阪神(★2対8☆)楽天 =オープン戦2回戦(2022.03.05)・阪神甲子園球場=
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楽天
30200210081210
阪神
0000000202510
勝利投手:岸 孝之(1勝0敗0S)
敗戦投手:藤浪 晋太郎(0勝1敗0S)
  DAZN
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DAZN

◆阪神は、開幕ローテーション入りを狙う藤浪が先発。4回7安打5失点と、課題の残るマウンドとなった。一方の楽天は、先発・岸が4回1安打無失点と安定した投球を披露。開幕に向け、順調な仕上がりを見せた。

◆開幕2戦目先発の有力候補となっている阪神の藤浪晋太郎投手(27)は、先発で4回7安打5失点(自責4)、2四球を出してアピールに失敗した。右腕は「調子自体はすごく悪いわけではなかったんですけど、ライト(軽く)に気持ち良く振られたというか、相手のリズムで打たせてしまった」と振り返った。全員左打者を並べた楽天打線に、立ち上がりから苦戦。初回は先頭から連打と自らのバント処理エラーで無死満塁を招き、渡辺佳の一塁へのゴロがマルテの野選となって先制を許した。銀次に中前適時打、小郷には押し出し四球と初回はノーアウトで3失点。この回だけで打者9人に43球を要した。2回を無失点に切り抜けたが、3回は再び先頭の銀次に中前打、小郷に右中間への適時三塁打と連打で追加点を与えた。1死三塁から黒川に右前打を浴びてさらに1点を失った。4回はカットボールを駆使して初めて3者凡退に抑え、マウンドを降りた。春季キャンプでは好投を続けていただけに、悔しい登板となった。次回登板に向けて「もう少し精度よく入れればと思いますし、相手のスイングをさせ過ぎてしまっているので、もうちょっと相手の嫌がるピッチングというか、いろいろ工夫してやっていければ」と前を向いた。

◆阪神佐藤輝明内野手は充実の4打数無安打だった。 2試合連続4番で先発。4回に先頭で右腕岸から、逆風の中フェンス手前まで運ぶ右飛を放った。角度も十分で、甲子園にはどよめきが起こった。矢野監督は「ここ(甲子園)じゃなかったらホームランになってるやろうし、他の(打席)も良いポイントで振れている」と評価。オープン戦の連続試合安打は「3」でストップしたが、収穫はあった。

◆阪神井上一樹ヘッドコーチ(50)は、大山悠輔内野手(27)に打席に立たせて復調を促す方針を示した。 キャンプ実戦は打率2割9分2厘と好調だったが、オープン戦は「6番左翼」で出たこの日を含めて4試合で15打数無安打。「数(打席)を与えてやった方がいいか、休み休みというようなものとどっちがいいのか考えた時に、少しでも与えた方がいい」。キャンプから低空飛行が続くロハスについても同じ方針で、この日も4打席立った。

◆阪神小野泰己投手が1回を3者連続三振で、勝利の方程式入りをアピールした。 5回に2番手で登板。最速152キロの直球を軸にスライダー、フォークを駆使し、武藤、安田、黒川から全て空振りで奪った。2、3個目の三振に納得がいかなかったようで「もっと自分の意図した投球で抑えられるようにやっていきたい」と引き締めた。矢野監督は「空振りもしっかり取って、真っすぐでも押し込むことができた投球だった」と内容を評価。最速157キロを誇る右腕に「1つかみ合えば勝ちパターンに入ってくるような能力を持っているので。自信を持ってどんどんいってくれたら」と後押しした。現状で勝ちパターンの継投は定まっていない。手薄のブルペン陣の救世主となるため、快投を続けていく。

◆3・26ヤクルト戦へ、評価は不変だ。阪神藤浪晋太郎投手(27)が、楽天とのオープン戦(甲子園)で苦戦した。左打者9人を並べられて4回5失点(自責4)。それでも矢野監督から「全体的には悪くない」と及第点を与えられ、有力視される開幕2戦目の先発マウンドへ、また1歩前進した。数字に揺さぶられない信頼度が明らかになった。左打者9人を並べた楽天打線を相手に、4イニングで100球を要した。5三振を奪いながら7安打2四球で5失点。先発6番手争いで足踏みかとも思われたマウンドの後、指揮官は「全体的には悪くない。バランスも悪くない」と藤浪に及第点を与えた。1回は自らの失策で傷口を広げた。無死一、二塁、3番山崎の犠打を丁寧にいきすぎたのかファンブル。無死満塁から一ゴロ野選、適時打、押し出し四球で3点を先制された。ただ、5番銀次の中前適時打は詰まらせたもの。押し出し四球も3ボールから5球連続でストライクを投じた末の粘り負けだ。制球面でドタバタ崩れた形ではなかった。3回には甘く入った直球を痛打され、3安打を集められて2失点。「気持ち良く振られたというか、相手のリズムで打たせてしまった。変化球、スプリットの反応だったりがちょっと悪かった。もう少し外のカットボールとかツーシームとかも広く使えれば良かった」。本人は登板後に猛省したが、首脳陣の信頼は簡単には崩れない。2月は実戦4試合登板で計10回を2失点。キャンプ投手MVPにも選ばれた。ドラフト3位桐敷との先発6番手争いで大きくリードする立場に変化はなさそうだ。指揮官は長いシーズンを見据えた上で「後ろにファウルが飛ぶとか、空振りを真っすぐで取れるとか、そういうものも必要」とさらなる向上に期待する。現状、開幕2戦目となる26日ヤクルト戦での先発が有力視される立場。もちろん、もう1度状態を上げていく必要がある。「もう少し精度よく入れればと思います。相手のスイングをさせすぎているので、もうちょっと相手の嫌がるピッチングというか...いろいろ工夫してやっていければと思います」。次回こそ、開幕ローテ入りに当確ランプをともす。【佐井陽介】

◆近本に代わり1番に入った島田海吏外野手(26)が、4打数2安打1盗塁、1得点で起用に応えた。2打席凡退したが「後半は内容が良かった」と6回に左翼へ二塁打を放つと、8回1死二塁では右前打でチャンスを拡大し、直後にすかさず二盗成功。3番近本の中前適時打につなげた。 今季初めて1番島田、3番近本で打線を組み、その2人が得点を生んだ。矢野監督は「今日みたいに(島田が)1番に入れるぐらいになってくれば、チカ(近本)の3番はいけると思っている。相手にとっても足もあるし嫌なものになる打線になってくれる」と今後も試していく可能性を示唆。「評価は上がるような2本のヒット。こういう感じでいってくれれば面白い存在になる」と結果を残したリードオフマンをたたえ、近本についても「1でも3でもチカらしさは出る」と変わらない信頼を口にした。昨季は島田が1番で8試合、近本が3番で6試合に先発し、うち「1番島田、3番近本」では5戦無敗だった。昨季最多安打男を3番に据えることができれば、この日5番マルテ、6番大山と並べたように中軸以降の厚みが増す。島田は「『塁に出すと嫌だな』と思わせる打者になっていかないと。3、4打席目のような打撃を1打席目からして、もっといやらしいバッターになれるように」と虎視眈々(たんたん)と「開幕1番」を狙う。プロ5年目の背番号53が、今季オーダーに幅を持たせるキーマンになるかもしれない。【中野椋】

◆楽天松井裕樹投手(26)が、オープン戦初登板した。 5点リードの5回に2番手としてマウンドへ。1イニングを投げ、無安打2奪三振無失点と打者3人で封じたが、納得はしていなかった。1死走者なしでカウント0-2、阪神坂本を高めのフォークで空振り三振に仕留めたが、天を仰いだ。「抜けてしまったボール。シーズンになったらミスショットはしてくれないボールだったと思う。次回までに修正しなければダメですね」と反省していた。

◆楽天銀次内野手(34)が、1回から仕事を果たした。「5番DH」で先発すると、無死満塁で第1打席を迎えた。フルカウントから阪神藤浪の内角155キロ直球を振り抜き、中前へ適時打を放った。 3回先頭での第2打席も中前打を放ち、2安打1打点。「速いボールの対応、2ストライクに追い込まれてからの対応というのはいい感じでできたと思う」と充実した表情を浮かべた。4日夜には、宿舎の食事会場で佐竹守備走塁コーチから、バットを縦に振るイメージを持つようアドバイスを受けた。無意識に横振りへと変わっていたスイングを修正。すぐに試合で結果に結びつき、「佐竹コーチありがとうございます」と感謝していた。

◆楽天岸孝之投手(37)が、順調に段階を踏んでいる。中6日で阪神戦に先発し、4回1安打無失点と好投。1回1死から糸原に右前打を許しただけで、2回以降は阪神打線をシャットアウト。「真っすぐは、高さは置いといてコースに前回よりはちゃんと投げられた」。直球を軸に変化球をちりばめる投球。4回2死では、カウント2-2から大山を外角いっぱいの見逃し三振に打ち取った。「今日一番いいところに決まってくれた」といいイメージでマウンドを降りた。 前回登板の2月26日ヤクルト戦(浦添)は3回を34球で無失点。この日は61球。開幕へ向け、少しずつ球数を増やしていく方針。「バッターとの対戦をもっともっと重ねていけたらなと思う。その中で課題が見つかれば、また取り組んでいきたい」と先を見据えた。

◆開幕1軍をかけたサバイバルが激しくなってきた。楽天は若手たちの活躍で打ち勝った。1回無死満塁で4番に入った渡辺佳がカウント1-2から低めのスプリットをたたきつけ、一塁野選を誘って先制。3回無死一塁で小郷が右中間へ適時三塁打を放ち、山崎も6回1死一、二塁で左翼へ2点適時三塁打。黒川も2打点を挙げ、アピール合戦となった。 一塁手で途中出場した和田は2打数2安打。「(一塁手の)銀次さんも大地さんも2安打打っているので僕も頑張ろうと。静岡から戻ってくる人もいると思うので大変。頑張ります」と引き締めていた。チームが静岡に拠点を置く7日から16日までに、主力たちが一気に集結する。左肩痛の浅村、昨年ヘルニアの手術を受けた茂木、一塁や外野での起用が見込まれる新外国人のギッテンス、マルモレホスが合流する見込み。石井一久GM兼監督(48)は、生き残りをめぐる競争に「絞っても水分が出ないような強さを持って」と独特な表現でエール。「しっかりと1軍のピッチャーに、常にファイトしてくれるような選手は大事」と闘争心をかき立てた。この日は遊撃が本職の山崎が左翼で先発。正遊撃手争いを繰り広げる小深田も、外野の守備につくこともある。渡辺佳、和田でユーティリティーさを発揮。若手たちが必死にもがいて活路を見いだしている。指揮官はその頑張りを認めた上で「今いる人たちみんな入れてあげたいが、入れないというのも現実」。優勝へ向けて他球団と戦う前の、チーム内での争いに目を光らせていた。【湯本勝大】

◆中継ぎに再転向した阪神及川は、2回1安打無失点と好投した。8回から4番手で登板。先頭村林を1球で三ゴロに仕留めた後、続く和田には左前打を許したが、山崎を遊ゴロで二塁封殺。最後はマーキを直球で二ゴロに打ち取った。9回も3者凡退と危なげない投球で「内容としても結構いい内容で投げられた」と振り返った。

◆開幕ローテーション入りを目指す阪神・藤浪晋太郎投手(27)が先発したが、4回で100球を要し、7安打5失点(自責4)と結果を残せず。確定ランプは灯せなかった。一回、小深田、鈴木に連打を浴びると、山崎剛のバントした打球を藤浪がファンブル(失策)し、満塁。続く渡辺佳の一ゴロを処理したマルテの本塁送球が野選となり先制を許すと、銀次に中前適時打。小郷には押し出しの四球を与えて、いきなり3失点した。三回には、追加点を奪われた。先頭の銀次に中前打を許し、小郷には右中間を破られ、適時三塁打。黒川にも右前適時打を浴びて2失点。四回は三者凡退に抑えた。藤浪は、この試合前まで実戦は4試合で、防御率1・80と安定した投球をみせていたが、この日は課題としている制球が安定しなかった。

◆阪神は楽天に大敗した。先発した藤浪晋太郎投手(27)は一回、連打と自らの失策でいきなり無死満塁のピンチを背負うと、渡辺佳の打球を一塁手・マルテが野選。銀次に中前打、小郷に押し出し四球と3失点の立ち上がりとなった。三回にも2失点した藤浪は4回で100球を要し、7安打5失点(自責4)。結果を残せず、開幕ローテ入りの確定ランプは灯せなかった。打線も5安打2得点と元気なし。それでもこの日、今年の実戦で初めて近本光司外野手(27)を「3番」で起用。代わって島田海吏外野手(26)を「1番・右翼」に置いた。矢野監督が「あいつ(島田)がグッと出てくると、近本3番とかもあり得る」と話していた新プランだった。0-8の八回は1死一塁から、期待の島田が右前打で好機拡大。すかさず二盗して二、三塁とするとm糸原の一ゴロで1点を返し、さらに3番・近本が中前適時打。島田をホームへとかえすなど、新プランが結果を出す形となった。

◆楽天の岸は伸びのある直球を軸に4回1安打無失点と好投した。銀次は速球に振り負けず2安打1打点。阪神の藤浪は制球がばらつき、4回7安打5失点と崩れた。島田は2安打1盗塁で、1番打者の働きを示した。

◆楽天の岸は制球良く4回1安打無失点と好投した。三回以降はスライダーの割合を増やして打者に的を絞らせず、走者を許さない。四回2死では大山を外角の142キロの直球で見逃し三振に仕留めた。「きょう一番いいところに決まってくれた」と、イメージ良く61球で投げ終えた。実戦初登板だった2月26日のヤクルト戦では3回を完璧に抑えており、得点をまだ与えてない。「前回に比べたら真っすぐが特に良かった。コースにちゃんと投げ分けられた」と手応えを深めた。

◆阪神は先発・藤浪晋太郎投手(27)が4回7安打5失点(自責4)の乱調で、完敗した。試合後の矢野耀大監督(53)の主な一問一答は以下の通り。ーー藤浪は?「全体的には悪くないと思う。晋太郎がどう、受け取るか。悪くなかった、で終わらせていると、勝つところには行きにくくなるんで。真っすぐがもうちょっと。スピードは155キロとか出てる。でもバッターの反応を見ていれば、後ろにファウルが飛ぶとか、空振りを取れるとか。そういうものが必要なのかなと思っている。全体的にバランスも悪くないし、いい意味で考えたら球数(100球)もしっかり投げられた」ーー打順を組み替えた中で1番・島田が2安打「中身がしっかりあった打撃。評価としては上がるような2本のヒットやったと思う」ーー1番に入ると近本の打順などに幅も出る「チカの代わりに島田なりが入ってくれないと、チカが3(番)っていうのは使いにくくなってしまう。島田が入ってくれたら、そういう打順も組める」ーー近本はクリーンアップとしての魅力も「クリーンアップの魅力というか、チカは1でも3でもいけると思う。1だから、3だからと何かが変わる必要はないと思ってる。3番でも積極的に今まで通りいってくれたらいい。かえすことを極端に意識することなく自分のバッティングしてもらえれば、かえすバッティングにもなるし、チャンスを広げることにもなる」ーー6日予定のガンケルは?「こないだピッチングやったけど、張りがある感じやったから、桐敷でいこうかなと思う」ーー様子見ていく「一旦、間隔をあけてできそうな感じだったんだけど、投げてみて違和感がスッキリしてなかったんで」ーー1軍に置いて「ファームはあんな感じなんで、行けっていうこともないし、そこまで悪いとは思ってないんだけど、この前は投げる動作の中で気になる感じやったから」

◆楽天の銀次が藤浪の150キロ台の速球を捉え、2安打1打点をマークした。一回に中前へ適時打。「まずは三振しないことを頭に入れた。対応はいい感じでできた」と満足げ。三回も中前に運んだ。4日夜に佐竹外野守備走塁コーチからバットの振り方を助言されたという。「横に振るのではなくて縦に振っていくイメージ。その通りに打ったら打てた」と感謝した。昨季は35試合の出場に終わった。「きょうみたいな打席だとしっかり勝負していける」と、巻き返しへの思いを込めた。

◆2番手で五回のマウンドに上がった阪神・小野が圧巻の3者連続空振り三振で楽天打線をねじ伏せた。「1つ目の三振は自分でも思い通りの球が投げられたと思いますが、2つ目はフォークが落ち切っていなかったし、3つ目もボール球を振ってくれての三振だった」先頭の武藤を138キロスライダーで料理。安田もフォークで空振りに仕留めると、最後は黒川を150キロで封じた。2018年に7勝(7敗)をあげた右腕は、昨季12試合の登板で防御率7・98。今季から背番号は「98」に変わった。能力はピカイチ。だからこそ、矢野監督は「一つかみ合えば、勝ちパターンにも入ってくる。自信を持ってどんどんいってくれたら」と期待した。今季は中継ぎ右腕として、4日に3回1安打無失点と好投した小川らと開幕1軍生き残りを争う。小野は「もっと自分の意図した投球で抑えられるようにやっていきたい」とさらなるアピールを誓った。(原田遼太郎)

◆2022年、虎の新オプションや!! 阪神は5日、楽天とのオープン戦(甲子園)に2-8で敗れたが、「1番・右翼」の島田海吏外野手(26)が2安打1盗塁、「3番・中堅」の近本光司外野手(27)が1安打1打点をマーク。矢野燿大監督(53)は機動力アップを見込んだ快足コンビに手応えを示した。相手を惑わす〝足攻め〟で、あっという間に得点を奪う。虎の韋駄天のスピードメーターが、プレーボールの合図と同時に振り切れる。「1番・島田」「3番・近本」の快足コンビが機動力をいかし、相手バッテリーを震え上がらせる。2022年の虎の新オプション構想を矢野監督が明かした。「島田が(1番に)入ってくれたら、そういう打順も組めるんで。相手にとっても足もあるし、嫌なものになる打線になってくれるかな」大敗のなかで、〝足攻め〟という新たな攻撃パターンの輪郭が浮かび上がったのは八回だ。1死二塁から島田が右前打でつなぎ、二盗に成功。1死二、三塁となり、糸原の一ゴロの間に三塁に進むと、近本の中前適時打で2点目のホームを踏んだ。2月27日のヤクルト戦(浦添)に続き、1番で起用された試合はこれで2戦連続マルチ安打。50メートル5秒75を誇り、昨季は57試合で8盗塁を決めた。今春キャンプから打撃力も着々と向上中で「もっと嫌らしい打者になれるようにやっていきたい」と力を込め、指揮官も「中身がしっかりあった打撃。球数を投げさせるとか、そういうこともできている。こういう感じでいってくれれば面白い存在になる」と目を細めた。背番号53が1番に定着し、昨季30盗塁でタイトル獲得の中野が万全の状態で復帰して2番を務め、そして3番に近本が入れば、一瞬で点が奪える〝快足トリオ〟が完成する。セ・リーグ随一の機動力に加え、昨季チームトップの打率・313をマークした近本の打撃の安定感が得点につながれば、虎の新たなストロングポイントになる。矢野監督は「チカ(近本)は1番でも3番でもいけると思う」と適性を分析し、「3番でも積極的に今まで通りいってくれたらいい。出ること、かえすことを極端に意識することなく自分の打撃をしてもらえればかえす打撃になるし、チャンスを広げることにもなる」と期待した。チームは2021年に12球団トップの114盗塁を決めただけに、この強みを生かさない手はない。島田も新打順のキーマンとして猛アピールを続けていく。目にもとまらぬ速さで、試合の主導権をがっちりつかむ。(新里公章)

◆支配的ピッチから一転...。阪神・藤浪晋太郎投手(27)が5日、楽天とのオープン戦(甲子園)に先発し、4回7安打5失点の乱調だった。2月27日のヤクルト戦(浦添)では2回無失点の好投で「支配的な投球ができた」と手応えを語っていたが、好調を維持できず。開幕ローテ入りを確実なものにしたいところでまた一歩足踏みとなった。1個のアウトがなかなか奪えない。球数が増え、時計の針も進むにつれて不穏な空気が漂う。沖縄で好投を続けていた藤浪が、今年初の甲子園のマウンドでまさかの5失点。開幕ローテ入りを確実にしたい一戦で課題が噴出した。「調子自体はすごく悪いわけではなかったけど、気持ち良く振られたというか、相手のリズムで打たせてしまった」一回、連打でいきなり無死一、二塁とされると、山崎の犠打を捕球し損ねて満塁に。続く4番・渡辺佳のゴロを処理した一塁手・マルテの本塁送球が野選となり、先制点を献上。直後に銀次に適時打を浴び、なおも無死満塁で小郷には押し出し四球。後続は断ったが、1イニングで計21分間の猛攻を食らった。スタメン野手9人全員が左打者(田中和は両打ち)だった楽天打線に対し、制球が定まらず、カウントを悪くして痛打される場面が目立った。「もうちょっと外のカットとかツーシームとかを広く使えればよかった」。26日のヤクルトとの開幕2戦目(京セラ)の先発有力候補だが、自身のミスと四球も絡み、4回7安打5失点で100球を要した。前回2月27日のヤクルト戦(浦添)では2回零封2奪三振の快投。「支配的な投球ができた」と自画自賛の出来だっただけに、それを今回も継続したかった。この日の最速は157キロだったが、「変化球、スプリットの反応だったりがちょっと悪かった。立ち上がりにカウント負けしているか、(課題は)いろんなところだと思うので修正したい」と反省。矢野監督は「ボール自体がすごく悪いってことはない」と話しつつも「そのなかで(藤浪)晋太郎自身がどう受け取るか。スピードは出ている。でも後ろにファウルが飛ぶとか、空振りを真っすぐで取れるとか、そういうものが出てくるのは必要」と1軍で勝つための宿題を挙げた。「相手のスイングをさせ過ぎてしまっているので、もうちょっと相手の嫌がるピッチングというか、いろいろ工夫してやっていければ」と藤浪。2月の実戦4試合(紅白戦を含む)で防御率1・80(10回2失点)とアピールし、2年連続でキャンプMVPにも選ばれた男がここで終わるわけにはいかない。次回は挽回の投球をして開幕ローテを手中に収める。(織原祥平)

◆2試合連続で「4番」に座った佐藤輝は4打数無安打と快音を残すことはできなかった。それでも、四回の第2打席は右翼フェンス手前まで運ぶ大飛球。中身のある打席に、矢野監督は「輝(佐藤)はずっと状態いい感じで打っている。ここ(甲子園)じゃなかったらライトフライもホームランやろうし。他のも結果的にアウトだけど、いいポイントで振れている」とうなずいた。

◆「6番・左翼」で出場した大山は4打数無安打。2月20日の中日戦(宜野座)の第3打席で放った右前打を最後に「H」ランプをともしておらず、これで実戦18打席連続無安打となった。状態の上がらない主砲について、井上ヘッドは「シーズンを通してやってもらわないといけない選手でもありますから、ちょっと(打席)数立たせた方がいいねとなっている」と話した。

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<オープン戦順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(1↑)
ORIX
310 0.750
(↑0.083)
-
(↓1)
23
(+12)
9
(+1)
0
(-)
6
(+2)
0.312
(↑0.007)
1.750
(↑0.25)
1
(1↑)
楽天
310 0.750
(↑0.083)
0
(↓1)
19
(+8)
15
(+2)
0
(-)
2
(-)
0.218
(↑0.035
3.860
(↑0.64)
1
(1↑)
日本ハム
311 0.750
(↑0.083)
0
(↓1)
9
(+3)
8
(-)
3
(-)
2
(+1)
0.160
(↑0.009)
1.400
(↑0.35)
1
(-)
DeNA
311 0.750
(↓0.25)
0
(-)
23
(+1)
16
(+12)
4
(-)
5
(-)
0.327
(↓0.011)
3.200
(↓2.2)
5
(1↑)
ソフトバンク
320 0.600
(↑0.1)
0.5
(↓1)
16
(+1)
16
(-)
3
(-)
3
(-)
0.242
(↓0.014)
2.800
(↑0.7)
5
(1↑)
中日
320 0.600
(↑0.1)
0.5
(↓1)
20
(+5)
17
(+1)
4
(+1)
0
(-)
0.265
(↑0.011)
2.860
(↑0.48)
7
(5↓)
巨人
221 0.500
(↓0.167)
1
(-)
10
(-)
9
(+3)
6
(-)
0
(-)
0.174
(↓0.018)
1.430
(↑0.07)
8
(4↑)
西武
120 0.333
(↑0.333)
1.5
(↑1)
4
(+2)
9
(+1)
1
(+1)
1
(-)
0.161
(-)
2.880
(↑1.06)
9
(1↓)
阪神
130 0.250
(↓0.083)
2
(-)
13
(+2)
16
(+8)
2
(-)
5
(+1)
0.205
(↓0.017)
3.600
(↓1.18)
9
(1↓)
ロッテ
130 0.250
(↓0.083)
2
(-)
6
(-)
9
(+1)
0
(-)
3
(-)
0.195
(↓0.024)
1.910
(↑0.25)
9
(1↓)
ヤクルト
131 0.250
(↓0.083)
2
(-)
11
(+1)
16
(+5)
0
(-)
6
(-)
0.239
(↓0.011)
2.930
(↓0.62)
12
(1↓)
広島
140 0.200
(↓0.05)
2.5
(-)
9
(+1)
23
(+2)
3
(-)
1
(-)
0.205
(↓0.017)
4.710
(↑0.74)