席予定だが「1軍にいられているのがうれしい。（卒業証書は）友人が受け取ってくれると思う」と、野球に専念する。

◆西武・源田壮亮内野手（（２９）がオープン戦初アーチとなる先制３ランを放った。０－０の四回２死一、三塁での打席。カウント２－２から２番手右腕・サイスニードのスライダーにうまくバットを合わせ、右中間スタンドに運んだ。チームに流れを呼び込む一発にキャプテンは「先制点をとれてよかった」と喜びのコメントを寄せた。

◆ヤクルト・石川雅規投手（４２）が先発し、３回４３球を投げ２三振を奪うなど１安打無失点だった。降板後は「開幕前の最後の登板になりましたが、球数は少なかったですがよい調整ができたと思います」とコメントした。

◆西武のドラフト２位ルーキー佐藤が５回１安打無失点と好投し、開幕ローテーションに入った。源田は３ランを放ち仕上がりの良さを示した。ヤクルトの石川は３回１安打無失点で危なげなかった。塩見が三塁打を含む２安打を放った。

◆ヤクルトの塩見が１３日以来の出場で２安打を放った。三回に佐藤のスライダーを右中間へ運び自慢の快足を飛ばして三塁打にした。八回にも左前打し「休んだので投手の球が速く感じるかと思ったが、思っていたよりもよく見えた」と安堵した。新型コロナウイルスに感染した山崎の濃厚接触者に当たる可能性があるとして、自主的に自宅待機していた。オープン戦の最後で戦列に戻り「２安打の結果は良かった。でもまた違うスタート。開幕戦に合わせていく」と２５日の阪神戦をにらんだ。

◆西武は右内転筋の炎症のため登板回避した今井の代役として初先発したドラフト２位・佐藤隼輔投手（２２）＝筑波大＝が５回１安打無失点と好投。打っては源田が四回に先制３ランを放ち、オープン戦最後の試合を白星で飾った。辻監督の主な一問一答は以下の通り。－－先発・佐藤が５回無失点の好投「球数が少なかったから５回までいった。球威もそんなガタっと落ちることもなく、ストライクが先行していた」－－今井はもう少し時間がかかる...「やっぱり無理はさせたくない。シーズン最後まで走ってもらわなきゃいけないピッチャーなんでね」－－とりあえず１回は佐藤に任せる「そうそう。外国人の２人もいるし、この２人（隅田＆佐藤）が加わって外国人２人の４人が新しいからね」 －－結果的に新人２人が開幕ローテに「ほんとだよ。まあでも１年間きっちり最初からいけるわけはない。アマチュアとプロの違いだからね。そこはいろんなこと加味し、疲れを見ながら空けるとこは、空けなきゃいけないだろうし。でも（ここまで）なんも故障しないで２人ともほんとに素晴らしい。２人の加入は本当に大きいと思います」

◆源田が四回、オープン戦初アーチとなる先制３ランを放った。カウント２－２からスライダーを右中間席に運び「カウントが進む中で最後、きれいにバットが出た」と自賛した。昨季は２本塁打。キャプテンの意外な（失礼！）一発に、辻監督らは頭を押さえるしぐさで驚きを表現。源田は「僕もびっくりしました。年間のホームラン１本使っちゃった」と笑顔だった。

◆西武のドラフト２位・佐藤隼輔投手（２２）＝筑波大＝が２１日、ヤクルトとのオープン戦最終戦（ベルーナ）で５回１安打無失点と快投し、開幕ローテーション入りを決めた。「ゼロで終えれたことにホッとしています」右内転筋の炎症で登板を回避した今井の代役として、対外試合では初の先発登板。一回２死一塁で４番・村上を迎えると直球を４球続けた。カウント１－２から、１４９キロの速球で空振り三振に仕留めた。四回には大学時代に使っていなかったフォークボールを試し、サンタナから空振り三振を奪う余裕もあった。球団初となる国立大出身の投手。仙台高から筑波大に進み、大学４年間の投球フォームの変遷を卒論のテーマに選んだ。プロ初登板は開幕２カード目、２９日からの日本ハム３連戦（札幌ドーム）が有力視される。ドラフト１位の左腕、隅田（西日本工大）も開幕ローテ入り。辻監督は「２人の加入は本当に大きい」と期待した。「任された役割を、しっかりこなしていきたい」と佐藤。長きにわたり先発左腕不足に陥ったライオンズを救う。（石井孝尚）

◆戻ってきた！！　新型コロナウイルスの濃厚接触者疑いで自主隔離となっていたヤクルト・塩見泰隆外野手（２８）が２１日、西武とのオープン戦最終戦（ベルーナ）で戦列復帰。「１番・中堅」で出場し、２安打を放った。また、チーム最年長の石川雅規投手（４２）は３回１安打無失点と好投。連続日本一を狙うチームは１―４で敗れ、２年連続のオープン戦最下位が決まった。開幕に間に合った。新型コロナウイルスの影響で離脱していた塩見が「１番・中堅」で復帰。三回はＤ２位左腕・佐藤（筑波大）のスライダーを一閃。右中間への打球で快足を飛ばして三塁打にするなど、軽快な動きで燕党を安心させた。「自主隔離ということで、家でできるトレーニングを重点にやって、その中での張りなどがとれたので、すごく体が動いたというところです」１５日に山崎が新型コロナ陽性と判定されたことによる濃厚接触者疑いで、同日から川端とともに自主隔離生活。今季もリードオフマンとして活躍が期待されるだけに、復帰時期が心配されていた。 八回無死一、二塁では左前打を放ち、好機を広げた。守備では四回に左中間へ抜けそうな打球を好捕。攻守で健在ぶりをアピールした。準備は整えてきた。自主隔離期間中は「体の軸がすごく大事。打撃も走塁も守備も芯がないと駄目なので」と昨年の自主トレ中に青木から学んだ体幹強化のメニューを重点的に実施。「そんなに家が広くないので、バンバン振れない」と言いながらも、自宅での素振りで軌道やフォームの確認は怠らなかった。愛されキャラの塩見らしく、チームメートから送られてきた「しっかりやれよ！！」という激励のメッセージも力になった。テレビでオープン戦を見るために、ＣＳ放送のスカパーに新規加入。約２時間のトレーニング以外の時間は試合を観戦し「早く戻って、僕も結果を残したいと思った」と刺激をもらった。塩見の復帰はチームにとって大きな朗報。さらに、川端もこの日のイースタン・リーグ、楽天戦（戸田）で復帰し、２０日の西武戦で右手に死球を受けたサンタナも１軍戦でフル出場した。高津監督も「（塩見は）よく振れていたし、守備で足も動いていた。少し心配していたけど、最後に出られて開幕には全く問題ない」と太鼓判を押した。開幕まで３日。日本一メンバーがそろってきた。（赤尾裕希）★開幕１軍つかんだ　若燕たちが初の開幕１軍を勝ち取った。オープン戦でアピールを続けた高卒４年目外野手の浜田、同３年目内野手の長岡、同２年目捕手の内山壮について高津監督は「昨年いなかったメンバーですけど、開幕は１軍で迎えます」と明言した。今春の沖縄・浦添キャンプ終了時から若手に奮起を求めてきた指揮官は「経験であったり、チャンスでもありますし、楽しみにしていただけたら」と期待。２軍戦で復帰した川端も開幕１軍入りを決めた。

◆２１年目のベテランは不安なく、開幕前最後の登板を終えた。石川が３回１安打無失点。予定されていたイニングを投げ切り、うなずいた。「球数は少なかったですが良い調整ができたと思います」持ち前の緩急と投球術を生かし、アウトを重ねた。二回は１死から中前打と四球で一、二塁とされたが、源田を中飛に打ち取ると、山田をシンカーで見逃し三振に。高津監督は「フォアボールを出したところが気になりますけど、本来の持ち味といいますか、しっかりとした投球ができたと思う」と評価した。今年は初実戦となった２月２２日の楽天との練習試合から全て中８日で登板。指揮官は開幕ローテーション入りを明言しており、順調にいけば中８日で開幕５戦目、３０日の巨人戦（神宮）で先発する見込み。通算１７７勝１７６敗。今季初勝利を挙げれば、プロ１年目の２００２年から２１年連続白星となる（１年目からの最長は米田哲也の２２年。プロ野球記録は工藤公康、山本昌、三浦大輔の２３年）。キャンプで誰よりも投げ込んだ４２歳が最高の調整でシーズンを迎える。