阪神(★0対4☆)中日 =リーグ戦25回戦(2021.10.26)・阪神甲子園球場=
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中日
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阪神
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勝利投手:小笠原 慎之介(8勝10敗0S)
敗戦投手:青柳 晃洋(13勝6敗0S)
  DAZN
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◆中日は1点リードの5回表、2死満塁の好機で大島が適時打を放ち、2点を追加する。そのまま迎えた8回には、渡辺の適時打でリードを広げた。投げては、先発・小笠原が6回4安打無失点の好投で今季8勝目。敗れた阪神は、打線が4安打無得点と振るわなかった。

◆タイトルも、逆転Vもつかむ! 阪神青柳晃洋投手(27)が、26日中日戦(甲子園)に先発し"大トリ"で頂点に導く。甲子園の室内練習場で前日調整。「もちろん大事な一戦に変わりはないので、今年の集大成を今年一番のピッチングで締められるように頑張ります」。開幕からローテを支えてきた右腕は、大一番でのベストピッチを誓った。 ここまでリーグ最多13勝で2位の広島九里と1差、勝率7割2分2厘も2位中日柳を引き離してリーグトップを走る。初タイトルにダブル王手をかけて臨む一戦でも、青柳は最後まで平常心を貫く。「タイトルどうこうより目の前の試合を勝って、チームに貢献した結果がタイトル獲得につながればいい」。勝利を追い求めた先にタイトルも優勝も、待っているはずだ。 2軍監督時代から見守ってきた矢野監督も、リーグ最終戦のマウンドへ太鼓判を押した。「あいつはメンタル的な部分は本当にいいもの持っている。最後に投げるのにふさわしいような年にあいつ自身がしてくれている。もう任せるだけで何もないし、今まで通り向かっていってくれたらいい」。6年目で初めて2ケタ勝利に到達し、最多勝を争うまで成長した姿に信頼は揺らがない。「ヤギらしく、雨も明日は降らんやろうからいい天気の中、しっかり投げてくれたらいいんじゃないの」。チーム屈指の雨男ぶりにかけて、ユーモアを交えたエールを送った。 青柳は今季中日には5試合で1勝2敗。ここまで来たら相性も関係ない。「シーズン前から優勝を目指してやってきたので当然優勝したいですが、ヤクルトの結果があるので、まずは明日しっかり勝てるように」。これまで通り、最後の白星をつかみ取る。【磯綾乃】 ◆全日程終了後にV決定 自チームの公式戦全日程を終了した後に、他球団の結果を待って優勝を決めたセ・リーグ球団はまだない。パ・リーグの直近は「10・19」で知られる88年10月19日に、西武が優勝決定。同日に行われていたロッテ-近鉄で近鉄が連勝なら近鉄の優勝だったが、1勝1分けに終わり西武が逃げ切った。西武は3日前の16日に全130試合を戦い終えており、優勝は近鉄の結果次第となっていた。

◆逆転Vを狙う阪神が26日にリーグ最終戦の中日戦(甲子園)に臨む。理想のシナリオは、勝って最短29日の「待機V」につなげ、ゲーム差なしで追う首位ヤクルトに重圧をかけること。希望の光は佐藤輝明内野手(22)で、24日広島戦では2カ月ぶりの1発が出た。最終戦を翌日に控えたルーキーは復調を宣言し、矢野燿大監督(52)はゴールテープ直前の大一番を「甲子園の決勝」と力を込めた。雨音が響く甲子園室内練習場は、熱気に満ちていた。1軍戦士28人が、リーグ最終戦に向けて調整。怪物ルーキーは腹をくくった。 佐藤輝 一番はしっかり勝って、そこですよね。僕たちに残されているのは、あと1試合勝つということだけ。全力で勝ち取りにいきたい。 好不調の振れ幅の大きかったプロ1年目。優勝争いの最後の最後で、ようやくアーチが出た。前日24日広島戦は、8月19日DeNA戦以来、66日92打席ぶりの24号3ラン。先制&決勝の特大弾で4連勝を呼び、優勝へ望みをつないだ。「早く良い状態にならないと、というのはあったので、残り2試合でホームランを打てたのは良かった」。たまたま出た1発ではない。完全復活へ限りなく近い状態に持ってきた。 佐藤輝 スイングにしても打球にしても「すごい良いな」という感じになってきたので、明日もそれが出せるようにやっていきたい。 久々の1本が出たことで「良いメンタルで臨める」と雑念もない。「出してもらってる以上はその責任をしっかり全うできるように、自分のできることを精いっぱいやっていきたい」。前半戦だけで20発のルーキーに"1本締め"の予感が漂う。 勝って、最短29日の優勝に臨みをつなげたい一戦は、同時に剣が峰に立たされている。仮に敗れてヤクルトがDeNAに引き分け以上なら、ヤクルトの優勝が決まる。矢野監督は「(糸原)健斗も言っていたけど、『甲子園の決勝!』みたいな。そんな感じでラスト1試合戦うことになる」と言った。その上で、ポリシーも忘れない。 矢野監督 勝つことと同じくらい大事にしたいのが「俺らの野球、タイガースの野球というものを貫く」ということ。勝ちたいという思いだけでいくと怖さも出るし、1歩踏み出せなかったりするのは俺たちの野球じゃない。失敗を恐れずに挑戦してもらいたい」。舞台は甲子園。佐藤輝が、ナインが、逆転Vへのドラマをつくる。【中野椋】

◆逆転Vを狙う阪神が26日にリーグ最終戦の中日戦(甲子園)に臨む。理想のシナリオは、勝って最短29日の「待機V」につなげ、ゲーム差なしで追う首位ヤクルトに重圧をかけること。矢野燿大監督(52)はゴールテープ直前の大一番を「甲子園の決勝」と力を込めた。近本光司外野手は26日の中日戦も代打での待機となる。21日の中日戦で一塁に駆け抜けた際に、右太もも裏に強い張りを感じて途中交代。代打に備えたここ2試合は出番はなく、この日も別メニューで調整。矢野監督は最終戦の起用について「スタメンでは出ない。代打で、ここっていう時にと思っている」と明かした。勝負どころでの切り札となる。

◆逆転Vを狙う阪神が26日にリーグ最終戦の中日戦(甲子園)に臨む。理想のシナリオは、勝って最短29日の「待機V」につなげ、ゲーム差なしで追う首位ヤクルトに重圧をかけること。矢野燿大監督(52)はゴールテープ直前の大一番を「甲子園の決勝」と力を込めた。「名誉キャプテン」糸原健斗内野手がナインにハッパをかけた。室内練習場で練習が始まると「決勝や!」「さあ、決勝!」と優勝の行方を左右するラストゲームを矢野監督と同じように決勝に例えて声を張った。糸原は直近5試合で20打数9安打と好調で、バットでもチームを引っ張る。

◆逆転Vを狙う阪神が26日にリーグ最終戦の中日戦(甲子園)に臨む。理想のシナリオは、勝って最短29日の「待機V」につなげ、ゲーム差なしで追う首位ヤクルトに重圧をかけること。矢野燿大監督(52)はゴールテープ直前の大一番を「甲子園の決勝」と力を込めた。リーグ最多30盗塁の阪神中野拓夢内野手は「走攻守全てで貢献することが必要」と自らに課した。 ルーキーで遊撃の定位置をつかみ、佐藤輝に先んじて規定打席をクリア。打率2割7分5厘はチームでは近本、糸原に次いで3番目と欠かせない存在となった。最終戦を前に「1年目からこういう試合を経験させていただいて、ここまできたら優勝したい」と韋駄天(いだてん)は身震いした。

◆26日中日戦後に引退セレモニーが催される阪神岩田稔投手(37)が練習前、ナインと記念撮影に収まった。 背番号21が描かれたTシャツを着用した仲間に出迎えられ、登場曲のベリーグッドマン「ウグイス」をBGMにグラウンドへ。 「16年間ありがとうございました。こうやって送り出してもらえることが本当に幸せで、16年間やってきて良かったなと思います。チームは本当の大一番のところにいるので、皆さんなんとか自分の力を出し切っての優勝を期待しています。僕もビールかけに交ぜてください。よろしくお願いします。本当にありがとうございます」 ナインの前であいさつを終えると、寄せ書きユニホームと色紙を手渡された。 電光掲示板には「岩田さん 虎一筋16年お疲れさまでした」とメッセージが表示されていた。

◆中日小笠原慎之介投手(24)は、阪神を相手に20年から4連敗中。最後に勝ったのは19年8月28日だが、この試合は青柳と投げ合い、1-0で勝利している。同試合以来となる青柳との投げ合いで白星を挙げられるか。

◆阪神江越大賀外野手(28)が今季最終戦で約3カ月半ぶりに1軍に昇格した。開幕1軍入りし2戦目の3月27日ヤクルト戦で2盗塁を決めたが、左足を痛め同31日に出場選手登録を抹消。5月19日に再昇格し、主に代走、守備固めとして31試合に出場。3打数無安打、5盗塁。7月15日に再び登録を外れていた。 宮崎でのフェニックスリーグでは1番打者として9試合に出場し、36打数13安打、打率3割6分1厘、1本塁打、7打点。二塁打を7本放つなど、好調で1軍に上がってきた。 中堅レギュラーの近本が21日の中日戦で右太もも裏の強い張りを訴えて途中交代。その後2試合を欠場している。この日もフリー打撃などは行ったもののスタメンは外れる予定。足と守備のスペシャリスト江越の昇格は心強い。

◆悲願のリーグ優勝のため、阪神は絶対に負けられない今季最終戦となる。この日は今季限りで引退する岩田稔投手(37)の引退セレモニーも行われる。ナインは虎一筋16年で通算60勝を挙げた左腕の記念Tシャツを着て試合前練習を行った。全員が「IWATA 21」と背中に描かれた黒いTシャツを着用することで、さらにチームに一体感が出ていた。 佐藤輝明内野手(22)も同じTシャツを着てフリー打撃。前日25日に「スイングにしても打球にしても『すごいいいな』という感じになってきた」と復調宣言していた通り、50スイングで柵越えは8本。終盤に力を入れ右中間、右翼席中段、バックスクリーン左と豪快に3連発をたたき込んだ。前日25日に「僕たちに残されているのは、あと1試合勝つということだけ。全力で取りにいきたい」と最終戦への思いを話していた。後半戦は極度の不振に苦しめられたが、24日広島戦(マツダスタジアム)では2カ月ぶりのアーチとなる24号を放った。24本はチームトップ。怪物ルーキーが今季引っ張ってきたことは間違いない。強烈な25号を放ち、首位ヤクルトにプレッシャーをかける。

◆中日柳裕也投手(27)が、防御率2・20で自身初タイトルとなる最優秀防御率が確定した。最終戦となる26日阪神戦でベンチを外れ、この日先発する阪神青柳らが残り試合全てを完封しても上回れなくなった。 柳は今季26試合に先発し、2完封を含む11勝6敗。168奪三振もトップで2位以下を大きく引き離しており、投手部門2冠が有力となっている。 中日では19、20年の大野雄に続く最優秀防御率で、3年連続は球団史上初めて。

◆両チームのスタメンが発表された。阪神大山悠輔内野手(26)が「5番三塁」で4試合ぶりにスタメン復帰する。背中の張りの影響で、直近3試合はベンチスタートとなっていた。 21日の中日戦(甲子園)で右ハムストリングスに強い張りを感じ、途中交代した阪神近本光司外野手(26)は、3試合連続でスタメンから外れた。「1番中堅」に島田海吏外野手(25)、「3番二塁」に糸原健斗内野手(28)が入る。 また、ルーキー佐藤輝明内野手(22)が、「7番右翼」で3試合連続スタメン出場。24日広島戦(マツダスタジアム)で約2カ月ぶりの24号を放ったルーキーが、シーズン最終戦でも1発なるか。 阪神先発は青柳晃洋投手(27)。今季中日戦は5試合に先発し1勝2敗、防御率2・59。前回19日ヤクルト戦(甲子園)では7回無失点でハーラートップの13勝目を挙げ、自身初の最多勝を確実なものにしている。レギュラーシーズン最終登板で、自己最多をさらに更新する14勝目を目指す。 中日先発は小笠原慎之介投手(24)。プロ6年目で初の規定投球回到達まで残り5回2/3イニング。阪神戦は20年から4連敗中で、今季も4試合に登板し0勝3敗、防御率2・70。前回登板から中15日空け、今季ラストゲームに臨む。

◆逆転優勝を目指す阪神が必死の継投を見せるも、5回に痛い追加点を献上した。 ハーラートップタイ13勝を挙げている青柳晃洋投手(27)が2回裏に代打を送られ、先発ではプロ最短の2回4安打1失点(自責0)でマウンドを降りた。 2番手はプロ2年目左腕の及川雅貴投手(20)。3、4回と無失点で攻撃を終わらせた。しかし5回先頭の岡林に振り逃げで出塁されると、四球と安打で1死満塁のピンチを招き降板。3番手の馬場皐輔投手(26)は高松を空振り三振に仕留めたが、迎えた大島にファウルで粘られ8球目を左翼へうまく運ばれて、2点を失った。 負けられない一戦で、中盤に痛い失点となった。

◆阪神佐藤輝明内野手(22)が、プロ野球ワースト6位タイとなるシーズン173個目の三振を喫した。 4回2死走者なしの第2打席で、中日左腕小笠原の147キロ直球に空振り三振。2打席連続三振に倒れ、15年中村(西武)の172三振を抜き、04年岩村(ヤクルト)の記録に並んだ。 三振数のプロ野球記録は93年ブライアント(近鉄)の204三振(127試合)。日本人の最多記録は19年村上(ヤクルト)の184三振(143試合)。

◆阪神 岩田稔が現役引退セレモニーに参加した。中日戦のファーストピッチセレモニーで捕手を務め、長男・輝大さんのストライク投球を受けた。さらに同じ1型糖尿病患者でもあるサッカーJ1神戸のサンペールも登場。「岩田選手は(1型)糖尿病のヒーロー。諦めないことを教えてくれました。とても尊敬しています」と日本語で言葉を送られた。練習前には21番Tシャツを着用したナインと記念撮影。寄せ書きユニホームと色紙を手渡された。 ◆岩田稔(いわた・みのる)1983年(昭58)10月31日生まれ、大阪府出身。大阪桐蔭-関大を経て05年大学生・社会人ドラフト希望枠で阪神入団。08年にローテーション入りし10勝。WBC09年大会に出場し世界一メンバーに。14年には9勝を挙げ日本シリーズでも先発するなど、貴重な左腕として活躍してきた。通算200試合、60勝82敗、防御率3・38。179センチ、97キロ。左投げ左打ち。

◆矢野監督が執念の采配を見せた。 1点を追う2回2死一、三塁。先発青柳の打席で動いた。リーグトップの13勝を挙げている右腕に「代打小野寺」を告げた。青柳の2回での降板は先発ではプロ入り最短。最多勝を当確させるマウンドだったが、攻めのタクトだった。 指揮官は試合前に「全員で戦うというところもそうだし、走り切るとか、一丸で戦うとか、何かそういうものを見せたい」と話しており、その言葉通りの全員野球だった。しかし小野寺は中日先発小笠原の内角直球に詰まり、遊飛に倒れた。勝負手は実らなかった。 3回からは及川が中継ぎ登板。2回を無失点に抑えたが、3イニング目に崩れた。振り逃げ、四球と安打などで1死一、二塁で降板。3番手馬場にスイッチしたが、踏ん張れなかった。2死満塁で、大島を迎えた。フルカウントから甲子園のスタンドから激励の拍手が沸き起こった。しかし2度首を振ってまで選択したフォークが真ん中に入り、左前にはじき返された。大きな2点を失い、3点を追う苦しい展開となった。 野手陣も攻撃にリズムをつくれなかった。両軍無得点の2回1死一、二塁では青柳が木下拓を内角球で三ゴロを打たせた。大山が二塁へ送球したが、二塁糸原が一塁に悪送球。まさかのタイムリーエラーで先制点を献上。ここ6試合は失策がなく、4勝2分けと引き締まった試合を演出していたが、7試合ぶり86個目の失策で守備からもり立てることができなかった。16年ぶりのリーグ制覇へ、負けられない一戦で、課題の拙守が出てしまった。【前山慎治】 【関連記事】阪神ニュース一覧はこちら―> ▽阪神井上ヘッドコーチ(2位でシーズンを終え) セパ全球団の中で一番勝っていたということは誇りに持ってほしい。今日はみんな負けて沈んでいるけど、切り替えて。こちらからはやる気と元気と笑顔を交えた今年のテーマの野球を、また、クライマックスシリーズに向かって促したい。 ▼阪神がレギュラーシーズン最終戦に敗れた結果優勝を逃したのは、73年以来48年ぶり。同年10月22日に、2位巨人と甲子園で対戦。阪神は○か△なら優勝だったが、0-9と大敗して巨人のV9を許した。

◆中日小笠原慎之介投手(24)が6年目で初めて規定投球回数に到達した。 あと5回2/3として今季最終戦の阪神戦(甲子園)に先発し、6回4安打無失点にまとめて規定の143イニングをクリアした。 試合前時点で24試合に登板し7勝10敗。開幕から先発を守ってきた疲労が蓄積し、首脳陣は来季を見据えて登板回避も選択肢に入れたが、左腕は拒んだ。「来年はもうないと思ってやってきた。来年のために投げないことは、今年1年やってきた意味がない」。中15日での調整を願い出て、最終登板にこぎ着けた。6回2死一塁で大山を133キロの変化球で左飛に打ち取ると、表情を緩めた。 1月は大野雄の自主トレに直訴して加わった。「一緒にやらないと野球人生が終わる」。最優秀防御率に2年連続で輝いた師匠の下、不退転の決意を固めて臨んだシーズン。「1年間我慢して使ってもらった感謝の気持ちを表せるよう最高の投球をしたい」。最終戦に向けた思いを形にしてみせた。【伊東大介】

◆2位阪神がレギュラーシーズン最終戦に敗れ、首位ヤクルトがDeNAに勝ったため、ヤクルトの6年ぶりのリーグ制覇が決まった。阪神は05年を最後に16年連続のV逸となった。 前半戦は48勝33敗3分けで2位巨人に2ゲーム差、3位ヤクルトには2・5ゲーム差をつけ、13年ぶりの首位ターン。ドラフト1位佐藤輝明内野手(22)が20本塁打を放つなど、怪物ルーキーを中心に快進撃を続けた。 後半戦は阪神が29勝23敗7分けと貯金6をつくるも、ヤクルトは31勝18敗9分けの貯金13。驚異的な追い上げでまくられた。 阪神が勝ち、ヤクルトが負ければ、阪神が最短29日に逆転優勝する可能性もあった。この日を勝って、29日、11月1日と2試合を残すヤクルトにプレッシャーを与えたかったが、本拠地甲子園でのリーグ最終戦で力尽きた。 試合は2回に糸原健斗内野手(28)の悪送球で中日に先制点を献上。その裏の2死一、三塁ではハーラートップ13勝の先発青柳晃洋投手(27)に代打小野寺暖外野手(23)を送る勝負手も実らず、遊飛に倒れた。 0-1の5回には2番手及川雅貴投手(20)が四球と安打で1死満塁のピンチを招き、後を受けた3番手馬場皐輔投手(26)が、大島に左前へ2点適時打を浴びた。負けられない一戦で仕掛けた早めの継投は実らなかった。 16年連続V逸は、セ・リーグでは23年連続のDeNAに次ぐ長さで、球団では65~84年の20年連続、86~02年の17年連続に次いで3番目に長いブランクとなった。

◆リーグ最終戦を終え、阪神矢野燿大監督(52)があいさつを行った。引き分けを挟んで4連勝と逆転Vへ猛追を続けてきたが、最後に力尽き、16年ぶりの優勝はつかめなかった。 試合後、矢野監督を中心にコーチ、選手たちは本塁を向いてグラウンドに一列に並んだ。マイクの前に立った矢野監督はファンへ感謝の言葉を並べ、もっと強いチームになることを誓った。今季は143試合を戦い、77勝56敗10引き分け。16年ぶりのリーグ優勝にあと1歩届かなかった悔しい思いは、ポストシーズンにぶつける。 ? 矢野監督のあいさつ全文は以下の通り ? 皆さん、逆転優勝を信じ、最後まで戦っていただきまして、どうもありがとうございました。10月に入り、選手たちは本当にすごい粘りを見せてくれました。しかし、僕たちが目指しているところはここではありません。今日のこの最後の試合、こういう試合に勝ちきれる、もっともっと良いチームにもっともっと強いチームになっていけるよう、新たなスタートとしてこの悔しさを持って、戦っていきます。まだこの先、クライマックスシリーズ続いていきますが、その戦いの中からコロナ禍で苦しい思いをされているみなさんに元気を感じてもらい、僕たちの挑戦から1歩前に進む気持ちを持っていただけるような、そういう戦いを続けていきます。引き続き応援よろしくお願いいたします。

◆阪神佐藤輝明外野手が、3打数無安打2三振でシーズン最終戦を終えた。 1点ビハインドの2回1死二塁では、中日小笠原の147キロ直球に空振り三振。4回にも小笠原に空振り三振に仕留められた。今季173三振は04年岩村(ヤクルト)に並びプロ野球ワースト6位タイ、日本人では19年村上(ヤクルト)の184三振に次ぐ2位タイ。かねて「三振は自分の技術不足」と語っており、課題は最後までつきまとった。 新人王を目標に掲げたプロ1年目は126試合に出場し425打数101安打、打率2割3分8厘。新人歴代7位の24本塁打、64打点でフィニッシュ。前半戦だけで20本塁打を放ちチームの快進撃をけん引した一方、後半戦はNPB野手ワーストの59打席連続無安打に2軍降格も経験した。収穫と課題を胸に、ポストシーズンで逆襲を期す。

◆中日は2回、阪神糸原の悪送球の間に1点を先制。阪神の先発青柳は2回1失点で降板。打線は中日先発小笠原に3回まで無得点。 中日は5回2死満塁から、大島の左前適時打で2点を追加した。阪神は4回から6回まで1安打無得点で抑え込まれた。 中日は8回に渡辺の一安打で1点を追加し、小笠原は8勝目。阪神は引き分けを挟み4連勝中だったが、力尽き逆転Vを逃した。先発の青柳が6敗目。

◆阪神岩田稔投手(37)の引退セレモニーに、同じ1型糖尿病患者でもあるサッカーJ1神戸のサンペールも駆けつけた。「岩田選手は(1型)糖尿病のヒーロー。諦めないことを教えてくれました。とても尊敬しています」と日本語で言葉を送り、花束を手渡した。「立ち会えたことは、すごくうれしい。16年にわたってプロとして続けることは決して簡単なことではない。1つの模範として、自分たちが諦めずに夢を追いかけるように、そんな勇気を与えてくれた存在」。改めて敬意とねぎらいの思いを表した。

◆今季で現役生活にピリオドを打つ阪神岩田稔投手(37)がシーズン最終戦となった中日戦終了後に甲子園で引退セレモニーを行い、およそ5分間のスピーチをした。 涙ながらに「家族のみんなありがとう」と感謝の思いを口にした。家族との思い出を述べたときは涙で声を詰まらせるなど、酸いも甘いも経験した16年間の思いを込めた。 岩田稔の引退スピーチ全文は以下の通り今日はこのような盛大な引退セレモニーをご用意していただき、本当にありがとうございます。タイガース関係のみなさま、裏方のスタッフのみなさま、監督、コーチ、トレーナーのみなさん、本当にありがとうございました。 私は2005年にタイガースの方で希望枠という形で(入団して)はや16年が経ちました。その中で入団会見の時に「希望の星になりたい、1型糖尿病患者の希望の星になりたい」という思いを胸に頑張っていました。それがようやく形になったのが3年目が終わったあと、4年目からです。そこで1型糖尿病患者を(試合に)招待して、頑張っている姿を見せられるように、日々努力してきました。その患者に会ったときに、最初はやっぱり怖がっている顔をしているんですけど、たくさん話すうちにすごい笑顔になっていくのがとてもうれしくて、こういう活動をしていて間違いじゃなかったなとその時に思いました。それがもう10年、12年続きました。 タイガースの選手として16年プレーさせていただきましたが、今年でユニホームを脱ぐことになりました。たくさんの声援をくれたタイガースファンのみなさま、本当にありがとうございます。 僕1人ではここまで長くやっていけるとは思っていませんでした。やはり家族の存在があったからです。 試合で抑えたときは当然のように、にこにこしながら、笑いながら「良かったな」と子どもからも言ってもらえたり、打たれて負けてへこんで帰った時も笑顔で「また頑張ったらいいやん」という...(涙がこみ上げ)、という言葉に救われてここまで、やってこれました。家族のみんなありがとう。 そして、こうやって寒い中応援に来てくれたファンの方々も僕にとってはみんな「ビッグファミリー」です。本当に感謝しています。まだチームはCSが残っていて日本シリーズも可能性があるし、僕は行ってくれると信じています。日本シリーズに行ってもらえるようにみなさん熱い声援よろしくおねがいします。 本当に16年間熱い応援ありがとうございました。

◆今季限りで現役を引退する阪神岩田稔投手(37)が、引退セレモニーでラストピッチを披露した。 試合後にスピーチを行うと、青柳晃洋投手(27)がグラブとボールを持って登場。女房役は梅野隆太郎捕手(30)が務めた。「イワタコール」も響く中、気持ちを込めたボールを投げ込むと、梅野もミットでがっちりとつかんだ。最後の1球を投げ終えた岩田は笑顔を見せ、両手で「○」マークを作った。 梅野から花束を贈られると、秋山拓巳投手(30)、大阪桐蔭の後輩でもある藤浪晋太郎投手(27)からも花束を手渡された。さらに担当スカウトで、投手コーチも務めた山口高志氏(71=関大アドバイザリースタッフ)も駆けつけ、花束を手にねぎらった。 最後はナインらの手により胴上げされ、7回宙に舞った。プロ16年間を戦い抜いた左腕は、晴れやかな表情を見せていた。

◆阪神糸原健斗内野手が今季8度目の猛打賞で執念を見せた。 いずれも逆方向の左前打で、うち2本が追い込まれてから。 試合前には「決勝や」と声でナインを鼓舞し、バットでも引っ張った。3、4月は打率3割4分8厘とスタートダッシュに、9、10月も3割1分1厘と追い上げに貢献した。

◆阪神岩田稔投手(37)の引退セレモニーが行われ、大阪桐蔭の後輩である藤浪晋太郎投手(27)は勇姿を最後まで見続けた。 みやざきフェニックス・リーグに参加していたが、この日は甲子園に駆けつけた様子。セレモニーの中で秋山とともに花束を手渡すと、球場を1周する先輩を一塁ベンチからじっと見守った。ベンチに岩田が戻ってくると、力強く握手を交わした。 先輩岩田稔は「9回の時に『あれ、晋太郎来たん?』という、そんな感じです。『ありがとう!』と言って」と後輩の"サプライズ登場"の舞台裏を明かし「1人の後輩、大阪桐蔭の後輩として気になる存在ですし、入団当初からいろいろ飯も行ったりしてたので、これからの晋太郎が楽しみやなという感じです」と温かいエールを送った。 藤浪は今月1日に自身のインスタグラムに、入団直後に撮影された岩田との写真を投稿。「8年前、プロの世界に入って最初に食事に誘ってくださった先輩が岩田さんでした。 事あるごとに声を掛けていただき、いつも励ましてくださった本当に優しい先輩です。 常に自分のスタイルを貫く姿勢はカッコよく、本物の強さを見せていただきました!!」などと、思い出を振り返りながら感謝の言葉を並べていた。 この日はお世話になった先輩の姿を、最後まで目に焼き付けていた。

◆4試合ぶりに先発出場した阪神大山悠輔内野手(26)がシーズン最終戦で最後の打者となった。 4点ビハインドの9回2死、R・マルティネスの直球を捉えきれず遊ゴロに倒れた。2回先頭では小笠原の内角直球に詰まりながらも中堅左へ落とし、意地を見せた。 今季は開幕から4番として出場を続けていたが、5月に背中の張りで約3週間離脱。2年連続で20本塁打以上の成績を残したが、悔しいシーズンとなった。

◆中日小笠原慎之介投手(24)が6年目で初めてシーズン規定投球回に到達した。 あと5回2/3で迎えた今季最終戦となる阪神戦で、6回4安打無失点にまとめて8勝目も手に「イニングを完了させるのは先発として最低限の仕事。こういう投球をすれば1年間やれるのもつかんできたかな」とかみしめた。 昨季は左肩痛で出遅れ4試合に終わり、1月には最優秀防御率に2年連続で輝いたエース左腕、大野雄の自主トレに直訴して参加。「今年は最低でも規定投球回をと思っていた達成できて恩返しできた。自分1人で1年間投げ切れないことも分かった」。6回1死一塁でマルテを打ち取って目標をクリアした後も、意思確認のためマウンドに来た阿波野コーチに続投を直訴した。責任感たっぷりに大山を133キロの変化球で左飛に打ち取った。 開幕から先発ローテを守ってきた疲労が蓄積し、首脳陣は来季を見据えて登板回避も検討したが、小笠原は登板を望んだ。不退転の決意で臨んだシーズンでカラを破った。オフは休息に充てるか聞かれ、「しません。新しいシーズンへ向けて(練習を)やりますよ」ときっぱり。25歳を迎える来季を早くもにらんでいた。【伊東大介】 ▽中日阿波野投手コーチ(小笠原について) 1年を通して次の登板への練習、フォーム管理、トレーニングを怠らす、規定投球回といういい結果が出た。自覚のある投手に成長してくれた。

◆阪神が今季最終戦で中日に敗れ、首位ヤクルトが勝ったため、ヤクルトの優勝が決まった。143試合目でのV逸となった。 今季11度目の0封負けと後半戦不振だった打線がこの日も打てなかった。試合後の矢野燿大監督(52)の一問一答は以下の通り。 ? -2回、先発青柳に早めに代打を送った いやいやもう、勝つしかうちは、チャンスがほぼないんで。 -青柳の投球の調子というよりは少ないチャンスを いや、チャンスがあるところで行かないと、条件的に(逆転優勝は)厳しいので。 -試合後のファンへのあいさつでも話していたが、選手は苦しいときを乗り越えて粘ってきた チーム状態的には、よくなかったんで。特に打撃陣がみんな調子が下がっていたし、スタメンを組むのもちょっとどうかなという感じになっていたので。なかなか点が取れないというのが長かったので。そういうところで、ずるずる行ってもおかしくないようなところもあったと思うんだけど。まず投手陣が頑張ってくれたのと、(これまで)スタメンじゃないメンバーがスタメンで行った中でよくやってくれた。チーム全体で乗り越えられたかなというところは、この10月の戦いではあったかなと思う。 -CSに向けては ちょっと今はまだそこまでの気持ちにはすぐになれないけど。 -143試合戦い抜いた思い すごい、できた部分もあるし。だから、状態が良くない中でも粘れてるとか、そういうのってタイガースのいいところというか、走りきるとかさ、チーム一丸でやるとか、俺はいつもそこを俺らの野球というか、タイガースの野球って言い方をするんだけど。諦めないとか。そういうのは、みんなも言葉に出して、ベンチでも言ってるし。実際、そういう試合っていうのは、今日は残念な試合になったけど、見せてくれたところもたくさんあった。そういう部分っていうのは、すごくチームの成長を感じる。一方で、今日の試合は特に勝ちきれないとか、振り返るとやっぱり球際であったり、1個のアウト、1個のブロッキングだったり、ベースカバーだったり、そういうところが出た試合だったかな。うちは現状ガンガン点取ってというチームではないので、そういうところを大事にしていく必要があるかなと。全体としてはステージが上がったし、ルーキーもみんな頑張ってくれたし、青柳が最多勝? 取るなんて何年か前まで誰も想像しなかったこと。タクム(中野)も盗塁王近いでしょ? そういう意味でも輝(佐藤)の前半の頑張りとか、いろんなことがあった。プラスのこともいっぱいある。でもやっぱり勝ちきっていないし。勝ちきれなかったからこそまだまだ成長が必要だなっていう。出来た部分と出来なかった部分と両方ある。 -今季のヤクルトの印象は いや、まあやっぱり外国人2人が入って、打線の厚みがしっかり出たことと、打線のいいチームだったけど、それで若手、ベテラン、中堅がバランスよくガチッと固まったという部分もある。投手も高津監督がうまく使ったと思うんだけど、使える状態の選手がグッと全員が底が上がったというか。若い選手も中堅もみんなの状態がグッと上がったんで、いろんな使い方ができる形に。奥川みたいに間隔空ける投手もいれば、中継ぎなんかどんどんつぎ込んだり、そういうのもできたし。打線がもともとよかったところに、投手陣全体が上がったというのはやっぱり見ててもあるなと思っていた。

◆阪神近本光司外野手が3試合連続欠場でシーズンを終えた。 21日の中日戦(甲子園)で右ハムストリングスを負傷し、この日は代打待機も出番なし。「クライマックスシリーズ、日本シリーズがあるので、それに向けてやっていくだけ。2位で終わったっていうのを踏まえて頑張っていきたい」。プロ3年目の今季は140試合に出場。打率3割1分3厘、10本塁打、178安打、91得点はキャリアハイで、初の最多安打のタイトルを確実なものにしている。

◆ハーラートップ13勝を挙げている阪神青柳晃洋投手(27)は、先発ではプロ最短となる2回4安打1失点(自責0)で6敗目を喫した。 2回1死一、二塁から、糸原の送球エラーの間に先制点を献上。直後の2回裏、2死一、三塁で迎えた打席で代打小野寺を送られての交代。矢野監督は「勝つしかうちは、チャンスがほぼないんで」と説明した。指揮官の勝負手で早期降板となったが、プロ6年目で初タイトルとなる最多勝利、最高勝率はほぼ確実。開幕から先発ローテを支え、最後まで優勝争いに貢献した。

◆阪神が今季143試合目で力尽きた。矢野燿大監督(52)が2回の攻撃で先発青柳に代打を送るなど攻めの采配を見せたが、守りのミスが出るなど攻守で踏ん張れなかった。今季は2位に最大7ゲーム差をつけながら、首位を守れず、終盤に猛追したが、16年ぶりのリーグ制覇には届かなかった。まだ日本一の可能性は残されており、短期決戦でヤクルトに雪辱を期す。逆転優勝の望みは143試合目で断たれた。0-4で迎えた9回2死走者なし。5番大山が中日マルティネスの外角158キロを引っかけて遊ゴロに倒れた。絶対に負けられない一戦で、今季11度目となる0封負け。敗北の瞬間、ヤクルトのリーグ制覇が決定し、猛虎は16年連続のV逸となった。 「もう、勝つしかうちは、チャンスがほぼないんで。チャンスがあるところで行かないと、条件的に厳しい」 矢野監督は序盤から必死にタクトを振った。2回2死一、三塁で9番青柳に打席が回ると、代打小野寺を起用。13勝右腕をあきらめ、同点を狙ったが、遊直に倒れた。その直前の2回の守備では1死一、二塁から木下拓に三ゴロを打たせたが、二塁手糸原が一塁悪送球。その間に二塁走者が生還し、先制を献上した。 あと1歩だった。前半戦は首位を独走し、一時は2位に7差をつけた。後半戦はヤクルトが驚異的な追い上げを見せたが、10月は12勝5敗3分けと引かなかった。大山、近本、梅野ら主力がベンチに控えるなど苦しい状況の中で、選手をやりくりして白星を積み重ねた。指揮官が掲げる一丸野球を貫いたが、わずかに頂点には届かなかった。 「全体としてはステージが上がった。プラスのこともいっぱいある。でもやっぱり勝ち切ってない。勝ちきれなかったからこそまだまだ成長が必要」 最終戦後のセレモニーで矢野監督はマイクの前に立ってファンに宣言した。「今日のこの最後の試合、こういう試合に勝ちきれる、もっともっといいチームにもっともっと強いチームになっていけるよう、新たなスタートとしてこの悔しさを持って、戦っていきます」。まだ日本一への挑戦権は残っている。まずは3位巨人とのクライマックスシリーズ(甲子園)。打倒ヤクルトの思いを胸に、ポストシーズンへ挑む。【桝井聡】 ▼阪神がレギュラーシーズン最終戦に敗れた結果優勝を逃したのは、73年以来48年ぶり。同年10月22日に、2位巨人と甲子園で対戦。阪神は○か△なら優勝だったが、0-9と大敗して巨人のV9を許した。

◆今季で現役生活にピリオドを打つ阪神岩田稔投手(37)がレギュラーシーズン最終戦となった中日戦後に甲子園で引退セレモニーを行った。その後の取材で、率直な心境、後輩への思いなどをたっぷりと語った。 岩田稔の主な一問一答は以下の通り。(テレビ取材) ? -特別な1日が終わった 「終わってしまったなと。そんな感じです」 -どんな思いで迎えたか 「チームが優勝争いをしている中、こういうセレモニーをやっていただいた。本当に感謝しています。チームは負けてしまいましたけど、これからのCSや日本シリーズが続いて、勝負していってくれると思うので、そこをしっかり応援していきたいなと思います」 -16年間の最後の雄姿。どんな自分を見せたかったか 「引退のあいさつの中で文章を考えずに、その場で出てきたことで自分の思いを伝えたかったので、しっかりしゃべれたんかなと。分からないですけど、僕なりに感謝の気持ちを伝えられたと思います」 -最後は甲子園球場を1周した 「もうこういうこともないんだなと思いながら、かみしめて歩かせていただきました」 -「勇気をありがとう」などのプラカードも 「むちゃくちゃうれしかったです。逆に僕が勇気とかそういうものをいただいていたので、たくさんの応援していただいた方には、本当に足りないぐらい感謝の気持ちでいっぱいです」 -1型糖尿病患者からのビデオメッセージもあった 「ああやって言っていただけるのはうれしかったですね。まだまだ1型糖尿病ということが認知されて、治る病気にはなっていないので、治る病気になるように、全国のみんなに知ってもらえるような病気になるように、これからもいろいろ活動していきたいなと思います」 -ご家族との思い出作り。ファーストピッチでは息子の球も受けた 「僕より良い球放っていましたね。めちゃくちゃクロスファイアで、良いボールでしたね。子どもって親が知らないところで成長しているなというのを感じました」 -ご家族にとってもいい思い出 「はい、タイガースの球団には本当に感謝したいですね」 -チームメートには試合前に岩田からメッセージ 「こうやって優勝争いしている中、セレモニーを開いていただいて、本当に感謝しているということと、『一緒にビールかけ交ぜてくれ』と伝えました。セ・リーグ優勝とはならなかったですけど、日本シリーズに行って日本一になってくれるんじゃないかと思います」 -ラストピッチでは梅野に投げた 「全然、投げられなかったですね。その前にブルペンで(肩を)作らせてもらったんですけど、準備って大事だなと思いましたね。ウメがあそこまで成長してくれているので、入団した時からバッテリーも組ませてもらったし、梅野の成長も見届けながら引退できるので良かったなと思います」 -チームメートにかける言葉は 「そうですね。目の前の試合を命かけてでももぎ取っていってほしいなと思います」 -16年間のプロ野球人生に終止符 「僕自身の体にはお疲れさんと言いたいですね。でもここからなんで。今までやってきたことを継続して、やっていきたいなと思います」 -あらためて今後の人生、病気と闘う人たちに対しては 「選手の時は全国を回ることができなかったんで、全国を回って、1型糖尿病の方たちと交流していけたらなと思います」 -全国のタイガースファンの皆さんに 「16年間、たくさんの応援本当にありがとうございました。自分1人ではここまでやってこれなかったので、皆さんの声援があってこその16年だったと思います。本当にありがとうございました」 ? (囲み取材) -ラストピッチは内角低め 「垂れた真っすぐでした。持ち味のボールでした」 -盛大なセレモニー。感無量 「なかなかセレモニーも、やってもらえること少ないと思う中で、自分が『あんな成績やったのにええのかな』と思ったりしながらこの日を迎えました」 -チーム的には苦しい試合。まだ戦いが続く意味では心底応援できる 「そうですね、テレビの前でワーワー言うてるかもしれないですね」 -10月は粘り強い戦い 「そうですね、強いですね」 -後輩たちが成長 「すごかったですよね、ピッチャーにしろ野手にしろ。あんなに成長した姿をけっこう見れてたので、なんかうれしかったですね」 -藤浪も来ていた 「ほんま、9回のときに『あれ、晋太郎来たん?』というそんな感じです。『ありがとう!』と言って」 -大阪桐蔭の後輩として 「1人の後輩、大阪桐蔭の後輩として気になる存在ですし、入団当初からいろいろ飯も行ったりしてたのでこれからの晋太郎が楽しみやなという感じです」 -たくさんの方がビデオで糖尿病患者がメッセージをくれた。やってきて良かったなと感じる部分は 「ありますね。やっぱりこう、やってきた活動に対してああやって応えてくれることもなかなか少ないと思うので、間違いじゃなかったのかなというのは思いました。これが終わったわけではないので、これからもどんどんそういう活動は続けていけたらと思います」

◆今季限りで現役を引退する阪神岩田稔投手(37)が、引退セレモニーでラストピッチを披露した。 ▽阪神矢野監督(岩田稔と現役時代にはバッテリー) 右でいったらダルビッシュがすげえなと思うんだけど、左はやっぱり岩田のスライダーはすごかった。曲がり方が外国人的な、すごいブレーキ。怖いなと思って。体が(1型)糖尿病ということもマイナスじゃなく『勇気を与えたい』と頑張っていることで、みんなが頑張ろうという思いになれるように岩田が頑張ってきた。

◆143試合目で、阪神が力尽きた。 勝って首位ヤクルトに重圧をかけたかったシーズン最終戦は今季11度目の0封負け。試合後、ファンへのあいさつに立った矢野監督は「今日の、こういう試合に勝ちきれる、もっともっといいチーム、強いチームになっていけるように。この悔しさを持って戦っていきます」と悔しさをかみしめた。大一番で痛いミスが出た。2回に許した先制点には糸原の悪送球が絡んだ。4年連続両リーグワーストの今季86個目の失策。5回の2失点も先頭を振り逃げで出塁しての失点だった。 今季は2位に最大7ゲーム差をつけながら、首位を守れず。終盤に猛追したが、16年ぶりのリーグ制覇には届かなかった。矢野監督は球団の続投要請を受諾する方向で、勝負の1年契約を交わす見通し。まだ日本一の可能性は残されており、短期決戦でヤクルトに雪辱を期す。

◆いざ、出陣! 阪神・青柳晃洋投手(27)が26日の中日戦に先発する。25日は甲子園室内でキャッチボールなどで汗を流し、調整。勝てば14勝目。最高勝率との2冠が濃厚だ。矢野虎で最も飛躍を遂げた変則右腕が最高の形で締める。 タイトルもチームの勝利も奪えるものはすべて狙う。雑草魂で野球に励み、スターダムにのし上がってきた青柳の目は今まで以上にギラついていた。今季最終戦のマウンドで、逆転Vへ望みをつなぐ投球を見せ、今季14個目の白星をもぎ取る。 「大事な一戦に変わりはない。今年の集大成を今年一番のピッチングで締められるように頑張ります」 甲子園室内で汗を流し、ラスト登板に備えた。今季リーグ2位のチーム防御率(3・30)を支えたのは、この男だ。 開幕から先発陣の勝ち頭として働き、5月14日の巨人戦(東京ドーム)から東京五輪によるリーグ戦中断期間を挟んで3カ月間負けなしの8連勝をマーク。日本代表としても世界一に貢献した。 そんな飛躍のシーズンだからこそ、最後は勝って笑いたい。今季はここまで24試合で13勝5敗(勝率・722)、防御率2・51。13勝以上に権利がある最高勝率は確定させており、あとは広島・九里(12勝)と競っている最多勝争いとなる。 24日のマツダスタジアムで九里に土をつけたことにより広島は3試合を残しているものの、九里の逆転は難しい状況。虎投では2014年のメッセンジャー以来となる最多勝をさらに近づける。 「(自身初の)タイトルどうこうより目の前の試合をしっかり勝ってチームに貢献した結果がタイトル獲得につながればいい」 矢野監督は「(シーズンの)最後に投げるのにふさわしいような年にアイツ(青柳)自身がしてくれている。今まで通り(相手に)向かっていってくれたらいい」と期待する。青柳が打たれたら仕方がない。そう思わせるだけの男に成長した。 「当然、優勝したいですが、ヤクルトの結果があるので、まずは明日しっかり勝てるように頑張ります」と背番号50。一年のすべてをぶつける。竜打線を抑えて、天命を待つだけ。午後6時。まばゆい光に照らされながら、今季最後のマウンドから右腕をしならせる。(織原祥平)

◆阪神・佐藤輝明内野手(22)が3試合連続で「7番・右翼」でスタメン出場する。24日の広島戦(マツダ)では、約2カ月ぶりとなる24号3ランを放ち、矢野虎を4連勝に導いていた。 逆転優勝へ一戦も落とせないなか、ルーキーイヤーのシーズン最終戦での1発に期待がかかる。また、先発の青柳晃洋投手(27)もここまでセ・リーグトップの13勝をあげており、2位で12勝の広島・九里との差を広げて最多勝のタイトルをつかみたい。

◆両チームの今季最終戦。阪神は先発した青柳晃洋投手(27)がいきなりのピンチをしのいだ。 一回1死から高松、大島の連打で一、二塁と得点圏に走者をすすめられた。それでも、4番に座ったA・マルティネスを初球、141キロツーシームで狙い通りの二ゴロ併殺。リーグ単独トップの13勝を挙げ、ここまでチームを引っ張ってきた右腕が持ち味を発揮した。

◆阪神は大事な最終戦で、課題のミスが飛び出した。二回、青柳が1死一、二塁のピンチを背負うも木下拓を三ゴロ。大山が二塁に送球したが、併殺を狙った糸原の送球がワンバウンドし、カメラマン席へと入った。これにより、二走が生還。阪神が先手を奪われた。

◆阪神・矢野監督が序盤から動いた。0-1の二回。2死一、三塁の好機で、先発の青柳に代打・小野寺を起用。しかし、小野寺は遊飛に倒れ、得点を奪うことができなかった。結局、青柳は2回4安打1失点(自責0)だった。

◆阪神は後を託されたリリーフ陣が踏ん張れなかった。0-1で迎えた五回。この回で3イニング目の及川が先頭を振り逃げで出塁させると、四球で一、二塁。1死から京田に右前打で満塁とされた。ここで3番手・馬場にスイッチ。高松を空振り三振に斬ったが、大島にフルカウントから痛恨の2点左前打を許した。

◆阪神にとって痛すぎる1点が入った。0-3の八回、マウンドには岩崎が上がった。1死から大島に中前打、続くA・マルティネスが空振り三振に倒れるも、代走・加藤翔が二盗を決め、得点圏に走者を背負った。高橋周は申告敬遠。その後だった。 渡辺の打球は一塁へのゴロ、マルテからトスを受けた岩崎との競争となり、塁審の手は横に広がった。さらにこの間に、二走の加藤翔がホームに生還。矢野監督は一塁の判定をめぐって、リプレー検証を要求した。場内に流れた映像に虎党は大きな拍手。それでも、判定は覆らず、大きなどよめきが甲子園を包んだ。

◆阪神は今季最終戦で中日に0―4で敗れた。ヤクルトがDeNAに勝利したため、ヤクルトの優勝が決定。阪神は16年ぶりのリーグ優勝を逃した。 阪神は二回1死一、二塁で木下拓は三ゴロ。大山―糸原と渡って併殺成立かと思われたところで、糸原がまさかの悪送球。一塁・マルテが捕れずにボールがカメラマン席まで転々とする間に、先制点を許した。リーグワーストの今季86個目の失策。課題だった守備の乱れが、ここ一番で出てしまった。 その裏に、2死一、三塁の好機を作った。ここで二回まで4安打1失点(自責0)の青柳を早々に代えて、代打・小野寺を送ったが遊飛に倒れて無得点に終わった。 三回から登板した及川は2イニングは無失点に抑えたが、五回に振り逃げと四球、安打で1死満塁とされたところで馬場に交代。高松は空振り三振に斬ったものの、大島に痛恨の2点打を浴びた。八回にも1点を失うと、反撃したい打線は中日投手陣に抑えられ、4安打完封負けを喫した。一時は2位に最大8差をつけながらも、歴史に残るV逸となった。

◆阪神は今季最終戦で中日に0―4で敗れた。ヤクルトがDeNA戦(横浜)に勝利したため、ヤクルトの優勝が決定。阪神は2005年にリーグ優勝して以降、16年連続で優勝を逃した。 試合後、甲子園のファンの前に立った矢野耀大監督(52)は「みなさん、逆転優勝を信じ最後まで戦っていただきまして、どうもありがとうございました」と、感謝を述べた。 「10月に入り、選手たちは本当にすごい粘りを見せてくれました。しかし、僕たちの目指しているところはここではありません。きょうのこの最後の試合、こういう試合に勝ち切れる、もっともっといいチームに、もっともっと強いチームになって行けるよう、新たなスタートにして、この悔しさを持って戦っていきます」 言葉に力を込めると「まだこの先、クライマックスシリーズ、続いていきますが、その戦いの中から、コロナ禍で苦しい思いをされている皆さんに元気を感じてもらい、僕たちの挑戦が、一歩前に進む気持ちを持っていただけるような、そういう戦いを見せていきます」と誓った。

◆阪神・矢野耀大監督(52)は1点を追う二回2死一、三塁で先発の青柳晃洋投手(27)に代打を送る〝奇策〟に出たものの、同点に追いつけず、五回に2点、八回にも失点し、完封負けを喫した。ヤクルトがDeNA戦(横浜)に勝利したため、16年ぶりのリーグ優勝を逃した。〝敗軍の将〟の一問一答は以下の通り。 ーー青柳に代打 「いやいやもう、勝つしかうちは、チャンスがほぼないんで」 ーー調子というよりは少ないチャンスを 「いや、チャンスがあるところで行かないと、条件的に厳しいので」 ーーファンへのあいさつでも話していたが、選手は苦しいときを乗り越えて粘ってきた 「チーム状態的にはね、良くなかったんで。特にバッター陣みんな調子が下がっていたし、スタメン組むのもちょっとどうかなという感じになっていたので。なかなか点が取れないというのが長かったのでね。そういうところで、うーん、まあ、ずるずる、いってもおかしくないようなところもあったと思うんだけど。まずピッチャーが頑張ってくれたのと、スタメンじゃないメンバーをスタメンでいったりした中でよくやってくれたし。チーム全体で乗り越えられたかなというところはこの10月の戦いではあったかなと思う」 ーーCSに向けては 「ちょっと今はまだそこまでの気持ちにはすぐになれないけど」 ーー143試合戦い抜いた思い 「すごい、できた部分もあるし。だから、状態が良くない中でも粘れてるとか、そういうのってタイガースのいいところというかさ、走りきるとかさ、チーム一丸でやるとか、俺はいつもそこを俺らの野球というか、タイガースの野球って言い方をするんだけど。諦めないとかさ。そういうのは、みんなも言葉に出して、ベンチでも言ってるし。実際、そういう試合っていうのは、今日は残念な試合になったけど、見せてくれたところもたくさんあったんで。そういう部分は、すごくチームの成長を感じるし」(さらに)「一方で、今日の試合は特に勝ちきれないとか、今日の試合を振り返るとやっぱり球際であったり、1個のアウト、1個のブロッキングだったり、ベースカバーだったり、そういうところが出た試合だったかな。うちは現状ガンガン点取ってというチームではないのでそういうところを大事にしていく必要があるかなと。全体としてはステージが上がったし、ルーキーもみんな頑張ってくれたし、青柳が最多勝? 獲るなんて何年か前まで誰も想像しなかったこと。タクムも盗塁王近いでしょ? そういう意味でも輝の前半の頑張りとか、いろんなことがあった。プラスのこともいっぱいある。でもやっぱり勝ちきってないし、勝ちきってもこれでよしとは思っていなかったと思うけど、まあ勝ちきれなかったからこそ、まだまだ成長が必要だなっていう。出来た部分と出来なかった部分と両方ある」ーー今季のヤクルトの印象は「いや、まあやっぱり外国人2人入って、打線の厚みがしっかり出たことと、打線のいいチームだったけど、それで若手、ベテラン、中堅がバランスよくガチッと固まったという部分もあるし。投手も高津監督がうまく使ったと思うんだけど、使える状態の選手の底が上がったというか。若い選手も中堅も状態がグッと上がったんで、いろんな使い方ができる形に、奥川みたいに間隔あける投手もいれば、中継ぎなんかどんどんつぎ込んだり、そういうのもできたし。投手の全体の力というのも、まあ投手陣というのは替えがきくんだけど、そこがグッと上がったので。そういうところは後半グッと上がったというのが、その総合力というのは打線が元々良かったところにプラスアルファされて、投手陣全体が上がったというのはやっぱり見ててもあるなと思ってたけど」

◆シーズン前、今年は外国人選手を含めて戦力もぶ厚くなり、優勝のチャンスがあると思っていたが、他球団の調子も上がらない中で、期待通りのスタートを切った。 選手はよく頑張ったと思うし、もうダメと思われてからも踏ん張った。まさに紙一重だ。ただ終盤、この日のように「この試合」というところで勝ち切れなかった。 その一番の要因は、打線だろう。前半戦はよかったが、引っ張ってきた佐藤輝の失速とともに、打線全体に元気がなくなった。昨季同様、終盤に調子を落としたサンズとともに、2人が後半戦の苦しい打線の象徴となってしまったが、勝ち切るためには、各選手の「チャンスでの打撃」を、改めて指摘したい。 外野フライを打てない。内野ゴロを打てない。凡打でも点が入る展開で取り切れなかった。典型が10月10日、ヤクルトとの神宮での直接対決3戦目の17残塁だ。4-6で敗れた一戦が、今季の阪神打線を物語っていたといえる。1点を取り切る。来季、紙一重の差をひっくり返すのは、その積み重ねだ。(本紙専属評論家)

◆あぁ、残念―。阪神は今季最終戦の中日戦(甲子園)に0―4で敗れ、奇跡の逆転優勝はならなかった。失策から先制点を与え、貧打で得点を奪えずに終戦。近年の課題が再び噴出した内容に、矢野燿大監督(52)は試合後のスピーチでファンに「もっともっといいチームに、もっともっと強いチームに」とさらなる進化を誓った。この悔しさは来季、必ず晴らす。快進撃の春があり、空白の夏があった。手にしたのは実りの秋ではなく課題だった。勝つしかなかった最終戦。中日に完敗して16年連続のV逸が決まった。矢野監督は試合後のセレモニーで、前へ進むことを誓った。 「こういう試合に勝ち切れる、もっともっといいチームに、もっともっと強いチームになっていけるよう、新たなスタートにして、この悔しさを持って戦っていきます」 虚空をにらみ、何かをこらえているかのような表情で言葉をつむいだ。9月16日に藤原オーナーから続投要請を受けた。明言こそしなかったが、マイクの前で来季に向けての意欲を示唆した。 開幕20戦で16勝4敗という歴史的ロケットスタートを決めた。交流戦も11勝7敗の2位で乗り切ると、6月19日に2位タイだったヤクルトと最大7ゲーム差をつけた。前半戦終了時でも2・5差。振り切れるはずだった。 だが、チームをけん引してきたサンズと、快進撃の象徴だったD1位・佐藤輝が後半戦で不調に陥った。あと一本が出ず、9月22日に最後の首位陥落。大山、近本が相次いで故障し、12球団最多の77勝を挙げながらも優勝できなかった。 そして、最後はまたも課題を突き付けられた。二回1死一、二塁、木下拓が三ゴロ。大山が捕球し、併殺成立かと思われたが、二塁ベースカバーに入った糸原が一塁へ悪送球し、二走が生還して先制点を献上した。矢野虎の課題だった守乱が、最後の最後に命取りとなった。86失策は4年連続12球団ワーストとなることが決定的だ。 「選手たちは本当にすごい粘りを見せてくれました。しかし、僕たちの目指しているところはここではありません」 故障者を出しながらも10月は12勝5敗3分け。胸を張れるラストスパートをかけただけに、悔しさばかりが募る。同じ時刻、横浜では高津監督が優勝インタビューを受けていた。虎将の背後で、大山が肩を震わせて涙をぬぐっていた。勝たなくてはならない年だったが、まだ足りなかった。(長友孝輔)

◆「...」 143試合目、最終戦でのあっけない幕切れに言葉が見つからない...。「最後まで感動をアリガトウ!!」という虎党の声さえ、阪神の全試合どころか、全投球を55年間スコアブックに記し続けている俺には「今年も詰めが甘かった」の裏返しにしか聞こえないのだ。 厳しいことを言えば『貧打』『エラー』で負けた、まさに今季を象徴する試合だったのが悲しいし、これを変えないと100年先まで何も変わらない!!(YouTube『ダンカン虎輪書』で話しますわ!!) あ~そうでした。今季阪神が優勝を逃したら頭を丸める宣言を俺はしていました! 約束だからやりまっせ!! どーせなら全国の虎命の諸君、オンラインで『V逸無念断髪式』やりまへんか~? 最後に、腐ってもスポーツマンシップまでは捨てていないよ。「ヤクルト、Vオメデトウ!!」。

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ヤクルト
735018 0.593
(↑0.003)
優勝
(-)
2617
(+5)
518
(+1)
141
(-)
70
(-)
0.254
(-)
3.450
(↑0.01)
2
(-)
阪神
775610 0.579
(↓0.004)
1
(↓1)
0541
(-)
508
(+4)
121
(-)
114
(-)
0.247
(↓0.001)
3.300
(-)
3
(-)
巨人
616220 0.496
(-)
12
(↓0.5)
0552
(-)
541
(-)
169
(-)
65
(-)
0.242
(-)
3.630
(-)
4
(-)
広島
606812 0.469
(-)
15.5
(↓0.5)
3537
(-)
581
(-)
120
(-)
65
(-)
0.262
(-)
3.850
(-)
5
(-)
中日
557117 0.437
(↑0.005)
19.5
(-)
0405
(+4)
478
(-)
69
(-)
60
(+1)
0.237
(-)
3.220
(↑0.03)
6
(1↓)
DeNA
547216 0.429
(↓0.003)
20.5
(↓1)
1559
(+1)
617
(+5)
136
(-)
30
(-)
0.258
(-)
4.130
(↓0.01)