ヤクルト(★4対9☆)阪神 =オープン戦1回戦(2022.02.27)・ANA BALLPARK浦添=
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阪神
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ヤクルト
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勝利投手:伊藤 将司(1勝0敗0S)
敗戦投手:丸山 翔大(0勝1敗0S)

本塁打
【阪神】江越 大賀(1号・7回表2ラン),小野寺 暖(1号・9回表3ラン)

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◆ヤクルトは、先発・奥川が3回2安打1失点。開幕投手を目指す若手右腕が、オープン戦初登板で結果を残した。一方の阪神は、藤浪と伊藤将がそれぞれ2回無失点。開幕ローテーション候補の2人が順調な調整ぶりを見せた。

◆開幕投手候補のヤクルト奥川恭伸投手(20)が、開幕カードの阪神を相手に先発し、3回を2安打1失点とまずまずの投球を見せた。 最速147キロの直球を軸に35球、1奪三振1死球。3回無死二塁から坂本に145キロ直球を右前に運ばれ1点を失ったが、後続は断って追加点は与えなかった。 登板後は「まだまだと思うところがすごく多い。もう少し頑張らないと」と反省。2回途中6失点と打ち込まれた前回登板の練習試合ロッテ戦(20日、浦添)との比較では「前回よりも変化球でカウントをとったりはできた」としたが、「制球もバラついていた。1試合1試合、よくなっていけるように頑張りたい」と引き締めていた。

◆BALLPARK浦添 まだまだ!! 開幕投手候補のヤクルト奥川恭伸投手(20)が、強い向上心を示した。 【関連記事】ヤクルトニュース一覧 開幕カードの阪神を相手に先発。最速147キロの直球を軸に3回を2安打1失点とまずまずの結果にも「まだまだと思う部分がすごく多い。思った通りにボールを操ったり出来なかったり、フォームの部分でもすごくブレがある」と厳しい自己評価を下した。 前回20日の練習試合ロッテ戦では、変化球の制球に苦しみ2回途中3安打6失点で降板。この日は変化球を意識して多めに投じたが、その出来については「まだまだですね」と即答。3回は、先頭への死球から次打者の初球に二盗を許し、続く直球を適時打とされた。「失点の仕方が悪かったので反省しないといけない。練習で出来ていたことが、試合に入ると出来なくなっている」と厳しい言葉を続けた。 それでも高津監督は「真っすぐの走りもいいですし、今回は特に変化球の精度もよかった」と内容を評価。「去年と比べてもあれですけど、すごく成長しているのかな」と確かな成長を認める。若き右腕は「自信を持って投げられるように。いろんな修正、ボールの精度を上げて、開幕を迎えたい」とキッパリ。最後まで意識高く開幕を目指していく。【鈴木正章】

◆BALLPARK浦添 ヤクルト高卒2年目捕手の内山壮真が、対外試合5戦連続安打となる適時二塁打を放った。

◆阪神がヤクルトの先発・奥川から三回に先制した。先頭の江越が死球で出塁すると、続く坂本の打席の初球で二盗に成功。無死二塁と得点圏に走者を進めると、坂本が2球目、145キロを右翼へはじき返した。三塁を回った江越だったが、右翼手からの好返球でタイミングはアウト。しかし、捕手のタッチをかいくぐるように回り込み、ホームに生還した。

◆先発した阪神・藤浪晋太郎投手(27)は2回1安打無失点だった。 「アウトの質といいますか、結果を出すことはもちろん大事だけど、内容のあるアウトを求めたいと思ってマウンドに上がった」 一回先頭の山崎を153キロで空振り三振に斬ると、オスナは右飛。サンタナに右中間へ二塁打を浴びたが2死二塁から4番・村上を155キロで二ゴロに抑えた。二回先頭の内山壮は152キロで見逃し三振。長岡を中飛、吉田大成を遊ゴロに仕留めた。 藤浪は19日の楽天戦(金武)以来、今キャンプ実戦4試合目の登板だった。4試合で10回を投げ、2失点、防御率1・80。開幕ローテーション入りへ、しっかりと結果を残し、「結果を出しつつ、そのうえでやっぱり『藤浪、使いたいな』といいますか、『支配できる投球』といいますか、そういうところをしっかりやっていきたい」と力を込めた。

◆2番手としてマウンドに上がった阪神・及川雅貴投手(20)は1回1安打無失点。先頭に出した四球を猛省した。 「きょうも立ち上がりが悪く、そこについてはまだまだ課題の残る投球になりました」 三回からマウンドに上がると、先頭の武岡に四球。続く古賀はバント失敗も山崎に左前打で1死一、二塁のピンチを背負った。 それでもオスナを空振り三振、サンタナを見逃し三振に斬り無失点。「気持ちを切り替えて、自分のボールで打者を抑えることができたので、そこはよかった」と話した。

◆阪神が課題である守備の乱れから失点した。1-2の五回。先頭の山崎の打球を二塁手・木浪が一度はグラブにおさめるも、送球の際にファンブル。続く赤羽に右前打を浴び、無死一、二塁のピンチを背負った。1死とし、塩見の打席の初球に一走、二走がスタート。捕手・坂本の送球を木浪が捕球できず、ボールが外野を転々とする間に、走者一人が生還した。さらに塩見の打球を今度は遊撃手・小幡がファンブル。1イニングで課題の守備のミスが連発した。

◆阪神・江越大賀外野手(28)が左翼へ豪快な同点2ランを放った。1-3で迎えた七回1死一塁。ヤクルトの育成右腕・丸山の144キロをとらえた。白球は弾丸ライナーで左翼スタンドへ。拍手に包まれ、ダイヤモンドを一周した。江越は試合前の時点で、今キャンプの実戦8試合で打率・238、1打点、0本塁打。覚醒が待ち望まれる大砲が豪快な一発で猛アピールした。

◆阪神がヤクルトに逆転勝ちし、オープン戦初勝利を飾った。先発した藤浪は2回1安打無失点。最速157キロの直球で2奪三振と好投し、「しっかりボールが操れた」とうなずいた。 打線は1-3の七回1死一塁から、江越が左翼席へ豪快な同点2ラン。不退転の覚悟で臨む28歳の大砲が猛アピールで存在感をみせた。さらに九回には守備から途中出場の小野寺が左翼へ3ランを放つなど打線が活発だった。 ただ、五回には失策がを重ね失点につながるなど1試合で3失策を記録。守備の課題が残った。

◆ヤクルトの奥川は三回、死球と盗塁で背負ったピンチで、坂本に右前適時打を浴びた。3回1失点の結果に「失点の仕方が良くない。思った通りにボールを操れなかった」と首をひねった。 20日のロッテとの練習試合では変化球の制球を乱した。キャッチボールでも変化球を投げるなど修正に励んできた。「あまりうまくいかなかった。これからの練習やオープン戦で上げていきたい」と伏し目がちに話した。

◆阪神は七回からの3イニングで8点を奪って快勝した。一方で木浪聖也内野手(27)、小幡竜平内野手(21)、佐藤輝明内野手(22)が失策を記録するなど、守備への不安を露呈した。矢野耀大監督(53)の主な一問一答は以下の通り。 ーー先発・藤浪が2回無失点 「いいボール行っていたね。安定しているっていうか、うん。勝てる球、投げていたんじゃないの?」 ーーローテへの期待 「そりゃ入ってもらわな困るし、今日の球やったら投げたら勝てる投球になってくると思う」 ーー1回無失点の及川の今後は? 「まあ、中でいこうかなと思ってる」 ーー捕手は26日は梅野、27日は坂本。3月も起用は 「決めているわけじゃないんだけど、リュウも肩の状態もあったから、決めてそうしたわけではなくて、現段階で何かを決めてるとか、そんな感じではない」 五回、打球を弾く阪神・小幡=ANAボールパーク浦添(撮影・宮沢宗士郎) 六回には、阪神・佐藤輝も失策...=ANAボールパーク浦添(撮影・今野顕) ーー守備は? 「うーん。まあまあ、みんなも思ってると思うけど、球際は今日も課題がたくさん出てる。もっと締まったプレーをこっちは望んで高い競争、試合にスタメンで出ていくメンバーにプレッシャーを与えるようなプレーが見たかったけどね。守備に関しては締まりのあるプレーをしていかないという課題はあったと思ってます」 ーー安芸ではコロナ感染者が増えて、2軍選手が帰阪ができない。入れ替え等への影響は? 「入れ替えするにも『陰性』が何回かとか、ちゃんとしないと、こっちから行ったとしても、そういう風になってしまったら(感染して)良くないし。今の状況で責めることもできないし、チームとして、これをどうしていくかということだけ。ある意味、この時期で良かったってこともあるかもしれないので...。見たい選手もいっぱいいるし、こっちに呼びたい気持ちもあるんだけど、『じゃあ、こうします、ああします』ということは言える状況にないので。待つ(という)感じやけど...」

◆「4番・三塁」で出場したヤクルト・村上が、四回先頭の第2打席で打球が一塁ベースに当たる右前打を放った。1月に新型コロナウイルスの陽性と判定され、キャンプは2軍スタート。19日から1軍に合流した主砲はオープン戦初安打に「状態はまだ50%ぐらい。これから納得のいく打席を増やしたい」と前を向いた。

◆ヤクルトD2位・丸山和(明大)が八回から右翼の守備に就き、実戦復帰した。20日にロッテとの練習試合で投ゴロを放った後の走塁で、一塁手と接触。浦添市内の病院で脳しんとうの疑いと診断されていた。高津監督は「出られるところまで回復できたのはすごく良かった。期待している部分がすごく大きいので、状態を見ながら、どんどん使っていきたい」と語った。

◆「1番・中堅」で先発した阪神・島田が2安打1打点と躍動した。「キャンプ全体ではもっと結果を出せたんじゃないかという思いはあるが、きょうの試合でもやろうとしていることは出せた」。中堅のポジションは近本が当確。残りの外野争いに割って入ることになるが、矢野監督は「島田がグッと出てくると、近本3番もあり得る。残りのオープン戦でどんな姿をみせてくれるか」と期待した。

◆阪神・伊藤将は六回からの2イニングを無失点に封じ、味方が逆転。オープン戦ながら今季初白星をつかんだ。六回1死一塁では左打者の武岡にズバッと内角直球を投げ、見逃しの3球三振に料理。「去年はけっこう外の球が多かったので。今年はしっかり内に投げれるように、やっぱり変えていかないとなと思って取り組みました」としてやったりだった。味方の失策が絡んでピンチを招いても動じず、実戦10イニング連続無失点も継続だ。

◆アーチ競演で競争激化だ。阪神・江越大賀外野手(28)がヤクルト戦に「7番・右翼」で出場すると、七回に左翼へオープン戦チーム1号となる同点2ランを放った。さらに、途中出場の小野寺暖外野手(23)も九回に3ラン。ロハスが不調の中、外野の定位置を狙う2人がそろって一発を放ち、キャンプ最終盤に戦いが激しくなった。 浦添の空に向かって放たれた白球は風にも後押しされ、左翼フェンスを越えた。江越がオープン戦チーム1号となる同点2ランを放ち、ゆっくりとダイヤモンドを一周。キャンプ最後の実戦で外野の定位置争いが白熱した。 「ちょっと詰まったんですけど、風に乗ってくれた。詰まってOKだと思っているので、良いバッティングができた」 1-3の七回1死一塁。育成右腕・丸山翔の144キロ直球を完璧に捉えた。ライナー性の打球で左翼スタンドへ着弾。オフはオリックス・杉本と合同自主トレを行い、キャンプでは藤井康1、2軍巡回打撃コーチにアドバイスをもらいながら、フォーム改良に励んだ。今年にかける男が豪快な一発を放った。三回先頭では死球で出塁すると、すかさず二盗。続く坂本の右前打で一気に生還する好走塁もみせ、足でもアピールした。 ライバルも黙っていなかった。九回2死一、二塁では、同じ外野手の小野寺が6年目右腕・星のチェンジアップを捉えて左翼へ3ラン。「いい感じだったんですけど、弾道が低かったので、入るとは思わなかった」と喜んだ。 九回、3ランを放つ阪神・小野寺暖=ANAボールパーク浦添(撮影・宮沢宗士郎) アーチ競演で外野の定位置争いが熱くなってきた。現状、外野でレギュラーが確定しているのは中堅の近本のみ。両翼は佐藤輝やロハス、大山らが候補になるが、ロハスはこの日、1四球こそ選んだが2打数無安打で紅白戦も含めた実戦では打率・150(20打数3安打)とさっぱり。その隙に定位置の座をいただこうと必死のアピール合戦が繰り広げられている。 江越が「もっともっとアピールしていかないといけない。逆にここからスタートだと思う」と話せば、小野寺も「一年間ずっと1軍の戦力になるために、(キャンプから)帰ってからもアピールしていきたい」と気合十分だ。 矢野監督は「もっと突き上げがほしい中で、そういうやつらが出てくるというのをこっちも待っている。あいつら自身も試合に出るためには必要になってくる」と話すと、「(本塁打が)出てよかったと思っていると思うんだけど、もちろん満足していないと思う」とハッパをかけた。 28日にキャンプも打ち上げ、開幕までは1カ月を切っている。外野の枠を巡るバトルはさらに激しさを増す。(菊地峻太朗)

◆阪神・梅野がひと振りで存在感を放った。八回2死二塁、代打で登場し、木沢の145キロをとらえて中越えの適時二塁打。「いい集中力で打席に立てた。こういう形でキャンプ最後の実戦を終えられてよかったし、内容のある打席だった」と胸を張った。キャンプ序盤から右肩の違和感を抱えていたが、26日の中日戦(北谷)でスタメンマスクをかぶり不安を一掃。正捕手の筆頭候補が攻守で状態を上げている。

◆開幕ローテ入りへ大前進! 阪神・藤浪晋太郎投手(27)が27日、ヤクルト戦(浦添)で先発し、2回1安打無失点2奪三振の好投でアピールした。腰の張りで登板回避したジョー・ガンケル投手(30)に代わって緊急先発すると、最速157キロの直球を軸に昨季王者をピシャリ。「支配的な投球はできた」「悩むところがない」「ボールが操れた」と自画自賛の内容でキャンプ最後の実戦を締めくくった。 ストライクの黄色いランプがともるたびにスタンドから拍手が起こる。ファンも、球場の雰囲気をも味方につけるのは、藤浪だからこそなせる業。昨季王者のヤクルトを2回無失点に抑えて試合を支配した。 「圧倒とまではいかないですけど、支配的な投球はできたんじゃないかなと思います」 普段は自己採点が厳しめの右腕だが、この日は自画自賛の内容だった。当初は2番手の予定だったが、ガンケルの回避で先発登板すると、一回先頭の山崎を内角の153キロで空振り三振。2死からサンタナに右中間二塁打を許したが、4番・村上を155キロで二ゴロに料理した。二回も先頭の内山壮を外角の直球で見逃し三振に斬るなど三者凡退に打ち取った。 相手は昨季あと一歩のところで優勝を許した宿敵でもあり、開幕カード(3月25-27日、京セラ)で戦うヤクルトだったが、矢野監督も「いいボール行っていたね。勝てる球を投げていた」とうなった。 ノーワインドアップでの投球は、グラブを右腰のあたりにセットしてから投げる。「悩むところがないですし、ポンポン、ストライクを取っていける。自然とテンポもよくなる」と手応え十分だ。最速157キロを記録するなど球威もさることながら、「しっかりボールが操れたんじゃないかな」と制球も安定。110キロ台のカーブも2球投げてカウントを稼ぎ、「バッターの頭にない球なので。有効に使えたかな」とうなずいた。 現状の開幕ローテ候補には、青柳、秋山、西勇を筆頭にガンケルと伊藤将も有力とみられており、藤浪は6番手のイスを狙う。今キャンプ最後の実戦で一番の輝きを放った27歳に指揮官は「(先発ローテに)入ってもらわな困るし、きょうの球やったら、勝てる投球になってくると思う」と期待している。 昨季は初の開幕投手を務めたが、3勝にとどまり不完全燃焼の1年を過ごした。プロ10年目の今年こそ見返す覚悟だ。活躍を期し、オフには巨人のエース菅野に弟子入り。師匠から指摘された軸足を意識しながらトレーニングに励み、その成果が表れつつある。 「いいオフの過ごし方ができたからこそ、いいシーズンに向けての準備ができている」。あとは今回のような投球を継続するだけ。その先に開幕ローテ入りが待っている。 「『藤浪、使いたいな』といいますか、支配できる投球といいますか、そういうところをしっかりやってきたい」 開幕まで残り1カ月。有無を言わせぬ圧倒的な結果を残し続けて、笑顔で球春を迎える。(織原祥平) ★阪神の先発投手事情 昨季13勝の青柳を筆頭に、秋山&伊藤将(ともに10勝)、復活にかける西勇にガンケルが続く。実質残る1枠をめぐり、藤浪が実戦で好投を続けている。先発転向を目指した左腕・及川は実戦で好結果を残せず、中継ぎへ回る見込み。新外国人のウィルカーソンはコロナ禍で来日できないため米国で練習を続けている。高橋は左肘のクリーニング手術明けのため2軍で調整中。

◆開幕カードと同じヤクルト戦に「5番・三塁」で出場した佐藤輝明内野手(22)が、守備のミスを猛省した。木浪聖也(27)&小幡竜平(21)両内野手の二遊間コンビにもそれぞれミスが飛び出し、チーム全体で3失策。昨季日本一のツバメには足でもかき回され、矢野燿大監督(53)も改めて守備力向上を課題に挙げた。 〝プレ開幕戦〟勝利の中で大きな課題が残った。虎のホットコーナーを奪うために、つかまなくてはならない〝2球〟だった。佐藤輝は「H」ランプよりも、ともしてしまった「E」ランプを猛省した。 「ああいうのはしっかりと捕れるようにならないと(三塁を)守れないので、頑張ります」 この日は大山が4番で左翼を守ったため、12日の練習試合・楽天戦(宜野座)以来となる「三塁」でのスタメンだった。反省点は六回の守備。まずは1死の場面、三塁線を襲った吉田成の打球に横っ飛びしたが、打球はグラブを弾き、左翼ファウルゾーンを転々とした(記録は三塁内野安打)。そして2死一塁では、代打・中村の打球を後逸。失策でピンチを広げてしまった。 四回の第2打席では左翼フェンス直撃の二塁打放ち、2月の実戦を打率・452、5打点、2本塁打で締めくくった。「波も少ないし、1試合1試合同じ感じでいけたら」と打棒が好調なだけに、精彩を欠いた守備のミスは目立つ。なにより、大山との三塁競争に勝つためには、凡ミスはご法度だ。 昨季まで虎は4年連続で両リーグワーストの失策数を記録。守備の課題はリーグ制覇へ一番の壁といっても過言ではない。だが、この日は木浪と小幡も守備でミスを犯し、1試合で3失策。〝記録には残らないエラー〟も随所に見られた。 ヤクルトは若手野手の積極的な姿勢が目立ち、この日の盗塁企図数は5回。矢野監督は「高津監督になってから走る意欲をずっと持っているチーム」と印象を語った。余計な失策で塁上をにぎわしている場合ではない。昨年は勝率5厘差でリーグ優勝をさらわれ、今年の開幕カード(3月25-27日、京セラ)を戦う相手だ。改めて手綱を締める必要がある。指揮官は自ら言及した。 「球際はきょうも課題がたくさん出ている。守備に関してはもっと締まりのあるプレーをしていかないとなという課題はあった」 沖縄で再び露呈した虎の弱点。開幕までにより一層〝守り〟を固めていく。(原田遼太郎)

◆2番手で三回のマウンドに上がった阪神・及川は「きょうも立ち上がりが悪く、まだまだ課題の残る投球になりました」と先頭に出した四球を反省した。1回1安打無失点と後続は抑えたが、ピリッとしない内容。今季は先発転向に向けて調整を続けてきたが、矢野監督は「中でいこうかなと思っている」と昨季同様、中継ぎでの起用を明言した。

◆ヤクルトには、緩みがない。昨年の日本一で慢心する気配など、みじんも感じられない。ともすれば、家族的でなごやかな特徴があったチーム。これほどの変貌ぶりには正直、驚いたね。 この時期になると普通、若手は既に控え組へと〝色分け〟されていて、チンタラした選手が出てくるものだけど、ヤクルトは全員が必死。緊張感、緊迫感にあふれ、競争原理が働いている。 投手陣もさることながら、特に野手陣だ。内山壮、武岡らは構えが自然体で、筋肉ぶりぶりタイプではなく、スイングが鋭い。正捕手の中村でさえ、安閑とはしていられない。捕手のポジション争いがし烈なチームは、強い。いいことだよ。 もちろん、他の主力級もベテランも同様。ポジションを約束されるのは、山田と村上だけでは? そう思うほどだ。 この空気は、高津監督の意識の高さがもたらしたものかな。投手出身。きょう勝っても、次に勝てる保証はない。そして負けたら、給料が下がる。切羽詰まった世界で生きてきただけに、緩めることを知らないのだろうね。 したがって、現段階でのエモト予想。ヤクルトの連覇、あるかもよ。(サンケイスポーツ専属評論家)

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