ソフトバンク(★6対9☆)阪神 =オープン戦2回戦(2022.03.16)・福岡PayPayドーム=
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阪神
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ソフトバンク
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勝利投手:伊藤 将司(3勝0敗0S)
(セーブ:湯浅 京己(0勝0敗1S))
敗戦投手:松本 裕樹(1勝1敗0S)

本塁打
【阪神】佐藤 輝明(2号・2回表3ラン),坂本 誠志郎(1号・5回表ソロ)
【ソフトバンク】栗原 陵矢(1号・4回裏2ラン),松田 宣浩(1号・4回裏ソロ)

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◆阪神は坂本がオープン戦1号ソロを含む3安打の大活躍。バットで存在感を示した。対するソフトバンクは打線が2ケタ安打を放つも、7投手で計9つの四球を与えるなど、投手陣に課題を残す結果となった。

◆阪神が初回に打者9人で4点を奪った。主役はチーム最年長の糸井嘉男外野手(40)だ。制球に苦しむソフトバンク先発松本から押し出しと暴投で2点を奪い、なお1死二、三塁から低め直球を中堅左へ2点適時打を放った。これでオープン戦は出場10試合でチーム最多の7打点。前日15日ソフトバンク戦では2号ソロも放ち、本塁打も同最多とチーム打撃2冠。前日に「僕は開幕と同様の気持ちでやっている」とすでに本番モード。衰え知らずの超人が打線を引っ張っている。

◆開幕ローテーション入りが内定しているソフトバンク松本裕樹投手(25)が、3回6安打5四球で8失点と炎上した。 1回、先頭近本にいきなり四球。その後も安打、四球、暴投などで初回から4点を失った。2回も先頭の近本、糸原に連続四球。1死一、二塁で4番佐藤輝に中越え3ランを浴びた。3回も1死一、三塁から近本に中犠飛。3イニングで87球を費やすなど、精彩を欠いた。4回からは2番手の中村亮にマウンドを譲った。松本は開幕2カード目の先発に向かう予定だったが、不安を残す結果に。ベンチでは藤本監督も厳しい表情で試合を見つめていた。

◆天国から地獄へ-。開幕ローテ入りが確実の先発阪神伊藤将司投手(25)は、6回9安打6失点と課題を残した。 立ち上がりから低めに球を集め凡打の山を築き、3回まで強力ソフトバンク打線を完璧にねじ伏せた。「自分自身の状態やボール自体は悪くなかったと思います。ただ...」。直後に落とし穴が待っていた。10者連続アウトで迎えた4回1死、佐藤直に中堅手前に落ちる二塁打を許し、柳田、グラシアルと3連続二塁打を浴び2点を献上。1死二塁から栗原に右越え2ラン、松田に右越えソロと2者連続で被弾。今宮の左前打で6者連続ヒット。左飛、四球を挟み、2死一、二塁から牧原大、佐藤直に連続内野安打で6失点目。最後は柳田を三邪飛に仕留め、悪い流れを断った。「高めにボールが集まってしまった」。5、6回は両サイドのコーナーを丁寧に突き、立て直した。開幕まで残り1試合の登板を挟み、先発が有力な30日広島戦(マツダスタジアム)へと向かう見込み。大きな波のあった左腕に矢野監督は「シーズンじゃなくてよかった。ちょっと状態として上がったのかなと思うけど。しっかり反省してやるしかない」と指摘。収穫と課題が出た試合となった。【古財稜明】

◆阪神ドラフト4位前川右京外野手(18=智弁学園)が4三振を喫した。 オープン戦2度目のスタメンとなる7番DHで出場。1回の第1打席は1死一塁、カウント1-2から外角球を空振り。3回、5回にも三振を喫して9回には3球連続ファウルの後に森の外角高め144キロ直球にバットがまわった。前日15日は「修正するところはしていかないと、上のレベルではやっていけない」と話していたが、悔しい1日になった。

◆阪神の糸井嘉男外野手(40)はオープン戦の得点圏打率を5割とした。 ソフトバンク戦に6番左翼で先発。1回1死二、三塁から中堅左に2点タイムリーを決めた。オープン戦打率は3割1分8厘で7打点はチーム2位。勝負強さを問われると「イメージトレーニングしているから。イメトレだと、もうちょっと打ってたんやけどね」とニヤリ。「ネクスト(バッタースボックス)からしっかり準備していけている証拠かな」。前日15日は佐藤輝と「近大アベック弾」も記録。激しい左翼レギュラー争いでアピールを続けている。

◆ソフトバンク栗原陵矢外野手(25)に待望の1発が飛び出した。 4回、佐藤直、柳田、グラシアルの3連続二塁打で2点を返した1死二塁の場面。カウント2-1からの変化球を豪快に右翼スタンドに運び去った。「いい流れに乗らせてもらいました。スライダーをいいコンタクトができたと思います」。オープン戦36打席目での初アーチに打撃上昇の手応えをつかんだ。藤本監督も「栗原の状態が上がってきているから、いい形で開幕に入れるんじゃないかな」と若き主軸に期待を寄せた。

◆ソフトバンクは4回に8安打6得点の猛攻を見せたが、敗戦。試合後の藤本博史監督(58)の一問一答は以下の通り。 -松本が乱調藤本監督 ひどかったね。ちょっと後でピッチングコーチと話をします。ストライクが入らなかったら話にならない。ここまで順調に来ていたのに、また話をしないといけない。内定になってたけど、そのままいくのか、いかないのか。このままの状態やったら不安よね。今すぐどうのうこうのじゃないですよ。1回悪かっただけで次はいいピッチングをしてくれるかも分からないし。-栗原と松田が1号藤本監督 栗原は状態がずっと上がってきている。いい形で開幕を迎えられるんじゃないかな。あとは競争もなかなか定まってこない。マッチ(松田)も今日はよう打ちましたし、リチャードは打った次の日は打てない。-佐藤直は3安打でサードとセンターの争いが激しい藤本監督 (佐藤直は)左は打ってるんですけど、右は打ってないんですよ。だから2パターン考えないといけないのかなと。あと3試合、見ていきたいと思います。-6番起用の松田がアーチ。6番の役割は藤本監督 チャンスでのバッティングですよね。恐らくチャンスで回ってくる回数が多いと思う。そこでしっかり打点を挙げられる人ですね。今日はマッチが左ピッチャーにそういう役目を果たしてくれてる。

◆阪神佐藤輝明内野手(23)が、2試合連発となるオープン戦2号3ランを放った。 ▼阪神佐藤輝明は昨季のオープン戦全出場試合数と同じ12試合に出場したが、打撃内容には大きな変化が見られる。特筆すべきは得点圏打率の大幅な向上で、今季は12打席に立ち、6打数3安打の5割。打数に入れない6打席は、4四球に2犠飛と堅実にチームに貢献している。昨年オープン戦得点圏での14打数2安打、打率1割4分3厘からは雲泥の差だ。また今季の全三振数はわずか5で、昨年の14から激減。四球は2から8へ4倍に増えるなど、粗さの目立った昨年の佐藤輝とはまるで別人だ。

◆ソフトバンクの「8回の男」モイネロがオープン戦初登板で貫禄の投球を披露した。 先頭小野寺を153キロの直球と落差あるカーブの2球で追い込むと152キロの直球で空振り三振。続く佐藤輝にはフルカウントから内角高めの152キロの直球がわずかに外れ、四球を与えたものの、動じることはない。5番大山も2球で追い込み3球目の126キロのカーブで見逃し三振。二塁へ走った代走江越も甲斐が刺し、あっさり12球で料理した。バットに当たったのは佐藤輝のファウル1球だけだった。ベンチで助っ人の投球を見守った藤本監督も安堵(あんど)の様子だ。「モイネロが初登板だったけど、ストライク先行してね。やっぱりあれがいい投手と思いますよ」。この日は先発松本が大乱調。3回8失点の内容とは対照的にピシャリと封じる助っ人左腕の投球に絶大な信頼を寄せた。2月7日の来日後は2週間の入国者待機期間を経て福岡・筑後市のファーム施設で独自調整。宮崎キャンプには参加しなかったが、きっちり仕上げてきた。「しっかりとしたコントロールで投げられた。良かったと思う。コンディションは100%に近い。いい状態」と、モイネロは早くも万全をアピールした。

◆阪神青柳晃洋投手(28)が開幕投手を断念-。球団は16日、青柳が新型コロナウイルス感染者と濃厚接触の疑いがあるとして、球団の判断で自主隔離すると発表した。 青柳は16日に受けたPCR検査では陰性で、今後のチーム合流は未定。プロ7年目で自身初の大役をつかみこの日も鳴尾浜で残留調整を続けていた右腕が、開幕9日前にまさかの事態に直面した。矢野監督にも伝えられ、10日後の25日ヤクルトとの開幕戦(京セラドーム大阪)での登板は無理と判断した。現在、開幕2戦目が濃厚な藤浪らで急きょ代役を立てることとなった。昨季13勝で最多勝と最高勝率の2冠に輝いた青柳はプロ7年目の今季、自ら開幕投手に立候補していた。矢野監督が11日の中日戦(甲子園)後に初の大役を託したと公表していた。他球団では、同じく開幕投手を務めるソフトバンク千賀も4日に濃厚接触者疑いがあり、自主隔離となった。千賀は他者と接触せずに自主練習を続け、9日にチームに合流。藤本監督は開幕投手を変更しなかった。状況は千賀と似ているが、青柳は開幕直前ということもあり、開幕投手から外れることとなった。

◆阪神佐藤輝明内野手(23)が、2試合連発となるオープン戦2号3ランを放った。初回に4点を先制し、2回も2つの四球で1死一、二塁。制球に苦しむ右腕松本の初球を逃さなかった。佐藤輝は狙っていた。初回に4点を奪い、2回も2つの四球で1死一、二塁。制球に苦しむ右腕松本の初球だ。低めの148キロ直球を振り抜くと、打球は佐藤直がジャンプしたグラブの上、中堅左のホームランテラス席に飛び込んだ。「逆らわずにしっかり反応して、芯で捉えられた。結果としてホームランってなるとノッていけると思う。良い感じじゃないかな」オープン戦1号を放った前日15日に続き、ベンチ前での恒例の「Zポーズ」は封印。まだ本番じゃない。それでもシーズンでの爆発を予感させる、手応え十分の1発だった。開幕へ向けて、限りなく本番モードに切り替わってきた。3月に入り甲子園で8戦31打席ノーアーチの後、福岡に乗り込んで2戦2発。3四球に加え6回には右翼への単打を放ち、前の試合から8打席連続出塁とアウトにすらならない。得点圏打率は5割。オープン戦12試合を終え9打点、打率3割5分9厘はともにリーグトップと文句なしだ。「球はしっかり見えている。今、いい状態かなと思います」と力強い。試合前には糸井を交え、ソフトバンク柳田にあいさつ。会話の中身は「言えないですね、秘密で!」と笑顔で逃げたが、尊敬する先輩との談笑で刺激が入ったはずだ。今オフには、過去に自主トレをともにした糸井、柳田、オリックス吉田正で形成される球界の「超人軍団」に加入。その中でも最年少23歳が、軍団の名に恥じないパワーを発揮した。矢野監督も「内容がしっかりしている。レベルが上がったなっていう感じがある」とたたえた。18日からはオープン戦最後のオリックス3連戦。背番号8は「開幕戦も京セラですし、良い準備ができたら」と総仕上げに入る。【中野椋】▼阪神佐藤輝明は昨季のオープン戦全出場試合数と同じ12試合に出場したが、打撃内容には大きな変化が見られる。特筆すべきは得点圏打率の大幅な向上で、今季は12打席に立ち、6打数3安打の5割。打数に入れない6打席は、4四球に2犠飛と堅実にチームに貢献している。昨年オープン戦得点圏での14打数2安打、打率1割4分3厘からは雲泥の差だ。また今季の全三振数はわずか5で、昨年の14から激減。四球は2から8へ4倍に増えるなど、粗さの目立った昨年の佐藤輝とはまるで別人だ。?▽阪神育成岩田(7回に2番手で登板し、2死一塁から柳田を併殺に仕留めて1回無失点)「地元福岡で投げることができてうれしかった。柳田さんという偉大な打者を抑えることができたので良かった」▽阪神湯浅(9回に登板し、2奪三振の3人斬りで1セーブ目)「ストライク先行で投げることができたし、しっかりと自分のやるべきことができた」

◆開幕ローテーション入りが内定していたソフトバンク松本裕樹投手が、3回6安打5四球8失点と炎上した。 初回から直球が何度もすっぽ抜けるなど、制球が定まらず。藤本監督は「ひどかったね。ちょっとピッチングコーチと話をします。内定になってたけどそのままいくのか、いかないのか。このままの状態やったら不安」と、ローテ再考を示唆した。松本は「初回からボールを操ることができず、マウンドで修正できなかった」と猛省していた。▽ソフトバンク佐藤直(3安打1打点でオープン戦初の猛打賞)「今年は自分にとっても野球人生を左右する1年だと思っている。しっかり開幕スタメンに入れるように」

◆阪神梅野隆太郎捕手と開幕スタメンマスクを争う坂本誠志郎捕手が、オープン戦1号ソロを放った。 2点差に迫られた5回に左腕田浦の直球を捉え、左翼へ運んだ。初回に単打、3回に二塁打を放ち、サイクル安打にリーチをかける猛打賞の大暴れ。オープン戦は打率3割7分5厘とバットでもアピールしており「ホームランの打席以外もいっぱい球を見られたり、それなりの対応はできたと思う」と力を込めた。

◆ソフトバンク松田宣浩内野手(38)がオープン戦1号ソロで、激戦区の内野争いで猛アピールだ。 阪神戦(ペイペイドーム)の4回。5番栗原の2ランで球場が沸くなか、伊藤将の外角高め直球を逆方向の右翼へ運んだ。前日15日には三塁のライバル、リチャードが1発。「熱男」が燃えないわけがなかった。オープン戦25打席目で待望の初アーチ。「毎年思うことが、シーズンに入る前に1本打つと打たないでは、全く違う入りになる。どこかで打ちたいなと思っていました」と素直に喜んだ。 この日は挑戦中の一塁で先発し、結果を残した。本職の三塁には、リチャード、新外国人ガルビス、ルーキー野村勇がいる。一塁には好打者中村晃とリチャードが控えている状況だ。25日の開幕戦まで10日を切ったが、内野の陣容はいまだ固まっていない。試合前に藤本監督は「考えすぎて寝れない」と打ち明けていたところに、38歳ベテランの1発が飛び出した。「頭痛いわ。マッチ(松田)も今日はよう打ちましたし、リチャードは打った次の日は打てないね...。」と開幕スタメンの人選に頭を悩ませた。松田は5回は左中間に抜けた打球で三塁を狙ったが憤死。それでも2安打1四球1打点で3度出塁。「1本のホームランより3本のヒット。ずーっとキャンプから意識しています」と、必死にユニホームに泥をつけた。開幕スタメンを譲るつもりはない。【只松憲】

◆ソフトバンク・柳田悠岐外野手(33)が試合前練習の途中、阪神の糸井嘉男外野手(40)と佐藤輝明外野手(23)と言葉を交わした。柳田にとって、糸井はともに自主トレを行った師匠。オリックス・吉田正らも加えた〝チーム超人〟として切磋琢磨してきた。柳田と佐藤輝は同じ右投げ左打ちの長距離砲として、佐藤輝が2021年にプロ入りして以降、比較される存在になってきた。15日の試合前に言葉を交わすシーンはなかったが、久しぶりの再会となったこの日、笑顔で親交を深めていた。その他にも東京五輪でチームメートだった栗原と梅野や、仙台育英高時代の同級生でもある上林と熊谷らが練習の合間に声を掛け合っていた。

◆両軍のスターティングメンバーが発表された。阪神のドラフト4位・前川右京外野手(18)=智弁学園高=は「7番・DH」でスタメン出場。前日15日の同戦は途中出場し、3打数無安打。1軍生き残りをかけた試合となる。伊藤将司投手(25)が先発する。

◆ソフトバンク・栗原陵矢外野手(25)がオープン戦1号2ラン。2月の春季キャンプを合わせても試合で放った初アーチとなり、チームに勢いをもたらした。「いい流れに乗らせてもらいました。スライダーをいいコンタクトができたと思います。開幕も近いので、必死に頑張っていきます」開幕ローテ入りを内定させている先発の松本が3回8失点。敗色ムードが漂ったが、二回の攻撃前には長谷川打撃コーチを中心に円陣を組むなど諦めている選手は1人としていなかった。四回1死から佐藤直、柳田、グラシアルが3連続二塁打。2点を返し、なおも1死二塁で栗原だ。左腕・伊藤将のスライダーを右翼席に運び去った。昨年21本塁打を放った鷹の新しい顔。藤本監督は昨秋の就任から柳田、甲斐、そして栗原のレギュラー起用を明言した。迎えたオープン戦だったが、打率1割台に落ち込む時期もあるなど試行錯誤の日々だった。ついに生まれた快音に、本人も指揮官も安心したはずだ。

◆阪神はソフトバンクに打ち勝った。一回1死満塁で大山が四球を選ぶと、相手の暴投、糸井の2点打で4点を先制。二回には2四球で1死一、二塁とすると、前日も本塁打を放っている佐藤輝が中堅左のテラス席に飛び込む3ランを放った。さらに、三回は近本の中犠飛、五回には坂本にソロが飛び出して、この試合10安打9得点を挙げた。先発した伊藤将は三回までパーフェクトに抑えていたが、四回に暗転。1死から3連続二塁打で2点を失うと、栗原と松田には2者連続被弾。さらに、2死満塁とされると、投手強襲の適時内野安打を許し、この回だけで8安打6失点を喫した。その後は無失点に抑えて6回、92球を投げて9安打6失点だった。

◆ソフトバンクは投手陣が9失点と崩壊し、敗戦。試合後に藤本博史監督(58)が代表取材に応じた。主な一問一答は以下の通り。--松本が3回8失点「ちょっとひどかったね。あとで投手コーチと話をします。ストライクが入らないと話にならないので。(開幕ローテ)内定になっているけど、そのままいくのか、いかないのか。今の状態では不安だよね、いかせるのは。話しながら決めたいと思います」--一回はほぼボールだった「(マウンドに)投手コーチがいって『どこかおかしいですか?』という感じだから。投げ方に何かあるのか、修正できるならしてもらって。今すぐどうのこうのはないですよ。1回悪かっただけで、次、いい投球してくれるかもしれないし」--モイネロが八回に実戦初登板して1回無失点「ストライク先行して、あれがいい投手だと思います。打者が楽なところで真っすぐを狙われる感覚が多かったので。無駄な四球を出さないことは投手コーチにお願いしているので。きょうはひどい、悪いところがたくさん出た。投手陣の方はね」(続けて)「逆に打つ方は四回の攻撃は見事でした。その後もマッチ(松田)も上林も四球を選んでいるので」 --栗原、松田に1号「クリ(栗原)なんかは状態あがってきているので。いい形で開幕に入ってくれるんじゃないかな。あと3試合あるので、いい調整をして。競争が定まってこない。マッチも打ちましたし、リチャードは打った次の日に打てないし」--三塁、中堅が悩み「(佐藤直は)左投手は打っているけど、右は打っていない。そういうのもある。2パターン考えないといけないかな。上林も左より右の方が打っていますし。そういうのもデータに出ているので。あと3試合見ていきたいと思います」--6番打者の役割について「チャンスでの打撃ですよね。チャンスで回ってくることが多いと思うので。打点をあげられる打者ですね。左投手ならきょうのマッチも役目を果てしてくれているし、中村晃もキャンプ中から状態あがってきているので。そこも左、右に(よってオーダーが変わることに)なってきそうですよね。左、右のこだわりはあまり僕は好きじゃないんですけど、誰も抜け出してくれないので。横一線で並んでいる状態。いこうというところまで誰もきていないですね」--松本の今後は話し合い「すぐダメっていうのはない。今までいい状態でやってきて、きょう特別に悪かったわけですから。何か原因はあるので。今から話をします」

◆ソフトバンクのリバン・モイネロ投手(26)が今季初の実戦登板。八回に登板し、1回無失点に抑えた。「自分としてもよかったと思います。しっかりとしたコントロールで投げられたので」先頭の小野寺は3球三振。佐藤輝には四球を与えたが、大山を152キロ直球で見逃し三振。スタートを切っていた一走・江越が二盗に失敗し、結果的に3人で仕留めきった。今季初の実戦マウンドを終えて、体調にも「100%に近いと思いますし、いい状態。あとは技術的なことを詰めていきたい」と見据えた。鷹のリリーフの中でも圧倒的な存在感を示す左腕。最速は153キロだったが「自分としてはまだ出るかなと。初めての1軍登板でしたし、細かい技術的なところが詰められていないので。そこがしっかり自分の中で準備できれば、もっと強い球を投げられる」と胸を張った。今季も勝利の方程式として、マウンドに君臨する。

◆阪神・坂本誠志郎捕手(28)がオープン戦1号となるソロを放った。8―6と2点差に迫られた五回2死。カウント2―1から左腕・田浦の外角の直球を捉えて、左翼席まで運んだ。梅野と正捕手を争う主将がバットでアピールした。坂本は一回に左前打、三回には右翼線二塁打を放っており、これですでに3安打。この後の打席で三塁打が出ればサイクル安打となる。

◆先発した阪神・伊藤将司投手(25)は6回9安打6失点だった。三回までは完璧に抑えていたが、四回に捕まった。1死から佐藤直に打ち取った打球も中堅前に落ちる不運な二塁打。柳田とグラシアルに連続で適時二塁打を許すと、栗原には右翼へ2ランを浴びた。続く松田にもソロで2者連続被弾。さらに、2死満塁とされると佐藤直には投手強襲の適時内野安打で、この回8安打6失点を喫した。 五、六回は無失点に抑えたものの、不安の残る結果となった。

◆ソフトバンクの松田が開幕戦先発メンバー入りへ、打撃で強烈に存在感を示した。0―8の四回、3連続二塁打と栗原の2ランに続く。伊藤将の外角高めの速球を逆らわずに右翼へはじき返し初本塁打。「オープン戦だが、1本目を打つことができたのは良かった」と声を弾ませた。五回には左中間深くへ打球を飛ばし、中堅手が処理にもたつくのを見ると、思い切って三塁を狙う。これはアウトになったが、38歳の大ベテランがはつらつとしたプレーでファンを沸かせた。長く正三塁手に君臨してきたが、今季は若手のリチャードや新加入のガルビスらと熾烈な競争にさらされている。この日は出場機会を増やすため新たに挑んでいる一塁での先発。なりふり構わない姿勢で生き残りを懸けている。「いい打席を続けてシーズンに臨めるように」と、開幕直前までアピールを続けていく。

◆三回までの伊藤将の投球内容は合格点だった。五、六回の内容も悪くはない。ところが四回は、キャンプ、オープン戦を通じて指摘してきた、良くない伊藤将の姿がまたしても出ていた。10勝をマークした昨年の伊藤将は真っすぐ、カーブ、スライダー、チェンジアップがきっちり低めに投げられ、しっかり腕が振れているから、球にキレがあった。この日は、四回を除けば丁寧に投げて、本来の投球に少し近づけたことは評価したい。でも、四回は全体的に球が浮いて、高めの球を痛打された。何とか抑えようとしたのだろうが、今度はボールを置きにいってしまう。腕が振れず、当然、キレもなくなる。伊藤将の特長は〝ねちっこさ〟。打者との勝負の中で、根気よく、粘り強く、一生懸命に低めへ投げる。これが一番の原動力。一度でいいから、この姿を見せてくれれば、開幕ローテはOK。この日の立ち上がりで、気配だけは感じさせてもらった。でも現状では、まだ「任せた」とは言えない。次回登板(2軍戦?)を心配しながら見守りたい。明るい話題は2番手で登板した岩田。15日に好投した渡辺とよく似た、左のサイドスローだ。2人のどちらかが開幕枠を獲得するのではないか。どちらも、そのレベルまで来ている。あくまで私の視点だが、打者が嫌がるのは岩田ではないか。踏み出す右足が、打席の左打者方向で、さらに体を倒し気味に投げる。背中からボールが来る印象がより強烈になる。ソフトバンクの強打者・柳田が本当に嫌そうにスイングして、併殺打に倒れたシーンは象徴的だ。私が投手コーチ時代も「オンリーワン」の存在は重宝した。長いイニングを抑えなくても、少しの成功をしてくれるだけで使いたくなる。田村勤、遠山奬志らは、最高の左キラーだった。今の時代、左の変則派で年間50試合投げれば、すぐに年俸1億円に手が届く。「オンリーワン」を目指し、磨いている2人の左腕が、開幕枠を勝ち取ることを楽しみにしている。(サンケイスポーツ専属評論家)

◆阪神は佐藤輝明内野手(23)が2試合連続本塁打を放つなど、ソフトバンクに快勝したが、先発・伊藤将司投手(25)は6回6失点。開幕投手を務める予定だった青柳晃洋投手(28)は新型コロナウイルス陽性者との濃厚接触の疑いがあるため、自主隔離となった。試合後の矢野耀大監督(53)の一問一答は以下の通り。ーー佐藤輝が連日の活躍で四球も選んだ「内容がいいよね。変化球もとらえられてて、高めの速い球も見送れる。すべて内容がしっかりしている。レベルが上がったなという感じがある」ーーレベル自体が上がった「状態がいい、レベルが上がったっていうのは一緒なんじゃないの?」ーー糸井もいい(一回に2点打)「ヨシオもいいね」ーー2試合連続で左翼で出場したが、本人も希望が「それは別にないけど、守って打って、というリズムも開幕が近づいてきたことやし、やっておく必要があるのかなと」ーー伊藤将はあの回だけ(四回、打者12人に8安打6失点)「あの回だけって、シーズンじゃなくて良かったというのある。状態としては上がったのかな、と思っているんやけど。そこはしっかり反省して、やるしかないよね」ーー前川は(5打数無安打4三振)「積極的に行けてるしね。何でもかんでも打てるもんではない。プロのレベルがわかれば、これからやることも見えてくると思う。結果が出ればいいけど、積極的に振っていけてるし、まあまあいいんじゃないの」ーー帰ってからは?「置いとくよ」ーー青柳が残念な形に「いやーもうしゃーないよ。こればっかりは全員でなんとかしていくしかないし、ヤギもそういうのをプラスに変えられるヤツなんで、こればっかりはしっかり受け止めながら、ヤギもまたそういうところからバネにできる選手なんで」ーー代役は「いやいや、まだそれは」

◆先発したソフトバンクの松本は3回8失点。一回に4点を失うと、二回1死一、二塁では佐藤輝に3ランを浴びた。「ボールを操ることができず、マウンドで修正できなかった」と反省。開幕ローテ入りを内定させていたが、試合後に藤本監督は「あとで投手コーチと話をします。ストライクが入らないと話にならない」と白紙に戻す可能性を示唆した。

◆「4番・右翼」で出場した阪神・佐藤輝明内野手(23)が二回1死一、二塁で、ソフトバンク・松本から2試合連続の本塁打を放った。一問一答は以下の通り。ーー左中間へ「逆らわずに、あっちに打てたのでよかった」ーー15日は右へ。今度は左中間「しっかり反応して、しっかり芯でとらえられたのでよかった」ーー甲子園じゃなかったら、もっと...という話もあった。状態はいい「そうですね、結果としてホームランになると、乗っていけると思うんで。良い感じじゃないかな」ーー四球も取れている「そうですね、球はしっかり見えているんで、今いい状態かなと思います」ーーヤクルトは小川が開幕投手「しっかり1戦目から打って、勢いつけていけるように頑張ります」ーー改めて4番について「自分のやるべきことをしっかりやろうかな、という気持ちです」ーー4番で求めていきたいことは「いろいろっすね、全部求めていきたい」ーーソフトバンク・柳田とは久々「そうっすね! 特になかったですけど、(会話は)言えないですね、秘密で」ーー2年目の覚悟は「しっかり打って勝てればいいんじゃないかなと思います」ーーオープン戦は残り3試合「開幕戦も京セラですし、良い準備ができたらいいんじゃないかなと思います」

◆「6番・左翼」で出場した阪神・糸井嘉男外野手(40)が一回に2点打。効果的なタイムリー? との問いに「イメージトレーニングしてるから、イメトレだと、もうちょっと打ってたんやけど」と〝イトイ節〟が炸裂。勝負強さの理由については「やっぱりランナー、スコアリングポジションにいる時の打席は自分の中で集中して...。ネクストからしっかり準備して打てている証拠かな」と分析。15日は近大の後輩・佐藤輝とアベック弾。一夜明けても2人で5打点。「アベック...。シーズン中できたらいいね」と予告していた。

◆2夜連発や! 阪神・佐藤輝明内野手(23)が16日、ソフトバンク戦(ペイペイドーム)の二回に2試合連発となる2号3ランを中越えに放った。オープン戦打率・359、打点9はともに2位。おまけに得点圏打率も・500。頼りになる4番打者に引っ張られ、チームも10安打9得点で快勝。25日の開幕が楽しみや!風格と威圧感を漂わせ、覚醒した虎の4番がバットを振り抜いた。高々と舞い上がった白球を見つめ、スタンドから歓声がわき起こる。2試合連続の一撃で3打点を荒稼ぎした佐藤輝が、〝オープン戦打点王〟を視界にとらえた。「逆らわず、あっち(左中間)に打てたのでよかった。結果としてホームランとなると、乗っていける。いい感じだと思います」4-0の二回1死一、二塁。制球の定まらない松本が投じた初球だった。真ん中低め148キロ直球を一閃! 打球はジャンプした中堅手・佐藤直の上を越え、中堅左のテラス席にぶち込む3ラン。どよめきと拍手に包まれながら、ダイヤモンドを一周した大砲はカメラに向かって両手人さし指を突き上げた。前日15日の同カードで、今季オープン戦11試合43打席目にして、待望の1号2ランを放ったばかりだった。打撃好調の中、唯一欠けていた代名詞のホームランが飛び出し、虎党がホッと一息ついたのもつかの間。2夜連続の驚弾にとどまらず、六回は右翼線に右前打を放ち、オープン戦打率・359は12球団2位に浮上。打点も日本ハム・万波(11打点)に次ぐ、同2位タイの9打点に伸ばした。得点圏打率は驚異の5割。開幕4番が決定している佐藤輝にとって、オープン戦とはいえ〝打点王〟の称号は、主砲の仕事を誰よりも果たした証しとなる。自信を持って、開幕に臨むにはうってつけの勲章だ。 「球はしっかり見えているので、いまはいい状態かなと思います」ホームランとヒットを除いた残り3打席はすべて四球で出塁した。直近5試合、22打席で6四球と、オフから掲げてきた〝振らない怖さ〟も身につけつつある。昨年は126試合、455打席でわずか25四球。課題に挙げてきた「ボールの見極め」でも成長を示している。厳しいコースには手を出さず、甘く入ったところをひと振りで仕留めればいい。この日の5打席に、2年目の進化が集約されていた。打線の核となる4番として、佐藤輝は「全部求めていきたい」と貪欲だ。そんな若き主砲を、矢野監督は「内容がすごくいい。変化球もとらえられて、高めの速い球を見送れる。(打撃の)レベルが上がったなという感じがある」とほめたたえた。3月25日のヤクルトとの開幕戦(京セラ)。燕の開幕投手は小川に決まった。2022年のプレーボールまで残り8日。虎の4番は力強く言い切った。「しっかり(開幕)1戦目から打って、勢いつけていけるように頑張ります」最高の状態で1打席目に立つ。「3・25」に照準を合わせた輝の勢いは、とどまることなく加速する。(原田遼太郎)★〝超人談義〟 佐藤輝は試合前、糸井とともにソフトバンク・柳田のもとを訪れてあいさつ。しばしの間、〝超人談義〟に花を咲かせた。柳田とは昨年のオールスターで対面し、逆方向への打撃論などを交わし合った。今回の会話内容については「言えないですね。秘密で」とニヤリ。グラウンドで〝師匠〟にしっかりと2年目の進化を見せつけた。

◆阪神・伊藤将司投手(25)がソフトバンク戦に先発して6回9安打6失点。四回だけ乱調で2打席連続被弾を含む6連打を浴びて6点を奪われた。開幕2カード目の30日の広島戦(マツダ)での先発が有力視されているが、不安を残す結果となった。完全投球が突如一転。高めに浮いた球をことごとくはじき返され、笑顔は消えていった。伊藤将が四回に集中打を浴びる乱調で6失点。開幕も近づく中で、不安の残る結果となった。「点数を取られてしまったところは高めにボールが集まりましたし、ランナーを背負ってからの間の取り方などで反省点が出たので、そこを修正してしっかり準備をしていきたい」四回1死まではテンポよくアウトを奪ってパーフェクト投球。だが、佐藤直に詰まりながらも、中前に落ちる不運な二塁打を許したところから暗転した。柳田とグラシアルに連続で適時二塁打。栗原と松田には続けて一発を浴びた。さらに、2本の安打と四球で2死満塁とされると、佐藤直に投手強襲の適時内野安打。この回だけで8安打を集中され、6点を奪われた。前回8日の広島戦(甲子園)では4回を投げて6安打3失点。高めに浮いてしまったことを反省すると、キャッチボールでリリースの感覚の修正を図って、この日を迎えた。「自分自身の状態やボール自体は悪くなかった」と話すように前回よりも状態はよかったが、四回は早打ちで仕留めてくるソフトバンク打線に飲み込まれた。またしても低めに制球できず、テンポを変えることなどもできないまま6失点した。その後は立ち直って五、六回とゼロに抑えたが、矢野監督は「シーズンじゃなくてよかったというのはもちろんある。状態としてはちょっと上がったのかなと思っているんだけど。しっかり反省してやるしかないよね」と次回登板での修正に期待した。開幕2カード目、30日の広島戦(マツダ)での先発が決定的になっている。昨季は新人ながら10勝を挙げた左腕。残された期間で状態を上げていくしかない。(菊地峻太朗)

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<オープン戦順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
楽天
921 0.818
(↑0.018)
-
(-)
58
(+3)
27
(-)
2
(-)
7
(-)
0.273
(↓0.002)
0.000
(↑2.51)
2
(-)
DeNA
832 0.727
(↑0.027)
1
(-)
50
(+8)
34
(-)
8
(-)
10
(-)
0.277
(↓0.001)
0.000
(↑2.63)
3
(1↑)
阪神
633 0.667
(↑0.042)
2
(-)
51
(+9)
34
(+6)
7
(+2)
11
(-)
0.254
(↑0.004
0.000
(↑2.3)
4
(1↓)
ORIX
750 0.583
(↓0.053)
2.5
(↓1)
49
(-)
38
(+3)
2
(-)
11
(-)
0.261
(↓0.001)
0.000
(↑2.88)
5
(-)
ソフトバンク
652 0.545
(↓0.055)
3
(↓1)
52
(+6)
51
(+9)
11
(+2)
9
(+1)
0.245
(↑0.003
0.000
(↑3.31)
5
(-)
日本ハム
652 0.545
(↓0.055)
3
(↓1)
39
(+5)
36
(+7)
13
(+1)
4
(-)
0.213
(↑0.001)
0.000
(↑1.87)
7
(-)
中日
670 0.462
(↓0.038)
4
(↓1)
34
(-)
39
(+4)
7
(-)
4
(-)
0.225
(↓0.005)
0.000
(↑2.49)
8
(-)
西武
560 0.455
(↑0.055)
4
(-)
31
(+7)
32
(+5)
8
(+1)
8
(-)
0.228
(↑0.003)
0.000
(↑2.57)
9
(-)
広島
571 0.417
(↑0.053)
4.5
(-)
35
(+2)
57
(+1)
5
(-)
2
(-)
0.235
(↓0.004)
0.000
(↑4.72)
10
(-)
ロッテ
372 0.300
(↓0.033)
5.5
(↓1)
31
(+1)
39
(+2)
6
(-)
9
(+1)
0.215
(↓0.007)
0.000
(↑3.22)
11
(1↑)
巨人
382 0.273
(↑0.073)
6
(-)
25
(+4)
49
(-)
12
(+1)
2
(-)
0.205
(↑0.005)
0.000
(↑3.83)
12
(1↓)
ヤクルト
391 0.250
(↓0.023)
6.5
(↓1)
34
(-)
53
(+8)
2
(-)
11
(+1)
0.226
(↓0.004)
0.000
(↑3.32)