阪神(☆4対2★)オリックス =オープン戦2回戦(2022.03.19)・京セラドーム大阪=
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ORIX
1000010002801
阪神
00310000X4710
勝利投手:小川 一平(1勝0敗0S)
(セーブ:ガンケル(0勝0敗1S))
敗戦投手:宮城 大弥(1勝2敗0S)

本塁打
【オリックス】宗 佑磨(1号・6回表ソロ)

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◆阪神は、先発・小川が6回2失点。開幕ローテーション入りに向けて、首脳陣へのアピールに成功した。対するオリックスは、先発・宮城が6回途中4失点の投球。9奪三振をマークするも、課題の残る結果となった。

◆阪神大山悠輔内野手(27)に、オープン戦15打席ぶりの安打が飛び出した。 2試合ぶりに「5番三塁」で先発。第1打席は見逃し三振、第2打席は四球で迎えた5回1死の3打席目。宮城の136キロ変化球を中前にはじき返した。前日18日はオープン戦13試合目で初めてのベンチスタート。矢野監督は「コロナもあるしチームの調子やケガ、もちろんあってほしくないけどいろんなことが考えられるから」と説明していた。オープン戦も最終盤。この1本から状態を上げていきたい。

◆阪神ジョー・ガンケル投手(30)が急きょ中継ぎで登板した。当初は1軍ではなく四国IL・徳島との2軍練習試合(鳴尾浜)に先発予定だったが、1軍に合流して7回に小川の後を受けて2番手で上がり、3回1安打無失点にまとめた。8回に先頭の吉田正を中前打で出したが、4番杉本を併殺に仕留め、7回と9回はテンポよく3者凡退で締めた。最速は153キロをマークし、スライダーも制球良く決まった。ガンケルはキャンプから開幕ローテを目指して調整していたが、3月上旬に腰の張りを訴え、初実戦は13日の巨人とのオープン戦までずれ込んだ。その際は1回1失点で終え、今回はイニングを伸ばして無失点。順調に回復をアピールした。

◆開幕が待ち切れない! 阪神佐藤輝明内野手(23)が、4試合連続安打&打点でチームの10戦負けなし7連勝に貢献した。4番右翼で先発出場。熊谷、マルテの適時打で逆転に成功した直後の3回2死一、三塁だ。宮城の低め127キロスライダーに腕を伸ばすと、打球は一塁線へ。一塁手ラベロのグラブをはじき、打球は右翼へと転がった。「いいピッチャーなんで、どんどんいこうと。弾いてくれてよかったんじゃないですかね」。この日は3打席でお役御免。6回表の守備から退いた。試合後には「今日何もしてないっすよ」とジョークを交え取材エリアに現れた。2試合連続タイムリーでも「何もしていない」と言えるのは、好調の裏返しだろう。11打点は日本ハム万波と並びオープン戦トップタイ。得点圏打率は脅威の5割7分1厘。6本塁打を放つも9打点にとどまった昨季と比較しても、チャンスでの勝負強さが際立つ。それでも背番号8は「まあ、オープン戦なんで関係ないっす」とあっけらかんとし、「しっかり自分のスイングをするってことを意識してやっています。いい感じである程度打てている」とうなずいた。新4番もチームもあと6日に迫った開幕戦に備え、波に乗ってきた。早く開幕してほしいかと問われると「そうっすね、楽しみです」とニヤリ。「良い感じなので、このまま開幕から去年みたいにいけるように頑張りたいです」と開幕ダッシュ宣言まで飛び出した。オープン戦も残り1試合。快音を響かせ、「3・25」に向かう。【中野椋】

◆阪神佐藤輝明内野手(23)が、試合前練習で新グラブを試した。外野用が水色ベースで、内野用が薄い緑色ベース。ファンの視線を集めそうなトロピカルなカラーにも「色はテキトーです」とこだわりはない様子。「試合でも使おうかなと、今育てています」。公式戦では色とりどりの相棒にも注目だ。

◆阪神ジェフリー・マルテ内野手が23打席ぶりの適時打を放った。3回に熊谷の適時打で同点とした直後の2死一、三塁、オリックス宮城の初球144キロ直球を右前に運ぶ決勝打。オープン戦は14試合で打率2割5厘。本塁打はないが「状態がしっかり上がってくるのを自分で感じることが大事。そういう意味ではすごくいい日々を過ごせている」と手応えを示した。

◆5番に起用されたオリックス宗佑磨内野手が6回にオープン戦1号となるソロ本塁打を放った。阪神小川のカーブを捉え、右翼席に運び「少しバットの先だったので、感触的にはどうかな? と思っていましたが、スタンドまで届いてくれましたし、結果的に良かったです」と笑顔を見せた。

◆入団会見から1週間の駆けつけデビューで1回2K無失点!オリックスの新助っ人ジェシー・ビドル投手(30=ブレーブス)が7回に3番手で救援登板し、来日初登板を1回無安打無失点に抑えた。先頭の熊谷を二ゴロ、木浪、中野を連続三振に仕留め「本当は全員から三振を取ろうと思っていた」と笑顔を見せた。11日に来日し、12日の入団会見から1週間。この日の最速は152キロを計測し「いつも100マイルが投げられる訳ではないけど、もっと速くなれば」と160キロ近い直球も魅力だ。中嶋監督は「本当はライブBPの予定だったんですけどね。良いものを見せてもらった」と評価。開幕1軍入りには「サインプレーも入ってくるので...」と慎重姿勢を見せたが、戦力がそろってきたことに間違いはない。

◆先発した20歳左腕のオリックス宮城大弥投手は6回途中6安打4失点で最終調整を終えた。初回に三者連続三振を奪うなど9奪三振。ただ、3回には2四球が絡むなど打者一巡で3失点し「連打を止められなかったことや、先頭打者への四球など、修正していかなければいけないところが多かった」と反省した。順調に進めば、開幕2戦目の26日西武戦(ベルーナドーム)の先発を任される。

◆阪神はオリックス宮城を相手に右打者(ロハスは両打ち)を8人並べる対左腕用オーダーを組み、2番二塁に入った熊谷敬宥内野手が2安打2打点と期待に応えた。3回2死一、二塁で初球スライダーを捉え、一塁線を破る先制適時二塁打。「左腕を打てたのは大きい。今日はラストチャンスくらいの気持ちでやっていた」と9試合、13打席ぶりの安打を喜んだ。4回2死一、二塁では中堅寄りの二塁へのゴロを放ち、快足を生かし内野安打に。同じく快足を売りにする二塁走者の江越が判断よく生還し熊谷に打点がついた。矢野監督は「あれは誰でもかえれるような走塁ではない。大賀(江越)らしい」とほめ、「敬宥(熊谷)も結果が出て自信になってくれれば」と、控えメンバーたちの奮闘に目を細めた。

◆阪神大山悠輔内野手(27)は15打席ぶりの安打で首脳陣を安心させた。5回1死、2ストライクと追い込まれながら宮城の低めフォークを中前へ。試合後は中野らと約30分間の特打で汗を流した。前日18日はオープン戦13試合目で初のベンチスタート。矢野監督は「結果で何かが変わったり、打席に立つ中でこんな感じやったなと見つかってくることがある。もっともっと上げてもらわないと困るんで」と主砲の復調に期待をかけた。

◆一平ちゃん当確! 阪神小川一平投手(24)がプロ3年目で初の開幕ローテ入りを決めた。オリックスとのオープン戦(京セラドーム大阪)で7安打を浴びながら6回2失点と粘った。矢野監督はヤクルトとの開幕カードでの先発を明らかにし、第2戦が確実となった。2年目まで全て救援の右腕。ガンケルの調整遅れにより「ジョーカー」として白羽の矢を立てられ、ついに公式戦初の先発を射止めた。「ジョーカー」小川が矢野監督の本命になった。粘りを見せたのは5回だ。安打と連続四球が絡んで2死満塁のピンチを招き、昨年パ・リーグ本塁打王の杉本を迎えた。前の打席ではカーブをフェンスぎりぎりまで運ばれて左飛。カウント1-2から強気に投じたのは、そのカーブだった。バットに空を切らせると、自然とガッツポーズが出た。「長いイニングを投げて、勝ちでつなげたのが良かったかなと思います」。3者凡退は4回のみで7安打を浴びたが、緩急を使って96球でゲームメーク。オープン戦最終登板で役割を果たした。試合後、指揮官の言葉の全てがジョーカーから立ち位置が変わったことを物語っていた。矢野監督 落ち着いてきたよね、一番はね。やっぱり経験と結果っていうところで、本人も自信を持って投げてこられているのが、落ち着きに出ている。緩い球もうまく使いながら、高さも低くというところができている。そういうところの成長は安定しているところはあるかな。そして...。開幕カードを託すかと聞かれると「もちろん」と明言。第2戦の先発が確実となった。チームの救世主だ。これまで中継ぎと先発の両にらみで調整を進めてきた。4日の楽天戦は中継ぎで3回無失点と好投した。しかし、開幕ローテ候補だったガンケルがキャンプ終盤の腰の張りで調整が遅れることになり、小川は白羽の矢を立てられた。8日から先発の調整に入り、13日の巨人戦で1軍初先発し4回2安打無失点とアピール。さらに開幕投手に決まっていた青柳が新型コロナウイルスに感染する緊急事態も重なり、手薄になった先発陣で欠かせない存在になった。次は26日ヤクルト戦。「考えすぎると緊張しちゃうんで、考えすぎないように自分のペースでやっていけたら。チームが1勝できるように自分の中では意識して投げていきたい」。3年目の一平ちゃん。1軍公式戦の先発デビューが開幕カードという、最高の舞台に上がる。【三宅ひとみ】

◆阪神ジョー・ガンケル投手は開幕3戦目の27日ヤクルト戦に急転投入される可能性が出てきた。腰の張りで1度は開幕ローテ入りを外れることが決定。19日は鳴尾浜で2軍の四国IL・徳島戦に登板予定だったが、悪天候の可能性も考慮されて1軍のドーム戦で登板した。オリックス打線を3回1安打無失点と完璧に封じ、最速151キロを計測。本人も「思ったよりいい投球ができた」と納得顔だ。腰の張りを訴える前は開幕3戦目の先発が確実視されていた立場。矢野監督は「安心して見ていられる」と絶賛した上で、2軍戦とみられていた次回の登板予定を「それは考える」と明言せず。1軍ブルペン待機の可能性を問われても「ちょっと考えさせてくれよ」と笑い、含みを持たせた。開幕3戦目先発が有力視されるドラフト3位桐敷は前回2軍戦で5回7失点。20日オリックス戦に先発する桐敷の内容次第では、ガンケルの登板もありそうだ。

◆開幕が待ち切れない! 阪神佐藤輝明内野手(23)が、4試合連続安打&打点で10戦負けなし7連勝に貢献した。4番右翼で先発。3回に熊谷、マルテの連続適時打で勝ち越し、なお2死一、三塁で宮城の低め127キロスライダーをはじき返し、一塁線を破る適時二塁打とした。「いい投手なんで、どんどんいこうと思っていました」。2ボールからファーストストライクを振り抜いた。試合後は「今日、何もしてないっすよ」とジョークを交え取材エリアに登場。2試合連続タイムリーでも「何もしていない」と言えるのは、好調の裏返しだろう。11打点は日本ハム万波と並びオープン戦トップ。得点圏打率は驚異の5割7分1厘で、6本塁打ながら9打点にとどまった昨季と比較して勝負強さが際立つ。それでも背番号8は「まあ、オープン戦なんで関係ないっす」とあっけらかんとし、「自分のスイングをすることを意識して、いい感じで打てている」とうなずいた。新4番もチームも「3・25」に備え、波に乗ってきた。早く開幕してほしいかと問われると「そうっすね、楽しみです」とニヤリ。「このまま開幕から去年みたいにいけるように頑張りたい」と開幕ダッシュ宣言まで飛び出した。矢野監督は「明らかに空振りは減っている。このオープン戦、しっかりとしたものを見せてくれているんで、楽しみかな」と成長を認めた。長距離砲のポテンシャルに加え、チャンスに強い不動の主軸の雰囲気も漂わせる2年目の春。オープン戦ラスト1試合もやるべきことは変わらない。【中野椋】▼阪神のオープン戦7連勝は、07年3月14日中日戦から同22日横浜戦にかけて8連勝して以来、15年ぶり。下柳、能見、江草ら左腕先発陣が順調な仕上がりを見せ、打線では鳥谷、赤星、関本らが快音を響かせた。なお公式戦では優勝の巨人に4・5差の3位だった。▼オープン戦で大型連勝し公式戦でも優勝した近年の例としては、14年のソフトバンク。オープン戦で13連勝(2分け挟む)フィニッシュし、公式戦ではオリックスとの死闘を制し優勝。日本シリーズでは、CSを突破した阪神を退け、日本一となった。▼阪神はオープン戦優勝の可能性を残す。単独優勝の条件は、阪神が20日○または△で楽天が20日から●●。また阪神○で楽天が△●のときは、両軍が同率1位となる。

◆両軍のスタメンが発表された。阪神は小川一平投手(24)が先発。青柳の離脱で再編された開幕ローテ入りへ結果を残す。また、「1番・遊撃」でこの日1軍に合流した山本泰寛内野手(28)が入り、5番に大山。近本はスタメンを外れた。

◆阪神・佐藤輝明内野手(22)が2試合連続となる適時打を放ち存在感を放った。1―0で迎えた三回、2死一、二塁で熊谷が適時打。続くマルテもタイムリーで続き、逆転に成功した。直後に打席に立った佐藤輝も先発・宮城の初球を一塁線へ。打球は一塁手・ラベロのグラブをはじき、右翼線適時二塁打とした。オープン戦12試合連続で4番に座る若き大砲は、4試合連続打点と開幕前に調子を上げている。

◆オリックス・宗佑磨内野手(25)が、オープン戦1号ソロを放った。「打ったのはカーブです。甘く入ってきたら、初球から積極的に打ちにいこうと思っていました。少しバットの先だったので、感触的にはどうかな?と思っていましたが、スタンドまで届いてくれましたし、結果的にはよかったと思います」1─4の六回の先頭。阪神先発の小川が投じた初球118キロのカーブをとらえ、右翼ポール際へ運んだ。昨季はゴールデングラブ賞を初受賞するなど、不動の三塁手へと成長した宗。この日は「5番・三塁」で先発出場するなど、今季はポイントゲッターとしても期待されている。

◆阪神はオリックスに快勝し、オープン戦7連勝(3引き分けを含む)とした。0―1の三回に3者連続の適時打で逆転に成功。佐藤輝が先発・宮城から右翼線適時二塁打を放ち、4試合連続打点を記録。これでオープン戦11打点とし、打点数でトップに立つ日本ハム・万波、巨人・岡本に並んだ(阪神の試合終了時点)。開幕ローテ入り有力の先発の小川は6回2失点の粘投。腰の張りで2戦連続で登板を回避していたガンケルが七回から実戦復帰し、3回無失点。投打が?み合い、昨季パ・リーグ王者から勝利を収めた。

◆阪神が3引き分けを挟んで、7連勝を飾った。開幕2戦目(26日=ヤクルト戦、京セラ)での先発が有力視される小川一平投手(24)は6回2失点。「4番・右翼」の佐藤輝明内野手(23)は4試合連続打点をマークした。試合後の矢野耀大監督(53)の主な一問一答は以下の通り。ーー小川の評価は「落ち着いてきたよね、一番はね。緩い球もうまく使いながら、低くいくところができている」ーー開幕カードを任せられるか「もちろん」ーーガンケルの仕上がり(2番手で七回からの3回を無失点)「安定してるし、安心して見ていられる。球の強さもキレもコントロールもガンケルらしいボールがいっている」ーー2軍で先発予定と聞いていた「投げるイニングは一緒で、それなら、上で投げたらっていうことで。俺らも見たいし」ーー今後は2軍でイニングを伸ばすのか「それは考える」ーーシーズン当初のブルペン待機も「まあまあ、ちょっと考えさせてくれよ(笑)」ーー佐藤輝が4試合連続打点で勝負強い「勝負強さは、これからだと思うけど。明らかに空振りは減っているよね。一発でコンタクトできた中で、しっかりした内容が増えている。成長の部分かなと思う。シーズン通してやっていけば、さらなる成長につながると思います。このオープン戦でしっかりとしたものを見せてくれているんで、楽しみかな」ーー大山も安打「まあ、もっといいはずなんでね。これでいいとは思わない。もっと上げてもらわないと困るんで」ーー近本、糸原がベンチスタートでも連勝が伸びた「勝って嫌な気分はないけど、勝つ事を最優先に戦っているわけではない。いつも言っているように全体の底上げがありながら。いろんなことが起こり得る状況の中で、誰かが出られなくなった時でも補えることができるような底を上げることができている。勝ちを優先して戦っているわけではないけど、結果的に勝てていることは、自信にすればいいと思う」

◆佐藤輝が三回に放ったタイムリー二塁打は、外角低めのスライダー。決してやさしい球ではなかったが、右ひざをうまく使って対応。左腕を全く苦にしていなかったし、凡打の内容も悪くない。今はどのコースにも自然に反応できている。仕上がり度は80%程度か。好調を維持できている要因はレベルスイングが継続できていること。技術的な話をすれば、グリップがオヘソの前を通っている。ということはバットが立った状態でスイングしている証拠。これができていれば、レベルスイングになる。体が開かず、余裕を持って投球を見極めているから空振りも減り、選球眼も格段にアップしている。ライナー性の打球が増えているが、オープン戦はこれで十分。ここから、開幕に向けて、ライナーをセンター方向へ返すことだけを意識して練習していれば、100%近い状態で開幕を迎えることができるだろう。昨年に比べて本塁打のペースが落ちていることを心配する声もあるが、全く無視していい。今のレベルスイングを維持すれば、シーズンに入れば自然と打球は上がる。放っておいても本塁打は増えてくるだろう。佐藤輝個人に限っていえば、心配はない。だが、別の心配がある。新4番の前後を打つ打者の状態だ。この日は大山に1本出たが、打撃の形は決していいとは言えない。佐藤輝とは逆に、体が開く癖がなかなか抜けない。ロハスも、いつまで経っても不安そうな打席を続けている。マルテを含めた前後の打者が不振だと、佐藤輝は「自分が何とかしなければ」と焦ってしまう。すると、本塁打を狙って打撃フォームを崩す可能性ででてくるのだ。「佐藤輝を孤立させるな」声を大に言いたい。もう1人、誰かが状態を上げるだけで、佐藤輝の心の不安は一気に晴れる。ロハスの状態が上がって来なければ糸井、島田らの起用を考えてもいい。好調な新4番を生かす打線を組んで、開幕ダッシュを実現して欲しい。(サンケイスポーツ専属評論家)

◆開幕2戦目(26日=ヤクルト、京セラ)での先発が有力視されている阪神・小川一平投手(24)が6回2失点で最後の調整登板を終えた。小川の主な一問一答は以下の通り。(テレビインタビュー)ーー6回2失点の内容は「後半バテてしまって、ストライクが入らなかったりとか、甘い球を打たれることがあったので、よくなかったですし、やっぱり初回の入りという部分で連打でピンチをつくって、1点で抑えられたのはよかったんですけど、初回の入りの部分はよくなかったかなと思います」ーー長いイニングを投げること以外に考えていたことは「2巡目までしか投げたことがなかったので、3巡目に入ってくる中で、1、2打席目での打ち取り方だったりとかを誠志郎さんと話して。そういう部分では、満塁をつくった時に(五回2死満塁)、ラオウさん(杉本)をカーブで三振に取れたのは、その前の打席にカーブで大きいレフトフライを打たれているのもあって、誠志郎さんと話していたのがよかったのかなと思います」ーー坂本とは投球後にはどんな話を「投球内容的には悪くなかったけど、テンポだったりとか、変化球に頼りすぎて真っすぐばかり悪くなったりとか、そういう部分を加味して、自分の中で試合中に切り替えられるようにという話はしました」ーー開幕2戦目の先発も「そうですね。考えすぎると緊張しちゃうんで、考えすぎないように、自分のペースでやっていけたらなと思います」ーー投げるなら、どんな投球を「3(連)戦の真ん中なので、1戦目が勝ちか負けかどちらか決まっているので、勝っていたら流れに乗れるように、負けていたら、チームが1勝できるように自分の中では意識して投げていきたいなと思います」(囲み)ーーカットボールやツーシームで三振もあった「カーブでも空振りを取れましたし、タイミングも外せたんですけど、打ち取れるボールでカット、ツーシームがあって。大事なのは真っ直ぐなので、おかしくなると打たれたり、フォアボールを与えたので反省点かなと思います」ーー中継ぎと先発の両にらみだったが、もう先発と言われているのか「自分のなかではそう思っているんですけど、やっぱりどっちでもいけるようにしていきたいと思います」ーー長いイニングを投げる工夫は「ゲームの中で疲れが見えちゃうので、ブルペンでしっかりバッターを意識したり、左と右でバッターに立ってもらったりとかはしたりしています」ーー試合前に「試合2日前のピッチングの時ですね」ーー次回に向けて「長いイニングというよりは、1回1回をゼロで抑えることを意識してやっていきたいなと思います」

◆4戦連続打点の阪神・佐藤輝明内野手(23)が試合後、新たに届いたグラブについて言及。試合前練習でブルー基調の外野用グラブ、黄緑基調の内野グラブを試した。) こだわりは?との問いに「形とか、色は外はテキトーです。捕球面は色決まっていますけど。試合でも使おうかなと、今育てています」と話した。チームは3引き分けを挟んで7連勝。「良い感じなので、このまま開幕から去年みたいにいけるように頑張りたいです」。バット同様、グラブにも注目だ。

◆オリックスは新戦力のビドルが七回にオープン戦初登板。2奪三振で三者凡退とした。左腕から繰り出したスライダーは切れ味鋭く、「自信のある球が日本でも使えた。(調子が)もっと上がる感じはある」と手応えたっぷりに話した。来日後は急ピッチで調整したといい「自分の中ではいつでもいける感覚」と頼もしかった。中嶋監督も「いいものを見せてもらった」と絶賛。まだ定まっていないセットアッパー候補に急浮上した。

◆阪神の熊谷が適時打2本と、昨季無安打に終わった課題の打撃で成長を示した。三回は宮城の変化球を逆方向の右翼線へ打ち返し「しっかり仕留めようという気持ちだった。いいところに飛んでくれて良かった」。四回は快足を生かした内野安打で打点を挙げた。昨季は守備固めや代走を中心に自己最多73試合に出場。二塁で先発したこの日は右翼に回っても危なげなく守り「内野で出られるのが一番だが、外野も守れるように」と貪欲に出番をうかがう。故郷宮城が地震に相次いで見舞われ「不安はなかなか消えないと思うが、少しでも僕が野球で活躍していい報告がしたい」と語った。

◆阪神のジョー・ガンケル投手(30)が2番手で七回から登板。3回無失点と好投した。当初は2軍戦に登板する予定だったが、雨模様を踏まえ、1軍戦へ。八回先頭で吉田正に中前打を許すも、続く杉本を二ゴロ併殺打に仕留めるなど、安定した投球で最速153キロを計測した。「(状態は)80、90(%)ぐらい。状態もこれから上げていく必要がある。スタミナ、体力を取り戻していきたい」腰の張りで今春の初登板は13日の巨人戦(甲子園)。1回無失点と好投し、この日を迎えた。次回登板は2軍戦か、と問われた右腕は「そうなると思う。5回を目指したい」と話した。昨季は開幕ローテーションから9勝を挙げた。矢野監督は「臨機応変に考えていこうかなと思っています」とジョーカー的な起用法を匂わせた。

◆対左投手の秘密兵器になるかもしれない。佐藤輝以外、スイッチのロハスを含めた右打者を8人並べた阪神の打線。「2番・二塁」で先発出場した熊谷が2安打2打点でキラリと光る活躍をみせた。「左投手で打てたのは大きい。なかなかヒットが出ていなかった。ラストチャンスという気持ちでやっていた」6日の楽天戦(甲子園)以来、出場9試合ぶりの快音に胸を張った。0-1の三回2死一、二塁で一塁線を破る同点打。3-1の四回2死一、二塁では二塁への適時内野安打で追加点を挙げた。いずれも昨季13勝の宮城からだった。26日、ヤクルトとの開幕2戦目の相手は左腕・高橋が有力となった。昨季は3試合で対戦。18イニングで4得点しか奪えず、1勝を献上した。矢野監督は熊谷について「自信になっていけばいい」と期待。俊足自慢のプロ5年目が正二塁手・糸原の牙城を崩す。

◆一平ちゃんが決めた! 阪神・小川一平投手(24)がオリックス戦に先発し、6回7安打2失点と好投。自身初の開幕ローテーション入りを確定させた。青柳晃洋投手(28)が新型コロナウイルスの陽性判定を受け、再考を余儀なくされた先発陣。大卒3年目右腕が開幕2戦目、26日のヤクルト戦(京セラ)に挑む。積み重ねたアウト一つ一つが「3・26」への自信に変わった。走者を許しながらも粘りの投球。小川にサクラが咲いた。「どんどん(イニングが)伸びていって失点はしてしまったけど、長いイニングを投げて、勝ちでつなげたのが良かった」立ち上がりは連打を許し、3番・吉田正に犠飛を献上。先制点を許したが、二、三回と無失点で切り抜けた。最大のピンチは3点リードの五回。安打と四球で2死一、二塁とされ、吉田正には四球を与え、満塁。それでも昨季の本塁打王・杉本を118キロのカーブで空振り三振に仕留め、グラブをポンポンとたたいて胸をなでおろした。「後半にバテてしまって、ストライクが入らなかったりとか、甘い球を打たれるということがあった」体力面での反省点はあったが、6回7安打2失点という内容に矢野監督は「緩い球もうまく使いながら、高さも低くというところができている」と評価。開幕ローテーション入りについては「もちろん」と即答した。 2020年に東海大九州キャンパスからドラフト6位で入団。1位・西純(創志学園高)、2位・井上(履正社高)ら他の支配下5人が高卒で、ただ一人の即戦力だった。昨季は19試合に登板し、プロ初勝利を挙げた。今季、ついに開幕ローテつかんだ。開幕投手を務める予定だった青柳が新型コロナウイルスの陽性判定を受け、大役を藤浪に変更。先発陣の不安を小川が解消した。26日、同じ舞台で昨季日本一のヤクルトに挑む。「3(連)戦の真ん中なので、1戦目が勝ちか負けか決まっている。勝っていたら流れに乗れるように、負けていたらチームが1勝できるように意識して投げていきたい」〝一兵卒〟からローテの一角に成り上がった。一平ちゃんが燕を封じ、最高のスタートを切る。(織原祥平)

◆開幕よ、早くこい! 阪神・佐藤輝明内野手(23)が19日、オリックス戦(京セラ)の三回に適時二塁打。4試合連続打点でオープン戦11打点目を挙げ、日本ハム・万波と並んでトップに浮上した。新4番は25日のヤクルトとの開幕戦(同)が「楽しみ」とニヤリ。チームは20日のOP戦最終戦を前に10戦負けなし、7連勝と勢いが止まらない。17年ぶりのリーグVへ弾みがついた!瞬く間にグラウンドへと放たれた白球が、ラベロのファーストミットを弾く。主砲の勢い、そして、連勝街道はどこまでも続く。佐藤輝が打てば勝つ。開幕まで残り1戦とした段階で、オープン戦の打点王に浮上。25日のヤクルトとの開幕戦へ心を弾ませた。「しっかり、自分のスイングをすることを意識してやっています。いい感じで、ある程度、打てている。(開幕が)楽しみです」三回に2-1と逆転に成功し、なおも2死一、三塁。昨季13勝を挙げた宮城が外角低めに投じたスライダーを思い切り引っ張った。鋭い打球は右翼線を転々。快足を飛ばし、悠々と二塁へ到達した。一回に3者連続三振と圧巻の投球を見せた左腕を一気に攻略。「いい投手なので、どんどんいこうと思った」と、追撃の手を緩めなかった。これで4試合連続安打&打点。オープン戦11打点とし、日本ハム・万波と並んで12球団トップとなった。「オープン戦なんで関係ないです」と興味を示さなかったが、開幕が近づくにつれ、相手のマークが日に日に厳しさを増す。その中で結果を出すのは立派としかいいようがない。球団では2017年の中谷(現ソフトバンク)以来となるオープン戦打点王が現実味を帯びる。得点圏打率・571(7打数4安打)という脅威の数字を含めて〝2年目のジンクス〟を死語にしている。 打線の中心にドカッと座る主砲が打つべきところで打つチームは強い。5日の楽天戦(甲子園)から10戦負けなしで、3分けを挟んで7連勝。順位も楽天に1ゲーム差の2位とオープン戦の〝優勝〟も見えてきた。もちろん、その最大の要因は4番を任されている佐藤輝が長打力、決定力、確実性とすべてにおいてパワーアップしたからに他ならない。矢野監督は「明らかに空振りは減っているよね。一発でコンタクトできた中での、しっかりした内容が増えている。それが輝(佐藤)の成長だし、勝負強さにつながっている」と評価。そして佐藤輝と同様に「(開幕が)楽しみかな」と目を細めた。20日のオリックス戦(京セラ)でオープン戦を終える。矢野監督はこの日もDHを外さずに右打者を8人並べるなど、試行錯誤の段階をうかがわせたが、佐藤輝は外さなかった。大山との4番バトルに勝った男が打線の中心だから。25日の開幕戦の舞台、京セラドームで1試合を残すのみ。背番号8は「しっかり(打席に)立って準備できた方がいい」とうなずく。最高の状態で開幕を迎えるためにも、最後まで気を抜くことはない。「いい感じなので、このまま。開幕から去年みたいにいけるように頑張りたいです」いざ、総仕上げ。オープン戦打点王の肩書をひっさげて17年ぶりのリーグ優勝へ。4番・輝が開幕ダッシュを呼び込む。(原田遼太郎)

◆試合後。京セラドーム記者席のトラ番・織原祥平に電話したら、スマホ越しにカーン! コーン! カーン! と音がする。「先ほどまで戦っていたグラウンドで特打が始まりました。今は大山さんが打っていますねぇ。ロハスもいます。あっ、中野も参加しています」好調な選手たちが落ち着いて、冷静に、開幕への調整を続けるのは、失礼ながら面白くはない。天邪鬼なもんで。一方、調子を上げたい選手が、〝突貫工事〟にように懸命に打ち込んだりする。何十年もプロ野球の開幕を見ていると、この懸命な姿が意外に好きになってくるのだ。ゲームセットから間もない時間帯に練習する姿に、「早く立派な記者になりたい」と思い続けた、劣等生記者だった自分がダブる。今も立派じゃないけれど。大山よ、ロハスよ、必死の努力が実りますように。中野は故障明けでスイング量を増やす意味合いが強いのだろう。特に不振とは思えない。でも、中野も調子を上げて開幕を迎えてほしい。「努力が実るといえばですねぇ...」織原が付け足し報告をしてきた。「朝、無人の京セラドームに真っ先に飛び出してきたのが熊谷クンだったんです。一番乗りが偉いのか、という話ですが、そうやって気持ちを行動に出す選手を応援したいんです、僕は」同い年のタテジマ戦士に「ガンバレ」と熱視線を送ったら、目と目が合った(?)ような気分になったらしい。そして、その熊谷が「2番・二塁」でスタメン出場し、2安打2打点の活躍。この日は坂本、山本らがチャンスメークの安打や、つなぎの四球で貢献し、坂本は送りバントも成功。梅野や島田がチャンスで送れず、失敗がクローズアップされてしまった18日の試合の反省を生かした感じだ。 それにしても、虎は強すぎないか。3分けを挟んでの7連勝。12球団の上から2番目に位置している。すぐに負の歴史が甦ってくる。一番鮮烈なのは、1月に阪神淡路大震災が起きて、3月に地下鉄サリン事件が起きた1995年。選手の大半が被災者だったにもかかわらず、オープン戦を1位で終えた。10勝5敗。本塁打を打ちまくって、試合内容も良かったような記憶がある。さらに、直後に開催されたセ・リーグトーナメントも優勝。3月なのに「阪神優勝」の新聞を作った。だが、「もう震災の影響はありません」と当時の球団首脳が豪語して臨んだシーズンは最下位。中村監督が途中休養するなど、思い出したくない1年になってしまう。だったら、そんな不吉なシーズン、思い出すな! と叱られそうだが。当番デスク・阿部祐亮が救ってくれた。「僕が入社する以前のことですが、星野監督は『オープン戦から勝ち癖をつけるんや!』と猛烈に勝ちを意識されていたと聞きます。負け続けていたら、こんな明るい紙面を作っていられないわけですから」その通りだ。勝って、何が悪い。オリックスとの最終戦を勝って、楽天が負ければ「阪神優勝」だ。史上最強の4文字熟語を、あしたの紙面に躍らせよう!

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<オープン戦順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
楽天
923 0.818
(-)
-
(-)
61
(+2)
30
(+2)
2
(-)
8
(+1)
0.261
(↓0.007)
0.000
(-)
2
(1↑)
阪神
833 0.727
(↑0.027)
1
(↑0.5)
58
(+4)
38
(+2)
7
(-)
12
(+1)
0.251
(↓0.001)
0.000
(-)
3
(1↓)
DeNA
942 0.692
(↓0.058)
1
(↓0.5)
60
(+4)
41
(+6)
9
(-)
11
(-)
0.276
(↓0.007)
0.000
(-)
4
(-)
ソフトバンク
753 0.583
(-)
2.5
(-)
61
(+4)
56
(+4)
13
(+1)
9
(-)
0.248
(↓0.003)
0.000
(-)
5
(1↑)
日本ハム
762 0.538
(↑0.038)
3
(↑0.5)
46
(+6)
46
(+4)
13
(-)
4
(-)
0.218
(↑0.006)
0.000
(-)
6
(2↑)
西武
661 0.500
(↑0.045)
3.5
(↑0.5)
38
(+6)
38
(+5)
8
(-)
11
(+1)
0.239
(↑0.01)
0.000
(-)
6
(1↓)
ORIX
770 0.500
(↓0.038)
3.5
(↓0.5)
53
(+2)
45
(+4)
3
(+1)
13
(-)
0.253
(-)
0.000
(-)
8
(1↓)
中日
672 0.462
(-)
4
(-)
37
(+2)
42
(+2)
7
(-)
6
(+2)
0.221
(-)
0.000
(-)
9
(-)
広島
582 0.385
(-)
5
(-)
40
(+4)
66
(+4)
6
(+1)
2
(-)
0.236
(↑0.003)
0.000
(-)
10
(1↑)
ロッテ
482 0.333
(↑0.06)
5.5
(↑0.5)
43
(+7)
48
(+2)
12
(+3)
10
(+1)
0.223
(↑0.004)
0.000
(-)
11
(1↓)
巨人
492 0.308
(↓0.025)
6
(↓0.5)
34
(+2)
61
(+7)
14
(-)
3
(-)
0.215
(↑0.004)
0.000
(-)
12
(-)
ヤクルト
3102 0.231
(↓0.019)
7
(↓0.5)
40
(+5)
60
(+6)
2
(-)
12
(-)
0.228
(↑0.002)
0.000
(-)