ロッテ(★3対5☆)日本ハム =リーグ戦25回戦(2021.10.30)・ZOZOマリンスタジアム=
このエントリーをはてなブックマークに追加

 123456789
日本ハム
0001001125821
ロッテ
0000100113711
勝利投手:伊藤 大海(10勝9敗0S)
(セーブ:杉浦 稔大(3勝3敗28S))
敗戦投手:小野 郁(0勝3敗0S)

本塁打
【日本ハム】近藤 健介(11号・4回表ソロ)
【ロッテ】佐藤 都志也(6号・9回裏ソロ)

  DAZN
チケットぴあ ロッテ戦チケット予約 日本ハム戦チケット予約

DAZN

◆日本ハムは1-1で迎えた7回表、代打・王が適時二塁打を放ち、勝ち越しに成功する。続く8回には、高濱の適時二塁打でリードを広げた。投げては、先発・伊藤が7回1失点の好投で今季10勝目。なお、引退試合を迎えたロッテ・南は、7回に打者1人を空振り三振に抑えて有終の美を飾った。

◆日本ハムルーキーの伊藤大海投手(24)はここまで22試合を投げて9勝9敗。日本ハムの新人が2桁勝利を挙げれば06年八木(12勝8敗)以来だが、2桁敗戦を喫すると90年酒井(10勝10敗)以来、球団31年ぶりの記録になってしまう。

◆シーズン最終戦で、ロッテ荻野貴司外野手(36)が「1番左翼」でスタメン出場することが発表された。 ケガに泣かされることが多く、プロ12年目にして初の全試合出場となる。36歳となるシーズンで全試合1番を務めたのは、83年の福本豊(阪急)のみ。最年長記録に並ぶ。 また、試合前の時点で168安打を放っており、最多安打のタイトルが確定的になっている。36歳以上での最多安打獲得は史上5人目で、パ・リーグの選手として、また右打者としては史上最年長での同タイトル獲得になる。

◆ロッテ荻野貴司外野手(36)が今季24個目の盗塁に成功し、3回裏終了時点でチームメートの和田、西武源田に並ぶリーグトップとなった。 3回、安打で出塁。1死一、二塁で藤原が中飛を放ち、二塁走者柿沼が三塁へタッチアップ。2死一、三塁となり、続く中村奨の初球で二盗に成功した。 荻野は5回にも四球で出塁すると、そこに小川が代走で登場し、荻野は今季24盗塁で確定。場内からざわめきが起こった。 試合前までは荻野と同じ23盗塁だった日本ハム西川、リーグトップタイだった和田はともに、5回終了時点までは出場がない。

◆ロッテのブランドン・レアード内野手(34)が同点適時打を放った。1点を追う5回2死三塁、10勝目を狙う日本ハム伊藤の外角直球を左前に落とした。 これで今季打点は95に。シーズン最終戦の第3打席で、リーグ最多打点の楽天島内にあと1と迫った。

◆ロッテ南昌輝投手(32)が現役最後のマウンドに上がった。 同点の7回に3番手で登板。リリーフカーで登場し、たくさんの拍手に迎えられると、投げる前から感極まった表情を浮かべた。 日本ハム高浜に対して7球すべて直球を投じた。最速は147キロを計測。最後は2ボール2ストライクから渾身(こんしん)の146キロで空振り三振を奪った。 球場ビジョンに「11年間お疲れさまでした」のメッセージが表示され、マウンドを降りると益田と石川から花束を贈られた。ベンチで待ち受けた井口監督、コーチ陣、選手らと順に握手を交わし、スタンドのファンに頭を下げた。 南は10年ドラフト2位で入団し、中継ぎとして活躍。18年に国指定の難病、黄色靱帯(じんたい)骨化症の手術を受けた。今季ここまで1軍登板はなかった。

◆日本ハムのルーキー伊藤大海投手が10勝目。新人の2桁勝利は今年の伊藤将(阪神)がいるが、日本ハムでは06年八木以来16人目。 右投手では87年西崎以来34年ぶりとなった。また、チーム最終戦で10勝に到達した新人は17年浜口(DeNA)以来7人目。

◆先発のロッテ本前と日本ハム伊藤は3回まで無失点。ロッテ荻野が3回に二盗し、和田と西武源田のリーグトップ24盗塁に並んだ。 日本ハムが4回、先頭近藤の左越え11号ソロで1点先制。ロッテは5回2死三塁、レアードの左前適時打で同点に追いついた。 日本ハムは7回に王柏融、8回に高浜が適時二塁打を放ち、3連勝で5位確定。伊藤10勝目。2位ロッテは4連敗で全日程を終了。小野3敗目。

◆ロッテが2年連続の2位でレギュラーシーズン全日程を終えた。 開幕5連敗から始まり、後半戦に盛り返して141試合目まで優勝を争った。試合後の最終戦セレモニーでは、場内大型ビジョンに今季の名シーンを振り返る映像が流れ、スタンドのファンから大きな拍手が贈られた。 マイクの前に立った井口資仁監督は、まず球場に足を運んだファン、全国から応援したファンに感謝。「我々はチームスローガンのもと、開幕からチーム一丸となって戦ってきました。残念ながら優勝は逃しましたが、この経験、悔しさが必ず来年の肥やしになると思います。この悔しさを、6日から始まるクライマックス(シリーズ)ファーストステージ、そしてファイナル、日本シリーズと、もう1度チーム一丸となって戦っていきますので、引き続き熱い声援よろしくお願いします」と呼び掛けた。

◆ロッテ和田康士朗外野手(22)がチームメートの荻野貴司外野手(36)西武源田壮亮内野手(28)日本ハム西川遥輝外野手(29)の3人と並ぶ今季24盗塁で、初の盗塁王に輝いた。 今季出場は96試合ながら、代走起用が中心のため、シーズンで24打席のみ。年間100試合未満の出場での盗塁王は、02年の赤星(阪神=78試合)以来。スタメン出場試合数が1桁(和田は今季2試合のみ)での盗塁王は、史上初となる。 和田は埼玉・小川高時代は硬式野球部に所属せず、在学途中からクラブチームでプレーした異色の経歴の持ち主。その後、国内独立リーグのBC・富山でプレーし、17年育成ドラフト1位でロッテに入団。昨春に支配下選手登録されていた。

◆レギュラーシーズン全日程を終え、ロッテ益田直也投手(32)が13年以来2度目のセーブ王に輝いた。 今季は球団新記録の38セーブをマーク。守護神として、選手会長として、チームを支えてきた。「優勝できるかできないかのところで、ラスト3試合くらいまでやったので、タイトルよりそっちを取れなかった悔しい思いが強い」と、喜びよりも目前で優勝を逃した悔しさが口を突いた。 6日からは本拠地ZOZOマリンで楽天とのクライマックス・シリーズ(CS)ファーストステージが始まる。「今日はシーズンが終わったので、みんなにお疲れさまですと言いたい」とチームメートをねぎらいつつ、「今年まだ日本一になるチャンスがあるので、狙えるなら狙わないといけない。セーブシチュエーションでなくても、勝てる試合はどんどん投げたいなと思います」と、ポストシーズンへ決意を新たにした。

◆ラストチャンスを、ものにした。日本ハム伊藤大海投手(24)が、7回5安打1失点で10勝目。9月7日に9勝目をマークしてから足踏みが続いたが、7度目の挑戦で、球団の新人では、06年八木以来、15年ぶりの2桁勝利を達成した。 決して万全の調子ではなかった。5回、1度は同点とされたが、粘り強く投げきり「最後の最後で1年間の集大成を見せることが出来た」。開幕から得意のスライダーで三振の山を築いたが、途中で武器に頼りすぎない配球にシフト。1年間、先発ローテを守る戦略であり、試行錯誤することで投球の幅も広がった。 試合後には、この試合が最後の采配だった栗山監督と2人で「10」の人文字を作り、笑顔で記念写真に納まった。「少しでも恩返し出来たのなら良かった」。ウイニングボールを渡そうとしたが返され「まだまだ上を目指そう、ということ」。「200勝の時にもらう。ボールの中に魂を込めて返した」という指揮官の思いを、胸にしまった。 23試合に先発し、17試合でクオリティー・スタートを達成。規定投球回をクリアし、新人王戦線に残った。激動のルーキーイヤーを終えた右腕は「常に探求心を持って明日から取り組んでいく」。視線は、すでに来季へ向けられていた。【中島宙恵】

◆ロッテ荻野貴司外野手(36)がプロ12年目にして自身初の全試合出場を果たし、最多安打と盗塁王のタイトルを獲得した。 「今まで全試合出場というのを目標にしていたんで、それに関しては本当に良かったなと思います。途中はやっぱりしんどい時もありましたけど、終わってみればなんかあっという間だったなという感じですね」 そう、かみしめるように話した。疲れたらケア、また疲れたらケア。その繰り返しで完走した。ヤクルト、広島があと1試合残すものの、643打席は両リーグ最多が決定的だ。 169安打を連ね、この日の1安打が盗塁王獲得に直結した。3回、内野安打で出塁し、2死一、三塁となったところで初球から二盗に成功。チームメートの和田らと24盗塁で並んだ。 「昨日、後ろの(藤原)恭大と(中村)奨吾がけっこう(打席で盗塁を)待ってくれてたんですけど、なかなかスタート切れなくて、ちょっと申し訳ないなという気持ちもあったんで。(今日の盗塁を)決めたことより、昨日スタートを切れなかったことがすごく反省点というか、自分の実力のなさを実感しました」 謙虚に振り返りながらも、卓越した技術で2つのタイトルを手にした。「あまり実感がないんですけど、それよりも個人としてしっかり最後までやりきれた達成感のほうが大きいかなと思います」と、何よりもシーズン完走を喜んだ。 ゴールはまだ先だ。中6日でポストシーズンがやって来る。「チームとして優勝できなかったのは本当に悔しいですし、決して2位には満足してないので。残りCS、日本シリーズがあるので、そこに向けて」。あらためて、勝つ意識の共有を。荻野はそれを「団結力」と表現した。【金子真仁】

◆ロッテ南昌輝投手(32)が11年間の現役生活を終えた。 引退登板は同点の7回。日本ハム高浜から空振り三振を奪った。7球すべてが力強い直球で、最速は147キロを計測した。「今までやってきたものが出たかな。最後にいい球を投げられてよかった」と、納得の締めくくりとなった。 10年ドラフト2位で入団し、中継ぎとして活躍した。18年に国指定の難病、黄色靱帯(じんたい)骨化症の手術を受け、19年8月に1軍復帰。「リハビリしてきたので、復帰した時よりも徐々によくなっている感じはあった」が、今季はここまで出番がなかった。 29日に球団と話し合い、来季構想外の旨を聞いた。「1年間(2軍の)試合で投げられましたし、できることはした。そろそろかな、と思いました」と現役引退を決意した。 マウンドではいつも応援に背中を押された。「確実に100%以上のパフォーマンスを出させてくれました。今日なんかもそうです」と、最後にファンへの感謝を述べた。

◆日本ハム近藤健介外野手(28)が退任する指揮官へ惜別の1発を贈った。 4回外角の直球を逆らわずはじき返し、左越えに先制の11号ソロ。「栗山監督の前で最後に打つことができて良かった。何とか勝利をプレゼントしたかった」と喜んだ。選手会長として臨んだシーズンは5位に終わった。「チームも個人も悔しい1年。栗山野球の良い部分を継承していきたい」と悔しさを糧に、来季の巻き返しを誓った。

◆パ・リーグのレギュラーシーズン全日程が30日に終了し、史上初めて4選手が盗塁王に輝いた。 29日終了時点でロッテ和田康士朗外野手(22)と西武源田壮亮内野手(28)が24盗塁でリーグトップで並んでいた。リーグ最終戦の30日、ロッテ対日本ハム25回戦(ZOZOマリン)の3回にロッテ荻野貴司外野手(36)が二盗に成功し、24盗塁で並んだ。さらに同試合の7回には、代走で出塁した日本ハム西川遥輝外野手(29)も24個目の盗塁に成功した。西川は4度目、荻野、源田、和田の3人はキャリア初の同タイトル獲得となった。 昨季盗塁王のソフトバンク周東佑京内野手(25)や、シーズン序盤に44試合で20盗塁した西武若林楽人外野手(23)が、ともにシーズン途中で離脱。混戦模様となっていた。 ▽西武源田(24盗塁でパ・リーグ最多盗塁者賞を初受賞)「盗塁は、打席にいる打者の1球や2球を犠牲にしてしまいますし、自分1人では達成できないものですので、周りの選手たちに感謝の気持ちでいっぱいです」

◆ロッテ中村奨吾内野手(29)が4年連続の全試合出場を果たした。 19年シーズンは途中出場が8試合あったものの、18年、20年、21年は全試合スタメン出場を果たした。キャプテンを務めた今季も打率2割8分3厘、9本塁打をマーク。67打点はプロ7年目でのキャリアハイとなり、中心選手として活躍した。

◆日本ハム西川遥輝外野手が3年ぶり4度目の盗塁王を獲得した。7回2死から失策で出塁の木村に代わり代走で出場。初球からスタートを切り悠々と24盗塁目を決め、リーグトップタイに並んだ。 「タイトルはうれしいですけど、今までと比べると数も少ないし失敗数も多いので」と淡々と振り返った。今季獲得した海外FA権については「これからゆっくり考えて決めたい」と話すにとどめた。 ▽日本ハム堀(最優秀中継ぎ投手賞を獲得)「うれしく思うのと同時に運が良かったと思っています。これで終わらないように来年、再来年と頑張っていきたいです」

◆今季限りで退任する日本ハム栗山英樹監督(60)が、10年間の監督生活にピリオドを打った。ロッテ25回戦(ZOZOマリン)を5-3で勝利。5位でラストシーズンを終えた。 栗山監督 今から監督じゃないんだよ。やばいね。 11年オフに大役を引き受け、選手のために尽くし続けてきた。最後の試合も同じだ。チームの勝利はもちろん、伊藤の10勝目、西川の盗塁王、玉井の50試合登板など。指揮官として、各選手が来季につながる何かを手にするために、最後まで必死にタクトを振った。「唯一、ジェームス(野村)に100安打を打たせてあげられなかったくらい」と苦笑いも、監督通算1410試合目の公式戦は有終の美を飾った。 試合前から敵地ながら温かい雰囲気だった。試合前練習を終えて引き揚げる栗山監督にスタンドから自然と拍手が起き、手を振って応えた。スタメン発表時も、試合後も。最後はベンチ裏につながる通路で待っていた選手、首脳陣、スタッフらが拍手で出迎えた。 試合後は、やや目が腫れているようにも見えた。 栗山監督 (選手やスタッフら)みんなオレのところに来て泣くから、オレも泣くだろ...。泣いてない。絶対泣かないって決めたから。泣いてないんだ。もらい泣きしただけだから...。 この日、11号ソロを放った近藤はホームランボールを回収。栗山監督へ打ったバットとともにプレゼントしたという。「宝物にします」と話した栗山監督は最後にぽつりと言った。 栗山監督 監督を今日辞めて、これで仲間になれるんで。一緒に飯も食えるだろうし、彼ら野球大好きな人たちと野球の話ができるっていうのが一番幸せ。 一時代を築いた名将が、背負ってきた大きな責任を、ひとまず、降ろした。【木下大輔】

◆ロッテ和田康士朗外野手(22)が今季24盗塁で盗塁王に輝いた。 チームメートの荻野、西武源田、日本ハム西川と並んでの受賞。特に荻野との同時受賞については「1年目から本当に気に掛けてくださって。同時受賞というのは本当にうれしいですね。僕の憧れの先輩なので」と喜んだ。試合後にはダグアウトで祝福し合った。 17年育成ドラフト1位でBCリーグ富山から入団した。埼玉・小川高時代は学校の硬式野球部に所属せず、地元のクラブチームでプレー。"甲子園に出場できる可能性がゼロだった"という、NPB選手としては異例の経歴を持つ。抜群の脚力で昨春に支配下登録され、いきなり23盗塁。「去年の23個は超えたかったので、そこは1個超えられたので、良かったかなと思います」と24盗塁を喜んだ。 BCリーグ出身者がNPB1軍でタイトルを獲得するのは初めてのこと。「BCリーグで野球をやっている人たちに少しでも夢というか、希望を与えられたかなと思います」と胸を張った。国内の独立リーグ出身者としても、現チームメートで首位打者を2度獲得した角中勝也外野手(34)に続く快挙になる。 96試合出場の大半が、代走か守備固めだった。シーズンで24打席のみ。それでいて24個の盗塁を決めた。今季のスタメンは2試合のみ。スタメン試合数1桁での盗塁王獲得は、史上初となる。「記録を更新できたというのはうれしいですね」と笑顔を見せる。 昨年の23盗塁でマークは厳しくなった。盗塁死は5個。けん制死もあった。最後の盗塁は9月24日の西武戦(メットライフドーム)までさかのぼる。「優勝争いをしていくうちに、走れなくなったり、けん制も多くなったり。帰塁というのは来年の課題だと思います」と肥やしも得た。 好投手が次々に登場するCSは、これまで以上に1点の重みが増す。和田の足が勝敗を左右する場面も十分に考えられる。「割り切っていくしかないので。代走で行ったら、割り切れるようにやっていきたいですね」。スペシャリストが目を光らせた。【金子真仁】

◆ロッテ・荻野貴司外野手(36)が「1番・左翼」でスタメン出場し、プロ12年目で初のシーズン全143試合スタメン出場を果たした。一回の1打席目は二飛だった。中村奨吾内野手(28)は「3番・二塁」スタメン出場し、同じく今季全試合スタメン。2018年から4年連続で全試合出場、100安打以上を達成した。一回2死からの1打席目は右飛に倒れた。

◆ロッテ・荻野貴司外野手(36)が三回2死一、二塁で打者・中村奨の1球目に二盗。今季24個目の盗塁を決め、西武・源田とロッテ・和田に並んでリーグトップタイになった。荻野は今季、自身初のシーズン最多安打を確定させており、同じく自身初の盗塁王も目指している。

◆日本ハム・近藤健介外野手(28)が「3番・DH」で出場し、四回の打席で左翼席に運ぶ11号先制ソロを放った。10年間チームの指揮を執った栗山監督の最後の試合。近藤は「これまでお世話になった栗山監督の前で、最後にこうしてホームランを打つことができてよかったです。なんとしても監督に勝利をプレゼントしたいので、この後も頑張ります」とコメントした。

◆今季限りで現役を引退するロッテ・南昌輝投手(32)が〝引退登板〟として1-1の七回に登板し、高浜から146キロ直球から空振り三振を奪って降板した。 7球すべて直球。直後にマウンドを降りる際、益田と石川から花束を受け取り、一塁側ベンチ前で井口監督、チームメート一人一人と握手。11年の現役生活に別れを告げた。 今季はこれまで1軍戦未登板だったが、30日に引退選手・特例登録で1軍入りしていた。 南は立正大から2011年ドラフト2位でロッテに入団した。16年に中継ぎでシーズン自己最多の57試合に登板。18年に国指定の難病「黄色靱帯(じんたい)骨化症」と診断され、同年8月17日に手術を受けた。 翌19年8月15日の日本ハム戦(東京ドーム)で復帰し「マウンドに向かう際のファンの皆さまの声援が本当にうれしく、今もしっかりと胸に残っています」と選手生活で一番の思い出に挙げた。

◆日本ハムが5位を確定させた。1―1の七回に代打王柏融の適時二塁打で1点を勝ち越した。八回には高浜の適時二塁打、九回には大田の2点二塁打で加点した。伊藤が7回1失点で10勝目を挙げた。ロッテは4連敗で今季を終えた。

◆退任する日本ハムの栗山監督は最終戦を勝利で締めくくった。試合後はグラウンドで頭を下げ、敵地の観客からも大きな拍手を送られた。「僕にとっては彼ら(選手)と野球ができたのは誇り。宝物なので一生大事にしていく」と感慨深そうに話した。 チームは来季、稲葉ゼネラルマネジャー(GM)と新庄監督の新体制で臨む。「勝つチームにしてくれとは選手にも伝えたので、しっかりやってくれると思う。僕は皆さんと一緒に応援する」とすっきりした表情だった。

◆ロッテは4連敗でレギュラーシーズンを終えた。積極的に起用してきた若手が奮闘し、14日に球団51年ぶりとなる優勝へのマジックナンバーを点灯させたが、そこから痛恨の失速。2試合を残して先に全日程を終えていたオリックスに優勝をさらわれた。 井口監督は試合後のセレモニーで「この経験、悔しさは必ず来年の肥やしになる。クライマックスシリーズ、日本シリーズともう一度、チーム一丸となって戦っていく」とあいさつした。 井口監督(5回1失点の本前に)「開幕、オープン戦くらいの時の球が戻ってきていた。非常にいい投球」 本前(9日に四回途中3失点で黒星を喫した日本ハムを相手に5回1失点の好投)「前回の登板よりも自分らしい投球ができた。今後につなげたい」

◆今季で引退するロッテの南が1―1の七回に登板し、高浜に直球勝負を挑んで7球目の146キロで空振り三振を奪った。2019年に難病の黄色靱帯骨化症を克服して復帰し、通算190試合目の登板。目に涙を浮かべ「今までやってきたものが出たかな。最後にいい球を投げられて良かった」とすがすがしく振り返った。 最終戦のセレモニーの後、チームメートに胴上げされて3度宙に舞った。「後悔するところはあるけれども、楽しく最後まで野球をさせてもらった」と11年のプロ生活を総括した。

◆今季最終戦で念願の10勝目をつかんだ。日本ハムのルーキー、伊藤大海投手(24)が7回7安打1失点と力投。退任する栗山監督の最後の試合を勝利で飾って5位を確定させ「監督の勝利数(683)の中の10勝に携われたのは感慨深い」と、ホッと息をついた。 9月7日に9勝目を挙げてから7度目の挑戦で2桁勝利に到達した。球団の新人では15年ぶり。三回2死二、三塁では中村奨を外角のカットボールで空振り三振に斬り、四回2死満塁では柿沼を150キロの直球で見逃し三振に仕留めるなど、ここぞでギアを上げた。 〝新庄ハム〟のエースとなるべく、気持ちを高ぶらせている。北海道出身。29日に来季監督就任が決まった新庄剛志氏(49)のプレーに、幼少期に訪れた札幌ドームで何度も魅了され「普通にやっても、面白くないだろっていう感じ。そういうのが好きなので、ついていく自信はある」と対面を心待ちにする。 常に話題を提供する新庄氏だが、伊藤も〝エンターテイナー〟の素養は十分だ。今夏の東京五輪準決勝・韓国戦。「ロジンつけすぎ」を相手ベンチに指摘されると、試合後に自身のツイッターで「#追いロジン」と投稿し話題を呼んだ。 伊藤は「まだまだ自分には足りないものがある。常に探究心を持って、上に上にと心掛けていきたい」と表情を引き締めた。プロ2年目の来季。「新庄劇場」の主役の一人として、さらなる活躍を期す。(石井孝尚)

DAZN

<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ORIX
705518 0.560
(-)
優勝
(-)
0551
(-)
500
(-)
133
(-)
50
(-)
0.247
(-)
3.310
(-)
2
(-)
ロッテ
675719 0.540
(↓0.005)
2.5
(↓0.5)
0584
(+3)
570
(+5)
126
(+1)
107
(+2)
0.239
(↓0.001)
3.670
(-)
3
(-)
楽天
666215 0.516
(-)
5.5
(-)
0532
(-)
507
(-)
108
(-)
45
(-)
0.243
(-)
3.400
(-)
4
(-)
ソフトバンク
606221 0.492
(-)
8.5
(-)
0564
(-)
493
(-)
132
(-)
92
(-)
0.247
(-)
3.250
(-)
5
(-)
日本ハム
556820 0.447
(↑0.004)
14
(↑0.5)
0454
(+5)
515
(+3)
78
(+1)
77
(+1)
0.231
(-)
3.320
(↑0.01)
6
(-)
西武
557018 0.440
(-)
15
(-)
0521
(-)
589
(-)
112
(-)
84
(-)
0.239
(-)
3.940
(-)