ソフトバンク(☆1対0★)ロッテ =オープン戦2回戦(2022.03.05)・福岡PayPayドーム=
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ロッテ
0000000000300
ソフトバンク
00000010X1510
勝利投手:藤井 皓哉(1勝0敗0S)
(セーブ:森 唯斗(0勝0敗1S))
敗戦投手:山本 大貴(0勝1敗0S)
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◆ソフトバンクは、先発・東浜が5回1安打無失点。シーズン開幕に向けて、順調な仕上がりを披露した。一方のロッテは、先発・佐々木朗が5回無失点9奪三振の好投。力強い投球で、状態の良さをアピールした。

◆4日ロッテ戦前の早出練習中、首に打球を受けて負傷していたソフトバンク野村大樹内野手(21)が、全体練習に合流した。【ソフトバンク関連記事一覧】はこちら 福岡市内の病院で精密検査を受け、前頸部(けいぶ)打撲との診断を受けていたが、この日は元気な姿でグラウンドへ。フリー打撃も問題なくこなしていた。藤本監督は「大丈夫ですよ。今日は代打で出る予定にしています」と話した。野村大は6日まで1軍に同行し、8、9日は2軍の教育リーグ中日戦(タマスタ筑後)に打席数の確保のため出場する。

◆ロッテ佐々木朗希投手(20)が5回2安打無失点9奪三振の快投を見せた。最速は自己タイの163キロをマーク。開幕に向けて順調に段階を踏んだ。【スコア】 2回、中村晃から空振り三振を奪った球が163キロを表示した。長いイニングを投げる指示があった中でも、安定して160キロを超える。佐々木朗のすごみが前面に出た。この試合最初の1球は160キロ。そこから161キロ、162キロと上げていった。立ち上がりの1回に投げた直球は7球すべてが160キロ超え。5イニング連続で160キロ以上をマークする安定した内容だった。1回には三森から三振を奪ったフォークですら149キロの高速表示。帽子を飛ばし黒髪をなびかせながら、躍動感あふれるフォームと規格外のスピードでソフトバンク打線を封じ込めた。試合前、いつも通りの念入りな柔軟から入った。ソフトバンクの打撃練習を見ながら、三塁側ファウルゾーンでまず下半身をほぐす。大きく股を広げ、股関節の可動域を確かめるようにストレッチを繰り返す。柳田が練習の打席に立ったころから上半身の柔軟に移行し、時折、特大の打球を目で追った。入念な準備が、快速球を支える。この日の登板を前に「さまざまなシチュエーションがあると思うので、いろいろ試していけたらと思います」と話した。2月26日の西武戦では3回を完全投球。しかも7つが三振という内容。ぜいたくな悩みだが、走者を置いた状況などでの登板がかなわなかった。開幕に向けてクイックモーションや塁状況に応じた打球処理など、チェックしておきたい項目がいくつかあった。3回、先頭のリチャードに中前打を許すと、自己テストの機会を得た。けん制のそぶりなどで走者を封じながら、打者・川瀬にはバントのバットすら空を切る159キロの強い直球を投げ込んだ。追い込んでからの145キロフォークでファウルを誘いスリーバント失敗。そこから3者連続三振で切り抜けた。4回、先頭の三森を四球で出しても、2度のけん制と投球間隔を変える工夫で簡単にはスタートを切らさなかった。結局、盗塁死で走者がなくなると、後続の柳田、グラシアルを連続三振に仕留めた。昨年のオープン戦はZOZOマリンでの中日戦に1イニング投げただけだった。今季の佐々木朗は準備段階からして明らかに違う。1軍のローテーション投手として戦える形でシーズン開幕が迎えられそうだ。

◆ロッテ井口資仁監督が若いバッテリーをシーズンでも組ませる考えを明かした。 佐々木朗希投手と組んだドラフト1位松川虎生捕手(18=市和歌山)について「しっかりリードしてくれてますし、フォークだったりスライダーもしっかり止めている。そういう意味では相性もばっちりいってるんじゃないかなと思います」と評価し、シーズン中も組ませたいか? という問いに「今の状況だとそうなるんじゃないですかね。はい」とこたえた。

◆ソフトバンク打線はロッテ佐々木朗希投手(20)に、ほとんど手も足も出なかった。 2回までは1人の走者を出すこともできず。3回は無死でリチャードが161キロ直球をはじき返し中前打を放ったが、続く川瀬が3バント失敗するなど、3者連続三振で走者を二塁に進められなかった。4回無死で三森が四球を選ぶも、盗塁死。5回は2死二塁と、この日初めて得点圏の場面を作ったが、川瀬が二ゴロに倒れ5回2安打無得点に抑え込まれた。藤本博史監督(58)は「良かったね、やっぱりね。三振9個かな。考えないといけないですね。打てないままで終わってしまったらプロじゃないんでね。今度はシーズンに入ってからだと思うけど、当たったときになんとかね。球数を投げさせるとか、攻略法を考えてやっていきたいと思います」と話し、シーズン中も対戦する難敵に警戒心を強めた。

◆4日の練習で首に打球を受けて負傷していたソフトバンク野村大樹内野手(21)が、5日のロッテ戦で代打出場した。 7回2死一、三塁の好機で打席へ。中飛に終わったが鋭い打球を放ち、万全をアピールした。今後は6日まで1軍に同行し、8、9日は2軍の教育リーグ中日戦(タマスタ筑後)に打席数の確保のため出場する。

◆ソフトバンク守護神の森唯斗投手(30)が今季初実戦で初セーブを手にした。 1-0の9回に登板し、1回1安打無失点。直球の最速は141キロだった。右前腕部の張りで調整が遅れていたが「今日投げても全然問題なかったです」とホっとした様子。開幕まで3週間を切り「あまり時間がないと思うので、1日1日大事にしていきたい」と気を引き締めた。

◆ソフトバンクはロッテ先発佐々木朗に5回2安打無得点と抑え込まれたが、後続投手から相手ミスなどで1点を奪い勝利。藤本博史監督(58)の試合後の一問一答は以下の通り。 -佐々木朗に抑えられた藤本監督 良かったね、やっぱりね。今日は5回で三振9個かな。考えないといけないですね。打てないままで終わってしまったらプロじゃないんでね。今度はシーズンに入ってからだと思うけど、当たったときになんとかね。球数を投げさせるとか、攻略法を考えて挑んでいきたいと思います。いいピッチャーですよね。-リチャードが佐々木から安打藤本監督 力と力の勝負で、佐々木も真っすぐ投げてくれてね。ちょっと刺されとったけどね。あのヒット1本で気分が変わってくれたらいいですけどね。-クイックなどもうまい藤本監督 どんなけん制するのかなって大きくリードを取ってみたりしたんですけどね。クイックもなかなか早いですね。-この時期に対戦できたのはプラス藤本監督 そうですね。ビデオで見た限りでは遅い球を投げるのが下手なんじゃないかなと思うんですけどね。バント処理とかね。そのへんは研究しながら。相手の弱点を突いていかないとね。-東浜が好投藤本監督 佐々木につられるようにね。東浜の方が年上で実績もあるんやけどね。まあ負けずに一生懸命投げて、いい球投げてくれてたと思いますよ。キャンプからずっと順調にきてるんじゃないかなと思います。-森が初実戦藤本監督 まだもう少しスピードが上がってもらわないとね。ちょっと登板を回避してて、初めてのマウンドやからね。こんなもんかなという感じやね。ひとつクリアしたということで、あとはスピードを出してもらって。きれは良かったと思うけどね。これからもっと良くなると思います。-松田を代打で起用藤本監督 みんなそれぞれまだポジションがわからないのでね。マッチも代打あるかもわからないし。スタメンで出てるかもわからない。そういうケースをいろいろ、できる限りやっていこうかなと思っています。-代打適性は藤本監督 今年の場合は松田はいつもより、右方向を意識してくれているのでね。今日もいい感じで打っているし、引っ張りにいかなかったら代打でもいけるんじゃないかな。(代打候補の)野村大も、追い込まれてからの方が芯で捉えるのがうまいですからね。そのへんは適性を見ようかなと思います。-藤井の投球について藤本監督 今日が一番悪かったんじゃないですか。いい日もあれば悪い日もある。次回はもっといい投球を見たいですね。

◆ソフトバンク・リチャード内野手が「グラバット」で怪物撃ちだ。 3回先頭にロッテ佐々木朗の161キロを中前に運んだ。今季は自分のバットが折れまくり、メーカーも発注が追いついていない状況だったが「みんなが寄付してくれて7~8本に増えました。今宮さん、栗原さん、グラシアル、井上、谷川原さんとか...。(安打の打席は)グラシアルのです!」と笑顔。しかしその後の第2打席で「グラバット」を折ってしまい「また1本減りました...」と頭をかいた。

◆ソフトバンク東浜巨投手(31)が今季の本拠地初登板となったロッテ戦で5回1安打無失点の好投。すでにローテーション入りが内定している右腕が、先発濃厚な開幕2戦目、3月26日日本ハム戦(ペイペイドーム)に向けて順調な姿を披露した。 序盤は直球を中心とした配球で押した。初回は味方失策も絡んで1死一、三塁のピンチを背負ったが、4番山口、5番池田を連続三振で無失点。中盤からはスライダー、シンカーを軸に切り替え、3回以降1人の走者も出すことなく、危なげない投球だった。「ぼくの組み立てとしては全部の球種を使わないといけない。イニングを重ねていく感覚を思い出しながら投げたという感じですかね」。今季最長5イニングを有効に使い、本番を見据えた。早くから東浜に開幕ローテーションを託している藤本監督も「キャンプからずっと順調にきてるんじゃないかな」。オープン戦では前回登板の2月26日オリックス戦でも3回無安打無失点と好投しており、昨季4勝からの巻き返しを感じさせる調整ぶりだ。相手先発のロッテ佐々木朗の投球には、目を奪われた。「びっくりしすぎて言葉が出なかったですね。平均で160キロくらいでしょ。『勝てんな、これ』と思いました。(自分も)つられて良かったんじゃないですかね。末恐ろしいなと感じましたね」。この日最速149キロだった東浜は自虐的に笑いながらも、マウンドではプロ10年目の貫禄を見せた。【山本大地】

◆ロッテ佐々木朗希投手(20)が160キロ台を連発した。ソフトバンクとのオープン戦に先発し5回2安打9奪三振で無失点。36球投げた直球は、自己最速タイの163キロを含む23球が160キロを超え、平均球速160・1キロをマークした。フォークもこれまでの自己最速だった146キロを上回る149キロを計測。メジャーでも難攻不落の球の1つに挙げられるエンゼルス大谷翔平投手(27)と類似した球速帯を駆使して快投し、今季の大ブレークを予感させた。 初球からの160キロに球場がどよめいた。速い。佐々木朗は161キロ、162キロと連発しソフトバンク打線を押し込んだ。2回2死、中村晃を空振り三振に仕留めた球は外角低めの163キロ。初回の7連続をはじめ直球の64%が160キロオーバー。規格外のスピードで驚かせ、登板後「内容はあまり良くなかった」と言って、さらに驚かせた。「163キロ出たのは良かったですが、質だったりとか。その球自体は良かったのですが、全体的なコントロールをもっとよくしていきたいと思う」と反省の弁を並べた。だが、明らかに排気量が上がっている。160キロを超える球は高校時代に4球。先月の日本ハムとの練習試合で16球を記録していたが、この日だけで23球。フォークでも1回の三森への149キロや4回の柳田への148キロなど、それまでの自己最速だった146キロを上回った。「いつもどおり普通に投げていた」という力の入れ具合でも球速は出てしまう。オフからキャンプも通しての取り組みとして、弱点を補う練習ではなく土台を強化することに努めてきた。「まんべんなくやりました」と体全体を強化。それが3年目の成果となって表れている。テーマに掲げていた走者を出した場面での投球もこなした。「けん制とか連係だったりとか経験できたので、そこに関しては前回、前々回よりは良かった」と開幕に向けて不安を解消している。大谷クラスの球速と抑えっぷりで頼もしさは日増しに。井口監督は開幕後の登板日について「ふっ(笑い)まだ決めてはいません。ある程度、決めてはいますけどね」とけむに巻き、次回は登板間隔を空けることを明言した。石川が投げると公表している開幕戦以外、どこにでも投げられる計算。「どの球団にとっても朗希は脅威になってくると思いますね」という言葉で、今季の活躍を予言した。【竹内智信】

◆ロッテ佐々木朗希投手(20)が160キロ台を連発した。ソフトバンクとのオープン戦に先発し5回2安打9奪三振で無失点。36球投げた直球は、自己最速タイの163キロを含む23球が160キロを超え、平均球速160・1キロをマークした。フォークもこれまでの自己最速だった146キロを上回る149キロを計測。メジャーでも難攻不落の球の1つに挙げられるエンゼルス大谷翔平投手(27)と類似した球速帯を駆使して快投し、今季の大ブレークを予感させた。ロッテ佐々木朗は1回、何度も帽子を飛ばした。なびく黒髪。2回からは「(サイズを)小さくしました。それでも最後の方はとれちゃったので、髪切ります」。帽子が脱げたのは髪の毛が伸びたから。裏返せば、散髪の余裕もないほど、充実したキャンプを送った証しでもある。ハードな練習をこなしながら、休日には宿舎の食堂で「おしゃれトースト」をつくった。あるときはトーストに南国のフルーツを乗せ、生クリームを添えた。また、あるときは砂糖と卵をつかったフレンチトースト風に。スイーツ男子となって気分転換した。伸びた髪も気にならないほど練習に打ち込み、心の充実を求めてオフは楽しんだ。そんなキャンプの成果が、いかんなく発揮されるのはここからだ。【野球デスク=竹内智信】

◆ロッテ佐々木朗希投手(20)が160キロ台を連発した。ソフトバンクとのオープン戦に先発し5回2安打9奪三振で無失点。36球投げた直球は、自己最速タイの163キロを含む23球が160キロを超え、平均球速160・1キロをマークした。フォークもこれまでの自己最速だった146キロを上回る149キロを計測。メジャーでも難攻不落の球の1つに挙げられるエンゼルス大谷翔平投手(27)と類似した球速帯を駆使して快投し、今季の大ブレークを予感させた。初球からの160キロに球場がどよめいた。速い。佐々木朗は161キロ、162キロと連発しソフトバンク打線を押し込んだ。2回2死、中村晃を空振り三振に仕留めた球は外角低めの163キロ。初回の7連続をはじめ直球の64%が160キロオーバー。規格外のスピードで驚かせ、登板後「内容はあまり良くなかった」と言って、さらに驚かせた。口をついたのは「163キロ出たのは良かったですが、質だったりとか。その球自体は良かったのですが、全体的なコントロールをもっとよくしていきたいと思う」という反省の弁だった。だが、明らかに排気量が上がっている。160キロを超える球は高校時代に4球。先月の日本ハムとの練習試合で16球を記録していたが、この日だけで23球。フォークでも1回の三森への149キロや4回の柳田への148キロなど、それまでの自己最速だった146キロを上回った。「いつもどおり普通に投げていた」という力の入れ具合でも球速は出てしまう。オフからキャンプも通しての取り組みとして、弱点を補う練習ではなく土台を強化することに務めてきた。「まんべんなくやりました」と体全体を強化。それが3年目の成果となって表れている。16本(バント失敗を含む)あったファウルは、変化球を含めて1本も引っ張られなかった。三森とリチャードのバットを折り、甲斐にも折れてるのでは? と疑わせた。カーブのストライクが入らず、緩急を使えなくても、速いと思っている相手の予測を上回り圧倒した。井口監督は開幕後の登板日について「ふっ(笑い)まだ決めてはいません。ある程度、決めてはいますけどね」とけむに巻き、次回は登板間隔を空けることを明言した。石川の先発を公表している開幕戦以外、どこにでも投げられる形になる。百戦錬磨の指揮官は「どの球団にとっても朗希は脅威になってくると思いますね」という言葉で、今季の活躍を予言した。【竹内智信】?◆昨季の大谷の投球 「スタットキャスト」によると、直球の平均球速は95・6マイル(約154キロ)で、最速は4月4日ホワイトソックス戦でマークした101・1マイル(約163キロ)。スプリットの平均球速は88・2マイル(142キロ)で、93マイル(約150キロ)もマーク。被打率0割8分7厘(127打数11安打)、被本塁打0の球種で、77三振の結果球となった。MLB公式サイトではデータ分析担当のアドラー氏が「最も打たれない球種」として挙げた。球種の割合は、全2027球のうち直球が895球(44・2%)スライダーが442球(21・8%)スプリットが371球(18・3%)カットボールが247球(12・2%)カーブが72球(3・6%)だった。

◆藤本博史監督(58)が試合前に代表取材に応じた。新戦力のフレディ・ガルビス内野手(32)を含めた競争の現状について、考えを明かした。「センターもセカンドもショートも、サードとも。なかなかリチャードも(状態)上がってきてくれないので。マッチ(松田)が頑張っていますよね。今宮が2番に入ればバントで先取点を取ろうというケースも出てくる。2番にガルビスが入れば攻撃型のオーダーもできるし、誰がレギュラーになるのかわからない状態です」右投げ両打ちで米大リーグ通算109発のスラッガー。二遊間、三塁を守る新戦力は4日に来日したことが発表された。9日に入団会見を行う予定で、11日からのヤクルト戦(神宮)で指揮官も「本人が代打でいきたいと言えば、1打席あるくらい。こっちは出場は考えていない」と予定を明かした。すでにガルビスの映像も確認している指揮官。遊撃競争の先頭を走っている今宮の存在を踏まえながら「今宮が状態いいならガルビスがサード、セカンドもできる。映像だけなら日本向きじゃないかな」と早速、起用のオプションを明かした。またダイエーの現役時代にチームメートで、在籍3年で67本塁打を放ったトニー・バナザードと比較して「それより、いいんじゃない? 長打はわからないけど、確率(打率)的にはそれよりやるんじゃないかなという雰囲気がある」と期待した。バナザードは3年間で通算打率・289だったが、ガルビスにさまざまな期待がかかる。

◆ソフトバンク・東浜巨投手(31)が先発し、5回1安打無失点と好投。76球で6三振を奪った。「真っすぐの力自体はあったと思います。しっかりファウル、空振り、見逃しが取れて。僕のピッチングはそこが生命線だと思うので。あとは右(打者へ)の外のラインが出てきたらいい状態じゃないかなと思います」一回先頭、高部の打球を左翼・グラシアルが失策。いきなり無死二塁となり、その後、1死一、三塁となった。ここで4番・山口、池田と直球で連続三振に仕留めた。二回2死から菅野に左前打を浴びたが、二塁を狙った打者走者を左翼・グラシアルが好返球でアウトに。被安打はこの1本のみ。三回から五回は三者凡退と尻上がりに調子を上げていった。「球数も増えて、シーズン同様になってくると思っていた。より、まとめるじゃないですけど」と、シーズンさながらの緊張感を持って、しっかりと結果で応えてみせた。相手先発は佐々木朗で同じく5回無失点。160キロ台の直球を連発する剛腕と投げ合った。「びっくりしすぎて言葉が出なかった」と開口一番。続けて「つられて(自分も)よかったんじゃないですか。それくらい試合を支配していました。末恐ろしいとは感じました。すごい選手が出てきた」と驚きの表情だった。

◆ソフトバンクは東浜が5回1安打無失点と順調な調整ぶり。今季初実戦に臨んだ森は、九回を1安打無失点に封じた。ロッテは佐々木朗が5回2安打無失点で9奪三振。自己最速に並ぶ163キロをマークし、状態の良さを示した。

◆投手戦を制したソフトバンク・藤本博史監督(58)が代表取材に応じた。主な一問一答は以下の通り。--相手先発の佐々木朗は5回で無得点「よかったね、やっぱり。160キロが出て真ッシュー(直球の球速でシュート)しているって。三振は9個かな。ちょっと考えないといけないよね。打てないまま終わったらプロじゃないので。選手と打撃コーチと話してもらって。球数を投げさせるとか、攻略法を考えて挑んでいきたいです」--リチャードが三回無死で161キロを中前に弾き返した「力と力の勝負で、佐々木も真っすぐを投げてくれた。ちょっと詰まっていたけど、あのヒット1本で気分も変わってくれたら」--直球とフォークの投手でいえば監督の現役時代だと野茂(元近鉄など)がいた「またタイプが違う。野茂はトルネードでもっと上からくるタイプ。佐々木も上からくるけど、ちょっと違うね」--クイックもうまかった「どんなけん制するかと、大きく(リード)取って走者が出たらいっていたんですけど。クイックも速いですね」(続けて)「ただ、ビデオで見た限りでは遅い球を投げるのが下手なんじゃないかという気はしますけど。バント処理とかね。軽く投げるのがあるかもしれませんね。相手の弱点をついていかないとね」--東浜も5回無失点「佐々木につられるようにね。東浜の方が年も実績も上やねんけど、負けじと、いい球投げていましたね。キャンプからずっと順調にきていると思います」--右前腕部の張りで遅れていた森が実戦初登板。1回無失点「もうちょっとスピードを上げてもらわないと。まだ141キロ、2キロがマックスやったかな。もうちょっと上がってくると思うので。初めてのマウンドだったので、こんなものかなと。切れはよかった気がするけどね」--八回1死一、二塁で代打・松田。彼の代打適性は「みんなそれぞれ、ポジションがわからないので。マッチ(松田)がスタメンで出るかもわからない。ただ今年の場合は松田は右方向を意識してくれている。きょうもちょっと先だったけどいい感じで打ってくれた。引っ張りにいかなかったら、代打もいけるんじゃないかな」

◆ソフトバンクのリチャード内野手(22)が三回無死、ロッテ先発・佐々木朗希投手(20)から中前打を放った。「スアレス(元ソフトバンク、阪神など)が一番速いと思っていたんですけど、余裕で、それより速かったです」161キロをライナー性で弾き返した。三回の攻撃前、長谷川打撃コーチを中心に円陣を組んだが先頭打者だったリチャードは参加できなかった。しかし、一塁ランナーコーチの本多内野守備走塁コーチが「『上からコンって言ってたぞ!』って。球が速いので、上からコンパクトにいけって言っていたのを聞いて」。チームとして決めた指針を、さっそく快音で応えてみせた。オープン戦は15打数3安打。苦しむ中でも前だけを向く〝ロマン砲〟だから、同僚も助けてくれる。バットを折ってしまうことが続き「今、自分のバットがないんです。メーカーにも待ってくれといわれていて」。そこで声を上げたのが元気印の松田だった。4日のロッテ戦後「『バットないんちゃう?』って松田さんが。声がみんなに聞こえるじゃないですか。そしたら『バットないの?』みたいになって、一気に7本、8本増えました。今宮さん、栗原さん、グラシアル、谷川原さん、井上...」と次々と同僚の名前を挙げていった。佐々木朗から中前打を放ったのはグラシアルのバット。第2打席の五回1死一塁ではバットをへし折られて一ゴロに終わり「打ったバットを次、折りました。また1本減りました」と〝オチ〟まで完璧だった。

◆ロッテ・佐々木朗希投手(20)が5日、ソフトバンクとのオープン戦(ペイペイドーム)に先発し5回2安打無失点、9奪三振の快投を見せた。球速は自己最速に並ぶ163キロを計測。〝敵陣営〟からも絶賛、驚嘆の声が相次ぐ圧巻の内容だった。いつでも開幕を迎えられるほど準備は万端。今季の公式戦初登板は、縁のある東北で26、27日に行われる楽天との開幕カード2試合(楽天生命パーク)のいずれかが濃厚になった。糸を引くような速球が外角を突く。二回2死。中村晃のバットが空を切ると、ビジョンに「163キロ」の文字が表示された。佐々木朗はグラブをポンとたたき、走ってベンチへ引き揚げた。「(球速が)出て良かったですが、球質や制球を良くしたいです。全体的に納得のいく球が少なかったです」自己最速163キロを12球団の本拠地球場で計測するのは、これが初めて。一回の全直球を含めて160キロ超えは実に23球。9三振を奪う圧巻の内容にも、本人は淡々としたものだった。敵地ペイペイドームでの登板はプロ入り後初。昨年6月24日のソフトバンク戦(ZOZOマリン)でソロを被弾した柳田とは2度対戦し、三ゴロ、空振り三振に仕留めて球界屈指のスラッガーにも借りを返した。 3年目の馬力アップを感じさせた。直球の平均球速は160・1キロ。フォークボールは最速149キロを計測し、柳田を三振に仕留めたフォークも148キロ。相手のバットを2度へし折るなど、まさに異次元だった。想定外の事態も乗り越えた。サラサラヘアが人生で最も〝ロン毛〟になっている影響からか、一回は投球後に帽子が飛びまくった。二回以降は帽子のサイズを小さくして対応し「それでも最後はとれたので、髪の毛を切ります」と吐露した。20歳の余裕たっぷりな投球に周囲からも称賛、驚嘆の声が相次いだ。バックネット裏で視察したオリックス・三輪隆スコアラーは「15勝挙げられると思います。15勝3、4敗くらいで確実に貯金をつくれる投手になる」。先発で投げ合った2017年の最多勝投手、ソフトバンク・東浜は「びっくりしすぎて言葉も出ない。末恐ろしい。すごい選手が出てきた」とうなった。試合後、井口監督も「誰の目にも抜群の投球に見えたのでは」と絶賛した。さらに、ここまで中6日で実戦登板していたが、次回は間隔を空ける方針を示唆した。開幕投手は石川に決まっており、順調に調整が進めば公式戦初登板は26、27日の楽天との開幕2、3試合目(楽天生命パーク)になることが濃厚だ。縁のある東北で迎えるXデーへ、岩手・陸前高田市出身の剛腕に死角は見当たらない。(広岡浩二)

DAZN

<オープン戦順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(1↑)
ORIX
310 0.750
(↑0.083)
-
(↓1)
23
(+12)
9
(+1)
0
(-)
6
(+2)
0.312
(↑0.007)
1.750
(↑0.25)
1
(1↑)
楽天
310 0.750
(↑0.083)
0
(↓1)
19
(+8)
15
(+2)
0
(-)
2
(-)
0.218
(↑0.035)
3.860
(↑0.64)
1
(1↑)
日本ハム
311 0.750
(↑0.083)
0
(↓1)
9
(+3)
8
(-)
3
(-)
2
(+1)
0.160
(↑0.009)
1.400
(↑0.35)
1
(-)
DeNA
311 0.750
(↓0.25)
0
(-)
23
(+1)
16
(+12)
4
(-)
5
(-)
0.327
(↓0.011)
3.200
(↓2.2)
5
(1↑)
ソフトバンク
320 0.600
(↑0.1)
0.5
(↓1)
16
(+1)
16
(-)
3
(-)
3
(-)
0.242
(↓0.014)
2.800
(↑0.7)
5
(1↑)
中日
320 0.600
(↑0.1)
0.5
(↓1)
20
(+5)
17
(+1)
4
(+1)
0
(-)
0.265
(↑0.011)
2.860
(↑0.48)
7
(5↓)
巨人
221 0.500
(↓0.167)
1
(-)
10
(-)
9
(+3)
6
(-)
0
(-)
0.174
(↓0.018)
1.430
(↑0.07)
8
(4↑)
西武
120 0.333
(↑0.333)
1.5
(↑1)
4
(+2)
9
(+1)
1
(+1)
1
(-)
0.161
(-)
2.880
(↑1.06)
9
(1↓)
阪神
130 0.250
(↓0.083)
2
(-)
13
(+2)
16
(+8)
2
(-)
5
(+1)
0.205
(↓0.017)
3.600
(↓1.18)
9
(1↓)
ロッテ
130 0.250
(↓0.083)
2
(-)
6
(-)
9
(+1)
0
(-)
3
(-)
0.195
(↓0.024)
1.910
(↑0.25)
9
(1↓)
ヤクルト
131 0.250
(↓0.083)
2
(-)
11
(+1)
16
(+5)
0
(-)
6
(-)
0.239
(↓0.011)
2.930
(↓0.62)
12
(1↓)
広島
140 0.200
(↓0.05)
2.5
(-)
9
(+1)
23
(+2)
3
(-)
1
(-)
0.205
(↓0.017)
4.710
(↑0.74)