阪神(☆6対1★)中日 =オープン戦2回戦(2022.03.11)・阪神甲子園球場=
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中日
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阪神
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勝利投手:青柳 晃洋(1勝0敗0S)
敗戦投手:大野 雄大(0勝1敗0S)
  DAZN
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◆阪神は、6回裏にロハス・ジュニアが勝ち越しの適時二塁打を放つ活躍。来日2年目の助っ人が、状態の良さをアピールした。一方の中日は、先発・大野雄が6回2失点。開幕投手に内定している左腕が、粘りのピッチングを見せた。

◆両チームのスタメンが発表された。先発は開幕投手有力の青柳晃洋投手(28)。昨季6試合で1勝3敗だった中日打線に臨む。佐藤輝明内野手(22)は6試合連続で4番に座り右翼で先発。大山悠輔内野手(27)は「5番左翼」に、糸原健斗内野手(29)が今季オープン戦初の「2番三塁」に入った。中日先発は開幕投手の大野雄大投手(33)が務める。

◆甲子園球場では11日、阪神、中日の両チームが東日本大震災の犠牲者に黙とうをささげた。試合前に両チームがベンチ前でバックスクリーン方向を向いて整列。両軍の監督、コーチ、選手らが静かに目を閉じた。球場には半旗を掲げ、哀悼の意を示した。また、2軍教育リーグの阪神-中日戦(鳴尾浜)でも試合前に黙とうがささげられた。

◆矢野虎ラストの開幕はヤギ! 阪神青柳晃洋投手(28)が初の開幕投手に決定した。矢野燿大監督(53)が中日とのオープン戦(甲子園)後、既に通達していたと公表。昨季「投手2冠」の右腕はオフから開幕投手を目指すと公言し、大役を手にした。開幕2週間前の登板も7回を4安打、犠飛による1失点と好投。25日ヤクルト戦。雨の降らない京セラドーム大阪のマウンドに「雨柳さん」が立つ。矢野監督ラストイヤーの開幕投手は青柳に決まった。試合終了から数分後。報道陣に開幕投手を問われ、笑顔になった。「順番見たら分かるやん」と冗談めかした後に「もう前に言うてるよ」と明かした。開幕までちょうど2週間となる金曜日に公表。その1週間前となる4日楽天戦の登板後に、本人に「行くぞ!」と通達していた。やはり開幕投手は大本命だった背番号50。指揮官はその理由を力説した。矢野監督 開幕投手って、結果だけじゃなくていろんな姿勢も求められると思う。それも含めてヤギでいいんじゃないか、ヤギに任せたいという気持ちで決めました。青柳は昨季、25試合先発で13勝6敗、防御率2・48。夏には侍ジャパンの一員として東京五輪金メダリストとなり、最多勝と最高勝率の2冠を獲得した。実績を残して迎えた今春キャンプでも、従来の配球パターンを見直すなど新たな取り組みに着手。オフから開幕投手を目指すことを公言して、挑戦を続けた。今季限りで退任する指揮官による最後の指名は、成績だけではなく取り組む姿勢が決め手だった。1歩ずつ階段を上る青柳の成長を間近で見続けた。ドラフト5位で入団した右腕を、16年からは2軍監督として指導。制球難など課題が多かったが、1軍監督となった19年から先発ローテに定着し、タイトルホルダーへと上り詰めた。矢野監督 (元々は)うまい選手でも、センスある選手でもない。それが練習をしっかりやったり、素直な心を持って野球に取り組んでくると、こういう風なことがある。ヤギから学ばしてもらえた。開幕の真っさらなマウンドに向かう右腕は、あふれる思いを抑えるように意気込みを語った。青柳 光栄なことですし、選んでもらえたのはすごいうれしかった。どんな形でも勝ってチームに勢いをつけられるように頑張っていきたい。この日は7回1失点と上々の出来も、3四球の内容に「四球が多かったり、カットボールが抜けたり、引っ掛けたり。まだまだ開幕に向けて状態を上げていきたい」と納得はしていない。次回登板となる18日オリックス戦を経て、さあ、開幕。矢野虎ラストイヤーが青柳の1球から始まる。【桝井聡】

◆今季に再起をかける中日平田良介外野手(33)が5回に代打で出場し、空振り三振に倒れた。昨季は打撃不振に加え、異型狭心症などの体調不安もあり、出場21試合止まり。今春は2軍キャンプから教育リーグ出場を経て、1軍に合流した。立浪監督は「結果は三振だが、去年よりずいぶんいい形になっているので期待している。明日はスタメン」と話した。12日の阪神先発は藤浪。母校・大阪桐蔭の後輩を攻略し、左翼の開幕スタメンへ猛烈にアピールする。

◆中日はリリーフ陣が再編される。7回から2番手で登板した近藤廉投手が1/3回5安打4失点と炎上。落合ヘッド兼投手コーチは「代わる左(腕)を探さなきゃいけない。明日(12日)は橋本と福を呼んでます」と明かした。祖父江も右肩の違和感で出遅れ。「ジャリエル(ロドリゲス)を配置転換しようか考えている」とこの日の教育リーグで救援したロドリゲスの適性を、15日巨人戦(バンテリンドーム)で再チェックする。

◆開幕投手に内定している中日大野雄大投手(33)が、阪神打線を相手に6回5安打2失点と試合を作った。6回中5イニングで塁上に走者を背負ったが、2失点に食い止めた。5回にはこの日最速の145キロもマークし「まだ体的には投げられる感じやったんで、そこは1つクリアできた」。スタミナ面には合格点をつけた。昨季の左打者との対戦被打率は3割3厘。この日は近本、木浪に単打、佐藤輝に先制犠飛を打たれた。「左打者は課題。内角への厳しい球を投げていけたら」と、修正点も頭に入れた。立浪監督も「点も取られたが、4、5回あたりでスピードも出だしていい感じ。非常に期待が持てる。もう1回(登板が)あるが、託している」と、3・25開幕巨人戦へ全幅の信頼を寄せる。大野雄は「納得した、いい形で開幕を迎えられるように調整していきたい」と、残り2週間を切った自身4度目の大役を見据えた。

◆阪神大山悠輔内野手が4試合連続安打と調子を取り戻しつつある。「5番左翼」で先発。7回1死満塁ではカウント2-2から左腕近藤の高め直球を押し返し、しぶとく二遊間を抜く2点打でオープン戦初打点を記録した。「追い込まれてからの打撃も大事。ただ、その前に捉えられるボールもあった。そういうところをしっかり一発で捉えられるようにやっていきたい」。今春から挑戦している左翼守備の準備も進めていく。

◆開幕マスクが有力な阪神梅野隆太郎捕手は、青柳の開幕投手決定に気持ちを高ぶらせた。「1個ギアを上げられるようなリードというか、試合の流れを生んでいけたらいい。自分もしっかり準備できたらと思います」。 中日戦では青柳を7回1失点にリードし、自身は7回に中前2点打。オープン戦打率3割8分5厘と好調をキープし「内容にこだわっている。それに結果もしっかりついてきている」と充実感を漂わせた。

◆阪神3番ジェフリー・マルテ内野手は難敵からの2安打に納得顔だ。1回1死二塁で大野雄からライナーで左前打、3回にも中前に運んだ。5回の二ゴロも痛烈な当たりを高橋周の好守に阻まれたもの。昨季9打数1安打と分の悪かった相手エースを打ち「いい状態で打席に立てている。集中してシーズンまでずっといい状態を保っていきたい」と開幕を見据えた。前日10日にはまとめていたドレッドヘアを再び出現させてプレーした。

◆開幕4番が決定的な阪神佐藤輝明内野手(22)が、中日の開幕投手・大野雄大投手(33)から先制点を奪った。1回1死一、三塁で143キロの速球を左翼へ運び犠飛。「そういう当たりを打てたのは仕事としてしっかりできたのかな」。中飛、左飛、四球だったその後の打席内容にも「いい当たりは出たし、角度もついていた。いい感じで来ている」と納得顔を浮かべた。 東日本大震災発生から11年を迎え、試合前には黙とうをささげた。祖父母が宮城県に住み、何度も足を運んでおり思い入れのある地だ。「プロ野球選手として、苦しい思いをされている方々に少しでも元気だったり、楽しみを届けることができれば良いなと思います」。豪快なスイングで勇気と希望を与える思いを新たにする1日だった。

◆1軍合流した阪神育成岩田将貴投手が即登板し、1回1安打無失点に抑えた。8回に2番手で登板。1死一、二塁を背負うも、高橋周、阿部を飛球で片付けた。「めっちゃくちゃ緊張したんですけど、0点で抑えられたので一番良かった」とほっとした様子。 育成渡辺と同じ変則派左腕として競争が続き「左打者を絶対に抑えることは目標ですし、いろんな配球パターンをもっと作って右打者も抑えられるのも見せられたら」と次を見据えた。2軍からは他に小林と斎藤も合流した。

◆阪神北川博敏打撃コーチ(49)が臨時で一塁ベースコーチを務めた。筒井外野守備走塁コーチが10日に新型コロナウイルスの陽性判定を受け、自主隔離中のため。出塁した選手とグータッチを交わしコミュニケーションをとるなど、8回の攻撃までコーチスボックスで「フル出場」した。

◆先発した阪神・青柳晃洋投手(28)が7回4安打1失点と試合を作り、順調な調整ぶりを披露した。得意なスライダーとツーシームを制限して投げる試合もあったが、この日から全球種を解禁。開幕投手筆頭候補は、一回先頭の大島を外角へのスライダーで3球三振に仕留めるなど、貫禄の投球を続けていった。1-0の五回に先頭の木下、石川昂の連打で1死三塁とピンチを招き、京田に左犠飛で同点とされたが、その後、2死走者なしで代打・平田を空振り三振に斬って後続は断った。七回は2死一、二塁で京田を二ゴロに打ち取って〝リベンジ〟に成功し、97球でマウンドを降りた。3月25日のヤクルトとの開幕戦(京セラ)に向けて、矢野監督から大役を任せられるか。青柳が万全の準備を整え、その時を待つ。

◆阪神・大山悠輔内野手(22)が七回に2点中前打を放って中日を突き放した。2-1の七回1死満塁で打席に向かうと、中日の2番手・近藤の140キロをしぶとく中前へ。大山は2月19日の楽天戦(金武)以来の打点。今季のオープン戦初打点となった。猛虎打線はさらにつながり、なおも1死一、二塁から代打・糸井が右前打。再び満塁とし、梅野が2点中前打を放って、6-1とした。

◆阪神は中日に快勝した。先発した阪神・青柳晃洋投手(28)が7回4安打1失点の好投。持ち味のゴロを打たせる投球に加えて、6奪三振と中日打線を翻弄した。2番手はこの日、1軍に合流した育成の岩田が登板。1死一、二塁のピンチを背負うも、無失点で切り抜けた。九回は浜地が締めた。打線は苦手とする中日・大野雄から一回に4番・佐藤輝が左犠飛を放って先制。1-1の同点で迎えた六回にロハスの適時二塁打で勝ち越すと、七回は1死満塁から大山が今季のオープン戦初打点となる2点中前打。再び1死満塁とし、梅野にも2点中前打が飛び出すなど、打線がつながった。

◆阪神のジェフリー・マルテ内野手(30)が中日の先発・大野雄から2安打をマークした。「大野投手はすごくいい投手だし、初球からどんどんストライクをとってくる印象があった。初球からしっかり振れるように、準備は1打席目からしていた」。一回1死二塁の第1打席は130キロを左前に運び、佐藤輝の先制犠飛をアシスト。三回先頭の第2打席は142キロを中前にはじき返した。マルテはこれで3試合連続安打と状態は上向き。開幕へ向け「シーズンまでずっといい状態を保ってやりたい」と力を込めた。

◆阪神・矢野燿大監督(53)が試合後に取材に応じ、2022年シーズンの開幕投手を青柳晃洋投手(28)に決めたことを明かした。報道陣から問われると「順番見たら分かるやん」と回答。開幕戦まで逆算し、オープン戦の先発ローテーション順で青柳だと明かし、「もちろん去年の結果も踏まえてね。ヤギ(青柳)に任せていいんじゃないかっていうのは、もちろんみんなもそう思っていると思うし。ずっと見てきていたんで俺もうれしい。俺も指導者として励みになるというか、みんなやれば可能性を広げることができるんだ、というのをアイツが示してくれている」と期待を込めた。前回登板した4日の楽天戦(甲子園)後に伝えたという。右腕はこの日の試合で先発を務め、7回1失点と好投。今春キャンプから順調に調整を重ねており、3月25日のヤクルトとの開幕戦(京セラ)では、プロ7年目で初の大役を務めることになる。背番号50はプロ6年目の昨季、13勝をあげて最多勝利と最高勝率の2冠を獲得したほか、3年連続で規定投球回に達するなどして虎投の柱に成長した。昨オフから開幕投手への意欲も示してきた。今季限りで退任を表明している矢野監督が〝最後の開幕戦〟の先発マウンドを変則右腕に託し、スタートダッシュへつなげる。

◆阪神・青柳晃洋投手(28)が先発して7回を投げて、1失点。打者26人に97球を投げ、4安打6三振3四球だった。開幕投手を青柳に任せることを明言した矢野耀大監督(53)の主な一問一答は以下の通り。ーー開幕投手は?「順番見たら分かるやん」ーーもう伝えた「前に言うてるよ」ーーどれぐらいのタイミングで「知らん」ーー任せる理由は「去年の結果も踏まえて、ヤギに任せていいんじゃないかと、みんなも思っている。前回(4日の楽天戦)の登板が終わった時に『行くぞ』と言ったんだけど」(さらに続けて)「最多勝を獲ったのも、開幕投手を任せてもいいというところまで来てくれたのは俺もうれしい。俺も指導者として励みになる。やれば可能性を広げることができるというのをアイツが示してくれた。開幕投手は結果だけじゃなくて、いろんな姿勢を求められると思う。それも含めて任せたいという気持ちで決めました」ーー決断した時期は「競争をあおりたいと思っていた。早く言うことでいいこともある。今のバランスを考えた時に、勇輝だっていける。他の投手だって意欲を持ってやってくれている時だった。レベルを上げられるんじゃないかなというのがあったんで」) ーー監督最後の年に青柳に任せるのは感慨深い「俺のことはあまり関係ないけど、上手い選手でもセンスある選手でもないんで、練習をしっかりやったり、素直な、うーん、心を持ってるというか。野球に取り組んでくると、こういう事があるんだというのを、ヤギから学ばしてもらえた。みんなに可能性がある、と示してくれたんで感慨深い」ーーオフから開幕投手をやりたいと言ってきた「言葉はめちゃくちゃ大事。3年間伝えてきてたし、俺やりますと、アイツは言うから。言葉は言い切った時に、やれてる自分が想像できると思うので。『エース!』って言えば、エースじゃない時から『はい!』」て言えるようなマインドを持ったヤギなので。そういうところで、自分もヤギ自身も言葉が大事っていうか、言うことで、より実現させられるんじゃないかとか。自分に意識を持たせたシーズンオフを過ごすとか。そういう事が分かってくれてる。理解した上で開幕投手やりますとか、言ってたんじゃないかなと思う」

◆2年ぶりの開幕投手に内定している中日・大野雄大投手(33)が先発し、6回5安打2失点だった。「たくさんピンチもあって、いろんな課題も出た。プラスにとらえてやっていきたい」一回1死二塁でマルテに左前適時打を浴びて先制点を献上。二~四回は走者を得点圏に進められながら要所を断つなど、五回までの4イニングを続けて無失点に切り抜けたが、1―1の六回に先頭・大山を出塁させ、続くロハスに左翼フェンス直撃の勝ち越し二塁打を許した。変化球を投じる際の腕の振りや、六回の失点につながった大山への四球に代表される制球面など反省点も出た。ペース配分に関しては「四回ぐらいから腕を振ってギアを上げたが、力的に最初の3イニングは7割ぐらいで投げていた。8割ぐらいでいけたらいいなと感じた」と分析。一方で、六回に145キロを計測したことはスタミナが残っている証明として前向きにとらえた。「開幕してから長いイニングを求められていると思うので、そういうところでは自信になった。来週は何イニングか分からないですけど納得した形、いい形で開幕を迎えられるように調整していきたい」。大役を控え、開幕1週間前となる18日の楽天戦(バンテリンドーム)での登板が最終確認のマウンドとなる見込みだ。

◆中日の石川昂は本塁打を放った2月27日以来となる複数安打を記録した。ともに初球を捉えた一打。五回は右の変則の青柳から中前にはじき返し「継続してやっていきたい」と話した。オープン戦では1試合で4三振を喫した日があるなど直球への対応に苦しみ、甘い球にバットが出ないこともあった。立浪監督はこの日の積極的な姿勢を歓迎し、「今日は良かった。これを続けていってもらいたい」と背中を押した。

◆阪神・青柳晃洋投手(28)が11日、開幕投手に起用されることが決定した。中日とのオープン戦(甲子園)後に矢野燿大監督(53)が明言した。昨季2冠の右腕はプロ7年目で初の大役を、今季開幕戦となる25日のヤクルト戦(京セラ)で務める。今季限りでの退任を表明している虎将の2022年シーズンの初戦は、昨オフから開幕投手への意欲を示してきた右腕に託された。全身全霊で挑戦し続けてきた姿のまま、プロ7年目で初の大役にぶつかってほしい。3・25の先発マウンドに臨む青柳の姿が、そのまま猛虎の追い風になる。2022年シーズンの開幕投手を矢野監督が明言。努力ではい上がってきた右腕が、今季の初陣を託された。「去年から目指していたし、僕の第一の目標でもあったので、指名していただいたのは光栄。やっと言ってもらえたなという感じです。誰もが経験できるものではない。すごくうれしく思います」感謝の言葉の端々に、チームを背負う責任感をにじませた。前回登板した4日の楽天戦(甲子園)後。指揮官からの「行くぞ」という短い言葉をかけられた瞬間に、開幕投手が決定した。より気合を高めて臨んだこの日は一回から7球種の持ち球をすべて使い、7回1失点と試合を作った。「一番球数(97球)を投げましたけど、体の面では全然大丈夫。カーブについては、結果球(決め球)としても使えた。すごい手応え」と頼もしかった。 オープン戦3試合登板で計13回1失点、防御率0・69。隙のない調整は数字にも表れた。3年連続で規定投球回をクリアし、昨季は最多勝(13勝)と最優秀勝率(・684)の2冠を獲得。2016年ドラフト5位入団から努力を重ね、実績でも虎投の柱を担う男に成長した。西勇、秋山、伊藤将らも開幕投手候補と口にしてきた矢野監督は「去年の結果も踏まえて、ヤギ(青柳)に任せていいんじゃないかって心の中ではあった。開幕投手って、結果だけじゃなくていろんな姿勢も求められる。それも含めてヤギに任せたいという気持ちで決めました」と経緯を明かし、さらに言葉に熱を込めた。「『俺やります』とあいつは言うから。言葉って、言い切ったときにやれている自分が想像できる。そう理解した上で開幕投手やりますと言ってたんじゃないか」青柳はオフから何度も開幕投手への強い意欲を示してきた。キャリアワーストの4試合登板に終わった18年シーズンは、2軍監督だった指揮官に鳴尾浜で指導され、翌19年からはともに1軍で戦ってきた。「僕自身、監督が1軍監督になってから出てきた選手。監督と一緒に日本一になって、有終の美を飾れたらうれしい」。矢野野球の〝体現者〟だからこそ、チーム全体に伝わるメッセージでナインにも好循環を生み出せるはずだ。「チームの顔。(開幕戦は)143試合分の1ですけど、143分の1じゃないところもある」とイメージを膨らませ、「勝ってチームに勢いをつけられるように」と必勝を誓った。今季限りで退任を表明してる矢野監督の初戦は、必ず白星で飾る。(新里公章)

◆4番の仕事打! 阪神・佐藤輝明内野手(22)が中日の開幕投手に指名されている大野雄大投手(33)から一回に先制の左犠飛を放った。ドラフト制後では球団最年少となる開幕4番に内定している若き主砲を中心に、11安打6得点と打線全体の状態は上向き。ついに「3・25」のオーダーが固まってきた。散々苦しめられてきた難敵でも、個々の仕事を全うすれば勝てる。最低限にして最高の〝つながり〟でそのことを証明してみせた。猛虎打線の中心に座った4番・佐藤輝は胸を張った。「外野フライで1点入る場面で、そういう当たりを打てたのは仕事としてはしっかりできた」中日の先発は昨季まで阪神戦で通算15勝(8敗)、今季も竜の開幕投手を務める大野雄。球界屈指の〝虎キラー〟に苦戦が予想されたが、今年の猛虎打線は一味違う。一回、先頭の近本が左前打で出塁すると、糸原が手堅く犠打で進め、マルテの左前打で好機拡大。1死一、三塁で、4番・輝が打席に向かった。カウント1-2から5球目、143キロをたたいた飛距離十分の左犠飛に「(点を)取るときに取るのは絶対。シーズンでもやっていきたい」と貫禄十分。1番が塁に出てつないだチャンスを4番がモノにする。まさに理想的な先制劇だった。 オープン戦とはいえ、苦手の大野雄に土をつけたことは今季の光明だ。そして、ドラフト制施行後では球団最年少となる23歳0カ月で開幕4番を任されることが内定した佐藤輝を軸に、3月25日のヤクルト戦(京セラ)を戦う開幕オーダーも見えてきた。近本と糸原で1番&2番コンビ。選球眼を兼ね備えた3番・マルテは、大野雄から2安打と「大野投手はすごくいい投手。初球からしっかり振れるように、準備していた」と状態を上げてきた。そして、右の大山を5番に据え、若き主砲の脇を固める。6番は3試合連続打点と勝負強さを発揮してきたロハスが本命候補だ。矢野監督も「みんな(状態が)上がってくる位置に来てくれたかなと。打線もだいぶよくなってきた」と手応えを語った。ヒットこそ出なかった佐藤輝だが、第4打席の四球を除き、凡打の内容は長打と紙一重のフライアウトだった。「きょうもいい当たりは出たし、角度もついていた。いい感じで来ている。いまやっていることを継続していきたい」開幕まで残り13日。虎の4番として、輝はさらに牙を研ぐ。(原田遼太郎)★被災者に「元気、楽しみを」 東日本大震災から11年を迎え、佐藤輝が被災者への思いを語った。「プロ野球選手として、苦しい思いをされている方々に少しでも元気だったり、楽しみを届けることができればいいと思います」。父方の祖父母が宮城県に住んでいる。直接目で見た地震の爪痕は忘れることのできない記憶だ。「こうして野球をできていることのありがたみを感じながら改めてやっていきたい」と決意を新たにした。

◆この時期は勝敗より、開幕へ向けての準備がどれだけ整ってきたかが重要。そう考えると、阪神は不確定要素が多すぎる。たとえば左翼。ロハスが結果を出し始めてはいるが、助っ人としては物足りない。糸井、島田らが加わり、さらにはこの日は大山が左翼でスタメン。ロハスがよほど爆発しない限り、すぐに決まりそうにない。遊撃も木浪、小幡、熊谷らが争い、ようやく中野が2軍戦に出場。中野が昨年のような状態ならばいいのだが、まだ未知数な部分が多い。青柳の開幕投手が決まり、開幕ローテもある程度予想がつくのは好材料だが、中継ぎは不透明。抑えも、来日したばかりのケラーが本当に託せるような状況で開幕を迎えられるのか。矢野監督が導入している各選手の2ポジション制は理解する。あらゆる状況に対応できる選手が多いに越したことはない。ただ、近本のように「間違いなくレギュラー」という選手が1人でも多いチームと比べると、今の戦力は劣る。最後のオリックス3連戦(18-20日)で、どんな陣容で試合に臨むのか。臨めるのか。首脳陣のやりくり、判断がシーズンを左右しそうだ。(本紙専属評論家)

DAZN

<オープン戦順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
DeNA
612 0.857
(-)
-
(-)
35
(+2)
21
(+2)
6
(-)
10
(+1)
0.300
(↓0.007)
2.330
(↑0.05)
2
(1↑)
ORIX
620 0.750
(↑0.036)
0.5
(↓0.5)
35
(+6)
15
(+1)
1
(-)
9
(+1)
0.268
(↓0.003)
1.520
(↑0.08)
3
(-)
楽天
521 0.714
(-)
1
(-)
30
(+2)
21
(+2)
1
(-)
6
(+2)
0.227
(↓0.006)
2.700
(↑0.1)
3
(1↓)
日本ハム
522 0.714
(↓0.119)
1
(↓0.5)
29
(+5)
21
(+6)
10
(+2)
3
(+1)
0.220
(↑0.018)
1.580
(↓0.08)
5
(2↓)
ソフトバンク
531 0.625
(↓0.089)
1.5
(↓0.5)
31
(+3)
23
(+4)
7
(+2)
7
(+3)
0.240
(↓0.001)
2.360
(↓0.23)
6
(-)
阪神
431 0.571
(↑0.071)
2
(↑0.5)
34
(+6)
23
(+1)
3
(-)
8
(+1)
0.254
(↑0.014
2.540
(↑0.22)
7
(1↓)
中日
450 0.444
(↓0.056)
3
(↓0.5)
24
(+1)
29
(+6)
5
(-)
2
(+1)
0.241
(↓0.005)
2.730
(↓0.45)
8
(-)
広島
351 0.375
(↑0.089)
3.5
(↑0.5)
23
(+6)
42
(+5)
4
(+1)
1
(-)
0.223
(↑0.015)
4.680
(↓0.05)
9
(2↑)
西武
250 0.286
(↑0.119)
4
(↑0.5)
12
(+3)
19
(+1)
4
(+1)
6
(+3)
0.211
(↑0.008)
2.640
(↑0.3)
10
(2↓)
巨人
261 0.250
(↓0.036)
4.5
(↓0.5)
15
(+1)
31
(+6)
9
(+1)
2
(+1)
0.187
(↑0.016)
3.200
(↓0.29)
10
(2↑)
ヤクルト
261 0.250
(↑0.107)
4.5
(↑0.5)
16
(+4)
29
(+3)
2
(+1)
10
(+2)
0.207
(↑0.008)
3.080
(↑0.14)
12
(2↓)
ロッテ
152 0.167
(↓0.033)
4.5
(↓0.5)
13
(+1)
23
(+3)
1
(+1)
6
(-)
0.190
(↓0.013)
2.650
(↓0.06)