阪神(★1対2☆)楽天 =オープン戦1回戦(2022.03.04)・阪神甲子園球場=
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楽天
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阪神
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勝利投手:則本 昂大(1勝0敗0S)
(セーブ:高田 孝一(0勝0敗1S))
敗戦投手:渡邉 雄大(0勝1敗0S)
  DAZN
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◆阪神は、先発・青柳が4回2安打無失点の好投。開幕投手の座を狙う右腕が、安定したピッチングを見せた。一方の楽天は、先発・則本が4回1失点、3番手・高田孝が4回無失点。両投手が開幕に向けて順調な調整ぶりを披露した。

◆楽天則本昂大投手(31)が、4日阪神戦(甲子園)に先発する。今季初実戦となった24日巨人戦(那覇)では、3回に一塁ベースカバーに入った際、右足首をひねり途中降板。炎症はあったが大事に至らず、中7日でのマウンドに上る。開幕投手の有力候補。「細かなフォームもそうだが微調整していくところはある。試合の中でしか感じられないものもあるので、試合で修正できたら」と意気込んだ。

◆開幕投手最有力の阪神青柳晃洋投手が、4日楽天戦に先発し、快投で矢野監督からの開幕決定を導き出す。 3日、甲子園でダッシュなどで調整した青柳は「どこで投げるかは本当に決まっていない」と話したが、開幕の25日ヤクルト戦の3週間前の試合の先発を任された。「楽天はいい打者がそろっている」。鈴木大や日本ハムから移籍の西川ら左の好打者が多いのも、青木や村上らが並ぶヤクルト戦へ向けてのいい予行練習となる。4イニングを投げる予定だ。開幕投手に立候補している今季は、キャンプから投球の幅を広げようと挑戦してきた。沖縄での実戦は3試合で5回1失点。昨季の投球の7割を占めたスライダーとツーシームを封印。昨季13勝で最多勝と最高勝率の2冠を取った配球を研究されても、その上をいくためにカーブ、シンカー、高め直球などで勝負する。楽天戦も2イニングは制限をかけてのマウンドにするつもりだが、捕手が得意球の今年の変化具合を把握するために投げる可能性もある。矢野監督は「ヤギ自身も結果も出していく投球になっていくと思う」と、本番モードへ仕上げていくことを期待した。【石橋隆雄】

◆さあ、4番バトル再開だ。阪神佐藤輝明内野手(22)が、今季初の甲子園での試合に臨む。3月初戦となる4日の楽天戦(甲子園)に4番で先発する見込みで、狙うは2年連続チーム甲子園1号。楽天の主力投手陣を相手に腕試しには絶好の機会で、大山との白熱の4番争い第2章が幕を開ける。佐藤輝はワクワクしていた。昨年11月7日のCSファーストステージ巨人戦以来、117日ぶりの甲子園での試合を前日に控え、「すごい楽しみです」と胸を躍らせた。2月8日の対外試合初戦、同26日のオープン戦初戦に続き、3月初戦も4番で起用される見込み。ド派手な22年甲子園初陣に期待がかかる。開幕まで残り13試合。自身の調整はもちろん、大山との4番争いでも1試合も無駄にできない日々が続く。その中でも背番号8は「今やってることをしっかり継続してやっていきたい」と冷静だ。2月の実戦は全9試合に出場し打率4割5分2厘、2本塁打。キャンプ終了時には矢野監督も「テルの方が結果が出ている現状」と1歩リードを認めるほどの好調ぶり。「いい状態だとは思います」と佐藤輝自身も自信を深めている。ルーキーイヤーの昨季は、3月10日の広島とのオープン戦で初の甲子園弾となる2ラン。これが21年チーム甲子園初本塁打となった。佐藤輝もそこからさらに波に乗り、6本塁打でオープン戦本塁打王。勢いそのままシーズンでの活躍につなげた。「ファンの皆さん(のため)に打てたら、早く打てたらいいなって思います」。上限2万人の制限があるものの有観客で開催される3連戦で、2年連続チーム一番乗りでの甲子園アーチを約束した。楽天の先発は則本、岸、滝中と続く予定で、腕試しには格好の相手となる。「いい球が見られると思うので、いい機会だと思います」と楽しみにし、「いいピッチャーなので打てるボールは少ない。そこを一発で仕留められるように」とテーマを設定した。この日のフリー打撃では50スイングで柵越えなしも、低いライナーを中心に鋭い当たりを連発。外野守備も入念にチェック済みで、いきなり聖地の虎党を驚かせる準備は整った。【中野椋】?◆昨季の佐藤輝明の甲子園初アーチ(21年3月10日) 甲子園での広島とのオープン戦、3-3で同点の5回に3点を勝ち越し、なお2死二塁。ルーキー佐藤輝が広島スコットのツーシームをたたき、左中間スタンドに運ぶオープン戦2号2ラン。これはチームの21年甲子園初アーチでもあった。3安打2打点と大暴れの佐藤輝は「阪神ファンの皆さんの前で打った1本、特別なものになるんじゃないですか」と、"佐(3)藤(10)の日"の1発を振り返った。

◆阪神にソフトバンクから移籍した育成左腕渡辺雄大投手(30)が、4日楽天戦で甲子園デビューする。「ファームの試合で投げたことがあるが、好きな感じのマウンドなので問題なくいけるかな」と、相性もよさそうだ。キャンプでの実戦4試合で4回無失点と好投し、支配下登録は濃厚となっている。「開幕1軍を目指して体をつくってきた」。30歳の苦労人の「なべじい」が、結果をさらに重ね、残り3週間の最終関門を突破する。

◆阪神が22年甲子園初戦に臨む。佐藤輝明内野手(22)が「4番右翼」、大山悠輔内野手(27)は「5番三塁」でスタメン出場する。先発は開幕投手最有力候補の青柳晃洋投手(28)。好投で3月25日ヤクルト戦の先発マウンドを決められるか。

◆阪神の開幕投手最有力候補、青柳晃洋投手(28)が先発し、4回2安打無失点と好投しプロ7年目で初の大役に前進した。 「甲子園の方が気合も入りますし、やっぱり(シーズンが)始まるなって気がしますね」。この日も3回までは自ら球種を制限。カーブやシンカーなど昨季まではあまり使わなかった球種を試した。3回には1死一、二塁で2番小深田をフルカウントから内角低め直球で見逃し三振。続く和田は歩かせ満塁にしたが、4番島内を外角低め直球で投ゴロに仕留めた。まだ矢野監督からは開幕投手は告げられていないが、「このまま金曜(の先発ローテーション)ならそうなる。ずっとシーズンオフから準備してきた。いつ言われてもいいように準備はしています」と頼もしかった。

◆阪神近本光司外野手(27)が、3月初実戦をマルチ安打で発進した。「1番中堅」で、2月26日中日戦以来のスタメン出場。初回先頭で、初球を打ち返し右前打で出塁すると、2死三塁から佐藤輝の右前適時打で先制のホームを踏んだ。6回裏1死で迎えた第3打席では、追い込まれてから右翼への二塁打。「追い込まれてからもついていくことができた」と納得顔だ。矢野監督から中堅で唯一のレギュラーを確約されている立場。開幕へ向けて「全てにおいてベストな状態で臨めるように準備していきたい。個人もそうですが、チームとしていい形で入れるように、昨年のように良いスタートが切れるように」と引き締めた。

◆阪神佐藤輝明内野手(22)が「4番右翼」でスタメン出場し、今季甲子園初得点を生み出した。初回2死三塁で、右腕則本から先制の右前適時打。3月初戦、今年初の甲子園での試合で、入場した8024人のファンを喜ばせる一打を放った。昨季苦戦した内角への速球、外角低めへの変化球のコンビネーションを見事に見切った。初球は内角149キロをピクリともせずボール。2球目の外角ボールゾーンへの、137キロの縦の変化球にもバットは動かなかった。2ボールから3球目は、内角の厳しいゾーンに149キロのストライク。4球目は足元に151キロが来たがこれも見逃し、3ボール1ストライクとした。打者有利なカウントを作り、最後は真ん中付近に浮いてきた139キロフォークをコンタクト。この日初めてのスイングでバットを折りながらも一、二塁間を破った。昨年11勝を挙げ、通算2桁勝利7度の実績ある右腕から、2年目の成長を示す一打だった。7回裏先頭の第3打席では、3番手右腕高田孝の内角145キロ速球を捉え、打球は弾丸ライナーで右翼フェンス上部を直撃。右翼手小郷が打球処理にもたつく間に三塁まで陥れた(記録は二塁打と小郷の失策)。タイムリーあり長打あり。4番として存在感を示した。

◆楽天の開幕投手最有力候補に挙がる則本昂大投手(31)が、4回を2安打1失点にまとめた。 前回登板の2月24日の巨人戦(那覇)では、3回の一塁ベースカバーの際に右足首をひねり、途中降板。中7日でこの日のマウンドに上がったが「初回は前回のこともあったので少し慎重になりすぎた」。1回先頭の近本に右前打を浴びると、2死三塁から佐藤輝に右前適時打を許し、先制点を与えた。それでも2回以降は最速151キロをマークするなど、力強い投球を披露。2回から4回までの3イニングは、29球で無安打に封じた。「直球を低めに集められた。もう少し詰めていかないといけない部分はありますけど、今日は良かったのかなと。フォークがあまり良くないので、次の課題はその辺かなと思います」と手応えを感じていた。

◆楽天高田孝一投手(23)が、開幕ローテーション入りへ粘投でアピールした。6回から3番手として登板。4回3安打無失点4奪三振で試合を締めた。6、7、8回と連続で得点圏に走者を背負ったが、要所で踏ん張る投球。「ランナーを出しながらも、なんとか00点で抑えられたのは良かった。フォームを修正しながらだったが、まず一番はバッターに向かっていくこと、しっかりバッターと勝負することを意識して投げました」と無失点に安堵(あんど)した。 則本、田中将、岸、滝中、早川らが先発ローテーション入り有力。残る枠を西口や鈴木翔と争っている。「内容が納得できなかったので60点くらい。次回は結果とともに内容も意識しながら、自分のピッチングができれば」と気を引き締めていた。定位置確保へ懸命にもがく2年目右腕に対し、石井GM兼監督もエール。「彼本来の一番のポテンシャルではないとは思う。もうちょっと上の投球ができるので、これからもそこを目指してほしい」と背中を押した。

◆新天地で"楽しく"グラウンドを躍動している。楽天西川遥輝外野手(29)が、切り込み隊長としての仕事を発揮した。「1番左翼」で先発し、1回の第1打席は中前打で出塁。3回1死二塁で迎えた第2打席は四球を選び、チャンスを拡大させた。 そして、1点を追う5回1死二塁の第3打席では、カウント2-2から変則左腕・渡辺の内角低めスライダーをコンパクトにスイング。同点に追いつく一塁強襲の適時二塁打を放った。直後には「『うれしい! 楽しい!』の二言ですね」とコメント。試合後、その真意を問われると「打てたらもちろんうれしいですし、新天地でこうやって楽しくできているので、そういう意味で」と笑顔をみせた。日本ハムから移籍し、1番打者として打線をけん引。若手に走塁指導を行うなど、早くもチームになじんできた。「みんな優しいので、溶け込めてきているのかな。一緒のタイミングで加入した川島さんは、すごく気を使ってくれますし、岸さんも常日頃から『体大丈夫?』と気にかけてくれます」。開幕までさらに状態を上げ、結果でチームに貢献していく。

◆阪神1番近本光司外野手(27)は攻守ともに不安なしだ。 1回は則本の初球146キロを難なく右前へ。6回1死では1ボール2ストライクから高田孝のスプリットをミートし、右翼線二塁打を決めた。「1球目から振りにいけたことがまずは良かった。追い込まれてから付いていけたのも良かったと思います」。中堅守備では広くなったウオーニングゾーンで背走キャッチする場面も。「特に気になることはなかった」と余裕の表情だった。

◆ニュー輝をお披露目だ。阪神佐藤輝明内野手(22)が、今年初の甲子園で2年目の進化を発揮するマルチ安打を決めた。楽天戦に4番右翼で出場。初回の第1打席に初タイムリーで沸かせるなど2安打1打点をマークした。昨季との大きな違いは激減傾向の三振数。本塁打か三振かのイメージが強かったが、オープン戦打率もチームトップの4割5分5厘とパワープラス確実性が増している。今年の輝はひと味もふた味も違う。佐藤輝の折れたバットが空中に舞った。それでも打球は強かった。4番で出場した22年の甲子園初打席は初回2死三塁の先制機。エース則本撃ちで一、二塁間を破った適時打がチーム初得点を呼び込んだ。これぞ頼れる4番の働き。気温10度前後の寒空に球春到来を告げ、8024人のファンを沸き立たせた。「(もともと)折れてたんですかね? 折れる感じの打撃じゃなかった。バットが古かったです」。あっけらかんと振り返る一打には、2年目の進化が詰まっていた。則本の内角直球、外角変化球を見切り、カウント3-1に持ち込んだ。昨季苦しんだ配球パターンを克服し、高めに浮いた139キロのフォークを初スイングで仕留めた。「いい投手なので打ててよかったです」と笑顔がはじけた。7回先頭の第3打席は、右腕の高田孝に対しカウント2-2から強振。内角145キロ直球を弾丸ライナーで右翼フェンス上部に直撃させ、一気に三塁まで到達した(記録は二塁打と右翼の失策)。あと少しで本塁打の会心打撃だった。2年目の進化を示す数字的な根拠も顕著だ。昨季455打席で173三振した三振率は3割8分と高かった。だが今年のオープン戦は3試合12打席で1三振と、わずか8分3厘にとどまる。ボールを見極めて打者有利なカウントを作り、追い込まれても簡単には倒れない。オープン戦打率4割5分5厘もチームトップで、パワーにプラス、確実性が増している。昨季は本塁打か三振のイメージが強かったが、無敵のニュースタイルが確立されつつある。本人も手応えがあるのだろう。「本当にいつも、『いつも通り』って心掛けています」と平常心。矢野監督は「内容もいいし、見送り方とかスイングしてる形、凡打の形も紙一重。いい状態で来てるし、楽しみやね」とますます期待を膨らませた。大山との4番争いは依然続くが、「しっかり自分は結果を出して、どこで打っても頑張ります!」と真っすぐに言った。「甲子園は結構好き。(ボールが)見やすいんで、いい感じじゃないですかね」。13日まで7試合が予定される本拠地の地の利も生かし、「シン・サトテル」の進化がまだまだ続く。【中野椋】▼佐藤輝はオープン戦3試合で12打席に立ち、わずか1三振で三振率(三振数÷打席数)は0割8分3厘。昨年の公式戦ではプロ野球新人最多の173三振を喫し、三振率は3割8分だった。これは90年ブライアント(近鉄)4割3分に次ぎ、2リーグ分立後の規定打席到達者中ワースト2位。なお今春キャンプ中の練習試合と紅白戦では計7試合で24打席で4三振で、三振率1割6分7厘。1試合マルチ三振は1度もない。▼佐藤輝は今春キャンプ中の紅白戦や練習試合を含めた全実戦で35打数16安打、打率4割5分7厘。昨春の紅白戦&練習試合とオープン戦3試合消化時点では、52打数18安打の打率3割4分6厘で、安定感は大幅に増している。

◆ヤクルトも村上も斬るぞ! 阪神の開幕投手最有力の青柳晃洋投手(28)が、4回2安打無失点の好投で、自ら当確をアピールした。 「まだ言われていないけど、このまま金曜日で(先発ローテを)回ったらそうなると思っている。ずっとシーズンオフから準備してきた。いつ言われてもいいように準備はしています」。この日、25日の開幕戦ヤクルト戦と同じ金曜日の日の先発を任された意味を十分自覚していた。課題の左斬りにも成功した。楽天は9人中、8人の左打者を並べてきた。それでもキャンプからの継続で、配球の引き出しを増やすため、昨季7割を占めた得意のスライダー、ツーシームを3回まで封印。そして左打者には「一番はカットボールが収穫」と、昨季まであまり使っていなかった"新球"を鋭く内角に食い込ませ、凡打の山を築いた。象徴的な場面は3回2死満塁のピンチ。昨季打点王の4番島内を左打席に迎えた初球だ。内角高めのカットボールで狙い通りファウルを打たせた。「島内さんみたいな素晴らしい打者を相手に、意図して内角でファウル。やりたいことができた1球でした」。内角を意識させ、次の外角カットボールでミスショットを誘って投ゴロに仕留めた。開幕相手のヤクルト4番村上には昨季15打数8安打、打率5割3分3厘、3本塁打、5打点と打ち込まれた。だが村上封じにこのカットボールが有効なはずだ。昨季のヤクルト戦は先発7試合で4勝1敗の好相性だが「僕の中では昨年のままでは勝てない。変わりたいと挑戦している」と、さらなる進化を具現化中だ。この日は甲子園での今季初ゲームで、堂々と"開幕投手"を務めた。球場正面に掲げられている4人ののぼりは、矢野監督、近本選手会長、坂本主将、そして投手代表の青柳だ。エース襲名が期待される22年、開幕にふさわしい男が、着々と白星発進の準備を進めている。【石橋隆雄】▼青柳は左打者に対し、プロ通算の被打率が2割7分7厘。対右打者の1割9分6厘から大幅に悪化する。特にヤクルト村上には通算4割4分1厘、6本塁打と打ち込まれ大の苦手としている。昨季も15打数8安打で被打率5割3分3厘、3本塁打も浴びるなど、天敵退治が課題になっている。

◆阪神小川一平投手が3回5奪三振の無失点投球で開幕1軍を猛アピールした。6回から3番手で登板。先頭辰巳から147キロ直球で空振り三振を奪うなど、キャンプ実戦3試合で防御率9・00と苦しんだ右腕が甲子園で変身を示した。 「ストライク先行で投げることが課題だったので、今日は良くできた」と手応え十分。延長12回制が復活する今季、ロング救援の起用も想定する矢野監督は「今日は一平が一番収穫やった」と評価した。

◆開幕投手最有力候補のエンジンがかかってきた。楽天則本昂大投手が阪神戦に先発し、4回を2安打1失点にまとめた。前回2月24日の巨人戦では、右足首をひねって3回途中で降板したが不安を一掃。「もう少し詰めていかないといけない部分はあるが、今日は良かったのかな」とうなずいた。 それでも立ち上がりは「少し慎重になりすぎた」と明かした。1回先頭の近本に右前打を浴びると、2死三塁から佐藤輝に先制の適時打を許した。一転、2回以降は直球を低めに丁寧に集め、最速は151キロをマーク。カーブを多く投げ、緩急でも揺さぶった。2回からの3イニングは29球で無安打に抑えたが「フォークがあまり良くないので、次の課題はその辺かな」と反省も忘れなかった。開幕戦の25日ロッテ戦はこの日と同じ金曜日。正式に明言はされていないが、中6日で調整し、今季のチーム初陣のマウンドに上がる可能性は高い。「誰が投げても、僕がどこで投げても、先発ピッチャーとしてやることは変わらない。1試合目をチーム全員でうまくやっていけたらいいかなと思う」。前回優勝した13年はルーキーだった。あれから9年。エースとして、着実に状態を上げていく。【湯本勝大】

◆阪神の22年甲子園初ゲームは平日の午後1時試合開始にもかかわらず、8024人の観衆が入った。コロナ禍のため、選手の応援歌はトランペットの生演奏ではなく、昨季同様に録音だったが、外野席で私設応援団が音頭を取り、まとまった声援でナインを後押しした。ビールの売り子らも試合終了まで販売し、気温は10度前後と肌寒かったが、お酒を楽しむファンも多かった。午後3時過ぎには銀傘部分だけ、今季からLEDに変更された照明が点灯された。今回の楽天3連戦は兵庫県のまん延防止等重点措置により、入場者の上限は2万人。5日も当日券が販売される。

◆いざ出陣! 阪神・青柳晃洋投手(28)が3日、甲子園での全体練習後、先発する4日の楽天戦に向けて意気込みを語った。今年初の甲子園でのオープン戦。昨季、最多勝(13勝)&最高勝率(・684)の2冠に輝いた変則右腕は本番モードに突入。25日のヤクルトとの開幕戦(京セラドーム)に向け、内容を詰めていく。寒風が吹き荒れた甲子園。青柳のハートはギラギラと燃えていた。開幕まで3週間。試す時期は終わった。甲子園〝8連戦〟の開幕からスイッチを入れることを語った。「明日は、とりあえず4(イニング)ぐらいだと思う。相手もいい打者が多いんで、しっかり投げ切って(自分自身で)順調といえるかなと」今春は実戦3試合で計5回を投げて1失点(自責0)も納得はしていない。相手は調整段階でもあり、自身も得意のスライダーやツーシームを封印するなど、課題を克服するための登板だった。課題の一つとして挙げるのが、投球の幅を広げるべく、昨春キャンプで臨時コーチを務めた元中日の通算219勝左腕、山本昌氏から伝授されたシンカーの完全習得だ。「去年も結構投げたが、(完璧に)使えていないボールだったので。(4日の)試合でどう使えるかを試してみたい」 25日の開幕投手の最右翼とみられるが、矢野監督はこの日も公表することはなかった。ただし、「シーズンを逆算するか」という質問に「それはどこもそうでしょう」と否定せず。さらに指揮官は青柳について「(これまで)球種に制限して投げていた。次は、そういうことはないのかな」とリミッターを解禁することを明かした。このまま中6日で金曜日に登板すれば25日の開幕戦にぶつかる。昨季最多勝&最高勝率に輝き、プロ7年目で開幕投手を狙うと断言した右腕にとって、本番を見すえてギアチェンジをすることになる。「村上(ヤクルト)に例えてとか、そういうわけじゃないです」さすがに仮想ヤクルトとはしないが、楽天打線は西川、鈴木大ら左打者も多い。今季の自分を占うバロメーターになる。「梅野さんや(坂本)誠志郎との信頼関係というか、練習でもあるので。今年はどんな変化をするか、分かっていないと思うし、明日の課題としていこうかなと」「3・25」へ、残り3試合。新エースとして、全力投球を解禁する。(三木建次)

◆両軍のスターティングメンバーが発表。阪神・佐藤輝明内野手(22)が「4番・右翼」でスタメン出場する。2月の実戦は9試合で打率・452、2本塁打、5打点と好調。2022年、甲子園の〝初陣〟で成長した姿をみせる。また、先発は青柳晃洋投手(28)。開幕投手の筆頭候補が楽天打線をねじ伏せる。

◆「4番・右翼」で先発した阪神・佐藤輝明内野手(22)が一回、楽天の先発・則本昂大投手(31)から先制打を放った。先頭の近本が右前打で出塁すると、糸原の打席で二盗。マルテの右飛で三進し、2死三塁で打席に向かった。則本に対して、カウント3-1から5球目。内角139キロ変化球を振り切ると、真っ二つにへし折られたバットの先端が、一塁ベンチ前へ。それでも白球は一、二塁間を抜け、先制の右前打となった。佐藤輝は春季キャンプ中の2月の実戦が9試合で打率・452、2本塁打、5打点。今季初の甲子園での試合で存在感を示した。

◆先発した阪神・青柳晃洋投手(28)が4回2安打無失点の好投。変幻自在の投球で8人の左打者を並べた相手打線を手玉に取った。一回、先頭の西川に中前打を許したが、小深田を左飛、和田恋は遊飛。昨季のパ・リーグ打点王、島内を空振り三振に仕留めると、二回はわずか6球で三者凡退。見せ場は1-0の三回だった。安打と2四球を与えた2死満塁のピンチ。再び島内を外角低めの直球で、投ゴロに打ち取った。昨季は13勝を挙げて最多勝。沖縄での実戦は3試合に登板して5回1失点(自責0)と順調な仕上がりをアピールした右腕だが、今年初の甲子園でも快投。志願している初の開幕投手へ、マウンドから猛烈アピールした。

◆阪神の大卒3年目右腕、小川一平投手(24)が3回1安打無失点。猛アピールに成功した。3番手で六回からマウンドへ。先頭の辰己を空振り三振に斬ると、安田は二ゴロ、小郷は空振り三振に抑えた。七回は先頭の渡辺佳に二塁強襲のヒットを浴びたが、後続を抑えて無失点。八回もマウンドに上がり、和田恋、代打・川島を連続で見逃し三振に仕留めるなど好投した。小川は3回を投げ、打者10人に対して、5奪三振と持ち味を発揮。開幕1軍生き残りへ大きく前進した。

◆阪神は楽天に逆転負けを喫し、今年初の本拠地でのオープン戦を勝利で飾れなかった。先発した青柳は4回を投げて2安打無失点と好投し、開幕投手へ猛烈アピールした。直球の切れは抜群。完全習得を目指すシンカーやカーブも決まり、昨季の最多勝右腕が、さらなる進化をみせつけた。「4番・右翼」で先発出場した佐藤輝は一回、則本の変化球をバットを真っ二つにへし折られながらも右前に運ぶ先制打。1-2の七回先頭で、右越え二塁打を放って、開幕4番をアピールした。1-0の五回、2番手で登板した育成の渡辺が2失点。だが、六回から登板した3年目右腕の小川が3回を1安打無失点、5奪三振の力投。不安視されていた虎のリリーフ陣に明るい光をもたらせた。

◆楽天の則本は直球の制球が良く、二回以降は走者を許さずに4回1失点。西川は2安打1打点、1四球と1番打者の働きを見せた。阪神は佐藤輝が力強い振りで2安打1打点。青柳は冷静に内外角を揺さぶり、4回を無得点に抑えた。

◆阪神の大卒3年目右腕、小川一平投手(24)が3回1安打無失点と好投した。猛アピールに成功した。「ストライク先行で投げることが自分の中での課題だったので、そこがよくできていた。競争は激しいですが、自分の力をしっかり発揮して、(勝ちパターンに)食い込んでいけたら」。小川は3回を投げ、打者10人に対して5奪三振と持ち味を発揮。開幕1軍生き残りへ大きく前進した。

◆甲子園で今季から使用する新しいリリーフカーが初稼働。五回からマウンドに上がった渡辺が最初の乗車となった。リリーフカーは、昨年12月に甲子園が宣言した、環境保全プロジェクト「KOSHIEN〝eco〟Challenge」の一環として、環境に配慮した電気自動車に変更。トヨタ自動車の超小型電気自動車「C+pod(シーポッド)」をベースに、東京五輪の野球に登場したリリーフカーも手がけた永津直樹氏がデザインを担当した。

◆「1番・中堅」の阪神・近本光司外野手(27)が3打数2安打1盗塁と躍動した。「1球目から振りにいけたことがよかったと思うし、追い込まれてからもついていくことができたのもよかった」一回、楽天・則本の初球146キロを右前へはじき返した。続く糸原の打席で2球目に二盗に成功。マルテの右飛で三進すると、佐藤輝のヒットで先制のホームを踏んだ。六回は高田孝の131キロを右翼線へ二塁打。「すべてにおいて開幕でベストな状態で臨めるように準備していきたい」と力を込めた。

◆「4番・右翼」の阪神・佐藤輝明内野手(22)が2安打1打点。「5番・三塁」の大山悠輔内野手(27)は4打数無安打2三振に終わった。試合後の矢野耀大監督(53)の主な一問一答は以下の通り。ーー青柳(4回無失点)は試しながら「緩いボールをどう使いたいか、を挑戦しているみたい。幅を広げるところでは、そういうボールも必要になってくる。挑戦しながらの投球やったんで、球数(58球)も増えたのかなと思うけど、結果的にゼロ。最後のイニングだけはツーシームも投げながら、試しながらも、ゼロでいけたところがよかった」ーー順調か「順調じゃないの?」ーーこのまま「もっと上げてもらわないと困るけど」ーー小川(3回5三振無失点)は「良かったね。真っすぐがいい高さで、角度もあって。緩いボールもうまく使えた。3回をいけたのも大きい。一平が一番収穫やったと思う」ーー佐藤輝は結果がついてきている「そうやね。内容もしっかりいいし。見送り方とか、スイングしてる形、凡打の形も紙一重というか、そういう感じがあるんで。いい状態で来てるし、楽しみやね」ーー近本(2安打1盗塁)は積極的に「近本のいいところだし、どんどん振っていく中でどう合わせていくかのバッター。上位打線は順調に来ている。大山から以降は内容的にも良くないんで、そこらえへんが、きっかけをつかんでくれたらなと思う」ーー大山はキャンプ前半はいい感じだったが「まあ、そやね。いいタイミングのスイングって少ないもんね。最後の初球もちょっと差し込まれ気味。最後泳ぐっていう。悪い時は、そうなるんだけど、いい時が続くように頑張っていかなあかんねんけど、こういうところからどうするか。ランナー置いたところで、どういうバッティングができるか、求められるところになると思う」ーー2軍が練習再開。中野は11日の実戦に意欲「思いっていうか、体が整わないから、どうしようもないんだからさ。それは本人が試合にぶつけてくれたらいいこと。その思いは、あふれるくらい出してくれていいんじゃないかな」ーー結果を積み重ねて「結果を積んでいくだけじゃ、こっちにこれないんで。しっかりした内容を見せないと。レギュラーって俺は決めてるわけじゃないから」

◆楽天の1番西川が2試合続けてタイムリーを放った。五回、1死二塁から左投手の低めのスライダーを引っ張り、一塁手がはじく右翼線二塁打とした。「追い込まれていたので何とか(走者を)三塁に持っていけたらと。最高の凡打をと楽な気持ちでいった」と涼しい顔で振り返った。一回は中前打、三回は四球を選んで全3打席で出塁した。日本ハムから自由契約となって入団した外野手は、1番打者として早くも存在感を示しており「打てたらもちろんうれしいし、新天地で楽しくもできている」と充実感をにじませた。

◆阪神の開幕投手の最有力候補、青柳は4回を2安打無失点の「結果よりも、やりたいことや挑戦したいことができた」と充実感を漂わせた。最多勝のタイトル獲得を支えた得意球のスライダーとツーシームに三回まで頼らなかった。「去年のままでは勝てない。変わりたい」と、あまり投げてこなかったカーブやシンカーを多投。三回は2死満塁を招いても4番島内を球威のある速球で投ゴロに打ち取った。ちょうど3週間後の25日がヤクルトとの開幕戦。自身初の大役へ「いつ言われてもいいように準備している」と堂々と話した。

◆「4番・右翼」で出場した阪神・佐藤輝明内野手(22)は2安打1打点と躍動。一方、七回の好機に凡退するなど4打数無安打2三振に終わった大山悠輔内野手(27)に、矢野燿大監督(53)は奮起を求めた。獲物に束になって襲いかかるためにも、あと〝ひと押し〟を妥協しない。佐藤輝は甲子園の2022年初戦から2安打1打点と好調をアピールし、力強くうなずいた。「ランナーをかえせるように(適時打は)心がけました。いい投手なので打ててよかったです」楽天先発・則本から快音を響かせ、より一層の自信になった。一回2死三塁で真ん中付近にきた甘いフォークを捉え、バットは真っ二つに裂けながらも打球はしぶとく一、二塁間を破る先制タイムリーとなった。得点圏に走者を置いた場面を「そういう場面になればなるほどいつも通りっていうのは心がけてました」。プロ2年目。冷静さも光り、実戦10試合で得点圏での打率・600(5打数3安打)、4打点は頼もしい。矢野監督も「内容もしっかりいい。見送り方とか、スイングしてる形、凡打の形も紙一重。いい状態できているし、楽しみやね」と目を細めた。左の大砲が好調だからこそ、その後を打つ打者のバットもより重要になってくる。この日は5番・大山が4タコ。1-2の七回は先頭の佐藤輝が二塁打と失策で無死三塁の得点機を演出したが、浅い右邪飛に倒れてタッチアップできず。さらに糸井、ロハスは連続三振で、この回なんと無得点に終わった。指揮官は「大山以降は内容的にも良くないんで、そこらへんがきっかけをつかんでくれたら」と打線のつながりを課題に挙げ、背番号3にも「いいタイミングのスイングって少ないもんね。いいときがずっと続くように頑張っていかなアカンねんけど、どうするか。走者を置いたところでどういう打撃ができるかが、これから求められる」と奮起を促した。春季キャンプ中から交互に4番を任されてきた2人の長距離砲。その歯車がカチっとかみ合えば、どんな相手でも粉砕できる。(新里公章)

◆阪神・青柳晃洋投手(28)が4日、楽天戦(甲子園)に先発し、4回無失点と好投。今年初めての甲子園のマウンドでフライアウトの山を築き、投手2冠に輝いた昨季からリニューアルしたことを印象付けた。3月25日のヤクルトとの開幕戦(京セラ)に照準を合わせ、さらにピッチを上げていく。さらなる進化へ、今オフに掲げたテーマを今年初の甲子園のマウンドで体現した。開幕投手大本命の青柳が、スタメンに左打者を8人並べた楽天打線を変幻自在の投球でゴロの山ではなくフライアウトに打ち取った。「僕の中では、去年のままでは勝てないと思っているので。見てる方に『ことしはちょっと違うな』『(新しく)取り組んでるな』というのが分かればよかったかなと思う」そのひとつがアウトの取り方だ。昨年までは得意球のスライダーやツーシームなどで打者を引っかけさせてゴロで打ち取ってきた。この日は4回を投げてゴロアウトが3に対してフライアウトが5。青柳は「真っすぐやカットボールもそうですし、フライになりやすいボールでアウトが取れた。その結果ですね」と自画自賛した。三回まではあえてスライダーは封印。高めに力のある真っすぐを投げ込むことも意識した。一回、先頭の西川に中前打を許したが、2死一塁から昨季の打点王・島内を変化球で追い込み、最後は142キロの外角直球でバットの空を切らせると「この時期に(最速)144キロが出ていた。例年に比べたら全然状態はいい」とニヤリ。さらに自信を深めたのは三回2死満塁のピンチで、再び島内と対戦した場面。投ゴロで打ち取る前に投じた内角高めのカットボールでファウルにさせた1球だ。「カットやカーブでもストライクやファウルが取れた」。投球の幅を広げるべく昨年から取り組んでいるシンカーも勝負球として使えるめどが立った。直球もよし、変化球のバリエーションも増えた。鬼に金棒だ。 青柳は「きょうの一番の収穫は4回を投げ切れたところ。まだ投げミスもあった」と満足しなかったが、準備は着々。2月20日の中日との練習試合(宜野座)から実戦登板は4試合で9回を投げて1失点(自責0)、防御率0・00だ。最多勝(13勝)&最優秀勝率(・684)に輝いた昨季の実績やここまでの調整ぶりを考えると、開幕投手は青柳でほぼ決まりだろう。矢野監督は「順調じゃないの。緩いボールに挑戦しているみたい。まだまだ(状態を)上げてもらわないと」と、この日も開幕投手に関しての発言はなかったが...。僕しかいない-とばかりに青柳はキッパリと言い切った。「まだ(監督から)言われていないけど、このまま金曜日に投げると、そう(開幕投手)なると思っている。オフから準備してきたこと。いつ言われてもいいように準備はしてます」リニューアルして臨む2022年シーズン。そのスタートとなるはずの3月25日のヤクルトとの開幕戦(京セラ)に向けて、体も心の準備もできている。(三木建次)◆捕手と積極的に対話 青柳は試合中、ベンチ内で梅野とコミュニケーションをとっていたことを明かした。「どうやって攻めるかとか、あのファウルが理想的だったとか。捕手と話をして、また、いろいろ配球の幅が広がるのかなというのはありますね」。昨年までは配球は捕手任せのところがあった。さらなる高みへ。今後は、スタメンマスクをかぶる機会のある坂本の配球や考え方などを知るために対話をしていくつもりだ。

◆阪神・小川一平投手(24)が楽天戦の六回から3番手で登板し、3回1安打無失点、5奪三振と圧巻の投球。ロングリリーフや緊急先発も可能な中継ぎ右腕として開幕1軍生き残りへ前進した。小気味いいテンポから、ミットめがけて次々と白球が投げ込まれた。小川が小走りでマウンドに向かうこと一、二、三度! 今季の甲子園〝開幕戦〟で強烈なインパクトを残した。「ストライク先行で投げることが自分の中での課題だったので、そこがきょうはよくできていたのかなと思います」手応え十分だった。六回に3番手でマウンドに上がると、〝快投〟乱麻の奪三振ショーが幕を開けた。まずは辰己を147キロで空振り三振に料理。安田を二ゴロに仕留めると、小郷は118キロカーブでタイミングを狂わせ、空振り三振に斬った。七回は先頭の渡辺佳に二塁強襲のヒットを許したが落ち着いて後続を断った。勢いに乗った右腕は予定通り3イニング目となる八回のマウンドに上がり、さらにギアチェンジ。和田、代打・川島を連続で見逃し三振、辰己を中飛に仕留めた。3回1安打無失点、打者10人に対して5奪三振と圧巻の内容だった。「キャンプのときは自分のやりたいことがうまくできていなかった。オープン戦に向けてという中で(自身の)1戦目でいい投球ができてよかった」2月の沖縄・宜野座キャンプ中は実戦3試合に登板し、6回6失点、防御率9・00と結果を残せず。小川が課題ばかりが先行した投球から脱却できたことは虎のブルペンにとっても光明だ。 今季は3年ぶりに延長12回制が復活する。さらに昨季6月6日、予告先発だったガンケルの体調不良により、西純が急遽先発した前例もある。緊急事態に備え、先発にも回せるロングリリーバーは貴重な存在。右腕の快投に矢野監督も「3回というイニングをいけたのも大きいし、きょうは一平(小川)が一番の収穫やった」と目を細めた。2年目の昨季は19試合の登板で1勝、2ホールド、防御率2・95。開花の兆しはあったが、開幕1軍が確約されている立場ではない。小野、湯浅、浜地、石井と繰り広げる中継ぎ右腕のサバイバル競争は続く。「競争は激しいですが、自分の力をしっかり発揮して食い込んでいけたらなと思っています」まずはアピール大成功。このまま突っ走る。虎の一平ちゃんがブルペンを明るく照らす星となる。(原田遼太郎)

◆開幕3週間前の首脳陣はいろんな心配をする。特にことしはコロナ離脱があるから、万が一を考え、準備せざるを得ない。阪神は2軍が一時練習すらできない状況に陥るなど、心配事は尽きないだろう。そんな中で小川の3イニング好投は、ロングリリーフは当然として、先発も可能であることを証明した、明るい材料だ。短いイニングのときは、力が入り過ぎて制球を乱すシーンをよく見た。ところがこの日は、最初から力みが抜けていた。要因はカーブをうまく交えたこと。緩い球を使ったことでムダな力が入らず、非常にフォームのバランスが良かった。この投球ができるのなら、先発も十分に可能だ。おそらく、ルーキー桐敷に加えて小川も「リリーフ&緊急時の先発」という二刀流の候補になるのではないか。現状で先発陣は安定しているが、この日の小川を見た首脳陣は、心強く思ったはずだ。青柳はシンカーを盛んに試していた。ピンチを招いた三回は、そのシンカーが決まらず四球を許したから。それでも後続を断って失点しなかった。安定感は抜群。開幕投手へ一歩前進と評価していいだろう。(サンケイスポーツ専属評論家)

◆これまで好調を維持してきた藤浪だが、今回は立ち上がりから球のキレ、リズムともに悪かった。一回の先頭打者・小深田に自信を持って投げ込んだ真っすぐを打たれ、不安が芽生え、尾を引いて無死一、二塁からの何でもないバント処理をミスしてピンチを広げてしまった感じだ。捕手・坂本の構えたところに投げられれば、相手が手も出ない素晴らしい球なのだが、逆球になると甘くなり痛打される。ボール先行で、制球に不安のあるカーブを投げられなくなり、真っすぐばかりでの勝負になっては、いくら球威があっても打たれる。アレッ、アレッと思いながら投げて、切り替えができないまま5失点した印象だ。三回までで86球。通常は交代のケースだが、1イニング続投したのは、次回登板に向けて少しでもいい感じを取り戻してほしいという首脳陣の期待ではないか。藤浪に細かな制球は求めないが、次回までに捕手の構えた外なら外、内なら内という、ある程度のコースに投げる精度だけは取り戻してもらいたい。今の藤浪は、2試合連続で内容が悪ければ、先発を任せてもらえる立場ではない。次回登板が生き残りの勝負になる。(本紙専属評論家)

DAZN

<オープン戦順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
DeNA
301 1.000
(-)
-
(-)
22
(-)
4
(-)
4
(-)
5
(-)
0.338
(-)
1.000
(-)
2
(-)
ORIX
210 0.667
(-)
1
(-)
11
(-)
8
(-)
0
(-)
4
(-)
0.305
(-)
2.000
(-)
2
(3↑)
楽天
210 0.667
(↑0.167)
1
(↑0.5)
11
(+2)
13
(+1)
0
(-)
2
(+2)
0.183
(↓0.02)
4.500
(↑1.85)
2
(-)
巨人
211 0.667
(-)
1
(-)
10
(-)
6
(-)
6
(-)
0
(-)
0.192
(-)
1.500
(-)
2
(-)
日本ハム
211 0.667
(-)
1
(-)
6
(-)
8
(-)
3
(-)
1
(-)
0.151
(-)
1.750
(-)
6
(3↑)
ソフトバンク
220 0.500
(↑0.167)
1.5
(↑0.5)
15
(+5)
16
(+2)
3
(+1)
3
(+1)
0.256
(↑0.003)
3.500
(↑0.83)
6
(1↓)
中日
220 0.500
(-)
1.5
(-)
15
(-)
16
(-)
3
(-)
0
(-)
0.254
(-)
3.340
(-)
8
(3↓)
阪神
120 0.333
(↓0.167)
2
(↓0.5)
11
(+1)
8
(+2)
2
(-)
4
(+1)
0.222
(↓0.028)
2.420
(↑0.23)
8
(3↓)
ロッテ
120 0.333
(↓0.167)
2
(↓0.5)
6
(+2)
8
(+5)
0
(-)
3
(-)
0.219
(↓0.012)
2.160
(↓0.57)
8
(1↑)
ヤクルト
121 0.333
(-)
2
(-)
10
(-)
11
(-)
0
(-)
6
(-)
0.250
(-)
2.310
(-)
11
(-)
広島
130 0.250
(-)
2.5
(-)
8
(-)
21
(-)
3
(-)
1
(-)
0.222
(-)
5.450
(-)
12
(-)
西武
020 0.000
(-)
2.5
(-)
2
(-)
8
(-)
0
(-)
1
(-)
0.161
(-)
3.940
(-)