阪神(☆10対3★)広島 =オープン戦1回戦(2022.03.08)・阪神甲子園球場=
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広島
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阪神
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勝利投手:伊藤 将司(2勝0敗0S)
敗戦投手:森 翔平(0勝2敗0S)
  DAZN
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◆阪神は3安打を放った佐藤輝を中心に、打線が13安打10得点を記録。バッター陣が状態の良さを示した。一方の広島は、ドラフト3位ルーキーの中村健が2安打をマーク。自慢の打棒で首脳陣へのアピールに成功した。

◆阪神-広島のスタメンが発表された。阪神佐藤輝明内野手(22)は4試合連続で4番に座り、大山悠輔内野手(27)は「5番三塁」に入った。先発は阪神が西勇輝投手(31)、広島は床田寛樹投手(27)が務める。

◆開幕2カード目の初戦、29日広島戦(マツダスタジアム)の先発が有力の阪神西勇輝投手(31)が、前哨戦で3回3安打無失点と力投した。 初回先頭の菊池涼から空振り三振を奪うなど、3者凡退スタート。2回は2死二、三塁のピンチを背負うも、後続を断ち無失点。3回は1死二、三塁で梅野がけん制で三塁走者を刺し2死とすると、最後は西川を内角142キロで空振り三振に斬り、マウンドを降りた。西勇は広報を通じ「梅野があらゆる雰囲気を感じてサインを出してくれたのでよかったです。良い球もありましたが、悪い球もあったので、開幕までに細かい部分を修正をしていきたいです」とコメントした。

◆阪神が猛打を見せた。【ニッカン式スコア】阪神-広島詳細スコア 2-2の6回。代わった新人左腕森から先頭の3番マルテが左前打。一気に火がつき、打者13人で7安打8点を連ねた。4番の佐藤輝がこの回2安打目となる右前適時打で8点目を入れ、オープン戦初の2ケタ得点とした。佐藤輝はオープン戦初の3安打をマークした。

◆広島ドラフト2位森翔平投手(24=三菱重工West)は1つのアウトしか奪えず、0回1/3を7失点でノックアウトされた。 2-2の6回から3番手で登板。先頭のマルテ、佐藤輝と連打を浴び、大山を四球で出塁させ、無死満塁となった。ロハスに中越えの2点適時打を放たれ、2点を失った。続く長坂にも四球を与え、再び無死満塁になり、江越に中前適時打を許し、3点目を失った。小幡を左飛で1死満塁としたが、続く島田に中前適時打を浴び、この回4失点。投手が森浦に代わった。森浦が押し出し四球と2点適時打を許し、森が残した走者3人をいずれも生還させたため、森は0回1/3、5安打2四球7失点となった。

◆開幕2カード目の30日広島戦(マツダスタジアム)の先発が有力な阪神伊藤将司投手(25)は、4回6安打3失点と課題を残した。【ニッカン式スコア】阪神ー広島 詳細スコア 6回から4番手で登板し、先頭の菊池涼、中村奨、西川といきなり3連打を浴び2失点。7回は1死一塁から磯村に左越えの適時二塁打を許し、3点目を与えた。3イニング目の8回は3人斬りで立て直し、最終回は1死一塁から二ゴロ併殺で試合を締めた。

◆虎キラーは今年も健在だ。広島床田寛樹投手(27)が阪神とのオープン戦(甲子園)に先発。新球カットボールを交え、4回4安打2失点(自責1)と上々の仕上がりを見せた。昨季阪神戦4試合に先発し3勝1敗。虎キラーは、開幕2カード目の同戦(マツダスタジアム)に登板する可能性が高い。シーズンの前哨戦で快投した左腕が、今年も阪神打線に立ちはだかる。【ニッカン式スコア】阪神-広島詳細スコア 床田はテンポのいい投球で阪神打線を手玉に取った。1、3回はいずれも相手打線が1番近本から始まる好打順だったが、ともに3者凡退。ピンチの芽を事前に摘んだ。0-1の4回には2死一塁から梅野に左越え適時二塁打を打たれ、1点を失ったが、自責はこの1点のみ。4回4安打2失点にまとめた。昨季、阪神を相手に4戦3勝1敗と好相性だった左腕。だが今年の床田はひと味違う。新球カットボールをひっさげて甲子園に乗り込んだ。「去年の秋キャンプくらいから練習して。昨日(7日)、森下に投げてみたら『全然使えます』と言ってくれたので思い切って使ってみようと思った」。1回2死、カウント1-1からマルテに投じた新球は、スッと内角に収まり球審の右手が上がった。「試合で今まで投げてなかったが、カウントも取れた。もう少し練習して、もっと使える球にしたい」。この日は全70球のうち、3球投じた。床田は開幕2カード目となる阪神戦(マツダスタジアム)の2戦目に先発する可能性が高い。この日は前哨戦となった。「向こうも対策は練ってくると思うので自分もレベルアップして。去年と同じままだとダメだと思う。新しい引き出しを増やしながらなんとかシーズンを抑えられるように」。得意な相手だからこそ、さらに嫌な印象を与えようと腕を振った。前回2月27日の日本ハム戦は3回1失点。今回も上々の内容で調整は順調だ。「阪神は開幕しても当たる。新しい球を使って『こういう球種もあるぞ』と(阪神相手に)思わせられた」とにんまり。昨季プロ初完封や初月間MVPを受賞した6年目左腕。進化はまだまだ止まらない。【前山慎治】▽広島佐々岡監督(床田の投球に)「順調。去年の今頃と比べると雲泥の差。しっかり油断せずに」

◆広島ドラフト5位松本竜也投手(22=ホンダ鈴鹿)が阪神戦に2番手で5回から登板。1イニングを3人でピシャリと抑え、勝利の方程式入りへ前進した。小幡を空振り三振。近本を右飛、糸原を左飛に抑えた。「キャッチボールから打者にどう制球するかを考えて調整した。自分がすべきことをできて、いい結果につながった」。前回登板の3日オープン戦DeNA戦(横浜)はソロ初被弾で1回1失点だったが、修正した。

◆広島ドラフト3位中村健人外野手(24=トヨタ自動車)はオープン戦初の複数安打を記録した。 「7番右翼」で3試合ぶりにスタメン。2回2死一塁では西勇の内角球を左前に転がした。5回先頭では石井の直球を右前打とし、マルチ安打。「強い打球、低い打球を打つために足の上げ方を(ゆっくりに)微修正した。自分のタイミングで打席を進められた」。ポスト鈴木誠候補の1人が、開幕右翼へアピールした。」▽広島森(3番手で5安打7失点)「(変化球の)キレが良くない。話にならない。次のチャンスがあるか分からないが、あればしっかりアピールしたい」▽広島末包(4打数無安打で15打席安打なし)「いいイメージを持とうとしているが、悪い方に考えてしまう。ここが正念場だと思う」◆体調不良 広島育成の二俣翔一内野手(19)は下半身のコンディション不良により3軍調整となった。

◆開幕2カード目初戦の29日広島戦(マツダスタジアム)の先発が有力な阪神西勇輝投手が、前哨戦で鯉料理リハを敢行した。 先発で3回を3安打無失点。新戦力もチェックし、4番のドラフト6位末包昇大(すえかね・しょうた)外野手(25=大阪ガス)にはスライダーやシュートで揺さぶり、7球目のスライダーで二ゴロ。7番の同3位中村健人外野手(24=トヨタ自動車)には、内角低めシュートを左前に運ばれたが、その姿をしっかりインプットした。「(捕手の)梅野があらゆる雰囲気を感じてサインを出してくれたのでよかった」と手応え。矢野監督も「順調。1個1個のボールもよかった」と高評価した。

◆2年目左腕の阪神伊藤将司投手(25)はピリッとしなかった。6回から4イニングを投げ6安打3失点。 「全体的に高い球を打たれた。修正が必要」と反省した。立ち上がりの6回先頭菊池涼から3連打を浴びて2失点し、7回にも1点を失った。8、9回は「0」を並べたが矢野監督は「もうちょっと。将司らしいところにはいっていない。もう1ランク、2ランク上げていく必要がある」と改善を求めた。有力な30日広島2戦目の先発を逆算して仕切り直す。

◆阪神佐藤輝明内野手(22)が、オープン戦初の猛打賞で10得点大勝に貢献し、開幕4番に大前進だ。広島戦(甲子園)に4試合連続4番で出場。先発床田、ルーキー森、森浦の左腕を全く苦にせず、3本の快音を奏でた。オープン戦6試合の打率は両リーグ3位の3割8分1厘と絶好調。ライバルの大山を突き放している。そろそろ欲しいのは代名詞のオープン戦初本塁打。大きなリードを保ち、4番バトルの最終章に臨む。佐藤輝が鯉の左腕を次々と粉砕した。2回先頭では追い込まれてから床田の外角144キロ直球に逆らわず左前へ華麗にはじき返し、左翼手がファンブルした間に悠々と二塁へ。6回無死一塁では、大学時代に対戦経験のあるルーキー森の初球、内角直球を引っ張り右前へ。打者一巡して回ってきた2打席目、1死一、二塁の好機では森浦の内角直球を捉え、右前適時打で猛打賞。代走を送られると、開幕2カード目で対戦する広島相手に10得点大勝を導いた背番号8に、大きな拍手が送られた。「結果自体はよかったですけど、もうちょっと打球を上げて打ちたい。左ピッチャーとは久しぶりな感じだったので、もうちょっとアジャストしていければ」左腕を苦にしない。むしろ得意だ。オープン戦は対右腕の打率3割3分3厘に対し、左はジャスト5割。昨季も対右腕の2割3分2厘に対し、左腕は2割4分7厘と上回った。「(左は)苦手意識は全然ない。右投手と違う感覚があるので、使い分けじゃないですけど...、感覚ですね。もう少し今後の試合で磨きたい」。まさに、敵なし状態だ。大山と争う4番バトルも大きくリードの様相だ。オープン戦打率1割3分6厘のライバルとは対照的に、4試合連続任された4番で安定感が光る。オープン戦の打率3割8分1厘はロッテ高部、オリックス杉本に次ぐ両リーグ3位。昨季までの三振か本塁打のイメージから一変、確実性が際立つ。「練習のたまものなんじゃないですか。いい感じでは間違いなくきていると思う。あとはもう少し長打を打てるようにというところですね」。そう、規格外のスラッガーは単打3本だけでは物足りない。昨年6本塁打でキングに輝いたオープン戦6試合で、今年はまだ0本塁打なのだ。「短打じゃなくて、長打がほしいところだった。打ち出すところとか、良いスイングの中でもう少し上げていこうかな」と修正ポイントを挙げた。開幕までの残り9試合で豪快な1発を放ち、文句なしの4番を決める。確実性に1発を完備すれば、最強4番の誕生だ。【古財稜明】

◆阪神梅野隆太郎捕手(30)が"俺が正妻"を猛アピールだ。開幕2カード目に当たる広島戦で、打っては適時二塁打。守ってはバズーカ発動&西勇らの0封を導く好リード。坂本らと争う正捕手争いで、負けない気迫を前面に押し出した。 マスク越しにセンサーを働かせた。3回1死二、三塁のピンチ。三塁走者・大盛の不用意な動きを見抜いた。西勇の投球を捕る素早く三塁を向き、矢のけん制でタッチアウトにした。1点を先制した直後の守りで、無失点。オープン戦とはいえ、試合の流れを左右するビッグプレーだった。梅野 悠輔(大山)とアイコンタクトでうまいことできました。あうんの呼吸というか、常に悠輔も見てくれている。すごい大きなベストなプレーができた。何年もレギュラーを張ってきた梅野と大山ならではのホットライン。坂本との競争が白熱中だが、連係面では梅野に一日の長があると思わせるシーンだった。打席でも、らしさを見せた。4回2死一塁で左腕床田の直球を思い切りよく振り抜いた。左翼頭上を越える会心の適時二塁打だ。梅野 2アウトで回ってきてボール先行だったし、第1ストライクをとらえようと思っていた。引っ張れるボールを一発でコンタクトできた。納得のいく打席だった。昨季、規定打席最下位の2割2分5厘に終わった反省から、打てる捕手を目指して打撃を改造。1本足気味だったフォームを左足を上げないスタイルに変え、確実性アップを図っている。0・5~0・8ミリだったグリップに巻くテーピングも素肌感覚に近い0・3ミリの新兵器を導入。オープン戦は規定打席不足ながら打率4割と成果が出ている。10得点大勝に一役買った背番号2は「チーム打撃も含めて、いやらしい打者になれるように頑張っていきたい」と引き締めた。正捕手争いの本命が、レベルを上げてやってきた。【柏原誠】▽阪神矢野監督(梅野について)「いろいろ取り組んでいる中で、こういう結果が出ると気分も上がるし『これでいいんだ』ということになると思う。打線の中で、6番以降もしっかり(得点に)絡んでくれているのは大きい」

◆阪神矢野燿大監督が7安打集中で一挙8点を奪った6回のビッグイニングを喜んだ。 「こういうのがレベルの高い競争。本当に暖(小野寺)も島田もチャンスが少ない中でやれた。こういうのをどんどん望んでいる」。8番スタメンの江越に加え、途中出場の島田と小野寺も適時打。つないでつなぐ13人攻撃でスコアボードに合計10得点を刻んだ。さらに好守備を見せた小幡や長坂、8回に広島守護神栗林から右前打を放った遠藤の名前も挙げてほめた。

◆阪神セットアッパー候補の小野泰己投手がまた好投した。2番手で4回の1イニングを3者凡退。キレのある直球、変化球とも制球にまとまりがあり、危なげなかった。 矢野監督が「一つかみ合えば勝ちパターンに入ってくるような能力」と評価する右腕。前回5日の楽天戦の3者三振に続いて結果を残した。同じくセットアッパーを狙う石井大智投手も1回を1安打無失点。課題の中継ぎ右腕に光が見えてきた。

◆両軍のスターティングメンバーが発表された。阪神の先発は西勇輝投手(31)。前回登板した2月26日の中日戦(北谷)ではまめがつぶれるアクシデントがあったが「完治したから大丈夫」と話している。開幕2カード目の3月29日、広島戦(マツダ)での先発が有力なだけに、鯉打線のデモンストレーションで好印象をつかむ。また、佐藤輝明内野手(22)が4試合連続の「4番」に座った。

◆「6番・DH」に座った阪神のメル・ロハス・ジュニア外野手(31)が二回に先制打を放った。先頭の佐藤輝が左前に痛烈な一打を放つと、左翼手が打球をファンブルした間に二進(記録は左前打と失策)。大山は二ゴロで1死三塁とした。ここでロハスが広島の先発左腕・床田に対して右打席に入ると、初球144キロを一閃。鋭い打球は三遊間を抜けた。ロハスは6日の楽天戦(甲子園)で実戦12打席ぶりのヒットを左打席で放っていた。両打ちの助っ人が開幕定位置奪取へ左右でアピールした。

◆阪神・梅野隆太郎捕手(30)が守備で甲子園をわかせた。1-0の三回。先発の西勇が先頭の大盛に二塁打、菊池涼に四球、中村奨の犠打で1死二、三塁のピンチを背負った。打席には「3番・DH」の西川。3球目、飛び出していた三走・大盛の隙を見逃さなかった。強肩で矢のような送球を三塁へ。大盛は帰塁できず、タッチアウトに仕留めた。2死二塁とすると、最後は西勇が西川を空振り三振に斬り、無失点で切り抜けた。

◆先発した阪神・西勇輝投手(31)は3回48球を投げて3安打無失点。開幕2カード目の初戦29日の広島戦(マツダ)の登板が有力だが、その前哨戦で貫禄の投球を披露した。一回は三者凡退。二回は安打と四球、さらに自身のエラーも重なって2死二、三塁のピンチを招くも磯村を内角のチェンジアップで三ゴロに。三回にも先頭の大盛に左翼線二塁打を浴び、1死二、三塁のピンチを背負ったが、捕手の梅野が飛び出した三走を刺して2死二塁となり、続く西川を内角低めの直球で空振り三振に仕留めた。西勇は前回2月26日の中日との練習試合(北谷)に先発したが、1回を投げきったところで右手のマメがつぶれて降板していた。

◆阪神のメル・ロハス・ジュニア外野手(31)が六回に勝ち越しの2点二塁打を放った。2-2の同点に追いつかれた直後の六回。広島はD2位左腕・森翔平投手(24)=三菱重工West=がマウンドに上がった。先頭のマルテが左前打を放つと、続く4番・佐藤輝が初球141キロを引っ張り右前打。大山が四球で無死満塁のチャンスだった。カウント2-0から3球目、117キロ変化球に合わせると、打球は中堅フェンス手前で弾む2点二塁打となった。ロハスは二回の第1打席も左前適時打を放っており、ここまで3打点と猛アピールした。

◆2-2の六回に猛虎打線が爆発した。無死満塁からロハスが中越えの2点二塁打を放って勝ち越すと、なおも満塁とし、ロハスと左翼の定位置を争う江越が負けじと中前に運んで追加点。1死満塁とし、途中出場の島田が中前打を放ち、6-2とリードを広げた。猛虎打線はまだ止まらない。熊谷は押し出し四球で追加点。途中出場の小野寺の左前打で2点を追加すると、1死一、二塁から4番・佐藤輝が右前適時打でとどめを刺した。阪神はこの回、打者13人の猛攻で7安打8得点。一気に試合の主導権を握った。

◆広島・床田寛樹投手(27)がオープン戦2度目の先発。29日からの開幕2カード目の阪神戦(マツダ)の先発が有力視される左腕は、4回4安打2失点、2三振1四球で予行演習を終えた。飄々とした表情で最速146キロの直球にスライダー、カーブ、ツーシームなどの多彩な変化球を投げ込んだ。0─0の二回1死三塁でロハスに左前適時打、四回2死一塁で梅野に左越え適時二塁打を許したが、何とか2失点で踏ん張った。前回2月27日の日本ハム戦(名護)は3回3安打1失点。開幕投手の大瀬良、九里、森下とともに開幕ローテ入りを決めている左腕が、昨季4勝のうち3勝と好相性の虎狩りに向けてギアを上げていく。

◆阪神はオープン戦最多の13安打、初の2桁得点となる10得点で広島に快勝した。2-2の六回、打者13人の猛攻で8得点を挙げた。マルテ、佐藤輝の連打と大山が四球を選んで無死満塁。ここでロハスが中越えの勝ち越しとなる2点二塁打を放った。さらに江越、島田、小野寺、佐藤輝も適時打で続いた。) 不振だったロハスは0-0の二回、1死三塁で左前に先制打を放つなど2安打3打点の活躍。また、4試合連続で4番で出場となった佐藤輝は二回に左前打、六回には1イニング2安打と、オープン戦初の3安打で1打点と好調さをアピールした。開幕ローテ候補は明暗が分かれた。先発した西勇は、3回を投げて3安打無失点と好投。六回から登板した伊藤将は、4回を投げて6安打3失点だった。

◆阪神は梅野が適時二塁打に、捕手としてもけん制で三塁走者をアウトにするなど攻守で光った。ロハスが先制打と2点二塁打。西勇は内外角に投げ分けて3回無失点だった。広島の床田は味方の拙守もあった中、4回2失点にまとめた。

◆阪神はメル・ロハス・ジュニア外野手(31)の3打点など、13安打10得点で広島に快勝した。一方で六回から4番手で登板した伊藤将司投手(25)が4回6安打3失点で不安を残した。矢野耀大監督(53)の主な一問一答は以下の通り。ーー西勇は?(先発で3回無失点)「段階を踏んで状態も上がってきている。ゼロで終わったのも、よかったと思う。順調かなと」ーー伊藤将は?「もうちょっと、いいボールというか、いい状態に上げられると思うし、今日も結果的にあとの2回は0で抑えているけど、将司らしいところにはいっていないんで、もう1ランク、2ランク上げていく必要はあるんじゃないかなと思う」ーー梅野が適時二塁打「いろいろ取り組みながらやっている中で結果が出ると、気分も上がる。ロハスも、あそこらへんの打順でヒットが出だすと、上位に回って1点、2点、3点となっていく。打線という線で考えると、6番以降も絡んでくれているのは大きい」ーー六回の猛攻は選手が結果を出してくれた(13人で7安打8得点)「こういうのがレベルの高い競争で、こっちが望んでいるところ。暖(小野寺)も島田も遠藤もチャンスが少ない中でやれたし、拳弥(長坂)のスローイングもすばらしかったし、竜平(小幡)の守備もよかったし、後からいく選手もいいところがたくさん出たので、こういうのをどんどんこっちとしては望んでいる」ーー鳴尾浜でのシート打撃を視察して中野のプレーを久しぶりに見て「特別何もないけど」――登板した岩崎はここからステップアップ「キャンプでどうかなという感じになっていたけど、ここまで来てくれた。まずはほっと俺自身はできたところを見せてくれた」

◆最速150キロ左腕の広島ドラフト2位・森翔平投手(24)=三菱重工West=が、開幕ローテ入りを懸けオープン戦2度目のマウンドに上がった。だが、1回もたず?を5安打7失点2四球でオープン戦2敗目を喫した。2─2の六回から3番手で登板。いきなり無死満塁のピンチを招き、ロハスに勝ち越しの2点二塁打を浴びる。その後は江越、島田に適時打を許して降板。1死満塁で救援した森浦も押し出し四球を含む2安打4失点。森の自責点は「7」が付き、オープン戦2試合で防御率は27・00と一段と悪化した。森は前回2日のDeNA戦(横浜)でも6四球と制球に苦しみ、3回?を6安打4失点で黒星。玉村、小林、遠藤とともに先発枠の5、6番手を争っているが、厳しい状況となった。

◆阪神・梅野隆太郎捕手(30)が走攻守で躍動した。まずは三回1死二、三塁の守備。大胆なリードをとっていた三走・大盛の隙を見逃さず、矢のようなけん制で刺した。「悠輔(大山)とあうんの呼吸というか、自分の中でもすごく大きなプレーだった」とうなずいた。打撃では四回2死一塁で左越えの適時二塁打。キャンプ終盤は右足に痛みを抱えていたが、開幕に問題ないようだ。

◆31日の広島戦(マツダ)での先発が有力な伊藤将司投手(25)は六回から登板し、4回を投げて6安打3失点だった。「全体的に高い球を打たれてしまった。修正が必要だと感じました」。キャンプの紅白戦から実戦は4試合で10回を投げて無失点と結果を残していただけに、悔しさをにじませた。キャンプ直前、開幕投手候補の一人に名前を挙げた矢野監督は「もう1ランク、2ランク上げていく必要はある」と厳しかった。

◆誰もが先発ローテ入り当確と思っている伊藤将だが、心配な投球内容が続いている。ストライクゾーンの低めへ、丁寧に投げて打ち取るのが持ち味だが、真っすぐが高めに浮いている。変化球も制球できない(4回6安打3失点)。沖縄以来、ずっと本来の内容は見せられていない。3試合連続での不慣れな救援登板が影響しているのかもしれない。典型的な先発タイプだから、試合の入り方で戸惑っているのかもしれない。寒い時期は普段より10球程度多めに投げてマウンドに上がるなどの工夫は必要だろう。私はプロ1年目の1970年に9勝をマークしたが、2年目に1勝で終わった苦い経験がある。「何でだろう?」と思っているうちにシーズンが進んでしまった。伊藤将も1年目の10勝は素晴らしいが、まだ1年しかプロを経験していない。オープン戦で1試合、「これで大丈夫」と納得できる登板を見せないと、本人も、首脳陣も不安だ。もう一点、付け加えたい。なぜ、この寒い中で半袖なのか? 再び私の話だが、若いころ、球場で半袖でウロウロしていたら、当時巨人の金田正一さんに頭をたたかれた。400勝投手から「コラッ、これからを背負う者が、もっと体を大切にしろ」と叱られたのだ。季節は真夏なのに。聞けば、伊藤将も沖縄で寒い日は長袖で投げたという。こんな寒い日ぐらい、長袖で投げなさい。古い時代の人間の言葉かもしれませんが。(本紙専属評論家)

◆もっと、もっと打ちたい! 阪神・佐藤輝明内野手(22)が8日、広島戦(甲子園)に「4番・右翼」で出場。オープン戦初の3安打猛打賞をマークし、チームは今季初の2桁10得点で快勝した。トドメの適時打も放った新主砲は「もっと角度をつけたい」と満足せず。代名詞である本塁打の感触を体に染みこませ、貪欲に17年ぶりのリーグ優勝を目指す!息つく間もなく快音が甲子園に響き渡る。牙をむき、鯉に襲い掛かった猛虎打線。最後は4番の一打が右中間に弾んだ。佐藤輝から始まり、佐藤輝がトドメを刺した快勝劇。それでも、まだ満足はしていない。主役の男はとにかく貪欲だった。「結果自体はよかったですけど、もうちょっと打球を上げて打ちたいなと思って。いい感じでは間違いなく来ているので、あとはもう少し長打を打てるように、というところですね」虎党からすれば見応え十分の内容だった。まずは二回先頭。昨季3勝を献上した広島の左腕・床田の外角低め144キロを逆らわず左前へ。チーム初安打を放つと、ファンブルした中村奨の隙を見逃さず一気に二塁を陥れた。六回無死一塁では関大出身のドラフト2位・森(三菱重工West)の初球を引っ張って右前へ。近大時代、関西学生リーグで対戦経験があり「抑えられたし、ホームランも打った」という左腕にプロの洗礼を浴びせた。さらに打者一巡して迎えた1死一、二塁の好機では、森浦の直球をとらえて適時打を放った。4試合連続の4番に座り、チームは今季初の2桁13安打で10得点の快勝。主砲を中心に形成された猛虎打線を矢野監督は「こういうのがレベルの高い競争。こっちが望んでいる結果なので。こういうようになってくると、チームは強くなる、レベルが上がってくる」と評価した。佐藤輝も今季のオープン戦で初の3安打に、プロ初の1イニング2安打。打率・381に上昇させ、オープン戦の首位打者だって狙える3位につけている。ただし、〝アレ〟が出ていない。見るものを一瞬でとりこにする本塁打は2月の紅白戦での2本だ。 「打ち出すところとか、もう少しどうにかして(打球を)上げていけるような感じでやっていこうかなと思います」春季キャンプ中から、フリー打撃では規格外の飛距離を抑え、打撃フォームの確立とボールへのコンタクトを重視した。昨季経験した59打席連続無安打という長期間のスランプ、さらにシーズン173三振が物語る確実性不足を解消するための取り組みだ。そして、「(好調維持は)練習のたまものなんじゃないですかね」と語るほど、その成果を感じている。昨季チーム最多の24本塁打を放った佐藤輝だが、今年は2月の実戦を含めても、まだ対外試合でのホームランはない。ただ、白球を場外まで運ぶパワーは健在。今年は手応えと数字が裏付けるほどコンタクト率も上がっている。あとは打球角度をつけるだけ。特大アーチが飛び出るのは時間の問題だ。「イメージと違っているわけではないので、いいスイングの中でもう少し(打球を)上げていこうというところです」あとは弧を描く感覚を確かめる。25日のヤクルトとの開幕戦(京セラ)へ、4番の風格さえも漂わせてきた虎の主役は、さらなる高みを目指す。(原田遼太郎)

◆阪神・西勇輝投手(31)は8日、広島戦(甲子園)に先発し、3回無失点と上々の仕上がり具合を披露。登板が見込まれる開幕2カード目の初戦、29日の広島戦(マツダ)に向けた〝デモ登板〟を終えた。新しい鯉打線を丸飲みした! 先発した西勇が3回48球を投げて3安打無失点。開幕2カード目の初戦となる29日の広島戦に向け、デモンストレーションを完了させた。「いい球もありましたが、悪い球もあった」完璧とはいかなかったが、相手打線は鈴木誠がポスティング制度を利用してメジャーリーグに挑戦することもあり、顔ぶれが大きく変わった。西勇はすべての持ち球を投げて、どんな反応をするか、下ごしらえもした。二回だ。4番に抜擢された広島のドラフト6位・末包(すえかね、大阪ガス)を変化球攻め。二ゴロに封じると「梅野があらゆる雰囲気を感じてサインを出してくれた」と感謝した。三回は1死二、三塁とピンチを招くも、梅野がリードの大きかった三走・大盛を素早いけん制で刺した。その後は西川を内角低めの直球で空振り三振に仕留める。恋女房との息もピッタリだ。前回2月26日の中日とのオープン戦(北谷)では右手のマメがつぶれて1回で降板したが、その影響を感じさせず。矢野監督は「一個一個のボールもよかったし、順調に、段階を、しっかり踏んで状態も上がってきている」とうなずいた。「開幕までに細かい部分を修正していきたい」と西勇。昨季は6勝に終わり、オリックス時代の2018年からの2桁勝利は3年連続で止まった。今季は週の始まりで、最も長いイニングを投げることを要求される火曜日を任されそうだ。4年契約の最終年。死角は見当たらない。(三木建次)

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<オープン戦順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
DeNA
511 0.833
(↑0.033)
-
(-)
31
(+4)
18
(+2)
6
(+1)
8
(+1)
0.314
(↓0.006)
2.570
(↑0.1)
2
(1↓)
日本ハム
412 0.800
(-)
0.5
(↑0.5)
18
(+5)
14
(+5)
6
(+1)
2
(-)
0.202
(↑0.031)
1.710
(↓0.38)
3
(1↑)
ソフトバンク
421 0.667
(↑0.067)
1
(-)
22
(+6)
18
(+2)
4
(+1)
3
(-)
0.227
(↑0.007)
2.290
(↑0.04)
3
(1↑)
ORIX
420 0.667
(↑0.067)
1
(-)
27
(+4)
14
(+1)
0
(-)
6
(-)
0.275
(-)
1.870
(↑0.18)
3
(1↑)
楽天
420 0.667
(↑0.067)
1
(-)
25
(+5)
18
(-)
1
(+1)
3
(+1)
0.218
(↑0.016)
3.120
(↑0.65)
6
(3↓)
中日
430 0.571
(↓0.096)
1.5
(↓1)
23
(+1)
21
(+4)
5
(-)
1
(+1)
0.252
(↓0.004)
2.320
(↑0.06)
7
(-)
阪神
330 0.500
(↑0.1)
2
(-)
26
(+10)
20
(+3)
3
(-)
7
(-)
0.236
(↑0.026
3.060
(↑0.01)
8
(1↓)
巨人
241 0.333
(↓0.067)
3
(↓1)
13
(+2)
19
(+6)
7
(-)
1
(+1)
0.179
(↑0.002)
2.550
(↓0.65)
9
(-)
広島
250 0.286
(↓0.047)
3.5
(↓1)
15
(+3)
35
(+10)
3
(-)
1
(-)
0.219
(↑0.017
5.030
(↓0.79)
10
(-)
ロッテ
132 0.250
(-)
3
(↓0.5)
11
(+5)
14
(+5)
0
(-)
6
(+1)
0.209
(↑0.03)
2.120
(↓0.62)
11
(1↓)
西武
140 0.200
(↓0.05)
3.5
(↓1)
8
(+2)
16
(+4)
2
(+1)
3
(+1)
0.190
(↑0.014)
3.070
(↓0.34)
12
(-)
ヤクルト
151 0.167
(↓0.033)
4
(↓1)
11
(-)
23
(+5)
0
(-)
8
(+2)
0.204
(↓0.025)
3.200
(↓0.38)