ヤクルト(☆5対0★)巨人 =クライマックスシリーズ2回戦(2021.11.11)・明治神宮野球場=
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巨人
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ヤクルト
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勝利投手:高橋 奎二(1勝0敗0S)
敗戦投手:菅野 智之(0勝1敗0S)
  DAZN
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◆ヤクルトが日本シリーズ進出に王手をかけた。ヤクルトは2回裏、西浦の犠飛で1点を先制する。そのまま迎えた6回には、塩見の適時三塁打などで4点を挙げ、リードを広げた。投げては、先発・高橋が6回無失点の好投。敗れた巨人は攻守に精彩を欠き、後がなくなった。

◆我慢の時が続く。巨人岡本和真内野手(25)がヤクルトとのCSファイナルステージ(S)に2戦連続で出場選手登録から外れた。阪神とのファーストS(甲子園)から4戦連続での欠場となった。 岡本和は10月31日の東京ドーム練習でフリー打撃を回避。上半身のコンディション不良とみられ、以降は別メニュー調整が続いていた。 巨人打線は前日10日の初戦、ヤクルト奥川に苦しめられ、6安打完封負けを喫した。今季、リーグ戦で全143試合に先発出場し、本塁打&打点でリーグ2冠の4番不在の中、アドバンテージを含め、0勝2敗で王者ヤクルトに挑む。

◆ヤクルト奥川恭伸投手(20)が、快投翌日も元気に調整した。 前日10日のCSファイナルステージ第1戦では、100球未満の完封を意味する「マダックス」でプロ初完封を達成。プロ入り後最長イニングを投げたが、リラックスした表情でランニングなどを行い、汗を流した。

◆リーグ優勝からファイナルステージ突破を目指すヤクルトのスタメンが発表された。 初戦は2年目の奥川がプロ初完封。打線も初回に3点を先制し、投打がかみあって大きな勝利をつかんだ。流れに乗って、日本シリーズ進出へ王手をかけたい。

◆下克上を狙う3位巨人のスタメンが発表された。 ヤクルト先発高橋に、今季4打数2安打1本塁打と好相性の中島が「6番一塁」でファイナルステージで初めて先発に名を連ねた。4番に座る丸も今季5打数2本塁打と得意にする。主砲・岡本和はポストシーズン4戦連続で出場選手登録から外れた。先発の菅野は、今季ヤクルト戦で2勝0敗、防御率0・39とかもにする。 チームは前日10日の初戦ではヤクルト奥川に6安打しか放てず、完封負けを喫した。同シリーズは最大6試合で4勝先取。負ければヤクルトに日本シリーズ進出ヘ、王手をかけられる一戦。勝って望みをつなぐ。

◆ヤクルトの球団マスコットつば九郎が、BIGBOSSに勝手に就任(?)した。 試合前の恒例のコーナーで「じんぐうきゅうじょうの じしょう BIGBOSS つばくろうです」と自己紹介。スタンドからは拍手が起こった。 前日のCSファイナル初戦について「さくやは ちーむの すえっこてきそんざいの おくがわくんのかつやくで しょせんをかちとることができました!」と報告した。 第2戦は、巨人の先発はエース菅野。「これからも かならずたいせんする Gえーすに こんや『ばいがえしだ!』」と宣戦布告。 さらに「TOKYO 卍(まんじ) りべんじゃーず こんやは てっとくんと むらかみくんの めだるこんびが GTのえーすから」「きせつはずれの じんぐうはなびたいかい でっかいのをうちまくります」と、ヤクルト山田と村上の東京五輪金メダルコンビが本塁打を放つと"予告"した。 ヤクルトの先発は、左腕高橋。「せんぱつは けいじぱぱ CSふぁいなる 2せんめのしろぼしを~」「ふらいんぐ げっと!しちゃうぞ~!」とフライングゲットポーズをばっちり決めた。

◆巨人が"リプレー押し出し"での先制とはならなかった。制球が安定しないヤクルト高橋を1回から攻め立てる。1死から広岡が二塁打、坂本、ウィーラーが四球を選び、2死満塁。今季高橋から4打数2安打1本塁打と好相性の中島が打席へ。初球内角胸元への147キロ直球が中村のミットに収まった。 この1球に原辰徳監督(63)がリクエストを要求。死球かどうかを審判団がリプレー検証を行うも、判定は変わらずリクエスト失敗。1ボールから試合が再開された。中島はその後、空振り三振に倒れ、1回の先制のチャンスをものにすることはできなかった。

◆ヤクルトが、2試合連続で先制した。 2回1死満塁で西浦直亨内野手(30)がカウント1-2と追い込まれてから巨人先発菅野の外角変化球に食らいつき、中犠飛を放った。 三塁走者の村上がタッチアップし、余裕の生還。西浦は右手を高々と突き上げながらベンチへ戻り、村上とハイタッチをかわした。

◆巨人の「円陣番長」岸田行倫捕手(25)が、声出し役の"代打"でもり立てた。 松原が「昨日初戦、取られたんですけど、今日は倍返しでどんどん行きましょう!」と呼びかけると、番長が輪の中心に登場。「今日絶対とって、行きましょう!ざーす!危ない!わちゃー!危ない!」と大声で叫んだ。これにはナインも大爆笑だった。 円陣の様子が収められた球団公式ツイッターのツイートには「やっぱりここは円陣番長の出番」「わちゃーってなに?? さすが円陣番長、よくわかんないけどなんかちょっと元気になるwww」と言ったつぶやきが寄せられた。

◆ヤクルトの"代打の神様"川端慎吾内野手(34)が、打たずに追加点を奪った。 1-0で迎えた6回2死満塁。高橋の代打で打席に立った。フルカウントから巨人菅野が投じた7球目の直球は、外角に大きく外れて四球。貴重な追加点を押し出しで奪った。 直後に代走が送られた川端はベンチに戻り、チームメートと歓喜のハイタッチをかわした。

◆ヤクルト塩見泰隆外野手(28)が、"神走塁"の次は"神スイング"で貢献した。 2-0で迎えた6回2死満塁、カウント2-2から巨人菅野の5球目、直球をしっかりとらえ左中間を破った。 塩見は自慢の快足でぐんぐん加速し、走者一掃の三塁打。貴重な追加点を挙げた。 前日のCSファイナル第1戦では、村上の遊飛で三塁からタッチアップして先制のホームを踏み、"神走塁"として注目されていた。

◆巨人のエース菅野智之投手(32)が、中4日で113球の熱投も実らず、6回途中5安打5失点5四球(自責1)で降板した。試合後には「今日のことを振り返っても仕方がないので、前だけ見て、次登板する機会に向けてしっかり調整します」とコメントした。 2回に西浦の中犠飛で先制を許すも、その後は5回まで0行進を続けた。暗雲が垂れ込めたのは6回。先頭村上の二塁打の後、サンタナの平凡な遊ゴロを坂本が悪送球。一塁手中島のタッチも届かず、無死一、二塁とピンチを拡大した。その後、2死満塁として、ヤクルトは6回無失点と好投を続けていた先発高橋に代打川端を投入し、勝負に出た。 このタイミングで原監督が直々にマウンドへ。指揮官の言葉を受けたエースは2球で追い込むも、3球連続ボールでフルカウント。ファウルを挟んで7球目。内角を構えた捕手小林のミットから大きく外に抜け、押し出し四球となった。 さらに、続く塩見に内角寄りの直球を左中間に運ばれ、3点適時三塁打。リードを5点に広げられた菅野は、悔しさを表情ににじませながら、歩いて三塁側ベンチに下がった。

◆クライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージは第1戦に勝利し、アドバンテージの1勝を含めて2勝のヤクルトが、巨人を迎える。先発はヤクルトが高橋、巨人は菅野。

◆ヤクルトは2回、西浦の中犠飛で巨人菅野から1点を先制。先発の高橋は、ピンチを背負いながらも3回まで2安打無失点。 ヤクルトは6回に押し出し四球と塩見の適時三塁打で4得点。先発高橋は6回2安打無失点、巨人菅野は6回途中5失点で降板。 ヤクルトは投打かみ合い、2連勝。アドバンテージと合わせて3勝で日本シリーズに王手。巨人は2戦連続の完封負けで窮地。

◆3位からの下克上を狙う巨人が窮地に立たされた。リーグ王者のヤクルトを相手に2戦連続完封負け。アドバンテージを含めて、0勝3敗で、もう1試合も落とせない状況になった。 エース菅野は阪神とのファーストステージ初戦(甲子園)で98球を投げてから中4日で先発マウンドを託された。2回1死満塁から、西浦の中犠飛で先制を許す。この回は最少失点に留めるも、6回にヤクルト打線に捕まった。先頭村上の二塁打の後、サンタナの平凡な遊ゴロを坂本が悪送球。一塁手中島のタッチも届かず、無死一、二塁とピンチを拡大した。その後、2死満塁から、代打川端に押し出し四球を与えた。さらに、続く塩見に左中間への3点適時三塁打を浴び、リードを5点に広げられた。 打線もファイナルステージに入ってから沈黙が続く。1回こそ、制球が定まらないヤクルト高橋を攻め立て、2死満塁とするも、中島が空振り三振で先制点のチャンスを逃した。以降はスアレス、清水、マクガフとつながれ、2安打完封負け。0勝3敗から日本シリーズ進出を果たした例はない。巨人が文字どおり、崖っぷちに立たされた。

◆ヤクルトが2試合連続の0封勝ちで、アドバンテージ1勝を含む対戦成績を3勝0敗とし、日本シリーズ進出に王手をかけた。 "神走塁"の次は"神スイング"だった。2-0で迎えた6回2死満塁。塩見泰隆外野手(28)がカウント2-2から5球目の直球を左中間にはじき返した。走者一掃の適時三塁打。巨人先発の菅野をKOする貴重な一打となった。前日のCSファイナル第1戦では、村上の遊飛で三塁からタッチアップして先制の生還。"神走塁"として注目されていた。 投げては先発の高橋奎二投手(24)が6回を2安打無失点の好投。スアレス-清水-マクガフとつないで、巨人打線を封じた。無傷での王手は、CS突破確率100%。過去18チームがすべて日本シリーズに進出している。 ▼ヤクルトとオリックスが勝ち、アドバンテージの1勝を含めて3勝0敗。今日の試合で○か△で日本シリーズ進出が決まる。シリーズ出場をかけたプレーオフ、CSで先に王手をかけたチームは昨年まで38チームのうち35チームがシリーズに進出。出場を逃したのは77年ロッテ、10年ソフトバンク、12年中日だけで突破確率92%。今回のように無傷の王手は過去18チームがすべて進出し突破確率100%。 ▼ヤクルトとオリックスが<1>戦に続いて完封勝ち。プレーオフ、CSでチーム2試合連続完封勝ちは16年ファイナルS<1>、<2>戦広島以来4、5度目。パ・リーグではオリックスが初めてで、ヤクルトは15年ファイナルS<2>、<3>戦に次いで2度目。連続完封勝ちを2度やったのはヤクルトが初めてだ。日本シリーズでも2試合連続完封勝ちは99年ダイエーまで6度しかなく、3試合連続は過去になし。ヤクルトとオリックスが今日の試合でポストシーズン史上初の3試合連続完封に挑戦する。

◆ヤクルトが、若手の2投手で巨人を2戦連続で無得点に抑えた。第1戦の2年目奥川に続き、6年目左腕の高橋が6回を2安打8奪三振の無失点。先発が見事に機能しての王手に、高津監督は「よく頑張った」とねぎった。 シーズン中からCSを見据えた作戦を遂行していた。9月以降、3カードで奥川-高橋の順で先発。9月17・18日の巨人戦、10月8・9日、同19・20日の阪神戦と対戦相手もCSをにらんでいた。奥川がつくった流れを高橋が引き継ぐ"切磋琢磨(せっさたくま)ローテ"。指揮官は「(2人を)高めさせるというか、よくやってきた。今日もそれができた」と明かした。 初回は緊張で変化球の制球に苦しんだ高橋だったが、自らその苦境を脱した。いきなり2死満塁のピンチ。それでも、中島をフルカウントから伸びのある高め真っすぐで空振り三振。ガッツポーズをみせた。2回以降は、中村の「直球」のサインを信じて腕を振った。8奪三振のうち2回の菅野以外の決め球は、すべてストレートだった。 常に10割の力ではなく、あくまで8割程度。今季初めて1軍登録された6月、伊藤投手コーチから「力まず『8割の10の力』で投げろ」と指標を授けられた。その言葉で新しいスタイルを手に入れた。「初回は力んでしまったけど、そこから冷静に打者1人1人に集中して投げることができた」と喜んだ。【保坂恭子】

◆ヤクルトが"天敵"を打ち崩し、連勝で日本シリーズ進出に王手をかけた。 「2021 JERA クライマックスシリーズ セ」ファイナルステージ第2戦で、塩見泰隆外野手(28)が2安打3打点。連夜のお立ち台に上り、「シリーズ男」ぶりを発揮した。チームは今季4試合で1得点、未勝利だった巨人菅野から5得点。一丸となって、大一番で結果を残した。切り込み隊長が2日連続で神宮を駆け抜けた。3回先頭で迎えた第2打席。中堅右に打球を放った塩見が、果敢に一塁を回って二塁打に。6回2死満塁の第4打席では、カウント2-2から甘く入った145キロ直球を鋭くスイング。「ストライクゾーンに来たら振っていこうという意識だった」とシンプルに、左中間を破る3点適時三塁打を放った。笑顔で右腕を突き出してガッツポーズ。その目線の先には大喜びで沸く一塁ベンチの仲間たちがいた。 1番中堅として不動の地位を築く傍ら、チームを明るく照らす。塩見が発端の「フェラーリのポーズ」はチーム内で大流行。高津監督までも両手をまねき猫のように掲げ、喜びを表現した。本拠地神宮での第1打席時の登場曲は「関東G1ファンファーレ」。観客の手拍子に背中を押され、試合のスタートを切る。1日の今季最終戦では第2打席の登場曲に人気アプリゲーム「ウマ娘プリティーダービー」の曲である「うまぴょい伝説」を選択。2打席連続の"馬ネタ"に、スタンドやSNS上がざわついた。プレーでもムードでも、先頭に立って勢いをつける。 前日の第1戦では、村上の遊飛で三塁からタッチアップする"神走塁"で先制のホームを踏んだ。バットでも2安打1打点。合計で9打数4安打4打点と、連日の活躍となった。シーズン終盤は9戦無安打も経験し、不振にあえいだ。「試行錯誤しながらやってきたのがいい形につながっている。でも基本的にはマグレ」と笑った。 これで日本シリーズ進出に王手。最短12日に、20年ぶりの日本一への挑戦権を得られる。先頭打者としてやるべきことは変わらない。「積極性を忘れずに、自分らしくどんどん攻めていきたい」と前を向いた。狙い球が来たら、最初から振っていく。初回の初球から目が離せない。【湯本勝大】 ▽ヤクルト高津監督(巨人菅野から5得点で連勝)「正直、菅野投手なので。ただやっぱり四球であったりバントであったり、一塁まで全力疾走でセーフになるとか。そういうところのつなぎ。打ち崩した感じはしないが、出塁や進塁がよくできたと思う」

◆巨人がリーグ覇者にたたきのめされた。初回こそ2死満塁の好機をつくったが4回以降は無安打と無抵抗で2戦連続の完封負け。 中4日で送り込んだエース菅野は6回途中5失点に散った。CSでは球団ワーストの2安打、3失策となすすべなく2連敗で王手をかけられた。原監督は「なかなかこっちのペースにならなかったというところだと思いますね」と絞り出した。 もがき、あがいても、底から抜け出せない。0-1の6回2死二、三塁、原監督がマウンドへ向かった。代打川端を覚悟のうえで西浦の申告敬遠を指示。「流れがわが軍になかなか来ないというところで、こっちが動いて、相手を動かして好転させたいというのがありました」。菅野なら相手の切り札を抑えると信じ、2安打に抑えられていた高橋交代にかじを切らせた。だが、結果は押し出し四球。続く塩見に左中間へ運ばれると、菅野は動けずに立ち尽くした。今季の11ゲーム差という力の差を、これでもかと突きつけられた。 試合の命運を分けた6回は左翼ウィーラーが滑り込んで捕球を試みたが後ろにそらし(結果は二塁打)、続く坂本が一塁に悪送球。リーグ最少の45失策の守備陣が誇る丁寧さが影をひそめ、自ら相手に勢いを与えてしまった。0勝3敗からの逆転突破の確率は0%。原監督は「明日からまた頑張ります」と結んだ。"明日"に勝利しなければ、奇跡へとつながるその次の明日は来ない。【浜本卓也】

◆まさに高津臣吾監督(52)の掲げる「つなぐ野球」で、日本シリーズ進出に王手をかけた。全員が同じ意識を持っているからこそ、打線はつながっている。 CSファイナルの第1戦は、先発の奥川恭伸投手(20)が7回1死二塁で犠打を決め、追加点につなげた。8回には、1死一塁で中村悠平捕手(31)が初球で犠打を成功させた。 時に、攻撃の流れを左右する犠打。1球で決めて流れを加速させることもできるし、難しいカウントからうまく転がせば球場は大いに沸く。 第2戦でも、中村が1死一、二塁で三塁側に見事な犠打を初球で決め、追加点をお膳立て。7回1死一塁の場面では、代打の宮本丈内野手(26)も投犠打を1球で決めた。 まさに、日頃の練習の成果がここぞという舞台で出ているのだと思う。早出練習から、犠打を練習する打撃マシンが置かれている一塁側のファウルゾーンには、常に選手がいる。宮本や渡辺大樹外野手(24)、長岡秀樹内野手(20)らは全体練習が終わるまで、バント練習に時間を費やしていることもある。嶋基宏捕手(36)や川端慎吾内野手(34)のベテラン勢も、練習は欠かさない。若手にとっては、その姿を見ることも勉強になっているだろう。切れ目のない打線は、日々の練習から生まれている。【保坂恭子】

◆巨人が2試合連続の完封負けを喫し、ファイナルステージ敗退の土俵際に追い込まれた。中4日で送り込んだエース菅野は6回途中5失点。CSでは球団ワーストの2安打、3失策となすすべなく2連敗。1勝のアドバンテージを持つリーグ王者ヤクルトとの対戦成績は0勝3敗となり、日本シリーズ進出に王手をかけられた。 試合後、原辰徳監督(63)の主な一問一答は以下の通り。 -1点が、という展開 原監督 1点...(苦笑い)。1点も取れていないっていう、ね。 -1回2死満塁で無得点 原監督 結果的にはあのチャンスだけだったのかな。 -先発菅野は力投 原監督 粘りながらね、よく1点で抑えながら、というところでしたけどね。 -6回2死二、三塁でマウンドに行った場面 原監督 流れがわが軍になかなか来ないというところで、ここはこっちが動くからというところですね。動いて、そして相手を動かして、そういう形で行くと。やっぱり気持ち良く向こうのペースというかね。そういう野球...。しかし、その勝負に対してはフォアボールを出してしまったという。結果的にはね。こっちが動いて、相手を動かして、そして好転させたいというのがありましたね。 -申告敬遠後に代打川端は想定内だった 原監督 もちろん、もちろん。でも智之(菅野)だから、その部分というのはね。そこで恐れるっていうのは、まずないことでね。 -6回は失策も絡んだ 原監督 なかなかこっちのペースにならなかったっていうところだと思いますね。 -(原監督自ら) 原監督 明日からまた頑張ります。

◆ヤクルトの"代打の神様"が、勝負どころで振らずに勝利に貢献した。 1点リードの6回2死満塁で、川端慎吾内野手(34)が、代打で登場。カウント2ストライクから、選球とカットで粘り、押し出し四球を呼び込んだ。高津監督からは「やっぱり素晴らしいですね。相手にプレッシャーをかけられますし、振らなくても、相手投手も嫌がっている感じもしましたし。すごく大きな、追い込まれてからの選球だったんじゃないかなと思います」とたたえられた。 川端に打撃技術を教わりにくる"弟子"からは尊敬の目で見られていた。川端の直後に左中間へ走者一掃の3点適時三塁打を放った塩見は「どうせ打つんだろうなと思って見てました。1球目からタイミングが合っていて、あたふたしないでどっしりとしている。いいところを慎吾さんに見せたいなと思いながら、次につなぐ気持ちを忘れずに打席に入った」と話した。仲間にも刺激を与えながらも、チームの勝利に貢献。20年ぶりの日本一へ向けて、頼れる切り札として出番を待つ。【湯本勝大】

◆リーグ王者のヤクルトが二回に先制した。巨人先発の菅野を相手に1死満塁の好機を作ると、8番・西浦が中犠飛を放った。先発の左腕・高橋は六回まで無失点と好投している。

◆リーグ王者のヤクルトが六回に猛攻。先頭の村上が菅野から左中間に二塁打を放つなど2死満塁の好機を作り、ヤクルトベンチは好投の高橋に代打・川端。川端は押し出し四球を選び1点を追加した。続く塩見は左中間に走者一掃の三塁打を放ち、菅野をマウンドから引きずり降ろした。 ヤクルトは二回に1死満塁の好機を作ると、8番・西浦が中犠飛を放ち、先制。先発の左腕・高橋は6回を投げ8三振を奪うなど2安打無失点と好投した。

◆中4日で先発した巨人・菅野智之投手(32)が、六回途中5安打5失点で降板した。 二回1死満塁から中犠飛で1点を献上したが、味方の援護がない中で五回まで1失点と踏ん張った。しかし六回、先頭の村上の二塁打から2死満塁のピンチを背負い、代打・川端が登場。フルカウントからのボールが外角に大きく外れ、押し出し四球。そして塩見に左中間へ3点三塁打を浴び交代を告げられた。 6日のCSファーストステージ・阪神戦(甲子園)に先発し、7回2安打無失点でチームを勝利に導いたエース。今季のヤクルト戦は4試合に登板し、無傷の2勝、防御率0・39の好相性を誇ったが、中4日、113球の熱投もヤクルト打線につかまった。

◆ヤクルトの塩見が連日の活躍を見せた。2―0の六回2死満塁で菅野の速球を左中間にはじき返し、走者一掃の三塁打で相手エースを降板に追いやった。目前で代打川端が押し出し四球を選び、菅野が苦しい表情を浮かべただけに「自分も粘って後ろにつなぐ意識でコンパクトに打った」としてやったりだった。 三回には今クライマックスシリーズ(CS)で早くも3本目となる二塁打を放っており、レギュラーシーズン終盤の不調は完全に脱したようだ。 10日の初戦では三塁走者として、遊飛でタッチアップして生還する好走塁で先制点をもぎ取った。今季開花した28歳のリードオフマンが「出塁も、打点も、本塁打も打てるような、何でもできる1番打者になりたい」と意気込んだ通り、初めてのCSで躍動した。

◆ヤクルトの高橋が6回を2安打無失点と好投した。一回は二塁打と2四球で2死満塁のピンチを背負ったが、中島を速球で空振り三振として波に乗った。その後は150キロ前後の直球に110キロ台のスライダーを織り交ぜるなど腕を迷いなく振って相手打線を寄せ付けなかった。 今季は2軍でスタートしたが「やり返したいという気持ちで練習した」と6月に昇格し、14試合で4勝1敗、防御率2・87と好結果を残した。課題の制球難は「8割の力で10の力を出す」という心持ちで克服。短期決戦の先発を任されるまでに成長し「こんな大事な場面で使ってもらえる。持ち味の真っすぐで押したい」と語った通り、魅力を存分に発揮した。

◆ヤクルトが2連勝。1番の塩見泰隆外野手(28)が六回、巨人・菅野から左中間へ3点二塁打を放って勝利に貢献し、2日連続でお立ち台に上がった。一問一答は以下の通り。 ――2夜連続のお立ち台。六回に3点三塁打 「その前の(川端)慎吾さんが、本当に重苦しい雰囲気の中で四球を選んでくれて、楽な気持ちで打席に入れました」 ――打った瞬間は 「けっこう詰まっていたのでどうかなと思ったんですけど、外野手が前に来ていたので、運よく抜けてくれました」 ――自分で決めてやろうと 「僕が決めてやろうというのではなくて、次につなごうという意識で打席に入りました」 ――高橋が好投。中堅から見ていて 「いや、もうスゴ過ぎて何も言えないですね(笑)」 ――日本シリーズ進出へ王手 「この勢いのまま、明日も勝って日本シリーズを決めたいと思うので、引き続き応援よろしくお願いします!」

◆ヤクルトが快勝し、リーグ優勝のアドバンテージを含め3勝0敗とした。12日の第3戦で勝つか引き分ければ、6年ぶりの日本シリーズ進出が決まる。ヤクルトは二回に1死満塁の好機を作ると、相手先発の菅野から西浦が中犠飛を放ち、先制。六回は先頭の村上が左中間に二塁打を放つなど2死満塁の好機を作り、ヤクルトベンチは好投の高橋に代打・川端。川端は押し出し四球を選び1点を追加。続く塩見は左中間に走者一掃の三塁打を放ち、菅野をマウンドから引きずり降ろした。先発の左腕・高橋は6回2安打無失点と好投し、ポストシーズン初登板を白星で飾った。 尻上がりに調子を上げた。ヤクルト・高橋が、先発でポストシーズン初登板。前日10日に「持ち味は直球」と口にしていた通り、要所で伸びのある直球がさえた。 「初回は力んでしまったんですけど、そこからは冷静に集中して投げることができました。(捕手の)中村さんが真っすぐのサイン出してくれて、思い切って投げた結果が8Kになったのでよかったです」 お立ち台で充実感をにじませた高橋。高卒6年目の今季は、伸びのある直球を武器に自己最多タイの4勝を挙げ、CSファイナルステージ2戦目を任されるまでに成長した。6回102球を投げ2安打無失点で8奪三振。初戦で完封勝利を挙げた20歳の奥川に続き24歳左腕が好投。七回以降はスアレス、清水、マクガフとつなぎ、2試合連続巨人打線をシャットアウト。日本シリーズ進出に王手をかけた。 ◆六回に3点三塁打を放った塩見 「その前の(川端)慎吾さんが重苦しい中、四球を選んでくれて楽な気持ちで打席に入りました。詰まっていたどうかなと思ったんですけど、外野が前に出ていたので、運よく抜けてくれました。次につなごうという意識しました」

◆ヤクルト・高橋奎二投手(24)が先発し、6回2安打無失点の好投で日本シリーズ進出へ王手をかけた。高橋の主なヒーローインタビューは以下の通り。 -―投球は 「初回はちょっと力んでしまったんですけど、そこから冷静に打者一人一人に集中して投げることができました」 --8奪三振 「中村さんがすごい真っすぐのサインを出してくださったので、思い切って投げた結果が8Kになったのでよかったです」 -―明日へチームを代表して 「チームはいい流れできていると思うので、明日も樹理さんがしっかり抑えてくれると思います。明日も応援よろしくお願いします」

◆巨人は2試合連続の零封負けを喫し、日本シリーズ進出へ後がなくなった。先発の菅野は0-1の六回2死満塁で代打・川端に押し出し四球、続く塩見に走者一掃の3点三塁打を浴びて六回途中5失点でKO。打線は2安打に終わった。原監督が試合を振り返った。 --1点が遠かった 「1点...(苦笑)1点も取れていないっていう、ね」 --一回の満塁の好機を逃して 「結果的にはあのチャンスだけだったのかな」 --菅野は力投した 「粘りながらね、よく1点で抑えながら、というところでしたけどね」 --六回2死二、三塁で自らマウンドに行き、西浦を申告敬遠して満塁策 「流れがわが軍になかなか来ないというところで、『ここはこっちが動くから』というところですね。動いて、そして相手を動かして、そういう形で行くと。やっぱり気持ち良く向こうのペース、野球を(させたくない)。しかし、その勝負に対してはフォアボールを出してしまったという。結果的にはね。こっちが動いて、相手を動かして、そして好転させたいというのがありましたね」 --代打・川端を想定して 「もちろん、もちろん。でも、(菅野)智之だから、その部分はね、そこで恐れるっていうのはまずないことでね」 --六回は失策も絡んでしまった 「まあ、だから、なかなかこっちのペースにならなかったっていうところだと思いますね。明日からまた頑張ります」

◆ヤクルトは2試合連続で巨人に得点を許さなかった。高橋が6回無失点で試合を優位に進め、七回からはスアレス、清水、マクガフが安打を許さなかった。高津監督は「リリーフ3人がぴしゃりといったので勢いが続く」と期待した。 前日10日の初戦で完封した20歳の奥川に24歳の高橋も続いた。エース格の小川、41歳の石川がシーズン終盤に不調だったが、若手の台頭で日本シリーズ進出目前まで来た。高津監督は「シーズン中からわざと奥川の次に高橋を投げさせて高めさせてきた。よく頑張った」と目を細めた。

◆逆方向へのヒットで菅野攻略の足がかりをつくった。ヤクルト・村上宗隆内野手(21)は二回にCS初安打を放つと、六回に左中間を破る二塁打。いずれも得点に絡む一打だった。 「バットは振れている。いいスイングができていると思う」。決戦前に明かしていた状態の良さを発揮した。 先頭だった二回は左前打で出塁。1死満塁から西浦の中犠飛で先制のホームを踏み、両手をたたいて喜んだ。六回も先頭で二塁打を放ってチャンスメーク。2死満塁から代打・川端の押し出し四球で、ゆっくりと生還した。39本塁打で初のタイトルを獲得した主砲は持ち前の広角打法で、勝利に貢献した。 初のCSでも気負いはない。独特の緊張感の中で戦った東京五輪の経験が生きている。「五輪も経験しましたし、短期決戦の経験はゼロではない。いいときも悪いときも切り替えながら集中してプレーしていく」。米国との決勝で先制アーチを放つなど、チーム最年少で金メダル獲得に貢献した。五輪では8番打者。つなぐ意識をより強くさせ、巨人を崖っぷちに立たせた。 「明日は新しい日が来る」。村上の口癖で、CS初戦は3打数無安打に倒れたが、この日の第1打席でHランプを灯した。六回には先頭・坂本の強い当たりを滑り込みながら好捕。初戦に続き、守備でもチームをもり立てた。村上が日本シリーズ進出に導く。(横山尚杜)

◆113球の熱投は実らなかった。阪神とのCSファーストステージ初戦から中4日で先発した巨人・菅野智之投手(32)は、六回途中5安打5失点で力尽き「振り返っても仕方がない」と言葉を絞り出した。 高橋との投手戦。0-1の六回が勝負の分かれ目だった。村上の二塁打や坂本の失策などで2死満塁とされると、代打・川端にフルカウントから投じた7球目は外角に大きく外れ、痛恨の押し出し四球。続く塩見に走者一掃の三塁打を浴び、マウンドを降りた。 〝駆け引き〟も実らなかった。「流れがわが軍になかなか来ないところで、こっちが動いて、相手を動かして、好転させたいというのがあった」と原監督。2死二、三塁で8番・西浦を迎えた場面では自らマウンドへ行き、申告敬遠で歩かせた。満塁策を選択するとともに、好投していた高橋の打順で代打が出ることを想定した作戦だったとみられるが、奏功しなかった。 打線も2試合連続で無失点に抑えられ、いよいよ後がなくなった。それでも、諦めるわけにはいかない。原監督は「明日からまた頑張ります」と前を向き、菅野も「次に登板する機会に向けて、しっかり調整する」と希望を捨てることはなかった。(樋口航)

◆また「0」を並べた!! ヤクルト・高橋奎二投手(24)が先発し、6回102球を投げ2安打無失点で8奪三振の好投。ポストシーズン初登板で白星をつかんだ。後を受けた3投手も無失点で、巨人を相手に2戦連続の零封リレー。今季奮闘した投手陣が勢いをつくり、全勝で一気に日本シリーズ進出を果たす。 喜びと達成感が入り交じり、思わず?が緩む。お立ち台に上がった高橋は、燕党からの拍手を一身に受けた。CS初登板で白星。成長を見せた大きな1勝だった。 「初回は少し力んでしまったんですけど、そこから冷静に打者一人一人に集中して投げることができました」 自慢の直球が支えだった。一回。2四球を与えるなど2死満塁で迎えたのは、中島。カウント2―2からの5球目、伸びのある直球で空振り三振に抑え、最初で最大のピンチを切り抜けた。 「8割の力で10割の直球を投げろ」―。6月中旬に今季初昇格を果たした際、伊藤投手コーチから助言を受けた。8奪三振のうち7個の決め球は原点であり、最大の武器である直球。昨季までと違い四球を連発して崩れることもなく、CS2戦目の先発を任せられるまでに成長した。 大先輩の言葉が成長を促してくれた。シーズン前半。思うような結果が出ず2軍で調整していた際、17歳上の石川は自身より早い午前6時台に埼玉・戸田寮に着いて調整。努力を怠らない41歳が道しるべだった。 「石川さんは練習中に手を抜かない。僕はファームに慣れていたというか、欠けていた部分があった。石川さんを見て、僕も変わろうと思った」 ダッシュ一つにしても手を抜かなかった。そして、石川からの金言も自身を大人にしてくれた。 「お前も後輩ができたんだから、お手本にならないといけない」 高卒6年目。いつまでも甘えてばかりではいけない。後輩の奥川は今季9勝と飛躍し、前日10日には完封勝利を飾った。4歳後輩には負けていられないと、6回2安打無失点の好投。後を受けた3投手も無失点でつなぐなど、2戦連続零封リレーの流れを作り、頼れる姿を見せつけた。 高津監督は「シーズン中もヤス(奥川)の次に奎二を投げさせて、高めさせるというのはよくやってきた。よく頑張ってくれた」とうなずいた。大きく成長した背番号47が、日本一の力となる。(赤尾裕希)

◆これが現実だよ。ペナントレースを競り勝ってきたヤクルトと、借金1でどうにか3位に滑りこんだ巨人。投打とも差が出たね。 スキを逃さず、たたみかけるあたり、ヤクルトは優勝しただけのことはある。六回、村上の左翼への当たりは、ウィーラーが止めきれず二塁打に。サンタナの遊ゴロは、坂本の送球がそれて中島がタッチできず。ここから、川端の押し出し四球と塩見の中越え三塁打で、一挙4点だもの。 対して巨人は、守ればミスして、振れば凡打を繰り返し、投げればもたない...。第1戦で指摘したように、あの10連敗時のチーム状態に戻っている。 菅野にしたって、バックのミスうんぬん以前に、イニングの先頭打者に4度も打たれているし、四球も頻発している。回を追うごとに、不安は増すばかりだった。 ヤクルトは、実力通りの野球をしていることから、この先崩れることは考えられない。巨人は悲しいかな、打線を組み替えようが、誰を投げさせようが、期待は持てない。 そもそも「勝率5割に満たないチームがCSに出たらいかん」というのがエモトの持論。結局、こういう展開になるわけだよ。せめて、もうちょっとだけ、楽しませてくれるかな?(本紙専属評論家)

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