オリックス(☆2対1★)阪神 =オープン戦3回戦(2022.03.20)・京セラドーム大阪=
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阪神
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ORIX
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勝利投手:本田 仁海(1勝0敗0S)
敗戦投手:小野 泰己(0勝1敗0S)
  DAZN
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◆オリックスは、先発・山崎颯が6回2安打無失点と安定した投球を披露。対する阪神も、ドラフト3位ルーキーの先発・桐敷が5回無失点5奪三振の好投。両軍の開幕ローテーション候補が、それぞれ順調な調整ぶりをアピールした。

◆阪神ドラフト3位桐敷拓馬投手(22=新潟医療福祉大)が先発し、5回3安打無失点で開幕ローテーション入りを確定的にした。開幕3戦目の27日ヤクルト戦を任されそうだ。 1週間前、13日の前回登板は教育リーグ中日戦で、5回で先発全員の12安打を浴びて7失点と大炎上。「前回は本当にひどかった。ストライク先行でいきたい」と臨んだマウンドで、打者18人に71球を投げ、初球ボールは6人だった。四球は初回先頭の福田を歩かせた1個のみ。ほかの打者は3ボールにもせず、制球力とテンポのよさで「0」を並べた。

◆阪神がまさかの逆転サヨナラ負けを喫した。1点リードの9回は小刻みに継投し、湯浅京己投手(22)、育成左腕岩田将貴投手(23)と1アウトずつ取り、2死三塁で8番手小野泰己投手(27)を投入。だが、小野が制球に苦しみ、ストライクが1球も入らず12球連続ボール。まさかの押し出し四球で同点を許すと、なおも2死満塁で代打伏見に1ボールからサヨナラ暴投。無安打で逆転負けとなった。 前日まで10戦負けなしの7連勝で、この日も勝利目前だった。昨季まで2年連続セーブ王でパドレスへ移籍したスアレスの穴は、簡単には埋まらない。阪神はこの日でオープン戦を終え、15試合で8勝4敗3分だった。

◆阪神佐藤輝明内野手(23)が、2年目のオープン戦を終え、早くも開幕へ向けて気持ちを高ぶらせた。最終戦は3打数無安打で、6回裏の守備からお役御免。49打数16安打、2本塁打、11打点で終えた15試合を「ある程度安定して結果を残せたので、いい準備ができたと思います」と総括。昨季のオープン戦最終ゲームは、コンディションを考慮されベンチ外となったが、今季は全15試合に出場した。 打率3割2厘、6本塁打、9打点でフィニッシュした昨季と比較し「ボールを見逃してストライクを打っていくってところは、ずっと意識して取り組んできたこと。それはいい状態になっていると思います」と成長を実感。「あとはしっかり開幕を迎えるのみ。開幕が楽しみです」と目をギラつかせた。「昨年以上の成績残すのはもちろん、優勝にしっかり貢献できるように活躍をして、最後、笑って終わりたいと思います」。開幕まであと5日。戦闘準備は整った。

◆阪神は20日、育成選手の渡辺雄大投手(30)と支配下選手契約を結ぶことを決めた。オリックスとのオープン戦後に通達し、渡辺は「この日を目標にキャンプでやってきたのでうれしい。すごく不安な日々だったが強い気持ちを持って投げ続けた」と喜びを語った。背番号などは後日発表する。 中越-青学大-BC・新潟を経て17年育成ドラフト6位でソフトバンクに入団し、20年に支配下登録。昨オフに戦力外となり今季から阪神に育成契約で加わった。左の変則サイドで、この日の「最終テスト」はワンポイント救援で青学大の1年後輩の吉田正と対戦。昨季の対戦打率が右投手(3割3分7厘)より左投手(3割4分5厘)がいい強打者にツーシーム、スライダーと低めに集め、最後は137キロ直球で空振り三振に仕留めた。「後輩ですが、あれだけの打者。抑えて自信をつけることができた」と振り返った。2月からの実戦8試合で7回1/3を投げ、失点は1試合だけ。ブルペン陣が岩貞、及川を故障で欠く中、矢野監督は「渡辺は残す。力になってくれると思う」を開幕1軍を明言し、「がむしゃらに投げてもらったら」と期待した。阪神の支配下選手はこれで67人となる。

◆チーム最年長の阪神糸井嘉男外野手(40)が左翼で開幕スタメンに起用されることが決定的となった。 オリックスとのオープン戦最終戦に6番左翼でスタメン出場。状態が上がらない左翼本命のロハスは9番指名打者に入った。試合後、井上ヘッドコーチは「今のところこういう形がいいのかなと考えたオーダー」と話した。この日の糸井は1打数無安打だったが、オープン戦は12試合、26打数9安打の打率3割4分6厘、7打点。本塁打2本は4番佐藤輝と並びチームトップと打ちまくった。井上ヘッドコーチは「左翼の候補の中で一番ベテランの糸井が調子いい。調子のいい人間を使いたい」と糸井当確の考えを明かした。40歳以降で開幕スタメンとなれば、阪神では20年福留以来2年ぶり5人目となる。昨季は代打が主な役割だったが、今季はキャンプから若手に負けず精力的に動き、打撃好調を維持している。15日ソフトバンク戦で2号ソロを放った時には「まだグラウンドを駆け回りたいので」と、代打ではなくスタメン起用への強い思いを口にした。18日オリックス戦で2安打放った時には「もう開幕している気持ちでやっている。優勝して矢野さんを胴上げする。それだけを求めてずっとやっている」と、今季限りで退任する矢野監督を17年ぶりのリーグ優勝で送り出す強い思いを語っている。衰え知らずで元気いっぱいの40歳がスタメンでけん引し、昨季以上の開幕ダッシュの原動力となる。【石橋隆雄】▼阪神で、満40歳以降に開幕戦でスタメン出場した選手は過去4人。49年若林忠志、75年アルトマン、09~12年金本知憲、18~20年福留孝介。▼開幕時に40歳7カ月の糸井は30代でも開幕戦で先発出場の経験があり、今季の開幕戦にスタメン復帰を果たせば阪神初となる。球界全体では見ると、野手では18年の開幕時に42歳のロッテ福浦和也が、37歳だった13年以来5年ぶりに開幕戦で先発して以来。なお開幕投手では、20年に40歳のヤクルト石川雅規が、37歳の17年以来3年ぶりに務めた例がある。

◆阪神ドラフト3位桐敷拓馬投手(22=新潟医療福祉大)の開幕ローテ入りが確定した。オリックスとのオープン戦(京セラドーム大阪)に先発し、5回3安打無失点。三塁を踏ませず5三振を奪う内容に、矢野監督は開幕カードでの先発について「そうなるんかなと思う」と明言。藤浪、小川に続き、3戦目の27日ヤクルト戦を託されることが確実となった。 5回12失点と大炎上した13日の2軍中日戦から1週間。新人左腕はきっちり立て直し首脳陣を安心させた。「前回は(コースを)狙い過ぎてしまったので、アバウトでいくことを意識した」。打者18人のうち12人に初球ストライクを投げ込んだ。4回は先頭ラベロに二塁打を浴びるも、3番吉田正を中飛、4番杉本はスライダーで見逃し三振。いずれも決して厳しいコースではなかったが、大胆に攻め主導権を握った。「甘めにいってもバットの芯を外せた」と納得顔だ。入団会見以降、目標は「開幕1軍」と地に足をつけて歩み続け、この日は「納得いく結果が出て自分の中でも自信になってきた。新人王を目標にしてやっていきたい」と"上方修正"をかけた。埼玉出身の22歳が、堂々とデビュー戦に向かう。【中野椋】◆阪神今季の先発事情 当初開幕3戦目が確実視されていたガンケルが、3月上旬に腰の張りを訴え調整が遅れた。中継ぎと両にらみだった小川が「ジョーカー」として先発調整に切り替わった。さらに開幕投手に決まっていた青柳が新型コロナウイルスに感染。緊急事態を受け、2戦目の予定だった藤浪が開幕投手に繰り上がった。開幕6試合の先発が1枚欠けたが、小川が19日オリックス戦で6回2失点と好投して2戦目、桐敷は3戦目が確実となった。開幕2カード目は西勇、伊藤将、秋山が有力だ。

◆オリックス先発の山崎颯一郎投手が開幕ローテへ準備万全をアピールした。「変化球を低めに集め、真っすぐはゾーンで勝負と思っていました」。阪神を6回2安打無失点に抑え、オープン戦最終戦を締めた。 前回13日の中日戦は6回2失点。だが中嶋監督から「スピード合戦じゃない」と制球の課題を指摘された。この日のマウンドは「気合入れました!」と笑顔を見せつつ、「この前は冷静さが欠けていた。しっかり1週間、準備しました」と成果を発揮した。修正ポイントをしっかり確認するために「前回の動画を見た。体が開かない意識で」と予習もバッチリだった。直球で最速154キロを出しつつ、スライダーやフォークで投球の強弱をつけた。中嶋監督は「まだやることはある」と相変わらず辛口だったが、「十分面白い存在」とも評価。順調なら開幕3戦目の27日西武戦の先発を任される。エース山本、20歳宮城らとリーグ連覇へ腕を振る。【真柴健】

◆確定した先発ローテとは対照的に、阪神打線の並びは流動的な部分を残した。 試合後、矢野燿大監督は「チカ(近本)とテル(佐藤輝)がしっかりした内容と結果を残してくれたのは軸になるところなので落ち着けるかなと思う。他の打順はちょっとシーズンの中でもいろいろ考えながらやっていく部分がある」と方針を語った。この日は2番に中野を入れて5番に糸原、6番糸井。そしてオープン戦15試合目で大山を初めて7番で起用した。井上ヘッドコーチが「今のところこういう形がいいのかなっていうように考えたオーダー」と話すように、状態を見極めて開幕を意識した打線だった。ところが得点は7回大山の犠飛による1点だけと結果は伴わず、8連勝フィニッシュとはならなかった。今季も主軸として期待される大山はオープン戦で打率1割9分6厘、5打点、0本塁打。同ヘッドは「もう少し上げてほしいかな。もがきながらキレを出すというのを、あと4、5日あるので(やってほしい)」と期待した。開幕オーダーは大山の状態が大きく影響しそうだ。【桝井聡】

◆阪神大山悠輔内野手は開幕前ラストゲームを「7番三塁」で終えた。 7回1死三塁、サブマリン右腕の中川颯を相手にカウント1-2から右犠飛を放った。オープン戦は15試合出場で打率1割9分6厘、0本塁打。井上ヘッドコーチは「もう少し上げてほしい。今はある意味、開幕する前に不調だったのが幸いとあいつが思ってくれればいいと思っている」と開幕後の変わり身に期待した。

◆阪神ドラフト4位前川右京外野手(18=智弁学園)は開幕2軍が決まった。 オリックス戦は8回に代打で二ゴロ。矢野監督は「ファームで打席に立った方がいいでしょう」とした上で、「今度こちらに呼ぶ時はスタメンで出られるようにファームでしっかりした結果、成長をしてもらえたら」と期待した。オープン戦打率1割7分6厘。評価された思い切りの良さを鳴尾浜で磨いていく。

◆阪神ドラフト3位桐敷拓馬投手(22=新潟医療福祉大)が、開幕ローテ入りを確定させた。オリックスとのオープン戦(京セラドーム)に先発し、5回3安打無失点。矢野監督は開幕カードでの先発について「そうなるんかなと思う」と明言し、3戦目の27日ヤクルト戦(京セラドーム大阪)を託されることが確実となった。2軍戦の大炎上から1週間。修正能力の高さも証明し切符をつかんだ。 桐敷に心配はいらなかった。昨季パ・リーグ王者を相手に黙々と腕を振った。5回3安打無失点。キャンプでのブルペン投球の段階から「もう通用する」と高い評価をしてきた指揮官も、納得の表情だった。「ルーキーやからね。どんどん向かっていってくれたら。期待って言われると、もちろん勝ってほしいのもそうなんだけど、勝負を思い切っていってくれたらいいんじゃないかな」。続けて、開幕カードでの登板について「そうなるんかなと思う」と明言。第3戦での公式戦初登板初先発が確実となった。5回12失点と大炎上した13日の2軍中日戦から1週間。新人左腕はきっちり立て直してきた。「前回は(コースを)狙い過ぎてしまったので、アバウトでいくことを意識した」。打者18人のうち12人に初球ストライクを投げ込んだ。4回は先頭ラベロに二塁打を浴びるも、3番吉田正を中飛、4番杉本はスライダーで見逃し三振。「比較的、甘めにいってもバットの芯を外せた」と大胆に主導権を握った。オープン戦に限れば3試合で11イニングを投げ1失点。1度のミスに左右されない安定感があった。入団会見ではドラフト1位森木や同2位鈴木が「日本を代表する投手に」とビッグな目標を掲げる中、「開幕1軍」「中継ぎでも先発でも投げられたらどこでもいい」と足元を見つめていた。有言実行させた今、「納得いく結果が出て、自分の中でも自信になってきた。新人王を目標にしてやっていきたい」と"上方修正"。表情も口調も力強くなってきた。5回には梅野のサインに首を振って投じた直球が、若月に中前にはじき返された。「自分で決めたからには投げ切るっていうのが、まだ甘いのかなと感じました」と反省も忘れない。憧れの工藤公康の現役時代と同じ背番号47を背負う22歳。細部を詰め、堂々とデビュー戦に向かう。【中野椋】

◆阪神小野泰己投手は開幕前ラスト登板で14球連続ボールと不安を残した。 1-0の9回2死三塁で登板。3者連続でストレートの四球を与え、押し出しで同点。なお2死満塁で1ボールから代打伏見への直球が頭部後方へすっぽ抜け、暴投でサヨナラ負けした。試合前時点でオープン戦は5戦連続で自責点0。「7回の男」が有力な右腕の大乱調に、矢野監督は「今日で良かった」とした上で「もちろん打たれるのは誰でも怖い。でもやっぱりそれを断ち切って投げていくしかない」と成長を願った。

◆両軍のスタメンが発表された。阪神はドラフト3位・桐敷拓馬投手(22)=新潟医療福祉大=が先発。前回登板した13日の春季教育リーグ・中日戦(鳴尾浜)では5回12安打7失点と精彩を欠いた。開幕3戦目での登板が濃厚な左腕が今回は好投して、万全な状態をアピールする。

◆阪神のドラフト3位・桐敷拓馬投手(22)=新潟医療福祉大=が先発。5回を3安打無失点と好投した。一回は先頭の福田に四球もラベロを左飛、吉田正を三直に打ち取ると、スタートを切っていた一走も戻れずアウト。無失点で切り抜けた。四回は先頭のラベロに二塁打を許したが、吉田正、杉本、宗のクリーンアップを抑えて、得点は与えなかった。前回13日、教育リーグ・中日戦(鳴尾浜)では高めに浮いた球を痛打され、5回12安打7失点と炎上。だが、しっかり修正し、この日は低めに投球を集めてアウトを積み重ねた。開幕3戦目での先発が濃厚な新人左腕が弾みをつける投球をみせた。

◆阪神が大山悠輔内野手(27)の犠飛で先制した。互いに無得点のまま迎えた七回。先頭の小野寺が左翼線への二塁打を放つと、小幡が投前犠打で1死三塁と好機を拡大させたところで、大山が打席に立った。中川颯の高めの直球を右翼まで運び、三走・小野寺が生還。先制点を奪った。

◆阪神のドラフト4位・前川右京外野手(18)が代打で登場した。八回先頭で名前がコールされると拍手の起こる中、打席に立った。元阪神のベテラン左腕、能見と対戦。フルカウントから138キロ直球をひっかけて二ゴロに倒れた。開幕1軍に向けてアピールしたかったが、快音を残せなかった。

◆先発したオリックス・山崎颯一郎投手(23)は6回を投げ、2安打無失点で3奪三振だった。一、二回と得点圏に走者を背負ったが、粘りの投球で無失点。五、六回は2イニング連続で三者凡退と、変化球を低めに集めてスコアボードに「0」を並べた。順調にいけば、開幕3戦目となる27日の西武戦(ベルーナドーム)での先発が濃厚な高卒6年目右腕。猛アピールに成功し、自身初の開幕ローテーション入りは決定的な状況だ。

◆阪神はオリックスに逆転サヨナラ負け。黒星でオープン戦を終えた。最終成績は8勝4敗3分け。先発したD3位・桐敷(新潟医療福祉大)は、一回先頭の福田にいきなり四球も、後続を断ち無失点で切り抜けた。三、四回と二塁に走者を背負ったが得点は許さず、5回3安打無失点と好投。開幕3戦目での先発が濃厚な新人左腕が順調な調整ぶりをみせた。その後、中継ぎ陣も八回まで無失点に抑えていた。だが、九回に湯浅が四球と内野ゴロで1死二塁とされた。続く吉田正のところで、左腕の岩田に交代すると右飛。2死三塁となり、小野がマウンドに上がったが、ストライクが入らず、3者連続四球で同点に追いつかれると、最後は暴投でサヨナラ負けとなった。打線では0―0のまま迎えた七回に小野寺が二塁打。小幡が犠打で1死三塁とすると、大山が右犠飛を放ったが、この1点のみに終わった。

◆阪神・佐藤輝明内野手(23)が2年目のオープン戦を15試合出場、打率・327、2本塁打、11打点、6三振で終えた。ドラフト制以降、球団最年少の開幕4番を務めることが濃厚な若虎の一問一答は以下の通り。ーーオープン戦を振り返って「ある程度安定して。結果も残せたので、いい準備はできたかなと思います」ーー1月、2月で取り組んできたことを3月で出すことができた「そうですね、はい。調整しながら、あとはしっかり開幕を迎えるのみという感じですね」ーー去年との違いは「やっぱりボールを見逃して、ストライクを打っていくというところは、ずっと意識して取り組んできたところなので、ある程度いい状態になっているんじゃないかなと思います」ーー開幕まで1週間を切った。気持の高ぶりはある「そうですね、開幕が楽しみです」ーー改めて今年はどういう年にしたいか「昨年以上の成績を残すのはもちろん、優勝にしっかり貢献できるような活躍をして、最後笑って終わりたいと思います」

◆オリックスはリーグ連覇を狙うシーズンの開幕を控え、得点力に不安を残す形となった。新人の桐敷(新潟医療福祉大)にひねられるなど八回までゼロ行進で、九回の2得点も制球が定まらない相手の自滅によるものだった。10得点した12日の巨人戦を境に振るわず、その後の6試合で計10得点。中嶋監督は「組み合わせとかを考えると(得点力が)落ちるのは毎年のこと。足を使った攻撃やいろいろなことを想定しながらできた」と話した。

◆試合後に行われたイベント「出陣式トークショー」で吉田正がリーグ連覇へ向けた意気込みを語った。過去2年続けて首位打者に輝いた主砲は両足首の手術明けだが「しっかり試合に出られる状態。一年間、戦えるように調整していきたい」と頼もしく話した。昨季本塁打王とブレークした杉本も参加。オープン戦では打率2割3分3厘、本塁打ゼロで「あまり打てなかったが、切り替えてシーズンでは打つので温かい目で見てほしい」とファンの前で活躍を誓った。

◆阪神の育成左腕・渡辺雄大投手(30)が20日のオリックス戦(京セラ)に登板し、0回?を無失点。試合後、矢野燿大監督(53)が、支配下契約を結ぶことを明かした。「去年、戦力外になって阪神タイガースさんから声をいただいて、この日をまずはスタートラインだと思って、この日を目標にキャンプからやってきた。素直にうれしいです」1-0の六回2死でマウンドへ。2年連続パ・リーグ首位打者の吉田正を137キロ直球で空振り三振に斬った。2月の沖縄宜野座1軍キャンプ中の実戦を含め、ここまで8試合の登板で7回?を投げ2失点、防御率は2・45。順調にアピールを続けた左腕に矢野監督が試合後、「渡辺を(1軍に)残す!」と明言。指揮官は「左で1人を抑えてもらうことはもちろん、右(打者)にもそんなに打たれたという感じはない。変則的なボールで相手も嫌なのかなと感じた。力になってくれると思う」と期待した。渡辺は独立リーグのBCリーグ新潟から2018年育成D6位でソフトバンクに入団。20年8月に支配下昇格も、左肘を痛めて離脱し、21年オフに戦力外となり、阪神と育成契約を結んだ。30歳の〝オールドルーキー〟をチームメートは親しみを込めて「なべじい」と呼んでいる。「そうやって愛称で呼んでもらえて、阪神タイガースでもすぐに浸透していまはすごく気に入っています。ここからはチームが日本一に向かって進んでいく。僕もそこに向かって、1アウトでも、少しでも日本一の力になれるように投げていく、ただそれだけだと思います」背番号などの球団からの正式な発表は後日行われる予定。虎の〝なべじい〟が2度目のスタートラインに立ち、日本一のために腕を振る。

◆阪神・矢野耀大監督(53)は試合後、育成左腕の渡辺雄大投手(30)を支配下登録する意向を示した。試合は九回2死三塁から登板した小野泰己投手(27)が3者連続でストレートの四球を与え、最後は暴投で逆転サヨナラ負けを喫した。指揮官の一問一答は以下の通り。ーー先発・桐敷は持ち味を出した(5回無失点)「前回、結果がよくなかったから、ゼロでいけたところが一番よかった。丁寧に投げるところはできた」ーー開幕カードでやってくれたら「そうなるんかなあと思うけど」ーー青柳が出遅れたなか、小川、桐敷が出てきたことは大きい「スクランブル的なシーズンになる可能性もあるから、1人でも2人でも出てくるのはチームとして大事なこと。野手も含めて、いろんなことが考えられるんで、全体の底上げ、レベルアップは必要やなと思う」ーー渡辺、岩田が好投続けた「渡辺を残す!」ーーキャンプからずっと気持ちを高く持ってやってきた。「そら1回(ソフトバンクから)クビになってる立場やしね、必死やろうし、何がなんでもっていう気持ちでやってる姿は感じてたし、しっかりした結果をだしたのでね」ーー小野はランナーがいる場面でステップしてほしい「いい練習になると思ったんだけどね、まあまあ良かったんじゃないの、今日で」ーーマウンドでの表情はどのように「良いわけないじゃん(笑)。自分自身で乗り越えていかなあかんし、打たれるのは誰でも怖いし、それを断ち切って投げていくしかない」ーーオープン戦の総括を「チカとテルが結果を残してくれたのは軸になるところなので、落ち着けるかなと思う。他の打順はシーズンの中でも考えながらやっていく部分があるのかな」ーー打順、守備位置も試した「1回ちょっとやっといた方がいいところはできたかなと思う」ーーDHを外さなかった「投手は(打席があると)投げるリズムが変わるのが一番大きな要素だと思うんだけど、投げても5回とかで、回ってきても1打席、2打席ぐらい。他のやつの状態を上げることが、全体としての意味はあるのかなというところで」ーー前川の今後「抹消というか、ファームに行って打席に立った方がいいでしょ」

◆最後にちょっと締まらない試合になってしまったね。ただ試合内容は別として、この時期に来ても、まだいろいろなことを試しているんだな、というのは率直に感じた。今年は就任4年目。3年間で築いてきたものを確立する、集大成のシーズンにするのだと思うが、まだはっきりしていない。仰木彬監督(近鉄など)みたいにどんどん動かす采配もあるし、結果がすべての世界だから、なにが正解かはないのだが、個人的にはクリーンアップは固定した方がいいと考えている。3番・マルテ、4番・佐藤輝で、5番は大山でいいのではないか。最終戦は7番だったが、打順というのは、ある程度、慣れが必要だ。打順に応じた打撃もあるし、前後の打者とのつながりもある。あまり打順がいったりきたりするのは、しんどい。大山も特別状態が悪いとは思わないし、調子にかかわらず5番で固定した方が、本人もやりやすいのではないか。幸い中野が間に合い、2番に入れそうなので、糸原は6番。そこまでは固められるだろう。「7番(左翼)」は流動的でいい。ロハスは昨季から見ているが、いい時期というのがあまりない。ポジションを与えるほどの結果を出せていないのだから、競争の中の1人でいいし、1つか2つくらい争っているポジションがあった方が、チームは活性化するもの。相手投手や調子に合わせて、起用していけばいい。捕手も、まだはっきりしていないところがあるが、一番の懸案は、抑え投手を確定できていないことだ。本当にケラーで開幕するのか。私としては、ガンケルの抑えというのも考えないといけないのでは、と思う。これまでの矢野監督のコメントを見ても、ガンケルの起用法については流動的な感じがする。桐敷が結果を出したことで開幕ローテには入るだろうから、ガンケルを後ろに回すというのも、手だ。キャンプからここまで見てきて、全体的に、上位に入れる戦力はある。優勝争いは出来る。あとはどう起用するか、そして、この日のような〝勝てる試合〟を、きっちりと勝ち切ることだ。(サンケイスポーツ専属評論家)

◆阪神のドラフト3位・桐敷拓馬投手(22)=新潟医療福祉大=がオリックス戦に先発し、5回3安打無失点と好投。開幕3戦目となる27日のヤクルト戦(京セラ)の先発を決定的にした。昨年の伊藤将に続く新人投手の開幕ローテ入りで、開幕カード先発となると2013年の藤浪以来になる。春季キャンプからアピールして、つかんだ先発のチャンスを手放すわけにはいかなかった。桐敷が汚名返上のマウンドで好投。ルーキーながら開幕カードでの先発が決まった。「前回は狙い過ぎてしまった。ストライク先行で、アバウトにいくことを意識して投げられました。修正はできたかなと思います」13日の春季教育リーグ・中日戦(鳴尾浜)で5回12安打7失点と打ち込まれた。ボール先行で、カウントを取りにいった甘い球を痛打された。この日のテーマは「萎縮しないように攻めていこう」。その言葉通り、昨季パ・リーグ優勝の強力打線を相手に真っ向勝負を挑んだ。一回、先頭の福田に四球を与えたが、1死一塁から2年連続首位打者の吉田正を「しっかりインコースを攻められた」とフォークで三直に打ち取る(一塁走者が飛び出し、併殺)。四回無死二塁で再び対戦すると、ツーシームで中飛に。昨季本塁打王の杉本は二回に空振り三振、四回も外角低めのスライダーで見逃し三振に仕留めた。 「(京セラドームは)とても投げやすかった。甲子園とは違う雰囲気も感じたし、開幕前にここで投げられたっていうのが大きかった」開幕投手に決まっていた青柳が新型コロナウイルスの陽性判定。ガンケルは腰の張りによる調整遅れで先発を回避。緊急事態を受け、25日からの開幕ヤクルト3連戦(京セラ)のローテは藤浪、小川、桐敷の順番となる見通しだ。矢野監督は「もちろん勝ってほしいけど、ルーキーだから、どんどん(打者に)向かっていってくれたらいい」と期待を寄せた。新人で開幕カードに先発するのは、2013年の藤浪以来。大役を託された22歳左腕は「プロ野球の大変さは少し感じています。調子が悪いとき、修正して悪いなりに投げれるかが大事だと思いました」と顔を火照らせた。失敗を糧にひと回り成長し、1週間後、再び京セラドームのマウンドに立つ。(三木建次)

◆阪神は20日、オリックス戦(京セラ)に1-2xでサヨナラ負けしたが、オープン戦を8勝4敗3分けで終え、今季限りで退任する矢野燿大監督(53)は25日のシーズン開幕へ「不安なく臨める」と強調した。この日の打順が開幕オーダー。2年目の佐藤輝明内野手(23)を不動の4番打者として「軸になる」と信頼し、17年ぶりのリーグ優勝へ挑む。太く、力強い軸ができれば、虎はどんな相手をも上回れる。春季キャンプからオープン戦最終戦までチーム全体の強化に努めてきた矢野監督が、大きくうなずいた。1番・近本に加えて、成長著しい若き大砲の名を、この春の収穫に加えた。「チカ(近本)とテル(佐藤輝)がしっかりした内容と結果を残してくれたのは、軸になるところなので、落ち着ける」実績十分の韋駄天に加え、プロ2年目を迎える背番号8にも〝不動の4番〟としてシーズンを突っ走れるだけの光を見せてもらった。この日は3打数無安打に終わり、試合途中でベンチに退いたが、オープン戦15試合で堂々の数字を残してきた。打率・327(49打数16安打)、2本塁打に加え、岡本和(巨人)、万波(日本ハム)と並ぶ12球団トップタイの11打点を稼いだ。三振数(59打席で6三振)は減り、新たな打撃スタイルを構築。その成果が、力強く数字に表れた。佐藤輝も「ある程度安定して結果も残せたのでいい準備はできたかな」と声を弾ませ、「やっぱりボールを見逃して、ストライクを打っていくというところはずっと意識して取り組んできたところ。それはある程度いい状態になっていると思います」と胸を張った。 2022年の開幕オーダーがこの日、披露された。昨季93試合で4番に座った大山は7番起用となったが、今後の復調次第では主軸も任せられる。同32試合のマルテは高い選球眼を発揮しやすい3番が頼もしい。今季の打線の中心には佐藤輝がいる。新人史上最多シーズン173三振を喫したプロ1年目は、高めの直球に力なくバットが空を切る姿が何度もあった。だが、進化を止めない大砲はミート率を上げ、安定感という新たな武器を身に着けた。この男の主砲としての活躍と成長なくして、悲願のVは見えてこない。指揮官は「(近本、佐藤輝以外の)他の打順はシーズンの中でもいろいろ考えながらやっていく部分があるのかな」と起用法を模索していく方針を示しつつ、成果も強調した。「もちろんシーズンで上げてもらわないといけない人もいるけど、全体の底上げはできた。開幕前の準備としては、大きな不安はなく臨める形になった」オープン戦は8勝4敗3分けでフィニッシュし、頼もしい軸ができた。あとは25日のヤクルトとの開幕戦(京セラ)に向けて、細部を詰め、万全の戦力に整える。佐藤輝も「開幕が楽しみです」と力を込め、「昨年以上の成績を残すのはもちろん、優勝にしっかり貢献できるような活躍をして、最後笑って終わりたい」と誓った。矢野監督を宙に舞わせる。虎党を歓喜の瞬間にいざなう。そのための準備は、整った。(新里公章)◆開幕スタメン糸井返り咲き オープン戦最終戦で糸井が「6番・左翼」で出場。左翼はロハスらと争っていたが、井上ヘッドコーチは「レフトの定位置の候補生の中で、一番ベテランである糸井が調子いい。調子いい人間を使いたい。そこに糸井の名前がある」と開幕もスタメンで起用する方針を明かした。オープン戦では打率・346、2本塁打、7打点と好調の超人が2年ぶりの開幕スタメン返り咲きとなる。

◆ひと安心です。いいときの桐敷クンでした。「きょうは、やってくれると思います」試合前にそう話していたのは若手のトラ番菊地峻太朗です。昨秋のドラフト会議から5日後の10月16日、菊地は栃木・小山市に出張して、白?大野球場で行われた関甲新リーグの秋季公式戦、新潟医療福祉大-平成国際大を取材しています。そう、桐敷がドラフト3位指名された後の、大学生活最後の公式戦登板で完全試合をやってのけた投球を生で見ているのです。「完全試合を見たのは初めてでした。ストレートは走っていたし、右打者の膝元にスライダーがビシビシ決まるし。いいときの桐敷投手は本当にスゴイんです」あのときは19奪三振、内野ゴロ4、内野ファウルフライ1、外野フライ3。いい当たりはまったくなし。だから菊地は、オープン戦で桐敷が好投を続けていても驚かなかったのですが、前回13日に中日との教育リーグで調整登板したときは、5回を被安打12で7失点。菊地はこの大乱調のときの桐敷も鳴尾浜で取材していました。「2軍相手になんで? と思うくらいに打たれまくりました。でも平田2軍監督は『ボールが少し高かったかな。いい勉強になったと思ってくれれば』と心配はされてなくて。安藤2軍投手コーチも『張り切ってやっていて、(疲れが)出てくるころ。本来のボールではなかった』と言われていたので」大丈夫でした。危なげなく5回を3安打無失点。これなら開幕3戦目の先発も任せられます。 それにしても、いいなあ、完全試合を見たのか。俺、ノーヒットノーランでも湯舟の広島戦(1992年6月14日)の1回しか取材したことない。菊地とそんな話をしていたら、「俺は4回」とビヤ樽編集委員三木建次が割り込んできました。「川尻(98年5月26日、中日戦)と井川(2004年10月4日、広島戦)。それと阪神がやられた方で、山本昌(06年9月16日)と大野雄(19年9月14日)。だけど、完全試合は俺もない」なくても不思議はない。プロ野球で15人しか達成していないし、残念ながら阪神では達成者がいないんだから。「佐藤輝はいい感じですよ。試合前の練習でも、きょうはスタンドにポンポンほうり込んでいました。デーゲームのビジターでお客さんが入っていて、打球から逃げたり、捕りにいったり、ファンも大喜びでした」これは打者担当の原田遼太郎の報告です。一回2死三塁での二ゴロも安達の美技がなければ中前適時打になりそうな打球でした。大山も、七回にしっかり先制の右犠飛を放っています。「大山は福岡遠征(15、16日、ソフトバンク戦)のときの練習でいい打球を飛ばしていた。あまりにも打つからずっと見ていたら、10スイング連続で柵越えした。2試合目にヒットも出たし、戻ってきてから、きのう(19日)も1本出た(3打数1安打)。一気に爆発とまではいってないけど、ジワッと上がっていくんちゃうかな」博多に出張していたビヤ樽は、この日7番に降格になっていた大山にも復調気配を感じ取っていました。試合は若手救援陣の制球が乱れ、サヨナラ負けしてしまいましたが、ケラーがいます。桐敷が固定できれば、先発から誰かを回すことも可能です。気にせんときましょ。佐藤輝は好調、桐敷も本来の投球をしてくれたし、大山も、ビヤ樽の目を信じれば、ジワリとですが復調気配ですから。

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<オープン戦順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
楽天
1023 0.833
(↑0.015)
-
(-)
63
(+2)
31
(+1)
3
(+1)
8
(-)
0.259
(↓0.002)
0.000
(-)
2
(-)
阪神
843 0.667
(↓0.06)
2
(↓1)
59
(+1)
40
(+2)
7
(-)
12
(-)
0.244
(↓0.007)
0.000
(-)
3
(-)
DeNA
952 0.643
(↓0.049)
2
(↓1)
61
(+1)
45
(+4)
9
(-)
11
(-)
0.273
(↓0.003)
0.000
(-)
4
(-)
ソフトバンク
853 0.615
(↑0.032)
2.5
(-)
69
(+8)
59
(+3)
13
(-)
10
(+1)
0.264
(↑0.016)
0.000
(-)
5
(-)
日本ハム
862 0.571
(↑0.033)
3
(-)
50
(+4)
47
(+1)
13
(-)
4
(-)
0.224
(↑0.006)
0.000
(-)
6
(-)
ORIX
870 0.533
(↑0.033)
3.5
(-)
55
(+2)
46
(+1)
3
(-)
13
(-)
0.247
(↓0.006)
0.000
(-)
7
(1↑)
中日
772 0.500
(↑0.038)
4
(-)
41
(+4)
44
(+2)
8
(+1)
6
(-)
0.222
(↑0.001)
0.000
(-)
8
(2↓)
西武
671 0.462
(↓0.038)
4.5
(↓1)
39
(+1)
40
(+2)
9
(+1)
11
(-)
0.235
(↓0.004)
0.000
(-)
9
(-)
広島
592 0.357
(↓0.028)
6
(↓1)
43
(+3)
74
(+8)
7
(+1)
2
(-)
0.236
(-)
0.000
(-)
10
(-)
ロッテ
492 0.308
(↓0.025)
6.5
(↓1)
45
(+2)
52
(+4)
12
(-)
12
(+2)
0.219
(↓0.004)
0.000
(-)
11
(-)
巨人
4102 0.286
(↓0.022)
7
(↓1)
35
(+1)
63
(+2)
15
(+1)
4
(+1)
0.215
(-)
0.000
(-)
11
(1↑)
ヤクルト
4102 0.286
(↑0.055)
7
(-)
42
(+2)
61
(+1)
3
(+1)
12
(-)
0.221
(↓0.007)
0.000
(-)