ソフトバンク(3対3)阪神 =オープン戦1回戦(2022.03.15)・福岡PayPayドーム=
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阪神
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ソフトバンク
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勝利投手:-
敗戦投手:-

本塁打
【阪神】糸井 嘉男(2号・6回表ソロ),佐藤 輝明(1号・7回表2ラン)
【ソフトバンク】リチャード(1号・4回裏3ラン)

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◆ソフトバンクは、先発・石川が6回1失点8奪三振。毎回の8安打を許しながらも、粘りのピッチングを見せた。一方の阪神は、佐藤輝が7回にオープン戦1号となる2ランを記録。4番での出場が続く若きスラッガーに、待望の一発が飛び出した。

◆阪神ジェフリー・マルテ内野手(30)が、アフロに大変身して試合前練習に登場した。 練習開始前、野手陣で円陣を作った際に帽子を脱いで披露。ヘアバンドの上はモコモコのアフロスタイルになっており、ナインは拍手と笑いで盛り上がった。打撃、守備練習の際には、ボリュームたっぷりのアフロを見事に収納? して帽子やヘルメットをかぶっていた。今年は編み込みの髪の毛を垂らしたドレッドヘアで「ジョニー・デップみたい」と好評だったが、新スタイルで開幕に臨むようだ。

◆ソフトバンクのリチャード内野手(22)が、待望のオープン戦1号を放った。0-0の4回2死一、三塁で西勇の初球シュートを左中間スタンドへ。三塁のスタメン争いへ猛アピールとなる先制3ランとなり「長谷川コーチと企業秘密の練習をし、練習から感覚が良くいいイメージで打席に入れました」と、独特のコメントで喜びを表現した。 打った瞬間は雄たけびをあげながらダイヤモンドを1周。何度も手をたたきながらほえた。「バットの先中の先でしたが、いいスイングができたので打った瞬間ホームランだと思いました」。若き大砲候補が、お目覚めの1発だ。

◆阪神佐藤輝明内野手(22)が、オープン戦1号となる2ランを放った。 7回表2死一塁、左腕笠谷俊介の外角124キロ変化球に腕を伸ばし、右翼スタンドへ運んだ。オープン戦11試合、43打席目で待望の本塁打が飛び出した。佐藤輝の本塁打は2月24日の紅白戦以来、19日ぶり。キャンプ中の実戦から数えると61打席ぶりのアーチで22年の対外試合では初めてだった。

◆阪神山本泰寛内野手が長打2本と猛アピールした。大経大戦に「3番一塁」で先発。4回先頭では左中間越えの三塁打、5回1死二、三塁で左中間への2点適時二塁打。 実戦6試合で16打数8安打、打率5割と好調でも「1軍で活躍しないとどうにもならない。まずはそこを目指してやっていくだけ」と慢心はない。平田2軍監督は「どこでも守れるし、どこでもうまい。打撃も言うことないやん。(1軍に)いつ呼ばれてもいい状態だよ」と絶賛した。

◆<オープン戦:ソフトバンク3-3阪神>15日ペイペイドーム お化けカーブ!? 阪神新守護神候補のカイル・ケラー投手(28=パイレーツ)が、堂々の日本デビューを飾った。6回から2番手で登板。1死から中村晃に中前打を許したものの後続を断ち、1回1安打、1奪三振無失点で仕事を果たした。「本当に楽しみだった。ファンの皆さんの前で投げるのがすごい楽しみで、やっとできたのでよかったですし、投げた感じは悪くなかった」。ランナーを出しクイックに切り替わっても、コントロールが乱れることはなかった。 【ニッカン式スコア】ソフトバンクー阪神 詳細速報 落差1メートルある? と思わせるほど、縦に大きく割れるカーブがさえ渡った。14球のうち4球を投じ、1球も前に飛ばさせなかった。見せ場は2死一塁。上林に対し、カウント2-2から真ん中付近に121キロの宝刀を投げ込んだ。スイングしたバットはボールの上を大きく通過。「KK」の愛称通り空振り三振で福岡のファンを湧かせた。「今日はカーブが特によかった」と自信を深め、「今後はスライダーも投げてはいきます」とさらなる引き出しの解禁を予告した。 一方で、10球投げた直球の最速は148キロ。平均球速も146キロにとどまった。「球速、コントロール、球の質、いろんな意味でまだまだ改善の余地があるのは間違いないので、今後上がっていくと思いますし、上げていかないとな、と思ってます」。最速157キロを誇るだけに満足しなかった。 矢野監督は「空振りも取れていたしカウントも取れていた」とカーブを評価。一方、岩崎とのクローザー争いについては明言せず、「もうちょっとスピードが上がってもらえたらなっていうのはあるけど、これから上がってくると思います」と注文もつけた。次回は18日からのオリックス3連戦(京セラドーム)に登板予定で、最終仕上げにかかる。【中野椋】 ? <阪神主な守護神の決め球> ◆殺人スライダー 03年Vの使者、左腕のジェフ・ウィリアムスが繰り出したスライダーは、打者が「止まって消える」ように見えたという。空振りした右打者の腹部に当たることもある切れ味だった。 ◆火の玉ストレート 藤川球児の直球は、胸元に伸び上がってくるような球筋で強打者たちを圧倒。「真っすぐと分かっていても打てない」と賞された。球団最多の243セーブで日本を代表するクローザーに。 ◆石直球 呉昇桓の150キロ台中盤の速球は、その重い球質から「石のようだ」と評された。カットボールやチェンジアップの変化球も織り交ぜ威力は倍増。14、15年の2シーズンだけで80セーブを荒稼ぎした。

◆ソフトバンクから移籍の阪神育成渡辺雄大投手(30)が古巣相手に1回無失点の投球で支配下、開幕1軍へ生き残った。 8回に4番手で慣れ親しんだペイペイドームのマウンドへ。栗原をスライダーで空振り三振。中村晃を低めツーシームで二ゴロと左の好打者2人を斬った。四球をはさんで最後は右の野村大を空振り三振。「元気に投げている姿を見せることができてよかった」。キャンプから実戦7試合で失点は4日楽天戦の2点だけ。中継ぎ左腕不足は深刻なだけに、「なべじい」に救世主の期待が高まる。

◆お化けカーブ!? 阪神新守護神候補のカイル・ケラー投手(28=パイレーツ)が、堂々の日本デビューを飾った。6回から2番手で登板。1死から中村晃に中前打を許したものの後続を断ち、1回1安打、1奪三振無失点で仕事を果たした。

◆開幕4戦目の先発が決まっているソフトバンク石川柊太投手は、8安打を浴びながら6回1失点にまとめた。 毎回走者を背負いながら糸井に浴びた1発のみで踏ん張り「要所では低めに投げられた」。パワーカーブや直球で8奪三振。ただ開幕2カード目初戦に先発する右腕は「今日みたいに球がちらばらずに真ん中に寄ってしまう日もある。自分の思っているボールがいっていない。そこは大変でした」と辛口評価だった。

◆みなさん、お待たせしましたっ! 阪神佐藤輝明内野手(23)が、オープン戦11試合43打席目で待望の1号2ランをかっ飛ばした。7回の第4打席でソフトバンク左腕笠谷の変化球を右翼席へ。昨季の反省をもとに確実性を重視した新打法でキャンプ実戦を通じ、22年対外試合初アーチを飾った。本塁打後の新パフォーマンスもばっちり決まり、開幕へエンジン全開だ。打った瞬間、確信した。2点を追う7回2死一塁の第4打席。カウント1-2からの5球目、佐藤輝は左腕笠谷の高めに甘く入ったカーブを逃さなかった。両腕を伸ばして豪快に振り抜いた打球は、右翼ポール際に吸い込まれた。22年虎の主砲から、オープン戦11試合、43打席目にして待ちに待った1発。ベンチではおなじみの「Zポーズ」は「本番にとってます」と封印し、両手の人さし指を突き上げるシーズン前限定の「ダブルZポーズ」で喜びを表現した。「変化球が浮いてきたので、しっかり打ててよかった。甲子園じゃなかったら入っていた(当たり)のもあったし、焦ってない中で出たのでよかったです」久々の一撃だった。本塁打は、2月24日の紅白戦以来19日ぶりで練習試合を含めた対外試合では今年初めて。得意の福岡が力をくれたのか。ペイペイドームは昨季オープン戦初戦の3月5日ソフトバンク戦の初打席で左翼へ本塁打を放った地。その1発を合図にオープン戦で6本塁打、シーズンでも24本塁打を記録した。再び"原点"でかました号砲は、ここから量産態勢に入っていく期待感たっぷりの一振りとなった。新打法での1号だ。三振か本塁打のイメージが強かった昨季の反省をもとに、確実性を重視した打法にモデルチェンジ。だがその影響か、打率は上げたが、なかなか本塁打が出なかった。5回2死一塁では同じモノノフ(ももいろクローバーZファンの愛称)の石川から右翼線への二塁打。9回には守護神森の外角低めフォークに食らいつき、中前へはじき返し、猛打賞を記録。オープン戦4度目のマルチ安打で両リーグ4位につける打率3割2分4厘まで上昇させた。会心の1発で開幕4番を決定づけた。矢野監督は「甲子園じゃなかったら、もう3本も4本になってる可能性あったと思うし。いい状態できてるんじゃないかな。自分の中での自信なのか、自分なりに落ち着いて打席に立てている」と目を細めた。今後も4番で起用するか? の問いに「うん、全然外すつもりはないけど」と明言。佐藤輝は「この状態をキープしてというか、もっと上げて開幕を迎えられたらいいかなと思います」。虎の主砲として、暴れ回る準備は整った。【古財稜明】

◆ソフトバンクはリチャード内野手の1号3ランで先制したが、引き分け。試合後の藤本博史監督(58)の一問一答は以下の通り。 -リチャードに待望の1発藤本監督 1本出てそのあとのレフトフライも良かった。だいぶ積極性が出てきたよね。元気も出しとったし、神宮の3試合目の途中から出てヒットも出て、気分よくなってるんじゃないですかね。声も出てる。あとは準備をしっかりやったら打てるということですね。-野村勇はバットを投げながら内野安打藤本監督 見事やね。ボール球をしっかり当ててくれてたまたま内野安打になったけど、ならなくても、2番に入ったり8、9番に入ったらエンドランも出てくる。こっちからしたら「使えるな」というのは分かった。-開幕を想定したオーダーか藤本監督 明日またちょこっと変える。ここにきて野村勇も良くなってきたし、今宮も良くなってきた。ガルビスもいるし、リチャードも打ち出したし、マッチもいる。悩みどころですね。-牧原大が今季初めてセカンドの守備に就いた藤本監督 もう肩の状態もいいということで。守るってなったら三森も2本打ったね(笑)。いい競争。こっちを悩ませてくれる競争をしてくれている。-守護神森の状態をどう見ている藤本監督 気持ちは入ってたね。(安打2本)打たれたのは向こうのバッターがうまかった。本人の気持ちも入っていたし、空振りも取れている。明日連投するので、明日見て。明日スピード落ちてたら困りますけどね。-今日は140キロ後半。球速も徐々に戻ってくる藤本監督 球速だけは球場によって違うから分からないんですよ。球速で判断するのは難しい。バッターに空振りを取れているか取れていないか。そういうところを見ていきたいと思います。

◆阪神ブルペン陣が左腕不足の非常事態に陥った。球団が15日、及川雅貴投手(20)が右脇腹の筋挫傷で別メニュー調整になったと発表。登板した13日の巨人戦(甲子園)後に右脇腹に張りを訴え、兵庫県内の病院を受診。衝撃の診断を受け、開幕が絶望になった。 矢野監督は「開幕は無理でしょ。やったものは仕方がない。本人が一番悔しいと思う」と厳しい表情を浮かべた。高卒3年目左腕はキャンプから先発に挑戦していたが、内容が伴わず、再びリリーフに回っていた。オープン戦は4試合、5イニング無失点。13日も最速150キロと力のある球を披露し、中継ぎ適性を発揮していた。昨季は救援で39試合に登板し、2勝3敗10ホールドと活躍。今季もフル回転が期待されていただけに、大きな痛手だ。及川の離脱は、深刻な救援左腕不足を意味する。経験豊富な岩貞も左太もも裏を痛めて再調整中。奮闘中の渡辺は育成で、左の支配下選手は岩崎1人になった。先発は伊藤将、ドラフト3位桐敷の2人がいるが、2軍を見渡しても救援候補はほとんどが右腕。この日1回を0封した渡辺について指揮官は「左の中継ぎがなかなかいない中で、いい味を出してくれた」と高評価し、支配下登録&開幕1軍が現実味を増してきた。右の中継ぎ陣も不安が残る。小野と湯浅は安定した成績で開幕1軍が有力だが、この日投げた小林、斎藤ともに不安定。ケラーが開幕に間に合っても、8回の岩崎にバトンをつなぐ中継ぎを整備できなければ、開幕から厳しい戦いとなる。【石橋隆雄】

◆川島バットで1号! ソフトバンクのリチャード内野手(22)が、阪神とのオープン戦で今季実戦初アーチを描いた。4回2死一、三塁で西勇の初球シュートを左中間スタンドへ。雄たけびを上げながらダイヤモンドを1周し「まだ、まだ上がる。ここで終わらないように」と引き締めた。最近はバットが折れまくり、この日から新しく届くはずだったが...。「めっちゃルンルンで球場に来たんですけど、メーカーの人に会って、次のカープとの試合に届くようになってしまったから、もうちょっと我慢してと言われました...」。ため息を漏らしていたところ、不思議な出会いがあった。ペイペイドームのロッカー室で昨年まで在籍し、楽天に移籍した川島のバットを発見。先輩たちからも「連絡しておくから使っていいよ」と促され、そのバットでオープン戦1号をかっ飛ばした。「先っぽに当たって絶対折れたと思ったけど折れなかった。(重心)が先っぽなので、折れなかったのかも?」。リチャード自身も首をかしげたが「似た感じのバットもお願いしようかな」と、幸運の1本にモデルチェンジも検討し始めた。開幕のサード争いへ猛アピールの1発。藤本監督も「だいぶ積極性が出てきたよね。元気も出しとった」とうなずいた。現在は長谷川打撃コーチとバットの構え方も特訓中。「企業秘密の練習」と詳細は明かさなかったが「今日から極めていきます」と、向上心にあふれていた。【只松憲】

◆阪神新守護神候補のカイル・ケラー投手(28=パイレーツ)が、堂々の日本デビューを飾った。6回から2番手で登板。1死から中村晃に中前打を許したものの後続を断ち、1回1安打、1奪三振無失点で仕事を果たした。カイル・ケラーは創意工夫できる男だ。オフにはカットボールとスライダーの中間のような"スラッター"を練習。12日のシート打撃に登板した際は、大半をクイックで投げた。これには金村投手コーチも「何も指示していないのに意識が高い」と目を細めていた。この日もマウンドで指をなめる癖を審判に注意され「慣れていかないとなと思う」と早速、新たな宿題も見つけた。この1年、どうしても比較対象は前守護神になる。「スアレス投手が素晴らしい成績を残した2年間。なかなか彼の通りに仕事をするのは簡単ではない」。ケラーも当然、その偉大さを知っている。それでも、来日してからの短期間で見せた研究熱心な前向きさが、前任者とは違うカラーで活躍することを予感させる。【阪神担当=中野椋】

◆チーム最年長40歳の阪神糸井嘉男外野手が超人健在をアピールした。 3点を追う6回1死。第3打席で石川の141キロ速球に対し「しっかり振れた」と左中間のホームランテラス席に運ぶオープン戦2号でチーム初得点を刻んだ。2回は139キロフォークを中前へはじき返し、3打数2安打。オープン戦打率を3割1分6厘まで上げたが「結果出さなあかんから。それだけです」とまだまだ満足はしていない。オープン戦はDH、代打が続いていた。この日は初めて左翼7番で先発。出番のなかった「グラブを金庫に入れておこうかなと」と冗談めかしたが、「まだグラウンドで駆け回りたいので」とロハスとの定位置争いで譲るつもりはない。7回には佐藤輝にも1号が飛び出し、近大出身コンビのアベック弾で全3得点。「いい緊張感を持っている」と話す超人の奮闘がチームの大きな刺激になっている。

◆3・25開幕までもう10日を切って、いよいよカウントダウンに入った。ソフトバンクのオープン戦も残り4試合。実戦調整の最終週である。胸の高鳴りに歩調を合わせるかのように、福岡の気温もグーンと上昇。ソメイヨシノの開花予想も今週末というから一気の春の訪れである。 ソフトバンク対阪神) 東京遠征から戻ったホークスは阪神との初戦は引き分けた。それでもリチャードに待望の1発が飛び出し、長く続いた「ホットコーナー」争いもこれで決着? か。試合後の藤本監督は「後はしっかり準備ができたらいいんじゃないですか」と大砲候補の成長を認めながらも、まだまだ悩める心境を口にした。「ここに来てみんな良くなってきているし、悩みどころですね」。2番ショートで先発出場した新人野村勇が5回にしぶとく内野安打。途中出場の今宮も快打を放ったし、三森がマルチ安打、牧原大も右肩の不安解消でオープン戦で初めて二塁を守った。開幕を前に選手たちが上昇気流に乗るのはうれしい限りだが、ベンチワークとしては「競争」から「戦いの形」へとシフトチェンジしなければならない時期。残り4試合は文字通り「本番モード」とならなければならないはずだ。) 試合前、藤本監督は報道陣のインタビューで新外国人ガルビスについてこう話していた。「ガルビスは助っ人として来ているので、どこかのポジションに入るのは確定、いや内定」。残念ながら新助っ人は東京遠征中の寝違いの影響もあって出場機会はなかった。ガルビスが本職の遊撃を守るとすれば、今宮はベンチスタートとなるのだろうか。守備重視で二塁起用なのか...。いや、三塁もあるのか...。さっぱり分からなくなった。何とも悩み深き「開幕」となりそうだ。【ソフトバンク担当 佐竹英治】

◆ソフトバンク・藤本博史監督(58)が試合前に代表取材に応じた。フレディ・ガルビス内野手(31)が阪神戦で欠場する考えを示した。「きょうはまだ首が痛いらしいです。大丈夫とはいっているけど。(阪神とのカードでは)出ないです。本人はあした出るというかもわからないけど」ガルビスは右投げ両打ちで米大リーグ通算109発のスラッガー。11日からの東京遠征中に首を寝違え、この日はグラウンドに姿を見せなかった。「(痛みが)ヤクルト(東京遠征中)が10なら、きのうが5で、きょうが2らしい」と藤本監督が状況を代弁。大事を取って、今は回復に集中することになった。18日からチームは広島3連戦(ペイペイドーム、20日はマツダ)。そこでは「ある程度、10打席くらい。自分のいい状態にしてくれとお願いしています」と見通しを語った。

◆両軍のスターティングメンバーが発表された。阪神・佐藤輝明内野(23)は「4番・右翼」でスタメン出場。新人だった昨年3月5日のオープン戦初戦の第1打席では先発の石川から左翼に本塁打を放った。この日は同じ福岡で、ソフトバンクの先発は石川。その再現なるか。注目のドラフト4位・前川右京外野手(18)=智弁学園高=はベンチスタート。順調な仕上がりをみせている西勇輝投手(31)が先発する。

◆ソフトバンク・リチャード内野手(22)が四回にオープン戦1号となる3ランを放った。「長谷川(打撃)コーチと企業秘密の練習をし、練習から感覚がよく、いいイメージで打席に入れました。バットの先中(サキチュウ)の先でしたが、いいスイングができたので、打った瞬間ホームランだと思いました」。0-0で迎えた四回。グラシアル、栗原の安打などで2死一、三塁としてリチャードだ。1球目の141キロを振り切ると、打球は放物線を描いて左翼席に着弾。打った瞬間にほえる会心の一撃だった。まだまだ熱いホークスの開幕三塁争い。松田、リチャード、井上で争ってきたが、井上は13日までの東京遠征(ヤクルト3連戦、神宮)を終えて2軍降格となったばかり。最終コーナーを迎えている競争の中で、リチャードが絶好のアピールに成功した。

◆阪神・佐藤輝明内野手(23)がオープン戦第1号を放った。1-3の七回2死一塁から、ソフトバンク・笠谷の124キロ変化球を捉え、白球を右翼スタンドへ運び去った。試合前の時点で打率・273、0本塁打、4打点と安定感を示してきたなか、価値ある同点2ランで待望の1発を刻んだ。虎の〝新4番〟がさらに状態をあげていく。

◆阪神・ケラーの初登板を見たが、非常にまとまっていて、制球の心配をしなくてもいい。ボール、ボールでリズムを崩すことはまず考えなくていい。ただし、だ。たった一度の登板ですべての判断はできないが、不安要素は多い。対戦した打者4人が、打席で全く嫌そうな素振りを見せていなかったのだ。言い換えれば、怖さがない。守護神候補としては心配だ。ストレートは140キロ台。空振りを奪えるであろう絶対的な球種も見ることができなかった。上林が甘いカーブを空振り三振してくれたが、本番ではそうはいかない。このカーブも、使い方次第で面白い球にはなるだろうが、案外、打者がすぐに慣れる球のようにも見えた。昨年のスアレスと比較すると、球威でマイナス約15キロ。フォークもない。となれば、どんな投球で抑えるのか。開幕に向けてプラスアルファ、変わり身はあると信じたいし、早い時期に〝抑える形〟を見せてもらいたい。もし内容にあまり変化が見込めないと判断したら、すぐに別の候補を準備した方がいい。守護神はチーム成績を左右するのだから。(サンケイスポーツ専属評論家)

◆ソフトバンクは3点を先制したが、その後に追いつかれ、引き分けに終わった。試合後、藤本博史監督(58)が代表取材に応じた。主な一問一答は以下の通り。--リチャードが四回2死一、三塁で1号3ラン「一本出て。だいぶ積極性が出てきたよね」--吹っ切れてきたのか「きょうも元気出していたし。気分もよくなってきたんじゃないですか。声も出ているし、あとは準備がしっかりできたら、打てるということですね」--五回1死一塁で野村勇がバットを投げるようにしてエンドランを成功。自身も内野安打となった「見事やね。あのボール球をしっかり当ててくれた。たまたま内野安打になったけど、ならなくてもああいう、2番に入ったりしたらエンドランとか出てくるので。キャンプから(野村勇は)右打ちとかエンドランとかしっかりできているので。こっちからすれば使えるなというのはもうわかったので」--九回1死一、二塁では三振ゲッツーでゲームセット「最後はこっちが勝負かけたから仕方ないかなと」--開幕を想定したオーダーになってきた「あしたまたちょっと変えるけどね。みんなここにきて、野村勇もよくなってきたし、今宮もよくなってきたし、ガルビスもいるし。リチャードも打ち出したし。マッチ(松田)もいるし。悩みどころですね」--肩の違和感があった牧原大が二塁の守備に「肩の状態もいいということで。守るといったら三森も2本打ったし、いい競争、こっちを悩ませる競争をしてくれているんじゃないですか」--笠谷が六回に佐藤輝に2ランを浴び、そのまま交代となったが「大山まで回ったら替えると、そういう(左打者を抑える)テストをしていたので。打たれたから替えたんじゃなくて、大山まで回ったら替えようと決めていたので」--四球の後のホームランだった「四球のあとのホームランなので。反省してもらって、次頑張ってもらったら」--笠谷は中継ぎ扱い「まだ全然決まっていません。1イニングの中でああいう四球を出すのはね。ソロなら1点。四球を出してホームランなら2点になるわけですから。ヒットを打たれるのはいいっていっているんだから。そんな恐れることはないと思いますけどね。150キロの球で投げているわけですから」

◆「4番・右翼」で出場した阪神・佐藤輝明内野手(23)がOP戦10試合&43打席目にして初本塁打を放った。六回から登板した新外国人選手のカイル・ケラー投手(28)は1回1安打無失点。及川雅貴投手(20)は右脇腹の筋挫傷で遠征メンバーから外れた。矢野耀大監督(53)の主な一問一答は以下の通り。ーー5回3失点の西勇は?「ホームランを打たれたところは2アウトまでいけて、初球やったからね。タラレバになっちゃうけど、もったいなかった。全体的には、勇輝らしいボールはいっていた」ーーケラーは?「もうちょっとスピードが上がってもらえたらなっていうのはあるけど、これから上がってくると思います」) ーーカーブが効いていた「空振りも取れていたし、カウントも取れていたんで。この前はもう1個のスライダーも投げている感じは良かったと思っていたんやけど。俺らもまだわからんところが多いんでね。打者の反応を見ても空振りも取れていたんで、それなりだったかなと思うけど」ーー次は京セラ(18日からのオリックス3連戦)「になると思うけどね」ーー糸井のホームラン(六回に追撃ソロ)「チャンス作っても、点が取れない感じやったんで。価値ある一発だったと思います」ーー佐藤輝がオープン戦1号。きっかけに「きっかけって別に悪いわけじゃないからね。甲子園じゃなかったら、もう3本も4本になってる可能性あったと思うし。いい状態できてるんじゃないかな」) ーー追い込まれてからの余裕が「まあまあそうやね。自分の形がしっかりしてきたことによる自分の中での自信なのか、自分なりに落ち着いて打席に立てているのはあるよね、やっぱり」ーー4番でずっと起用。このまま「うん、全然外すつもりはないけど」ーー前川は雰囲気を味わった(途中出場で2打数無安打)「雰囲気というか、経験を積ませることが大事で。経験を積ませたいようなポテンシャルというか能力を持ってるーー16日は途中から「いや明日はスタメンでいこうと思っている」ーー7番左翼「うん」ーー及川が脇腹を痛めた。開幕は「いや、もう無理でしょ」ーー焦らず治すことが大事「それしかできないんでね。まあやったものはしょうがいないので。本人が一番悔しいと思うんで、早く帰ってきてくれたらいいし、ある意味、他の選手はチャンスなんでね。及川が帰ってきても戻さないようにするような競争ができればいいと思うけど」

◆阪神の西勇は四回にリチャードに3ランを浴びて5回7安打3失点だった。ただ、一発以外は安定した投球で踏ん張り「結果よりも内容を求めていた。前回よりもいいボールを投げられた」と収穫を口にした。内外角を丁寧に突いて主砲の柳田は3打席連続で空振り三振に仕留め、四回の打席では外に逃げるシュートでヘルメットが飛ぶほどに体勢を崩させた。開幕投手は青柳に譲ったが、投手陣の柱として期待は高い。「さらに状態を上げていきたい」と引き締まった表情で話した。

◆阪神・佐藤輝明内野手(23)がオープン戦1号を放った。2点を追う七回2死一塁で右翼席にガツン! 開幕4番が決まっているスラッガーが最高の仕事を果たした。 右翼スタンドめがけて飛んでいった白球が、春の訪れを告げた。一抹の不安を抱えながら過ごしていた夜はもう終わり。代名詞のホームランで完全に眠りから覚めた佐藤輝が4番のひと振りに胸を張った。「変化球が浮いてきたので、しっかり打ててよかった。焦っていない中でも、(ホームランが)出たのでよかったです」1-3の七回2死一塁。2番手左腕・笠谷が外角に投じた124キロカーブを完璧にとらえた。今季のオープン戦11試合43打席目で放った待望の一発は試合を振り出しに戻す2ラン。スタンド中段までぶっ飛ばした特大アーチに球場がどよめいた。「(福岡は)いいイメージがある」昨年の記憶が鮮明によみがえった。2021年3月5日。ペイペイドームでプロ初のオープン戦を迎えた大砲は初打席にホームランを放つ離れ業をやってのけた。そしてオープン戦新人最多6本塁打という歴史的偉業。ここまでは2月の紅白戦で放った2本塁打のみと自慢の長打力は影をひそめていたが、伝説の一歩目を踏み出した福岡がまた〝第1号〟のパワースポットとなった。ここからアーチを量産する-。佐藤輝にホームランの予感が戻ってきたことは、開幕に向けた一番の光明と言ってもいい。「もっと野手が打って、点を取って勝ちたいと思います」 そして、開幕4番が決まっている男にとって、その真価が最も問われる場面で〝一発回答〟したことがもう一つの収穫だ。2点ビハインドの終盤、七回に訪れた一打同点の打席。シーズン本番であれば、巨人・高梨や中日・福ら、セ・リーグを代表する左のセットアッパーと対戦することは容易に想定できる。一般的に左打者に有利とされる左腕を、ワンポイントで送り込まれる可能性もある。そんな勝負どころで左投手から最高の結果を残した。チームの負けを消した。昨季は12球団一の勝利数を誇りながら、ヤクルトから勝率5厘差の2位に終わった。負けないことの重要性は身に染みて分かっている。劣勢をはね返す力は4番に必要不可欠。その素質を示した佐藤輝に矢野監督も「自分の形がしっかりしてきたことによる自信なのか、落ち着いて打席に立っている」とうなずき、4番を「外すつもりはない」と断言した。佐藤輝は五回の第3打席は右翼線へ二塁打、九回は中前打と今季2度目の3安打をマーク。好調をキープし、最大の懸案事項だった長打力=本塁打もクリアした。覚醒した新4番に加えて、新加入した守護神候補のケラーも六回に登板し、1回無失点。25日のヤクルトとの開幕戦(京セラ)に向けて役者がそろった。「この状態をもっと上げて開幕を迎えられたらいいなと思います」17年ぶりのリーグ優勝へ、結束を固める虎ナイン。その中心にはやはり、輝がいる。(原田遼太郎)

◆「7番・左翼」の阪神・糸井嘉男外野手(40)が〝仮想開幕スタメン〟の一戦で、左翼の定位置取りをアピールした。0-3の六回1死走者なしから、石川の外角141キロを一閃。打球はぐんぐん伸びて中堅左のテラス席へ飛び込んだ。「しっかり振れたのでよかったです。(開幕まで内容を)詰めるもくそも僕の場合は開幕と同様の気持ちでやっているし。いい緊張感を持ってできている。僕には詰めるもくそもないですね」二回先頭では中前打を放ち、2安打1打点と結果を出した。オープン戦9試合で打率・316、2本塁打、5打点。ぐんぐん状態を上げている超人には、3月25日のヤクルト戦との開幕戦(京セラ)のスタメンしか見えていない。矢野監督は「ヒットも良かった。チャンスを作ってもなかなか点が取れないという感じやったんで。価値ある一発だった」とうなった。チームとして2020年の福留以来となる40代の開幕スタメンを糸井がつかみとる。(新里公章)

◆阪神のD4位・前川右京外野手(18)=智弁学園=は五回先頭で代打で登場。石川に対して初球から振りにいくも捕邪飛に倒れた。その後、中学時代以来という中堅の守備へ。その後の打席では二ゴロ、一ゴロ。1軍初出場だった13日の巨人戦(甲子園)では2安打で福岡行きをつかんだが、3打数無安打に終わり、「修正するところはしていかないと、上のレベルではやっていけない。ダメなところを分かったうえで、しっかり練習していければ」と反省した。矢野監督は「経験を積ませたいような(潜在)能力を持っている」と評価すると「明日はスタメンでいこうと思っている」と明言。16日の第2戦は「7番・左翼」で先発出場する予定だ。

◆阪神の新外国人選手、カイル・ケラー投手(28)が六回に登板し、スローカーブを交えて、1安打無失点の上々発進。しかし、球審からついた注文は...。直球と同じ腕の振りから最大28キロ差のカーブに、鷹の主力打者は面食らった。新守護神候補、ケラーが博多での来日初登板で、得意球をお披露目した。「投げた感じは悪くなかったと思う。きょうはカーブが特によかったので多い配球になった」先発・西勇からバトンを受け、1-3の六回に登板。1安打を許しながらも14球で片付けた。変化球はカーブのみで、ハイライトは2死一塁で上林を迎えた場面。カウント2-2。121キロの〝魔球〟に2018年に全試合出場し、22本塁打を放った26歳のバットが空を切った。この日の最速は148キロ。上林への初球は最遅120キロ。このギャップで打ち取った。「きょう対戦した打者は本当にいいバッターばかりだった。これから同じリーグの選手もしっかり研究して対戦しないと」新型コロナによる政府の入国制限緩和で6日に来日し、チームに合流したのは10日だった。相手のデータはない手探りの状態。カーブを操って、相手打者を封じ込めた。 最速は157キロ。矢野監督は「もう少しスピードを上げてもらえたら」とスピードアップに注文をつけたが「空振りも取れていたし、カウントも取れていた。打者の反応を見ても空振りも取れていた。これから上がってくると思う」と期待した。昨季42セーブを挙げて2年連続でタイトルを獲得したスアレスはメジャー移籍。ケラーも求められていることを分かっている。「球の質とかも、まだまだかなと。改善の余地があるのは間違いないので。今後、(調子が)上がっていくと思うし、上げないと、と思っている」スリーアウト後、橘高球審に呼び止められ、「(投球前に)指をなめないで、ということを言われた。(日本に)慣れていかないと」と勉強もした。収穫たっぷりの博多の夜。異国の地で勝負球を見せつけた。それだけで意味があった。(三木建次)

DAZN

<オープン戦順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
楽天
821 0.800
(↑0.022)
-
(-)
55
(+14)
27
(+3)
2
(-)
7
(+1)
0.275
(↑0.022)
2.510
(↓0.06)
2
(1↑)
DeNA
732 0.700
(↑0.033)
1
(-)
42
(+4)
34
(+2)
8
(+1)
10
(-)
0.278
(↓0.004)
2.630
(↑0.06)
3
(1↓)
ORIX
740 0.636
(↓0.064)
1.5
(↓1)
49
(+3)
35
(+14)
2
(-)
11
(-)
0.262
(↓0.006)
2.880
(↓1.16)
4
(1↑)
阪神
533 0.625
(-)
2
(↓0.5)
42
(+3)
28
(+3)
5
(+2)
11
(+1)
0.250
(↑0.005
2.300
(↓0.08)
5
(1↑)
ソフトバンク
642 0.600
(-)
2
(↓0.5)
46
(+3)
42
(+3)
9
(+1)
8
(+1)
0.242
(↑0.005
3.310
(↑0.03)
5
(2↓)
日本ハム
642 0.600
(↓0.067)
2
(↓1)
34
(+1)
29
(+4)
12
(+1)
4
(-)
0.212
(↓0.009)
1.870
(↓0.21)
7
(-)
中日
660 0.500
(↑0.045)
3
(-)
34
(+6)
35
(+2)
7
(+1)
4
(-)
0.230
(↑0.005)
2.490
(↑0.14)
8
(1↑)
西武
460 0.400
(↑0.067)
4
(-)
24
(+4)
27
(+1)
7
(-)
8
(-)
0.225
(↓0.007)
2.570
(↑0.19)
9
(1↓)
広島
471 0.364
(↓0.036)
4.5
(↓1)
33
(+6)
56
(+10)
5
(-)
2
(-)
0.239
(↑0.002)
4.720
(↓0.55)
10
(1↑)
ロッテ
362 0.333
(↑0.083)
4.5
(-)
30
(+10)
37
(+6)
6
(+3)
8
(+2)
0.222
(↑0.012)
3.220
(↓0.29)
11
(1↓)
ヤクルト
381 0.273
(↓0.027)
5.5
(↓1)
34
(+2)
45
(+4)
2
(-)
10
(-)
0.230
(↓0.005)
3.320
(↓0.06)
12
(-)
巨人
282 0.200
(↓0.022)
6
(↓1)
21
(+2)
49
(+6)
11
(-)
2
(-)
0.200
(↑0.003)
3.830
(↓0.25)