1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | 安 | 失 | 本 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
阪神 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 7 | 1 | 0 |
中日 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | X | 2 | 10 | 1 | 0 |
勝利投手:近藤 弘基(1勝0敗0S) (セーブ:藤嶋 健人(0勝0敗1S)) 敗戦投手:桐敷 拓馬(0勝1敗0S) |
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◆中日は、2番手の岡田が3回1失点。先発転向を目指す左腕が安定したピッチングを見せた。一方の阪神は、先発ローテーションの柱として期待される秋山、青柳が登板。両投手ともに2回無失点と、順調な仕上がりを披露した。
◆中日大野雄大投手(33)が今季初の実戦マウンドに上がり、2回1安打無失点と上々の仕上がりを見せた。
◆中日岡林勇希外野手が竜の新リードオフマンに急浮上した。オープン戦初戦の阪神戦(北谷)に「1番・右翼」でスタメン出場すると4打数3安打の猛打賞。開幕スタメンを猛アピールした。
◆中日京田陽太内野手がマルチ安打で存在感を見せた。「8番・遊撃」でスタメン出場し、秋山、青柳からヒットを放ち4打数2安打。昨秋から立浪監督ら首脳陣と打撃改造に取り組んだ成果をオープン戦初戦で披露。
◆阪神ジェフリー・マルテ内野手(30)は実戦2試合連続安打を放った。
◆プロ2度目の実戦に臨んだ阪神のドラフト3位・桐敷拓馬投手(22)=新潟医療福祉大=は2回5安打1失点に終わった。 1―1の六回から登板したが、2死から阿部と木下の連打、石川昂に四球で満塁。だが、京田を遊ゴロでなんとか無失点で切り抜けた。初めて回をまたいだ七回。1死から岡林、根尾に連打で一、二塁とされると、山下に勝ち越しとなる中前適時打を浴びた。 初の実戦だった20日の中日との練習試合(宜野座)では1回三者凡退だった。開幕1軍に向けてアピールしていたが、課題を残す投球となった。
◆オープン戦初戦となった阪神は中日に1―2で敗れた。 一回に今季実戦初登板となった西勇が先頭・岡林に二塁打。大島、福留と打ち取ったが、ビシエドに先制の左前適時打を浴びた。その後、登板した秋山、青柳はそれぞれ2回を無失点に抑えた。 五回に糸原の右犠飛で1―1の同点に追いついたが、七回。六回から登板し、初めて回をまたいだD3位・桐敷(新潟医療福祉大)が岡林、根尾、山下に3連打を許して、勝ち越しを許した。打線は佐藤輝が右前打と内野安打でマルチ安打を記録したが、チームとしては7安打1得点に抑えられた。
◆阪神のオープン戦は黒星スタートとなった。西勇(1回1失点)、秋山、青柳(ともに2回無失点)の開幕投手候補が投げたが、矢野耀大監督(53)は「3・25」については明言を避けた。D3位・桐敷(新潟医療福祉大)は2回5安打1失点だった。指揮官の主な一問一答は以下の通り。 ーーローテを任せられる3人が投げた 「勇輝も指のマメがつぶれたんでね、1回で代わったけど。ヤギも球数使ってるけ、これぐらいなのかな。アキは前回よりも切れもコントロールもあるボールが投げられていた」 ーー開幕投手という話になる 「まだ決めない」 ーーオープン戦が進んで 「決めない」 ーー内容をみながら 「決めない」 ーー桐敷の評価は 「別に変らへんけどね。対外試合で経験しながら、どうするのか自分でやることがわかってくる。もう少し低くとか、もっと腕を振らなあかんとか、こういう球種よりこういうのがいいなとか、そういうことはできるピッチャー」 ーー複数イニング 「いけると思うよ」 ーー先発タイプ 「それはまだ分からんやん。球数増えても、イニングが増えても、いけると思うから、やらせてるんであって」 ーー佐藤輝もしぶとく内野安打。空振りをしない 「あれを評価するのは難しい。空振りをしないという言い方は難しいところで...。俺も別に小さく振ってほしいわけじゃない。自分のポイントで自分のスイングをできることの方が大事」 ーー数字が残っている。全体的な印象は 「形は良くなっているよ。練習の打ち損じというか、しっかり捉える形。それが緩みなく打てているところは、手応え感じていると思う」 ーー梅野は肩も問題なさそう 「こうやって試合で見ると、大丈夫やなと俺らも確認できるし、リュウもそう思っていると思う」 ーー少ないチャンスで争う若手は 「少ないチャンスやから、今日だけでどうかと言われると、なかなか難しいと思う」
◆中日はオープン戦初戦で接戦を制した。立浪和義新監督(52)の主な一問一答は以下の通り。 (TVインタビュー) ――僅差を守って勝利した初陣を振り返って 「安打数の割に点が取れないという課題みたいなものもありましたけど、作戦面も含めて、積極的に走者を動かしたり、そういったこともしていますし、いまの段階ではミスをすれば、また練習して、次にいい結果につながるようにやっていけばいいかな、と思っています」 ――大野雄は先発で2回無失点 「この時期にしっかりとボールを投げていましたし、なぜかかなり力んで高めに行くボールが多かったですけど、順調にきているな、というところ」 ――1番起用した岡林が3安打 「(今後も)きょうぐらい出塁してくれれば。内容も非常に良かったですし。もちろんこれから、へばって悪くなる時期もあると思いますけど、何とかそこを乗り越えられるようにやっていきたいなと思います」 ――石川昂は無安打2三振と1失策 「打てる、打てないはいいんですけど、やっぱり守る方をしっかりとやるという意味で(七回1死での失策は)ヒット性のあたりですけど、ああいうのをアウトにできるようになってもらいたいと思いますね」 ――ウイニングボールを渡された 「もう2球、練習試合とオープン戦といただいたんですけど、早くシーズンに入ってからいただきたいですね」 (囲み取材) ――大野雄がシュートに関して監督から進言があったと話していた 「左打者の反応を見て自信になっていけばいいかな、と。大野といえば左の方が意外と打たれているイメージがあったんですけど、真っすぐと、基本スライダーの逃げていくボールなんで。ツーシームも時折使うんですけど、こっち(内角寄り)があるだけで投げ方は全然、違うんで。練習で投げているところを見たら、まあまあ良いボールを投げていたので。特に左の強打者には有効的になるのかなと思う。オープン戦で、どんどんバッティングカウントなどで試してもらいたいなと思います」 ――京田が2安打 「良いヒットを2本打って、秋からやってきたフォームが自信ついてくればいいと思いますし、あとは対左ですよね。左対左のときにボールの待ち方などで、かかとに重心がかかるところあるので、その辺を左の打ち方をこれから教えていきます」 ――岡林は積極的にファーストストライクを打った 「タイミングを取るのがうまいですからね。いろんな投手にも比較的、合わせられる。ただ、シーズンに入れば自分のタイミングに合わない投手もいますし、これからいろいろ経験するんでしょうけど、オープン戦でたくさん、いろんな投手と対戦して何かつかんでもらえればなと思います」 ――打順はこれから? 「そうです。現段階でのこのキャンプ見て、秋から見て、その中できょうはオーダーを組んだんですけど、これからもちろん流れ的なことも含めて、多少は変わってくるかもしれませんけど」 ――岡林の三回の二盗企図は自分の判断? 「このオープン戦は、岡林に関してはアウトカウント関係なしに走れるところはどんどん走る練習をするというところでやっています」
◆オープン戦初戦を任された中日の大野雄は制球に苦しみながらも2回を無失点とした。一回2死二塁では佐藤輝を内角直球で詰まらせ三邪飛に仕留めて「一番いい球。本来の強い真っすぐを失わないように」と自らの武器を再確認した。 苦手の左打者対策として1週間ほど前にシュートを投げ始めた。制球面については、その影響で投球フォームが崩れていた可能性があるそうで「球種が増えると何かを失ってしまうのはこの世界はよくあること」と慎重に話した。
◆キャンプの実戦登板で結果を残し続けてきた桐敷だったが、オープン戦初戦でプロのレギュラークラスの力を肌で感じたのではないか。決してキレがなかったわけではないが、少々甘く入るとしっかり打ち返された。 とはいえ、積み重ねてきた評価が下がることはない。むしろ、ホメたい。プロで初めて打ち込まれると、無意識に逃げの気持ちが球に伝わってしまう投手が多い。打たれたくないという思いが、制球の乱れにつながり、ボール、ボールでカウントを悪くしてしまうのだ。 ところが、桐敷はこの傾向が全く見られなかった。打たれても、逃げの気配は感じなかったし、ドンドンと攻めていた。ワンバウンドが暴投になるケースもあったが、無駄な球が1球もなかった。これは素晴らしい。最初は打たれて、失敗して勉強すればいい。 この逃げない投球ができるということは、性格的にリリーフが向いているのではないか。もちろん先発のポテンシャルも秘めているが、まずは六、七回を任せてみてはどうか。延長12回ルールとなった今季の、阪神の新たな武器になりそうだ。(サンケイスポーツ専属評論家)
◆中日・大野雄大投手(33)が先発として今季初の実戦登板を果たし、2回1安打2四球無失点だった。 「いつもオープン戦の初めの登板は緊張する。球があちこちに行って、制球はできなかった。ゼロで帰ってこられたのと真っすぐに力があったのは収穫」 ストライク先行で投げることをテーマに掲げていたが、一回先頭の近本に四球を与えるスタート。その後はシーズンさながらに糸原、マルテ、佐藤輝と続く強力打線を相手に、凡打を打たせて失点することなく滑り出した。結果的に同じくゼロを並べた二回も2死一塁で8番・梅野にストレートの四球を与えるなどし、直球、変化球ともに制球面での課題を持ち帰った。降板後もブルペン投球で調整し「しっかりと修正していきたい」と前を向いた。 また、右打者と比較して左打者を苦手とするなかで、約1週間前から、立浪監督からの進言で取り組み始めたシュートの感触もマウンドで確認。サインは1度だけしか出なかったが、左打者の糸井の内角に投げ込んだ。「投げ始めてまだ1週間ぐらいなので、まだどうこうは分からないが、これから練習をいっぱいしていかないといけないと感じた。(ただ、)1つ球種が増えると何かを失ってしまうのはこの世界ではよくあること」と話し、今後は練習を重ね、シーズンに向けて取捨選択していく。
◆中日の3年目・岡林勇希外野手(20)が「1番・右翼」で先発出場し、3安打と結果を残した。 「キャンプでやってきたことをしっかり出せたところと、まだまだ思い切ってできた部分、反省点があるので、シーズンに向けて課題を克服し、思い切ってプレーしていきたい」 一回先頭での第1打席は菰野高の先輩・西勇との対戦。1ストライクから内角高めの真っすぐをジャストミートすると、鋭いライナーで右翼線へ運んで二塁打にし、2死後にビシエドの左前適時打で先制のホームを踏んだ。「1打席目に振ってヒットになって、その流れが2打席目、4打席目へのいい形になった」と勢いに乗ると、三回には2年連続2桁勝利を挙げている秋山から右前打。七回1死では左腕のD3位・桐敷(新潟医療福祉大)の外角へのスライダーに泳がされながら、一、二塁間を突破。続く根尾の安打でチャンスが一、二塁と広がると、山下の中前打に二塁から一気に決勝のホームインを果たした。 立浪和義監督(52)も「きょうぐらい出塁してくれれば(いい)。内容も非常に良かった」と高く評価した。しかし、岡林は反省点として走塁面を挙げた。 「(三回に)盗塁でアウトにもなりましたし、行こうと思って途中でやめてしまったりとか、まだ思い切った走塁ができていない。オープン戦で失敗してもいいと言われているので、スチールもどんどんやっていきたい」 一塁走者だった七回には根尾の右安打で、二塁ストップ。積極性を求められるなか、次戦以降の課題とした。 「去年は開幕スタメンを目指してやっていたんですけど、悔しい思いをしたので、今年は何とか開幕スタメンを目指して、そのあとに143試合という数字も出てくると思う。まずは開幕スタメンを目指して、オープン戦1試合1試合でアピールしてやっていきたい」 指揮官も打撃センスを高く認める若竜。巨人との開幕戦(3月25日、東京ドーム)へ向け、まだまだ結果を積み重ねていく。
◆キャンプ序盤から右肩の違和感を抱え、8日の日本ハム戦(宜野座)以降、捕手としての実戦出場がなかった梅野がスタメンマスクをかぶり、不安を吹き飛ばした。三回無死一塁、スタートを切った一走・岡林に〝バズーカ〟を発動。三振併殺に仕留め「あまり(違和感は)気にならなかった。強い球が投げられたし、ベストな送球ができた」と胸をなで下ろした。
◆育成枠で唯一人、阪神の1軍の宜野座キャンプに参加してきた渡辺雄大投手(30)が、中日とのオープン戦に1点ビハインドの八回に登板。1回無安打無失点で2三振を奪った。紅白戦を含めた実戦4試合で、いまだに失点はゼロ。ソフトバンクを戦力外となり虎での飛躍を目指す〝遅れてきた左腕〟は「なべじい」の愛称定着と同時に1軍にも定着する。 気迫も声も出た。これまでの苦労を振り払うように腕を振り、最後は投ゴロに懸命にジャンプして三者凡退だ。「なべじい」こと渡辺の虎での挑戦が、沖縄から最高の形で進んでいく。 「キャンプで最後の登板だったんで、3つ最後、三振狙いにいったんですけど。自分のやりたいことがしっかりできましたし、意図したボールを投げられた。アピールできたと思います」 開幕投手候補の西勇、秋山、青柳に続いて注目のD3位・桐敷が投げた後、1-2の八回のマウンド。〝俺もいるぞ〟とばかりに、苦労人が先頭から2者連続三振だ。 まずは桂を外の変化球で空振り三振。伸び盛りの石川昂は内角に食い込む変化球で空振り三振。最後はこの日、2安打していた京田を、当たり損ないの投ゴロで打ち取った。矢野監督も「なんか〝なべじい〟、だんだん良くなっている感じがする」とうれしい驚きだ。 梅野らと同学年の30歳。20年にはソフトバンクで3試合に登板するも左肘を痛めた。21年は6試合の登板にとどまり戦力外-。だが、虎将は思い切って宜野座へ招いた。そして親しみを込め「なべじい」と呼ぶ。 同じ左腕の横手投げの〝じい〟と言えば、90年代の虎を支えた「たむじい」こと田村勤が思い浮かぶが、渡辺も同じようなポジションを目指せる。ここまでの実戦4試合で無失点。この日は左打者だけでなく、右打者からも2三振を奪った。指揮官も「支配下という小さいところを目指しているわけじゃないと思う」と心中を察する。このまま行けば、支配下どころか、開幕1軍も見えてくる。 「しっかり1イニングという気持ちが頭にあったので、きょうは3人で終われたのでよかった」 その左腕で、もう一度夢をつかむ。今季最大のサプライズになり得る。(長友孝輔)
◆阪神・矢野燿大監督(53)は開幕投手候補のうち3投手がそろって登板したこの日も「(まだ)決めない」。テレビ中継でのインタビューでは、2回無失点と踏ん張った青柳晃洋投手(28)の開幕投手起用について「近いところには来ている。もう少し楽しみに考えながら、見ていきたい」と語った。 オープン戦開幕に柱となる男たちがそろい踏みしても、矢野監督はまだ思いを巡らせた。「3・25」を託す〝矢野虎最後の開幕投手〟はこれから決めると言い切った。 「まだ決めない」 オープン戦が進んでからかと問われても「決めない」。内容を見ながらかと問われても「決めない」と3度、言葉に力を込めた。 4回のマウンドに上がった阪神・青柳晃洋=Agreスタジアム北谷(撮影・中島信生) オフから西勇、秋山、青柳、伊藤将を候補に挙げてきた。うち3人がこの日投げたが、西勇は実戦初登板で右指のまめがつぶれて1回1失点。秋山は2回2安打無失点、青柳は塁上をにぎわしながら2回無失点だった。 3年連続で規定投球回に達し、昨季13勝で最多勝に輝いた青柳は間違いなく有力候補だ。だが、2四死球と乱れただけに本人も「やりたいことができずに終わってしまった。悔いが残る試合だった」と振り返った。 それでもテレビ中継でインタビューに応じた指揮官は「青柳の開幕への意欲は本当にうれしい。青柳もそこまで来た。姿勢も素晴らしい。(開幕投手へ)近いところには来ている。もう少し楽しみに考えながら見ていきたい」と期待を込めた。 悩ましいのは何人も頼もしい男たちがいることの裏返しだ。将は目を細めつつ、開幕を見据えている。
◆「2番・二塁」で先発した糸原が0-1の五回1死三塁で、一時同点の右犠飛を放った。「ゾーンを上げて、甘い球をいこうと思っていた。1球で仕留められたのはよかった」。第1クールで新型コロナウイルスに感染して出遅れたが、24日の紅白戦(宜野座)で今季初実戦に臨み、いきなり2ラン。2試合連続で結果を出し「大野雄さんや岡田さんはシーズン中も対戦がある。そういう投手の球を見られてよかった」と満足げだった。
◆両手で荷物をいっぱい抱えたトラ番サブキャップ・新里公章が叫んだ。目とアゴで地面のある一点を必死で指し示す。 「50円、落としました。そこです! ホラッ、そこ!」 ここは中日のキャンプ地・北谷球場の駐車場。両手が塞がって拾えない後輩のため、地上の50円玉を拾い上げてあげた。 「ありがとうございます。ラッキーです。先ほど、マスクが風で吹き飛んでしまったので、これで新しいマスクを購入しようと思います」 なんだかよく分からないが、サブキャップはとてもうれしそうだった。 でも、直前までの中日とのオープン戦開幕カードは、とてもじゃないが笑顔で振り返れない、お粗末なムードの試合。課題は今、一気に吐き出した方がいいのだろうが。 佐藤輝、糸井ら特定の選手以外がほとんど打たないのは、相変わらず。「ずっと、同じ感想ばかり言ってますよね」とキャップ・長友孝輔も困った顔をしていた。 開幕ローテの主役がズラリ顔をそろえたが、西勇は1イニングで交代してしまう。青柳の制球もまだまだ調整段階か。 「虎のソナタ」的には守備での送球の悪さが気になる。この日も四回に木浪の一塁送球がそれたが、何も木浪だけではない。投内連係やケース打撃練習で、頻繁に送球の乱れが起きている。併殺が奪えなかったり、というシーンも目立つ。記録には「E」マークは残らないが、致命傷になりかねない。V逸最大の要因の1つと断言されている守備なのに、キャンプ最終盤になっても、改善の気配が見えてこないのは心配だ。 もちろん、光明もなくはない。「なべじい」が救世主の予感を漂わせているという。ソフトバンクからやってきた背番号128。育成枠からのサクセスストーリーなら、虎党のハートにグサッと突き刺さる。そして、左のサイドスローで、愛称「○○じい」。オールドファンなら、あの男を思い出すのだろう。 田村勤。通称たむじい。若き日の風貌は、わが社の局次長・生頼秀基に似ている。最近は、冒頭で紹介したサブキャップ新里公章に似ていなくもない、と思っていた。 1992年。ビッグボス新庄剛志らの活躍で、阪神が優勝目前まで迫った年だ。あの年、「タラレバ」を言い出したらキリがないぐらいに悔しい出来事が多かった。サヨナラ本塁打が判定が覆って二塁打になった、八木裕(現本紙専属評論家)の〝幻のホームラン〟などは、その代表例。 でも、当時の担当記者に言わせれば、「守護神・田村の左肘痛による離脱があと1週間遅かったら...」と思うのだ。それほど完璧に相手を抑え込んだ。5月下旬から6月にかけては、登板のたびに、対戦する打者から三振を奪い、ついに9者連続奪三振。圧巻のクローザーだった。 そんな「〇〇じい伝説」が令和の時代に甦るかも。新戦力の台頭が乏しいことしのタイガース。ちょっと期待したくなります。 そして2軍キャンプ地・安芸。コロナの被害は拡大する一方。惨状を聞くと、試合ができる1軍は恵まれている。明るい平田2軍監督の困った顔は、見たくない。今こそ応援しよう。ガンバレ、平田タイガース!
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